JP4558243B2 - 排気弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、配管に水を送り込むときに開弁して配管内の空気を排気し、排気が終われば閉弁し、また配管系の圧力が低下して真空状態となったときに開弁して外部空気を導入することにより真空状態を破壊する排気弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の排気弁として、実公昭53−1622号公報に示されたものがある。これは、ケーシングで下部に流入口が開口し上部に流出口が開口した弁室を形成し、弁室と流出口の間に弁座を形成し、弁室内壁に内側に突出したリブを形成し、リブの内側に有底のほぼ円筒形状で底部に小さな開口面積を有する通孔を設けたフロート受けを固定し、フロート受け内にフロートを自由状態で配したものである。
【0003】
上記従来の排気弁は、先ず配管に水を送り込むときにはフロートが弁座から離座して降下した開弁状態であり、流入口から弁室内に流入してくる配管内の空気をリブの間の空間からフロート受け上端を通して及び通孔からフロート受け内を通して流出口に排気する。そして排気が終わって配管内の水が流入口から弁室内に流入してくると、リブの間の空間からフロート受け上端を通して及び通孔を通してフロート受け内に流入する水によってフロートが浮上して弁座に着座し閉弁する。また配管系の圧力が低下して真空状態となったときにはフロートが弁座から離座して降下し、流出口から弁室内に流入してくる外部空気をフロート受け内から通孔を通して及びフロート受け上端からリブの間の空間を通して流入口から配管内に導入することにより真空状態を破壊する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の排気弁は、流入口側の圧力が高圧であると、未だ排気を完了していないにもかかわらずフロートが弁座に着座閉弁してしまう問題点があった。これは、流入口側の圧力が高圧であると、空気がフロートと弁座の間を高速に通過するためにフロートと弁座の間の静圧低下が大きくなり、未だ排気を完了していないにもかかわらずフロートが弁座に吸い寄せられて着座閉弁してしまうためである。従って本発明の技術的課題は、流入口側の圧力が高圧であっても、排気を完了してから閉弁できる排気弁を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の技術的課題を解決するために講じた本発明の技術的手段は、ケーシングで下部に流入口が開口し上部に流出口が開口した弁室を形成し、弁室と流出口の間に弁座を形成し、弁室内壁に内側に突出したリブを形成し、リブの内側に有底のほぼ円筒形状で底部に通孔を設けたフロート受けを固定し、フロート受け内にフロートを自由状態で配し、フロートの降下位置を調節する降下位置調節部材を設け、流入口側の圧力が高圧の場合には降下位置調節部材を下げ、流入口側の圧力が低圧の場合には降下位置調節部材を上げることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
上記の本発明の技術的手段によれば、流入口側の圧力が高圧の場合には、フロートの降下位置を下方に調節することによって、フロートと弁座の間を大きくすることができるので、未だ排気を完了していないにもかかわらずフロートが弁座に吸い寄せられて着座閉弁してしまうことを防ぐことができる。流入口側の圧力が低圧の場合には、フロートの降下位置を上方に調節することによって、フロートと弁座の間を小さくすることができるので、排気完了後の閉弁遅れを防ぐことができる。
【0007】
【実施例】
上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する(図1参照)。本体1に蓋2をボルトで締結して内部に弁室3を有するケーシングを形成する。本体1の下部に流入口4を形成し、蓋2の上部に流出口5を形成する。蓋2に弁座6を間に挟んで取付部材7をネジで固定する。
【0008】
本体1は弁室3の内壁に内側に突出した複数のリブ9を一体に有し、リブ9の内側に有底のほぼ円筒形状のフロート受け10をスナップリングで固定する。フロート受け10内に球形のフロート12を自由状態で配置する。
【0009】
フロート受け10はその底部に内外を連通する通孔11を有する。フロート受け10の底部に、フロート12の降下位置を調節する降下位置調節部材13をねじ結合し、ロックナット14で緩止めを行う。降下位置調節部材13は下端にドライバー等の工具が嵌る切割り15を有する。フロート10の降下位置を調節する場合は、ロックナット14を緩めてドライバー等の工具で降下位置調節部材13を回動し再びロックナット14で緩止めを行う。
【0010】
上記実施例の排気弁の動作は下記の通りである。先ず配管に水を送り込むときにはフロート12は弁座6から離座して降下し降下位置調節部材13に載った開弁状態である。これにより、弁室3内に流入してくる配管内の空気をリブ9の間の空間からフロート受け10上端を通して及び通孔11からフロート受け10内を通して流出口5に排気する。そして排気が終わって配管内の水が流入口4から弁室3内に流入してくると、リブ9の間の空間からフロート受け10上端を通して及び通孔11を通してフロート受け10内に流入する水によってフロート12が浮上して弁座6に着座し閉弁する。これにより、水の漏出を防止する。配管系の圧力が低下して真空状態となったときにはフロート12が弁座6から離座して降下し降下位置調節部材13に載った開弁状態となる。これにより、弁室3内に流入してくる外部空気をフロート受け10上端からリブ9の間の空間を通して及びフロート受け10内から通孔11を通して流入口4から配管内に導入することにより真空状態を破壊する。
【0011】
流入口4側の圧力が高圧の場合には、降下位置調節部材13を下げてフロート12の降下位置を下方に調節することにより、フロート12と弁座6の間を大きくすることができるので、未だ排気を完了していないにもかかわらずフロート12が弁座6に吸い寄せられて着座閉弁してしまうことを防ぐことができる。流入口4側の圧力が低圧の場合には、降下位置調節部材13を上げてフロート12の降下位置を上方に調節することにより、フロート12と弁座6の間を小さくすることができるので、排気完了後の閉弁遅れを防ぐことができる。
【0012】
【発明の効果】
本発明は下記の特有の効果を生じる。
上記のように本発明による排気弁は、フロートの降下位置を調節する降下位置調節部材を設けたものであるので、流入口側の圧力が高圧の場合には、フロートの降下位置を下方に調節してフロートと弁座の間を大きくすることにより、未だ排気を完了していないにもかかわらずフロートが弁座に吸い寄せられて着座閉弁してしまうことを防ぐことができ、流入口側の圧力が低圧の場合には、フロートの降下位置を上方に調節してフロートと弁座の間を小さくすることにより、排気完了後の閉弁遅れを防ぐことができるという優れた効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の排気弁の断面図。
【符号の説明】
1 本体
2 蓋
3 弁室
4 流入口
5 流出口
6 弁座
9 リブ
10 フロート受け
11 通孔
12 フロート
13 降下位置調節部材
14 ロックナット
Claims (1)
- ケーシングで下部に流入口が開口し上部に流出口が開口した弁室を形成し、弁室と流出口の間に弁座を形成し、弁室内壁に内側に突出したリブを形成し、リブの内側に有底のほぼ円筒形状で底部に通孔を設けたフロート受けを固定し、フロート受け内にフロートを自由状態で配し、フロートの降下位置を調節する降下位置調節部材を設け、流入口側の圧力が高圧の場合には降下位置調節部材を下げ、流入口側の圧力が低圧の場合には降下位置調節部材を上げることを特徴とする排気弁。
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