JP3812309B2 - インクジェットプリンタヘッド - Google Patents

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
先行技術のオンディマンド型の衝撃式インクジェットプリンタヘッドにおいては、特開昭62−111758号公報に記載されているように、積層された状態で接着剤を介して一体に保持された複数枚の動作プレートからなるキャビティプレートの背面に、ダイヤフラムプレートを接着剤を介して接合し、該ダイヤフラムプレートの片面には、前記圧力室箇所に対応させて駆動用の圧電素子等の噴射圧力発生部材を固着したインクジェットプリンタヘッドが開示されている。
【0003】
そして、前記キャビティプレートにおける各動作プレートは、複数個のノズルを備えたノズルプレートと、この各ノズルごとの圧力室を備えたベースプレートと、インク供給源に接続され、且つ前記圧力室に接続するインク流路やインクチャンバ(マニホールド)を有するマニホールドプレートとから構成されており、それぞれのプレートは、厚さ200μm程度もしくはそれ以下の薄い金属板である。
【0004】
そして、前記一体的なキャビティプレートを、発明者は次のようにして組み立てることを考えた。まず、図9に示すように、1枚のリードフレーム100aに、一定のパターンが形成された薄板状の部品としてのプレート101aを、一定間隔で複数個配置されるように予め形成する。即ち、一対の細長いフレーム枠102、102の間にプレート101aが一定間隔で配置されるように、各プレート101aの側縁と各フレーム枠102の内側縁とを微小な連設片106にて連結されるようにしている。なお、左右の細長いフレーム枠102、102の間は適宜間隔でタイバー104に連結されて、リードフレームの取り扱いが容易になるようにしている。同様に、別の種類の一定のパターンが形成された薄板状の部品としてのプレート101bを、別の1枚のリードフレーム100bに一定間隔で複数個配置されるように予め形成するというように、リードフレーム100a〜100d毎に、別々のパターンの複数のプレート101a〜101dを一定間隔にて配列する。
【0005】
前記所定のパターンとは、例えば、ノズルプレートでは、所定の個数のノズル(図示せず)が所定の間隔で形成されるものであり、ベースプレートでは、所定の個数の圧力室(図示せず)が所定の間隔で形成される。同様に、マニホールドプレートでは、インク流路やインクチャンバ(マニホールド)のパターンである。
【0006】
そして、各ノズルとインク流路が連通するように位置決めして前記複数枚のプレート101a〜101dを所定の上下位置関係にて積層固定する必要がある。そのため、従来の組み立て方法としては、各リードフレーム100a〜100dにおけるフレーム枠102には、その長手方向に沿って図9に示すように、一定間隔にて送り用の孔103a、103bと、1乃至複数の位置決め孔(パイロットホール)105とが穿設されており、プレート101a〜101dにおける上下に積層すべき広幅面に予め接着剤を塗布し、次いで、下層のプレート101dから上層のプレート101aへと順に前記複数の位置決め孔105に位置決め用のピンを貫通させて、位置決めし、この状態で上下のプレート101a〜101dに挟持圧力を作用させて積層固定する。固定作業が完了すると、前記ピンを引き抜き、連設片106を切断して、一体になったキャビティプレートをフレーム枠102から外す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記複数枚のプレートの表面に接着剤を塗布して積層固定する場合、複数枚
のプレートを積層状態で挟持しまたは押圧すると、プレートの表面に層状にて貼着されている接着剤の余分なものが、各プレートにおける圧力室やインク流路等の貫通孔や凹所にはみ出した状態で接着剤が固化してしまう。
【0008】
この接着剤の固化位置が、プレートの板厚さの一部に凹み形成されているインク流路や貫通孔箇所等の断面積の小さい箇所に発生すると、当該インク流路や貫通孔の断面の全てもしくは一部が固化した接着剤で塞がれてしまうため、インクの流通が不能になったり、きわめて少なくなり、必要とするインクの吐出量が得られなくなるという問題があった。
【0009】
このような問題は、パターンが小さい電子部品の組み立ての際にも起こり得るものであった。
【0010】
本発明は、このような問題を解消した薄板状部品の積層接着(固定)した構造を得ることを技術的課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため、請求項1に記載の発明のインクジェットヘッドは、所定個数のノズルが形成された薄板状部品、所定個数の圧力室が所定間隔で形成された薄板状部品を含む複数枚の薄板状部品を、接着剤を介して積層接着し、インク供給源からのインクをインク分配用のインク通路から個別の第1の液体流路、前記個別の第1の液体流路にそれぞれ連通する圧力室、及び各圧力室にそれぞれ連通する個別の第2の液体流路を順に介して各ノズルへ通過させるようにしたインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記インク分配用のインク通路が形成された薄板状部品と、前記圧力室が形成された薄板状部品と、これら2つの薄板状部品の間に積層された薄板状部品とを有し、前記2つの薄板状部品の間に積層された薄板状部品を介して、前記インク通路と前記各圧力室とに連通する前記各第1の液体流路を形成し、前記各第1の液体流路には、前記各第1の液体流路が形成された前記薄板状部品の作る接合面に沿って、断面積が小さく細長い絞り部を各圧力室毎に対応し且つ相互に略平行状に設け、前記絞り部が設けられた薄板状部品における前記絞り部に接近した位置に、接着剤を塗布する箇所に沿って逃がし溝を凹み形成するとともに、隣接する前記絞り部同士の間では前記逃がし溝を前記絞り部と略平行状に形成し、該逃がし溝の断面積を前記各第1の液体流路における絞り部の断面積より小さく設定したものである。
【0012】
そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記逃がし溝には、薄板状部品の板厚を貫通する逃がし孔が穿設されるとともに、当該薄板状部品の裏面には他の逃がし溝が形成され、前記逃がし孔を介して、表裏面の逃がし溝が連通しているものである。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記圧力室の一端はノズル側に、圧力室の他端は前記絞り部、他端流路、及び貫通孔を介して前記インク通路に接続され、前記絞り部及び他端流路は、前記圧力室が形成された薄板状部品と同じ薄板状部品に、前記他端流路の断面積が前記絞り部の断面積よりも大きくなるように形成し、前記貫通孔は、前記圧力室が形成された薄板状部品と、前記インク通路が形成された薄板状部品の間に介挿された他の薄板状部品に穿設された構成としたものである。
【0014】
そして、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記逃がし溝は、隣接する前記絞り部同士の間において絞り部と略平行状に形成された第1溝と、隣接する前記他端流路同士の間に形成された第2溝と、前記他端流路における前記絞り部とは反対側の側縁を囲むように形成された第3溝とを有し、前記第1溝は前記第2溝を介して前記第3溝に連通しているものである。
【0015】
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面について説明する。図1〜図8は、本発明の第1の実施の形態による圧電式インクジェットプリンタヘッドを示す。図1において、金属板製の
キャビティプレート9に対して接合されるプレート型の圧電アクチュエータ20の上面には、外部機器との接続のために、フレキシブルフラットケーブル40が接着剤にて重ね接合されているものであり、最下層のキャビティプレート9の下面側に開口されたノズル15から下向きにインクが吐出するものとする。
【0017】
前記キャビティプレート9は、図2〜図6に示すように構成されている。すなわち、ノズルプレート10、二枚のマニホールドプレート11、12、スペーサプレート13及びベースプレート14の五枚の薄い板をそれぞれ接着剤にて重ね接合して積層した構造であり、実施形態では、合成樹脂製のノズルプレート10を除き、各プレート12、13、14は、42%ニッケル合金鋼板製で、50μm〜150μm程度の厚さを有する。前記ノズルプレート10には、微小径(実施形態では25μm程度)のインク噴出用のノズル15が、当該ノズルプレート10における第1の方向(長辺方向)に沿って2列の千鳥配列状に設けられている。即ち、ノズルプレート10の前記第1の方向に延びる2つの平行状の基準線10a、10bに沿って、微小ピッチPの間隔で千鳥状配列にて多数個のノズル15が穿設されている。前記二枚のマニホールドプレート11、12には、インク通路12a、12bが、前記ノズル15の列の両側に沿って延びるように穿設されている。但し、ノズルプレート10に対面する下側のマニホールドプレート11におけるインク通路12bは、当該マニホールドプレート12の上側にのみ開放するように凹み形成されている(図3及び図4参照)。このインク通路12a、12bは、上側のマニホールドプレート12に対する前記スペーサプレート13の積層により密閉される構造になっている。なお、図4は、ノズルプレート10、マニホールドプレート11、12、スペーサプレート13及びベースプレート14の各々における図3の右端部に相当する箇所の裏面(下面)を上向きにした状態の一部切欠き斜視図である。
【0018】
また、前記ベースプレート14には、その長辺(前記第1の方向)に沿う中心線に対して直交する第2の方向(短辺方向)に延びる細幅の圧力室16の多数個が穿設されている。そして、前記中心線を挟んで左右両側にて平行状の長手基準線14a、14bを設定すると、前記中心線より左側の圧力室16の先端流路16aは前記左側の長手基準線14a上に位置し、逆に前記長手中心線より右側の圧力室16の先端流路16aは前記右側の長手基準線14b上に位置し、且つこの左右の圧力室16の先端流路16aが交互に配置されているので、左右両側の圧力室16は一つおきに互いに逆方向に延びるように交互に配置されていることになる。
【0019】
この各圧力室16の先端流路16aは、前記ノズルプレート10における前記千鳥状配列のノズル15に、前記スペーサプレート13及び両マニホールドプレート11、12に同じく千鳥状配列にて穿設されているインク流路としての微小径の連通孔17、17、17を介して連通している。一方、前記各圧力室16の他端は、断面積の小さいインク流路としての細長い絞り部16dを介して直径が大きい他端流路16bに接続されており、他端流路16bは、前記スペーサプレート13における左右両側部位に穿設された貫通孔18を介して、前記両マニホールドプレート11、12におけるインク通路12a、12bに連通している。なお、前記他端流路16b及び細長の絞り部16dは、図3及び図7に示すように、ベースプレート14の下面側にのみ開口するように凹み形成されているものであり、前記他端流路16bの直径は前記貫通孔18の直径とほぼ等しく形成する。絞り部16dは、圧電アクチュエータ20が連続して駆動されたときに、圧力室16へインクが供給過剰になるのを防ぐため、圧力室16よりも断面が小さくなっている。
【0020】
さらに、各圧力室16の長手方向に中途部には、ベースプレート14の板厚の半分程度の連設部16cを設けることにより、多数並設された圧力室16の側壁の剛性の低下を防止する。
【0021】
また、スペーサプレート13の一端に穿設された供給孔19bは、前記インク通路12aに連通すると共に、最上層のベースプレート14の一端部に穿設された供給孔19aにも連通している。そして、この供給孔19aの上面には、その上方のインクタンクから供給されるインク中の塵除去のためのフィルタ29が張設されている。
【0022】
次に、キャビティプレート9を組み立てる方法について説明する。従来例と同様に、図9に示すように、4枚のリードフレーム100a〜100dを積層して接着固定するものであり、各リードフレーム100a〜100dには、所定のパターンが形成された薄板状の部品としてのマニホールドプレート11、12、スペーサプレート13、ベースプレート14が一定間隔にて連設配置されものとする。即ち、最下層となるリードフレーム100dには、前記実施形態におけるベースプレート14を一定間隔にて配置するように形成されている。なお、左右の細長いフレーム枠102、102の間は適宜間隔でタイバー104に連結されている。同様に、下から第2層のリードフレーム100cにはスペーサプレート13が前記と同じ間隔で形成されている。下から第3層のリードフレーム100bには、マニホールドプレート12が前記と同じ間隔で形成されている。また、最上層のリードフレーム100aには他方のマニホールドプレート11が前記と同じ間隔で形成されている。また、前記各リードフレーム100a〜100dにおけるフレーム枠102には適宜間隔にて位置決め孔105が形成されている。
【0023】
これらのリードフレームを積層する場合、図4に示すように、キャビティプレート9の使用状態(下面側にインクのノズルが開口される状態)とは上下が逆になるように、リードフレームを積層する。このときは、図4に示すごとく、最下層のベースプレート14、下から第2層のスペーサプレート13及びマニホールドプレート12の各々の片面に形成された接着剤用の逃がし溝33a,33b,33c,33d、33e、34、35が上向きになるように配置されるものとする。
【0024】
なお、ベースプレート14における接着剤用の逃がし溝33a,33b,33c,33dのうち、圧力室16の絞り部16dに隣接した位置における逃がし溝33c(請求項の第1溝に相当)は、図7に示すごとく、平面視略U字状に形成されており、且つ細長い絞り部16dと略平行状に延びている。この逃がし溝33cの端部から略直線状の逃がし溝33d(請求項の第2溝に相当)が隣接する他端流路16b,16bの間を通過するように延びて、他端流路16bの一方の側縁を囲む略円弧状の逃がし溝33b(請求項の第3溝に相当)に接続されている。なお、前記細長い平面視略U字状の逃がし溝33cは、ベースプレート14の両面に形成され、当該ベースプレート14の板厚を貫通する逃がし孔36を介して連通している。同様に、略円弧状の逃がし溝33bにもベースプレート14の板厚を貫通する逃がし孔37が穿設されている。
【0025】
そして、この状態で下方から、位置決めのためのピン(図示せず)を、各リードフレーム100a〜100dのフレーム枠102における前記位置決め孔105に差し込んで位置決めする。この場合、リードフレーム100a〜100dのプレートの積層面に予め接着剤39を塗布しておき、前記ピンの差し込み後に最下層のリードフレーム100dと最上層のリードフレーム100aとに挟持力または押圧力を作用させて接着固定するものである。
【0026】
この接着剤39の塗布方法の一つとしては、治具の平坦面に予め接着剤39を薄く塗布しておき、この塗布面に前記リードフレーム100a〜100dのプレートの積層面を合わせることにより、例えば、ベースプレート14における逃がし溝33a〜33e、圧力室16、他端流路16b、絞り部16d、逃がし孔36、37等の凹所以外の平坦な凸面に接着剤39を転写することができる。接着剤39を塗布したローラ面に前記プレートの積層面を押し当てて転写するようにしても良い。
【0027】
このようにして接着剤39を転写した複数枚のリードフレームを押圧して接着固定するとき、余分の接着剤39は前記逃がし溝33a〜33e以外の凹所である圧力室16、他端流路16b、絞り部16dにも流れ込むことがある。特に、断面積の小さい前記絞り部16dに接着剤39が流れ込むとその断面全体が接着剤39で塞がりインクが全く流れなくなるという問題がある。
【0028】
他方、液状の接着剤39がプレート(ベースプレート14等を含む、以下同じ)の合わせ面のような狭い隙間を通る毛細管現象では、断面積の大きい箇所より毛細管力が大きい、断面積の小さい箇所の方に、先に接着剤39が引き寄せられる。
【0029】
本発明では、上記の現象を利用するのである。即ち、前記絞り部16dに接近した位置に逃がし溝33cを凹み形成するものであり、また、この逃がし溝33cの断面積S1を前記絞り部16dにおける断面積S2より小さく設定する(図7参照)ことにより、余った接着剤39は逃がし溝33cに先に引き込まれてしまうので、前記絞り部16dが接着剤39で塞がれるのを防止できる。
【0030】
そして、前記逃がし溝33cは前記細長い絞り部16dとほぼ平行状に形成することにより、前記毛細管力を長い範囲で前記逃がし溝33cに及ぼすことができ、細長い絞り部16dの全体にわたって接着剤39が詰まるのを防止することができる。
【0031】
さらに、逃がし溝33c,33d等にプレートの板厚さを貫通する逃がし孔36、37を穿設しておけば、余分の接着剤39がこの逃がし孔36、37を通ってプレートの裏面に逃がすことができる(図8(a)参照)。その場合、プレートの裏面にも逃がし溝33c等を設けておけば、接着剤39の余量が多くてもその逃がしを確実にできるという効果を奏する。
【0032】
また、前記断面積が大きい他端流路16bであっても、その周囲に沿うように逃がし溝33b,33dを配置することにより、当該逃がし溝33b,33dに先に接着剤39が引き込まれるので、他端流路16bに接着剤39が流れ込まない。このような逃がし溝は、スペーサプレート13やマニホールプレート11、12にも形成して良い。
【0033】
以上のようにして接着固定されたキャビティプレート9では、前記ベースプレート14及びスペーサプレート13の一端部に穿設の供給孔19a,19bから前記インク通路12a、12b内に流入したインクは、このインク通路12aから前記各貫通孔18を通って前記各圧力室16内に分配されたのち、この各圧力室16内から前記連通孔17、17、17を通って、当該圧力室16に対応するノズル15に至るという構成になっている。
【0034】
一方、前記圧電アクチュエータ20は、図5及び図6に示すように、複数枚の圧電シート21を積層した構造で、特開平4−341853号公報に開示されたものと同様に、1枚の厚さが30μm程度の各圧電シート21のうち最下段の圧電シートとそれから上方へ数えて奇数番目の圧電シートの上面(広幅面)には、前記キャビティプレート9における各圧力室16に対応した箇所ごとに細幅の個別電極(図示せず)が、第1の方向(長辺方向)に沿って列状に形成され、各個別電極は前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って各圧電シートの長辺の端縁部近傍まで延びている。下から偶数段目の圧電シートの上面(広幅面)には、複数個の圧力室16に対して共通のコモン電極(図示せず)が形成されており、最上段のトップシート23の上面には、その長辺の端縁部に沿って、前記個別電極の各々に対して電気的に接続される表面電極30と、前記各コモン電極に対して電気的に接続される表面電極31とが、設けられている(図1参照)。
【0035】
そして、このような構成のプレート型の圧電アクチュエータ20における下面(圧力室16と対面する広幅面)全体に、接着剤層としてのインク非浸透性の合成樹脂材からなる接着剤シート41を予め貼着し、次いで、前記キャビティプレート9に対して、当該圧電アクチュエータ20が、その各個別電極を前記キャビティプレート9における各圧力室16の各々に対応させて接着・固定される(図5、図6参照)。また、この圧電アクチュエータ20における上側の表面には、前記フレキシブルフラットケーブル40が重ね押圧されることにより、このフレキシブルフラットケーブル40における各種の配線パターン(図示せず)が、前記各表面電極30、31に電気的に接合される。
【0036】
この構成において、前記圧電アクチュエータ20における各個別電極24のうち任意の個別電極と、コモン電極との間に電圧を印加することにより、圧電シート21のうち前記電圧を印加した個別電極の部分に圧電による積層方向の歪みが発生し、この歪みにて前記各個別電極に対応する圧力室16の内容積が縮小されることにより、この圧力室16内のインクが、ノズル15から液滴状に噴出して、所定の印字が行われる(図6参照)。
【0037】
前記各実施形態では、インクジェットヘッドの組み立てに適用したが、電子部品の組み立てに際しても複数枚のリードフレーム等の薄板状部品であって、液体流路が所定パターンで少なくとも片面に形成された薄板状部品が少なくとも一枚あるときの複数枚の薄板状部品の積層固定の構造に対して最適なものである。
【0038】
【発明の作用・効果】
以上に説明したように、請求項1に記載の発明のインクジェットヘッドは、所定個数のノズルが形成された薄板状部品、所定個数の圧力室が所定間隔で形成された薄板状部品を含む複数枚の薄板状部品を、接着剤を介して積層接着し、インク供給源からのインクをインク分配用のインク通路から個別の第1の液体流路、前記個別の第1の液体流路にそれぞれ連通する圧力室、及び各圧力室にそれぞれ連通する個別の第2の液体流路を順に介して各ノズルへ通過させるようにしたインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記インク分配用のインク通路が形成された薄板状部品と、前記圧力室が形成された薄板状部品と、これら2つの薄板状部品の間に積層された薄板状部品とを有し、前記2つの薄板状部品の間に積層された薄板状部品を介して、前記インク通路と前記各圧力室とに連通する前記各第1の液体流路を形成し、前記各第1の液体流路には、前記各第1の液体流路が形成された前記薄板状部品の作る接合面に沿って、断面積が小さく細長い絞り部を各圧力室毎に対応し且つ相互に略平行状に設け、前記絞り部が設けられた薄板状部品における前記絞り部に接近した位置に、接着剤を塗布する箇所に沿って逃がし溝を凹み形成するとともに、隣接する前記絞り部同士の間では前記逃がし溝を前記絞り部と略平行状に形成し、該逃がし溝の断面積を前記各第1の液体流路における絞り部の断面積より小さく設定したものである。
【0039】
液状の接着剤が薄板状部品の合わせ面のような狭い隙間を通る毛細管現象では、断面積の大きい箇所より毛細管力が大きい、断面積の小さい箇所の方に、先に接着剤が引き寄せられる。従って、前記絞り部に接近した位置に逃がし溝を凹み形成し、この逃がし溝の断面積を前記絞り部における断面積より小さく設定することにより、余った接着剤は逃がし溝に先に引き込まれてしまうので、前記絞り部が接着剤で塞がれるのを防止できるという効果を奏する。また、複数の絞り部を相互に略平行状に形成し、前記隣接する絞り部の間に前記逃がし溝を略平行状に形成することにより、前記毛細管力を長い範囲で前記逃がし溝に及ぼすことができ、細長い絞り部の全体にわたって接着剤が詰まるのを防止することができるという効果も奏する。さらに、インクジェットプリンタヘッド用の薄板状部品に形成された液体流路が接着剤により塞がれるのを確実に防止して、インクジェットプリンタヘッドの必要な性能を確保できるという効果も奏する。
【0040】
そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記逃がし溝には、薄板状部品の板厚を貫通する逃がし孔が穿設されるとともに、当該薄板状部品の裏面には他の逃がし溝が形成され、前記逃がし孔を介して、表裏面の逃がし溝が連通している。従って、余分の接着剤が逃がし孔を通って薄板状部品の裏面に逃がすことができる。また、薄板状部品の裏面にも逃がし溝を設けているから、接着剤の余量が多くても、接着剤の逃がしを確実にできるという効果を奏する。
【0041】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記圧力室の一端はノズル側に、圧力室の他端は前記絞り部、他端流路、及び貫通孔を介して前記インク通路に接続され、前記絞り部及び他端流路は、前記圧力室が形成された薄板状部品と同じ薄板状部品に、前記他端流路の断面積が前記絞り部の断面積よりも大きくなるように形成し、前記貫通孔は、前記圧力室が形成された薄板状部品と、前記インク通路が形成された薄板状部品の間に介挿された他の薄板状部品に穿設された構成としたものである。これにより、インク通路に流入したインクは,このインク通路から貫通孔,他端流路、絞り部を通って各圧力室に分配されたのち、各圧力室から当該圧力室に対応するノズルに至る。
【0042】
そして、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記逃がし溝は、隣接する前記絞り部同士の間において絞り部と略平行状に形成された第1溝と、隣接する前記他端流路同士の間に形成された第2溝と、前記他端流路における前記絞り部とは反対側の側縁を囲むように形成された第3溝とを有し、前記第1溝は前記第2溝を介して前記第3溝に連通しているものである。これにより、断面積の大きい他端流路であっても、その周囲に沿うように第2溝と第3溝を配置することにより、第2及び第3溝に先に接着剤が引き込まれるので、他端流路に接着剤が流れ込まないという効果を奏する。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態による圧電式インクジェットプリンタヘッドを示す分解斜視図である。
【図2】 キャビティプレートの分解斜視図である。
【図3】 キャビティプレートの分解部分的拡大斜視図である。
【図4】 ノズル側を上にして配置したキャビティプレートの分解斜視図である。
【図5】 図1のV−V線矢視拡大断面図である。
【図6】 フレキシブルフラットケーブルとキャビティプレートと圧電アクチュエータとを接着・固定した状態の拡大断面図である。
【図7】 ベースプレートにおける絞り部と逃がし溝等を示す要部拡大平面図である。
【図8】 (a)は図7のVIIIa ─VIIIa 線矢視断面図、(b)は図7のVIIIb ─VIIIb 線矢視断面図である。
【図9】 本案及び従来例のリードフレームの積層を示す斜視図である。
【符号の説明】
9 キャビティプレート
10 ノズルプレート
11、12 マニホールドプレート
13 スペーサプレート
14 ベースプレート
15 ノズル
16 圧力室
16b 他端流路
16d 絞り部
17 連通孔
18 貫通孔
20 圧電アクチュエータ
33a,33b,33c,33d,33e 逃がし溝
36、37 逃がし孔
39 接着剤

Claims (4)

  1. 所定個数のノズルが形成された薄板状部品、所定個数の圧力室が所定間隔で形成された薄板状部品を含む複数枚の薄板状部品を、接着剤を介して積層接着し、インク供給源からのインクをインク分配用のインク通路から個別の第1の液体流路、前記個別の第1の液体流路にそれぞれ連通する圧力室、及び各圧力室にそれぞれ連通する個別の第2の液体流路を順に介して各ノズルへ通過させるようにしたインクジェットプリンタヘッドにおいて、
    前記インク分配用のインク通路が形成された薄板状部品と、前記圧力室が形成された薄板状部品と、これら2つの薄板状部品の間に積層された薄板状部品とを有し、
    前記2つの薄板状部品の間に積層された薄板状部品を介して、前記インク通路と前記各圧力室とに連通する前記各第1の液体流路を形成し、前記各第1の液体流路には、前記各第1の液体流路が形成された前記薄板状部品の作る接合面に沿って、断面積が小さく細長い絞り部を各圧力室毎に対応し且つ相互に略平行状に設け、
    前記絞り部が設けられた薄板状部品における前記絞り部に接近した位置に、接着剤を塗布する箇所に沿って逃がし溝を凹み形成するとともに、隣接する前記絞り部同士の間では前記逃がし溝を前記絞り部と略平行状に形成し、
    該逃がし溝の断面積を前記各第1の液体流路における絞り部の断面積より小さく設定したことを特徴とするインクジェットプリンタヘッド。
  2. 前記逃がし溝には、薄板状部品の板厚を貫通する逃がし孔が穿設されるとともに、当該薄板状部品の裏面には他の逃がし溝が形成され、前記逃がし孔を介して、表裏面の逃がし溝が連通していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッド。
  3. 前記圧力室の一端はノズル側に、圧力室の他端は前記絞り部、他端流路、及び貫通孔を介して前記インク通路に接続され、
    前記絞り部及び他端通路は、前記圧力室が形成された薄板状部品と同じ薄板状部品に、前記他端流路の断面積が前記絞り部の断面積よりも大きくなるように形成し、
    前記貫通孔は、前記圧力室が形成された薄板状部品と、前記インク通路が形成された薄板状部品の間に介挿された他の薄板状部品に穿設されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットプリンタヘッド。
  4. 前記逃がし溝は、隣接する前記絞り部同士の間において絞り部と略平行状に形成された第1溝と、隣接する前記他端流路同士の間に形成された第2溝と、前記他端流路における前記絞り部とは反対側の側縁を囲むように形成された第3溝とを有し、前記第1溝は前記第2溝を介して前記第3溝に連通していることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットプリンタヘッド。
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