JP3876349B2 - 吸排気弁 - Google Patents
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Description
本発明は、送液管路に介装される吸排気弁に関するものであり、特に、弁体を弁口に吸付かせる偏圧力を解消させて、コストやスペースの節約のためのフロートの軽小化と、急速吸排気のための弁口の大口径化とを同時に満足させ、弁口開閉作動が振動なくスムーズで、弁口閉鎖時の密閉性も良く、更にゴミ・砂粒・塵埃等も詰まりにくい、便利な吸排気弁を得ようとするものである。
尚、本明細書中、「水」の語は液体を、「空気」の語は気体を総称的に代表するものとする。
背景技術
従来から、吸排気弁としては各種のものが提案されているが、一般的な水の給送管路に介装する場合を例にとると、その主目的は、
(1)送水管路の注水時の該管路内空気の排出、
(2)送水管路の排水時の該管路への空気の吸入、
(3)送水管路の通水時の水中混入空気の排出
等を自動的に行なって、管路の安全と円滑な通水を維持することにある。
従来の吸排気弁の最も簡単なものとしては、例えば第9図に示すような単口吸排気弁がある。これは、弁箱の中に水位の変動に応じて昇降するフロートを備え、その昇降によって弁口を開閉して吸排気を行なうものであるが、この場合、一旦フロートによって弁口が閉じられて内圧がかかった状態、即ち、いわゆる吸付き状態になると、フロートは容易には下降できず、弁箱内に空気が溜まって水位が下がっても内圧が下がらない限り弁は開かないので、上記(1)(2)の目的には使えても(3)の目的には使えないという、重大な欠点がある。
そして、この欠点の克服のためには、フロートの大きさ(浮力及び重量)を弁口にかかる圧力に対して比率大きくとる必要があり、フロートを大きくすることに実用上の限界がある場合は、弁口を小さくすることを選択せざるを得ない。そしてそれは、必然的に急速な吸排気ができない上に、管路中のゴミ・砂粒・塵埃等が詰まりやすいという新たな欠点を生むこととなる。
一方、上記(1)(2)(3)の全てを満足させようとして提案された従来技術の一つが、第10図に例示した大小2つの弁口を備えたいわゆる急速吸排気弁である。これは、内部に小弁口を形成した大弁体が弁箱の中で遊動して大弁口を開閉し、更にフロートが小弁口を開閉する仕組みとなっており、管路の充水後に大弁体が大弁口を閉じて内圧がかかった状態において、弁箱内に空気が溜まって水位が下がると、フロートが下降し小弁口が開いて排気するというものである。
しかし、この急速吸排気弁は、単に大小の弁を組合せたに過ぎないから、正確に作動させるためには、フロートがコンパクトな場合は小弁口の口径を極力小さくする必要があり、そのため、上記(3)の通水時の水中混入空気の発生が大量な場合にはその排出が間に合わず、しかも、管路中のゴミ・砂粒・塵埃等が詰まりやすいという欠点を依然として残している。
これらの従来技術の問題の本質は、要するに、フロートを利用した弁の前提条件として、弁口を十分な力で開閉するためにはフロートが大きい(即ち浮力、重量共に大きい)ほど望ましいことは言うまでもないが、特に、水位下降時に弁口面積にかかる内圧(弁体を弁口に押上げて吸付かせる偏圧力)に打ち勝って弁口を開かせるためには、それだけフロートを重くする、即ちフロートの大きさを弁口の大きさに対して比率大きくとる必要がある点にある。そのため、コストやスペースの節約のためのフロートの軽小化と、急速吸排気のための弁口の大口径化とが二律背反となっており、この相反する条件を同時に満足させることは困難と一般的には見られていた。
そして、従来技術の更にもう一つの問題として、弁口の閉鎖近辺において弁体やフロートが振動(いわゆるチャタリングやハンチング)したり、それによって異音を発生しやすく、場合によってはその振動が部材の劣化や損傷を招くことさえある。これは、弁口の閉鎖近辺では通過流体が高速化することにそもそも起因するが、加えてフロートが浮力を要するために軽い材質からなる場合が多く、必然的に振動や共鳴異音を発生しやすいことにも原因がある。
そこで本発明は、弁体を弁口に吸付かせる偏圧力を解消させる新しい技術思想を導入して、これらの問題点を抜本的に解決し、コストやスペースの節約のためのフロートの軽小化と、急速吸排気のための弁口の大口径化とを同時に満足させ、弁口開閉動作が振動なくスムーズで、弁口閉鎖時の密閉性も良く、更にゴミ・砂粒・塵埃等も詰まりにくい、便利な吸排気弁を得ることを目的とする。
発明の開示
上記の目的を達成するために、本発明は、送液管路に介装されてフロートの昇降によって弁口を開閉して吸排気する吸排気弁において、弁箱仕切部1wによって弁箱下室1aと弁箱上室1dとに画成され、弁箱下室1aには送液管路への取付口a、弁箱仕切部1wには弁口c、弁箱上室1dには外気への通気口dが各々開口した弁箱1と、弁箱下室1a内に昇降自在に設けられたフロート2と、フロート2の昇降運動に連動して弁口cを開閉する弁体3と、弁箱上端部1eの内壁にシール部材6sを介して昇降自在に装着され且つ弁体3と略等しい受圧面積を有する受圧板6とを備え、受圧板6と弁体3とが連結部材5によって連結され、受圧板6と弁箱上端部1eとの間に密封的に包容形成された袋室fが連通路8によって常に弁箱下室1aに連通されたことを特徴とする。
本発明においては、弁体3の弁口cに対する開閉力を調整する弁開閉力調整機構9が付設されてもよい。
又、本発明は、送液管路に介装されてフロートの昇降によって弁口を開閉して吸排気する吸排気弁において、弁箱仕切部1wによって弁箱下室1aと弁箱上室1dとに画成され、弁箱下室1aには送液管路への取付口a、弁箱仕切部1wには弁口c、弁箱上室1dには外気への通気口dが各々開口した弁箱1と、弁箱下室1a内に昇降自在に設けられ且つ前記送液管路中の液体より大きい比重を有するフロート2と、フロート2の重量の一部を相殺する作用力を有する付勢力部材10と、フロート2の昇降運動に連動して弁口cを開閉する弁体3と、弁箱上端部1eの内壁にシール部材6sを介して昇降自在に装着され且つ弁体3と略等しい受圧面積を有する受圧板6とを備え、受圧板6と弁体3とが連結部材5によって連結され、受圧板6と弁箱上端部1eとの間に密封的に包容形成された袋室fが連通路8によって常に弁箱下室1aに連通されたことを特徴とする。
本発明においては、弁口cが開口した弁箱仕切部1wと弁体3との間に、その間隙の範囲内を昇降できる遊動開閉部材13が介設され、該遊動開閉部材13は、中央部近傍の開口部が弁体3によって開閉される弁口として機能し且つ外縁部近傍が弁口cを開閉する弁体として機能する形状に形成され、弁体3が該遊動開閉部材13を介して弁口cを開閉する構造に構成されてもよい。
又、袋室f部が遊動開閉部材13の上部に一体的に構成されてもよい。
又、弁箱1内の流体通過流路にストレーナー14が装着されてもよい。
これらの構成によって、本発明の吸排気弁は、送液管路への注液時には、その管路内の残留気体を排気しつつ、液位の上昇に連れてフロート2及び弁体3が上昇して弁口cを閉鎖する。又、送液管路からの排液時には、液位の下降に連れてフロート2及び弁体3が下降して弁口cを開口し、外気をその管路内に吸気する。そして、送液管路が充たされている状態でその管路中に気体が発生した場合には、その発生圧力による弁体3の弁口cへの吸付きを解消する圧力バランス機構を本発明が備えているため、弁箱内の発生圧力の大きさに係わりなく、液位の下降に連れてフロート2及び弁体3が容易に下降して弁口cを開口し、発生気体の排気を的確に行なう。従って、圧力の高い送液管路に設置しても、弁体3の動作が過激でなく素直に液位の変化に従うので、弁口開閉作動がスムーズで、弁口閉鎖時の水撃などの衝撃が発生せず、部材の損傷もない。
又、この圧力バランス機構の構成により、コンパクトなフロート2を用いたものでも急速な吸排気が可能であり、弁口閉鎖時の密閉性も良く、更に、連通路8部分も含めてゴミ・砂粒・塵埃等による目詰まりが発生しにくいという利点をも備えている。
そして、弁口閉鎖近辺での振動や異音の発生を抑制することもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第1実施例を示す全体的縦断面図である。
第2図は、本発明の第2実施例を示す全体的縦断面図である。
第3図は、本発明の第3実施例を示す全体的縦断面図である。
第4図は、本発明の第4実施例を示す全体的縦断面図である。
第5図は、本発明の第5実施例を示す全体的縦断面図である。
第6図は、本発明の第6実施例を示す全体的縦断面図である。
第7図は、本発明の第7実施例を示す全体的縦断面図である。
第8図は、本発明の第8実施例を示す全体的縦断面図である。
第9図は、従来技術による吸排気弁の一例を示す全体的縦断面図である。
第10図は、従来技術による吸排気弁の一例を示す全体的縦断面図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、各図面中の共通の箇所には共通の図面符号を付すものとし、本発明の吸排気弁の詳細を図面に基づいて説明する。
第1図は、本発明の第1実施例を示したものである。図中の1は送液管路に介装されてフロートの昇降によって吸排気する吸排気弁の弁箱を示している。この弁箱1は、弁箱仕切部1wによって弁箱下室1aと弁箱上室1dとに区画が形成されており、弁箱下室1aには送液管路(図示は省略)への取付口aが開口し、弁箱仕切部1wには弁座4が設けられて弁口cが開口し、そして弁箱上室1dの側面には外気への通気口dが開口している。
弁箱下室1aの中にはフロート2が昇降自在に設けられている。このフロート2と弁箱下室1aの内壁との間には、液体や気体が通過できる十分な流路が確保されている。
フロート2の上部には弁体3が付設(本実施例の場合は固着)されており、フロート2に連動して弁箱下室1a内を昇降し弁口cを開閉する。なお、弁口c閉鎖時の密閉を保つための手段として、本図ではOリング形式のシール部材3sが例示されているが、密閉の機能を持つものであれば他の形式のものでもよいことは勿論である。
弁箱上室1dの中には、受圧板6が昇降自在に設けられ、該受圧板6はシール部材6sを介して弁箱上室1dの通気口dよりも上部、即ち弁箱上端部1eの内壁に装着されている。この受圧板6の受圧面積A2は、弁体3の受圧面積A1と略等しい値に設定されている。なお、この受圧板6のシール部材6sとして、本図ではダイヤフラム形式のものが例示されているが、同じ機能を持つものであればベローズ、シールリングなど他の形式のものでもよいことは勿論である。
受圧板6と弁体3とは連結部材5によって連結され、適宜のガイド1g;7等によって横振れ少なく昇降運動できるように支持されている。
そして、受圧板6と弁箱上端部1eとの間にシール部材6sによって密封的に包容形成された袋室fが、連通路8によって常に弁箱下室1aに連通されている。
次に、本発明の吸排気弁の作動原理を第1図に基づいて説明すると、弁口cをまたいだ対称的な位置関係にあって、略等しい受圧面積を持つ受圧板6と弁体3とが、互いに連結され、且つ受圧板6を押下げる内圧を持つ袋室fと弁体3を押上げる内圧を持つ弁箱下室1aとが、互いに連通されて常に同じ圧力となっている。即ちこの構造は、弁体3にかかる圧力の作用力を、受圧板6に反対方向にかかる圧力の作用力によって常に相殺するという、圧力バランス機構を構成しているものである。従って、弁体3を開閉させる作用力については、圧力の要素は排除され、フロート2、弁体3、連結部材5、受圧板6等を含めた可動部の重量と、フロート2の浮力との関係のみによって決まることとなるので、弁箱下室1a内の液位の変化に素直に対応して運動することとなり、作動が早くて正確である上、弁体3の弁口cへの吸付きなどの現象はもとより発生しない。
その作動態様を見ると、送液管路への注液時においては、その管路内の残留気体をa→c→dの経路で排気しつつ、液位の上昇に連れてフロート2及び弁体3が上昇し、弁口cを閉鎖して注液の溢逸を防ぐ。又、送液管路からの排液時においては、液位の下降に連れてフロート2及び弁体3が下降して弁体cを開口し、外気をその管路内にd→c→aの経路で吸気して管路の変形や破壊を防ぐ。
そして、送液管路が充たされている状態でその管路中に気体が発生した場合は、その発生気体に押し退けられて液位が下降するに連れてフロート2及び弁体3が下降して弁口cを開口し、発生気体をc→dの経路で排気するわけであるが、特にこのとき、発生気体の圧力による弁体3の弁口cへの吸付きを解消する圧力バランス機構を本発明が備えているため、弁箱下室1a内の発生圧力の大きさに係わりなく、液位の下降に連れてフロート2及び弁体3が容易に下降して弁口cを開口できるので、発生気体の排気を急速且つ的確に行なう。
そして、圧力の高い送液管路に設置しても、弁体3の動作が過激でなく、素直に液位の変化に従うので、弁口開閉作動がスムーズで、弁口閉鎖時の水撃などの衝撃が発生せず、部材の損傷もない。又、この圧力バランス機構の構成により、弁口cの口径は比較的大きくとれるので、コンパクトなフロート2を用いたものでも急速な吸排気が可能であり、種々のシール手段が容易に適用できる構造なので、弁口閉鎖時の密閉性も良い。更に、弁箱下室1aと袋室fとを連通する連通路8は、十分に通路内径をとっても差し支えないので精細な流路がなく、その中を通過する流体も、一方向への流れではなく、袋室fで行き止まり往復する流れなので、ゴミ・砂粒・塵埃等による目詰まりが発生しにくいという格別の利点をも備えている。
次に、第2図(第2実施例)〜第8図(第8実施例)について説明する。
第2図の第2実施例は、第1実施例のものの受圧板6のシール部材6sにベローズを適用し、又、連通路8を弁箱1内に一体的に形成したものを例示した。なお、袋室f内に万一液体が浸入しても容易に下に抜け落ちさせて、袋室f内に留めない形状的工夫も施されている。
又、弁体3への作用力について、製作時のフロート2等の可動部の重量とフロート2の浮力の設定に加えて、設置現場で管路条件に合わせて上向きあるいは下向きに付勢して弁体3の作動開始点や弁開閉力等を調整できるようにするために、弁開閉力調整機構9を連結部材5と弁箱1との間に介装してもよいことも例示した。本図においては、ばねを連結部材5とその上方に配置された回り止め付きのばね受とに固着し、そのばね受に螺合した調整軸を弁箱1の外から回転させることによって、ばねの付勢力を上向きでも下向きでも任意の力に調整、設定できる機構を示しているが、同様の効果を持つ機構であれば図示のものに限定されないことは勿論である。
そのほかの構成及び作用効果は第1実施例のものと同様であるので、詳述は省略する。
第3図の第3実施例は、第2実施例のものに、弁体3の弁口c閉鎖近辺での振動(いわゆるチャタリングやハンチング)や異音の発生を抑制する手段を付加したものである。即ち、第2実施例のもののフロート2を、送液管路中の液体の比重を上回るできるだけ質量の大きい材質とし、一方、弁開閉力調整機構9に代えて、フロート2の重量の一部を相殺する作用力を有する付勢力部材10を、弁箱上端部1eから密封的に貫通延出した連結部材5に連結することによって、フロート2、弁体3、連結部材5、受圧板6、付勢力部材10等からなる一連の可動部の慣性質量を増大させてあり、この可動部自身の慣性抵抗によって振動の発生を抑制するものである。
そして、本図においては、付勢力部材10としては、作用力の方向を変換するレバーに装着された重錘が用いられ、又、フロート2の重量と浮力に応じて設置現場で弁体3の作動開始点や弁開閉力等を調整、設定できるよう、ねじ送り式の付勢力調整部10aが介装されたものを例示した。なお、フロート2については、質量を代表的に表わすものとして中味の詰まった中実の構造が図示されているが、質量の大きいものであれば中空の構造でも差し支えないことは言うまでもない。
そのほかの構成及び作用効果は第2実施例のものと同様であるので、詳述は省略する。
第4図の第4実施例は、第3実施例のものの付勢力部材10を、重錘からばねに置き換えたものである。即ち、フロート2は第3実施例と同様に、送液管路中の液体の比重を上回るできるだけ質量の大きい材質とし、一方、フロート2の重量の一部を相殺する上向きの作用力を有する付勢力部材10として、ばねが連結部材5と弁箱1との間に介設され、更に、付勢力調整部10aによって作用力の調整、設定が可能となっている。これによって、フロート2、弁体3、連結部材5、受圧板6等からなる一連の可動部の慣性質量を増大させてあり、この可動部自身の慣性抵抗によって振動の発生を抑制するものである。
そのほかの構成及び作用効果は第3実施例のものと同様であるので、詳述は省略する。
第5図の第5実施例は、第4実施例のもののフロート2を水平方向に広い偏平形状として、液面変化に対する感度を上げて正確に追随する性能を付与し、又、フロート2と弁体3との間に所定の距離を置くことによって、送液管路中のゴミ・塵埃等が舞い上がって弁口c部分に付着するのを抑制し、更に、送液管路への取付口aにストレーナー14を装着することによって、ゴミ・塵埃等の弁箱1への侵入自体を極力阻止するようにしたものであり、特に農業用水や下水道のようにゴミ・塵埃等が送液中に混入している場合にも支障無く使用できるようにした実施例である。
本図においては特に、ストレーナー14が送液管路の内径部の内側に張り出した取付口aに装着されているため、送液管路中の液体に常時洗われている状態となる上、軽いゴミ・塵埃等が浮力で取付口a内に侵入して留まる恐れもないので、ストレーナー14の目詰まりが起こりにくいという利点を持つ。
そのほかの構成及び作用効果は第4実施例のものと同様であるので、詳述は省略する。
第6図の第6実施例は、第3実施例のものに加えて、弁体3が遊動開閉部材13を介して弁口cを開閉するようにしたものである。即ち、弁口cが開口した弁箱仕切部1wと弁体3との間に、その間隙の範囲内を昇降できる略環状の形状の遊動開閉部材13が介設されている。その遊動開閉部材13は、中央部近傍の開口部が弁体3によって開閉される弁口として機能し、外縁部近傍が弁口cを開閉する弁体として機能するように形成されている。そして、外縁部と弁箱下室1aの内壁との間には気体が通過できる十分な流路が確保され、適宜のガイドによって横振れ少なく昇降できるように支持されている。
本図において、フロート2が上昇するときの作動態様を見ると、弁体3がフロート2に押上げられて遊動開閉部材13の弁口bを閉鎖した状態のまま、弁体3と遊動開閉部材13が一体となって、気体をa→遊動開閉部材13側部間隙→c→dの経路で急速排気しつつ、フロート2に押上げられて行き、排気完了後に遊動開閉部材13外縁部近傍の弁体に相当する部分(即ちシール部材13sを装着した箇所)が弁口cを閉鎖して外気との連通を遮断する。
逆にフロート2が下降するときの作動態様を見ると、送液管路の排液時のように弁箱下室1aの内圧が下がっている場合は、遊動開閉部材13と弁体3が一体となって下降して弁口cを開弁し、急速に吸気する。一方、充たされた送液管路に気体が溜まった時のように弁箱下室1aに内圧がかかっている場合は、遊動開閉部材13は内圧によって弁口cに吸付いたままとなるが、弁体3の方は前述の圧力バランス機構があるために容易に弁口bから離脱下降して排気する。そして、なお排気しきれない場合は、弁口bの開口によって弁口cへの吸付きから解放された遊動開閉部材13が、その自重によって弁口cから離脱下降して、更に大量の排気をするという二段構えの作動を行なう。
なお、本図では、遊動開閉部材13はフロート2に押上げられることによって上昇する仕組みとなっているが、このほかに、遊動開閉部材13自身に十分な浮力を持たせて、フロート2の押上げ力に頼らない第二のフロートとしての機能を持たせる仕組みとしてもよいことは勿論である。
そのほかの構成及び作用効果は第3実施例のものと同様であるので、詳述は省略する。
第7図の第7実施例は、第6実施例のものの付勢力部材10を、重錘からばねに置き換えたものである。即ち、フロート2は第6実施例と同様に、送液管路中の液体の比重を上回るできるだけ質量の大きい材質とし、一方、フロート2の重量の一部を相殺する上向きの作用力を有する付勢力部材10として、ばねが連結部材5と弁箱1との間に介設され、更に、付勢力調整部10aによって作用力の調整、設定が可能となっている。これによって、フロート2、弁体3、連結部材5、受圧板6等からなる一連の可動部の慣性質量を増大させてあり、この可動部自身の慣性抵抗によって振動の発生を抑制することは、前述の通りである。
又、本図においては、フロート2が下降するときに、弁体3が前述の圧力バランス機構によって容易に弁口bから離脱下降して排気した後、弁口bの開口によって弁口cへの吸付きから解放された遊動開閉部材13が、弁口cから離脱下降して大量の排気をする作動を行なうのをより確実にするために、フロート2ひいては連結部材5の係止部15が遊動開閉部材13を引きずり降ろす構造にしているほか、ゴミ・塵埃等の弁口b;c部分への侵入を阻止するために、遊動開閉部材13にはストレーナー14を装着し、更に、送液管路から流入してくる液体や気体の動圧によってフロート2等の可動部が吹き上げられて作動が不正確になることを防止するために、フロート2の下側に動圧遮閉板16を設けている。
そのほかの構成及び作用効果は第6実施例のものと同様であるので、詳述は省略する。
第8図の第8実施例は、第7実施例のものの受圧板6、シール部材6sなどを含めた袋室fの部分が、遊動開閉部材13の上面中央部近傍に一体的に構成されたものを例示した。この場合は、遊動開閉部材13が弁箱仕切部1wの一部分も兼ねることとなる。
本図においては、連結部材5を中空にしてその上下貫通孔を連通路8として用いるなどして、全体としてコンパクトな構造にできることを例示した。受圧板6のシール部材6sには第7実施例のものと同様にベローズを適用しているが、このほかに、受圧板6をピストン形式としてそのシール部材6sにはシールリングやOリングを適用するなどして、更にコンパクトな構造にしてもよい。
なお、フロート2の形状やそのガイドの方法、弁箱1の形状やその天井に追加付設した通気蓋の形状など、仕様条件に合わせて各種の設計上の選択が可能なことも併せ例示してある。
そのほかの構成及び作用効果は第7実施例のものと同様であるので、詳述は省略する。
次に、各実施例に共通の技術事項について説明する。
弁箱1の取付口aや通気口dの形式、形状については、仕様条件に応じて、ねじ込み式やフランジ式など適宜に選択してよい。
フロート2については、第3図〜第7図においては、送液管路中の液体の比重を上回るできるだけ質量の大きい材料を適用した場合が例示されているが、その材質は金属でも非金属でも適宜に選択可能である。又、その質量を代表的に表わすものとして、第3図に中実の構造が図示されているが、質量が大きいものであれば中空の構造でも差し支えないことは言うまでもない。
フロート2と弁体3の連動方法については、各実施例においては固着したものを例示したが、互いに当接させて連動させてもよいことは勿論である。
仕様条件によっては、送液管路から流入してくる液体や気体の動圧によってフロート2等の可動部が吹き上げられて作動が不正確になることを防止するために、第6図〜第8図のようにフロート2を流体抵抗の少ない形状にしたり、第7図〜第8図のようにフロート2の下側に動圧遮閉板16を設けてもよい。
受圧板6のシール部分や各弁体の弁口閉鎖部分などの密封性を要する箇所に装着されるシール部材については、仕様条件に合わせて適宜にダイヤフラム、ベローズ、シールリング、Oリング等を適用したり、その他の弾性部材を装着したりしてよく、又、直接接触により良好な密封性を保持できる場合は、該シール部材を省略してもよい。
弁開閉力調整機構9や付勢力部材10については、第2図〜第7図に示したようなばねや重錘にリンクする方法のほかにも、他の弾性部材を用いたり、気圧装置を用いたりしてもよいし、逆に各部材の重量が正確に設定、製作できる場合には省略することもできることは勿論である。
そのほかにも、各構成部材の配置及び組合せなど、本発明の趣旨の範囲内で種々設計変更が可能であり、又、各構成部材にわたり従来技術の援用が可能であり、本発明を前記の各実施例に限定するものではない。
産業上の利用可能性
本発明は、弁体を弁口に吸付かせる偏圧力を解消させる新しい圧力バランス機構等を導入して、従来技術の問題点を抜本的に解決し、弁箱内の発生圧力の大きさに係わりなく、液位の昇降に連れてフロート及び弁体が容易に昇降して弁口を開閉し、吸排気を的確に行なう吸排気弁を得たものである。コストやスペースの節約のためのフロートの軽小化と、急速吸排気のための弁口の大口径化とを同時に満足させ、コンパクトなフロートを用いたものでも急速な吸排気が可能であり、弁口開閉作動が振動なくスムーズで、弁口閉鎖時の密閉性も良く、又、連通路部分も含めてゴミ・砂粒・塵埃等による目詰まりが発生しにくいという利点をも兼ね備えている。
更に、構造が簡潔で、設計・製作・保守管理に苦慮すべき部分もなく、信頼性と経済性の高い吸排気弁であり、その実施効果は極めて大きい。
Claims (6)
- 送液管路に介装されてフロートの昇降によって弁口を開閉して吸排気する吸排気弁において、
弁箱仕切部(1w)によって弁箱下室(1a)と弁箱上室(1d)とに画成され、弁箱下室(1a)には送液管路への取付口(a)、弁箱仕切部(1w)には弁口(c)、弁箱上室(1d)には外気への通気口(d)が各々開口した弁箱(1)と、
弁箱下室(1a)内に昇降自在に設けられたフロート(2)と、
フロート(2)の昇降運動に連動して弁口(c)を開閉する弁体(3)と、
弁箱上端部(1e)の内壁にシール部材(6s)を介して昇降自在に装着され且つ弁体(3)と略等しい受圧面積を有する受圧板(6)とを備え、
受圧板(6)と弁体(3)とが連結部材(5)によって連結され、
受圧板(6)と弁箱上端部(1e)との間に密封的に包容形成された袋室(f)が連通路(8)によって常に弁箱下室(1a)に連通されたことを特徴とする吸排気弁。 - 弁体(3)の弁口(c)に対する開閉力を調整する弁開閉力調整機構(9)が付設されたことを特徴とする、請求の範囲第1項に記載の吸排気弁。
- 送液管路に介装されてフロートの昇降によって弁口を開閉して吸排気する吸排気弁において、
弁箱仕切部(1w)によって弁箱下室(1a)と弁箱上室(1d)とに画成され、弁箱下室(1a)には送液管路への取付口(a)、弁箱仕切部(1w)には弁口(c)、弁箱上室(1d)には外気への通気口(d)が各々開口した弁箱(1)と、
弁箱下室(1a)内に昇降自在に設けられ且つ前記送液管路中の液体より大きい比重を有するフロート(2)と、
フロート(2)の重量の一部を相殺する作用力を有する付勢力部材(10)と、
フロート(2)の昇降運動に連動して弁口(c)を開閉する弁体(3)と、
弁箱上端部(1e)の内壁にシール部材(6s)を介して昇降自在に装着され且つ弁体(3)と略等しい受圧面積を有する受圧板(6)とを備え、
受圧板(6)と弁体(3)とが連結部材(5)によって連結され、
受圧板(6)と弁箱上端部(1e)との間に密封的に包容形成された袋室(f)が連通路(8)によって常に弁箱下室(1a)に連通されたことを特徴とする吸排気弁。 - 弁口(c)が開口した弁箱仕切部(1w)と弁体(3)との間に、その間隙の範囲内を昇降できる遊動開閉部材(13)が介設され、
該遊動開閉部材(13)は、中央部近傍の開口部が弁体(3)によって開閉される弁口として機能し且つ外縁部近傍が弁口(c)を開閉する弁体として機能する形状に形成され、弁体(3)が該遊動開閉部材(13)を介して弁口(c)を開閉する構造に構成されたことを特徴とする、請求の範囲第1項から第3項までのいずれかに記載の吸排気弁。 - 袋室(f)部が遊動開閉部材(13)の上部に一体的に構成されたことを特徴とする、請求の範囲第4項に記載の吸排気弁。
- 弁箱(1)内の流体通過流路にストレーナー(14)が装着されたことを特徴とする、請求の範囲第1項から第5項までのいずれかに記載の吸排気弁。
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