JP3878306B2 - コンクリート系パネルにおけるガスケットの取付け構造 - Google Patents
コンクリート系パネルにおけるガスケットの取付け構造 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、外壁用などとして用いられるガラス繊維強化コンクリートパネル(以下、GRCパネルという)やプレキャストコンクリートパネル(以下、PCパネルという)などのコンクリート系パネルにおけるガスケットの取付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、図5(イ)(ロ)に示すように、外壁用のGRCパネル51やPCパネル52には、これと隣り合って配設される同種パネルとの間の目地部の防水のため、その周面に、二次ガスケット53が取り付けられている。
【0003】
従来、この二次ガスケット53は、パネル51,52の成形時にパネル周面に同時一体成形されたガスケット位置決め用の溝54内に、接着剤にて取り付けられて、パネル51,52に備えられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような接着剤を用いた取付け構造では、接着剤の塗布にバラツキがあったり、また、接着時のガスケット53の押付け度合いが弱かったような場合には、二次ガスケット53がパネル51,52に適正に接着されず、パネル51,52の運搬時や建方時に、二次ガスケット53がパネル51,52から外れてしまうというようなことも起こり得た。
【0005】
また、建物の解体などにおいて、パネル51,52や二次ガスケット53の廃棄あるいはリサイクルのためにガスケット53をパネル51,52から取り外すような場合、接着剤による取付け構造では、ガスケット53とパネル51,52との接合力がかなり強いために、その取外しが容易ではなかった。
【0006】
また、ガスケット53を取り外せたとしても、パネル51,52や二次ガスケット53に接着剤の残渣が付着したままとなったり、また、ガスケット53の取外しの際に、ガスケット53の一部が引きちぎられてパネル51,52に付着したままとなることがあり、これら不純物残渣は除去しにくく、廃棄やリサイクルに際し、その処理に支障を来たすという問題もあった。
【0007】
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑み、ガスケットを適正かつしっかりとパネルに取り付けることができると共に、その取外しも容易に行うことができ、しかも、取外しの際に不純物残渣をガスケット側やパネル側に残すことがなく、それらの廃棄やリサイクル処理を支障なく行うことができるコンクリート系パネルにおけるガスケットの取付け構造を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、コンクリート系パネルの周面に、チャンネル状で金属製のガスケット受け材が、パネル成形時の一体的埋込み方式にて取り付けられ、
このチャンネル状受け材の内部に、ガスケットが、側面部における凹凸掛止係合によって抜止め状態に嵌合保持されてなることを特徴とするコンクリート系パネルにおけるガスケットの取付け構造によって解決される。
【0009】
即ち、本発明の取付け構造では、ガスケットの取付けのために、チャンネル状で金属製のガスケット受け材を用いたものである。ガスケット受け材は、パネル成形時の一体的埋込み方式にてパネルにしっかりと取り付けられ、また、ガスケットは、その弾性を利用してチャンネル状受け材の内部に押込み嵌合することによって、側面部において受け材と凹凸掛止係合し抜止め状態にしっかりと保持される。これにより、ガスケットはパネルに適正かつしっかりと取り付けられ、不本意に脱落を起こすようなことはない。
【0010】
しかも、一旦取り付けられたガスケットは、それ自体の有する弾性を利用して受け材から引き抜く、あるいは、カッターにてガスケットに切り目を入れて引き抜くなどすることによって、容易に取り外すことができる。
【0011】
加えて、ガスケットは、受け材に対し凹凸掛止係合によって取り付けられていたものであることにより、この取外しによって、ガスケットに接着剤等の不純物が付着して分離しにくいというような問題が起こることはないし、また、ガスケット受け材についても、接着剤やガスケットの残渣等の不純物が付着して分離しにくいというような問題も起こらない。また、ガスケット受け材は、パネルとは、パネル成形時の一体的埋込み方式にて取り付けられたものであることにより、受け材とパネルとを分離させた際に、受け材やパネルに接着剤等の不純物が付着してこれを除去しにくいというような問題も起こらない。従って、ガスケット、ガスケット受け材及びパネルをそれぞれ純粋なかたちで分解できて、廃棄やリサイクルを有利に行うことができる。
【0012】
また、ガスケット受け材の底壁に、受け材取外し用のネジ孔が貫通して形成されている構造とすることにより、ガスケット取外し後に受け材をパネルから取り外すに際しては、ネジをネジ孔に螺入させていき、ネジの先端でパネルを押すことで、受け材は容易にパネルから分離される。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1及び図2に示す一実施形態において、1は外壁用のパネル、2はガスケット受け材、3は二次ガスケットである。
【0015】
パネル1は、ガラス繊維にて強化されたコンクリート製の本体部1aの内面側に緩衝材1bを介してパネルフレーム1cを備えさせたGRCパネルによるものである。1dはタイルである。
【0016】
ガスケット受け材2は、チャンネル状のアルミニウム製押出型材によるもので、その両側壁2a,2aは、底壁の側とは反対の側の開口側に向けて外方に傾斜して開かれている。そして、両側壁2a,2aの内面部には、その高さ方向中間部位置において、ガスケット3を掛止係合させる凸条4,4が押出一体成形されている。また、この受け材2の底壁2bには、図4(イ)に示すように、受け材取外し用のネジ孔5が一つ、又は、長手方向に適当なピッチで複数、貫通して形成されている。
【0017】
このガスケット受け材2は、上記のGRCパネル1を成形する際に、パネル成形用の型枠にセットされ、型枠にコンクリートを流し込むことによってパネル1の周面に埋込み状態に一体的に取り付けられている。
【0018】
そして、ガスケット3は、軟質ゴム製の中空のガスケット本体部3aに、硬質ゴム製の取付け用基部3bが一体的に接合されたもので、この基部3bの両側面部には、ガスケット受け材2の凸条4,4を嵌め込ませる凹条6,6が長さ方向に延びて形成されている。また、基部3bの先端側は、受け材2への嵌合を容易に行い得るように、先細りテーパー状に形成されている。
【0019】
このガスケット3の取付けは、その取付け用基部3bを、その弾性を利用してパネル1の受け材2の内部に強制嵌合することによって行われる。この強制嵌合により、受け材2の凸条4,4がガスケット3側の凹条6,6内に嵌め込まれ、それによって、ガスケット3は、受け材2と、側面部において凹凸掛止係合され、抜止め状態にしっかりと保持される。これにより、パネル1の運搬や建方の際にガスケット3が不本意に脱落してしまうというようなことは起こらない。特に、ガスケット3は、上記のように、その取付け用基部3bがガスケット本体部3aよりも硬質に構成されて、それぞれに求められるゴム硬さを備えた構成となされているから、ガスケット3は、しっかりと受け材2に保持されて、パネル1に備えられる。なお、図示しないが、受け材2及びガスケット3は、パネル1の四周すべてに取り付けられている。このように、ガスケット3の取付けは、受け材2への強制嵌め込みという極めて容易な操作で適正に遂行される。
【0020】
以上のようにしてガスケット3の取り付けられたパネル1は、図3に示すように、外壁材として建物の躯体に取り付けられ、隣り合うパネル1,1のガスケット3,3の本体部3a,3a同士が圧縮状態となって密着され、パネル1,1間はしっかりと防水される。
【0021】
そして、建物の解体時には、パネル1を躯体から取り外した後、パネル1からガスケット3を取り外す。この取外しは、ガスケット3を引き抜くことによって行う。引抜くだけでは取り外せない場合は、カッターナイフ等にてガスケット3の幅方向中央部を切り込むことによって、容易に取り外すことができる。また、受け材2の取外しは、図4(ロ)(ハ)に示すように、ネジ7を、受け材2のネジ孔5に螺合し螺入させていって、ネジ7の先端でパネル本体部1aを押すことにより行う。これにより、受け材2はパネル1から容易に離脱され取り外される。ガスケット3、ガスケット受け材2及びパネル1には、接着剤等の不純物残渣は付着せず、それぞれ、材料的に純粋なかたちで分離分解できて、廃棄やリサイクルを支障なく行うことができる。
【0022】
以上に、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で、各種の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、パネルとして、GRCパネル1を用いた例を示しているが、PCパネルや、その他のコンクリート系のパネルであってよい。要は、パネル1は、ガスケット受け材2をパネル成形時の一体的埋込み方式にて取り付けうるタイプのものであればよい。また、ガスケット3とその受け材2との凹凸掛止係合構造は、上記実施形態の場合とは逆に、ガスケット3側に凸条を、受け材2側に凹条を設けて、それらを掛止係合させる構造など、各種形式の構造が採用されてよい。また、受け材2は、アルミニウム以外のその他の各種金属材であってもよい。また、上記実施形態では、ガスケット3は、その本体部が軟質ゴムにて構成されると共に、取付け用の基部3bが硬質ゴムにて構成された複合構造となされているが、各所のゴムの硬さは、それぞれに求められる機能を考慮して決められるものであり、従って、用いるガスケットの形状によっては、硬軟逆の構成となることもありうるし、各所同じ硬さのゴムにて構成されることもありうる。また、本発明において、受け材2における取外し用のネジ孔5は必須のものではなく、これを省略して他の取外し手段が備えられていてもよいし、あるいは特別の取外し手段を備えない構造となされてもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上の次第で、本発明のコンクリート系パネルにおけるガスケットの取付け構造は、コンクリート系パネルの周面に、チャンネル状で金属製のガスケット受け材が、パネル成形時の一体的埋込み方式にて取り付けられ、このチャンネル状受け材の内部に、ガスケットが、側面部における凹凸掛止係合によって抜止め状態に嵌合保持されたものであるから、ガスケットを適正かつしっかりとパネルに取り付けることができると共に、その取外しも容易に行うことができる。しかも、取外しの際に不純物残渣をガスケットやパネル、受け材に残すことがなく、それらの廃棄やリサイクル処理を支障なく行うことができる。
【0024】
また、ガスケット受け材の底壁に、受け材取外し用のネジ孔が貫通して形成されている構造とすることにより、ネジをネジ孔に螺入させていき、ネジの先端でパネルを押すことで、受け材を容易にパネルから分離させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すもので、ガスケットをパネルとは分離状態にして示す断面斜視図である。
【図2】図(イ)はガスケットの取付け方法を示す断面図、図(ロ)は取付け状態を示す断面図である。
【図3】パネルを躯体側に取り付けた状態を示す断面図である。
【図4】図(イ)は受け材の断面斜視図、図(ロ)及び図(ハ)は受け材の取外し方法を示す断面図である。
【図5】従来例を示すもので、図(イ)はGRCパネルの場合のガスケットの取付け状態を示す断面図、図(ロ)はPCパネルの場合のガスケットの取付け状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…パネル
2…受け材
3…二次ガスケット
4…凸条
5…ネジ孔
6…凹条
Claims (1)
- コンクリート系パネルの周面に、チャンネル状で金属製のガスケット受け材が、パネル成形時の一体的埋込み方式にて取り付けられ、このチャンネル状受け材の内部に、ガスケットが、側面部における凹凸掛止係合によって抜止め状態に嵌合保持され、ガスケット受け材の底壁には、受け材取外し用のネジ孔が貫通して形成されていることを特徴とするコンクリート系パネルにおけるガスケットの取付け構造。
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JP33636497A JP3878306B2 (ja) | 1997-11-20 | 1997-11-20 | コンクリート系パネルにおけるガスケットの取付け構造 |
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JPH11152804A JPH11152804A (ja) | 1999-06-08 |
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JP33636497A Expired - Fee Related JP3878306B2 (ja) | 1997-11-20 | 1997-11-20 | コンクリート系パネルにおけるガスケットの取付け構造 |
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1997
- 1997-11-20 JP JP33636497A patent/JP3878306B2/ja not_active Expired - Fee Related
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