JP3876854B2 - インクジェットヘッド - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はプリンタ等に設けられるインクジェットヘッドに関し、特に、インクを吐出する複数の吐出素子が配列された吐出素子群を有するインクジェットヘッドに関する。
【０００２】
【従来の技術】
プリンタやファクシミリ等に用いられるインクジェットヘッドは、接着剤で接着して積層される複数の薄板から成っている。各薄板には貫通孔が設けられ、貫通孔によってインク流路を有する吐出素子を複数配列した吐出素子群が形成されている。
【０００３】
各吐出素子はインクを吐出するノズルを有し、ノズルには圧力室が連通する。圧力室にはインクを供給するマニホールドが連通して設けられる。マニホールドと圧力室との間にはインクの流量を絞るアパーチャが形成されている。圧力室には圧電素子等のアクチュエータが固着され、アクチュエータの駆動によって圧力室からインクが加圧して送出される。これにより、各ノズルから所定量のインクが吐出されるようになっている。
【０００４】
上記構成のインクジェットヘッドによると、各層を接着する際に吐出素子群の周囲に塗布される接着剤が吐出素子群の外周に配される吐出素子のインク流路に流入する。このため、インク流路が接着剤により閉塞され、インクジェットヘッドの吐出精度が低下する問題があった。
【０００５】
特願２００２−２８０５８１号には圧力室の周囲に開口部を設けたインクジェットヘッドが開示されている。これにより、吐出素子群の周囲に塗布された接着剤が開口部に流入し、圧力室の閉塞を回避できるようになっている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特願２００２−２８０５８１号に開示されたインクジェットヘッドにおいては、積層により吐出素子群の外側から内側の方向に押し出される接着剤の量が多くなると接着剤が開口部を超えて圧力室を形成する貫通孔に流入するおそれがあった。
【０００７】
また、圧力室への接着剤の流入を阻止できたとしても、インク流路を形成する他の層の貫通孔に接着剤が流入してインク流路が閉塞される問題もあった。特に、流路を絞るアパーチャは断面積を小さく形成する必要があるため、アパーチャを形成するアパーチャプレート自体が薄く、それに形成される開口部の体積も小さくならざるを得ない。このため、吐出素子群の外周に配される吐出素子のアパーチャは、その周囲に開口部を設けても接着剤が流入しやすいものであった。
【０００８】
本発明は、インク流路の閉塞を防止して吐出精度の向上を図ることのできるインクジェットヘッドを提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、インクを吐出するノズルと、マニホールドから供給されるインクに吐出圧を与える圧力室と、前記マニホールドから前記圧力室にインクを送るアパーチャと、前記圧力室から前記ノズルにインクを送るインク送出路とを含む吐出素子が所定間隔で配列される吐出素子群を備えたインクジェットヘッドにおいて、接着剤で接着して積層される複数の薄板の各々に設けられた貫通孔により前記マニホールド及び複数の前記吐出素子を形成し、複数の前記薄板は、前記ノズルとなる前記貫通孔が形成されたノズル層と、前記圧力室となる前記貫通孔が形成された圧力室層と、前記マニホールドとなる前記貫通孔及び前記インク送出路となる前記貫通孔が形成されたマニホールド層と、前記マニホールド層と前記圧力室層との間に配されるとともに前記アパーチャとなる前記貫通孔及び前記インク送出路となる前記貫通孔が形成されたアパーチャ層とを含み、複数の前記薄板に互いに連通するように設けられた開口部によって前記吐出素子群の周囲に位置する複数のダミー通路を形成し、前記マニホールドは、前記アパーチャ層に形成された前記アパーチャとなる前記貫通孔だけでなく、前記アパーチャ層に形成された前記ダミー通路となる前記開口部に対しても連通可能な領域に亘って形成されており、前記ダミー通路は、前記マニホールドとの連通が遮断されたものであることを特徴としている。（請求項１）
【００１０】
この構成によると、貫通孔が形成された薄板が接着剤を介して積層され、該貫通孔が連通してノズル及び圧力室を有する吐出素子及びマニホールドが形成される。吐出素子が所定間隔で配列された吐出素子群の周囲には、複数の層に連通して開口部が形成される。吐出素子群の周囲に塗布される接着剤の一部は積層により吐出素子群の外側から吐出素子群に向かう方向に押し出されて開口部から成るダミー通路に流入する。ダミー通路はマニホールドとの連通が遮断され、マニホールドからダミー通路へのインクの流入が防止されているので、インクの吐出に関与しない。
【００１１】
また本発明は、上記構成のインクジェットヘッドにおいて、前記マニホールドは、複数の前記薄板の積層方向から見て、前記アパーチャとなる前記貫通孔と前記アパーチャ層に形成された前記ダミー通路となる前記開口部とに重なる位置を含んで形成されていることを特徴としている。（請求項２）
【００１２】
【００１３】
また本発明は、上記構成のインクジェットヘッドにおいて、前記ダミー通路は、前記ノズル層に形成された前記開口部と、前記圧力室層に形成された前記開口部と、前記マニホールド層に形成された前記開口部と、前記アパーチャ層に形成された前記開口部とを含み、これらの開口部は、同じ層に形成された前記吐出素子を構成する前記貫通孔と同一形状に形成されていることを特徴としている。（請求項３）
【００１４】
この構成によると、ダミー通路を形成する開口部は、同じ層に形成された貫通孔と同一形状に形成される。従って、ダミー通路を構成する開口部を同じ層に形成される貫通孔とともに容易に形成することができる。
【００１５】
また本発明は、上記構成のインクジェットヘッドにおいて、複数の前記薄板は、前記マニホールド層と前記アパーチャ層との間に形成されたサプライ層をさらに含み、前記サプライ層は、前記マニホールドと前記アパーチャを連通させる前記貫通孔と前記インク送出路となる前記貫通孔を有するとともに、前記マニホールド層に形成された前記開口部と前記アパーチャ層に形成された前記開口部とを遮断することを特徴としている。（請求項４）
【００１６】
【００１７】
【００１８】
【００１９】
また本発明は、上記構成のインクジェットヘッドにおいて、前記ダミー通路は、前記吐出素子群を構成する複数の吐出素子とともに前記所定間隔で配列されることを特徴としている。（請求項５）
【００２０】
この構成によると、ダミー通路は、吐出素子群を構成する複数の吐出素子とともに所定間隔で配列される。従って、ダミー通路を吐出素子とともに容易に形成することができる。
【００２１】
【００２２】
また本発明は、上記構成のインクジェットヘッドにおいて、前記ノズル及び前記圧力室をマトリクス状に配列して前記吐出素子群を形成することを特徴としている。（請求項６）
【００２３】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図１は一実施形態のインクジェットヘッドを示す斜視図である。インクジェットヘッド１は記録用紙に対向配置されるヘッドユニット７０が基部７１により保持されている。インクジェットヘッド１をＸ方向（主走査方向）に走査し、記録用紙をＹ方向（副走査方向）送って記録用紙に記録できるようになっている。
【００２４】
ヘッドユニット７０は詳細を後述するように圧力室１０やノズル８等を含んで流路が構成された流路ユニット２及び圧力室１０中のインクを加圧するアクチュエータユニット４（いずれも図２、図４参照）から成り、記録用紙の所定位置にインクを吐出する。基部７１はベースブロック７５及びホルダ７２から成っている。ベースブロック７５はヘッドユニット７０の背面側に固着され、ヘッドユニット７０を支持する。
【００２５】
ホルダ７２は本体部７３と支持部７４とから成っている。本体部７３はベースブロック７５を保持する。支持部７４は本体部７３からヘッドユニット７０と反対側に延設され、支持部７４によりインクジェットヘッド１が支持されるようになっている。
【００２６】
基部７１の外周にはアクチュエータを形成する個別電極６（図５参照）に接続されるＦＰＣ５０がスポンジ等の弾性部材８３を介して配される。ＦＰＣ５０にはアクチュエータを駆動するドライバＩＣ８０と、ドライバＩＣ８０を制御する制御基板８１とが取り付けられている。ドライバＩＣ８０には発熱を放出するヒートシンク８２が固着されている。
【００２７】
図２はヘッドユニット７０を示す平面図である。ヘッドユニット７０はインクの流路を形成する流路ユニット２を有している。流路ユニット２は矩形に形成され、短辺方向に重なる２列で長辺方向に並設される複数の吐出素子群９を有している。
【００２８】
各吐出素子群９上には圧電素子から成るアクチュエータを有したアクチュエータユニット４がそれぞれ固着されている。また、各吐出素子群９にはベースブロック７５（図１参照）に設けられたインク溜り（不図示）に開口部３ａ、３ｂを介して連通するマニホールド５からインクが供給されるようになっている。
【００２９】
図３は図２のＥ部の詳細を示す平面図である。吐出素子群９は記録画像の各画素に対応してインクを吐出する多数の吐出素子１１がマトリクス状に配列して構成され、その外形が略台形形状になっている。各吐出素子１１はマニホールド５に連通するアパーチャ１３、圧力室１０、ノズル８（図４参照）等を有している。また、各吐出素子群９の周囲全体には、吐出素子１１と同じ周期で配列されるダミー通路２０が形成されている。
【００３０】
図４は吐出素子１１の断面形状を示している。流路ユニット２はＮｉ等の薄板を積層して構成されている。アクチュエータユニット４側から順にキャビティプレート２１、ベースプレート２２、アパーチャプレート２３、サプライプレート２４、マニホールドプレート２５、２６、２７、カバープレート２８、ノズルプレート２９が設けられている。
【００３１】
キャビティプレート２１には圧力室１０が形成される。圧力室１０は後述するアクチュエータの駆動によりマニホールド５から吸引したインクをノズル８に圧出する。アパーチャプレート２３にはアパーチャ１３及びインク送出路７を構成する貫通孔１５が形成される。アパーチャ１３によってマニホールド５から圧力室１０に流入するインクの流路が絞られるようになっている。ベースプレート２２はアパーチャ１３と圧力室１０とを連通させる貫通孔１６ａと、インク送出路７を構成する貫通孔１６ｂとが形成される。
【００３２】
マニホールドプレート２５、２６、２７は積層してマニホールド５を形成するとともにインク送出路７を構成する貫通孔１７ａ、１７ｂ、１７ｃが形成される。サプライプレート２４はアパーチャ１３とマニホールド５とを連通させる貫通孔１８ａと、インク送出路７を構成する貫通孔１８ｂとが形成される。
【００３３】
ノズルプレート２９はインク送出路７を介して送られたインクを吐出するノズル８が形成される。カバープレート２８はインク送出路７を構成してノズル８にインクを供給する貫通孔１９が形成される。尚、１４は各層を接着する接着剤を逃がす逃がし溝である。
【００３４】
図５は図４のＦ部を示しており、アクチュエータユニット４の詳細を示す断面図である。アクチュエータユニット４は複数の圧電シート４１〜４４が内部電極４５を介して積層されている。流路ユニット２側から離れた側には各吐出素子１０に対応する個別電極６が設けられている。
【００３５】
個別電極６は図６に示すようにランド部６２及び電極部６１を有し、電極部６１は圧力室１０と近似する平面形状に形成されている。これにより、各吐出素子１１に対応した圧電素子から成るアクチュエータが構成され、個別電極６に電圧を印加することによって圧力室１０（図４参照）の容積を可変してインクの吸引及び圧出が可能になっている。
【００３６】
図７はダミー通路２０の断面形状を示している。ダミー通路２０は積層された各薄板に形成される開口部から成り、吐出素子１１（図４参照）と同様の形状に形成されている。キャビティプレート２１には圧力室１０と同一形状の開口部１０'が形成される。
【００３７】
アパーチャプレート２３にはアパーチャ１３と同一形状の開口部１３'及びインク送出路７を構成する貫通孔１５と同一形状の開口部１５'が形成される。ベースプレート２２には開口部１６ａ'、１６ｂ'が形成される。開口部１６ａ'はインク送出路７を形成する貫通孔１６ｂと同一形状になっている。開口部１６ｂ'はアパーチャ１３と圧力室１０とを連通させる貫通孔１６ａと同一形状になっている。
【００３８】
サプライプレート２４には貫通孔１８ｂと同一形状の開口部１８ｂ'が形成される。マニホールドプレート２５、２６、２７にはインク流路を形成する貫通孔１７ａ、１７ｂ、１７ｃと同一形状の開口部１７ａ'、１７ｂ'、１７ｃ'が形成される。開口部１７ａ'、１７ｂ'、１７ｃ'はインク送出路７と同一形状の連通孔７'を構成する。カバープレート２８には貫通孔１９と同一形状の開口部１９'が形成される。ノズルプレート２９にはノズル８と同一形状の開口部８'が形成される。
【００３９】
また、サプライプレート２４には開口部１３'とマニホールド５とを連通させる孔は設けられず、ダミー通路２０とマニホールド５との連通が遮断される。これにより、開口部８'からインクが吐出されず、ダミー通路２０内での滞留によるインクの変質を防止することができる。また、ダミー通路２０の一部とマニホールド５を連通させ他の層の開口部（例えば開口部８'、１５'）を設けずにインクの吐出を停止してもよい。
【００４０】
尚、上述した各開口部は、図７に示されるとおり、各プレートを貫通する孔として形成されており、ダミー通路２０は各開口部か連通した連通孔として形成されているが、これに限らず、各開口部はハーフエッチングにより形成された一面が遮蔽された開口から成ってもよい。
【００４１】
上記構成のインクジェットヘッド１において、接着剤を介して各層の薄板を接着する際に吐出素子群９の外側に塗布される接着剤の一部は吐出素子群９の内側に向けて押し出されるが、接着剤は吐出素子群９に到達する前にその周囲に設けられたダミー通路２０に流入するので、吐出素子群９の内側への接着剤の流入を防止することができる。
【００４２】
この時、ダミー通路２０が複数の層に連通した開口部から成るため、接着剤の量が多くなっても下層または上層の開口部まで流入して吐出素子群９への流入を防止することができる。例えば圧力室１０に対応する位置の開口部１０'に量の多い接着剤が流入しても下層のベースプレート２２に形成された開口部１６ａ'、１６ｂ'により保持することができる。
【００４３】
また、マニホールド５から流路を絞ってインクを圧力室１０に送るアパーチャ１３は断面積が小さくするためアパーチャプレート２３の厚みが薄く形成される。このため、アパーチャプレート２３を接着する接着剤をアパーチャ１３に対応する開口部１３'や、開口部１５'だけで保持できない場合でも、上層のベースプレート２２や下層のサプライプレート２４に設けた開口部１６ａ'、１６ｂ'、１８ｂ'によって保持することができる。
【００４４】
更に、マニホールド５はインクを貯溜して各吐出素子１１に供給するため大きな体積を必要とするのでマニホールドプレート２５、２６、２７により厚く形成される。マニホールドプレート２５、２６、２７に形成される開口部１７ａ'、１７ｂ'、１７ｃ'にサプライプレート２４の開口部１８ｂ'を介してアパーチャプレート２３の開口部１５'を連通して形成することによって、開口部１５'だけでは保持できない量の接着剤を開口部１５'に連通する他の開口部とともにより確実に保持して吐出素子群９への接着剤の流入を防止することができる。
【００４５】
また、ダミー通路２０を形成する各開口部（開口部８'、１０'等）は吐出素子を形成する貫通孔（インク送出路７、ノズル８、圧力室１０等）と同一形状に形成されている。このため、インクジェットヘッド１の各層は、吐出素子群９の最外周に配される吐出素子１１の周囲がダミー通路２０との間の接着剤により接着される。従って、吐出素子群９の内方に配される吐出素子１１と同じ条件で接着されるため、接着状態のばらつきを低減して均一な強度を得ることができる。
【００４６】
尚、本実施形態においてダミー通路２０は複数の層に連通して貫通した開口部により形成されているが、開口部をハーフエッチング等によって一面を遮蔽して形成してもよい。これにより、例えば、厚みの薄い層に貫通した開口部を形成し、この層の上層または下層にハーフエッチングされた開口部を配することができる。その結果、多くの量の接着剤を保持して吐出素子群９の内側への接着剤の流入を防止することができる。
【００４７】
例えば、アパーチャプレート２３に形成されるアパーチャ１３は、アパーチャプレート２３自体の厚みが薄いばかりでなく、所定の流路抵抗を有するように幅も狭くなっている。そのため、アパーチャプレート２３を接着する接着剤のうち、吐出素子群９の外方より最外周に流入する分を充分に防止できない場合もある。
【００４８】
より効果的に不要な接着剤の流入を防止するために、アパーチャプレート２３に形成されるとともに吐出素子１１に対応した位置に設けられる開口部に加えて、アパーチャプレート２３の上層や下層に積層されるベースプレート２２やサプライプレート２４にもこのアパーチャプレート２３の開口部と同じ位置にハーフエッチングされた開口部を設けてもよい。
【００４９】
【発明の効果】
本発明によると、積層される薄板に形成された貫通孔により吐出素子群を形成し、複数の薄板に連通するように設けられた開口部により形成されたダミー通路が吐出素子群の周囲に配されるので、吐出素子群の外側から吐出素子群に向けて押し出される接着剤はダミー通路に流入し、吐出素子群の内側への接着剤の流入を防止されインク流路の閉塞を防止することができる。また、開口部が複数の層に連通するため接着剤の量が多くなっても下層または上層の開口部まで流入して吐出素子群への流入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施形態のインクジェットヘッドの斜視図である。
【図２】 本発明の実施形態のインクジェットヘッドのヘッドユニットの平面図である。
【図３】 図２のＥ部詳細図である。
【図４】 本発明の実施形態のインクジェットヘッドの吐出素子を示す断面図である。
【図５】 本発明の実施形態のインクジェットヘッドのアクチュエータユニットを示す断面図である。
【図６】 本発明の実施形態のインクジェットヘッドのアクチュエータユニットの個別電極を示す平面図である。
【図７】 本発明の実施形態のインクジェットヘッドのダミー通路を示す断面図である。
【符号の説明】
１ インクジェットヘッド
２ 流路ユニット
４ アクチュエータユニット
５ マニホールド
６ 個別電極
７ インク送出路
７' 連通孔
８'、１０'、１３'、１５'、１６ａ'、１６ｂ'、１７ａ'、１７ｂ'、
１７ｃ'、１８ａ'、１８ｂ'、１９' 開口部
８ ノズル
９ 吐出素子群
１０ 圧力室
１１ 吐出素子
１３ アパーチャ
１５、１６ａ、１６ｂ、１７ａ、１７ｂ、１７ｃ、１８ａ、１８ｂ、１９
貫通孔
２０ ダミー通路
２１ キャビティプレート
２３ アパーチャプレート
２５〜２７ マニホールドプレート
２８ カバープレート
２９ ノズルプレート
４１〜４４ 圧電シート
５０ ＦＰＣ
７０ ヘッドユニット
７１ 基台
７２ ホルダ
７５ ベースブロック
８０ ドライバＩＣ
８１ 制御基板
８２ ヒートシンク
【発明の属する技術分野】
本発明はプリンタ等に設けられるインクジェットヘッドに関し、特に、インクを吐出する複数の吐出素子が配列された吐出素子群を有するインクジェットヘッドに関する。
【０００２】
【従来の技術】
プリンタやファクシミリ等に用いられるインクジェットヘッドは、接着剤で接着して積層される複数の薄板から成っている。各薄板には貫通孔が設けられ、貫通孔によってインク流路を有する吐出素子を複数配列した吐出素子群が形成されている。
【０００３】
各吐出素子はインクを吐出するノズルを有し、ノズルには圧力室が連通する。圧力室にはインクを供給するマニホールドが連通して設けられる。マニホールドと圧力室との間にはインクの流量を絞るアパーチャが形成されている。圧力室には圧電素子等のアクチュエータが固着され、アクチュエータの駆動によって圧力室からインクが加圧して送出される。これにより、各ノズルから所定量のインクが吐出されるようになっている。
【０００４】
上記構成のインクジェットヘッドによると、各層を接着する際に吐出素子群の周囲に塗布される接着剤が吐出素子群の外周に配される吐出素子のインク流路に流入する。このため、インク流路が接着剤により閉塞され、インクジェットヘッドの吐出精度が低下する問題があった。
【０００５】
特願２００２−２８０５８１号には圧力室の周囲に開口部を設けたインクジェットヘッドが開示されている。これにより、吐出素子群の周囲に塗布された接着剤が開口部に流入し、圧力室の閉塞を回避できるようになっている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特願２００２−２８０５８１号に開示されたインクジェットヘッドにおいては、積層により吐出素子群の外側から内側の方向に押し出される接着剤の量が多くなると接着剤が開口部を超えて圧力室を形成する貫通孔に流入するおそれがあった。
【０００７】
また、圧力室への接着剤の流入を阻止できたとしても、インク流路を形成する他の層の貫通孔に接着剤が流入してインク流路が閉塞される問題もあった。特に、流路を絞るアパーチャは断面積を小さく形成する必要があるため、アパーチャを形成するアパーチャプレート自体が薄く、それに形成される開口部の体積も小さくならざるを得ない。このため、吐出素子群の外周に配される吐出素子のアパーチャは、その周囲に開口部を設けても接着剤が流入しやすいものであった。
【０００８】
本発明は、インク流路の閉塞を防止して吐出精度の向上を図ることのできるインクジェットヘッドを提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、インクを吐出するノズルと、マニホールドから供給されるインクに吐出圧を与える圧力室と、前記マニホールドから前記圧力室にインクを送るアパーチャと、前記圧力室から前記ノズルにインクを送るインク送出路とを含む吐出素子が所定間隔で配列される吐出素子群を備えたインクジェットヘッドにおいて、接着剤で接着して積層される複数の薄板の各々に設けられた貫通孔により前記マニホールド及び複数の前記吐出素子を形成し、複数の前記薄板は、前記ノズルとなる前記貫通孔が形成されたノズル層と、前記圧力室となる前記貫通孔が形成された圧力室層と、前記マニホールドとなる前記貫通孔及び前記インク送出路となる前記貫通孔が形成されたマニホールド層と、前記マニホールド層と前記圧力室層との間に配されるとともに前記アパーチャとなる前記貫通孔及び前記インク送出路となる前記貫通孔が形成されたアパーチャ層とを含み、複数の前記薄板に互いに連通するように設けられた開口部によって前記吐出素子群の周囲に位置する複数のダミー通路を形成し、前記マニホールドは、前記アパーチャ層に形成された前記アパーチャとなる前記貫通孔だけでなく、前記アパーチャ層に形成された前記ダミー通路となる前記開口部に対しても連通可能な領域に亘って形成されており、前記ダミー通路は、前記マニホールドとの連通が遮断されたものであることを特徴としている。（請求項１）
【００１０】
この構成によると、貫通孔が形成された薄板が接着剤を介して積層され、該貫通孔が連通してノズル及び圧力室を有する吐出素子及びマニホールドが形成される。吐出素子が所定間隔で配列された吐出素子群の周囲には、複数の層に連通して開口部が形成される。吐出素子群の周囲に塗布される接着剤の一部は積層により吐出素子群の外側から吐出素子群に向かう方向に押し出されて開口部から成るダミー通路に流入する。ダミー通路はマニホールドとの連通が遮断され、マニホールドからダミー通路へのインクの流入が防止されているので、インクの吐出に関与しない。
【００１１】
また本発明は、上記構成のインクジェットヘッドにおいて、前記マニホールドは、複数の前記薄板の積層方向から見て、前記アパーチャとなる前記貫通孔と前記アパーチャ層に形成された前記ダミー通路となる前記開口部とに重なる位置を含んで形成されていることを特徴としている。（請求項２）
【００１２】
【００１３】
また本発明は、上記構成のインクジェットヘッドにおいて、前記ダミー通路は、前記ノズル層に形成された前記開口部と、前記圧力室層に形成された前記開口部と、前記マニホールド層に形成された前記開口部と、前記アパーチャ層に形成された前記開口部とを含み、これらの開口部は、同じ層に形成された前記吐出素子を構成する前記貫通孔と同一形状に形成されていることを特徴としている。（請求項３）
【００１４】
この構成によると、ダミー通路を形成する開口部は、同じ層に形成された貫通孔と同一形状に形成される。従って、ダミー通路を構成する開口部を同じ層に形成される貫通孔とともに容易に形成することができる。
【００１５】
また本発明は、上記構成のインクジェットヘッドにおいて、複数の前記薄板は、前記マニホールド層と前記アパーチャ層との間に形成されたサプライ層をさらに含み、前記サプライ層は、前記マニホールドと前記アパーチャを連通させる前記貫通孔と前記インク送出路となる前記貫通孔を有するとともに、前記マニホールド層に形成された前記開口部と前記アパーチャ層に形成された前記開口部とを遮断することを特徴としている。（請求項４）
【００１６】
【００１７】
【００１８】
【００１９】
また本発明は、上記構成のインクジェットヘッドにおいて、前記ダミー通路は、前記吐出素子群を構成する複数の吐出素子とともに前記所定間隔で配列されることを特徴としている。（請求項５）
【００２０】
この構成によると、ダミー通路は、吐出素子群を構成する複数の吐出素子とともに所定間隔で配列される。従って、ダミー通路を吐出素子とともに容易に形成することができる。
【００２１】
【００２２】
また本発明は、上記構成のインクジェットヘッドにおいて、前記ノズル及び前記圧力室をマトリクス状に配列して前記吐出素子群を形成することを特徴としている。（請求項６）
【００２３】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図１は一実施形態のインクジェットヘッドを示す斜視図である。インクジェットヘッド１は記録用紙に対向配置されるヘッドユニット７０が基部７１により保持されている。インクジェットヘッド１をＸ方向（主走査方向）に走査し、記録用紙をＹ方向（副走査方向）送って記録用紙に記録できるようになっている。
【００２４】
ヘッドユニット７０は詳細を後述するように圧力室１０やノズル８等を含んで流路が構成された流路ユニット２及び圧力室１０中のインクを加圧するアクチュエータユニット４（いずれも図２、図４参照）から成り、記録用紙の所定位置にインクを吐出する。基部７１はベースブロック７５及びホルダ７２から成っている。ベースブロック７５はヘッドユニット７０の背面側に固着され、ヘッドユニット７０を支持する。
【００２５】
ホルダ７２は本体部７３と支持部７４とから成っている。本体部７３はベースブロック７５を保持する。支持部７４は本体部７３からヘッドユニット７０と反対側に延設され、支持部７４によりインクジェットヘッド１が支持されるようになっている。
【００２６】
基部７１の外周にはアクチュエータを形成する個別電極６（図５参照）に接続されるＦＰＣ５０がスポンジ等の弾性部材８３を介して配される。ＦＰＣ５０にはアクチュエータを駆動するドライバＩＣ８０と、ドライバＩＣ８０を制御する制御基板８１とが取り付けられている。ドライバＩＣ８０には発熱を放出するヒートシンク８２が固着されている。
【００２７】
図２はヘッドユニット７０を示す平面図である。ヘッドユニット７０はインクの流路を形成する流路ユニット２を有している。流路ユニット２は矩形に形成され、短辺方向に重なる２列で長辺方向に並設される複数の吐出素子群９を有している。
【００２８】
各吐出素子群９上には圧電素子から成るアクチュエータを有したアクチュエータユニット４がそれぞれ固着されている。また、各吐出素子群９にはベースブロック７５（図１参照）に設けられたインク溜り（不図示）に開口部３ａ、３ｂを介して連通するマニホールド５からインクが供給されるようになっている。
【００２９】
図３は図２のＥ部の詳細を示す平面図である。吐出素子群９は記録画像の各画素に対応してインクを吐出する多数の吐出素子１１がマトリクス状に配列して構成され、その外形が略台形形状になっている。各吐出素子１１はマニホールド５に連通するアパーチャ１３、圧力室１０、ノズル８（図４参照）等を有している。また、各吐出素子群９の周囲全体には、吐出素子１１と同じ周期で配列されるダミー通路２０が形成されている。
【００３０】
図４は吐出素子１１の断面形状を示している。流路ユニット２はＮｉ等の薄板を積層して構成されている。アクチュエータユニット４側から順にキャビティプレート２１、ベースプレート２２、アパーチャプレート２３、サプライプレート２４、マニホールドプレート２５、２６、２７、カバープレート２８、ノズルプレート２９が設けられている。
【００３１】
キャビティプレート２１には圧力室１０が形成される。圧力室１０は後述するアクチュエータの駆動によりマニホールド５から吸引したインクをノズル８に圧出する。アパーチャプレート２３にはアパーチャ１３及びインク送出路７を構成する貫通孔１５が形成される。アパーチャ１３によってマニホールド５から圧力室１０に流入するインクの流路が絞られるようになっている。ベースプレート２２はアパーチャ１３と圧力室１０とを連通させる貫通孔１６ａと、インク送出路７を構成する貫通孔１６ｂとが形成される。
【００３２】
マニホールドプレート２５、２６、２７は積層してマニホールド５を形成するとともにインク送出路７を構成する貫通孔１７ａ、１７ｂ、１７ｃが形成される。サプライプレート２４はアパーチャ１３とマニホールド５とを連通させる貫通孔１８ａと、インク送出路７を構成する貫通孔１８ｂとが形成される。
【００３３】
ノズルプレート２９はインク送出路７を介して送られたインクを吐出するノズル８が形成される。カバープレート２８はインク送出路７を構成してノズル８にインクを供給する貫通孔１９が形成される。尚、１４は各層を接着する接着剤を逃がす逃がし溝である。
【００３４】
図５は図４のＦ部を示しており、アクチュエータユニット４の詳細を示す断面図である。アクチュエータユニット４は複数の圧電シート４１〜４４が内部電極４５を介して積層されている。流路ユニット２側から離れた側には各吐出素子１０に対応する個別電極６が設けられている。
【００３５】
個別電極６は図６に示すようにランド部６２及び電極部６１を有し、電極部６１は圧力室１０と近似する平面形状に形成されている。これにより、各吐出素子１１に対応した圧電素子から成るアクチュエータが構成され、個別電極６に電圧を印加することによって圧力室１０（図４参照）の容積を可変してインクの吸引及び圧出が可能になっている。
【００３６】
図７はダミー通路２０の断面形状を示している。ダミー通路２０は積層された各薄板に形成される開口部から成り、吐出素子１１（図４参照）と同様の形状に形成されている。キャビティプレート２１には圧力室１０と同一形状の開口部１０'が形成される。
【００３７】
アパーチャプレート２３にはアパーチャ１３と同一形状の開口部１３'及びインク送出路７を構成する貫通孔１５と同一形状の開口部１５'が形成される。ベースプレート２２には開口部１６ａ'、１６ｂ'が形成される。開口部１６ａ'はインク送出路７を形成する貫通孔１６ｂと同一形状になっている。開口部１６ｂ'はアパーチャ１３と圧力室１０とを連通させる貫通孔１６ａと同一形状になっている。
【００３８】
サプライプレート２４には貫通孔１８ｂと同一形状の開口部１８ｂ'が形成される。マニホールドプレート２５、２６、２７にはインク流路を形成する貫通孔１７ａ、１７ｂ、１７ｃと同一形状の開口部１７ａ'、１７ｂ'、１７ｃ'が形成される。開口部１７ａ'、１７ｂ'、１７ｃ'はインク送出路７と同一形状の連通孔７'を構成する。カバープレート２８には貫通孔１９と同一形状の開口部１９'が形成される。ノズルプレート２９にはノズル８と同一形状の開口部８'が形成される。
【００３９】
また、サプライプレート２４には開口部１３'とマニホールド５とを連通させる孔は設けられず、ダミー通路２０とマニホールド５との連通が遮断される。これにより、開口部８'からインクが吐出されず、ダミー通路２０内での滞留によるインクの変質を防止することができる。また、ダミー通路２０の一部とマニホールド５を連通させ他の層の開口部（例えば開口部８'、１５'）を設けずにインクの吐出を停止してもよい。
【００４０】
尚、上述した各開口部は、図７に示されるとおり、各プレートを貫通する孔として形成されており、ダミー通路２０は各開口部か連通した連通孔として形成されているが、これに限らず、各開口部はハーフエッチングにより形成された一面が遮蔽された開口から成ってもよい。
【００４１】
上記構成のインクジェットヘッド１において、接着剤を介して各層の薄板を接着する際に吐出素子群９の外側に塗布される接着剤の一部は吐出素子群９の内側に向けて押し出されるが、接着剤は吐出素子群９に到達する前にその周囲に設けられたダミー通路２０に流入するので、吐出素子群９の内側への接着剤の流入を防止することができる。
【００４２】
この時、ダミー通路２０が複数の層に連通した開口部から成るため、接着剤の量が多くなっても下層または上層の開口部まで流入して吐出素子群９への流入を防止することができる。例えば圧力室１０に対応する位置の開口部１０'に量の多い接着剤が流入しても下層のベースプレート２２に形成された開口部１６ａ'、１６ｂ'により保持することができる。
【００４３】
また、マニホールド５から流路を絞ってインクを圧力室１０に送るアパーチャ１３は断面積が小さくするためアパーチャプレート２３の厚みが薄く形成される。このため、アパーチャプレート２３を接着する接着剤をアパーチャ１３に対応する開口部１３'や、開口部１５'だけで保持できない場合でも、上層のベースプレート２２や下層のサプライプレート２４に設けた開口部１６ａ'、１６ｂ'、１８ｂ'によって保持することができる。
【００４４】
更に、マニホールド５はインクを貯溜して各吐出素子１１に供給するため大きな体積を必要とするのでマニホールドプレート２５、２６、２７により厚く形成される。マニホールドプレート２５、２６、２７に形成される開口部１７ａ'、１７ｂ'、１７ｃ'にサプライプレート２４の開口部１８ｂ'を介してアパーチャプレート２３の開口部１５'を連通して形成することによって、開口部１５'だけでは保持できない量の接着剤を開口部１５'に連通する他の開口部とともにより確実に保持して吐出素子群９への接着剤の流入を防止することができる。
【００４５】
また、ダミー通路２０を形成する各開口部（開口部８'、１０'等）は吐出素子を形成する貫通孔（インク送出路７、ノズル８、圧力室１０等）と同一形状に形成されている。このため、インクジェットヘッド１の各層は、吐出素子群９の最外周に配される吐出素子１１の周囲がダミー通路２０との間の接着剤により接着される。従って、吐出素子群９の内方に配される吐出素子１１と同じ条件で接着されるため、接着状態のばらつきを低減して均一な強度を得ることができる。
【００４６】
尚、本実施形態においてダミー通路２０は複数の層に連通して貫通した開口部により形成されているが、開口部をハーフエッチング等によって一面を遮蔽して形成してもよい。これにより、例えば、厚みの薄い層に貫通した開口部を形成し、この層の上層または下層にハーフエッチングされた開口部を配することができる。その結果、多くの量の接着剤を保持して吐出素子群９の内側への接着剤の流入を防止することができる。
【００４７】
例えば、アパーチャプレート２３に形成されるアパーチャ１３は、アパーチャプレート２３自体の厚みが薄いばかりでなく、所定の流路抵抗を有するように幅も狭くなっている。そのため、アパーチャプレート２３を接着する接着剤のうち、吐出素子群９の外方より最外周に流入する分を充分に防止できない場合もある。
【００４８】
より効果的に不要な接着剤の流入を防止するために、アパーチャプレート２３に形成されるとともに吐出素子１１に対応した位置に設けられる開口部に加えて、アパーチャプレート２３の上層や下層に積層されるベースプレート２２やサプライプレート２４にもこのアパーチャプレート２３の開口部と同じ位置にハーフエッチングされた開口部を設けてもよい。
【００４９】
【発明の効果】
本発明によると、積層される薄板に形成された貫通孔により吐出素子群を形成し、複数の薄板に連通するように設けられた開口部により形成されたダミー通路が吐出素子群の周囲に配されるので、吐出素子群の外側から吐出素子群に向けて押し出される接着剤はダミー通路に流入し、吐出素子群の内側への接着剤の流入を防止されインク流路の閉塞を防止することができる。また、開口部が複数の層に連通するため接着剤の量が多くなっても下層または上層の開口部まで流入して吐出素子群への流入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施形態のインクジェットヘッドの斜視図である。
【図２】 本発明の実施形態のインクジェットヘッドのヘッドユニットの平面図である。
【図３】 図２のＥ部詳細図である。
【図４】 本発明の実施形態のインクジェットヘッドの吐出素子を示す断面図である。
【図５】 本発明の実施形態のインクジェットヘッドのアクチュエータユニットを示す断面図である。
【図６】 本発明の実施形態のインクジェットヘッドのアクチュエータユニットの個別電極を示す平面図である。
【図７】 本発明の実施形態のインクジェットヘッドのダミー通路を示す断面図である。
【符号の説明】
１ インクジェットヘッド
２ 流路ユニット
４ アクチュエータユニット
５ マニホールド
６ 個別電極
７ インク送出路
７' 連通孔
８'、１０'、１３'、１５'、１６ａ'、１６ｂ'、１７ａ'、１７ｂ'、
１７ｃ'、１８ａ'、１８ｂ'、１９' 開口部
８ ノズル
９ 吐出素子群
１０ 圧力室
１１ 吐出素子
１３ アパーチャ
１５、１６ａ、１６ｂ、１７ａ、１７ｂ、１７ｃ、１８ａ、１８ｂ、１９
貫通孔
２０ ダミー通路
２１ キャビティプレート
２３ アパーチャプレート
２５〜２７ マニホールドプレート
２８ カバープレート
２９ ノズルプレート
４１〜４４ 圧電シート
５０ ＦＰＣ
７０ ヘッドユニット
７１ 基台
７２ ホルダ
７５ ベースブロック
８０ ドライバＩＣ
８１ 制御基板
８２ ヒートシンク
Claims (6)
- インクを吐出するノズルと、マニホールドから供給されるインクに吐出圧を与える圧力室と、前記マニホールドから前記圧力室にインクを送るアパーチャと、前記圧力室から前記ノズルにインクを送るインク送出路とを含む吐出素子が所定間隔で配列される吐出素子群を備えたインクジェットヘッドにおいて、
接着剤で接着して積層される複数の薄板の各々に設けられた貫通孔により前記マニホールド及び複数の前記吐出素子を形成し、
複数の前記薄板は、前記ノズルとなる前記貫通孔が形成されたノズル層と、前記圧力室となる前記貫通孔が形成された圧力室層と、前記マニホールドとなる前記貫通孔及び前記インク送出路となる前記貫通孔が形成されたマニホールド層と、前記マニホールド層と前記圧力室層との間に配されるとともに前記アパーチャとなる前記貫通孔及び前記インク送出路となる前記貫通孔が形成されたアパーチャ層とを含み、
複数の前記薄板に互いに連通するように設けられた開口部によって前記吐出素子群の周囲に位置する複数のダミー通路を形成し、
前記マニホールドは、前記アパーチャ層に形成された前記アパーチャとなる前記貫通孔だけでなく、前記アパーチャ層に形成された前記ダミー通路となる前記開口部に対しても連通可能な領域に亘って形成されており、
前記ダミー通路は、前記マニホールドとの連通が遮断されたものであることを特徴とするインクジェットヘッド。 - 前記マニホールドは、複数の前記薄板の積層方向から見て、前記アパーチャとなる前記貫通孔と前記アパーチャ層に形成された前記ダミー通路となる前記開口部とに重なる位置を含んで形成されていることを特徴とする請求項１に記載のインクジェットヘッド。
- 前記ダミー通路は、前記ノズル層に形成された前記開口部と、前記圧力室層に形成された前記開口部と、前記マニホールド層に形成された前記開口部と、前記アパーチャ層に形成された前記開口部とを含み、
これらの開口部は、同じ層に形成された前記吐出素子を構成する前記貫通孔と同一形状に形成されていることを特徴とする請求項１または２に記載のインクジェットヘッド。 - 複数の前記薄板は、前記マニホールド層と前記アパーチャ層との間に形成されたサプライ層をさらに含み、
前記サプライ層は、前記マニホールドと前記アパーチャを連通させる前記貫通孔と前記インク送出路となる前記貫通孔を有するとともに、前記マニホールド層に形成された前記開口部と前記アパーチャ層に形成された前記開口部とを遮断することを特徴とする請求項３に記載のインクジェットヘッド。 - 前記ダミー通路は、前記吐出素子群を構成する複数の吐出素子とともに前記所定間隔で配列されることを特徴とする請求項１〜請求項４のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
- 前記ノズル及び前記圧力室をマトリクス状に配列して前記吐出素子群を形成することを特徴とする請求項１〜請求項５のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
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