JP4630990B2 - 双方向無線通信装置 - Google Patents

双方向無線通信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4630990B2
JP4630990B2 JP2005352622A JP2005352622A JP4630990B2 JP 4630990 B2 JP4630990 B2 JP 4630990B2 JP 2005352622 A JP2005352622 A JP 2005352622A JP 2005352622 A JP2005352622 A JP 2005352622A JP 4630990 B2 JP4630990 B2 JP 4630990B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
local oscillation
oscillation signal
harmonic component
wireless communication
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005352622A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007158851A (ja
Inventor
洋三 荘司
彰洵 崔
博世 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Information and Communications Technology
Original Assignee
National Institute of Information and Communications Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Information and Communications Technology filed Critical National Institute of Information and Communications Technology
Priority to JP2005352622A priority Critical patent/JP4630990B2/ja
Publication of JP2007158851A publication Critical patent/JP2007158851A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4630990B2 publication Critical patent/JP4630990B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、複数の端末間において双方向通信を行う際に好適な双方向無線通信装置、双方向無線通信システム並びに方法に関する。
高い無線周波数帯を使用する無線通信システムにおいては、通信相手に送信すべき信号を中間周波数帯に変調した中間周波数帯変調信号と局部発振信号とを乗積することにより無線変調信号を生成する送信手段と、通信相手から受信した無線変調信号と上記局部発振信号とを乗積することによりこれを中間周波数帯へダウンコンバートする受信手段とを備える双方向無線通信装置を用いるのが一般的である。
このとき、互いに通信する双方向無線通信装置双方で使用する局部発振源間は同期している必要があり、周波数差又は位相差に時間変動が生じた場合に、これがダウンコンバート後の変調信号に重畳されることになり、高品質な通信を実現できなくなる。
このため、従来においては、例えば特許文献1に示すような無線通信装置が提案されている。この無線通信装置は、送信側において無線周波数帯変調信号と局部発振信号とを同時に伝送し、受信側ではダウンコンバートする際に、伝送されてきた局部発振信号を同期局部発振源として使用するようにしている。このため、受信側において、本来高精度に周波数を安定させる必要のある局部発振器を不要にすることができることから、受信側の構成を簡略化することができ、同時に製造コストを抑えることが可能となる。また、送信側において使用する局部発振器には高い周波数安定度及び優れた位相雑音特性が要求されなくなるため、その製造コストをさらに抑えることが可能となる。
また、高品質な局部発振信号を用いることなく高品質な双方向無線通信を実現可能な双方向無線通信方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2に示す開示技術では、第1無線局は内部に持つ局部発振信号源について、送信すべき中間周波数帯変調信号を無線周波数に周波数変換する目的と同時に、受信無線信号を中間周波数帯に変換する目的で共通利用する。また、第2無線局は、第1無線局が送信した局部発振信号成分を抽出再生し、これを送信すべき中間周波数帯変調信号を無線周波数に周波数変換する目的と同時に、受信無線信号を中間周波数帯に変換する目的として共通利用する。即ち、双方向通信を行う2つの無線局のうち一方の無線局のみに局部発振信号源を持たせておくことにより、他方の無線局への局部発振信号源の配設を不要とすることができる。また、局部発振信号に含まれる位相雑音及び周波数オフセットをキャンセルできるため、非常に高品質な双方向無線通信を実現することが可能となる。
更に特許文献3においては、ミリ波帯発振器によって生じる位相雑音や周波数オフセットによる信号品質劣化の問題を解決すると同時に、周波数利用効率を向上させることを目的とした無線通信方法が開示されている。この特許文献3に開示されている無線通信方法では、送信局から基準局部発振信号を送信し、無線通信端末は、受信した基準局部発振信号についてこれを増幅、帯域濾波した後、注入同期発振器によって基準局部発振信号を再生し、これを送信機能、受信機能で使用する
特開2001−53640号 特開2002−9655号 特開2003−244016号
しかしながら、上述した従来の開示技術においては、周波数変換に必須となる局部発振信号の発振周波数を低くすることができないため、製造容易性を確保することができず、ひいては製造コストが増加してしまうという問題点があった。
また、上述した従来の開示技術においては、周波数同期をかけるためには、より高い入力キャリア電力が必要となるため、消費電力が上昇してしまうという問題点があった。
さらに、近年において、高効率デジタル変調信号の無線伝送を可能にするミリ波自己ヘテロダインシステムの開発が進んできているが、汎用のサブハーモニックミキサをかかるシステムに適用することにより、低コスト化を図る必要性もあった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、低消費電力でしかも汎用性に優れ、高品質かつ安価な双方向通信を行うことが可能な双方向無線通信装置、双方向無線通信システム及び方法を提供することにある。
本発明者は、上述した問題点を解決するために、受信信号に含まれる周波数N・fLOの局部発振信号成分を周波数fLOに分周することにより局部発振信号を生成し、これを送信時における無線変調信号の生成に加え、受信時における中間周波数帯へのダウンコンバートに使用可能な双方向無線通信装置、双方向無線通信システム及び方法を発明した。
即ち、本発明を適用した双方向無線通信装置は、通信相手に送信すべき信号を中間周波数帯に変調した中間周波数帯変調信号と局部発振信号のハーモニクス成分とを乗積することにより生成した無線変調信号を送信する送信手段と、上記通信相手から受信した受信信号から周波数N・fLOの局部発振信号のハーモニクス成分と無線変調信号成分とを帯域分離する帯域分離手段と、上記帯域分離手段により分離された局部発振信号のハーモニクス成分を1/Nに分周することにより周波数fLOの局部発振信号を生成する注入同期発振手段と、上記帯域分離手段により分離された無線変調信号と上記注入同期発振手段により生成された上記局部発振信号のハーモニクス成分を乗積することによりこれを中間周波数帯へダウンコンバートする受信制御手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明を適用した双方向無線通信方法は、通信相手に送信すべき信号を中間周波数帯に変調した中間周波数帯変調信号と局部発振信号のハーモニクス成分とを乗積することにより生成した無線変調信号を送信し、上記通信相手から受信した受信信号から周波数N・fLOの局部発振信号のハーモニクス成分と無線変調信号成分とを帯域分離し、上記分離した局部発振信号のハーモニクス成分を1/Nに分周することにより周波数fLOの局部発振信号を生成し、上記分離した無線変調信号と上記生成した上記局部発振信号のハーモニクス成分を乗積することによりこれを中間周波数帯へダウンコンバートすることを特徴とする。
また、本発明を適用した双方向無線通信システムは、双方向無線通信装置間で無線変調信号を送受信する双方向無線通信システムにおいて、上記双方向無線通信装置は、通信相手に送信すべき信号を中間周波数帯に変調した中間周波数帯変調信号と局部発振信号のハーモニクス成分とを乗積することにより生成した無線変調信号を送信する送信手段と、受信した受信信号から周波数N・fLOの局部発振信号のハーモニクス成分と無線変調信号成分とを帯域分離する帯域分離手段と、上記帯域分離手段により分離された局部発振信号のハーモニクス成分を1/Nに分周することにより周波数fLOの局部発振信号を生成する注入同期発振手段と、上記帯域分離手段により分離された無線変調信号と上記注入同期発振手段により生成された上記局部発振信号のハーモニクス成分を乗積することによりこれを中間周波数帯へダウンコンバートする受信制御手段とを備えることを特徴とする。


本発明では、受信信号に含まれる周波数N・fLOの局部発振信号成分を周波数fLOに分周することにより局部発振信号を生成し、これを送信時における無線変調信号の生成に加え、受信時における中間周波数帯へのダウンコンバートに使用する。
これにより、本発明では、局部発振信号の周波数を低くすることができるため、双方向無線通信装置の製造工程をより簡略化させることが可能となり、ひいては大幅なコスト削減を達成することが可能となる。
また、本発明では、低い入力キャリア電力で周波数同期をかけることも可能となり、消費電力の上昇を抑えることが可能となる。
また、本発明の如く注入同期発振器を、入力される周波数N・fLOの局部発振信号成分を周波数fLOに分周するものとして設計することにより、周波数N・fLOのものから周波数N・fLOのものを生成するものとして設計する場合よりも、得られる局部発振信号の出力を相対的に高くすることができ、同期周波数幅もこれに応じて拡大させることが可能と考えられる。この同期周波数幅を改善することができれば、システムの汎用性をより向上させることができ、さらに高品質の双方向無線通信を実現することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、複数の端末間において双方向通信を行う際に好適な双方向無線通信システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した双方向無線通信システムのシステム構成は、例えば図1に示すように、双方向で信号を送受信する複数の双方向無線通信装置2を備えている。
双方向無線通信システム1は、何れか一の双方向無線通信装置2がマスターモードとして機能し、これ以外の他の双方向無線通信装置2がスレーブモードとして機能するものである。この双方向無線通信システム1は、特にSHF(Super High Frequency)帯以上の高周波数帯で用いられる、例えば、ミリ波若しくは準ミリ波を利用した無線LAN、無線ホームリンク、無線映像伝送システム、無線路車間通信システム、無線車車間通信システム等の双方向無線通信に適用される。
次に、双方向無線通信装置2の構成について説明をする。図2は、双方向無線通信システム1内において互いに信号を送受信する双方向無線通信装置2a、2bの構成を示している。
双方向無線通信装置2は、例えば図2に示すように、通信相手に送信すべき信号を変調する変調信号生成部11と、この変調信号生成部11に接続されたハーモニックミキサ12と、このハーモニックミキサ12に接続された増幅器13と、増幅器13に接続された帯域濾波器14と、帯域濾波器14からの信号を電磁波として空中に放射するためのアンテナ15とを備えている。また、この双方向無線通信装置2は、通信相手から送られてきた電磁波としての信号を受信するためのアンテナ21と、増幅器61を介してこのアンテナ21に接続された分波器22と、分波器22に接続されたハーモニックミキサ23と、ハーモニックミキサ23に連結された帯域濾波器24と、この帯域濾波器24に接続された変調信号復調部25とを備えている。さらに、この無線信号通信装置2には、ハーモニックミキサ12、23並びに分波器22には、注入同期発振部31が接続されている。
変調信号生成部11は、通信相手に送信すべき信号を中間周波数帯に変調した中間周波数帯変調信号を生成する。
ハーモニックミキサ12は、変調信号生成部11により生成された中間周波数帯変調信号と、注入同期発振部31により発振された局部発振信号とが供給される。このハーモニックミキサ12は、供給された中間周波数帯変調信号と、局部発振信号のハーモニクスとを乗積することにより、無線変調信号を生成する。またハーモニックミキサ12には、DC制御信号が供給されるような構成を採用するようにしてもよい。このDC制御信号を制御することにより、無線変調信号に加えて、上記局部発振信号のハーモニクスをそのまま重畳させて通信相手へ送信することが可能となる。
増幅器13は、ハーモニックミキサ12において生成された無線変調信号を増幅する。また帯域濾波器14は、増幅器13において増幅された無線変調信号における不要波を除去する。アンテナ15は、帯域濾波器14を介して送られてきた無線変調信号を相手側の双方向無線通信装置2へと送信する。
また、分波器22は、通信相手から受信した受信信号から局部発振信号のハーモニクス成分と無線変調信号成分とを帯域分離する。帯域分離された局部発振信号のハーモニクス成分は上記注入同期発振部31へ送信され、また無線変調信号成分は、ハーモニックミキサ23へと送られることになる。
ハーモニックミキサ23は、注入同期発振部31から送信されてくる局部発振信号のハーモニクスと、分波器22から送信されてくる無線変調信号とを乗積する。かかる信号の乗積が行われることにより、中間周波数帯へとダウンコンバートされることになる。ダウンコンバートされた信号のうち不要成分は帯域濾波器24において除去された上で変調信号復調部25において復調されていくことになる。
注入同期発振部31は、分波器22により分離された局部発振信号のハーモニクス成分を1/Nの周波数に分周することにより局部発振信号を生成する。注入同期発振部31は、この生成した局部発振信号をハーモニックミキサ12並びにハーモニックミキサ23に送信する。即ち、ハーモニックミキサ12並びにハーモニックミキサ23は、この注入同期発振部31において上記局部発振信号のハーモニクス成分を分周することにより得られた局部発振信号を上述の如く乗積していくことになる。
次に、本発明を適用した双方向無線通信システムの動作について、図2に示す双方向無線通信装置2aをマスターモードとして機能させ、双方向無線通信装置2bをスレーブモードとして機能させる場合を例にとり説明をする。
先ず、マスターモードとして機能する双方向無線通信装置2aにおける変調信号生成部11により中間周波数帯変調信号を生成し、これをハーモニックミキサ12へと出力する。ハーモニックミキサ12において、変調信号生成部11により生成された中間周波数帯変調信号と、注入同期発振部31により発振された局部発振信号のハーモニクスとを乗積する。このとき、DC制御信号をこのハーモニックミキサ12へと供給する。ハーモニックミキサ12をいわゆるバランス型のミキサ構成とすることにより、通常のミキサ出力における局部発振信号成分の発生を十分に抑制することが可能となるが、このようなDC制御信号を用いることにより、平衡状態を意図的に崩すなどすれば、出力における局部発振信号成分のレベルを調整することが可能となる。
なお、このようなDC制御信号を用いる代わりに、例えば、注入同期発振部31から供給される局部発振信号を図示しないN逓倍回路と加算回路の組み合わせ等を用いることにより直接加算するようにしてもよい。
その結果、図3(a)に示すように、無線変調信号に加え、中心周波数N・fLOの局部発振信号のハーモニクス成分が生成されることになる。この局部発振信号のハーモニクス成分は、局部発振信号のハーモニクスにつき何ら変調を施さないいわゆる無変調キャリアである。即ち、このハーモニックミキサ12において、図3(a)に示すようなスペクトル波形からなる、無線変調信号と局部発振信号のハーモニクス成分の合成信号が生成されることになる。この合成信号は、増幅器13、帯域濾波器14、アンテナ15を介して通信相手としての双方向無線通信装置2bへと送信されることになる。
双方向無線通信装置2bは、上記局部発振信号成分が合成された無線変調信号をアンテナ21を介して受信し、分波器22においてこれら局部発振信号のハーモニクス成分と無線変調信号成分とを帯域分離する。帯域分離された中心周波数N・fLOの局部発振信号のハーモニクス成分は上記注入同期発振部31へ送信される。
注入同期発振部31は、供給された周波数N・fLOの局部発振信号のハーモニクス成分を周波数fLOに分周する。注入同期発振部31に供給される周波数N・fLOの局部発振信号のハーモニクス成分は周波数的に安定した信号である必要はなく、これについて周波数を1/Nに分周した周波数fLOの信号についても同様の周波数変動特性を得ることができ、該分周された局部発振信号で送受信される無線信号の周波数および位相変動特性を完全にコヒーレントな関係とすることが可能となる。また注入同期発振部31は、周波数を1/Nに分周するものとして設計することにより、出力される周波数fLOの局部発振信号の出力電力を増加させることが容易となる。
このような周波数fLOの局部発振信号がそれぞれハーモニックミキサ12、ハーモニックミキサ23へと供給されることになる。この周波数fLOの局部発振信号を利用することにより、ハーモニックミキサ12において無線変調信号が順次生成されていくとともに、ハーモニックミキサ23においては無線変調信号が順次ダウンコンバートされていくことになる。
ちなみに、スレーブモードとして機能する双方向無線通信装置2bは、かかる周波数fLOの局部発振信号を利用することにより、ハーモニックミキサ12において無線変調信号を生成する結果、送信すべき信号は、図3(b)に示すように無線変調信号のみで構成され、局部発振信号のハーモニクス成分を特に含まないものとされる。
このようにfLOに分周した局部発振信号は、信号送信時における中間周波数帯変調信号との乗積に使用することができることに加え、さらに無線変調信号を中間周波数帯へダウンコンバートする際にも使用することができる。
即ち、本発明においては、注入同期発振部31において供給された周波数N・fLOの局部発振信号のハーモニクス成分を周波数fLOに分周する。これにより、局部発振信号の周波数を低くすることができるため、双方向無線通信装置の製造工程をより簡略化させることが可能となり、ひいては大幅なコスト削減を達成することが可能となる。
また、本発明においては、ハーモニックミキサ12に供給されてくる局部発振信号は、予め注入同期発振部31において受信した周波数N・fLOの局部発振信号のハーモニクス成分が周波数fLOに分周された状態とされているため、ハーモニックミキサ12について汎用のサブハーモニックミキサなどを適用することが可能となる。このため、本発明に係る双方向無線通信システム1をミリ波自己ヘテロダイン方式として使用する際には、汎用のサブハーモニックミキサをミリ波自己ヘテロダイン方式に適用する途を切り開くことが可能となり、さらなる低コスト化を図ることも可能となる。また、これを適用したミリ波自己ヘテロダインシステム自体について汎用性を高めることも可能となる。
また、本発明においては、注入同期発振部31から出力される周波数fLOの局部発振信号の電力を増加させることができる。即ち、周波数N・fLOの局部発振信号のハーモニクス成分を周波数fLOに分周することにより、より高電力出力を得ることが可能となる。その結果十分な局部発振信号電力をミキサ回路に供給することが可能となるため、周波数変換に伴う変換損失を低下させることができる。ちなみに、注入同期発振部31の如き分周回路としては、従来においてフリップフロップベースのものも提案されているが、これと比較しても、低い消費電力により周波数分周を実現することが可能となる。
即ち、本発明においては、周波数N・fLOの局部発振信号成分を周波数fLOに分周することにより、図3(c)に示すように局部発振信号の電力を増強することができる。この図3(c)は、注入同期発振部31に入力される局部発振信号成分の電力Pinjを横軸に、また注入同期発振部31から出力される局部発振信号の電力Poutの関係を示している。注入同期発振部31において周波数2fLOから周波数2fLOへと何ら分周を施さない場合と比較して、周波数2fLOから周波数fLOへと分周を施す場合には、電力Poutを増強させることができることが示されている。また、周波数2fLOから周波数fLOへと分周を施す場合には、Pinjが比較的低いであっても出力電力Poutが安定した数値を示し、周波数のロッキングに好適な環境を作り出すことができる点においても有利となる。
ちなみに、周波数のロッキングレンジΔfは、以下の(1)式から導くことが可能となる。
Δf=fosc/Qext×(Pinj/Posc)1/2・・・・・・・・・・・・(1)
ここで、Pinjは、注入同期発振器31に入力されるキャリア電力であり、foscは、注入同期発振器31への入力周波数に相当するものであり、当該注入同期発振器31のフリーランニング時における発振周波数を示している。また、Poscは、注入同期発振器31への入力周波数における、同発振器31のフリーランニング時における出力電力である。
注入同期発振器31において入力周波数2fLOから出力周波数2fLOへと何ら分周を施さない場合と比較して、この注入同期発振器31において入力を2分周した場合に、Poscは低くなる。このため、これらの傾向を上記式(1)に代入した場合には、注入同期発振器31において入力を2分周した場合の方がΔfが大きくなる。
周波数N・fLOの局部発振信号成分を分周させることなく、そのまま周波数N・fLOの局部発振信号として出力する場合と比較して、本発明の如く周波数N・fLOの局部発振信号のハーモニクス成分を周波数fLOに分周することにより、生成される局部発振信号の出力を高くすることができ、同期周波数幅もこれに応じて拡大させることが可能となる。この同期周波数幅を改善することができれば、システムの汎用性をより向上させることができ、さらに高品質の双方向無線通信を実現することが可能となる。また、スレーブモードとしての役割を担う双方向無線通信装置2bにおいて、不安定な局部発振信号しか発振できない場合であっても、本発明においては、注入同期発振部31において分周された上述の如き局部発振信号を生成することができるため、結果として高品質な通信を可能とすることが可能となる。
また、図3(c)に示す傾向より、入力される周波数N・fLOの局部発振信号成分が低電力であっても、周波数同期をかけることが可能となる。これにより、特に局部発振信号成分を送信するマスターモードとしての役割を担う双方向無線通信装置2aにおいて、結果的に消費電力を低下させることができ、非線形劣化を改善することも可能となる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば図4(a)に示すような双方向無線通信システム3に対しても適用可能である。なお、この双方向無線通信システム3において、上述した双方向無線通信システム1と同一の構成要素、部材に関しては、同一の番号を付すことにより以下での説明を省略する。
双方向無線通信システム3は、上述した双方向無線通信装置2に加えて、局部発振成分を含む信号を生成する局部発振器4を更に備えている。この局部発振器4は、図4(b)に示すように、基準局部発振回路41と、これに接続されたアンテナ42とを備えている。
このような構成からなる双方向無線通信システム3の動作について説明をする。
先ず、局部発振器4における基準局部発振回路41から、図4(b)に示すような周波数fLOの局部発振信号成分を生成し、これをアンテナ42を介して送信する。双方向無線通信システム3内に配置された双方向無線通信装置2は、最初にこの局部発振信号ハーモニクス成分を受信し、これにつき注入同期発振部31において1/N周波数に分周させる。双方向無線通信装置2は、この分周して得た周波数fLOの局部発振信号をハーモニクスミキサ12へと出力し、上述の如く周波数変換処理に用いることになる。その後、他の双方向無線通信装置2との間で無線変調信号の送受信が実行されていくことになる。
この双方向無線通信システム3においては、双方向無線通信装置2内において周波数N・fLOの局部発振信号成分を生成する必要性がなくなることから、DC制御信号をこのハーモニクスミキサ12へと供給する必要はなくなる。また、この双方向無線通信装置3においても、上述した双方向無線通信システム1と同様の作用効果が得られることは勿論である。
本発明を適用した双方向無線通信システムのシステム構成図である。 本発明を適用した双方向無線通信装置のブロック構成を示す図である。 (a)は、無線変調信号に加え、中心周波数N・fLOの局部発振信号成分が生成された場合におけるスペクトル波形を示す図である。(b)は、無線変調信号のみで構成され、局部発振信号成分を特に含まない場合におけるスペクトル波形を示す図である。 本発明を適用した双方向無線通信システムにおける他のシステム構成図である。
符号の説明
1 双方向無線通信システム
2 双方向無線通信装置
11 変調信号生成部
12 ハーモニックミキサ
13 増幅器
14 帯域濾波器
15 アンテナ
21 アンテナ
22 分波器
23 ハーモニックミキサ
24 帯域濾波器
25 変調信号復調部
31 注入同期発振部
61 増幅器

Claims (7)

  1. 通信相手に送信すべき信号を中間周波数帯に変調した中間周波数帯変調信号と局部発振信号のハーモニクス成分とを乗積することにより生成した無線変調信号を送信する送信手段と、
    上記通信相手から受信した受信信号から周波数N・fLOの局部発振信号のハーモニクス成分と無線変調信号成分とを帯域分離する帯域分離手段と、
    上記帯域分離手段により分離された局部発振信号のハーモニクス成分を1/Nに分周することにより周波数fLOの局部発振信号を生成する注入同期発振手段と、
    上記帯域分離手段により分離された無線変調信号と上記注入同期発振手段により生成された上記局部発振信号のハーモニクス成分を乗積することによりこれを中間周波数帯へダウンコンバートする受信制御手段とを備えること
    を特徴とする双方向無線通信装置。
  2. 上記送信手段は、上記局部発振信号のハーモニクス成分を上記無線変調信号とともに上記通信相手へ送信すること
    を特徴とする請求項1記載の双方向無線通信装置。
  3. 通信相手に送信すべき信号を中間周波数帯に変調した中間周波数帯変調信号と局部発振信号のハーモニクス成分とを乗積することにより生成した無線変調信号を送信し、
    上記通信相手から受信した受信信号から周波数N・fLOの局部発振信号のハーモニクス成分と無線変調信号成分とを帯域分離し、
    上記分離した局部発振信号のハーモニクス成分を1/Nに分周することにより周波数fLOの局部発振信号を生成し、
    上記分離した無線変調信号と上記生成した上記局部発振信号のハーモニクス成分を乗積することによりこれを中間周波数帯へダウンコンバートすること
    を特徴とする双方向無線通信方法。
  4. 上記局部発振信号のハーモニクス成分を上記無線変調信号とともに上記通信相手へ送信すること
    を特徴とする請求項3記載の双方向無線通信方法。
  5. 双方向無線通信装置間で無線変調信号を送受信する双方向無線通信システムにおいて、
    上記双方向無線通信装置は、
    通信相手に送信すべき信号を中間周波数帯に変調した中間周波数帯変調信号と局部発振信号のハーモニクス成分とを乗積することにより生成した無線変調信号を送信する送信手段と、
    受信した受信信号から周波数N・fLOの局部発振信号のハーモニクス成分と無線変調信号成分とを帯域分離する帯域分離手段と、
    上記帯域分離手段により分離された局部発振信号のハーモニクス成分を1/Nに分周することにより周波数fLOの局部発振信号を生成する注入同期発振手段と、
    上記帯域分離手段により分離された無線変調信号と上記注入同期発振手段により生成された上記局部発振信号のハーモニクス成分を乗積することによりこれを中間周波数帯へダウンコンバートする受信制御手段とを備えること
    を特徴とする双方向無線通信システム。
  6. 上記送信手段は、上記局部発振信号のハーモニクス成分を上記無線変調信号とともに上記通信相手へ送信すること
    を特徴とする請求項記載の双方向無線通信システム。
  7. 上記局部発振信号のハーモニクス成分を含む信号を生成する局部発振器を更に備え、
    上記双方向無線通信装置は、上記局部発振器により生成された信号を上記受信信号として受信すること
    を特徴とする請求項5又は6記載の双方向無線通信システム。
JP2005352622A 2005-12-06 2005-12-06 双方向無線通信装置 Expired - Fee Related JP4630990B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005352622A JP4630990B2 (ja) 2005-12-06 2005-12-06 双方向無線通信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005352622A JP4630990B2 (ja) 2005-12-06 2005-12-06 双方向無線通信装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007158851A JP2007158851A (ja) 2007-06-21
JP4630990B2 true JP4630990B2 (ja) 2011-02-09

Family

ID=38242614

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005352622A Expired - Fee Related JP4630990B2 (ja) 2005-12-06 2005-12-06 双方向無線通信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4630990B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5339150B2 (ja) 2009-09-30 2013-11-13 ソニー株式会社 無線通信装置
JP6009251B2 (ja) * 2012-07-13 2016-10-19 シャープ株式会社 ミリ波送信モジュール、およびミリ波送信装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01279620A (ja) * 1988-04-30 1989-11-09 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 可変分周回路
JP2003163601A (ja) * 2001-11-27 2003-06-06 Sharp Corp ミリ波帯無線送信装置およびミリ波帯無線受信装置およびミリ波帯通信システム
JP2003244016A (ja) * 2002-02-18 2003-08-29 Communication Research Laboratory 複数の無線通信端末間で通信を行う無線通信方法及びシステム
JP2005057626A (ja) * 2003-08-07 2005-03-03 Sharp Corp 注入同期発振器および高周波通信装置
JP2005295098A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Eudyna Devices Inc 無線装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01279620A (ja) * 1988-04-30 1989-11-09 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 可変分周回路
JP2003163601A (ja) * 2001-11-27 2003-06-06 Sharp Corp ミリ波帯無線送信装置およびミリ波帯無線受信装置およびミリ波帯通信システム
JP2003244016A (ja) * 2002-02-18 2003-08-29 Communication Research Laboratory 複数の無線通信端末間で通信を行う無線通信方法及びシステム
JP2005057626A (ja) * 2003-08-07 2005-03-03 Sharp Corp 注入同期発振器および高周波通信装置
JP2005295098A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Eudyna Devices Inc 無線装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007158851A (ja) 2007-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3564480B2 (ja) 複数の無線通信端末間で通信を行う無線通信方法及びシステム
JP2001053640A (ja) 無線通信装置および無線通信方法
JP5339150B2 (ja) 無線通信装置
US6850750B2 (en) Radio set and frequency converting method therefor
JP2003179516A (ja) 無線通信システム及び、無線送信機、無線受信機
US7804883B2 (en) Method and system for frequency hopping radio communication
JP2006191409A (ja) 送受信回路、送信回路及び受信回路
JP4630990B2 (ja) 双方向無線通信装置
JP2005287065A (ja) ミリ波帯通信装置
US7043201B2 (en) Two-way radio communication system and two-way radio communication method
KR100947469B1 (ko) 주파수 호핑 무선 통신을 위한 방법 및 시스템
JP3598378B2 (ja) 無線通信方法及びシステム
US20140286458A1 (en) Receiving apparatus and receiving method
JP4164570B2 (ja) 無線光融合通信システムおよび無線光融合通信方法
JP2004207824A (ja) 無線機
JP2006020203A (ja) 送信装置、受信装置、及び信号伝送装置並びに信号伝送方法
JP2003264470A (ja) 無線通信システム及び、無線送信機
JP2003060525A (ja) 低中間周波数(LowIF)機能を有する通信機構成
JP2006238125A (ja) 無線送受信機
JPS58195325A (ja) 無線装置
JP2006014116A (ja) 送受信システム
JP2006014115A (ja) 送受信システム及び受信装置
JPS6077535A (ja) 同時送受話無線通信機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100622

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101005

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101014

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131126

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees