JP4239263B2 - 車輌用周辺確認装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌の周辺、特に、前輪及びその周辺の、通常、死角となる部分の状況を確認するのに好適な車輌用周辺確認装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
先ず、従来技術の車輌用周辺確認装置を図4を参照しながら説明する。
図4は従来技術の車輌用周辺確認装置による車輌本体の左側方周辺部分の確認範囲を示す平面図である。
【0003】
従来の車輌用周辺確認装置(以下、単に「周辺確認装置」と略記する)の一つとして、現在、最も普及しているものに車輌本体2の側面部の前方ドア3に取り付けられたドアミラー4がある。このドアミラー3による車輌本体2の周辺確認範囲は、図4に示したように、そのドアミラー4が取り付けられている部分の側面、及びその後方部分の斜線Cで示した視界に留まり、ドライバーPから見たドアミラー4の直下及び前輪、特に右運転席7のドライバーPから見た左前輪、或いは特に左運転席7のドライバーPから見た右前輪及びその周辺部分は死角になる。
【0004】
このような死角を監視するものとして、従来は、フェンダー5部分に小型ミラ6を取り付けて、前記死角の改善を計ったものもあったが、斜線Bで示した部分までしか監視の視界を改善することができず、前輪部分及びその周辺部分からその前方方向まで監視することができなかった。
【0005】
これらの課題を解決する一手段としては、本発明者が発明し、本出願人が平成10年8月21日に出願した特許願平10−235107号「車輌用周辺確認装置」を挙げることができる。
この先願の発明の車輌用周辺確認装置(これも以下、単に「周辺確認装置」と略記する)は次のようなものであり、以下、図を参照しながら先願発明の実施形態の周辺確認装置を説明する。
図5は先願発明の実施形態の周辺確認装置を備えた車両及びその車輌本体の左側方周辺部分の監視範囲を示す平面図であり、図6は図5に示した車両の周辺確認装置の一部拡大斜視図であり、そして図7は図6に示した周辺確認装置の内のカメラ装置の取付け構造を示す断面図である。
【0006】
この周辺確認装置10は、車輌本体2の前方ドア3のヒンジ部側に取り付けられ、ミラー12(図7)がドアミラー用ハウジング11に装着されたドアミラー13と、そのドアミラー13の前記ミラー12の鏡面側とは反対側の前記ドアミラー用ハウジング11の背面14に、車輌1の前輪(不図示)及びその周辺部分を監視するために取り付けられた、例えば、CCD(Chaege CoupledDevice) などの固体撮像素子からなるカメラ装置20とから構成されている。そして、このカメラ装置20の出力側は、前記車輌本体2内の運転席7近傍に配設されている、例えば、液晶表示パネルの映像表示装置30(図5)に接続されており、前記カメラ装置20で撮影した映像を表示する。
【0007】
前記カメラ装置20は、図6及び図7に示したように、ドアミラー用ハウジング11の車輌本体2側からできるだけ離れたドアミラー13のドアミラー用ハウジング11の背面14の先端下方部に回動自在に取り付けられている。その先端下方部の収納凹部15に回動自在に取り付けられるカメラ装置20は、対物レンズ21を通じて入射する光像を電気信号に変換するCCDのような固体撮像素子からなるカメラ本体22を備えており、前記運転席7に配設されている前記映像表示装置30に不図示のハーネスを介して映像信号を送出する。
これら対物レンズ21及びカメラ本体22は電子回路基板兼取付け基板23を介してカメラ収納用ハウジング24の内部に収納、固定されている。
【0008】
前記カメラ収納用ハウジング24は前記ドアミラー用ハウジング11の収納凹部15の形状に沿ったカップ状の構造で形成されており、その底面の裏面には半球状の凹面を備えた取付け凹部25とその底面中央部から取付け凹部25へ貫通する貫通孔26が形成されている。
一方の前記収納凹部15の底部には、逆に、前記半球とほぼ直径が同一の半球状の凸面を備えた取付け凸部16がカメラ装置20の収納側に突出して形成されており、そしてその中心部には凸面側に開口が開く比較的直径の大きい漏斗状の貫通孔17が形成されている。更にまた、この取付け凸部16の裏面には半球面の凹部とこの内周面に連続するほぼ円筒面を備えた円筒状枠とからなる摺動軸取付け部18が形成されている。
【0009】
前記カメラ収納用ハウジング24は、その取付け凹部25を前記収納凹部15の取付け凸部16に、それぞれの貫通孔26と貫通孔17とが一致するように合わせて取り付けられ、そしてミラー12側から両貫通孔17、26に頭部が球状に形成されている摺動軸27を挿入して取付け凹部25のカメラ収納用ハウジング24内側からナット28で締め付けて取り付けられている。この後、カメラ本体22と電子回路基板兼取付け基板23をカメラ収納用ハウジング24内に固定し、そしてそのカメラ収納用ハウジング24の前面開口部を透明カバー29で閉鎖する。前記摺動軸取付け部18の外周面はリング状のバネ19で締め付けられる。このような構造で先願発明の実施形態の周辺確認装置10が構成されている。
【0010】
従って、カメラ装置20は、前記摺動軸27を中心にしてカメラ収納用ハウジング24の取付け凹部25をドアミラー用ハウジング11の収納凹部15の取付け凸部16の表面を摺動させることにより、図7に矢印で示したように、上下左右に自在に回動させることができる。このカメラ装置20の前記回動構造に電気モータ(不図示)の動力を伝達する伝達装置を連結させておけば、ドライバーPは運転席7からカメラ装置20の回動角を制御することができる。
【0011】
従って、ドライバーPはカメラ装置20を制御し、必要に応じてカメラ装置20を前方斜め下に向ければ車輌1の前輪及びその周辺部分の状況を確認でき、また、運転中、カメラ装置20を前方に向ければ前方方向の情景を時々刻々確認することができ、図5に斜線Aで示したように、この車輌1の視界を広めることができる。
更にまた、通常、ドアミラー13そのものは、運転席7から電動で、左右の開閉角のみならず仰角をも制御することができるので、ドアミラー13そのものを斜め下に向ければ、前記カメラ装置20で一層ドアミラー13の取付け直下の状況を確認することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記先願発明の周辺確認装置10では、前記ドアミラー用ハウジング11の背面14に収納凹部15が形成されており、そこに取り付けられたカメラ装置20がドアミラー用ハウジング11の背面14から突出しているために、ドアミラー用ハウジング11の背面14全面が整った流れるような曲面、即ち、流線型にはならず、デザインがすっきりせず、また、ドアミラー用ハウジング11の背面14はまともに風が当たり、風切り音が発生し易い。
更にまた、ドアミラー13が何らかの障害物に当たった場合、カメラ装置20部分に力が集中し、ドアミラー13が閉じられる前にカメラ装置部分が壊れてしまう。
【0013】
本発明は、これらの課題を解決しようとするものであって、構造、構成が簡単で、ハウジングの背面も、デザイン上、流線型に仕上げることができて風切り音の発生を低減でき、そして外力によるカメラ装置の損傷を防止でき、そして車輌本体の後方部のみならず前方の死角部分、特に前輪部分やその周辺部分にわたる状況の確認も可能な周辺確認装置を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
従って、請求項1に記載の本発明の周辺確認装置では、一方の側は一部に透光部が形成された流線型面で形成され、他方の反対側は開口しているハウジングの内部にカメラ装置が組み込まれ、前記開口にミラーが装着されている車輌用周辺確認装置において、前記カメラ装置を、透光部が形成されたカメラ収納用ハウジングの前記透光部に光軸屈折光学部品の入射光側が臨むように、その光軸屈折光学部品の出射光側に前記小型電子カメラの入射光が対向するように収納してユニット化し、これを前記ハウジングの背面の内面に取り付けて構成することにより、前記課題を解決している。
【0015】
従って、請求項1に記載の本発明によれば、カメラ装置をハウジングの形状に合わせて内蔵させることができ、例えば、ハウジングが車輌のドアミラー用ハウジングであれば、通常のドアミラー用ハウジングの外観を大幅に変更することなく、流線型を保ったまま構成でき、風切り音の発生を軽減できる。
また、請求項1に記載の本発明によれば、カメラ装置を密閉、ユニット化することにより、ミラーハウジングへの組み込みが極めて容易になり、そして雨水などの進入を遮断できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら本発明の実施形態の周辺確認装置を備えた車両を説明する。
図1は車輌の一部分に取り付けられた本発明の実施形態の周辺確認装置の全体像を背面から示した斜視図であり、図2は図1に示した車輌の周辺確認装置の透視拡大上面図であり、そして図3は図1に示した車輌の周辺確認装置の透視拡大正面図である。
【0017】
先ず、図1乃至図3を参照しながら、本発明の実施形態の周辺確認装置の構成及びその構造を説明する。
図1において、符号30は車輌1の前方左側ドア3に取り付けた、本発明の実施形態の周辺確認装置を指す。
この周辺確認装置30は、車輌1の前方左側ドア3のヒンジ部側に取り付けられ、ミラー32(図2、図3)がドアミラー用ハウジング31に装着されたドアミラー33と、そのドアミラー33のミラー32の鏡面側とは反対側のドアミラー用ハウジング31の背面34の内部に沿って、車輌1の左側前輪(不図示)及びその周辺部分を監視するために取り付けられた、例えば、CCDなどの固体撮像素子からなるカメラ装置40とから構成されている。そして、このカメラ装置40の出力側は、前記車輌1内の運転席近傍に配設されている、例えば、液晶表示パネルの映像表示装置(不図示)に接続されており、前記カメラ装置40で撮影した映像を表示する。
【0018】
前記ドアミラー用ハウジング31は、通常のドアミラーのドアミラー用ハウジングのように、その背面34が風が渦巻くことなく流れるように流線型の形状で形成されており、その正面側は全面が開口している。前記背面34のヒンジ部側より遠い側のやや下方部分には小孔35が開けられ、その小孔35を透明カバー36で覆って透光部が形成されている。前記小孔35はドアミラー用ハウジング31の車輌本体2側からできるだけ離れた背面34の先端下方部に取り付けることが望ましい。
前記ドアミラー用ハウジング31は、通常、樹脂成形で一体的に形成されており、このように樹脂成形する場合には、前記小孔35と透明カバー36とからなる透光部に代えて、2色成形法を用い、透明な樹脂で前記小孔35と透明カバー36に相当する部分を成形し、透光部を形成するようにしてもよいことを付言しておく。
なお、以下の説明では、「透光部」が「小孔35」と「透明カバー36」とで形成されているものとして説明する。
【0019】
前記ミラー32は、図2及び図3に示したように、ドアミラー用ハウジング31の正面の開口部分に取り付けられている。そのミラー32はドアミラー用ハウジング31の内部のほぼ中央部に固定されたミラー駆動装置37に回動自在に支持されている。ミラー32の裏面中央部は前記ミラー駆動装置37の回動自在軸38に取り付けられており、そしてそのミラー32の周辺部を駆動軸39Aで支持して左右の視野角を調整できるように構成されている。ミラー32の上下方向の視野角の調整は図3に示した他の駆動軸39Bで行われる。
【0020】
前記カメラ装置40は、図2に示したように、プリズム、カメラ収納用ハウジング41、反射鏡などの光軸屈折光学部品42、CCDのような小型電子カメラ本体(以下、単に「カメラ本体」と略記する)43などから構成されており、そのカメラ収納ハウジング41内に後記する構成で光軸屈折光学部品42とカメラ本体43とが収納されてユニット化されている。
前記カメラ収納用ハウジング41は二分されており、前記小孔35に嵌合する大きさの開口部411が開けられたハーフ41Aと、このハーフ41Aに嵌合し、カバーとなる他のハーフ41Bとから構成されている。
【0021】
このようなカメラ収納用ハウジング41の前記開口部411に光軸屈折光学部品42の入射光側が臨むように、光軸屈折光学部品42を配設し、その光軸屈折光学部品42の出射光側にCCDなどのカメラ本体43の入射光側を対向、配設させた構造で構成されている。図示の実施形態では、光軸屈折光学部品42としてプリズムが用いられている。
前記のようにカメラ本体43及び光軸屈折光学部品42とはカメラ収納用ハウジング41で密閉されてユニット化されているので、ドアミラー用ハウジング31への組み込みが極めて容易となり、また、雨水などの進入を遮断することができる。
【0022】
このようにカメラ収納用ハウジング41に内蔵されたカメラ装置40は、プリズム42の入射光側がドアミラー用ハウジング31の背面34の前記小孔35に臨むように、そしてそのプリズム42で光軸Lが屈曲されて出射する出射光側に対向して入射光側が配設されている前記カメラ本体43がドアミラー用ハウジング31の背面34の内面に沿うように取り付けられている。
そしてカメラ本体43は、不図示のハーネスを介して運転席に配設されている映像表示装置に映像信号を送出する。
【0023】
なお、前記ドアミラー33そのものは、一般的なドアミラーと同様に、小型モーター、歯車などで構成されているドアミラー開閉装置50(詳細は省略する)により駆動されて、ドアミラー33の使用時は、図2及び図3に示したように、ドア3側から開かれ、不使用時はドア3側に折り畳まれるように構成されている。
以上説明したような構造で、本発明の実施形態の周辺確認装置30は構成されているものである。
【0024】
従って、ドライバーPは、図2に示した視野角でカメラ装置40が撮像する車輌1の運転席から遠い左側の前方斜め下の前輪及びその周辺部分の状況を映像表示装置の画面上で確認でき、図5の斜線Aで示したように、この車輌1の視界を広めることができる。
【0025】
前記の実施形態では、右ハンドルの車輌1の、特に左側フェンダー直下の死角を確認(監視)できる周辺確認装置30として図示して説明したが、左ハンドルの車輌1であっても、右側の前輪及びその周辺部分も死角になるため、車輌1の右側のドアミラーにも、本発明の周辺確認装置を適用できることは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態の車輌用周辺確認装置によれば、車輌の前方の状況のみならず、前方斜め下の状況、特に前輪及びその周辺部分の状況を確認することができ、死角を逓減して視界を拡大し、安全運転を行うことができる他、ハウジングの背面の流線型の形状を維持できるのでデザインがすっきりし、風切り音の発生を抑えられ、そしてカメラ装置がハウジング内に収納されているため、外力による衝撃からカメラ装置を保護でき、更に、カメラ装置がユニット化されているので、組立が極めて容易であり、雨水などの進入を遮断できるなど、数々の優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車輌の一部分に取り付けられた本発明の実施形態の周辺確認装置の全体像を背面から示した斜視図である。
【図2】 図1に示した車輌の周辺確認装置の透視拡大上面図である。
【図3】 図1に示した車輌の周辺確認装置の透視拡大正面図である。
【図4】 従来技術の車輌用周辺確認装置による車輌本体の左側方周辺部分の確認範囲を示す平面図である。
【図5】 先願発明の実施形態の周辺確認装置を備えた車両及びその車輌本体の左側方周辺部分の監視範囲を示す平面図である。
【図6】 図5に示した車両の周辺確認装置の一部拡大斜視図である。
【図7】 図6に示した周辺確認装置の内のカメラ装置の取付け構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1…車輌、2…車輌本体、3…前方左側ドア、33…ドアミラー、30…本発明の実施形態の車輌用周辺確認装置、31…ドアミラー用ハウジング、32…ミラー、33…ドアミラー、34…ドアミラー用ハウジング31の背面、35…小孔、36…透明カバー、37…ミラー駆動装置、40…カメラ装置、41…カメラ収納用ハウジング、41A,41B…カメラ収納用ハウジング41のハーフ、32…光軸屈折光学部品(プリズム)、43…カメラ本体、50…ドアミラー開閉装置
Claims (4)
- 一方の側は一部に透光部が形成された流線型面で形成され、他方の反対側は開口しているハウジングの内部にカメラ装置が組み込まれ、前記開口にミラーが装着されている車輌用周辺確認装置において、
前記カメラ装置は、透光部が形成されたカメラ収納用ハウジングの前記透光部に光軸屈折光学部品の入射光側が臨むように、その光軸屈折光学部品の出射光側に前記小型電子カメラの入射光が対向するように収納されてユニット化されており、
前記ユニット化されたカメラ装置が前記ハウジングの背面の内面に沿って取り付けられていることを特徴とする車輌用周辺確認装置。 - 前記ハウジングがドアミラー用ハウジングであることを特徴とする請求項1記載の車輌用周辺確認装置。
- 前記ミラーが前記ハウジング内で上下左右方向に回動できるように取り付けられていることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の車輌用周辺確認装置。
- 前記ハウジングが車輌に対して開閉自在に取り付けられていることを特徴とする請求項2及び請求項3に記載の車輌用周辺確認装置。
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