JP3877393B2 - 自動二輪車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動二輪車のフロントサスペンション並びにステアリングに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車のフロントサスペンションは、例えば、特開平8−175477号公報「自動二輪車等のエンジンとモータの動力切換装置」の公報の図1に示すように、テレスコピック型サスペンションのものが一般的である。テレスコピック型サスペンションを備えた自動二輪車では、サスペンションとステアリングとを一体的に組込んだものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記テレスコピック型サスペンションは広く採用されているが、ヘッドパイプにタイヤ(前輪)が路面から受ける荷重が全てかかるので、ヘッドパイプ廻りの車体フレームは剛性の高いものとしなければならない。
但し、ヘッドパイプはステアリングの特性も決めるものであり、車種によって任意なアライメント(整列のこと。キャスター、トレール)をとることが望まれ、車種毎に高剛性を備えたヘッドパイプ廻りのフレームを設けており、汎用性は低いものとなっていた。
それに対し、前輪を上下スイング可能なスイングアーム形式とし、ヘッドパイプからのステアリング系とは切りはなしたサスペンションも知られている。しかし、前輪がストローク(上下動)して前スイングアームがスイングした時に、ステアリング系がそのストロークをリンクにて吸収するようにした場合、前輪とヘッドパイプとの間にリンクを配置すると、リンクの作動スペースが要求され、メインフレームやレッグスペースに大きく影響を及ぼしてしまうことになっていた。
特に、大径ホイールを採用する場合は、もともとホイールにより前輪とヘッドパイプ間のスペースに制約があるため、その傾向は一層顕著なものとなってしまっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、上述の課題を克服することを目的として、テレスコピック型サスペンションに代るサスペンション構造の研究を続け、前輪のステアリング機構に必須のリンク機構を見直すことで、他のサスペンション構造を採用することに成功した。
具体的には、前輪を上下スイング可能な前スイングアームを介してメインフレームに取付けるとともに、前輪を前スイングアームとは別のステアリングアームを介して操向するようにした自動二輪車であって、ステアリングアームをリンク機構を介して前輪用ナックルに連結するとともに、リンク機構を前輪のホイール内に配置したことを特徴とする。
【0005】
ステアリングアームをリンク機構を介して前輪用ナックルに連結するだけの簡単な構成でよく、ステアリング系とサスペンション系とを切りはなせるため、前スイングアームのピボット部の高剛性のメインフレームを汎用的に種々のモデルに利用することができる。
また、リンク機構を前輪のホイール内に配置したので、スペースの有効活用を図ることができ、ヘッドパイプの下方且つ後方のスペースを確保できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。
なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る自動二輪車の側面図である。
自動二輪車1は、中央下部にバッテリ収納箱を兼ねた枠体からなるメインフレーム2を配置し、このメインフレーム2の前部に、前輪3を懸架するスイングアーム形式のフロントサスペンション系4と、このフロントサスペンション系4とは別のステアリング系5とを取付け、さらに、メインフレーム2の後部に、パワーユニット6と後輪7を懸架するリヤサスペンション系8とを取付けたものである。
パワーユニット6は、エンジン6a並びにモータ(伝動モータ)6bを駆動源とするものである。本発明の前輪3及び後輪7は、特に大径(14〜20インチ)のホイールを採用している。
【0007】
自動二輪車1は、さらに図面上後輪7の奥にエアクリーナ11、排気管12、マフラー13、テールパイプ14を配置し、車体を前から後にフロントフェンダ15、フロントカバー16、フロントハンドルカバー17、センタカウル18、リヤカウル19、リヤフェンダ21で囲ったものである。
なお、22はレッグシールド、23はホーン、24はフロントランプ、25はハンドルバー、25aはグリップ、26はシート、27はヘルメットボックス、27Aはヘルメット、28はテールランプ、71は導風ダクト、72はラジエータ、73はファンである。
【0008】
図2は本発明に係るメインフレーム廻りの側面図である。
パワーユニット6とリヤサスペンション系8について説明すると、メインフレーム2の後部上部に、後ピボット軸31を介してパワーユニット6をスイング可能に取付け、このパワーユニット6に後輪7を取付け、さらにはメインフレーム2の後部上部に、図1のシート27及びヘルメットボックス28を取付けるためのシートレール32を取付け、このシートレール32に図面上で後輪7の手前にリヤクッション33を取付けたものである。
自動二輪車1の前部下方に配置したメインフレーム2と、メインフレーム2の後部上部のシートレール32と、メインフレーム2の前部上部のヘッドパイプポスト51との組合せ構造は、車体フレーム57を構成したものである。
【0009】
図3は本発明に係るメインフレーム、フロント・リヤサスペンション系及びステアリング系の平面図であり、メインフレーム2の前部から前方へ、後述するフロントサスペンション系4の前スイングアーム42を延出し、この前スイングアーム42で前輪3を片持ち支持し、一方、メインフレーム2の後部から後方へパワーユニット6を延出し、このパワーユニット6で後輪7を片持ち支持したことを示す。
前スイングアーム42を車体中心Cから一側(右側)へオフセットさせ、パワーユニット6を車体中心Cから他側(左側)へオフセットさせたので、自動二輪車1は左右の重量バランスが良い。
【0010】
図4は本発明に係るメインフレーム、フロントサスペンション系及びステアリング系の側面図である。
フロントサスペンション系4は、メインフレーム2の前部下部から前ピボット軸41を介して側面視略逆U字状の前スイングアーム42を延出し、この前スイングアーム42に前輪3を回転自在に取付けたものである。具体的には、前スイングアーム42の先端に、前輪3に取付けたナックル43を左右回転可能に取付けたものである。
【0011】
また、フロントサスペンション系4は、前スイングアーム42のスイング方向の衝撃(路面からの衝撃)を緩和する緩衝部材44と、前スイングアーム42のスイング方向の振動の振幅を軽減するフロントダンパー45とを分離したものである。
詳しくは、前スイングアーム42のスイング方向の衝撃を緩和する樹脂スプリング(緩衝部材)44を、メインフレーム2と前スイングアーム42との間に介在させるとともに、フロントダンパー45をメインフレーム2と前スイングアーム42との間に取付けた構成である。
【0012】
具体的には、フロントダンパー45の取付け構造は、フロントダンパー45の一端部を、後述するヘッドパイプポスト51の基部の右側部(図の裏側)にピボット軸46で支持し、フロントダンパー45の他端部を、前スイングアーム42の頂部の左側部にピボット軸47で支持したものである。なお、フロントダンパー45の一端部は、メインフレーム2に直接に取付けてもよい。
【0013】
ステアリング系5は、メインフレーム2の前部上部からヘッドパイプポスト51を斜め上に延ばし、このヘッドパイプポスト51の先端にヘッドパイプ52を固定し、このヘッドパイプ52にハンドルポスト53を回転可能に取付け、このハンドルポスト53の下端にステアリングアーム54を取付け、このステアリングアーム54の先端(下端)をリンク機構55を介してナックル43に連結したものである。
【0014】
リンク機構55は、ステアリングアーム54の先端に連結した第1リンク55aとナックル43に連結した第2リンク55bとの組合せからなり、しかも、比較的大径である前輪3のホイール内に配置したものである。
リンク機構55を前輪3のホイール内に配置したので、スペースの有効活用を図ることができる。そして、ヘッドパイプ52の下方且つ後方のスペースを十分に確保できるので、自動二輪車1の設計の自由度は高まる。また、自動二輪車1から乗員用ステップ83を外して、低床式足載せ板(ステップフロア)に足をそろえて載せるスクータ型自動二輪車とした場合には、運転者の足廻りのスペースを十分に確保することができる。
【0015】
なお、35はフロントブレーキディスクである。36のキャリパはナックル43に取付けたものである。37は後ピボット軸31(図2参照)を支持する軸受である。
メインフレーム2の後部下部にはメインスタンド81、乗員ステップ83、サイドスタンド84を取付けたものである。
【0016】
図5は本発明に係るメインフレーム、フロントサスペンション系及びステアリング系の平面図であり、リンク機構55を展開して示したものである。
この図は、前スイングアーム42が、メインフレーム2の前部右部から前ピボット軸41を介して、前輪3を迂回するように右へ湾曲しつつ前方へ延び、一方、ステアリングアーム54が、車体中心(車体中心線)Cにあるハンドルポスト53の下端から、前輪3を迂回するように右へ湾曲しつつ前方へ延びたことを示す。
【0017】
また、この図は、ヘッドパイプポスト51の中心を車体中心Cから一側(左側)へ寸法Lだけオフセットさせ、車体中心Cから他側(右側)に且つヘッドパイプポスト51に隣接させてフロントダンパー(ダンパー)45を配置し、このフロントダンパー45を車体中心Cと平行に延出させたことを示す。このため、フロントダンパー45を極力車体中心Cの近くに配置することができるので、フロントダンパー45に作用する曲げモーメントを極力抑えることができる。従って、フロントダンパー45の強度を小さくすることができるので、フロントダンパー45をコンパクト(小型)に構成することができ、スペース的に制約の多いフロント廻りのスイングアーム機構に好適な機構とすることができる。
樹脂スプリング44は、車体中心Cに配置したものである。36aはピストン、36bはブレーキパッドである。
【0018】
図6は本発明に係るメインフレーム及びヘッドパイプポストの分解側面図である。
一般に、ステアリングのキャスタ角は車種毎に若干変わる。このため、ヘッドパイプを一体に形成した車体フレームでは、キャスタ角を変更する都度、車体フレームも新規なものにならざるを得ない。
【0019】
本実施の形態においては、メインフレーム2とヘッドパイプポスト51とを分離する形式にした。具体的には、メインフレーム2は汎用性を高めるためにバッテリ収納箱を兼ねた枠体構造とし、しかも、剛性を高めるためにアルミニウム合金の鋳造品としたものである。そして、メインフレーム2にヘッドパイプポスト51をボルトB1…(…は複数を示す。以下同じ。)にて取付ける構成にした。
【0020】
このような構造を採用したことにより、車種が変わっても、メインフレーム2を共用化し、ヘッドパイプポスト51だけを交換すればよく、設計の自由度が高まる。
さらに、図4に示すように、スイングアーム形式のフロントサスペンション系4を採用し、前輪3からの大荷重を前スイングアーム42並びに前ピボット軸41を介して高剛性のメインフレーム2で受けるようにしたので、大荷重をメインフレーム2で確実に且つ有効に受けることができる。このため、ヘッドパイプポスト51に大きな荷重は作用しない。
また、自動二輪車1から乗員用ステップ83を外して、低床式足載せ板(ステップフロア)に足をそろえて載せるスクータ型自動二輪車とした場合であっても、前輪3からの大荷重を前ピボット軸41を介して、高剛性のメインフレーム2で受けることができる。
【0021】
図7(a),(b)は本発明に係る樹脂スプリングの取付構造図であり、(a)は側面から見た断面構造を示し、(b)は平面構造を示す。
樹脂スプリング44は、ばね作用をなすように弾性を有した樹脂製ブロックであり、左右方向(図の表裏方向)に貫通した2つの孔(取付孔44a並びにばね力設定用孔44b)を有する。この樹脂スプリング44は、前ピボット軸41から上に所定寸法Hだけ離れた位置に且つメインフレーム2の前部に取付けたものである。
詳しくは、樹脂スプリング44の取付構造は、樹脂スプリング44の取付孔44aに取付板48を挿通し、この取付板48をメインフレーム2の前部に取付け、一方、樹脂スプリング44の前後を、前スイングアーム42の背面と、前スイングアーム42の背面に取付けた挟持板49とで、挟み込んだものである。
【0022】
図8は本発明に係るメインフレーム及びヘッドパイプポストの正面図であり、フロントダンパー45の一端部を、ヘッドパイプポスト51の基部の右側部にピボット軸46で支持した構造を示す。
2a,2aは前ピボット軸41を支持する軸受、2b,2bは樹脂スプリング用取付板48の取付部である。
【0023】
図9は本発明に係るメインフレーム、フロントサスペンション系及びステアリング系の分解斜視図である。
この図は、上記フロントサスペンション系4及びステアリング系5の構成を、さらに詳しく説明したものであり、メインフレーム2の左右の軸受2a,2aに前ピボット軸41にて前スイングアーム42の支持パイプ42aを取付け、前スイングアーム42のプレート部42bに形成した連結部42c,42cに挟持板49を上下2つのボルトB2,B2で連結し、プレート部42bの背面と挟持板49とで樹脂スプリング44を挟み込み、この樹脂スプリング44の取付孔44aに取付板48を挿通し、この取付板48の左右両端部をメインフレーム2の取付部2b,2bにボルトB3,B3で取付け、さらには、メインフレーム2の前部上部にヘッドパイプポスト51をボルトB1…にて取付け、ヘッドパイプポスト51の基部にフロントダンパー45の一端部ピボット軸46で支持し、前スイングアーム42の頂部にフロントダンパー45の他端部をピボット軸47で支持し、一方、ヘッドパイプポスト51の先端にヘッドパイプ52を設け、このヘッドパイプ52にハンドルポスト53を回転可能に取付け、このハンドルポスト53の下端にステアリングアーム54を取付け、このステアリングアーム54の先端にリンク機構55を連結したことを示す。
前スイングアーム42は、先端にナックル43のステム軸43a(図4参照)を左右回転可能に取付けるためのステム受42dを設けたものである。
【0024】
図10は本発明に係るバッテリ収納状態のメインフレームの平面図であり、メインフレーム2に複数のバッテリBa…を収納したことを示す。すなわち、車体フレーム57の前部下方に複数のバッテリBa…を備えた。
詳しくは、メインフレーム2は、車体両側の前後方向に左右のサイドメンバ2c,2cを延在し、これら左右のサイドメンバ2c,2cの前端部同士を前部クロスメンバ2dで接合し、さらに、左右のサイドメンバ2c,2cの後端部同士を背面視門形状の後部クロスメンバ2eで接合したものである。
【0025】
このため、メインフレーム2は前部を除き中央の底が抜けた形状であり、このメインフレーム2に底板を兼ねた収納ケース61を取付け、この底板に5つのバッテリBa…の大部分を載せるようにしたものである。
複数のバッテリBa…は、図1のモータ6bに電力を供給するものであって、左右のサイドメンバ2c,2c間に3列に且つ前後方向に2列に、千鳥に並べて搭載したものである。従って、メインフレーム2は広幅である。
【0026】
図11は本発明に係るバッテリ収納状態のメインフレームの側面断面図であり、門形状の後部クロスメンバ2eが複数のバッテリBa…の上方を跨ぐように形成したことを示す。
【0027】
図12は図11の12−12線断面図であり、底が抜けた形状のメインフレーム2を収納ケース61で塞いだことを示す。
収納ケース61は、モータ6b(図1参照)を駆動並びに制御する電子回路等からなるユニット(図示せず)を収納するための軽合金製ケースであり、ケース本体62とこのケース本体62の上部を塞ぐリッド63とからなる。この収納ケース61はメインフレーム2の開口に下方から挿入し、フランジ62a…をメインフレーム2の下面にボルトB4…で取付けたものである。
以下、収納ケース61と、この収納ケース61に収納したユニットとの組合せ構造を、制御ユニットと言う。
上述のように、メインフレーム2は、ヘッドパイプ52よりも下方に延在し、その後、地面と略平行に左右一対のサイドメンバ(フレーム)2c,2cを備え、車体フレーム57の一部をなす部材である。
本発明は、左右のサイドメンバ2c,2c間の下部に、且つ、左右のサイドメンバ2c,2c間に渡って制御ユニットを固着するとともに、この制御ユニットの上部に複数のバッテリBa…を搭載したことを特徴とする。
【0028】
さらに、収納ケース61の上には、複数のバッテリBa…間を仕切る樹脂製仕切り板64をメインフレーム2の上方から重ね、メインフレーム2の上面に仕切り板64をボルトB5…で取付けたものである。なお、仕切り板64の有無は任意である。
一方、複数のバッテリBa…にはバッテリカバー65を被せ、バッテリカバー65のフランジ65aをメインフレーム2の上面にボルトB5…で取付けたものである。
【0029】
上述の通り、メインフレーム2の底板を兼ねた収納ケース61に、バッテリBa…の大部分を載せるようにしたので、バッテリBa…を受けるトレイ等の部材が不要であり、部品数の削減を図ることができる。
また、メインフレーム2の底を収納ケース61で塞ぐので、メインフレーム2の剛性は高まる。
さらに、収納ケース61がメインフレーム2の下方に剥き出しになるので、ユニットからの放熱性は高まる。しかも、収納ケース61の下面に放熱フィン62b…を形成したので、放熱性は一層高まる。そして、収納ケース61を熱伝導性の良好な軽合金製ケースとしたので、バッテリBa…の発熱も容易に放散することができる。
【0030】
次に、前スイングアーム42を側面視略逆U字状にしたことの理由を、図13に基づき説明する。
図13(a)〜(c)は前スイングアームと前輪との関係を示す説明図である。
(a)において、実線で示す部材は本発明の実施の形態で採用した前スイングアーム42であり、想像線にて示す部材は比較例の前スイングアームFaである。前スイングアーム42を側面視略逆U字状にしたので、前スイングアーム42と前輪3の外周縁とは、前輪中心Oに接近した点P1の位置でオーバーラップする。これに対し、比較例の前スイングアームFaは、前輪3の中心高さで水平に延びるアームであり、前スイングアームFaと前輪3の外周縁とは、前輪中心Oから最も離れた点P2の位置でオーバーラップする。
【0031】
(c)は比較例の前スイングアームFaと前輪3との関係を示す平面図であり、前輪3を転舵角θだけ操向した場合、車体中心Cから前輪3の外縁までの傾き距離はS2である。比較例の前スイングアームFaは、前輪3に当らないように、大きい傾き距離S2だけ迂回させる必要がある。このため、車幅方向への前スイングアームFaの突出量は大きい。
【0032】
(b)は本発明の実施の形態で採用した前スイングアーム42と前輪3との関係を示す平面図であり、前スイングアーム42と前輪3の外周縁とは、点P1の位置でオーバーラップするので、前輪3を転舵角θだけ操向した場合、車体中心Cから前輪3の外端縁までの傾き距離はS1であって、上記比較例の傾き距離S2よりも小さい。このため、前スイングアーム42は前輪3に当らないように、小さい傾き距離S1だけ迂回させればよく、車幅方向への突出量は小さくてすむ。前スイングアーム42の突出量が小さいので、自動二輪車は小型になる。
すなわち、側面視略逆U字状の前スイングアーム42と前輪3の外周縁とは、前輪中心Oより高い位置(点P1の位置)でオーバーラップする。このオーバーラップする位置での、転舵した前輪3の振れ幅は、前輪中心Oの高さにおける前輪3の外周縁の振れ幅よりも小さい。このため、前スイングアーム42は前輪3の振れ幅が小さい位置で、前輪3に当らないように迂回させればよい。
【0033】
次に、フロントサスペンション系4の作用を図4及び図7に基づき説明する。図4のフロントダンパー45は、前スイングアーム42のスイング方向の振動の振幅を軽減する。
一方、図7において、前スイングアーム42の上スイング方向の衝撃力は、前スイングアーム42の背面から樹脂スプリング44へ伝達され、前スイングアーム42の下スイング方向の衝撃力は、挟持板49から樹脂スプリング44へ伝達される。このとき、樹脂スプリング44は弾性変形してばね作用をなし、衝撃力を緩和する。
このように、フロントサスペンション系4は、樹脂スプリング44によって衝撃力を緩和し、フロントダンパー45によって振動の振幅を軽減することになる。
【0034】
このように、樹脂スプリング44は弾性変形するだけの小ストロークでばね作用をなすものであり、小荷重から大荷重までの広範囲の荷重に対応することができる。しかも、樹脂スプリング44は、コイルばねと比較して極めて小型である。
従って、コイルばねとダンパーとを一体的に組込んだ従来のサスペンションと比較し、広範囲の荷重に対して小ストロークであり、しかも、小型のサスペンションであり、狭いスペースに容易に配置することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、ステアリングアームをリンク機構を介して前輪用ナックルに連結するだけの簡単な構成でよく、ステアリング系とサスペンション系とを切りはなせるため、前スイングアームのピボット部の高剛性のメインフレームを汎用的に種々のモデルに利用することができる。
また、リンク機構を前輪のホイール内に配置したので、スペースの有効活用を図ることができ、ヘッドパイプの下方且つ後方のスペースを確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動二輪車の側面図
【図2】本発明に係るメインフレーム廻りの側面図
【図3】本発明に係るメインフレーム、フロント・リヤサスペンション系及びステアリング系の平面図
【図4】本発明に係るメインフレーム、フロントサスペンション系及びステアリング系の側面図
【図5】本発明に係るメインフレーム、フロントサスペンション系及びステアリング系の平面図
【図6】本発明に係るメインフレーム及びヘッドパイプポストの分解側面図
【図7】本発明に係る樹脂スプリングの取付構造図
【図8】本発明に係るメインフレーム及びヘッドパイプポストの正面図
【図9】本発明に係るメインフレーム、フロントサスペンション系及びステアリング系の分解斜視図
【図10】本発明に係るバッテリ収納状態のメインフレームの平面図
【図11】本発明に係るバッテリ収納状態のメインフレームの側面断面図
【図12】図11の12−12線断面図
【図13】前スイングアームと前輪との関係を示す説明図
【符号の説明】
1…自動二輪車、2…メインフレーム、3…前輪、41…前ピボット軸、42…前スイングアーム、43…前輪用ナックル、54…ステアリングアーム、55…リンク機構。
Claims (1)
- 前輪を上下スイング可能な前スイングアームを介してメインフレームに取付けるとともに、前輪を前スイングアームとは別のステアリングアームを介して操向するようにした自動二輪車であって、前記ステアリングアームをリンク機構を介して前輪用ナックルに連結するとともに、前記リンク機構を前輪のホイール内に配置したことを特徴とする自動二輪車。
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