JP3961801B2 - スクータ型自動二輪車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユニットスイング式動力ユニットの前部を車体フレームに動力ユニット懸架用リンクを介して支持させたスクータ型自動二輪車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のスクータ型自動二輪車は、走行時に後輪が路面の凹凸を越えたときなどに動力ユニット懸架用リンクが車体フレーム側の端部および動力ユニット側の端部を中心にして揺動し、動力ユニットの全体が上下方向に平行移動する。このため、走行時に動力ユニットから乗員に伝わる振動を小さく抑え、乗り心地を向上させることができる。しかし、この構成を採ることにより、路面の凹凸を後輪が越えたとき、衝撃によって動力ユニット本体が上下に大きく平行移動することになる。このため、従来、動力ユニット本体と車体フレームや燃料タンク等の車体構成部材との隙間を大きく設定する必要があり、例えば、燃料タンク等の容量を大きくできないとか、シート高さが高くなる等の不具合があった。
【0003】
この不具合を解消するために、近年においては、前記リンクと車体フレームとの間にストッパーロッドを介装し、このストッパーロッドによって動力ユニットの前端部の上下方向の移動を制限するようになってきた。前記ストッパーロッドは、ゴム製のブッシュを介して前記リンクと車体フレームとにそれぞれ接続している。すなわち、前記ブッシュの弾性変形分だけリンクが揺動できるから、上述した動力ユニットからの振動伝達の解消による乗り心地の向上と、動力ユニットの過大な動きを抑えることによる例えば燃料タンクの容量確保とかシート高さの低減等とを両立させることができる。
一方、スクータ型自動二輪車は、動力ユニットに設けたメインスタンドを使用して駐車した状態、すなわち後輪が空転できる状態で動力ユニットのメンテナンスを行うことが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように構成したスクータ型スクータ型自動二輪車においては、ストッパーロッドを設けることによって動力ユニットが大きく上下方向に移動することができなくなったために、動力ユニットのメインスタンドを使用して駐車したときにも動力ユニットと車体フレームとの位置関係が走行時と同等に保たれる。このため、メインスタンドを用いて駐車した状態でも動力ユニットをメンテナンスできるようにするための作業空間を動力ユニットの周辺に形成しなければならない。駐車状態で行う動力ユニットのメンテナンスとしては、例えばエンジンのタペット調整がある。
【0005】
従来のスクータ型自動二輪車は、上述したメンテナンス用の空間を動力ユニットの周辺に形成するために、車体フレームの形状や、動力ユニットの近傍の部品の取付位置が制約され、設計上の自由度が小さくなっていた。
【0006】
本発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、動力ユニットの上下方向の移動を制限する構造を採りながら、車体フレームや動力ユニット近傍の部品の配置の制約を少なくして設計上の自由度を高めることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明に係るスクータ型自動二輪車は、シリンダの軸線が車体の前方を指向するエンジンが前部に設けられたユニットスイング式動力ユニットを備え、動力ユニット懸架用リンクの動力ユニット側の端部と車体フレームとの間に荷重受け用部材を介装し、この荷重受け用部材の動力ユニット側の端部を動力ユニットに対して着脱可能に構成するととともに車体外方に露出させ、前記リンクは、前記荷重受け用部材を取付けた状態の定常位置と、前記荷重受け用部材を外すことにより動力ユニットと車体フレームの一部との間にシリンダヘッドを前方へ引き出せる広さのメンテナンス用の空間が形成されるメンテナンス位置との間で回動可能に構成されているものである。
【0007】
本発明によれば、メインスタンドを用いて駐車した状態で荷重受け用部材の動力ユニット側端部を動力ユニット懸架用リンクから取外すことによって、前記リンクが定常位置からメンテナンス位置まで揺動し、車体フレームが車重によって下方へ下がる。この結果、動力ユニットと周辺の部材との間にメンテナンス用の空間が形成される。
【0008】
したがって、動力ユニットの上方に形成された空間に動力ユニットを移動させて動力ユニットの周辺にメンテナンス用の空間を形成することができるから、走行可能状態にあるときの動力ユニットの周辺に形成するメンテナンス用空間は、特別広く確保する必要はない。
請求項2に記載した発明に係るスクータ型自動二輪車は、請求項1に記載したスクータ型自動二輪車において、前記動力ユニット懸架用リンクは、車体の略前後方向に延びるように形成されているものである。
請求項3に記載した発明に係るスクータ型自動二輪車は、請求項1または請求項2に記載したスクータ型自動二輪車において、メインスタンドは前記動力ユニットに設けられているものである。
【0009】
請求項4に記載した発明に係るスクータ型自動二輪車は、請求項1ないし請求項3のうち何れか一つに記載したスクータ型自動二輪車において、動力ユニット懸架用リンクの車体フレーム側の端部は、クロスメンバによって互いに接続された一対の車体フレーム側ブラケットに回動自在に連結され、前記リンクに、前記クロスメンバに当接して動力ユニットのさらなる上方への移動を規制するストッパー片を設けたものである。
【0010】
この発明によれば、前記ブラケットを補強するクロスメンバを利用して動力ユニットの上方への移動を規制することができるから、専ら動力ユニットの上方への移動を規制する部材を設ける場合に較べて部品数を低減することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスクータ型自動二輪車の一実施の形態を図1ないし図8によって詳細に説明する。
図1は本発明に係るスクータ型自動二輪車の側面図、図2は車体フレームの側面図、図3は車体フレームの平面図、図4は車体フレームの背面図、図5は要部を拡大して示す側面図、図6は図5における動力ユニット支持用ブラケットとリンクの前端部のVI−VI線断面図、図7は図5におけるリンクの後端部とコンプレッションバーのVII−VII線断面図である。図8はコンプレッションバーの下端部をリンクから取外した状態を示す側面図である。
【0012】
これらの図において、符号1で示すものは、この実施の形態によるスクータ型自動二輪車である。この自動二輪車1は、本発明に係る車体フレーム2を用いて構成しており、この車体フレーム2の後側下部に後述するユニットスイング式動力ユニット3を上下方向に揺動自在に搭載している。図1において、符号4は前輪を示し、5はフロントフォークを示し、6は操向ハンドル、7はシート、8は収納ボックス、9は後輪、10は車体カバーを示す。
【0013】
前記車体フレーム2は、図2〜図4に示すように、ヘッドパイプ11と、このヘッドパイプ11から後下がりに延びる1本のダウンチューブ12と、このダウンチューブ12に接続用プレート13を介して接続して車体の後方に延びる左右一対のバックステー14,15と、これらのバックステー14,15どうしを接続する第1〜第5のクロスメンバ16〜20などによって構成している。
【0014】
前記左右一対のバックステー14,15は、側面視において前端部からシート前部の下方の部位まで足乗せ部21(図1参照)と略平行に後上がりに延びる前部22と、この前部22より水平に対する傾斜角度が大きくなるように前部22の後端から後上がりに延びる中央部23と、この中央部23の後端から前記前部22と略平行に延びる後部24とによって形成している。
【0015】
車体左側のバックステー14と車体右側のバックステー15の前部22どうしは、第1〜第3のクロスメンバ16〜18によって接続し、後部24どうしは、第4および第5のクロスメンバ19,20によって接続している。前記第1のクロスメンバ16は、車幅方向の中央部をダウンチューブ12に溶接し、ダウンチューブ12と両方のバックステー14,15とを接続している。第2のクロスメンバ17は、足乗せ部21の後端部分で左右のバックステー14,15どうしを接続している。また、この第2のクロスメンバ17は、動力ユニット3のエンジンとの干渉を避けるために、図3に示すように門形状に形成し、図1および図5に示すように、側面視において前上がりに傾斜させて設けている。
【0016】
前記第3のクロスメンバ18は、上方に突出する門形状に形成し、左右のバックステー14,15における前部22の後端部分どうしを接続するとともに、上端部で収納ボックス8の前端部を支持している。バックステー14,15の前部22における前記第2のクロスメンバ17と第3のクロスメンバ18との間には、動力ユニット3の前端部を支持するための動力ユニット支持用ブラケット25を下方に突出させて溶接している。図1において、バックステー14,15の前部22の下方に設けた符号26で示すものは燃料タンクである。この燃料タンク26は、図示していないブラケットによってバックステー14,15に支持させており、給油管26aをヘッドパイプ11の左側に延設している。
【0017】
前記第4のクロスメンバ19と第5のクロスメンバ20は、バックステー14,15の後部24の後端部分どうしを互いに接続している。第4のクロスメンバ19は、バックステー14,15の下方を通って車幅方向に延びている。第5のクロスメンバ20は、門形状に形成してバックステー14,15から上方に突出させ、上端部で収納ボックス8の後端部を支持している。
【0018】
この収納ボックス8は、上端の荷物出入口8aがシート7によって開閉される構造で、図1に示すように、フルフェイス型ヘルメット27と他の荷物(図示せず)とを収納できる容積をもって形成している。また、この収納ボックス8は、下方の動力ユニット3との間に動力ユニット3が上下方向に揺動することができる空間S(図1参照)が形成されるように、動力ユニット3から上方に離間させて配設している。
【0019】
前記動力ユニット3は、従来からよく知られているものと同等の構成を採り、4サイクル単気筒エンジン31と、このエンジン31のクランクケース32に一体的に形成した伝動ケース33と、この伝動ケース33の内部に収納した伝動装置(図示せず)などによって構成している。また、この動力ユニット3は、図1に示すように、前端部(クランクケース32の前側下部)をリンク34によってバックステー14,15の前記動力ユニット支持用ブラケット25に上下方向に揺動自在に支持させるとともに、後端部(伝動ケース33の後端部)をクッションユニット35によって車体左側のバックステー14の後端部に懸架させている。前記リンク34の動力ユニット側端部と車体フレーム2との間には、コンプレッションバー36を介装し、動力ユニット3の前部が車体フレーム2に対して上方へ移動するのを規制している。このコンプレッションバー36によって、本発明でいう荷重受け用部材が構成されている。
【0020】
この動力ユニット3のエンジン31は、シリンダ37の軸線が車体の前方を指向するように形成し、シリンダ37を車体フレーム2のバックステー14,15の間に臨ませている。前記シリンダ37は、上部に吸気管38を接続するとともに、下部に排気管(図示せず)を接続している。前記吸気管38には気化器39を接続し、この気化器39にはエアクリーナ39aを接続している。前記シリンダ37のシリンダヘッド37aは、図5および図8に示すように、タペットカバー37b,37cを上端部と下端部とに設けている。
【0021】
このシリンダヘッド37aは、図5に示す定常状態(走行可能状態)では、車体フレーム2の第2のクロスメンバ17の後方近傍に位置しており、シリンダヘッド37aの前方のメンテナンス用空間Mが前記第2のクロスメンバ17によって遮られている。すなわち、シリンダヘッド37aは、前記定常状態では第2のクロスメンバ17に当たるためにシリンダ37から取外すことができないし、第2のクロスメンバ17が邪魔になるために、前記下側のタペットカバー37cを前下方へ取外してシリンダヘッド37a内に工具を挿入することができない。
【0022】
前記第2のクロスメンバ17は、バックステー14,15における動力ユニット3の前端部を支持する部分を補強するためのものであるから、シリンダ37との干渉を避けるために位置を図示位置より車体前側にずらすことはできない。
前記クランクケース32は、図1および図8に示すように、下端部であって前記リンク34を接続する部位の後側にメインスタンド40を回動自在に設けている。
【0023】
ここで、動力ユニット3の前端部と車体フレーム2との接続部分の構造を図5〜図7によってさらに詳細に説明する。
前記動力ユニット支持用ブラケット25は、図6に示すように、車体外側に位置する外側プレート41と、車体内側に位置する内側プレート42とを互いに組合わせて溶接することによって形成している。また、車体左側のバックステー14に設けるブラケット25と、車体右側のバックステーに設けるブラケット25は、ブラケット用クロスメンバ43によって互いに接続させ、一つの組立体を構成する状態でバックステー14,15に溶接している。
【0024】
前記クロスメンバ43は、断面下向きコ字状に形成し、両端部を両ブラケット25の内側プレート42にそれぞれ溶接している。また、両ブラケット25の後端部には、図5に示すように、コンプレッションバー36の上端部を取付けるために補助ブラケット44を設けている。この補助ブラケット44は、図7に示すように、動力ユニット支持用ブラケット25の外側プレート41に一体に形成した外側プレート44aと、動力ユニット支持用ブラケット25の内側プレート42に一体に形成した内側プレート44bとによって形成している。
【0025】
前記リンク34は、図5および図6に示すように、前記動力ユニット支持用ブラケット25に接続する前部リンク45と、この前部リンク45の車幅方向の中央部に溶接するとともに後端部に動力ユニット3を接続する後部リンク46とによって構成している。前記前部リンク45は、平面視において前方に向けて開放されるコ字状のパイプ45aの前端部にボス45bを溶接することによって形成している。このボス45bは、ダンパーゴム46を介して互いに接続する内筒47と外筒48とを有する接続部材を嵌入させている。
【0026】
この接続部材の内筒47は、動力ユニット支持用ブラケット25の内側プレート42に車体内側へ向けて延出するように設けた支持用ボルト49を嵌挿させ、このボルト49によって前記内側プレート42の車体内側の端面に締結させている。前記支持用ボルト49は、外側プレート41に形成した貫通孔41aを通して内側プレート42のボルト孔42aに車体外側から挿通させている。前記ボルト孔42aが本発明に係る動力ユニット支持用ブラケットの動力ユニット取付部を構成している。このボルト孔42aは、両ブラケット25どうしを接続する前記クロスメンバ43の後方近傍に形成している。
【0027】
前記前部リンク45の両端のボス45b,45bのうち、車体右側のボス45bには、図5および図6に示すようにストッパー50を設けている。このストッパー50は、板材によって形成し、一端部をボス45bの外周部に溶接するとともに、他端部を前記クロスメンバ43の上方に臨むようにボス45bから車体の前方へ突出させている。このようにストッパー50をリンク34に設けることによって、図8に示すように、コンプレッションバー36の下端部をリンク34から外して車体フレーム2が車重によって動力ユニット3に対して下方に移動したときに、クロスメンバ43にストッパー50が当接してリンク34の揺動が阻止され、動力ユニット3の上方への更なる移動を規制することができる。
【0028】
すなわち、リンク34は、図5に示すように、コンプレッションバー36を取付けた状態の定常位置と、図8に示すように、ストッパー50がクロスメンバ43に当接する位置(以下、この位置をメンテナンス位置という)との間で回動できるように構成している。リンク34が前記メンテナンス位置まで回動することによって、動力ユニット3は定常位置から後上方(収納ボックス8との間の空間S内)に移動し、エンジン31のシリンダ37が第2のクロスメンバ17から後上方に離間する。この結果、シリンダヘッド37aと第2のクロスメンバ17との間のメンテナンス用空間Mが広げられる。
【0029】
このメンテナンス用空間Mは、シリンダヘッド37aをエンジン31から取外して図8中に二点鎖線で示すように前上方へ引き出したり、シリンダヘッド37aをエンジン31から取外さない状態で下側のタペットカバー37cをシリンダヘッド37aから取外してタペット調整を行うことができるような広さをもって形成されている。
【0030】
リンク34の前記後部リンク46は、前記前部リンク45のパイプ45aから後方に延びる連結部材46aの後端部に筒部材46bを溶接することによって形成している。この筒部材46bは、図7に示すように、連結用ボルト51を移動自在に貫通させた状態で支持しており、この連結用ボルト51を介して動力ユニット3の二つの連結板52と、コンプレッションバー36の下端部(動力ユニット3側端部)とを接続している。前記連結板52は、クランクケース32に一体に形成し、軸受53を介して連結用ボルト51に回動自在に支持させている。前記軸受53と連結用ボルト51との間には、軸受53に対して連結用ボルト51を軸線方向に移動させることができるように、カラー52aを介装している。
【0031】
コンプレッションバー36の下端部は、図7に示すように、前記前部リンク45のボス45bと同等のボス36aおよび接続部材を介して連結用ボルト51に弾性支持させている。54はボス36a内に設けた接続部材の内筒を示し、55は外筒、56はダンパーゴムを示す。前記内筒54は、連結用ボルト51が容易に挿抜できるように形成している。すなわち、連結用ロッド51からナット51aを緩めて外すことによって、図7中に二点鎖線で示すように連結用ロッド51を車体右側の連結板52から側方に引出すことができる。
【0032】
連結用ロッド51の先端部をコンプレッションバー36の下端部の前記内筒54から引抜くことによって、コンプレッションバー36の下端部がリンク34(動力ユニット3)から切り離される。このスクータ型自動二輪車1においては、コンプレッションバー36の下端部が車体外部に露出するように、車体カバー10の下縁10aをコンプレッションバー36の上端部と対向する部位に形成し、車体カバー10の下部10b(図8参照)を車体フレーム2に取付けた状態でナット51aを取外してコンプレッションバー36の下端部をリンク34から取外すことができるようにしている。
【0033】
コンプレッションバー36の上端部(車体フレーム2側の端部)は、前記下端部と同等の構造を採り、ボス36bに内筒57と、外筒58と、ダンパーゴム59とを有する接続部材を設け、このボス36bと前記接続部材とを介して前記補助ブラケット44に支持させている。前記内筒57は、支持用ボルト60によって補助ブラケット44に締結させている。
【0034】
このようにリンク34とコンプレッションバー36とによって動力ユニット3の前端部を車体フレーム2に支持させることにより、動力ユニット3の前端部はダンパーゴム46,56,59の弾性変形分だけ車体フレーム2に対して上下方向に回動することができる。
【0035】
上述したように構成したスクータ型自動二輪車1は、図8に示すように、メインスタンド40を起立させてこのメインスタンド40を用いて駐車した状態でシリンダヘッド37aをエンジン31から取外したり、タペット調整を行う。このメンテナンスを行うためには、先ず、リンク34と動力ユニット3とを連結する連結用ロッド51のナット51aを緩めて外し、図7中に二点鎖線で示すように、連結用ロッド51を車体右側へ引出す。このときには、連結用ロッド51の先端部がコンプレッションバー36の下端部の内筒54から外れて車体左側の連結板52内に残る状態にする。このように連結用ロッド51を引出すことによって、コンプレッションバー36の下端部をリンク34から切り離すことができる。
【0036】
コンプレッションバー36がリンク34から切り離されると、車体フレーム2の中央部を支える部材がなくなり、車体フレーム2は、リンク34のストッパー50がクロスメンバ34に当たるまで車重によって下方へ下がる。すなわち、このときには、リンク34は、図8中に二点鎖線で示す定常位置から同図において実線で示すメンテナンス位置まで、動力ユニット3との連結部(支持用ボルト49)を中心にして図8において反時計方向に揺動する。
【0037】
このように車体フレーム2が動力ユニット3に対して下方へ移動することによって、シリンダヘッド37aの前方にメンテナンス用空間Mが広く形成され、シリンダヘッド37aをエンジン31から取外したり、タペットカバー37b,37cを取外してタペット調整を行うことができるようになる。
【0038】
したがって、このスクータ型自動二輪車1によれば、動力ユニット3を移動させて動力ユニット3の周辺にメンテナンス空間Mを形成することができるから、定常状態にあるときの動力ユニット3の周辺に形成する空間(メンテナンス用の空間)は、特別広く確保する必要はない。
また、前記ストッパー50をクロスメンバ43に当接させているから、動力ユニット支持用ブラケット25を補強する部材(クロスメンバ43)を利用して動力ユニット3の上方への移動を規制することができ、専ら動力ユニット3の上方への移動を規制する部材を設ける場合に較べて部品数を低減することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、動力ユニットの上方に形成された空間に動力ユニットを移動させて動力ユニットの周辺にメンテナンス用の空間を形成することができるから、走行可能状態にあるときの動力ユニットの周辺に形成するメンテナンス用空間は、特別広く確保する必要はなく、その分、車体フレームの形状や動力ユニットの近傍の部品の位置の設計上の自由度を高めることができる。
【0040】
したがって、動力ユニットの上下方向の移動を荷重受け用部材で制限する構造を採りながら、車体フレームや動力ユニット近傍の部品の配置の制約を少なくして設計上の自由度を高めることができる。
【0041】
請求項2記載の発明によれば、前記ブラケットを補強するクロスメンバを利用して動力ユニットの上方への移動を規制することができるから、専ら動力ユニットの上方への移動を規制する部材を設ける場合に較べて部品数を低減することができ、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るスクータ型自動二輪車の側面図である。
【図2】 車体フレームの側面図である。
【図3】 車体フレームの平面図である。
【図4】 車体フレームの背面図である。
【図5】 要部を拡大して示す側面図である。
【図6】 図5における動力ユニット支持用ブラケットとリンクの前端部のVI−VI線断面図である。
【図7】 図5におけるリンクの後端部とコンプレッションバーのVII−VII線断面図である。
【図8】 コンプレッションバーの下端部をリンクから取外した状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1…スクータ型自動二輪車、2…車体フレーム、3…動力ユニット、10…車体カバー、17…クロスメンバ、25…車体フレーム側ブラケット、34…動力ユニット懸架用リンク、36…コンプレッションバー、50…ストッパー片、M…メンテナンス用空間。

Claims (4)

  1. シリンダの軸線が車体の前方を指向するエンジンが前部に設けられたユニットスイング式動力ユニットを備え、ユニットスイング式動力ユニットの前部を車体フレームに動力ユニット懸架用リンクを介して支持させたスクータ型自動二輪車において、前記リンクの動力ユニット側の端部と車体フレームとの間に荷重受け用部材を介装し、この荷重受け用部材の動力ユニット側の端部を動力ユニットに対して着脱可能に構成するととともに車体外方に露出させ、前記リンクは、前記荷重受け用部材を取付けた状態の定常位置と、前記荷重受け用部材を外すことにより動力ユニットと車体フレームの一部との間にシリンダヘッドを前方へ引き出せる広さのメンテナンス用の空間が形成されるメンテナンス位置との間で回動可能に構成されているスクータ型自動二輪車。
  2. 請求項1記載のスクータ型自動二輪車において、前記動力ユニット懸架用リンクは、車体の略前後方向に延びるように形成されていることを特徴とするスクータ型自動二輪車。
  3. 請求項1または請求項2記載のスクータ型自動二輪車において、メインスタンドは前記動力ユニットに設けられていることを特徴とするスクータ型自動二輪車。
  4. 請求項1ないし請求項3のうち何れか一つに記載のスクータ型自動二輪車において、動力ユニット懸架用リンクの車体フレーム側の端部は、クロスメンバによって互いに接続された一対の車体フレーム側ブラケットに回動自在に連結され、前記リンクに、前記クロスメンバに当接して動力ユニットのさらなる上方への移動を規制するストッパー片を設けてなるスクータ型自動二輪車。
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