JP3875659B2 - カメラ装置及びロボット装置 - Google Patents

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    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N23/00Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報機器による監視、コミュニケーション、ロボットの視覚等に利用され、カメラ型画像取込センサの視点を所定位置に位置合わせすることができるカメラ装置及びこれを搭載したロボット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報機器やロボット等に利用される機器の中には、カメラを備え、このカメラを用いて周囲の状況や撮像対象の動作等を監視しながら所定の判断を行うものがある。
【0003】
このような機器の一つとして、カメラを人間の目のように回転させることで、視点の位置を変化させるアクティブカメラ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このアクティブカメラ装置では、カメラを球殻状の筐体の内部に配置している。このカメラは、筐体に取り付けられたジンバル機構に支持され、筐体の内部において、互いに交差する2軸周りに回転できるようになっている。このジンバル機構は、一対のジンバルから構成されており、一方のジンバルは筐体の内側に配置され、他方のジンバルは筐体の外側に配置されている。
【0005】
筐体の外部には駆動装置が設けられている。この駆動装置は、カメラに結束される環状のワイヤを有し、このワイヤを所定方向に走行させることによって、筐体内部のカメラを駆動するようになっている。
【0006】
このようなアクティブカメラ装置によれば、一方のジンバルが筐体の内部に設けられているため、より大きな駆動範囲が得られ、その結果、大きな視野が得られるという効果を有している。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−355622号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のアクティブカメラ装置では、カメラを駆動するための駆動装置を筐体の外側に配置した構成となっている。
【0009】
そのため、塵や水分、或いは熱などの外部環境から駆動装置を保護することが困難であり、さらに駆動装置を含む装置の全体構成が大型化するという問題がある。
【0010】
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、カメラや駆動装置等を外部環境から保護することができる小型のカメラ装置及びこれを搭載したロボット装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の一態様に従うカメラ装置及びロボット装置は次のように構成されている。
【0012】
(1)開口部を有する球殻状の外筐体と、前記外筐体の内部に前記開口部を通して前記外筐体の外部を撮像可能に配置されたカメラと、前記外筐体の内部に前記球中心周りに回転可能に設けられた、前記開口部を開閉する開閉部材と、前記外筐体の内部に設けられ、前記カメラを前記外筐体の球中心で互いに交差する第1の軸と第2の軸の周りに回転可能に支持する球殻状の支持部材を含むカメラ支持手段と、前記外筐体の内部に設けられ、前記カメラを前記第1の軸の周りに回転駆動する第1のカメラ駆動手段と、前記外筐体の内部に設けられ、前記カメラを前記第2の軸の周りに回転駆動する第2のカメラ駆動手段と、前記支持部材と前記開閉部材を連動させる連動機構とを具備し、前記連動機構は、前記支持部材の外周面上に突出して設けられる係合ピンと、前記開閉部材に前記第2の軸の周り回転方向に対して短く、前記第1の軸の周りの回転方向に対して長く形成された、前記係合ピンと係合する係合穴とを有することを特徴とするカメラ装置。
【0013】
(2)(1)に記載されたカメラ装置であって、前記開閉部材の外面両端部に軸心が前記第2の軸とほぼ一致するようにそれぞれ突設された一対の支持ピンをさらに具備し、前記支持ピンは前記外筐体の前記第2の軸と交差する位置に形成された第1の穴と、前記外筐体の前記第1の穴から偏心した位置に形成された第2の穴とを有する支持穴によって支持されており、前記開閉部材を前記支持部材から離間する方向に引き上げた際に前記支持ピンの位置が前記第1の穴から前記第2の穴に移動して前記係合ピンが前記係合ピンから抜脱されることにより、前記支持部材と前記開閉部材との連動が解除されることを特徴とする。
【0014】
(3)開口部を有する球殻状の外筐体と、前記外筐体の内部に前記開口部を通して前記外筐体の外部を撮像可能に配置された眼球として機能するカメラと、前記外筐体の内部に前記球中心周りに回転可能に設けられた、前記開口部を開閉することによりまぶたとして機能する開閉部材と、前記外筐体の内部に設けられ、前記カメラを前記外筐体の球中心で互いに交差する第1の軸と第2の軸の周りに回転可能に支持する球殻状の支持部材を含むカメラ支持手段と、前記外筐体の内部に設けられ、前記カメラを前記第1の軸の周りに回転駆動する第1のカメラ駆動手段と、前記外筐体の内部に設けられ、前記カメラを前記第2の軸の周りに回転駆動する第2のカメラ駆動手段と、前記支持部材と前記開閉部材を連動させる連動機構とを具備し、前記連動機構は、前記支持部材の外周面上に突出して設けられる係合ピンと、前記開閉部材に前記第2の軸の周り回転方向に対して短く、前記第1の軸の周りの回転方向に対して長く形成された、前記係合ピンと係合する係合穴とを有することを特徴とするロボット装置。
【0015】
(4)(3)に記載されたロボット装置であって、前記開閉部材の外面両端部に軸心が前記第2の軸とほぼ一致するようにそれぞれ突設された一対の支持ピンをさらに具備し、前記支持ピンは前記外筐体の前記第2の軸と交差する位置に形成された第1の穴と、前記外筐体の前記第1の穴から偏心した位置に形成された第2の穴とを有する支持穴によって支持されており、前記開閉部材を前記支持部材から離間する方向に引き上げた際に前記支持ピンの位置が前記第1の穴から第2の穴に移動して前記係合ピンが前記係合ピンから抜脱されることにより、前記支持部材と前記開閉部材との連動が解除されることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5を用いて本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るアクティブカメラ装置の構成を示す斜視図である。図2は、同実施の形態に係る球状カメラユニットの構成をXZ平面で切断して示す断面図である。図3は、同実施の形態に係る球状カメラユニットの構成をYZ平面で切断して示す断面図である。
【0025】
図1〜図3に示すように、本発明のアクティブカメラ装置は、球殻状の外筐体1を有している。この外筐体1には、円形状の開口部2が形成されており、開口部2内には透明な素材で形成された透光部材(不図示)が嵌め込まれている。
【0026】
なお、開口部2は、カメラ12(後述する)の視野範囲を遮らないような形状と寸法に形成されている。
【0027】
外筐体1の内面には、筐体固定部材4(支持部材)が固定されている。この筐体固定部材4は板状部材からなり、外筐体1の球中心側に向かって突出している。
【0028】
筐体固定部材4の先端部には、板厚方向の中途部に第1の溝部5が形成されている。この第1の溝部5は、筐体固定部材4の長手方向に沿って形成されており、その底面3は外筐体1と同心の円弧面状になっている。
【0029】
また、筐体固定部材4の先端部には、第1のモータ6(第1のカメラ駆動手段)が固定されている。第1のモータ6の駆動軸6aには、第1のピニオンギア7が嵌着されている。この第1のピニオンギア7は、筐体固定部材4の先端部に設けられた挿通孔8内に挿入され、その周面は第1の溝部5と対向している。
【0030】
第1の溝部5の内側には、弧状ジンバル9(半環状部材)がスライド可能に支持されている。この弧状ジンバル9は、半環状の板状部材からなり、外筐体1の球中心と同心になるよう配置されている。弧状ジンバル9の外周面は、第1の溝部5の底面3と接触し、内周面は第1のピニオンギア7よりも第1の溝部5の底面3側に位置している。
【0031】
弧状ジンバル9の内周面には、内歯車9aが形成されている。この内歯車9aは、前記第1のピニオンギア7と噛み合っており、第1のモータ6を駆動することで、弧状ジンバル9を外筐体1の球中心を通るY軸(第1の軸)の周りに回転できるようになっている。
【0032】
弧状ジンバル9の一端側には、平歯車15が設けられている。この平歯車15は、弧状ジンバル9に対して垂直に固定されており、その回転軸はY軸とほぼ一致している。
【0033】
弧状ジンバル9の周方向の両端部間は、軸部材10によって連結されている。この軸部材10は、断面ほぼ円形の丸棒からなり、その軸心線は外筐体1の球中心にて前記Y軸とほぼ垂直に交わるX軸(第2の軸)とほぼ一致している。
【0034】
この軸部材10には、板状の取付板11(取付部材)が設けられている。この取付板11の一方の面には、凹状の支持部11aが形成されており、この支持部11aが軸部材10と係合することで、取付板11が軸部材10の周りに回転可能となっている。
【0035】
取付板11の他方の面には、カメラ12が設けられている。このカメラ12はCCDセンサやCMOSセンサのような撮像素子(不図示)を有し、光軸がX軸及びY軸とほぼ垂直に交わるZ軸と一致するよう配置され、その前面には前面ガラス12aを備えている。
【0036】
また、カメラ12の前面側には、ほぼ球殻状のカメラ支持部材13が固定されている。このカメラ支持部材13は、外筐体1と同心に配置されており、カメラ12の前面に対応する部分には取付開口14が形成されている。
【0037】
取付板11の所定位置には、第2のモータ17(第2のカメラ駆動手段)がブラケット19を介して固定されている。第2のモータ17の駆動軸17aには、第2のピニオンギア18が嵌着されている。この第2のピニオンギア18は、前記平歯車15と噛み合っており、第2のモータ17を駆動することで、平歯車15の周りを矢印Aで示すよう回転するようになっている。
【0038】
すなわち、カメラ12と第2のモータ17が取付板11を介して一体的になっているため、第2のモータ17を駆動することで、カメラ12を軸部材10の周りに、すなわちX軸周りに回転できるようになっている。
【0039】
なお、第2のモータ17の駆動停止によって第2のピニオンギア18の回転を停止すると、カメラ12が駆動停止時における位置を維持するようになっている。
【0040】
また、上述のように、第1のモータ6を駆動すれば、第1のピニオンギア7の回転によって弧状ジンバル9がY軸の周りに回転するため、軸部材10に支持されているカメラ12をY軸周りに回転できるようになっている。
【0041】
なお、第1のモータ6の駆動停止によって弧状ジンバル9の回転を停止すると、カメラ12が駆動停止時における位置を維持するようになっている。
【0042】
すなわち、筐体固定部材4、弧状ジンバル9、軸部材10、及び取付板11は、カメラ12をX軸とY軸周りに回転可能に支持するためのカメラ支持手段24を構成している。
【0043】
外筐体1とカメラ支持部材13の間には、開閉部材20が配置されている。この開閉部材20は、球殻体の一部から構成されており、外面両端部にはそれぞれ支持ピン21が突設されている。これら支持ピン21は、軸心がX軸とほぼ一致しており、外筐体1に設けられた支持穴22によってそれぞれ回転可能に支持されている。
【0044】
各支持穴22は、第1の穴22aと第2の穴22bから構成されている。第1の穴22aと第2の穴22bは、それぞれほぼ同径の丸い穴からなり、第1の穴22aは外筐体1のX軸と交差する位置に、第2の穴22bは第1の穴22aから少し偏心した位置にそれぞれ形成されている。
【0045】
なお、第1の穴22aと第2の穴22bの連結部分は、その周辺部に比べて穴径が小さくなっているが、手動により開閉部材20をカメラ支持部材13に対する接離方向にスライドさせることで、支持ピン21を第1の穴22aと第2の穴22bの間で摺動できるようになっている。
【0046】
図4は、同実施の形態に係るカメラ支持部材13と開閉部材20が連動して動く様子を示し、(a)はカメラ支持部材13が回転する前の状態を示す概略図、(b)はカメラ支持部材13が回転している状態を示す概略図、(c)はカメラ支持部材13が回転している状態を示す概略図である。
【0047】
図4(a)〜図4(c)に示すように、開閉部材20とカメラ支持部材13は、連動機構23によって連結されている。この連動機構23は、カメラ支持部材13の外周面に設けられる係合ピン23aと、開閉部材20に設けられる係合穴23bから構成されている。
【0048】
この係合ピン23aは、断面ほぼ円形に形成されており、カメラ支持部材13と外筐体1の間の隙間に位置している。一方、係合穴23bは、X軸周りの回転方向に対しては狭く、Y軸周りの回転方向に対しては長く形成されている(図4(c)参照)。
【0049】
このため、図4(a)に示すように、係合穴23b内に係合ピン23aを挿通させておけば、カメラ支持部材13がX軸周りに回転したときに、図4(b)と図4(c)に示すように、係合穴23bの縁部に係合ピン23aが引っ掛かり、開閉部材20とカメラ支持部材13が連動するようになっている。
【0050】
しかしながら、上述のごとく、係合穴23bがY軸周りの回転方向に対して長く形成されているため、カメラ支持部材13がY軸周りに回転しても、係合穴23bの縁部に係合ピン23aが引っ掛からず、開閉部材20がカメラ支持部材13に連動しないようになっている。
【0051】
図5は、同実施の形態に係るカメラ支持部材と開閉部材の連動機構を解除する工程を示し、(a)は連動機構が解除されていない状態を示す概略図、(b)は連動機構が解除された状態を示す概略図、(c)は連動機構が解除された後に開閉部材によって外筐体の開口部を閉じる状態を示す概略図である。
【0052】
図5(a)〜(c)に示すように、この連動機構23は、手動によって解除できるようになっている。すなわち、図5(a)に示すように、連動機構23が解除されてない状態から、開閉部材20をカメラ支持部材13から離間する方向に引き上げることで、支持ピン21の位置を第1の穴22aから第2の穴22bに移動させれば、図5(b)に示すように、係合ピン23aが係合穴23bから抜脱されるから、開閉部材20とカメラ支持部材13の連動が解除され、図5(c)に示すように、開閉部材20はカメラ支持部材13に対して自由に動けるようになる。
【0053】
なお、ここでは支持ピン21の位置を第2の穴22bとして開閉部材20が動く形態について説明したが、連動機構23が解除された後に支持ピン21の位置を第1の穴22aに戻して開閉部材20が動くようにしてもよい。
【0054】
前記構成のアクティブカメラ装置においては、カメラ12を外筐体1の球中心で互いに交差するX軸とY軸周りに回転可能に支持しており、第1のモータ6と第2のモータ17を駆動することで、カメラ12の視点、すなわち光軸を外筐体1の球中心の周りに回転させることができる。
【0055】
しかも、第1のモータ6と第2のモータ17の駆動量を調整すれば、カメラ12の視点を種々に変更し、様々な角度から撮像対象を撮像することができる。
【0056】
このようなアクティブカメラ装置において、本実施の形態では、第1のモータ6と第2のモータ17を外筐体1の内部に収容している。
【0057】
そのため、第1のモータ6と第2のモータ17を塵や水分、或いは熱などの外部環境から保護することができるばかりか、装置の全体構成を小型化することができる。
【0058】
また、外筐体1に開閉部材20をX軸周りに回転可能に設け、この開閉部材20によって開口部2を開閉できるようにしている。
【0059】
そのため、カメラ12の不使用時に開閉部材20によってカメラ12の前面側を覆うことで、カメラ12の前面ガラス12aを保護することができる。
【0060】
しかも、開閉部材20の内周面にレンズクリーナを設ければ、開閉部材20の開閉動作によってカメラ12の前面ガラス12a表面をクリーニングすることができる。
【0061】
次に、図6〜図8を用いて本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0062】
なお、ここでは、第1の実施の形態と同様の構成、動作、作用については、その説明を省略する。
【0063】
図6は、本発明の第2の実施の形態に係るアクティブカメラ装置の構成を示し、(a)は装置全体を切断して示す斜視図、(b)は装置全体を切断して示す断面図である。図7は、同実施の形態に係る開閉部材20によって外筐体1の開口部2を閉成する様子を示し、(a)は外筐体1の開口部2が全開である状態を示す概略図、(b)は外筐体1の開口部2が開閉部材20によって少し覆われた状態を示す概略図、(c)は外筐体1の開口部2が開閉部材20によって完全に覆われた状態を示す概略図である。
【0064】
本実施の形態では、図6(a)と図6(b)に示すように、支持ピン21と支持穴22の間に捩じりバネ31が介装されている。この捩じりバネ31は、開閉部材20を外筐体1の開口部2を閉じる方向、すなわち矢印B方向に付勢している。
【0065】
また、外筐体1の内部には、第3のモータ32(開閉部材駆動手段)が設けられている。この第3のモータ32の駆動軸32aには、プーリ33が嵌着されており、このプーリ33にはワイヤ34が捲回されている。
【0066】
ワイヤ34の先端部は、開閉部材20に接続されており、第3のモータ32を駆動することで、プーリ33から引き出されたワイヤ34の長さを調整できるようになっている。
【0067】
このような構成にすれば、第3のモータ32を駆動することで、外筐体1の開口部2を容易に開閉することができる。
【0068】
しかも、第3のモータ32の駆動量を制御すれば、開口部2の開口量を変えることができるから、撮像条件に応じてカメラ12に入射する光量や被写界深度を簡単に調整することができる。
【0069】
例えば、カメラ12の視野内の特定の被写体画像だけをシャープに写したい場合には、図7(a)に示すように、開閉部材20によって開口部2の開口量を大きくすることで被写界深度を浅くし、視野内全体の画像をシャープにしたい場合には、図7(b)に示すように、開口部2の開口量を小さくすることで被写界深度を深くすることができる。さらに、不使用時には、図7(c)に示すように、開閉部材20によって外筐体1の開口部2を閉成し、開閉部材20をカバーとして機能させることもできる。
【0070】
さらに、開閉部材20によって光量を機械的に調整できるため、カメラ12の撮像素子としてCCDセンサやCMOSセンサなどを用いた場合、ソフトウエアのみに頼って光量を調整する場合に比べて、よりよい画像を確実に取り込むことが可能となる。
【0071】
また、開閉部材20の内周面にレンズクリーナを設ければ、開閉部材20の開閉動作によってカメラ12の前面ガラス12a表面を容易にクリーニングすることができる。
【0072】
図8は、同実施の形態に係るアクティブカメラ装置の変形例の構成を示す斜視図である。
【0073】
図8に示すように、この変形例において、開閉部材20と外筐体1の間には、線状の形状記憶合金25が固定されている。この形状記憶合金25は、電流を流すことで、線が縮む方向に変形するようになっている。
【0074】
また、支持ピン21と支持穴22の間には、捩じりバネ31(図6(b)を参照。)が介装されている。この捩じりバネ31は、開閉部材20を外筐体1の開口部2を閉じる方向、すなわち矢印B方向に付勢している。そのため、この状態から形状記憶合金25に電流を流すことによって、形状記憶合金25は線が縮む方向に変形し、開閉部材20を開く方向に駆動することができる。
【0075】
次に、図9〜図11を用いて本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0076】
なお、ここでは、第1の実施の形態と第2の実施の形態と同じ構成、動作、作用については、その説明を省略する。
【0077】
図9は、本発明の第3の実施の形態に係るアクティブカメラ装置の構成を示す断面図である。図10は、同実施の形態に係るレンズ駆動装置44の構成を示すブロック図である。図11は、同実施の形態に係る開閉部材の内面に設けられるターゲットを示す概略図である。
【0078】
本実施の形態では、図9に示すようにカメラ12は、撮像素子40と、撮像素子40上に外筐体の外部の像を結像する1群レンズ42と、2群レンズ43及びレンズ駆動装置44を有し、レンズ駆動装置44によりレンズ42、43をカメラ12の光軸に沿って前後に駆動させることで、フォーカス及び光学ズームを自動で行うことが可能である。
【0079】
図10に示すように、レンズ駆動装置44は、静電アクチュエータなどのアクチュエータ45と、撮像素子40から出力される画像情報を処理してレンズ位置の目標値を生成する画像処理部46と、画像処理部46からの目標値出力に従ってレンズの軌道を生成する軌道生成部49と、軌道生成部49からの出力に従って、アクチュエータドライバ47への指令値を生成する制御演算部50と、指令値に従ってアクチュエータ45を駆動するアクチュエータドライバ47からなる。画像処理部46、軌道生成部49、制御演算部50は、アクティブカメラ装置全体の制御を司る図示しないCPU(プロセッサ)によりソフトウエア処理で実現することも可能である。
【0080】
この構成において、開閉部材20の内面に貼り付けられた、予め図11に示すような模様が描かれたターゲット48を使用して以下のようにレンズ位置の初期化を行う。
【0081】
まず、カメラ12によって予め決められた視野でターゲット48を撮像し、これよって得られる画像情報を画像処理部46に取り込み、レンズ42、43を光軸方向に移動させながら、取込んだ画像情報に対して画像処理を施す。
【0082】
具体的には、画像処理部46はターゲット48の模様に対応した画像情報の画面全体における平均的な輝度値をレンズ42、43の光軸方向の移動に伴って順次算出し、この輝度値が最大となるレンズ42、43の位置を見出す。
【0083】
輝度値が最大となるレンズ42、43の位置は、予め決められたレンズパラメータなどにより決まり、この位置をレンズ42、43の初期位置とすることによって、再現性良くレンズ位置の初期化を行うことができる。
【0084】
次に、図12と図13を用いて本発明の第4の実施の形態を説明する。
【0085】
なお、ここでは、第1の実施の形態、第2の実施の形態、第3の実施の形態と同じ構成、動作、作用については、その説明を省略する。
【0086】
図12は、本発明の第4の実施の形態に係るアクティブカメラ装置が転動する様子を示し、(a)は重心位置が最も低い位置にある状態を示す概略図、(b)は重心位置を最も低い位置から少しずらした状態を示す概略図である。図13は、同実施の形態に係るアクティブカメラ装置の転動が外部環境によって規制された状態を示す概略図である。
【0087】
本実施の形態では、図12に示すように、外筐体1の内部に外部装置(不図示)との間で無線通信を行うための無線モジュール51(無線通信手段)を備えている。
【0088】
この無線モジュール51は、外部装置からの指令信号を受信し、この指令信号に従ってカメラ12から出力される画像情報を外部装置に送信したり、指令信号を前記第1のモータ6と第2のモータ17に供給して、この指令信号に従ってカメラ12の向きを変えることができる。
【0089】
このような構成にすることで、アクティブカメラ装置を狭い隙間などに転がし入れた場合でも、遠隔地からカメラ12の方向を制御したり、遠隔地にてカメラ12が撮像した画像情報を得ることができる。
【0090】
また、外筐体1がほぼ球殻状に形成されているため、アクティブカメラ装置全体の重心位置を変えることで、設置面53に対して転がり移動を行うことも可能となる。
【0091】
例えば、図12(a)に示すように、カメラ12が下を向いている状態では、重心位置52が外筐体1の球中心を通る鉛直方向軸k上にあるため、アクティブカメラ装置に回転モーメントは作用していない。そのため、このアクティブカメラ装置は、設置面53上で転がることなく静止する。
【0092】
この状態からカメラ12を少し駆動すると、図12(b)に示すように、重心位置52が鉛直方向軸k上からずれるため、アクティブカメラ装置に回転モーメントが作用する。そのため、このアクティブカメラ装置は、矢印Cで示すように、設置面53を転がりながら移動する。
【0093】
このようにして、アクティブカメラ装置が目的位置に到達したら、急激な重心移動が起こらないようカメラ12をゆっくり駆動し、外筐体1を転動させることなく、カメラ12の向きのみを変える。これによって、所望の視点から撮像対象を撮像することが可能となる。
【0094】
また、図13に示すように、外筐体1が外部環境54によって固定されれば、カメラ12の向きを変えて目的の視点に切り替える動作を容易に行えることができる。
【0095】
なお、アクティブカメラ装置の転がり移動は、カメラ12などの内部機構を急激に動かしたときに重心に作用する移動加速度を利用することによっても実現できる。
【0096】
次に、図14と図15を用いて本発明の第5の実施の形態を説明する。
【0097】
なお、ここでは、第1の実施の形態、第2の実施の形態、第3の実施の形態、第4の実施の形態と同じ構成、動作、作用については、その説明を省略する。
【0098】
図14は、本発明の第5の実施の形態に係るロボット装置の構成を示す概略図である。
【0099】
本実施の形態では、図14に示すように、ロボット装置60の所定位置に本発明のアクティブカメラ装置を目になぞらえて装着している。
【0100】
このような構成にすることで、外筐体1に内蔵されたカメラ12を眼球、開閉部材20をまぶたとして動かすことで、ロボット装置60に生物が示すような感情表現を行わせたり、人とのコミュニケーションを行わせることができる。
【0101】
なお、人とのコミュニケーションとしては、人の命令を理解した際に人に向かって片目を閉じてウインクをする等が考えられる。
【0102】
図15に示すフローチャートを用いてロボット装置60が人とコミュニケーションを行う際の工程を説明する。
【0103】
図15は、ロボット装置60と人がコミュニケーションを行う際の制御フローチャートを示す工程図である。
【0104】
アクティブカメラ装置を起動したならば、人がロボット装置60に対してジェスチャもしくは声で命令をする(ステップS1)。ロボット装置60に内臓された音声検出部(不図示)が人の声を検出したら(ステップS2のYES)、その声をマイク(不図示)によって取り込み(ステップS3)、音声認識(ステップS4)によって、どのような命令がされているのかを判断する(ステップS5)。
【0105】
一方、音声検出部が人の声を検出しない場合(ステップS2のNO)、人のジェスチャをカメラ12によって取り込み(ステップS6)、ジェスチャ認識(ステップS7)によって、どのような命令がされているのかを判断する(ステップS5)。
【0106】
ジェスチャ認識では、あらかじめ複数のパターンを記憶装置(不図示)に記憶しておき、ジェスチャがどのパターンに該当するかを検出することで、命令内容を理解する。
【0107】
次に、ロボット装置60が、現在おかれている状況や周囲の情報に基づいて、命令内容を実行できると判断した場合(ステップS8のYES)、第3のモータ32に駆動指令信号を送り、開閉部材20によって外筐体1の開口部2を開閉する(ステップS9)。これによって、ロボット装置60は、コミュニケーションの意思表示として、片目のまぶたを閉じる、いわゆるウインクを行う。
【0108】
一方、ロボット装置60が命令内容を実行できないと判断した場合(ステップS8のNO)、再び音声検出部で人の声の検出を行う。
【0109】
なお、本発明は、前記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0110】
【発明の効果】
本発明によれば、装置の構成を大型化することなく、カメラや駆動手段等を外部環境から保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るアクティブカメラ装置の構成を示す斜視図。
【図2】 同実施の形態に係る球状カメラユニットの構成をXZ平面で切断して示す断面図。
【図3】 同実施の形態に係る球状カメラユニットの構成をYZ平面で切断して示す断面図。
【図4】 同実施の形態に係るカメラ支持部材と開閉部材が連動して動く様子を示し、(a)はカメラ支持部材が回転する前の状態を示す概略図、(b)はカメラ支持部材が回転している状態を示す概略図、(c)はカメラ支持部材13が回転している状態を示す概略図。
【図5】 同実施の形態に係るカメラ支持部材と開閉部材の連動機構を解除する工程を示し、(a)は連動機構が解除されていない状態を示す概略図、(b)は連動機構が解除された状態を示す概略図、(c)は連動機構が解除された後に開閉部材によって外筐体の開口部を閉じる状態を示す概略図。
【図6】 本発明の第2の実施の形態に係るアクティブカメラ装置の構成を示し、(a)は装置全体を切断して示す斜視図、(b)は装置全体を切断して示す断面図。
【図7】 同実施の形態に係る開閉部材によって外筐体の開口部を閉成する様子を示し、(a)は外筐体の開口部が全開である状態を示す概略図、(b)は外筐体の開口部が開閉部材によって少し覆われた状態を示す概略図、(c)は外筐体の開口部が開閉部材によって完全に覆われた状態を示す概略図。
【図8】 同実施の形態に係るアクティブカメラ装置の変形例の構成を示す斜視図。
【図9】 本発明の第3の実施の形態に係るアクティブカメラ装置の構成を示す断面図。
【図10】 同実施の形態に係るレンズ駆動装置の構成を示すブロック図。
【図11】 同実施の形態に係る開閉部材の内面に設けられるターゲットを示す概略図。
【図12】 本発明の第4の実施の形態に係るアクティブカメラ装置が転動する様子を示し、(a)は重心位置が最も低い位置にある状態を示す概略図、(b)は重心位置を最も低い位置から少しずらした状態を示す概略図。
【図13】 同実施の形態に係るアクティブカメラ装置の転動が外部環境によって規制された状態を示す概略図。
【図14】 本発明の第5の実施の形態に係るロボット装置の構成を示す概略図。
【図15】 同実施の形態に係るロボット装置と人がコミュニケーションを行う際の制御フローチャートを示す工程図。
【符号の説明】
1…外筐体、2…開口部、4…筐体固定部材(支持部材)、6…第1のモータ(第1のカメラ駆動手段)、9…弧状ジンバル(半環状部材)、10…軸部材、11…取付板(取付部材)、12…カメラ、17…第2のモータ(第2のカメラ駆動手段)、20…開閉部材、24…カメラ支持手段、32…第3のモータ(開閉部材駆動手段)、44…レンズ駆動装置(レンズ駆動手段)、42…1群レンズ、43…2群レンズ、48…ターゲット、52…重心位置、51…無線モジュール(無線通信手段)、60…ロボット装置。

Claims (4)

  1. 開口部を有する球殻状の外筐体と、
    前記外筐体の内部に前記開口部を通して前記外筐体の外部を撮像可能に配置されたカメラと、
    前記外筐体の内部に前記球中心周りに回転可能に設けられた、前記開口部を開閉する開閉部材と、
    前記外筐体の内部に設けられ、前記カメラを前記外筐体の球中心で互いに交差する第1の軸と第2の軸の周りに回転可能に支持する球殻状の支持部材を含むカメラ支持手段と、
    前記外筐体の内部に設けられ、前記カメラを前記第1の軸の周りに回転駆動する第1のカメラ駆動手段と、
    前記外筐体の内部に設けられ、前記カメラを前記第2の軸の周りに回転駆動する第2のカメラ駆動手段と、
    前記支持部材と前記開閉部材を連動させる連動機構とを具備し、
    前記連動機構は、前記支持部材の外周面上に突出して設けられる係合ピンと、前記開閉部材に前記第2の軸の周り回転方向に対して短く、前記第1の軸の周りの回転方向に対して長く形成された、前記係合ピンと係合する係合穴とを有することを特徴とするカメラ装置。
  2. 前記開閉部材の外面両端部に軸心が前記第2の軸とほぼ一致するようにそれぞれ突設された一対の支持ピンをさらに具備し、前記支持ピンは前記外筐体の前記第2の軸と交差する位置に形成された第1の穴と、前記外筐体の前記第1の穴から偏心した位置に形成された第2の穴とを有する支持穴によって支持されており、前記開閉部材を前記支持部材から離間する方向に引き上げた際に前記支持ピンの位置が前記第1の穴から前記第2の穴に移動して前記係合ピンが前記係合ピンから抜脱されることにより、前記支持部材と前記開閉部材との連動が解除されることを特徴とする請求項1記載のカメラ装置。
  3. 開口部を有する球殻状の外筐体と、
    前記外筐体の内部に前記開口部を通して前記外筐体の外部を撮像可能に配置された眼球として機能するカメラと、
    前記外筐体の内部に前記球中心周りに回転可能に設けられた、前記開口部を開閉することによりまぶたとして機能する開閉部材と、
    前記外筐体の内部に設けられ、前記カメラを前記外筐体の球中心で互いに交差する第1の軸と第2の軸の周りに回転可能に支持する球殻状の支持部材を含むカメラ支持手段と、
    前記外筐体の内部に設けられ、前記カメラを前記第1の軸の周りに回転駆動する第1のカメラ駆動手段と、
    前記外筐体の内部に設けられ、前記カメラを前記第2の軸の周りに回転駆動する第2のカメラ駆動手段と、
    前記支持部材と前記開閉部材を連動させる連動機構とを具備し、
    前記連動機構は、前記支持部材の外周面上に突出して設けられる係合ピンと、前記開閉部材に前記第2の軸の周り回転方向に対して短く、前記第1の軸の周りの回転方向に対して長く形成された、前記係合ピンと係合する係合穴とを有することを特徴とするロボット装置。
  4. 前記開閉部材の外面両端部に軸心が前記第2の軸とほぼ一致するようにそれぞれ突設された一対の支持ピンをさらに具備し、前記支持ピンは前記外筐体の前記第2の軸と交差する位置に形成された第1の穴と、前記外筐体の前記第1の穴から偏心した位置に形成された第2の穴とを有する支持穴によって支持されており、前記開閉部材を前記支持部材から離間する方向に引き上げた際に前記支持ピンの位置が前記第1の穴から前記第2の穴に移動して前記係合ピンが前記係合ピンから抜脱されることにより、前記支持部材と前記開閉 部材との連動が解除されることを特徴とする請求項1記載のカメラ装置。
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