JP3880148B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、閃光装置を用いる撮像装置、特に光電変換素子を有する電子カメラ等の撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、電子カメラ等の撮像装置においても、低照度の被写体を撮影する場合には閃光装置の利用が必要不可欠となっている。その際の閃光装置の制御の一つとして、あらかじめ所定の発光量の発光を閃光装置に行わせ、そのときの反射光量から撮影時の発光量制御を行う閃光装置の制御方法が提案されている。
【0003】
図4はこのような閃光装置を使用する従来の電子カメラの撮像系の構成を示すブロック図である。同図において、101は結像用のレンズ、102は入射光を光電変換する撮像素子、103は撮像素子102によって生成された信号から輝度信号及び色信号を生成する信号処理回路、104は信号処理回路103で生成した輝度信号から画面の測光値を検出して出力する測光回路、205は測光回路104の測光値を用いて閃光装置206を制御する閃光装置制御回路である。
【0004】
上記構成において、被写体からの撮像光はレンズ101によって撮像素子102に結像する。この入射光は撮像素子102で光電変換され、その変換された信号から信号処理回路103は映像信号を生成する。同時に、その映像信号に含まれる輝度信号から、測光回路104は測光値を生成する。また、閃光装置制御回路105は閃光装置106に対し、あらかじめ少なくとも一度発光量が既知である発光(プリ発光という)を行わせる。
【0005】
上記プリ発光による被写体からの反射光量は測光回路104で測光値として出力され、閃光装置制御回路105はそのプリ発光時の測光値から撮影時に被写体が適正露出となる発光量を演算し、閃光装置106の発光を制御する。これにより適切な露出で被写体を撮影することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の撮像装置にあっては、まず測光方式として例えば画面中央部を主に測光する中央重点平均測光を用い、主被写体が撮像装置から離れて存在している場合を考えると、主被写体の周辺の暗い領域の影響を受けて測光回路から得られる測光値が小さくなってしまうことがあり、その結果主被写体について適正な露出が得られなくなってしまう。
【0007】
また、測光回路がピーク測光を行うときには、被写体までの距離が遠距離の場合は上記の理由によりピーク測光の測光値から適切な露出となるような閃光装置の発光量制御が可能であるが、撮像装置と被写体の距離が近距離の場合はピーク測光による画面の分割領域中の最大測光値に合わせて閃光装置の発光量制御を行うと適正な露出が得られなくなってしまう。
【0008】
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、被写体までの距離に応じて適切な閃光装置の発光量を供給でき、主被写体を適切な露出で撮影することが可能な撮像装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る撮像装置は、次のように構成したものである。
【0010】
(1)被写体からの撮像光を光電変換する撮像素子を有し、被写体を照射する閃光装置を使用する撮像装置において、前記閃光装置の発光量を制御する閃光装置制御手段と、前記撮像素子の出力から得られる映像信号に基づいて異なる測光方式の測光値をそれぞれ出力する複数の測光回路と、被写体までの距離情報を検出する検出手段と、該検出手段により検出された距離情報に応じて前記測光値を選択する選択手段とを備え、前記選択手段は前記距離情報が所定値よりも小さい場合は、撮像された画面中央部を主に測光して平均の測光値を出力する中央重点平均測光方式の測光回路で出力された測光値に従って前記閃光装置の発光量を制御し、前記距離情報が所定値以上の場合は、撮像された画面を複数に分割した各領域について測光して最大の平均の測光値を出力する分割平均測光方式の測光回路で出力された測光値に従って前記閃光装置の発光量を制御するようにした。
(2)上記(1)の構成において、被写体からの撮像光を撮像素子に結像させるレンズの自動焦点調節を行う自動焦点調節制御手段を備え、検出手段は該自動焦点調節制御手段からの焦点調節情報に基づいて被写体までの距離情報を検出するようにした。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。図1は図3と同様閃光装置を備えるかあるいは取り付け可能な電子カメラの構成を示すブロック図である。
【0014】
図1において、1は被写体からの撮像光の結像用のレンズ、2はレンズ1を通した被写体からの入射光(撮像光)を光電変換する撮像素子、3は撮像素子2によって生成された信号から輝度信号及び色信号を生成する信号処理回路、4aは信号処理回路3で生成した輝度信号から所定の測光方式で画面の測光値を出力する測光回路(1)、4bは測光回路4aと同じ輝度信号を用いて異なる測光方式で測光値を出力する測光回路(2)で、測光回路4aは画面中央部を主に測光して平均の測光値を出力する中央重点平均測光方式、測光回路4bは画面を複数に分割した各領域について測光して最大の平均の測光値を出力するピーク測光(分割平均測光)方式を用いている。
【0015】
5は上記被写体からの撮像光を撮像素子2に結像させるレンズ1の自動焦点調節を行うAF制御回路(自動焦点調節制御手段)で、その焦点調節情報を制御信号として出力する。6はそのAF制御回路5からの制御信号に基づいて電子カメラから被写体までの距離情報を検出する距離情報検出回路、7は検出された距離情報に応じて測光回路4aと測光回路4bの切り替えを行う測光回路選択回路、8は測光回路選択回路7によって選択された測光回路の測光値を用いて閃光装置9の発光量を制御する閃光装置制御回路である。
【0016】
上記のように構成された電子カメラにおいては、図4のカメラと同様、被写体からの撮像光はレンズ1によって撮像素子2に結像する。この入射光は撮像素子2で光電変換され、信号処理回路3はその撮像素子2の出力から映像信号を生成する。そして、この映像信号に含まれる輝度信号から測光回路4a及び測光回路4bは各々の測光方式による測光値を生成する。
【0017】
図2は測光回路4aと測光回路4bの測光方式の違いを示す図であり、(a)の撮影状態に対し、(b)は上述の中央重点平均測光、(c)はピーク測光をそれぞれ示している。同図中、11は主被写体、12は背景、13は中央重点平均測光の中央領域、14は中央重点平均測光の周辺領域、15a,15b,15cはそれぞれ画面分割時の分割領域である。
【0018】
図2の(b)の中央重点平均測光は、中央領域13と周辺領域14の測光値を各々求め、中央領域13の比重が大きくなるように中央領域13と周辺領域14の重み付を変える測光である。測光回路4aはこの中央重点平均測光を用いている。
【0019】
また、図2の(c)のピーク測光は、一つの画面を細かく複数のを領域に分割し、それらの各分割領域15a,15b,15cについて各々測光値を得、その中の最大測光値を出力する測光である。測光回路4bはこのピーク測光を用いている。
【0020】
被写体の撮影に際し、まず閃光装置制御回路8は、閃光装置109に対してあらかじめ少なくとも一度発光量が既知である所定の発光(プリ発光という)を行わせる。一方、距離情報検出回路6は、AF制御回路5からの制御信号により被写体までの距離情報を検出し、その検出情報を測光回路選択回路7に出力する。
【0021】
上記測光回路選択回路7は、入力された検出情報の内容から測光回路4a若しくは測光回路4bの出力(測光値)を選択する。すなわち、被写体までの距離が設定値より近い場合は測光回路4aの測光値を選択し、遠い場合には測光回路4bの測光値を選択する。そして、閃光装置制御回路8は、選択された測光回路の測光値を用いて被写体の露出状態が最適となるような閃光装置9の発光量の制御を行う。
【0022】
ここで本実施例では、上述のように測光回路4aが中央重点平均測光による測光値を出力し、測光回路4bがピーク測光による測光値を出力するようになっている。そして、例えば主被写体11までの距離が遠く、かつ背景12が暗い条件下では、反射光量が所定量以下になると中央重点平均測光では主被写体周辺の暗い領域の影響を受け、主被写体11の露出が適正になるような発光量制御を行うことができない。そこで、このような場合は測光回路4bに切り替えてピーク測光による測光値を選択する。
【0023】
このとき、主被写体11の反射率が一様であれば、図2に示すように各分割領域15a,15b,15cはその領域中を主被写体11の占める面積比率の大きい15a,15b,15cの順で測光値が大きくなる。そして、分割領域15aは主被写体11の占める面積比率が最も大きく、プリ発光の反射光量が多いため、全分割領域中で最大の測光値となり、測光回路4bはこの測光値を出力する。
【0024】
このように、主被写体11について最大の測光値の領域を抜き出すことで、主被写体周辺の暗い領域の影響を少なくし、より精度の高い発光量制御を行うこととができる。
【0025】
逆に、主被写体11までの距離が近く、プリ発光で十分な反射光量があるにも拘らず、測光回路4bのピーク測光を用いた発光量制御を行うと、適切な露出状態で被写体を撮影することができない。そこで距離情報検出回路6の情報から被写体が近距離にある場合は測光回路4aに切り替え、中央重点平均測光を用いた発光量制御を行う。これにより、適切な露出状態で被写体を撮影することができる。
【0026】
このように、撮像装置から被写体までの距離によって異なる測光方式の測光回路に切り替えることで、単一の測光回路を用いた閃光装置9の発光量制御よりも適切な露出状態で被写体を撮影することが可能となる。
【0027】
図3は上述の本実施例の動作を示すフローチャートである。このフローチャートの動作は、図1の電子カメラの制御部のCPUによりROMに格納されたプログラムに従って処理されるものである。
【0028】
まず、撮影に際して閃光装置9によりプリ発光を行い(ステップS1)、このとき撮像素子2から得られた映像信号を信号処理回路3により処理し(ステップS2)、測光回路4a,4bに輝度信号を出力する。そして、測光回路4a,4bは各々の測光方式による測光値を出力する(ステップS3,S4)。
【0029】
また、距離情報検出回路6により被写体までの距離情報を検出し(ステップS5)、その検出情報に従って上記何れかの測光回路の測光値を選択する(ステップS6)。そして、選択した測光値により閃光装置9の発光量を制御し、本発光を行う(ステップS7)。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被写体までの距離情報に応じて異なる測光方式の測光回路の測光値を選択し、その測光値に基づいて閃光装置の発光量制御を行うようにしたので、さまざまな被写体に対して主被写体を適切な露出で撮影することが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の構成を示すブロック図
【図2】 測光方式の違いを示す説明図
【図3】 実施例の動作を示すフローチャート
【図4】 従来例の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 レンズ
2 撮像素子
3 信号処理回路
4a 測光回路
4b 測光回路
5 AF制御回路(自動焦点調節制御手段)
6 距離情報検出回路
7 測光回路選択回路
8 閃光装置制御回路
9 閃光装置
11 被写体
12 背景
13 中央領域
14 背景領域
15a 分割領域
15b 分割領域
15c 分割領域

Claims (2)

  1. 被写体からの撮像光を光電変換する撮像素子を有し、被写体を照射する閃光装置を使用する撮像装置において、前記閃光装置の発光量を制御する閃光装置制御手段と、前記撮像素子の出力から得られる映像信号に基づいて異なる測光方式の測光値をそれぞれ出力する複数の測光回路と、被写体までの距離情報を検出する検出手段と、該検出手段により検出された距離情報に応じて前記測光値を選択する選択手段とを備え、
    前記選択手段は前記距離情報が所定値よりも小さい場合は、撮像された画面中央部を主に測光して平均の測光値を出力する中央重点平均測光方式の測光回路で出力された測光値に従って前記閃光装置の発光量を制御し、
    前記距離情報が所定値以上の場合は、撮像された画面を複数に分割した各領域について測光して最大の平均の測光値を出力する分割平均測光方式の測光回路で出力された測光値に従って前記閃光装置の発光量を制御することを特徴とする撮像装置。
  2. 被写体からの撮像光を撮像素子に結像させるレンズの自動焦点調節を行う自動焦点調節制御手段を備え、検出手段は該自動焦点調節制御手段からの焦点調節情報に基づいて被写体までの距離情報を検出することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
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