JP3876154B2 - ミリ波帯無線送信装置およびミリ波帯無線受信装置およびミリ波帯通信システム - Google Patents

ミリ波帯無線送信装置およびミリ波帯無線受信装置およびミリ波帯通信システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ミリ波帯無線送信装置およびミリ波帯無線受信装置およびミリ波帯通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、従来の第1のミリ波帯無線通信システムとしては、2000年電子情報通信学会総合大会SC3−5の423ページから424ページに開示されているものがある。このミリ波帯無線通信システムは、図14に示すように、ミリ波帯無線送信装置とミリ波帯無線受信装置とを備えている。
【0003】
図14に示すように、上記ミリ波帯無線送信装置では、IF(中間周波数)変調信号源100によって変調されたIF変調信号波108a(周波数fIF)と局部発振器105により発振された局部発振波106(周波数fLo)を周波数ミキサ1001によりミリ波帯に周波数アップコンバートする。そうして、周波数アップコンバートされた無線信号波107(周波数fRF)のみを帯域通過フィルタ200により取り出して、取り出された無線信号波107を送信用増幅器103により適当なレベルまで増幅して送信アンテナ104より放射する。上記無線信号波107(周波数fRF)は、周波数アップコンバート時において、両側側波帯(周波数fLo+fIFまたはfLo−fIF)のうちの一方をバンドパスフィルタ200により帯域通過させて、所望の無線信号波107(周波数fRF)としている。
【0004】
一方、上記ミリ波帯無線受信装置では、ミリ波帯無線送信装置からの無線信号波107を受信アンテナ112により受信し、低雑音アンプ111で適当なレベルまで増幅し、バンドパスフィルタ200により所望の信号波である無線信号波107のみを取り出し、無線信号波107を周波数ミキサ110に入力する。それと同時に受信側の局部発振器114で発生させた局部発振波106を周波数ミキサ110に入力する。そして、上記局部発振波106を用いて周波数ミキサ110により無線信号波107を周波数ダウンコンバートして、IF変調信号波108bを生成する。
【0005】
また、従来の第2のミリ波帯無線通信システムとして、特開2001−53640号公報に記載されたものがある。図15はこのミリ波帯無線通信システムの構成を示しており、上記従来の第1のミリ波帯無線通信システムと同様の動作・機能するものは同一参照番号を付している。
【0006】
図15に示すように、上記ミリ波帯無線通信システムのミリ波帯無線送信装置では、IF変調信号源100により変調されたIF変調信号波108a(周波数fIF)を生成し、ミリ波帯局部発振器105により局部発振波106(周波数fLo)bを生成する。そして、上記IF変調信号波108a(周波数fIF)と局部発振波106(周波数fLo)bを周波数変換器1001によりミリ波帯に周波数アップコンバートし、周波数アップコンバートされた無線信号波107(周波数fRF)と局部発振波106(周波数fLo)をバンドパスフィルタ102により取り出して、送信用増幅器103により適当なレベルまで増幅した後に送信アンテナ104より放射する。
【0007】
一方、上記ミリ波帯無線通信システムのミリ波帯無線受信装置では、無線信号波107と局部発振波106bを受信アンテナ112により受信し、低雑音アンプ111で適当なレベルまで増幅する。そして、バンドパスフィルタ115で所望の信号波である無線信号波107と局部発振波106bを取り出して、周波数ミキサ110に夫々入力する。上記周波数ミキサ110の2乗効果によって、無線信号波107と局部発信局部発振波106bを2乗検波して、IF変調信号波108bを生成し、生成されたIF変調信号波108bを復調器113に入力する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図17に位相雑音成分を含んだミリ波帯局部発振106の周波数スペクトラムを示している。図17(a)は、従来の第2のミリ波帯無線通信システムで述べられている無変調の局部発振波106bである。例えば、図17(b),(c)に示すように、59GHz帯の局部発振波(周波数fLo)は、基本波(fLo/m)の位相雑音のレベルと比較して20*Log m (dB)だけ増大するという関係を有している。60GHz帯のミリ波帯の局部発振波(周波数fLo)は、通常2〜8逓倍することによって生成されることが多く,基本的に30GHz以下のマイクロ波帯と比較して、局部発振器の位相雑音が大きくなってしまう。また、このようにm逓倍法ではなく、60GHz帯でも、直接発振によって生成される場合があるが、通常、上記の2〜8逓倍する手法によって生成された局部発振波よりも位相雑音成分は、さらに大きくなっている。これは、ミリ波帯において高Qの誘電体材料を得ることが困難なことが原因している。
【0009】
図14の従来の第1のミリ波帯無線通信システムにおいて、30GHz以上のミリ波帯では、送信側の局部発振器105と受信側の局部発振器114は、発振周波数がミリ波帯であるため位相雑音が大きくなる。上記ミリ波帯局部発振器105,114を使用してミリ波帯にアップコンバート/ミリ波帯からダウンコンバートされる無線信号波107(周波数fRF)は、通常、4位相変調(QPSK(Quadrature Phase Shift Keying:直交位相変調))波、多値変調(QAM(Quadrature Amplitude Modulation:多値直交振幅変調))波およびマルチキャリ(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重))変調波である。これら変調型式のディジタル変調波のミリ波無線伝送では、局部発振器105,114の位相雑音が、ミリ波帯にアップコンバートするときおよびミリ波帯からダウンコンバートするときに受信側のIF変調信号波108bに乗り移ってしまい、ビットエラーレートを大きくしてしまう要因となり、高品質なディジタル無線伝送が困難であるという問題がある。
【0010】
一方、図15の従来の第2のミリ波帯無線通信システムのように、無線信号波(周波数fRF)と局部発振波(周波数fLo)を同時に伝送し、受信側のミキサ110において2乗検波する場合は、ミリ波帯の局部発振器105の安定度と位相雑音は受信側の周波数ミキサ110でキャンセルされるため、上記局部発振器の位相雑音に対する課題は解決される。
【0011】
しかしながら、以下に述べる理由により、従来の第2のミリ波帯無線通信システムでは、従来の第1のミリ波帯無線通信システムに比較して、
1) 送信側および受信側で、局部発振波(周波数fLo)と無線信号波(周波数fRF)および不要な片側側波帯信号波の出力レベルのコントロールが困難である
2) 無線伝送距離が短くなる
3) 2乗検波するために受信側の帯域幅が狭くなる
という新たな問題が発生する。
【0012】
上記1)については、送信側,受信側において、局部発振波(周波数fLo)と無線信号波(周波数fRF)および不要な片側側波帯信号波の出力レベルのコントロールをバンドパスフィルタで制御しており、例えば、局部発振波(周波数fLo=59GHz)と無線信号波(周波数fRF=60GHz〜60.5GHz)のように両信号波が近接している場合には、不要な片側側波帯信号波の周波数fLo−fIFは57.5GHz〜58GHz帯に生ずる。従来の第2のミリ波帯無線通信システムでは、送受信側で局部発振波を通過帯域信号として用いると同時に、不要な片側側波帯信号波を不要波として抑圧しなければならない。通常、ミリ波帯のバンドパスフィルタ102では、通過帯域から1GHz〜1.5GHz離れた不要な片側側波帯信号波(周波数fLo−fIF)を20dB以上抑圧することは、極めて困難である。つまり、所望の側波帯信号波(周波数fRF)、局部発振波(周波数fLO)、不要な片側側波帯信号波(周波数fLo−fIF)のパワーレベルを制御することは難しいという問題がある。
【0013】
次なる課題として、上記2)の伝送距離において、図14に示す従来の第1のミリ波帯無線通信システムのように、受信側の周波数ミキサ110では、周波数ダウンコンバートされてIF変調信号波108b(周波数fIF)が生成される。ここでは、受信側の局部発振器114の出力パワーは一定であり、入力された無線信号波107(周波数fRF)と、変換されたIF変調信号波(周波数fIF)108bとは線形関係にあり、無線信号波(周波数fRF)が6dB減衰すれば、出力されるIF変調信号波(周波数fIF)も6dB減衰する。この関係を図16(b)の周波数ミキサの線形検波における動作について示している。例えば、周波数ミキサに用いられているマイクロ波トランジスタやダイオードの (電流・電圧)特性と、パワーでみたときの周波数ミキサの入力Pin・出力Pout特性を示している。図16(b)に示す線形検波と図16(a)の2乗検波の違いは、本質的には入力パワーの違いである。図14の従来の第1のミリ波帯無線通信システムの受信側の周波数ミキサ110では、受信側局部発振器入力パワー(Pin)が常に大信号レベルで入力されており、図16(b)に示すように、IV特性の線形領域を利用して検波し、出力Poutを生成するため、入力Pinが6dB小さくなれば、出力Poutも6dB減少する関係にある。
【0014】
一方、図15の従来の第2のミリ波帯無線通信システムにおいては、受信側の周波数ミキサ110においては、入力信号であるPinが小さくなったときには、図16(a)に示すように2乗検波作用、つまり、IV特性の2乗特性領域を用いて検波するため、生成される出力Poutも小さくなり、入力Pinが6dB小さくなれば、出力Poutは12dB小さくなるという問題がある。また、2乗検波であるために2次歪波も生成され、検波(周波数変換)される変換帯域幅も狭くなるという問題がある。
【0015】
ここでいう受信側の周波数ミキサ110での入力信号Pinの6dBの減少は、見通しでの電波の伝送距離が2倍になることを意味している。すなわち、2乗検波により周波数ダウンコンバートする従来の第1のミリ波帯無線通信システムでは、伝送距離が2倍になると受信感度が6dB低下するのに対して、従来の第2のミリ波帯無線通信システムでは、伝送距離が2倍になると受信感度が12dB低下する。したがって、従来の第2のミリ波帯無線通信システムの場合では、伝送距離が1/2以下になるという問題がある。加えて、従来の第1のミリ波帯無線通信システムのように所望とする無線信号波のみを送信する場合に比較して、電波法で決められた送信出力以下(例えば10mW以下)しか出力を出せないという条件下では、従来の第2のミリ波帯無線通信システムのような場合、局部発振波も伝送しなければならず、相対的に所望の信号波の無線信号波の送信パワーも低下するため、従来の第2のミリ波帯無線通信システムの場合は、従来の第1のミリ波帯無線通信システムに比較して、伝送距離は、実際はさらに短くなり、従来の第1のミリ波帯無線通信システムの1/2以下となる。
【0016】
そこで、この発明の目的は、局部発振器の位相雑音特性を改善できると共に、送信される無線信号波と局部発振波および不要抑圧信号波の各レベルを正確に再現性よく制御でき、無線伝送距離を増大でき、かつ、受信側での周波数変換時の変換帯域幅を広帯域化できるミリ波帯無線送信装置およびミリ波帯無線受信装置およびミリ波帯通信システムを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
上記目的を達成するため、この発明のミリ波帯無線送信装置は、
局部発振波を出力する局部発振器と、
上記局部発振器からの上記局部発振波を用いて、変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートし、その周波数アップコンバート時に生じる両側側波帯のうちの不要な一方の片側側波帯信号波を抑圧するイメージリジェクション型周波数ミキサと、
上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートされた他方の片側側波帯信号波である無線信号波と、上記無線信号波を受信側で周波数ダウンコンバートするための周波数変換用信号波を同時に送信する送信部と
を備え、
上記送信部から送信される上記周波数変換用信号波が上記局部発振器から出力される上 記局部発振波であり、
上記局部発振器から出力された上記局部発振波のみを濾波して上記送信部に入力するバンドパスフィルタを備え、
上記送信部は、上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートされた上記他方の片側側波帯信号波である無線信号波と、上記バンドパスフィルタを介して入力された上記局部発振波を同時に送信することを特徴としている。
【0025】
上記構成のミリ波帯無線送信装置によれば、上記局部発振器からの局部発振波を用いて変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートし、その周波数変換時に生ずる両側波帯のうちの不要波となる一方の片側側波帯信号波は、不要波抑圧手段としてイメージリジェクション型周波数ミキサにより抑圧される。そして、上記周波数アップコンバートされた他方の所望の側波帯信号波である無線信号波と、その無線信号波を受信側で周波数ダウンコンバートするための周波数変換用信号波を送信する。これにより、受信側では、上記無線信号波と周波数変換用信号波 ( 例えば局部発振波やパイロット信号波 ) を用いて周波数変換器により周波数ダウンコンバートすることにより局部発振波の位相雑音がキャンセルされ、位相雑音特性を改善できる。また、送信側において、不要な片側側波帯信号波 ( イメージ波 ) を除去するためのフィルタなしに、イメージリジェクション型周波数ミキサにより不要な片側側波帯信号波を十分に抑圧することができる。
なお、上記送信部の手前に、イメージリジェクション型周波数ミキサから出力される局部発振波のレベルを制御するためのバンドパスフィルタを用いることにより、局部発振波 ( 周波数f Lo) は適度に抑圧 , 制御することができる。この局部発振波 ( 周波数f Lo) のレベル制御については後述する。上記イメージリジェクション型周波数ミキサによって、不要な片側側波帯信号波に対しては十分抑圧されているので、抑圧率を制御する必要はない。しかしながら、上記バンドパスフィルタは、無線周波数帯域の信号波を通過させて、局部発振波をある程度抑圧 , 制御するようなバンドパス特性にするため、局部発振波よりさらに離れた周波数にあるところにある不要波側波帯は、自動的に抑圧される。
また、上記送信部から送信される上記周波数変換用信号波が周波数アップコンバートに用いられた局部発振波であるので、受信側でその局部発振波をそのまま用いて上記無線信号波を周波数ダウンコンバートできる。
さらに、上記局部発振器からの局部発振波を2分波し、方向性結合器等により一部の信号を取り出し、上記バンドパスフィルタにより局部発振波のみを取り出し、無線信号波と局部発振波を結合させて、周波数軸上で多重化することによっても、送信される局部発振波の出力レベルをコントロールすることが可能となる。また、局部発振器専用のバンドパスフィルタは、帯域幅が1MHz以下と極端に狭いため、フィルタの段数を増やして急峻性をもたせることは比較的容易である。また、フィルタの替わりにアイソレータの一方向性をもたせる回路であってもよい。
【0026】
また、一実施形態のミリ波帯無線送信装置は、上記局部発振器から出力された上記局部発振波のレベルを調整して上記送信部に入力するレベル調整器を備え、上記送信部は、上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートされた上記他方の片側側波帯信号波である無線信号波と、上記レベル調整器を介して入力された上記局部発振波を同時に送信することを特徴としている。
【0027】
上記実施形態のミリ波帯無線送信装置によれば、上記局部発振器からの局部発振波を2分波し、方向性結合器等により一部の信号を取り出し、上記レベル調整器によりレベルを調整することにより、局部発振波のみを取り出し、無線信号波と局部発振波を結合させて、周波数多重化することによっても、送信される局部発振波の出力レベルをコントロールすることが可能となる。ここで、上記レベル調整器は、十分な出力特性を有する増幅器を使用し、適度に増幅度を設定することによって、局部発振器からの出力パワーを正確にコントロールすることが可能となるばかりでなく、一方向性を有しており、無線信号波と結合させたとき、無線信号波のフィードバック等を回避することができ、安定動作を得ることができる。
【0028】
また、この発明のミリ波帯無線送信装置は、
局部発振波を出力する局部発振器と、
上記局部発振器からの上記局部発振波を用いて、変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートし、その周波数アップコンバート時に生じる両側側波帯のうちの不要な一方の片側側波帯信号波を抑圧するイメージリジェクション型周波数ミキサと、
上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートされた他方の片側側波帯信号波である無線信号波と、上記無線信号波を受信側で周波数ダウンコンバートするための周波数変換用信号波を同時に送信する送信部と
を備え、
上記送信部から送信される上記周波数変換用信号波が上記局部発振器から出力される上記局部発振波であり、
上記イメージリジェクション型周波数ミキサは、上記局部発振器からの上記局部発振波をN次逓倍 ( Nは2以上の整数 ) したN次逓倍波で周波数アップコンバートするN次高調波ミキサであると共に、
上記局部発振器から出力された上記局部発振波をN逓倍して上記送信部に入力するN逓倍器(Nは2以上の整数) 備え、
上記送信部は、上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートされた上記他方の片側側波帯信号波である無線信号波と、上記N逓倍器を介して入力された上記N逓倍された局部発振波を同時に送信することを特徴としている。
【0029】
上記構成のミリ波帯無線送信装置によれば、上記局部発振器からの局部発振波を用いて変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートし、その周波数変換時に生ずる両側波帯のうちの不要波となる一方の片側側波帯信号波は、不要波抑圧手段としてイメージリジェクション型周波数ミキサにより抑圧される。そして、上記周波数アップコンバートされた他方の所望の側波帯信号波である無線信号波と、その無線信号波を受信側で周波数ダウンコンバートするための周波数変換用信号波を送信する。これにより、受信側では、上記無線信号波と周波数変換用信号波 ( 例えば局部発振波やパイロット信号波 ) を用いて周波数変換器により周波数ダウンコンバートすることにより局部発振波の位相雑音がキャンセルされ、位相雑音特性を改善できる。また、送信側において、不要な片側側波帯信号波 ( イメージ波 ) を除去するためのフィルタなしに、イメージリジェクション型周波数ミキサにより不要な片側側波帯信号波を十分に抑圧することができる。
なお、上記送信部の手前に、イメージリジェクション型周波数ミキサから出力される局部発振波のレベルを制御するためのバンドパスフィルタを用いることにより、局部発振波 ( 周波数f Lo) は適度に抑圧 , 制御することができる。この局部発振波 ( 周波数f Lo) のレベル制御については後述する。上記イメージリジェクション型周波数ミキサによって、不要な片側側波帯信号波に対しては十分抑圧されているので、抑圧率を制御する必要はない。しかしながら、上記バンドパスフィルタは、無線周波数帯域の信号波を通過させて、局部発振波をある程度抑圧 , 制御するようなバンドパス特性にするため、局部発振波よりさらに離れた周波数にあるところにある不要波側波帯は、自動的に抑圧される。
また、上記送信部から送信される上記周波数変換用信号波が周波数アップコンバートに用いられた局部発振波であるので、受信側でその局部発振波をそのまま用いて上記無線信号波を周波数ダウンコンバートできる。
さらに、上記局部発振器からの局部発振波を2分波し、方向性結合器等により一部の信号を取り出し、N逓倍器(Nは2以上の整数)でN逓倍することにより局部発振波のみを取り出し、無線信号波と局部発振波を結合させて周波数軸上で多重化することによって、送信される局部発振波の出力レベルをコントロールすることが可能となる。また、分波された他方の局部発振波は、N次高調波タイプ(Nは2以上の整数)のイメージリジェクション型周波数ミキサを用いて、局部発振波のN次逓倍波で、変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートする。なお、上記N次高調波ミキサは、N逓倍器と周波数ミキサの組み合わせであってもよい。
また、一実施形態のミリ波帯無線送信装置は、上記局部発振器から出力される上記局部発振波が周波数変調信号波であることを特徴としている。
上記実施形態のミリ波帯無線送信装置によれば、上記局部発振器から出力される局部発振波は、図17 (b) に示すように、他の情報信号波でFM変調された信号となっており、ミリ波帯の局部発振波では、通常、低周波 ( 〜1MH z 程度 ) の雑音成分が無変調波にFM変調されている。
【0030】
また、一実施形態のミリ波帯無線送信装置は、上記送信部から送信される局部発振波は、位相雑音成分を含むことを特徴としている。
【0031】
上記実施形態のミリ波帯無線送信装置によれば、上記送信部から送信される局部発振波は、図17(b)に示すように、位相雑音成分も含んだ信号波となっており、ミリ波帯の局部発振波では、通常、低周波(〜1MHz程度)の雑音成分が無変調波にFM変調されている。
【0032】
また、一実施形態のミリ波帯無線送信装置は、上記送信部から送信される上記無線信号波としての他方の片側側波帯信号波に対して、上記不要な一方の片側側波帯信号波は、上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより13dB以上抑圧されていることを特徴としている。
【0033】
また、一実施形態のミリ波帯無線送信装置は、上記送信部から送信される上記局部発振波の信号波電力は、上記送信部から送信される全信号波電力に対して3dB以上抑圧されていることを特徴としている。
【0034】
上記実施形態のミリ波帯無線送信装置によれば、上記局部発振波の信号波電力を上記送信部から送信される全信号波電力の3dB以上抑圧することによって、局部発振波のレベルが高い方向に3dB以内で変動したり低い方向に3dB以上変動したりしても、無線信号波の出力は150%〜50%の範囲に納まり、送信側バンドパスフィルタの量産時の性能バラツキを許容することが可能となる。これは、電波法の60GHz帯空中線電力の許容偏差である上限+50%,下限−70%を満足しており、安定した電波の発射が可能となる。さらに、帯域当たりのピークパワーが大きい局部発振波は、帯域幅の広い所望の無線信号波のトータル電力を低減することによって、環境温度の変動による送信アンプの飽和・歪波の発生や送信アンプの発振といった問題を低減し、安定した無線伝送が可能となる。
【0035】
【0036】
【0037】
また、この発明のミリ波帯無線受信装置は、
送信側から同時に送信された側波帯信号波と局部発振波とを受信するミリ波帯無線受信装置であって、
上記側波帯信号波と上記局部発振波を受信する受信アンテナと、
上記受信アンテナにより受信された上記側波帯信号波と上記局部発振波を増幅する受信用増幅器と、
上記受信用増幅器により増幅された上記局部発振波に基づいて、上記受信用増幅器により増幅された上記側波帯信号波を周波数ダウンコンバートする周波数変換器と
を備え、
上記受信用増幅器が、上記受信アンテナにより受信された上記側波帯信号波と上記局部発振波の伝送帯域において上記局部発振波側の周波数帯で高利得を有することを特徴としている。
【0038】
上記構成のミリ波帯無線受信装置によれば、上記受信アンテナで受信された側波帯信号波と局部発振波は、受信用増幅器で増幅され、その受信用増幅器により増幅された局部発振波に基づいて、周波数変換器により側波帯信号波を周波数ダウンコンバートする。このように、上記ミリ波帯無線送信装置から側波帯信号波と同時に送信された局部発振波により周波数ダウンコンバートするので、局部発振器の位相雑音特性を改善できると共に無線伝送距離を増大できる。さらに、上記受信アンテナで受信された所望の側波帯信号波と局部発振波は、伝送帯域の局部発振波側の周波数帯で高利得を有する1つの共通の増幅器で増幅され、周波数変換器に同時に入力されて、周波数変換器で周波数変換する。送信側で、無線信号波のトータル送信電力よりも3dB以上低く制御された局部発振波が、上記受信用増幅器で側波帯信号波と同レベルの信号となって周波数変換器に入力され、2つの信号波が同じ出力レベルとなるので、効率のよい2乗検波による周波数ダウンコンバート動作が可能となる。
【0039】
また、この発明のミリ波帯無線受信装置は、
送信側から同時に送信された側波帯信号波と局部発振波とを受信するミリ波帯無線受信装置であって、
上記側波帯信号波と上記局部発振波を受信する受信アンテナと、
上記受信アンテナにより受信された上記側波帯信号波と上記局部発振波を増幅する受信用増幅器と、
上記受信用増幅器により増幅された上記局部発振波に基づいて、上記受信用増幅器により増幅された上記側波帯信号波を周波数ダウンコンバートする周波数変換器と
を備え、
上記受信アンテナが、上記側波帯信号波と上記局部発振波の伝送帯域において上記局部発振波側の周波数帯で高利得を有することを特徴としている。
【0040】
上記構成のミリ波帯無線受信装置によれば、上記受信アンテナで受信された側波帯信号波と局部発振波は、受信用増幅器で増幅され、その受信用増幅器により増幅された局部発振波に基づいて、周波数変換器により側波帯信号波を周波数ダウンコンバートする。このように、上記ミリ波帯無線送信装置から側波帯信号波と同時に送信された局部発振波により周波数ダウンコンバートするので、局部発振器の位相雑音特性を改善できると共に無線伝送距離を増大できる。さらに、上記受信アンテナで受信された所望の側波帯信号波と局部発振波は、伝送帯域の局部発振波側の周波数帯で高利得を有する1つの共通の増幅器で増幅され、周波数変換器に同時に入力されて、周波数変換器で周波数変換する。送信側で、無線信号波のトータル送信電力よりも3dB以上低く制御された局部発振波が、上記受信アンテナで側波帯信号波と同レベルの信号となって周波数変換器に入力され、2つの信号波が同じ出力レベルとなるので、効率のよい2乗検波による周波数ダウンコンバート動作が可能となる。
【0041】
また、一実施形態のミリ波帯無線受信装置は、上記側波帯信号波と上記局部発振波を分波する分波器を備えたことを特徴としている。
【0042】
上記実施形態のミリ波帯無線受信装置によれば、上記受信アンテナで受信された所望の側波帯信号波と局部発振波は、受信用増幅器で増幅された後、上記分波器により所望の側波帯信号波と局部発振波に分波されて周波数変換器に入力され、周波数ダウンコンバートされる。したがって、受信側でも周波数変換時に不要波を確実に抑圧することができる。
【0043】
また、一実施形態のミリ波帯無線受信装置は、上記周波数変換器は、バランス型周波数変換器またはイメージリジェクション型周波数ミキサであることを特徴としている。
【0044】
上記実施形態のミリ波帯無線受信装置によれば、上記周波数変換器を複数個使用して、無線周波数に位相と、局部発振波の位相を各々独立に制御することによって、バランス型の周波数変換器が使用可能であり、これまでの2乗検波で発生する2倍波歪の抑圧が可能となり広帯域動作が可能となる。また、バランス型の周波数ミキサの位相制御によってイメージリジェクションも可能となる。つまり、受信器側でもイメージリジェクション可能となることから、イメージ周波数帯(不要波側の側波帯)に信号波をもった他の送信機からの妨害波が受信側に混入した場合でも正常に動作させることが可能となり、妨害波に対する排除能力を向上させることができる。
【0045】
また、一実施形態のミリ波帯無線送信装置は、上記局部発振器は、基準信号波を出力する基準発振器と、上記基準発振器から出力された上記基準信号波をm逓倍して上記局部発振波を出力するm逓倍器(mは2以上の整数)とを有することを特徴としている。
【0046】
上記実施形態のミリ波帯無線受信装置によれば、上記基準信号周波数を有する発振器とm逓倍器(mは2以上の整数)により局部発振波を生成することによって、基準信号器の発振周波数を低くすることができる。
【0047】
【0048】
【0049】
また、この発明のミリ波帯無線通信システムは、
基準信号波に基づいて生成された局部発振波を出力する局部発振器と、上記局部発振器からの上記局部発振波を用いて、変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートし、その周波数アップコンバート時に生じる両側側波帯のうちの不要な一方の片側側波帯信号波を抑圧するイメージリジェクション型周波数ミキサと、上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートされた他方の片側側波帯信号波である無線信号波を送信する第1の送信部と、上記局部発振器からの上記基準信号波を微弱電波周波数帯または上記第1の送信部により送信される上記無線信号波とは異なる周波数帯で送信する第2の送信部とを有するミリ波帯無線送信装置と、
上記第1の送信部により送信された上記無線信号波を受信する第1の受信アンテナと、上記第2の送信部により送信された上記基準信号波を受信する第2の受信アンテナと、上記第2の受信アンテナにより受信された上記基準信号波に基づいて局部発振波を生成する局部発振波生成部と、上記局部発振波生成部により生成された上記局部発振波に基づいて、上記第1の受信アンテナにより受信された上記無線信号波を周波数ダウンコンバートする周波数変換器とを有するミリ波帯無線受信装置と
を備え、
上記ミリ波帯無線送信装置の上記第2の送信部から送信される上記基準信号波が変調信号波であって、上記ミリ波帯無線受信装置の上記局部発振波生成部は、上記第2の受信アンテナにより受信された上記基準信号波を復調して上記局部発振波を生成することを特徴としている。
【0050】
上記構成のミリ波帯無線通信システムによれば、上記ミリ波帯無線送信装置で、微弱電波周波数帯 ( または伝送される所望の無線信号波とは別の周波数帯 ) を用いて基準信号波を伝送し、ミリ波帯無線受信装置側で、所望とする無線信号波を受信すると共に、基準信号波も受信する。そうして、上記ミリ波帯無線受信装置側で、受信された基準信号波をm逓倍して局部発振波を生成し、生成された局部発振波を使用して所望の無線信号波を周波数ダウンコンバートする。上記ミリ波帯無線受信装置では、周波数変換器を線形検波の動作領域で使用できるため、中間周波数帯での周波数変換の帯域幅が広くなり、周波数変換損失が小さくなると共に、中間周波数帯域での2倍波歪等は生じない。また、別の周波数帯 や微弱電波周波数帯で局部発振波を伝送しているため、無線信号波の送信パワーが高くなり、ミリ波帯での周波数利用効率を向上できる。さらに、受信側で、送信側の局部発振波を位相雑音帯域幅(略200kHz程度を)で再生することによって、周波数変換器を大信号の局部発振波で駆動させて線形同期検波が可能となる。これによって周波数変換器が線形動作かつ同期検波するため、不要歪波の発生を抑圧することにより周波数帯域幅を拡大できると共に、局部発振器の位相雑音の影響を除去することができる。ここで、基準信号波は、微弱電波周波数帯または伝送される所望の無線信号波とは別の特定小電力の周波数帯(例えば、2.4GHz〜2.5GHz帯の周波数帯)を用いて送信される。また、上記基準信号波伝送時、別の型式の変調波を用いて、受信時には、もとの基準信号源(周波数fo)に再生される構成も可能である。ここで変調信号は、送信側と受信側との呼び出し符号とすることもできる。
【0051】
また、一実施形態のミリ波帯無線通信システムは、上記ミリ波帯無線受信装置は、上記第2の受信アンテナにより受信された上記基準信号波を濾波すると共に、帯域200kHz以上の雑音レベルを抑圧する狭帯域バンドパスフィルタを有することを特徴としている。
【0052】
上記実施形態のミリ波帯無線通信システムによれば、上記狭帯域バンドパスフィルタを用いて、帯域1MHz程度以上の熱雑音を除去する場合、受信側の検波後の変調信号波のキャリア対雑音比C/Nレベルが高くなり、伝送距離をさらに拡大できる。
【0053】
また、一実施形態のミリ波帯無線通信システムは、上記狭帯域バンドパスフィルタにクリスタルフィルタまたは表面弾性波フィルタを用いたことを特徴としている。
【0054】
上記実施形態のミリ波帯無線通信システムによれば、上記クリスタルフィルタまたは表面弾性波フィルタを用いることにより容易に狭帯域のバンドパスフィルタを実現できる。
【0055】
また、この発明のミリ波帯無線送信装置は、
局部発振波を出力する局部発振器と、
上記局部発振器からの上記局部発振波を用いて、変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートし、その周波数アップコンバート時に生じる両側側波帯のうちの不要な一方の片側側波帯信号波を抑圧するイメージリジェクション型周波数ミキサと、
上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートされた他方の片側側波帯信号波である無線信号波と、上記無線信号波を受信側で周波数ダウンコンバートするための周波数変換用信号波を同時に送信する送信部と
を備え、
上記ミリ波帯無線送信装置の送信部から送信される上記周波数変換用信号波は、
周波数軸上で多重化された上記変調信号波と上記局部発振波の1/n(nは2以上の整数)の周波数の信号波を上記イメージリジェクション型周波数ミキサによりミリ波帯に周波数アップコンバートすることにより上記他方の片側側波帯信号波である無線信号波とともに得られたパイロット信号波であることを特徴としている。
【0056】
上記構成のミリ波帯無線送信装置によれば、上記局部発振器からの局部発振波を用いて変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートし、その周波数変換時に生ずる両側波帯のうちの不要波となる一方の片側側波帯信号波は、不要波抑圧手段としてイメージリジェクション型周波数ミキサにより抑圧される。そして、上記周波数アップコンバートされた他方の所望の側波帯信号波である無線信号波と、その無線信号波を受信側で周波数ダウンコンバートするための周波数変換用信号波を送信する。これにより、受信側では、上記無線信号波と周波数変換用信号波 ( 例えば局部発振波やパイロット信号波 ) を用いて周波数変換器により周波数ダウンコンバートすることにより局部発振波の位相雑音がキャンセルさ れ、位相雑音特性を改善できる。また、送信側において、不要な片側側波帯信号波 ( イメージ波 ) を除去するためのフィルタなしに、イメージリジェクション型周波数ミキサにより不要な片側側波帯信号波を十分に抑圧することができる。
なお、上記送信部の手前に、イメージリジェクション型周波数ミキサから出力される局部発振波のレベルを制御するためのバンドパスフィルタを用いることにより、局部発振波 ( 周波数f Lo) は適度に抑圧 , 制御することができる。この局部発振波 ( 周波数f Lo) のレベル制御については後述する。上記イメージリジェクション型周波数ミキサによって、不要な片側側波帯信号波に対しては十分抑圧されているので、抑圧率を制御する必要はない。しかしながら、上記バンドパスフィルタは、無線周波数帯域の信号波を通過させて、局部発振波をある程度抑圧 , 制御するようなバンドパス特性にするため、局部発振波よりさらに離れた周波数にあるところにある不要波側波帯は、自動的に抑圧される。
さらに、上記局部発振波の周波数をfLoとし、変調波信号の周波数をfIFとした場合、局部発振波の周波数の1/nの周波数(fLo/n:nは2以上の整数)の信号波をパイロット信号波として、そのパイロット信号波と変調信号波(周波数fIF)とを周波数軸上で多重化して、上記イメージリジェクション型周波数ミキサでミリ波帯に周波数アップコンバートし、周波数変換された所望の無線信号波(周波数fRF)とパイロット信号波(周波数fLo+fLo/nまたはfLo−fLo/n)は、送信部より送信される。そうすることによって、送信側の局部発振波の低次成分であるパイロット信号波と変調信号波を多重化させて、所望の無線信号波とパイロット信号波を近接させることができる。その結果、周波数アップコンバートされた信号波の成分のうち、所望の局部発振波成分(周波数fRF)に近接した成分は、送信側のバンドパスフィルタの通過帯域内に入れることができ、不要な片側側波帯信号波も容易に除去することが可能となるので、送信信号波のレベルコントロールが容易となる。また、上記パイロット信号波と所望の無線信号波の帯域が狭くなることによって雑音帯域幅も狭くなり、検波感度(キャリア対雑音比)が高くなるというメリットも生ずる。
【0057】
また、一実施形態のミリ波帯無線受信装置は、
上記ミリ波帯送信装置から送信された上記無線信号波と上記パイロット信号波を受信するミリ波帯無線受信装置であって、
上記無線信号波と上記パイロット信号波を受信する受信アンテナと、
上記受信アンテナにより受信された上記パイロット信号波に基づいて、上記受信アンテナにより受信された上記無線信号波を周波数ダウンコンバートする第1の周波数変換器と、
上記第1の周波数変換器により周波数ダウンコンバートされた後の側波帯信号波のうちのいずれか一方を低周波局部発振波に基づいて周波数変換する第2の周波数変換器と
を備えたことを特徴としている。
【0058】
上記実施形態のミリ波帯無線受信装置によれば、上記無線信号波とパイロット信号波の多重波が受信アンテナで受信された後、第1の周波数変換器に入力されて、上記パイロット信号波と所望の側波帯信号波で周波数ダウンコンバートされ、上記周波数ダウンコンバートされた側波帯信号成分のうち、fRF−(fLo+fLo/n)成分またはfRF−(fLo−fLo/n)成分は、低周波局部発振器を用いて第2の周波数変換を行ない所望の中間周波数の変調信号波を生成する。これにより、上記パイロット信号波と所望の無線信号波の帯域が狭くなることによって雑音帯域幅も狭くなり、検波感度(キャリア対雑音比)が高くなる。
【0059】
また、この発明のミリ波帯無線送信装置は、
局部発振波を出力する局部発振器と、
上記局部発振器からの上記局部発振波を用いて、変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートし、その周波数アップコンバート時に生じる両側側波帯のうちの不要な一方の片側側波帯信号波を抑圧するイメージリジェクション型周波数ミキサと、
上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートされた他方の片側側波帯信号波である無線信号波と、上記無線信号波を受信側で周波数ダウンコンバートするための周波数変換用信号波を同時に送信する送信部と、
上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより上記変調信号波を周波数アップコンバートする前に、上記局部発振波の1/m(mは2以上の整数)の周波数の第2の局部発振波に基づいて上記変調信号波を周波数アップコンバートする第2の周波数変換器
を備え、
上記送信部から送信される上記周波数変換用信号波は、上記第2の周波数変換器により周波数アップコンバートされた上記変調信号波と上記局部発振波の1/mの周波数の信号波を上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートすることにより上記他方の片側側波帯信号波である無線信号波とともに得られたパイロット信号波であることを特徴としている。
【0060】
上記構成のミリ波帯無線送信装置によれば、上記局部発振器からの局部発振波を用いて変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートし、その周波数変換時に生ずる両側波帯のうちの不要波となる一方の片側側波帯信号波は、不要波抑圧手段としてイメージリジェクション型周波数ミキサにより抑圧される。そして、上記周波数アップコンバートされた他方の所望の側波帯信号波である無線信号波と、その無線信号波を受信側で周波数ダウンコンバートするための周波数変換用信号波を送信する。これにより、受信側では、上記無線信号波と周波数変換用信号波 ( 例えば局部発振波やパイロット信号波 ) を用いて周波数変換器により周波数ダウンコンバートすることにより局部発振波の位相雑音がキャンセルされ、位相雑音特性を改善できる。また、送信側において、不要な片側側波帯信号波 ( イメージ波 ) を除去するためのフィルタなしに、イメージリジェクション型周波数ミキサにより不要な片側側波帯信号波を十分に抑圧することができる。
なお、上記送信部の手前に、イメージリジェクション型周波数ミキサから出力される局部発振波のレベルを制御するためのバンドパスフィルタを用いることにより、局部発振波 ( 周波数f Lo) は適度に抑圧 , 制御することができる。この局部発振波 ( 周波数f Lo) のレベル制御については後述する。上記イメージリジェクション型周波数ミキサによって、不要な片側側波帯信号波に対しては十分抑圧されているので、抑圧率を制御する必要はない。しかしながら、上記バンドパスフィルタは、無線周波数帯域の信号波を通過させて、局部発振波をある程度抑圧 , 制御するようなバンドパス特性にするため、局部発振波よりさらに離れた周波数にあるところにある不要波側波帯は、自動的に抑圧される。
さらに、上記局部発振波の周波数をfLoとし、無線信号波の周波数をfRFとした場合、上記局部発振波の周波数の1/mの周波数(fLo/m:mは2以上の整数)の信号波を第2の局部発振波として周波数アップコンバートを行なうと同時に、上記1/m周波数成分fLo/mがパイロット信号として、周波数アップコンバートされた信号波に加算されて、周波数軸上で多重化された後、局部発振波の1/m周波数成分fLo*(m−1)/mを第1の局部発振波としてイメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートすることにより、所望の無線信号波(周波数fRF)とパイロット信号波(周波数fPLOとする)を生成し、送信部より無線伝送する。そうして、受信側では送信されたパイロット信号波(周波数fPLO)と無線信号波(周波数fRF)を周波数ダウンコンバートする。この受信側の周波数ダウンコンバート時に送信側の局部発振器の位相雑音成分をキャンセルするのみならず、送信側の不要な片側側波帯信号波を十分抑圧することができ、かつ、送信信号となるパイロット信号波(周波数fPLO)および無線信号波(周波数fRF)の出力レベルコントロールが容易となる効果がある。
【0061】
【0062】
【0063】
また、この発明のミリ波帯無線受信装置は、
局部発振波を出力する局部発振器と、上記局部発振器からの上記局部発振波を用いて、 変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートし、その周波数アップコンバート時に生じる両側側波帯のうちの不要な一方の片側側波帯信号波を抑圧するイメージリジェクション型周波数ミキサと、上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートされた他方の片側側波帯信号波である無線信号波と、上記無線信号波を受信側で周波数ダウンコンバートするための周波数変換用信号波を同時に送信する送信部とを有するミリ波帯無線送信装置と、
上記無線信号波と上記局部発振波および上記パイロット信号波を受信する受信アンテナと、上記受信アンテナにより受信された上記局部発振波に基づいて、上記受信アンテナにより受信された上記無線信号波および上記パイロット信号波を周波数ダウンコンバートする周波数変換器と、上記周波数変換器により周波数ダウンコンバートされた後の上記変調信号波と上記パイロット信号波を分波する分波器と、上記分波器により分波された上記パイロット信号波をm逓倍して、そのm逓倍された信号波を局部発振波として上記周波数変換器に出力するm逓倍器(mは2以上の整数)とを有するミリ波帯無線受信装置と
を備えたことを特徴としている。
【0064】
上記構成のミリ波帯無線受信装置によれば、上記局部発振器からの局部発振波を用いて変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートし、その周波数変換時に生ずる両側波帯のうちの不要波となる一方の片側側波帯信号波は、不要波抑圧手段としてイメージリジェクション型周波数ミキサにより抑圧される。そして、上記周波数アップコンバートされた他方の所望の側波帯信号波である無線信号波と、その無線信号波を受信側で周波数ダウンコンバートするための周波数変換用信号波を送信する。これにより、受信側では、上記無線信号波と周波数変換用信号波 ( 例えば局部発振波やパイロット信号波 ) を用いて周波数変換器により周波数ダウンコンバートすることにより局部発振波の位相雑音がキャンセルされ、位相雑音特性を改善できる。また、送信側において、不要な片側側波帯信号波 ( イメージ波 ) を除去するためのフィルタなしに、イメージリジェクション型周波数ミキサにより不要な片側側波帯信号波を十分に抑圧することができる。
なお、上記送信部の手前に、イメージリジェクション型周波数ミキサから出力される局部発振波のレベルを制御するためのバンドパスフィルタを用いることにより、局部発振波 ( 周波数f Lo) は適度に抑圧 , 制御することができる。この局部発振波 ( 周波数f Lo) のレベル制御については後述する。上記イメージリジェクション型周波数ミキサによって、不要な片側側波帯信号波に対しては十分抑圧されているので、抑圧率を制御する必要はない。しかしながら、上記バンドパスフィルタは、無線周波数帯域の信号波を通過させて、局部発振波をある程度抑圧 , 制御するようなバンドパス特性にするため、局部発振波よりさらに離れた周波数にあるところにある不要波側波帯は、自動的に抑圧される。
さらに、上記変調信号波の周波数をf IF とし、局部発振波の周波数をf Lo とし、無線信号波の周波数をf RF とした場合、上記局部発振波の周波数の1/mの周波数 ( Lo /m:mは2以上の整数 ) の信号波をパイロット信号波として、変調信号波 ( 周波数f IF) と周波数軸上で多重化され、上記イメージリジェクション型周波数ミキサで周波数アップコンバートされる。そして、周波数多重化された所望の無線信号波 ( 周波数f RF) とパイロット信号波 ( 周波数f Lo +f Lo /mまたはf Lo −f Lo /m ) および局部発振波 ( 周波数f Lo) は、送信部より無線伝送される。そうして、受信側では、上記多重波であるパイロット信号波 ( 周波数f Lo +f Lo /mまたはf Lo −f Lo /m ), 無線信号波 ( 周波数f RF) および局部発振波 ( 周波数f Lo) は、周波数変換器に入力されて、上記局部発振波を用いてパイロット信号波と所望の側波帯信号波を周波数ダウンコンバートした後、パイロット信号成分 ( 周波数f Lo /m ) とIF変調信号波 ( 周波数f IF) の成分は分波される。そうして、分波された一方のIF変調信号波 ( 周波数f IF) の成分は復調器に入力され、他方のパイロット信号成分 ( 周波数f Lo /m ) は増幅 , 逓倍することによって、局部発振波 ( 周波数f Lo) を再生することが可能となる。再生された局部発振波 ( 周波数f Lo) を用いて、無線信号波 ( 周波数f RF) を周波数ダウンコンバートする。これにより、受信側で周波数変換の最初は2乗検波する構成であるが、一端検波された信号波から、 n 逓倍・増幅されて、大信号レベルの局部発振波 ( 周波数f Lo) を生成することができる。このように局部発振波の再生ループを構成することによって、受信側で送信側の局部発振波 ( 略200kH z 程度までを ) を再生して、周波数変換器により線形同期検波することが可能となる。これによって周波数変換器が線形動作かつ同期検波しているため、不要歪波の発生を抑圧することにより周波数帯域幅を拡大することができると共に、局部発振器の位相雑音の影響を除去することができる。
またさらに、上記多重波であるパイロット信号波(周波数fLo+fLo/mまたはfLo−fLo/m),無線信号波(周波数fRF)および局部発振波(周波数fLo)は、受信アンテナで受信された後、周波数変換器に入力されて、上記局部発振波を用いてパイロット信号波と所望の側波帯信号波を周波数ダウンコンバートした後、パイロット信号成分(周波数fLo/m)とIF変調信号波(周波数fIF)の成分を上記分波器により分波する。そうして、分波された一方の変調信号波(周波数fIF)の成分は復調器に入力され、他方のパイロット信号成分(周波数fLo/m)を増幅,逓倍することによって、局部発振波(周波数fLo)を再生する。そうして再生された局部発振波(周波数fLo)を用いて、無線信号波(周波数fRF)を周波数ダウンコンバートする。これにより、周波数変換の最初は2乗検波する構成であるが、一端検波された信号波から、n逓倍して増幅された大信号レベルの局部発振波(周波数fLo)を生成することができる。このように局部発振波の再生ループを構成することによって、受信側で局部発振波(略200kHz程度まで)を再生して、周波数変換器により線形同期検波することが可能となる。これによって周波数変換器が線形動作かつ同期検波しているため、不要歪波の発生を抑圧することにより周波数帯域幅を拡大することができると共に、局部発振器の位相雑音の影響を除去することができる。
【0065】
また、この発明のミリ波帯無線送信装置は、
局部発振波を出力する局部発振器と、
上記局部発振器からの上記局部発振波を用いて、変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートするN次高調波ミキサ(Nは2以上の整数)と、
上記N次高調波により周波数アップコンバートされた上記他方の片側側波帯信号波である無線信号波を送信する送信部と、
上記局部発振器から出力された上記局部発振波をN逓倍して上記送信部に入力するN逓倍器(Nは2以上の整数)と
を備え、
上記送信部は、上記他方の片側側波帯信号波である無線信号波と、上記N逓倍器を介して入力された上記N逓倍された局部発振波とを同時に送信することを特徴としている。
【0066】
上記ミリ波帯無線送信装置によれば、上記局部発振器からの局部発振波を2分波し、方向性結合器等により一部の信号を取り出し、N逓倍器(Nは2以上の整数)でN逓倍することにより局部発振波のみを取り出し、無線信号波と局部発振波を結合させて周波数軸上で多重化することによって、送信される局部発振波の出力レベルをコントロールすることが可能となる。また、分波された他方の局部発振波は、N次高調波タイプ(Nは2以上の整数)のアンチパラレルダイオードペア型の周波数ミキサを用いることによって、局部発振波のN次逓倍波で上記変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートする。これにより、無線信号波と局部発振波および不要抑圧信号波の各レベルを正確に再現性よく制御できると共に、局部発振器の位相雑音特性を改善できる。また、例えば上記N次高調波ミキサにアンチパラレルダイオードペア型の周波数ミキサを用いることによって、N次高調波ミキサから局部発振波のN次逓倍波は出力されないので、周波数アップコンバート時に生じる両側側波帯のうちの不要な一方の片側側波帯信号波をフィルタにより容易に抑圧することができる。なお、上記N次高調波ミキサは、N逓倍器と周波数ミキサの組み合わせであってもよい。
【0067】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のミリ波帯無線送信装置およびミリ波帯無線受信装置およびミリ波帯通信システムを図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0068】
(第1実施形態)
図1はこの発明の第1実施形態のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図であり、このミリ波帯無線通信システムは、ミリ波帯無線送信装置とミリ波帯無線受信装置で構成されている。
【0069】
上記ミリ波帯無線送信装置は、図1に示すように、変調されたIF変調信号波108aを出力するIF変調信号源100と、上記IF変調信号源100からのIF変調信号波108aを増幅する増幅器116と、上記増幅器116により増幅されたIF変調信号波108aを周波数アップコンバートするイメージリジェクション型周波数ミキサ101と、上記イメージリジェクション型周波数ミキサ101にミリ波帯の局部発振波106を出力する局部発振器105と、上記イメージリジェクション型周波数ミキサ101から出力される無線信号波107と局部発振波106を増幅する送信用増幅器103と、上記送信用増幅器103からの無線信号波107と局部発振波106を放射する送信アンテナ104とを備えている。上記送信用増幅器103と送信アンテナ104で送信部を構成している。
【0070】
また、上記ミリ波帯無線受信装置は、受信アンテナ112と、上記受信アンテナ112により受信された無線信号波107と局部発振波106を増幅する受信用増幅器111と、上記受信用増幅器111により増幅された無線信号波107と局部発振波106が入力される周波数変換器としての周波数ミキサ110と、上記周波数ミキサ110により周波数ダウンコンバートされた後のIF変調信号波を増幅する増幅器117と、上記増幅器117により増幅されたIF変調信号波108bを濾波するローパスフィルタ118と、上記ローパスフィルタ118を通過したIF変調信号波108bが入力される復調器113とを備えている。
【0071】
上記ミリ波帯無線送信装置において、IF変調信号源100により変調されたIF変調信号波108aと局部発振器105により生成された局部発振波106をイメージリジェクション型周波数ミキサ101に入力し、イメージリジェクション型周波数ミキサ101によりIF変調信号波108aをミリ波帯に周波数アップコンバートする。そして、上記イメージリジェクション型周波数ミキサ101からの周波数アップコンバートされた無線信号波107と局部発振波106を送信用増幅器103により適当なレベルまで増幅した後に送信アンテナ104より放射する。
【0072】
この第1実施形態で使用した周波数は、IF変調信号波108aの周波数fIFが1.0MHz〜1.5GHzの周波数帯であり、局部発振波106の周波数fLoが59.01GHzである。また、上記送信アンテナ104から送信される無線信号波107は、周波数アップコンバート後の所望の上側側波帯信号波であり、その上側側波帯信号波の周波数fRFは、60.01GHz〜60.51GHzの周波数帯となる。ここで、上記局部発振波106は、図17(b)に示す位相雑音(FM雑音)成分を有する局部発振波となっている。図17(b)は局部発振波106(周波数fLo)であり、ミリ波帯の局部発振波(周波数fLo)は、通常、低周波(〜1MHz程度)の雑音成分が無変調波にFM変調されている。また、図17(c)は、ミリ波帯の局部発振波(周波数fLo)をm逓倍器(mは2以上の整数)により生成したときの基本波(周波数fLo/m)の位相雑音成分を示している。
【0073】
次に、上記ミリ波帯無線受信装置において、受信アンテナ112で受信された無線信号波107と局部発振波106を受信用増幅器111で増幅した後に周波数ミキサ110に同時に入力して、周波数ミキサ110で無線信号波107を中間周波数帯に周波数ダウンコンバートする。このミリ波帯無線受信装置の構成では、受信側のバンドパスフィルタを不要とすることができる。これは、ミリ波帯無線送信装置側において、図4に示す不要な側波帯信号波1007がイメージリジェクション型周波数ミキサ101により十分に抑圧されているためである。
【0074】
このミリ波帯無線送信装置では、イメージリジェクション型周波数ミキサ101によって、不要な側波帯信号波1007は十分抑圧されているので、抑圧率を制御する必要はない。
【0075】
また、上記イメージリジェクション型周波数ミキサ101は、図3(a)に示すように、2個の周波数混合器101a,101bと、IF帯用の90度分配器201aと、局部発振周波数帯域の90度分配器201bと、RF帯域の同相合成回路201cで構成されている。また、イメージリジェクション型周波数ミキサ101は、図3(b)に示すように、周波数ミキサ101cとバンドパスフィルタ101dで構成されていてもよい。
【0076】
ここでは、図3(a)に示すイメージリジェクション型周波数ミキサ101(図1に示す)を用いた場合の動作について説明する。上記イメージリジェクション型周波数ミキサ101の入力端子202に中間周波数帯のIF変調信号波108aを入力し、90度位相分配器201aにより90度位相差をつけて周波数ミキサ101a,101bに夫々入力する。一方、局部発振器105(図1に示す)の局部発振波106を90度位相分配器201bの局部発振波入力端子203に入力し、90度位相差をつけた信号を分配し、周波数ミキサ101a,101bに夫々入力する。上記2つの周波数ミキサ101a,101bによりIF変調信号波108aを周波数アップコンバートし、アップコンバートされた所望の無線信号波107(所望の上側側波帯信号波:周波数fRF=fLo+fIF)の位相は、RF同相合成回路201cに入力される信号の位相と互いに同位相の信号となって現れ、RF同相合成回路201cにより同相合成される。一方、不要抑圧信号波(図4に示す下側側波帯信号波1007(周波数fRF=fLo−fIF))の位相は、RF同相合成回路201cに入力される信号の位相が互いに逆位相となっているため、RF同相合成回路201cの通過した下側側波帯信号波1007は、所望の信号波である無線信号波107(周波数fRF=fLo+fIF)に比較して通常20dB以上抑圧されて出力される。一方、上記局部発振波106は、イメージリジェクション型周波数ミキサ101のRF出力端子204から出力される。
【0077】
上記ミリ波帯無線受信装置側では、送信側の信号波に位相雑音領域まで広い帯域にわたり完全に同期した局部発振波を用いて、受信側の周波数ミキサ110で周波数ダウンコンバートするため、ミリ波帯の局部発振波106の位相雑音の影響は除去される。
【0078】
なお、上記第1実施形態では、局部発振波106は、位相雑音を含んだ局部発振波で説明したが、他の情報信号波(例えば局部発振器105を構成する水晶発振器からの信号)でFM変調されたFM変調信号波でも構わない。
【0079】
(第2実施形態)
図2はこの発明の第2実施形態のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図であり、このミリ波帯無線通信システムは、ミリ波帯無線送信装置側のバンドパスフィルタを除いて第1実施形態のミリ波帯無線通信システムと同一の構成をしており、同一構成部は同一参照番号を付して説明を省略する。
【0080】
図2に示すように、ミリ波帯無線送信装置側のバンドパスフィルタ102は、主に局部発振波106のレベルの制御に使用し、局部発振波106は適度に抑圧,制御する。すなわち、イメージリジェクション型周波数ミキサ101から出力された局部発振波106は、バンドパスフィルタ102で適当な抑圧量で抑圧し、局部発振波106のレベルを制御する。ここでは、イメージリジェクション型周波数ミキサ101によって、不要な下側側波帯信号波1007は十分抑圧されているので、下側側波帯信号波1007に対して抑圧率を制御する必要はない。しかしながら、上記バンドパスフィルタ102は、図4に示すように、無線周波数帯域の信号波を通過させて、局部発振波106のレベルをある規定の抑圧度で制御するため、局部発振波106よりさらに離れたところにある不要な下側側波帯信号波1007もバンドパスフィルタ102により抑圧される。
【0081】
(第3実施形態)
図6はこの発明の第3実施形態のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図であり、このミリ波帯無線通信システムは、ミリ波帯無線送信装置側の局部発振波の経路部と増幅器を除いて第1実施形態のミリ波帯無線通信システムと同一の構成をしており、同一構成部は同一参照番号を付して説明を省略する。
【0082】
図6に示すように、上記ミリ波帯無線送信装置は、局部発振器105から出力される局部発振波を送信用増幅器103に入力するための経路部50を設け、その経路部50に局部発振波のレベルを制御するためのレベル調整器としての局部発振波専用増幅器2を設けている。
【0083】
上記ミリ波帯無線送信装置では、局部発振器105から出力される局部発振波(周波数fLo)を方向性分波器30により2分波し、分波されて取り出された局部発振波を局部発振波専用増幅器2でレベルコントロールを行ない、送信用増幅器103の入力側の結合器40で、無線信号波107(周波数fRF)と局部発振波106(周波数fLo)を結合させて、周波数多重化している。これによって、上記送信アンテナ104から送信される局部発振波106の出力レベルを正確にコントロールすることができる。このとき、上記局部発振波専用増幅器2は、局部発振波(周波数fLo)のレベルをコントロールするだけでなく、無線信号波107(周波数fRF)が、局部発振波の経路部50を通って周波数ミキサ101側にフィードバックすることを防ぐことができ、不要発振することなく安定動作させることができる。
【0084】
なお、無線信号波(周波数fRF)のフィードバックを防ぐデバイスであれば、増幅器の代わりに局部発振器のみ通過させるバンドパスフィルタやアイソレータであってもよい。
【0085】
ここでは、図4に示すように、上記局部発振波106の出力レベルを、所望とする無線信号波のトータル出力レベルの1/2以下(50%以下)に制御する。これによって、局部発振出力のレベルが高い方向に3dB以内、低い方向には3dB以上変動しても、無線信号波の出力は150%〜50%の範囲に納まり、送信側バンドパスフィルタ102の量産時の性能バラツキを許容することが可能となる。これはまた、電波法の60GHz帯空中線電力の許容偏差である上限+50%,下限−70%を満足しており、電波の発射が法的にも可能である。さらに、帯域当たりのピークパワーが大きい局部発振波106は、帯域幅の広い所望の無線信号波107のトータル電力より出力電力を低減することによって、環境温度の変動による送信アンプ103の飽和による歪波の発生や送信アンプ103の発振といった問題を低減し、安定した無線伝送が可能となる。
【0086】
一方、上記ミリ波帯無線受信装置においては、受信アンテナ112より受信された局部発振波106(周波数fLo)および無線信号波107(周波数fRF=fLo+fIF)を受信用増幅器111で増幅した後、直接周波数ミキサ110に入力する。そして、上記周波数ミキサ110により周波数変換(2乗検波)動作が行われ、IF変調信号波108b(周波数fIF)を生成し、復調器113に入力する。
【0087】
この第3実施形態では、受信側に入力される信号波は、局部発振波106(fLo=60.01GHz)および無線信号波107(周波数fRF=fLo+fIF=60.01GHz〜60.51GHz)であり、送信側から出力される不要な下側側波帯信号波1007(周波数fIM=fLo−fIF=58.01〜57.51GHz)のレベルは十分に低減されている。このため、敢えて受信側で、不要波である下側側波帯信号波1007(周波数fIM)を抑圧する必要がなく、受信用増幅器111の出力を直接周波数ミキサ110に接続している。したがって、受信側の構成が著しく簡単になり、受信側で無線信号波107,局部発振波106および不要な下側側波帯信号波1007のレベル制御することが不要となる。
【0088】
現在の無線技術では、従来の第1,第2のミリ波帯無線通信システムに示す60GHz帯のバンドパスフィルタ200,102は、MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit:モノリシック・マイクロ波・集積回路)化が困難である。これに対して、この第3実施形態におけるミリ波帯無線受信装置では、バンドパスフィルタが不要になることによって、ミリ波帯の受信用増幅器111,周波数ミキサ110を一体集積して1チップ化することが可能となり、小型かつ低コストでミリ波帯無線受信装置を実現することができる。
【0089】
また、上記第3実施形態では、受信用増幅器111は、図5に示すように、周波数特性に関して、伝送帯域の低域側で高利得を有する利得勾配を設けてもよい。この場合、送信信号波の局部発振波106(周波数fLo)が、無線信号波107(周波数fRF)よりも出力パワーレベルが3dB抑圧されていても、受信側で、局部発振波106(周波数fLo)に対する増幅度を3dB大きくすることによって、無線信号波107(周波数fRF)と局部発振波106(周波数fLo)の出力レベル、つまり受信側の周波数ミキサ110の入力レベルを同等にすることができる。上記受信側の周波数ミキサ110の2乗検波動作では、無線信号波107と局部発振波106の信号レベルが等しいとき、周波数変換効率が最大となり、キャリア対雑音比C/Nの高い信号が得られる。
【0090】
なお、この第3実施形態では、受信側の受信用増幅器111に、利得勾配をもたせたが、受信側の受信アンテナ112の周波数特性に利得勾配をもたせても構わない。また、上側側波帯信号波を不要波とし、下側側波帯信号波を無線信号波とする場合、下側側波帯信号波よりも高い周波数の局部発振波の周波数帯の利得勾配を逆にする。
【0091】
(第4実施形態)
図7はこの発明の第4実施形態のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図であり、このミリ波帯無線通信システムは、ミリ波帯無線送信装置側のN次高調波ミキサ,N逓倍器およびバンドパスフィルタを除いて第3実施形態のミリ波帯無線通信システムと同一の構成をしており、同一構成部は同一参照番号を付して説明を省略する。
【0092】
また、図7に示すように、上記ミリ波帯無線送信装置は、局部発振器105から出力される局部発振波を送信用増幅器103に入力するための経路部50を設け、その経路部50に局部発振波をN逓倍するためのN逓倍器20を設けている。
【0093】
上記ミリ波帯無線送信装置では、局部発振器105から出力される局部発振波(周波数fLo)を方向性分波器30により2分波し、分波されて取り出された局部発振波をN逓倍器20(Nは2以上の整数)でN逓倍することにより、送信用増幅器103の入力側の結合器40で、無線信号波107(周波数fRF)と局部発振波106(周波数fLo)を結合させて、周波数多重化している。これによって、送信アンテナ104から送信される局部発振波106の出力レベルを正確にコントロールすることが可能となる。
【0094】
一方、分波された他方の局部発振波(周波数fLo)は、N次高調波タイプ(Nは2以上の整数)のN次高調波ミキサ10を用いて、局部発振波をN次逓倍波で、入力側IF変調信号波を周波数アップコンバートする。上記N次高調波ミキサ10にイメージリジェクション型の周波数ミキサを用いることにより、不要な側波帯信号波をイメージリジェクション型周波数ミキサ101により十分に抑圧する。
【0095】
なお、上記N次高調波ミキサ10は、N逓倍器と周波数ミキサの組み合わせであってもよい。具体的な構成例として、図7では、N=2として、N次高調波ミキサ10にアンチパラレルダイオードペア型のN次高調波ミキサを用い、局部発振波(周波数fLo)=29.5GHzとし、N次高調波ミキサの内部で2逓倍と周波数アップコンバートを同時に行う。一方、2分波されたもう一方の局部発振波のN逓倍器20には、2逓倍器を用いて、送信側アンプの入力側で結合器40により上記2分波された信号は合成される。この場合、アンチパラレルダイオードペア型のN次高調波ミキサでは、局部発振波は出力されず、不要な側波帯信号波は後段のバンドパスフィルタにより簡単に除去することが可能となる。
【0096】
(第5実施形態)
図8はこの発明の第5実施形態のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図であり、このミリ波帯無線通信システムは、ミリ波帯無線受信装置側の局部発振波の分波を除いて第1実施形態のミリ波帯無線通信システムと同一の構成をしており、同一構成部は同一参照番号を付して説明を省略する。
【0097】
図8に示すように、ミリ波帯無線受信装置において、受信アンテナ112により受信された無線信号波107(周波数fRF)と局部発振波106(周波数fLo)は、周波数軸上で周波数多重化された1つの信号波となっている。つまり、この第5実施形態では、受信信号波である59.01GHz〜60.51GHzの広帯域信号は1つの受信用増幅器111で共通増幅される。その増幅後、受信信号波は、無線信号波107(周波数fRF)を帯域通過させるバンドパスフィルタ120Rと、局部発振波106(周波数fLo)を帯域通過させるバンドパスフィルタ12 Lで、夫々無線信号波107と局部発振波106の単独波に分波される。
【0098】
この分波された単独信号波を、夫々の入力端子110R,110Lから周波数ミキサ110に入力する。そして、上記周波数ミキサ110により周波数ダウンコンバートして、IF変調信号波108bを生成して出力端子110Iから出力する。この第5実施形態では、無線信号波107と局部発振波106を、専用のバンドパスフィルタ120R,12 Lを用いて分波し、夫々の入力端子110R,110Lから周波数ミキサ110に入力する構成である。仮に他の送信装置から下側側波帯信号波(周波数fIM)付近に通信帯域をもつ別の無線信号波が、このミリ波帯無線受信装置に入力された場合、下側側波帯信号波を除去していないと雑音の増大を招き、十分な受信感度特性を得ることは困難になる。これに対してこの第5実施形態のミリ波帯無線通信システムでは、ミリ波帯無線受信装置側で下側側波帯帯域(この第5実施形態ではfIM=58.01GHz〜57.51GHz)に存在する雑音信号を除去することができる。
【0099】
さらに、上記ミリ波帯無線受信装置において、無線信号波107(周波数fRF)と局部発振波106(周波数fLo)に分波されて、周波数ミキサ110のRFポート(110R)、LOポート(110L)に入力される構成となり、図9(a)に示すように、LO波をIFポート(110I)から抑圧するバランスド型の周波数ミキサや、図9(b)に示すように、下側側波帯信号波1007を除去するイメージリジェクション型周波数ミキサを使用することができる。このように、バランス型の周波数変換器を用いることによって、不要波を抑圧する効果のみならず、2乗検波による周波数変換動作において生ずる中間周波数の2倍歪波も抑圧可能であり、ミリ波帯無線受信装置の動作周波数帯域を拡大することができる。
【0100】
(第6実施形態)
図10はこの発明の第6実施形態のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図であり、このミリ波帯無線通信システムは、ミリ波帯無線送信装置とミリ波帯無線受信装置で構成されている。
【0101】
図10に示すように、ミリ波帯無線送信装置は、変調されたIF変調信号波108aを出力するIF変調信号源100と、上記IF変調信号源100からのIF変調信号波108aを増幅する増幅器116と、上記増幅器116により増幅されたIF変調信号波108aを周波数アップコンバートするイメージリジェクション型周波数ミキサ101と、上記イメージリジェクション型周波数ミキサ101からの周波数アップコンバートされた無線信号波107のみを濾波するバンドパスフィルタ200と、上記イメージリジェクション型周波数ミキサ101にミリ波帯の局部発振波106を出力する局部発振器105と、上記イメージリジェクション型周波数ミキサ101から出力される無線信号波107と局部発振波106を増幅する送信用増幅器103と、上記送信用増幅器103からの無線信号波107と局部発振波106を放射する第1の送信アンテナ104とを備えている。上記送信用増幅器103と第1の送信アンテナ104で第1の送信部を構成している。
【0102】
また、上記ミリ波帯無線送信装置は、局部発振器105からの基準信号波406を増幅する送信用増幅器404と、上記送信用増幅器404により増幅された基準信号波406を濾波するバンドパスフィルタ405と、上記バンドパスフィルタ405を通過した基準信号波406を放射する第2の送信アンテナ407とを備えている。上記送信用増幅器404とバンドパスフィルタ405および第2の送信アンテナ407で第2の送信部を構成している。
【0103】
また、上記局部発振器105は、基準信号波406を出力する基準信号源400と、上記基準信号源400からの基準信号波406を2分波する分波器408と、上記分波器408により分波された一方の基準信号波406の周波数をm逓倍して局部発振波106(周波数fLo)を出力するm逓倍器401と、上記m逓倍器401からの局部発振波106(周波数fLo)を濾波するバンドパスフィルタ402と、上記バンドパスフィルタ402を通過した局部発振波106(周波数fLo)を増幅する増幅器403とを有している。
【0104】
一方、上記ミリ波帯無線受信装置は、第1の受信アンテナ112と、上記第1の受信アンテナ112により受信された無線信号波107を増幅する受信用増幅器111と、上記受信用増幅器111により無線信号波107を濾波するバンドパスフイルタ200と、上記バンドパスフイルタ200を通過した無線信号波107が入力される周波数ミキサ110と、上記周波数ミキサ110により周波数ダウンコンバートされた後のIF変調信号波を増幅する増幅器117と、上記増幅器117により増幅されたIF変調信号波108bを濾波するローパスフィルタ118と、上記ローパスフィルタ118を通過したIF変調信号波108bが入力される復調器113とを備えている。また、上記ミリ波帯無線受信装置は、第2の受信アンテナ410と、上記第2の受信アンテナ410により受信された基準信号波406を濾波する狭帯域バンドパスフィルタ412と、上記狭帯域バンドパスフィルタ412を通過した基準信号波406を増幅する受信用増幅器411と、上記受信用増幅器411により増幅された基準信号波406の周波数をm逓倍して局部発振波106bを出力するm逓倍器401と、上記m逓倍器401からの局部発振波106bを濾波するバンドパスフィルタ421と、上記バンドパスフィルタ421を通過した局部発振波106bを増幅する増幅器413と、上記増幅器413により増幅された局部発振波106bのレベルを制限するリミッタ422とを備えている。上記受信用増幅器411,m逓倍器401,バンドパスフィルタ421, 増幅器413およびリミッタ422で局部発振波生成部を構成している。
【0105】
上記ミリ波帯無線送信装置において、IF変調信号源100からのIF変調信号波108a(周波数fIF)と局部発振器105の局部発振波106(周波数fLo)をイメージリジェクション型周波数ミキサ101に入力する。そして、上記イメージリジェクション型周波数ミキサ101では、IF変調信号波108a(周波数fIF)は、局部発振器105からの局部発振波106によりIF変調信号波108aをミリ波帯に周波数アップコンバートする。次に、上記イメージリジェクション型周波数ミキサ101で周波数アップコンバートされた後の無線信号波(周波数fRF)のみをバンドパスフィルタ200で濾波し、ミリ波帯の送信用増幅器103で増幅し、第1の送信アンテナ104から送信波である無線信号波107を出力する。
【0106】
このミリ波帯無線信装置の局部発振器105の基準信号源400からの基準信号波は分波器408で分波されて、一方の基準信号波はm逓倍器401によりm逓倍された後、m逓倍された局部発振波をバンドパスフィルタ402で取り出す。そして、上記バンドパスフィルタ402により取り出された局部発振波を適度なレベルまで増幅器403により増幅した後、イメージリジェクション型周波数ミキサ101に入力する。さらに、分配されたもう一方の基準信号波406は、適度なレベルまで送信用増幅器404により調整する。そして、電波法の微弱電波周波数帯の基準信号波406またはミリ波帯(60GHz)とは別のマイクロ波帯特定小電力周波数帯(例えば2.4GHz〜2.5GHz帯)の基準信号波406として第2の送信アンテナ407より放射する。この第6実施形態では、基準信号波406の周波数fREFを307.3MHzとし、逓倍次数mを192とし、300MHz帯の微弱電波の周波数帯を利用している。
【0107】
一方、上記ミリ波帯無線受信装置では、ミリ波帯の第1の受信アンテナ112により受信された無線信号波107を受信用増幅器111で増幅した後、バンドパスフィルタ200により無線信号波107のみを濾波する。そして、上記バンドパスフィルタ200を通過した無線信号波107を周波数ミキサ110に入力する。
【0108】
また、上記ミリ波帯無線送信装置から微弱電波または別のマイクロ波帯で送信された基準信号波406を第2の受信アンテナ410により受信した後、第2の受信アンテナ410により受信された基準信号波406のみを狭帯域バンドパスフィルタ412により濾波して受信用増幅器411で増幅する。そして、上記受信用増幅器411により増幅された基準信号波406をm逓倍器401によりm逓倍した後、適度なレベルまで増幅器413により増幅する。これによって、送信側のミリ波帯の局部発振波106と完全に同期した局部発振波106bを雑音帯域幅略200kHz程度で再生し、再生された局部発振波106bを周波数ミキサ110に入力する。こうして、上記再生された局部発振波106bを用いて、無線信号波107をIF変調信号波108bに周波数ダウンコンバートし、周波数ダウンコンバートされたIF変調信号波108bを復調器113に入力する。
【0109】
ここで、上記狭帯域バンドパスフィルタ412にクリスタルフィルタやSAW(表面弾性波)フィルタ等の狭帯域フィルタを用いて、帯域1MHz程度以上の熱雑音を除去することによって、受信側の検波後のIF変調信号波108bのキャリア対雑音比C/Nレベルが高くなり、伝送距離をさらに拡大させることができる。
【0110】
上記ミリ波帯無線送信装置は、第1実施形態とは異なり無線信号波107のみをミリ波帯の信号として送信しているため、第1実施形態と比べて、基準信号波406を他の無線周波数帯で伝送し、受信側で受信された基準信号波406を増幅,逓倍した後、ミリ波帯の局部発振波106bを再生した後、ミリ波周波数ミキサ110に入力する構成である。したがって、上記受信側で再生された局部発振波106bは、周波数逓倍器401と増幅413により大信号レベルまでレベル増幅と制御が可能であるため、周波数ミキサ110を局部発振波106bで大信号動作させて線形検波することができる。
【0111】
ここで、無線伝送する基準信号波406の伝送帯域を2.4GHz帯や300MHz帯の低周波信号として伝送することにより、伝搬損失を60GHz帯で伝送する場合に比較して、2.4GHz帯で約28dB程、また300MHz帯で46dB程度、自由伝搬損失を低減させることが可能である。また、受信側で基準信号波406を受信した後、周波数が低いために受信用増幅器411で大きな増幅度を確保することができ、m逓倍器401後の局部発振波をある一定レベルまで確保することができる。これは、周波数が高くなるにつれて、筐体・ICパッケージのアイソレーション特性が確保するのが困難となり、高い周波数で大きな増幅度をもたせると発振および不要放射を引き起こして正常動作が困難となるからである。以上のことにより、受信側で送信側に同期した大信号レベルの局部発振波106bを再生し、周波数ミキサ110を線形検波の動作領域で動作させることができる。参考までに60GHz帯では、筐体のアイソレーションが確保できず、35dB以上の利得を確保しようとすると不要な帰還が生じ、発振等により大きな増幅度を確保することは困難となる。
【0112】
このように、このミリ波帯無線通信システムでは、受信側の周波数ミキサ110を線形検波の動作領域で使用できるため、周波数変換されたIF変調信号波108bは、変換帯域幅を広くできると共に、周波数変換損失を小さくでき、さらにIF帯域での2倍波歪等が生じないという効果がある。さらに、上記第1実施形態と同様に、局部発振波を送信し、受信器側で、送信側の信号波に位相雑音領域まで広い帯域にわたり完全に同期した局部発振波を生成しているため、受信側の周波数ミキサ110でミリ波帯の局部発振波106bの位相雑音の影響は除去される。
【0113】
なお、このように別の周波数帯および微弱電波の周波数帯で送信される基準信号は、送信側で例えばFM変調やスペクトラム拡散等の別の電波型式に変換され、受信側でFM復調やスペクトラム逆拡散等により復調されてもよい。ここで変調信号は、ミリ波帯無線送信装置,ミリ波帯無線受信装置の呼び出し符号とすることもできる。
【0114】
(第7実施形態)
図11はこの発明の第7実施形態のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図であり、このミリ波帯無線通信システムは、ミリ波帯無線送信装置とミリ波帯無線受信装置で構成されている。この第7実施形態のミリ波帯無線通信システムと第1実施形態のミリ波帯無線通信システムとの相違点は、送信側では、局部発振波106(周波数fLo)がイメージリジェクション型周波数ミキサ101やバンドパスフィルタ200により抑圧されて、送信信号としては放射されない点にある。
【0115】
図11に示すように、上記ミリ波帯無線送信装置は、変調されたIF変調信号波108aを出力するIF変調信号源100と、上記IF変調信号源100からのIF変調信号波108aを増幅する増幅器116と、上記増幅器116により増幅されたIF変調信号波108aをミリ波帯に周波数アップコンバートするイメージリジェクション型周波数ミキサ101と、上記イメージリジェクション型周波数ミキサ101にミリ波帯の局部発振波106を出力する局部発振器105と、上記イメージリジェクション型周波数ミキサ101から出力される無線信号波107とパイロット信号波1006を濾波するバンドパスフィルタ200と、上記バンドパスフィルタ200を通過した無線信号波107とパイロット信号波1006を増幅する送信用増幅器103と、上記送信用増幅器103からの無線信号波107とパイロット信号波1006を放射する送信アンテナ104とを備えている。上記送信用増幅器103と送信アンテナ104で送信部を構成している。
【0116】
上記局部発振器105は、基準信号波を出力する基準信号源400と、上記基準信号源400からの基準信号波を2分波する分波器30と、上記分波器30により分波された一方の基準信号波をm逓倍して局部発振波を出力するm逓倍器401とを有している。また、上記ミリ波帯無線送信装置は、局部発振器105の分波器30により分波された他方の基準信号波のレベルを減衰させる減衰器109と、上記減衰器109によりレベルが減衰された基準信号波を、増幅器116により増幅されたIF変調信号波108bと結合するための結合器40とを備えている。
【0117】
また、上記ミリ波帯無線受信装置は、受信アンテナ112と、上記受信アンテナ112により受信された無線信号波107とパイロット信号波1006を増幅する受信用増幅器1110と、上記受信用増幅器1110により増幅された無線信号波107とパイロット信号波1006を濾波するバンドパスフィルタ200と、上記バンドパスフィルタ200を通過した無線信号波107とパイロット信号波1006が入力される周波数ミキサ110と、上記周波数ミキサ110により周波数ダウンコンバートされた後のIF変調信号波を増幅する増幅器1120と、上記増幅器1120により増幅されたIF変調信号波108cを濾波するローパスフィルタ121と、上記ローパスフィルタ121を通過したIF変調信号波108cが入力される周波数ミキサ390と、上記周波数ミキサ390に低周波局部発振波を出力する低周波局部発振器399と、上記周波数ミキサ390からのIF変調信号波108bを濾波するバンドパスフィルタ122と、上記バンドパスフィルタ122を通過したIF変調信号波108bが入力される復調器113とを備えている。
【0118】
上記ミリ波帯無線送信装置では、局部発振器105の基準信号源400からの基準信号波(周波数fo)をm逓倍器401によりm逓倍することにより局部発振波(周波数fLo)を生成する。そして、上記局部発振器105から基準信号源400の基準信号波を分波して取り出し、上記基準信号波をパイロット信号としてIF変調信号波108a(周波数fIF)と周波数軸上で多重化し、周波数軸上で多重化された基準信号波とIF変調信号波108aをイメージリジェクション型周波数ミキサ101により周波数アップコンバートし、周波数アップコンバートされた所望の無線信号波107(周波数fRF)とパイロット信号波1006(周波数fLo+fLo/n)を送信用増幅器103により増幅した後、送信アンテナ104より送信する。
【0119】
ここで、上記送信アンテナ104から送信される送信波は、無線信号波107(周波数fRF)とパイロット信号波1006(周波数fLo+fLo/m)で構成されている。つまり、周波数変換前のパイロット信号波1006の周波数foはfLo/mであり、周波数変換後の周波数はfLo+fLo/mとなる。この第7実施形態では、局部発振波の周波数fLoは59.01GHzであり、m=64に設定すると、周波数変換前のパイロット信号波の周波数fLo/mは922MHzとなり、周波数変換後のパイロット信号波1006の周波数fLo+fLo/mは59.922GHzとなる。この第7実施形態では、IF変調信号波108aの周波数fIFは1.5GHz〜2.0GHzとした。したがって、無線信号波107の周波数fRFは、60.51GHz〜61.01GHzの周波数となる。
【0120】
一方、上記ミリ波帯無線受信装置では、ミリ波帯の受信アンテナ112により受信された無線信号波107(周波数fRF)およびパイロット信号波1006(周波数fLo+fLo/m=922MHz)を受信用増幅器111により増幅する。そして、上記受信用増幅器111により増幅された無線信号波107とパイロット信号波1006をバンドパスフィルタ200で帯域通過させた後、第1の周波数ミキサ110に入力する。このとき、第1の周波数ミキサ110により無線信号波107(周波数fRF)とパイロット信号波1006(fLo+fLo/m=59.922GHz)とが2乗検波されて、IF変調信号波108cの周波数fIFc(=fRF−(fLo+fLo/m))は、0.588GHz〜1.088GHzとなる。上記IF変調信号波108cは、さらに低周波局部発振器399からの局部発振波(fLo/m=922MHz)を用いて第2の周波数ミキサ390により周波数変換され、送信側のIF周波数と一致したIF変調信号波108b(周波数fIF)を生成する。
【0121】
つまり、受信側の各信号の周波数の関係は次のようになる。
(1)アンテナより入力信号
無線信号波107 : fRF=fLo+fIF …………… (式1)
パイロット信号波1006 : fLo+(fLo/m) ……… (式2)
(2)第1の周波数ミキサの出力信号波
IF変調信号波108c : fIFc=fRF−(fLo+(fLo/m))
……… (式3)
(3)第2の周波数ミキサの出力信号波
IF変調信号波108b :fIFc=fRF−(fLo+(fLo/m))+fLo/m
=fRF−fLo
=fIF …………… (式4)
【0122】
この場合、送信側の局部発振波の低次成分である基準信号波400bをパイロット信号として、送信側IF変調信号波108aに挿入することによって、所望の無線信号波107(周波数fIF)と上記パイロット信号波としての基準信号波400bを周波数多重化する。その結果、所望の無線信号波107(周波数fRF)とパイロット信号波1006(周波数fLo+fLo/n)は、送信側のバンドパスフィルタ200の通過帯域内に入れることができる。
【0123】
従来の第1のミリ波帯無線通信システムのように、局部発振波(周波数fLo)および不要な片側側波帯信号波(周波数fLo−fIF)も容易に除去することが可能となり、送信信号波の出力レベルの制御が容易となる。加えて、パイロット信号波1006と所望の無線信号波107の帯域を狭くすることができるため、雑音帯域幅も狭くなり、検波感度(キャリア対雑音比C/N)を高くすることができる。
【0124】
(第8実施形態)
図12はこの発明の第8実施形態のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図であり、このミリ波帯無線通信システムは、ミリ波帯無線送信装置とミリ波帯無線受信装置で構成されている。この第8実施形態のミリ波帯無線通信システムと第1実施形態のミリ波帯無線通信システムとの相違点は、送信側の局部発振波106(周波数fLo)をパイロット信号波476(周波数fPLO)として生成し、パイロット信号波のパワー制御性を高めて、不要な片側側波帯信号波を確実に抑圧する点にある。
【0125】
図12に示すように、上記ミリ波帯無線送信装置は、変調されたIF変調信号波108aを出力するIF変調信号源100と、上記IF変調信号源100からのIF変調信号波108aを増幅する増幅器116と、上記増幅器116により増幅されたIF変調信号波108aを周波数アップコンバートする第2の周波数ミキサ474と、上記第2の周波数ミキサ474からのIF変調信号波472を濾波するバンドパスフィルタ479と、上記バンドパスフィルタ479を通過したIF変調信号波472をミリ波帯に周波数アップコンバートするイメージリジェクション型周波数ミキサ(以下、第8実施形態では第1の周波数ミキサという)101と、上記第1の周波数ミキサ101にミリ波帯の第1の局部発振波を出力する局部発振器480と、上記第1の周波数ミキサ101から出力される無線信号波107とパイロット信号1476を濾波するバンドパスフィルタ200と、上記バンドパスフィルタ200を通過した無線信号波107とパイロット信号1476を増幅する送信用増幅器103と、上記送信用増幅器103からの無線信号波107とパイロット信号1476を放射する送信アンテナ104とを備えている。上記送信用増幅器103と送信アンテナ104で送信部を構成している。
【0126】
上記局部発振器480は、基準信号波を出力する基準信号源400と、上記基準信号源400からの基準信号波をk逓倍するk逓倍器470と、上記k逓倍器470からのk逓倍された信号を2分波する分波器482と、上記分波器482により分波された一方のk逓倍された信号をさらにm−1逓倍して第1の局部発振波を出力するm−1逓倍器471とを有している。また、上記ミリ波帯無線送信装置は、上記局部発振器480の分波器482により分波された他方の基準信号波をk逓倍した信号を増幅して第2の局部発振波を出力する増幅器481とを備えている。
【0127】
また、上記ミリ波帯無線受信装置は、受信アンテナ112と、上記受信アンテナ112により受信された無線信号波107とパイロット信号1476を増幅する受信用増幅器1110と、上記受信用増幅器1110により増幅された無線信号波107とパイロット信号1476を濾波するバンドパスフィルタ200と、上記バンドパスフィルタ200を通過した無線信号波107とパイロット信号1476が入力される周波数ミキサ110と、上記周波数ミキサ110により周波数ダウンコンバートされた後のIF変調信号波を増幅する増幅器1120と、上記増幅器1120により増幅されたIF変調信号波108bを濾波するバンドパス123と、上記バンドパス123を通過したIF変調信号波108bが入力される復調器113とを備えている。
【0128】
上記ミリ波帯無線送信装置において、基準信号源400(周波数fo)とk逓倍器470(kは2以上の整数)およびm−1逓倍器(mは2以上の整数)で構成された局部発振器480は、パイロット信号波1476(周波数fPLO)の1/mの周波数の信号波をk逓倍器470から出力する。さらに、上記k逓倍器470から出力された上記1/mの周波数の信号波を分波器482により2分波し、分波された一方の第2の局部発振波476の周波数fLo2はfPLO/mとなり、第2の周波数ミキサ474の局部発振波476により第2のIF変調信号波472(周波数fIF2)にアップコンバートされる。
【0129】
つまり、周波数の関係は下記のようになる。
fPLO/m=k*fo
=fLo2 …………………… (式5)
fIF2=fLo2+fIF
=(fPLO/m)+fIF ………… (式6)
となる。
【0130】
また、上記アップコンバータである第2の周波数ミキサ474の局部発振ポート475と出力ポートとのアイソレーション特性は、通常20dB程度であり、出力ポートには、局部発振波476の信号も漏れこんでくる。上記漏れ信号(局部発振波476)が第1の周波数ミキサ1101の前のパイロット信号波476となる。周波数ミキサによっては、漏れ信号の制御性がばらつくものもあるため、上記パイロット信号波476を、図12の点線で示すように、パイロット信号476のみを帯域通過させるバンドパスフィルタ477を使用して、別の経路部478を設けてもよい。つまり、第2の周波数ミキサ474の局部発振ポート475で2分波し、第2の局部発振波をバンドパスフィルタ477を介して第1の周波数ミキサ101の前で結合器473により電力結合するようにしてもよい。
【0131】
このようにして第2の周波数ミキサ474により生成されたパイロット信号波 (周波数fPLO)と第2のIF変調信号波472は、第1の周波数ミキサ101で第1の局部発振波(周波数fPLO*(m−1)/m)により周波数アップコンバートされる。この第8実施形態では、第1の局部発振波の周波数fLo1は、基準信号周波数foをk逓倍後にさらに(m−1)逓倍されたものである。
【0132】
つまり、
fLo1=fPLO*(m−1)/m=(m−1)*k*fo ……… (式7)
の関係にある。
【0133】
上記第1の周波数ミキサ101で周波数アップコンバートされたパイロット信号波1476(周波数fPLO)となり、送信用増幅器103により無線信号波107(周波数fRF)とともに増幅される。
【0134】
上記2段階の周波数アップコンバートにより、パイロット信号波1476(周波数fPLO)および無線信号波107(周波数fRF)の周波数は、
fPLO =fPLO/m+fPLO*(m−1)/m
=k*fo*(m−1)*k+kfo
=k*m*fo
=fLo1+fLo2 ………… (式8)
fRF =fIF+(fPLO/m)+(fPLO*(m−1)/m)
=fIF+m*fPLO
=m*k*fo+fIF …………………… (式9)
となる。
【0135】
一方、不要な下側側波帯信号波は、第2の周波数ミキサ474による周波数アップコンバート時にバンドパスフィルタ479によりほぼ抑圧されているとすると、第1の周波数ミキサ101の周波数アップコンバートによる不要な下側側波帯信号波の周波数fLoWERは、
fLoWER =(m−1)*fPLO−fIF
=(m−1)*k*fo−fIF …………… (式10)
となり、比較のためにk=1とすると、
fLoWER'=(m−1)*fo−fIF ……………… (式11)
となる。
【0136】
一方、従来の第2のミリ波帯無線通信システム(図15に示す)や第7実施形態に示す1段の周波数変換では、不要な下側側波帯信号波(周波数fLoWER)は次のようになる。
【0137】
fLoWER =fLo−fIF
=mfo−fIF …………… (式12)
したがって、従来の第2のミリ波帯無線通信システム(図15に示す)や第7実施形態に示すミリ波帯無線通信システムのような1段の周波数アップコンバートに比較して、近接波は所望の信号波から周波数的に遠くなり、ミリ波帯のバンドパスフィルタ200で容易に抑圧できる構成となる。
【0138】
この第8実施形態では、パイロット信号波の周波数fPLOは59.01GHzであり、m=9に設定すると、周波数変換前のパイロット信号波の周波数はfPLO=fLo/m=6556.67MHzとなる。これより、IF変調信号波108aの周波数fIFを0.5〜1.0MHzとすると、不要な下側側波帯信号波の周波数fLoWERは51.95GHz〜52.45GHzとなり、所望の上側側波帯信号波である無線信号波107の周波数fRFが59.5GHz〜61.5GHzであるのに対して、不要な片側側波帯信号波の周波数fLoWERが7GHz以上離れているため、ミリ波帯のバンドパスフィルタ200で抑圧容易な構成となる。
【0139】
一方、従来の第2のミリ波帯無線通信システム(図13に示す)や第7実施形態のミリ波帯無線通信システム(図11に示す)では、fLo=59.01GHz、fIF=0.5GHz〜1GHzとすると、所望の信号波である上側側波帯信号波、つまり無線信号波の周波数fRFが59.5GHz〜61.0MHzであるのに対して、不要な下側側波帯信号波の周波数fLoWERが58.51GHz〜58.01GHzとなり、約1GHz離れの不要波をミリ波帯のバンドパスフィルタで30dB以上抑圧することは極めて困難である。
【0140】
一方、受信側は、図1の第1実施形態のミリ波帯無線通信システムとほぼ同様であるため説明は省略する。
【0141】
以上のように、上記ミリ波帯無線送信装置では、局部発振波106(周波数fLo)をパイロット信号波476(周波数fPLO)として生成しているため、無線信号波(周波数fRF)の信号レベルとは、独立して設定することが可能であり、局部発振波(周波数fLo)そのものを使うよりはパワー制御性を高め、正確なレベルコントロールが可能となり、再現性,量産性に優れたミリ波無線通信システムを実現することができる。また、送信側では、第1の局部発振波(周波数fLo1)と第2の局部発振波(周波数fLo)2は、位相雑音帯域幅を含めて同期して、パイロット信号波の周波数fPLOがfLo1+fLo2であるため、受信側では、パイロット信号波(周波数fPLO)で無線信号波(周波数fRF)を直接周波数ダウコンバートしても、第1の局部発振波(周波数fLo1)および第2の局部発振波(周波数fLo2)の影響をほぼ完全にキャンセルすることが可能となる。
【0142】
(第9実施形態)
図13はこの発明の第9実施形態のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図であり、このミリ波帯無線通信システムは、ミリ波帯無線送信装置とミリ波帯無線受信装置で構成されている。この第9実施形態のミリ波帯無線通信システムのミリ波帯無線送信装置は、バンドパスフィルタを除き第7実施形態のミリ波帯無線送信装置と同一構成をしている。
【0143】
上記ミリ波帯無線送信装置は、図13に示すように、イメージリジェクション型周波数ミキサ101から出力される無線信号波107と局部発振波106およびパイロット信号波1006を濾波するバンドパスフィルタ102を備えている。
【0144】
また、上記ミリ波帯無線受信装置は、受信アンテナ112と、上記受信アンテナ112により受信された無線信号波107と局部発振波106およびパイロット信号1006を増幅する受信用増幅器111と、上記受信用増幅器111により増幅された無線信号波107と局部発振波106およびパイロット信号1006を濾波するバンドパスフィルタ102と、上記バンドパスフィルタ102を通過した無線信号波107と局部発振波106およびパイロット信号波1006が入力される周波数ミキサ110と、上記周波数ミキサ110により周波数ダウンコンバートされた後のIF変調信号波108b,パイロット信号波306bおよび第2の中間信号波308bを増幅する増幅器1120と、上記増幅器1120により増幅されたIF変調信号波108bを濾波するバンドパスフィルタ351と、上記バンドパスフィルタ351を通過したIF変調信号波108bが入力される復調器113とを備えている。
【0145】
また、上記ミリ波帯無線受信装置は、増幅器1120から出力されたパイロット信号波306bを分波する分波器350と、上記分波器350により分波されたパイロット信号波306bを濾波するバンドパスフィルタ352と、上記バンドパスフィルタ352を通過したパイロット信号波306bのレベルを調整する増幅器361と、上記増幅器361により増幅されたパイロット信号波306bのレベルを制限するリミッタ362と、上記リミッタ362によりレベル制限されたパイロット信号波306bをm逓倍して局部発振波を出力するm逓倍器363と、上記m逓倍器363からの局部発振波を濾波するバンドパスフィルタ364と、上記バンドパスフィルタ364を通過した局部発振波を増幅して、周波数ミキサ110に出力する増幅器365を備えている。
【0146】
上記ミリ波帯無線送信装置では、局部発振器105の基準信号源400からの基準信号波(周波数fo)をm逓倍器401によりm逓倍することにより局部発振波(周波数fLo)を生成する。そして、上記局部発振器105から基準信号源400の基準信号波を分波して取り出し、その基準信号波をパイロット信号としてIF変調信号波108a(周波数fIF)と周波数軸上で多重化し、多重化された基準信号波とIF変調信号波108aをイメージリジェクション型周波数ミキサ101によりミリ波帯に周波数アップコンバートし、周波数アップコンバートされた所望の無線信号波107(周波数fRF)とパイロット信号波1006(周波数fLo+fLo/n)を送信用増幅器103により増幅した後に送信アンテナ104より送信される。
【0147】
例えば、基準信号源400の基準信号波の周波数fREFを922MHzとし、m逓倍器401が64逓倍器とする。もう一方の分波器30により分波された基準信号波は、減衰器109でレベル調整され、中間周波数のパイロット信号波400b(周波数fLo/m=922MHz)として、IF変調信号源100からのIF変調信号波108a中に挿入され、IF変調信号波108aは1つの信号波として周波数軸上で多重化される。この第9実施形態では、IF変調信号源100の信号周波数fIFは1.0MHz〜2.0GHzであり、上記周波数軸上で多重化されたIF変調信号源100からのIF変調信号波108aおよびパイロット信号波400bは、922MHz〜2.0GHzのIF変調信号波となる。上記IF変調信号波を局部発振器105からの局部発振波106を用いて周波数アップコンバート動作を行い、60GHz帯の無線信号波107(周波数fRF=fLo+fIF)およびパイロット信号波1006(周波数fLo+fLo/m)を生成する。上記イメージリジェクション型周波数ミキサ101からの局部発振波106,無線信号波107およびパイロット信号波1006の3波をバンドパスフィルタ102により帯域通過させる。そして、上記バンドパスフィルタ102を通過した局部発振波106,無線信号波107およびパイロット信号波1006をミリ波帯の送信用増幅器103により増幅した後、送信アンテナ104より送信する。
【0148】
ここで、m逓倍器401でm逓倍した後の局部発振器105からの局部発振波106は、m逓倍後の信号を適当なパワーのみ分波して、バンドパスフィルタ102を帯域通過した局部発振波またはm逓倍器401によるm逓倍動作した局部発振波を、バンドパスフィルタ102の出力が無線信号波107およびパイロット信号波1006とともに挿入してもよい。この第9実施形態では、送信出力される無線信号波107の周波数fRFは60GHz〜61GHzであり、パイロット信号波1006の周波数fLo+fLo/mは59.922MHzであり、局部発振波106の周波数fLoは59.01GHzである。
【0149】
上記ミリ波帯無線送信装置では、送信出力される局部発振波106の電力は、無線信号波107の全出力電力(約10dBm)と同等レベルかまたはそれより6dBほど低めに制御している。なお、パイロット信号波1006の出力レベルは、局部発振波106よりも、0dB〜20dB程度低い電力レベルに制御している。
【0150】
一方、上記ミリ波帯無線受信装置では、ミリ波帯の送信アンテナ104により受信された無線信号波107,パイロット信号波1006および局部発振波106を受信用増幅器111で増幅した後、局部発振波106,無線信号波107およびパイロット信号波1006をバンドパスフィルタ102により帯域通過させた後、周波数ミキサ110に入力する。このとき、局部発振波106とパイロット信号波1006および無線信号波107は、周波数ミキサ110により2乗検波され、第1のIF変調信号波108b,IF帯のパイロット信号波306bおよび第2の中間信号波308bを生じる。上記周波数変換によって生成された中間周波信号は、分波器350で分波された後、第1のバンドパスフィルタ351を用いて第1のIF変調信号波108bを帯域通過させて復調器113に入力する。一方、分波器350で分波されたIF帯のパイロット信号波306bを第2のバンドパスフィルタ352により濾波する。そして、上記バンドパスフィルタ352を通過したパイロット信号波306bを、増幅器361,リミッタ362を介してm逓倍器363(mは2以上の整数)に入力し、m逓倍器363によりm逓倍して局部発振波を生成する。こうして、生成された局部発振波をバンドパスフィルタ364で濾波して不要波を除去し、増幅器365で所定のレベルまで増幅して、周波数ミキサ110に入力する。ここで、m逓倍器363の逓倍次数は、送信側のm逓倍器401の逓倍次数と同じ64逓倍である。このように周波数ミキサ110とm逓倍器363により局部発振波を雑音帯域幅略200kHz程度まで再生する。
【0151】
上記構成のミリ波帯無線受信装置において、局部発振波を再生することにより、周波数ミキサ110では、信号入力された初期の段階で2乗検波領域で動作しているが、この局部発振波の再生動作後は、周波数ミキサ110を線形検波の領域に移して動作させることが可能となる。これによって、周波数ミキサ110は広帯域動作かつ低変換損動作可能となり、伝送帯域幅の拡大(2乗検波時の2倍以上)と伝送距離の増大が可能となる。ここで使用した増幅器361は、自動利得可変機能を有するので、上記局部発振波を再生する回路のダイナミックレンジが広くなり、良好な周波数ダウンコンバート動作が可能となる。
【0152】
上記第1〜第9実施形態では、下側側波帯信号波を不要波とし、上側側波帯信号波を無線信号波としたが、上側側波帯信号波を不要波とし、下側側波帯信号波を無線信号波としてもよい。
【0153】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明のミリ波帯無線送信装置によれば、変調は信号をミリ波帯に周波数アップコンバートする周波数ミキサとしてイメージリジェクション型周波数ミキサを採用することにより、不要波である側波帯信号波を除去するためのフィルタを用いることなく、不要な側波帯信号波を十分に抑圧できる。
【0154】
また、上記ミリ波帯無線送信装置によれば、送信波となる局部発振波は、方向性結合器と局部発振波用のバンドパスフィルタによる2分波構成により、送信波である無線信号波と、局部発振波をほぼ独立にレベル制御することが可能である。つまり、局部発振波のレベルを固定したまま、無線信号波を制御することができる。これにより、送信出力レベルも一定とすることができる。
【0155】
また、上記ミリ波帯無線送信装置によれば、上記局部発振波の出力送信パワーを、所望とする無線信号波のトータル出力送信パワーの1/2以下(50%以下)とすることによって、局部発振出力のレベルが高い方向に3dB以内で変動したり低い方向に3dB以上変動したりしても、無線信号波の出力は150%〜50%の範囲に納まり、量産時の性能がばらついても、空中線電力の指定された許容偏差を満足することができる。
【0156】
また、この発明のミリ波帯無線受信装置では、受信用増幅器または受信アンテナに利得勾配をもたせているために、送信側で局部発振波を例えば3dB以上押さえた分を、受信側で周波数変換器に入力される無線信号波のレベルと局部発振波のレベルを略同等にすることにより、良好な周波数変換特性,検波特性を得ることができる。
【0157】
さらに、上記ミリ波帯無線受信装置において、2種のバンドパスフィルタで、無線信号波と局部発振波を分波して周波数変換するため、不要な片側側波帯信号波を周波数変換器でさらに抑圧することできる。
【0158】
また、上記ミリ波帯無線受信装置では、局部発振波や不要波を抑圧するバランス構成の周波数変換器が使用できるため、不要な側波帯信号波のさらなる抑圧や、周波数変換(2乗検波時)で生ずる2倍波歪を抑圧することが可能となる。
【0159】
この発明のミリ波帯無線通信システムでは、周波数変換器を線形検波の動作領域で使用できるため、中間周波数帯での周波数変換の帯域幅を広くでき、周波数変換損失を小さくできると共に、中間周波数帯域で2倍波歪等を生じないようにできる。また、別の周波数帯や、微弱電波周波数帯で局部発振波を伝送しているため、本来の情報伝送波である無線信号波の送信パワーが高くなり、ミリ波帯での周波数利用効率を向上できる。
【0160】
また、上記ミリ波帯無線送信装置では、パイロット信号波と無線信号波を伝送することにより、周波数アップコンバータにおいて使用した局部発振波および不要な片側側波帯信号波も容易に除去することが可能であり、パイロット信号波として、無線信号波に周波数軸上で多重化しているために送信信号波の出力レベルの制御も容易にできる。
【0161】
また、上記ミリ波帯無線送信装置から送信された無線信号波,局部発振波およびパイロット信号波を受信するミリ波帯無線受信装置では、受信側の周波数ダウンコンバート動作は、再生した信号レベルの局部発振波で無線信号波を線形検波するために広帯域の検波が可能となり、周波数変換帯域幅が広くなると共に、線形検波動作により周波数変換損失が小さくなり、無線伝送距離を拡大できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の第1実施形態のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】 図2はこの発明の第2実施形態のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図3】 図3は上記ミリ波帯無線通信システムに使用した周波数ミキサの構成図である。
【図4】 図4は上記ミリ波帯無線通信システムに使用したバンドパスフィルタ特性図である。
【図5】 図5は上記ミリ波帯無線通信システムに使用したミリ波帯の増幅器の利得特性を示す図である。
【図6】 図6はこの発明の第3実施形態のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図7】 図7はこの発明の第4実施形態のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図8】 図8はこの発明の第5実施形態のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図9】 図9は上記ミリ波帯無線通信システムに使用される受信側の周波数ミキサの構成図である。
【図10】 図10はこの発明の第6実施形態のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図11】 図11はこの発明の第7実施形態のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図12】 図12はこの発明の第8実施形態のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図13】 図13はこの発明の第9実施形態のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図14】 図14は従来の第1のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図15】 図15は従来の第2のミリ波帯無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図16】 図16は周波数ミキサの線形検波と2乗検波を説明する図である。
【図17】 図17はミリ波帯局部発振器の位相雑音成分を説明する図である。
【符号の説明】
2…局部発振器用増幅器、
10…N次高調波ミキサ、
20…N逓倍器、
30…分波器、
40…結合器、
50…経路部、
100…IF変調信号源、
101…イメージリジェクション型周波数ミキサ、
102…バンドパスフィルタ、
103…送信用増幅器、
104…送信アンテナ、
105…局部発振器、
106…局部発振波、
106b…局部発振波、
107…無線信号波(所望の側波帯信号波)、
108a…IF変調信号波(送信側)、
108b…IF変調信号波(受信側)、
108c…第2のIF変調信号波、
109…減衰器、
110…周波数ミキサ、
110R…RF信号入力端子、
110L…LO信号入力端子、
110I…IF出力端子、
111…受信用増幅器、
112…受信アンテナ、
113…復調器、
114…局部発振器、
115…バンドパスフィルタ、
120R…バンドパスフィルタ、
120L…バンドパスフィルタ、
121…ローパスフィルタ、
122…バンドパスフィルタ、
123…バンドパスフィルタ、
200…バンドパスフィルタ、
301a…同相分配器、
301b…90度分配器、
301c…90度分配器、
305…分波器、
306b…パイロット信号波、
308b…第2の中間信号波、
311a…180度分配器、
311b…180度分配器、
351…バンドパスフィルタ、
352…バンドパスフィルタ、
361…増幅器、
362…リミッタ、
363…m逓倍器、
364…バンドパスフィルタ、
365…増幅器、
390…第2の周波数ミキサ、
399…低周波局部発振器、
400…基準信号源、
400b…基準信号波、
401…m逓倍器、
402…バンドパスフィルタ、
403…増幅器、
404…送信用増幅器、
405…バンドパスフィルタ、
406…基準信号波、
407…第2の送信アンテナ、
408…分波器、
410…受信アンテナ、
411…受信用増幅器、
412…狭帯域バンドパスフィルタ、
413…増幅器、
421…バンドパスフィルタ、
422…リミッタ、
470…k逓倍器、
471…m−1逓倍器、
472…第2のIF変調信号波、
473…結合器、
474…第2の周波数ミキサ、
476…第2の局部発振波、
475…局部発振ポート、
478…分岐経路、
479…バンドパスフィルタ、
1006…パイロット信号波、
1007…不要な片側側波帯信号波(イメージ波)、
1001…周波数ミキサ、
1110…受信用増幅器、
1120…増幅器、
1476…パイロット信号波。

Claims (20)

  1. 局部発振波を出力する局部発振器と、
    上記局部発振器からの上記局部発振波を用いて、変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートし、その周波数アップコンバート時に生じる両側側波帯のうちの不要な一方の片側側波帯信号波を抑圧するイメージリジェクション型周波数ミキサと、
    上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートされた他方の片側側波帯信号波である無線信号波と、上記無線信号波を受信側で周波数ダウンコンバートするための周波数変換用信号波を同時に送信する送信部と
    を備え、
    上記送信部から送信される上記周波数変換用信号波が上記局部発振器から出力される上記局部発振波であり、
    上記局部発振器から出力された上記局部発振波のみを濾波して上記送信部に入力するバンドパスフィルタを備え、
    上記送信部は、上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートされた上記他方の片側側波帯信号波である無線信号波と、上記バンドパスフィルタを介して入力された上記局部発振波を同時に送信することを特徴とするミリ波帯無線送信装置。
  2. 請求項に記載のミリ波帯無線送信装置において、
    上記局部発振器から出力された上記局部発振波のレベルを調整して上記送信部に入力するレベル調整器を備え、
    上記送信部は、上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートされた上記他方の片側側波帯信号波である無線信号波と、上記レベル調整器を介して入力された上記局部発振波を同時に送信することを特徴とするミリ波帯無線送信装置。
  3. 局部発振波を出力する局部発振器と、
    上記局部発振器からの上記局部発振波を用いて、変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートし、その周波数アップコンバート時に生じる両側側波帯のうちの不要な一方の片側側波帯信号波を抑圧するイメージリジェクション型周波数ミキサと、
    上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートされた他方の片側側波帯信号波である無線信号波と、上記無線信号波を受信側で周波数ダウンコンバートするための周波数変換用信号波を同時に送信する送信部と
    を備え、
    上記送信部から送信される上記周波数変換用信号波が上記局部発振器から出力される上記局部発振波であり、
    上記イメージリジェクション型周波数ミキサは、上記局部発振器からの上記局部発振波をN次逓倍 ( Nは2以上の整数 ) したN次逓倍波で周波数アップコンバートするN次高調波ミキサであると共に、
    上記局部発振器から出力された上記局部発振波をN逓倍して上記送信部に入力するN逓倍器(Nは2以上の整数) 備え、
    上記送信部は、上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートされた上記他方の片側側波帯信号波である無線信号波と、上記N逓倍器を介して入力された上記N逓倍された局部発振波を同時に送信することを特徴とするミリ波帯無線送信装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つに記載のミリ波帯無線送信装置において、
    上記局部発振器から出力される上記局部発振波が周波数変調信号波であることを特徴とするミリ波帯無線送信装置。
  5. 請求項乃至のいずれか1つに記載のミリ波帯無線送信装置において、
    上記送信部から送信される局部発振波は、位相雑音成分を含むことを特徴とするミリ波帯無線送信装置。
  6. 請求項乃至のいずれか1つに記載のミリ波帯無線送信装置において、
    上記送信部から送信される上記無線信号波としての他方の片側側波帯信号波に対して、上記不要な一方の片側側波帯信号波は、上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより13dB以上抑圧されていることを特徴とするミリ波帯無線送信装置。
  7. 請求項乃至のいずれか1つに記載のミリ波帯無線送信装置において、
    上記送信部から送信される上記局部発振波の信号波電力は、上記送信部から送信される全信号波電力に対して3dB以上抑圧されていることを特徴とするミリ波帯無線送信装置。
  8. 送信側から同時に送信された側波帯信号波と局部発振波とを受信するミリ波帯無線受信装置であって、
    上記側波帯信号波と上記局部発振波を受信する受信アンテナと、
    上記受信アンテナにより受信された上記側波帯信号波と上記局部発振波を増幅する受信用増幅器と、
    上記受信用増幅器により増幅された上記局部発振波に基づいて、上記受信用増幅器により増幅された上記側波帯信号波を周波数ダウンコンバートする周波数変換器と
    を備え、
    上記受信用増幅器が、上記受信アンテナにより受信された上記側波帯信号波と上記局部発振波の伝送帯域において上記局部発振波側の周波数帯で高利得を有することを特徴とするミリ波帯無線受信装置。
  9. 送信側から同時に送信された側波帯信号波と局部発振波とを受信するミリ波帯無線受信装置であって、
    上記側波帯信号波と上記局部発振波を受信する受信アンテナと、
    上記受信アンテナにより受信された上記側波帯信号波と上記局部発振波を増幅する受信用増幅器と、
    上記受信用増幅器により増幅された上記局部発振波に基づいて、上記受信用増幅器により増幅された上記側波帯信号波を周波数ダウンコンバートする周波数変換器と
    を備え、
    上記受信アンテナが、上記側波帯信号波と上記局部発振波の伝送帯域において上記局部発振波側の周波数帯で高利得を有することを特徴とするミリ波帯無線受信装置。
  10. 請求項8または9に記載のミリ波帯無線受信装置において、
    上記側波帯信号波と上記局部発振波を分波する分波器を備えたことを特徴とするミリ波帯無線受信装置。
  11. 請求項8または9のいずれか1つに記載のミリ波帯無線受信装置において、
    上記周波数変換器は、バランス型周波数変換器またはイメージリジェクション型周波数ミキサであることを特徴とするミリ波帯無線受信装置。
  12. 請求項1乃至のいずれか1つに記載のミリ波帯無線送信装置において、
    上記局部発振器は、基準信号波を出力する基準発振器と、上記基準発振器から出力された上記基準信号波をm逓倍して上記局部発振波を出力するm逓倍器(mは2以上の整数)とを有することを特徴とするミリ波帯無線送信装置。
  13. 基準信号波に基づいて生成された局部発振波を出力する局部発振器と、上記局部発振器からの上記局部発振波を用いて、変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートし、その周波数アップコンバート時に生じる両側側波帯のうちの不要な一方の片側側波帯信号波を抑圧するイメージリジェクション型周波数ミキサと、上記イメージ リジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートされた他方の片側側波帯信号波である無線信号波を送信する第1の送信部と、上記局部発振器からの上記基準信号波を微弱電波周波数帯または上記第1の送信部により送信される上記無線信号波とは異なる周波数帯で送信する第2の送信部とを有するミリ波帯無線送信装置と、
    上記第1の送信部により送信された上記無線信号波を受信する第1の受信アンテナと、上記第2の送信部により送信された上記基準信号波を受信する第2の受信アンテナと、上記第2の受信アンテナにより受信された上記基準信号波に基づいて局部発振波を生成する局部発振波生成部と、上記局部発振波生成部により生成された上記局部発振波に基づいて、上記第1の受信アンテナにより受信された上記無線信号波を周波数ダウンコンバートする周波数変換器とを有するミリ波帯無線受信装置と
    を備え、
    上記ミリ波帯無線送信装置の上記第2の送信部から送信される上記基準信号波が変調信号波であって、
    上記ミリ波帯無線受信装置の上記局部発振波生成部は、上記第2の受信アンテナにより受信された上記基準信号波を復調して上記局部発振波を生成することを特徴とするミリ波帯無線通信システム。
  14. 請求項1に記載のミリ波帯無線通信システムにおいて、
    上記ミリ波帯無線受信装置は、上記第2の受信アンテナにより受信された上記基準信号波を濾波すると共に、帯域200kHz以上の雑音レベルを抑圧する狭帯域バンドパスフィルタを有することを特徴とするミリ波帯無線通信システム。
  15. 請求項1に記載のミリ波帯無線通信システムにおいて、
    上記狭帯域バンドパスフィルタにクリスタルフィルタまたは表面弾性波フィルタを用いたことを特徴とするミリ波帯無線通信システム。
  16. 局部発振波を出力する局部発振器と、
    上記局部発振器からの上記局部発振波を用いて、変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートし、その周波数アップコンバート時に生じる両側側波帯のうちの不要な一方の片側側波帯信号波を抑圧するイメージリジェクション型周波数ミキサと、
    上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートされた他方の片側側波帯信号波である無線信号波と、上記無線信号波を受信側で周波数ダウンコンバートするための周波数変換用信号波を同時に送信する送信部と
    を備え、
    上記送信部から送信される上記周波数変換用信号波は、
    周波数軸上で多重化された上記変調信号波と上記局部発振波の1/n(nは2以上の整数)の周波数の信号波を上記イメージリジェクション型周波数ミキサによりミリ波帯に周波数アップコンバートすることにより上記他方の片側側波帯信号波である無線信号波とともに得られたパイロット信号波であることを特徴とするミリ波帯無線送信装置。
  17. 請求項16に記載されたミリ波帯送信装置から送信された上記無線信号波と上記パイロット信号波を受信するミリ波帯無線受信装置であって、
    上記無線信号波と上記パイロット信号波を受信する受信アンテナと、
    上記受信アンテナにより受信された上記パイロット信号波に基づいて、上記受信アンテナにより受信された上記無線信号波を周波数ダウンコンバートする第1の周波数変換器と、
    上記第1の周波数変換器により周波数ダウンコンバートされた後の側波帯信号波のうちのいずれか一方を低周波局部発振波に基づいて周波数変換する第2の周波数変換器と
    を備えたことを特徴とするミリ波帯無線受信装置。
  18. 局部発振波を出力する局部発振器と、
    上記局部発振器からの上記局部発振波を用いて、変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートし、その周波数アップコンバート時に生じる両側側波帯のうちの不要な一方の片側側波帯信号波を抑圧するイメージリジェクション型周波数ミキサと、
    上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートされた他方 の片側側波帯信号波である無線信号波と、上記無線信号波を受信側で周波数ダウンコンバートするための周波数変換用信号波を同時に送信する送信部と、
    上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより上記変調信号波を周波数アップコンバートする前に、上記局部発振波の1/m(mは2以上の整数)の周波数の第2の局部発振波に基づいて上記変調信号波を周波数アップコンバートする第2の周波数変換器
    を備え、
    上記送信部から送信される上記周波数変換用信号波は、
    上記第2の周波数変換器により周波数アップコンバートされた上記変調信号波と上記局部発振波の1/mの周波数の信号波を上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートすることにより上記他方の片側側波帯信号波である無線信号波とともに得られたパイロット信号波であることを特徴とするミリ波帯無線送信装置。
  19. 局部発振波を出力する局部発振器と、上記局部発振器からの上記局部発振波を用いて、変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートし、その周波数アップコンバート時に生じる両側側波帯のうちの不要な一方の片側側波帯信号波を抑圧するイメージリジェクション型周波数ミキサと、上記イメージリジェクション型周波数ミキサにより周波数アップコンバートされた他方の片側側波帯信号波である無線信号波と、上記無線信号波を受信側で周波数ダウンコンバートするための周波数変換用信号波を同時に送信する送信部とを有するミリ波帯無線送信装置と、
    上記無線信号波と上記局部発振波および上記パイロット信号波を受信する受信アンテナと、上記受信アンテナにより受信された上記局部発振波に基づいて、上記受信アンテナにより受信された上記無線信号波および上記パイロット信号波を周波数ダウンコンバートする周波数変換器と、上記周波数変換器により周波数ダウンコンバートされた後の上記変調信号波と上記パイロット信号波を分波する分波器と、上記分波器により分波された上記パイロット信号波をm逓倍して、そのm逓倍された信号波を局部発振波として上記周波数変換器に出力するm逓倍器(mは2以上の整数)とを有するミリ波帯無線受信装置と
    を備えたことを特徴とするミリ波帯無線無線通信システム
  20. 局部発振波を出力する局部発振器と、
    上記局部発振器からの上記局部発振波を用いて、変調信号波をミリ波帯に周波数アップコンバートするN次高調波ミキサ(Nは2以上の整数)と、
    上記N次高調波により周波数アップコンバートされた上記他方の片側側波帯信号波である無線信号波を送信する送信部と、
    上記局部発振器から出力された上記局部発振波をN逓倍して上記送信部に入力するN逓倍器(Nは2以上の整数)と
    を備え、
    上記送信部は、上記他方の片側側波帯信号波である無線信号波と、上記N逓倍器を介して入力された上記N逓倍された局部発振波とを同時に送信することを特徴とするミリ波帯無線送信装置。
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