JP3873628B2 - トランクリッドのロック機構取付構造および取付方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、トランクリッドと車体本体とのいずれか一方にストライカを、他方にこのストライカに係合するロックをそれぞれ備えたトランクリッドのロック機構取付構造および取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、自動車におけるトランクリッド1に設けたロック3が、車体本体5に設けたストライカ7に係合して噛み合い、施錠された状態を示している。このとき、施錠を確実にするために、トランクリッド1に設定してあるロック3の、車体本体5側の回転中心Pを中心とした回転軌跡Rが、ストライカ7に対して直交するようレイアウトされている。
【0003】
また、ロック3はトランクリッド1のインナパネルに固定された状態であるが、ストライカ7は、ボルト9により位置調整可能に取り付けられる。図7はその詳細を示しており、車体本体5側のボルト挿入孔11は調整が可能なように、大きめに形成してある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した構造においては、トランクリッド1の全閉時における外観品質を決定する車体表面との面差を目標値とするための調整は、トランクリッド1の上面の後端部Aを基準とし、図6および図7に示す施錠状態にてストライカ7を、ストライカ7に係合しているロック3およびトランクリッド1とともに車体本体5に対して上下させることで行っている。
【0005】
例えば、トランクリッド1の後端部Aが車体本体に対して上方にずれている場合には、図7に示すように、ストライカ7を実線位置から二点鎖線で示す位置まで下げることによって、ロック3を介して連結状態のトランクリッド1の後端部Aも同様に下方に移動し、車体本体5の上面との面差が調整される。
【0006】
ところが、上記した面差の調整には、ストライカ7とともにロック3も下方に移動すると同時に、ロック3のストライカ7との噛み合い部Qがストライカ7に対して斜め上方にスライド移動することから、このスライド移動に伴ってトランクリッド1は車体前方(図7中で左方向)にも寸法Yだけ移動してしまうことになる。したがって、後端部Aを基準とした車体上面の面差が調整できても、トランクリッド1の後面については車体本体5の後面に対してずれが発生し、外観品質の低下を招いている。
【0007】
通常、上記した調整には、組立ライン内の時間では困難なため、組立のオフライン直後に、ストライカ取付用のボルト9を再度緩めてハンマで叩き行っている。この調整作業は、トランクリッド1の開閉動作を繰り返し、面差を目視または触感でチェックしながら行うなど、熟練された技能が要求され、1台あたり1分程度の時間を要するなど、目標品質確保のための作業効率が極めて悪いものとなっている。
【0008】
また、ストライカ7は、図7に示すように、ボルト9により、大きめのボルト挿入孔11を利用して車体本体5に取り付けられているため、2本のボルト9を用いているものの、上記した調整作業において、ストライカ7が車体後方から見て左右に回転してしまい、この状態で施錠すると、トランクリッド1も全閉状態ではロック3を介して同方向に回転変位し、この結果トランクリッド1の車体本体5に対する左右の隙間が不均一となって外観品質の悪化を招くことになる。
【0009】
そこで、この発明は、トランクリッド後面の車体本体の後面に対する適正な面差を確保しつつ、トランクリッド上面の車体本体の上面に対する面差調整を確実に行い、外観品質を向上させることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、トランクリッドと車体本体とのいずれか一方にストライカを、他方にこのストライカに係合するロックをそれぞれ備え、前記トランクリッドに設定する前記ストライカとロックとのいずれか一方を、前記トランクリッドに対し、トランクリッドの後面と平行な傾斜面に沿って相対的に調整移動可能とし、前記傾斜面における、前記ストライカとロックとのいずれか一方および前記トランクリッドの相互に対向する部位に、互いに噛み合う水平方向に延長される多数の溝がそれぞれ形成され、前記ストライカとロックとのいずれか一方に、前記溝の延長方向と交差する上下方向に長い締結具挿入用の長孔を設ける一方、前記トランクリッドに締結具挿入用の丸孔を設け、前記ストライカとロックとのいずれか一方を、締結具を前記長孔および丸孔に順次挿入して前記トランクリッドに仮締めする際に、前記ストライカとロックとのいずれか一方が、前記トランクリッドに対して最下端となるよう前記締結具が前記長孔の最上端に位置している構成としてある。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明の構成において、ストライカとロックとのいずれか一方に設けた溝の断面形状は、下方に向けて突出する鋸歯形状を呈し、この各鋸歯の突起の上部に摺動傾斜面を備え、トランクリッド側に設けた溝の断面形状は、上方に向けて突出して前記鋸歯形状に整合する鋸歯形状を呈し、この各鋸歯の突起の下部に前記摺動傾斜面に対して相互に摺接移動する摺動傾斜面を備えている構成としてある。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明の構成において、多数の溝は、ストライカとロックとのいずれか一方に設けたスペーサブロックと、トランクリッドに設けたスペーサブロックとに、それぞれ形成される構成としてある。
【0014】
請求項4の発明は、請求項3の発明の構成において、ストライカとロックとのいずれか一方に設けたスペーサブロックは、前記ストライカとロックとのいずれか一方に一体化している構成としてある。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項の発明の構成において、ストライカとロックとのいずれか一方は、トランクリッドに対し、弾性体を介してボルト締結される構成としてある。
【0016】
請求項6の発明は、請求項5の発明の構成において、弾性体は、スプリングワッシャで構成してある。
【0017】
請求項7の発明は、請求項5の発明の構成において、弾性体は、ゴムで構成してある。
【0018】
請求項8の発明は、トランクリッドと車体本体とのいずれか一方にストライカを、他方にこのストライカに係合するロックをそれぞれ備え、前記トランクリッドに設定する前記ストライカとロックとのいずれか一方を、前記トランクリッドに対し締結具により仮締めした後、前記ストライカにロックを係合させ、この係合状態で、前記トランクリッドの上部と車体本体の上部との面差を調整すべく前記トランクリッドをこのトランクリッドに設定するストライカとロックとのいずれか一方に対し、前記トランクリッドの後面と平行な傾斜面に沿って調整移動させた後、前記締結具を締結固定するトランクリッドのロック機構取付方法であって、前記傾斜面における、ストライカとロックとのいずれか一方およびトランクリッドの相互に対向する部位に、互いに噛み合う水平方向に延長される多数の溝がそれぞれ形成され、前記ストライカとロックとのいずれか一方に、前記溝の延長方向と交差する上下方向に長い締結具挿入用の長孔を設ける一方、前記トランクリッドに締結具挿入用の丸孔を設け、前記ストライカとロックとのいずれか一方を、締結具を前記長孔および丸孔に順次挿入して前記トランクリッドに仮締めする際に、前記ストライカとロックとのいずれか一方を、前記トランクリッドに対して最下端となるよう前記締結具を前記長孔の最上端に位置させるロック機構取付方法としてある。
【0019】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、トランクリッドに設定するストライカとロックとのいずれか一方を、トランクリッドに対し、トランクリッドの後面と平行な傾斜面に沿って相対的に調整移動可能としたので、ストライカとロックとが相互に係合する施錠状態で、トランクリッドを、その上部の車体本体側上部との面差調整のため上下方向に移動させても、トランクリッドは、ストライカとロックとのいずれか一方に対し前記傾斜面に沿って移動するので、トランクリッドの後面の車体本体の後面に対する面差が変化することなく適正に維持され、外観品質向上に寄与することができる。
また、傾斜面における、ストライカとロックとのいずれか一方およびトランクリッドの相互に対向する部位に、互いに噛み合う水平方向に延長される多数の溝が形成されているので、トランクリッドに設定するストライカとロックとのいずれか一方は、回転することなく溝に沿って車幅方向に移動し、トランクリッドと車体本体との左右隙間を一定に確保することができる。
さらに、ストライカとロックとのいずれか一方に、溝の延長方向と交差する上下方向に長い締結具挿入用の長孔を設ける一方、トランクリッドに締結具挿入用の丸孔を設け、ストライカとロックとのいずれか一方を、締結具を長孔および丸孔に順次挿入してトランクリッドに仮締めする際に、トランクリッドに対して最下端となるよう締結具を長孔の最上端に位置させるようにしたので、仮締め状態からトランクリッドを押し下げることで、締結具が、ストライカとロックとのいずれか一方の長孔に沿って下方に移動し、車体本体の上部に対して上方に位置して面差がずれた状態のトランクリッドを、車体本体に対する面差を調整することができる。
【0021】
請求項2の発明によれば、ストライカとロックとのいずれか一方に設けた溝の断面形状は、下方に向けて突出する鋸歯形状を呈し、この各鋸歯の突起の上部に摺動傾斜面を備え、トランクリッド側に設けた溝の断面形状は、上方に向けて突出して前記鋸歯形状に整合する鋸歯形状を呈し、この各鋸歯の突起の下部に前記摺動傾斜面に対して相互に摺接移動する摺動傾斜面を備えているので、トランクリッドを車体本体に対して下方に移動させてトランクリッドと車体本体との上部の面差を調整する際に、トランクリッド側の摺動傾斜面と、ストライカとロックとのいずれか一方の摺動傾斜面とが相互に摺動し、調整作業がスムーズになされる。
【0022】
請求項3の発明によれば、多数の溝は、ストライカとロックとのいずれか一方に設けたスペーサブロックと、トランクリッドに設けたスペーサブロックとに、それぞれ形成されているので、トランクリッドに設定するストライカとロックとのいずれか一方は、回転することなく溝に沿って車幅方向に移動し、トランクリッドと車体本体との左右隙間を一定に確保することができる。
【0023】
請求項4の発明によれば、ストライカとロックとのいずれか一方に設けたスペーサブロックは、前記ストライカとロックとのいずれか一方に一体化しているので、部品点数が少なくて済む。
【0024】
請求項5の発明によれば、ストライカとロックとのいずれか一方は、トランクリッドに対し、弾性体を介してボルト締結されるので、ストライカとロックとのいずれか一方をトランクリッドに対し確実に仮締めすることができ、この仮締め状態で、トランクリッドをストライカとロックとのいずれか一方に対し傾斜面に沿って上下に移動させて面差の調整を行うことができる。
【0025】
請求項6の発明によれば、弾性体は、スプリングワッシャで構成されているので、ストライカとロックとのいずれか一方をトランクリッドに対し確実に仮締めすることができ、この仮締め状態で、トランクリッドをストライカとロックとのいずれか一方に対し傾斜面に沿って上下に移動させて面差の調整を行うことができる。
【0026】
請求項7の発明によれば、弾性体は、ゴムで構成されているので、ストライカとロックとのいずれか一方をトランクリッドに対し確実に仮締めすることができ、この仮締め状態で、トランクリッドをストライカとロックとのいずれか一方に対し傾斜面に沿って上下に移動させて面差の調整を行うことができる。
【0027】
請求項8の発明によれば、トランクリッドと車体本体とのいずれか一方にストライカを、他方にこのストライカに係合するロックをそれぞれ備え、前記トランクリッドに設定する前記ストライカとロックとのいずれか一方を、前記トランクリッドに対し締結具により仮締めした後、前記ストライカにロックを係合させ、この係合状態で、前記トランクリッドの上部と車体本体の上部との面差を調整すべく前記トランクリッドをこのトランクリッドに設定するストライカとロックとのいずれか一方に対し、前記トランクリッドの後面と平行な傾斜面に沿って調整移動させた後、前記締結具を締結固定するようにしたので、トランクリッドの後面の車体本体の後面に対する面差が変化することなく適正に維持され、外観品質向上に寄与することができる。
また、傾斜面における、ストライカとロックとのいずれか一方およびトランクリッドの相互に対向する部位に、互いに噛み合う水平方向に延長される多数の溝が形成されているので、トランクリッドに設定するストライカとロックとのいずれか一方は、回転することなく溝に沿って車幅方向に移動し、トランクリッドと車体本体との左右隙間を一定に確保することができる。
さらに、ストライカとロックとのいずれか一方に、溝の延長方向と交差する上下方向に長い締結具挿入用の長孔を設ける一方、トランクリッドに締結具挿入用の丸孔を設け、ストライカとロックとのいずれか一方を、締結具を長孔および丸孔に順次挿入してトランクリッドに仮締めする際に、トランクリッドに対して最下端となるよう締結具を長孔の最上端に位置させるようにしたので、仮締め状態からトランクリッドを押し下げることで、締結具が、ストライカとロックとのいずれか一方の長孔に沿って下方に移動し、車体本体の上部に対して上方に位置して面差がずれた状態のトランクリッドを、車体本体に対する面差を調整することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0029】
図1は、この発明の実施の一形態を示すトランクリッドのロック機構取付構造を示している。車体本体13側にはストライカ15が2本のボルト17によって締結固定されている。一方、ストライカ15に係合して噛み合うロック19は、トランクリッド21のアウタパネル23と一体化しているインナパネル25に取り付けられている。
【0030】
上記したロック19とインナパネル25との間には、リッド側スペーサブロック27とロック側スペーサブロック29とがそれぞれ介装されて、ボルト31ににより締結固定されている。ロック19およびインナパネル25には、上記したボルト31を挿入するボルト挿入孔19aおよび25aがそれぞれ形成され、ボルト31の頭部31aとロック19との間には、弾性体としてのスプリングワッシャ33が介装されている。
【0031】
なお、ロック側スペーサブロック29は、ロック19に対してあらかじめ固定されていても、固定されていなくても構わない。
【0032】
そして、上記したリッド側スペーサブロック27とロック側スペーサブロック29との合わせ面Sは、トランクリッド21の車体本体13の後面21aと平行な傾斜面となっている。すなわち、図1中で合わせ面Sの延長線L1とトランクリッド21の後面21aの延長線L2とは、互いに平行である。
【0033】
図2は、リッド側スペーサブロック27およびロック側スペーサブロック29を相互に対向して配置した状態の斜視図で、互いに対向する上記合わせ面Sに対応する部位には、互いに噛み合う水平方向に延長される鋸歯状の溝35および37がそれぞれ多数形成されている。ロック側スペーサブロック29の溝37は、各鋸歯の突起39が下方に向けて突出する一方、リッド側スペーサブロック27の溝35は、鋸歯状の各突起41が、前記した突起39とは逆に上方に向けて突出している。
【0034】
図1のボルト締結完了状態では、ロック側スペーサブロック29の各突起39の上部の摺動傾斜面43が、リッド側スペーサブロック27の各突起41の下部の摺動傾斜面45に密着するとともに、ロック側スペーサブロック29の突起39の下部の斜面47が、リッド側スペーサブロック27の突起41の上部の斜面49に密着する。
【0035】
また、ロック側スペーサブロック29には、上下方向に長い、ボルト31挿入用の長孔51が形成されている。一方、リッド側スペーサブロック27には、前記ボルト31の外径とほぼ同径のボルト挿入用の丸孔53が形成されるとともに、丸孔53の下方には、インナパネル25に形成した仮保持孔25aに挿入されて保持されるフック55が形成されている。
【0036】
次に、作用を説明する。まず、トランクリッド21を車体本体13に対し開放した状態で、リッド側スペーサブロック27をインナパネル25にフック55を利用して仮保持させ、ロック側スペーサブロック29およびロック19を、スプリングワッシャ33を途中まで弾性変形させるべくボルト31により仮締めする。スプリングワッシャ33が撓むので、仮締め状態が確実に維持される。このとき、ロック側スペーサブロック29は、最下端位置に設定しておく。つまり、ボルト31がロック側スペーサブロック29の長孔51の最上端位置となるようにしておく。
【0037】
図3(a)は、上記した仮締め状態を、リッド側スペーサブロック27とロック側スペーサブロック29との位置関係として示している。すなわち、図3(a)では、相互に対向する溝35,37相互間において、摺動傾斜面43,45相互は一部が密着し、斜面47,49相互は離れていて隙間が形成されている。
【0038】
この状態から、トランクリッド21を、ロック19がストライカ15に係合して噛み合うまで静かに閉めて施錠する。なお、この施錠状態では、トランクリッド21の上部は、車体本体13の上部に対して上方に位置して面差がずれているものとし、また、トランクリッド21の後面21aは、車体本体13の後面に対してずれがほとんどなく面差が合っているものとする。
【0039】
その後に、トランクリッド21の上部の車体本体5の上部に対する上下方向の面差を、前記図6に示した後端部Aを基準として調整すべく手で押し下げる。トランクリッド21を押し下げることにより、トランクリッド21のインナパネル25に固定されているリッド側スペーサブロック27も下方へ移動するが、このとき、リッド側スペーサブロック27は、ロック側スペーサブロック29に対し、傾斜している相互の合わせ面Sに沿って移動する。
【0040】
この移動は、図3(b)に示すように、相互の摺動傾斜面43,45が互いに摺接しつつなされ、斜面47と斜面49との間の隙間は図3(a)に比べて大きくなっている。ことのきのリッド側スペーサブロック27とロック側スペーサブロック29とのボルト31の締結方向の位置は、図3(a)の場合に比べて互いに離れた状態にあり、したがってスプリングワッシャ33は図3(a)に比べてより撓んだ状態となる。
【0041】
図3(b)の状態からさらにトランクリッド21を押し下げてリッド側スペーサブロック27を下方に移動させると、図3(b)にて摺接している摺動傾斜面43,45相互が離れ、このリッド側スペーサブロック27の摺動傾斜面45は、図3(a)および(b)で接触していたロック側スペーサブロック29の摺動傾斜面43の下部側の摺動傾斜面43に接触する図3(c)の状態となる。
【0042】
上記したリッド側スペーサブロック27の下方への移動時には、ストライカ15に係合しているロック19は移動せず、したがってロック19とストライカ15との噛み合い状態(図1中の噛み合い位置Q)はそのまま維持される。
【0043】
このとき、リッド側スペーサブロック27とロック側スペーサブロック29とは、スプリングワッシャ33により互いに弾性的に押し付けられているので、ボルト31による仮締め状態が継続して確保されている。
【0044】
リッド側スペーサブロック27とロック側スペーサブロック29との間の傾斜している合わせ面Sは、トランクリッド21の後面21aと平行となっているので、合わせ面Sに沿って移動するトランクリッド21は、車体本体13の後面との面差が適正に確保されたままであり、したがって、トランクリッド21の上面の面差のみの調整が可能となる。
【0045】
また、上記した合わせ面Sにて互いに噛み合う溝35,37は、車幅方向に延長されるものであるから、上記した面差の調整時には、リッド側スペーサブロック27がロック側スペーサブロック29に対し、車幅方向に相対的にスライドするだけであって回転することはなく、したがってリッド側スペーサブロック27が取り付けられているトランクリッド21も同様にして回転せず、トランクリッド21と車体本体13との左右両側の隙間が一定に確保される。
【0046】
次に、図3(c)の状態で、ロック19とストライカ15との施錠をキーなどにより解錠し、さらにトランクリッド21を開放した状態で、ボルト31を本締めすると、上記最適な位置関係が保持されたまま、図3(d)に示すように、摺動傾斜面43,45相互および斜面47,49相互がそれぞれ完全に密着し、リッド側スペーサブロック27とロック側スペーサブロック29とが固定されることになる。
【0047】
このように、上記したトランクリッドのロック機構取付構造によれば、ボルト31を仮締めした後、ストライカ15とロック19とを施錠し、この施錠状態で、トランクリッド21を押し下げるだけで、車体本体13に対する、トランクリッド21の後面21aの面差が影響を受けることなく上面の面差を調整できるので、特別な熟練された技能が不要であり、目標品質確保のための作業効率が向上する。
【0048】
図4は、ロック19に、ロック側スペーサブロック29に形成してある溝37を設けたものである。この場合には、ロック側スペーサブロック29が不要になるので、部品点数の削減が達成される。
【0049】
図5は、弾性体としてスプリングワッシャ33に代えて、ゴム57を用いた例である。(a)の仮締め状態から、ボルト31を締結することで、(b)で示すように、ゴム57がスプリングワッシャ33と同様に大きく撓むことになる。
【0050】
なお、溝35,37の調整ピッチは、0.5mm以下が望ましい。これは、トランクリッド21を0.5mm上下に移動させると、トランクリッド21の回転中心と、ロック部およびトランクリッド21の上面の基準合わせ部(図6中の後端部A)とのそれぞれの位置関係から、後端部Aの上下移動距離は、0.25mm程度であることによる。トランクリッド21の調整ピッチとして0.25mmあれば、トランクリッド21の後端の目標寸法以内に調整するのに充分と言える。
【0051】
また、上記実施の形態に対し、ロック19を図1におけるストライカ15に代えて車体本体13側に固定し、ストライカ15を、図1におけるロック19に代えて取り付けるようにしても、同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態を示すトランクリッドのロック機構取付構造を示す車体側方から見た説明図である。
【図2】図1のロック機構取付構造に使用されるリッド側スペーサブロックおよびロック側スペーサブロックの斜視図である。
【図3】図1のロック機構取付構造の動作説明図で、(a)はボルトを仮締めした状態、(b)は(a)の状態からリッド側スペーサブロックが下方にスライドしている状態、(c)は(b)の状態からスライド移動が完了した状態、(d)はボルトを本締めした状態である。
【図4】ロックに、ロック側スペーサブロックに形成してある溝を直接設けた例を示す説明図である。
【図5】スプリングワッシャに代えてゴムを用いた例を示す説明図であり、(a)はボルト仮締め時の状態、(b)はボルト本締め時の状態である。
【図6】従来例に係わるトランクリッドのロック機構取付構造を示す説明図である。
【図7】図6の要部を拡大して示した調整作業の動作説明図である。
【符号の説明】
13 車体本体
15 ストライカ
19 ロック
21 トランクリッド
21a 後面
27 リッド側スペーサブロック
29 ロック側スペーサブロック
31 ボルト
33 スプリングワッシャ(弾性体)
35,37 溝
43,45 摺動傾斜面
57 ゴム(弾性体)
S 合わせ面(傾斜面)
Claims (8)
- トランクリッドと車体本体とのいずれか一方にストライカを、他方にこのストライカに係合するロックをそれぞれ備え、前記トランクリッドに設定する前記ストライカとロックとのいずれか一方を、前記トランクリッドに対し、トランクリッドの後面と平行な傾斜面に沿って相対的に調整移動可能とし、前記傾斜面における、前記ストライカとロックとのいずれか一方および前記トランクリッドの相互に対向する部位に、互いに噛み合う水平方向に延長される多数の溝がそれぞれ形成され、前記ストライカとロックとのいずれか一方に、前記溝の延長方向と交差する上下方向に長い締結具挿入用の長孔を設ける一方、前記トランクリッドに締結具挿入用の丸孔を設け、前記ストライカとロックとのいずれか一方を、締結具を前記長孔および丸孔に順次挿入して前記トランクリッドに仮締めする際に、前記ストライカとロックとのいずれか一方が、前記トランクリッドに対して最下端となるよう前記締結具が前記長孔の最上端に位置していることを特徴とするトランクリッドのロック機構取付構造。
- ストライカとロックとのいずれか一方に設けた溝の断面形状は、下方に向けて突出する鋸歯形状を呈し、この各鋸歯の突起の上部に摺動傾斜面を備え、トランクリッド側に設けた溝の断面形状は、上方に向けて突出して前記鋸歯形状に整合する鋸歯形状を呈し、この各鋸歯の突起の下部に前記摺動傾斜面に対して相互に摺接移動する摺動傾斜面を備えていることを特徴とする請求項1記載のトランクリッドのロック機構取付構造。
- 多数の溝は、ストライカとロックとのいずれか一方に設けたスペーサブロックと、トランクリッドに設けたスペーサブロックとに、それぞれ形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のトランクリッドのロック機構取付構造。
- ストライカとロックとのいずれか一方に設けたスペーサブロックは、前記ストライカとロックとのいずれか一方に一体化していることを特徴とする請求項3記載のトランクリッドのロック機構取付構造。
- ストライカとロックとのいずれか一方は、トランクリッドに対し、弾性体を介してボルト締結されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のトランクリッドのロック機構取付構造。
- 弾性体は、スプリングワッシャであることを特徴とする請求項5記載のトランクリッドのロック機構取付構造。
- 弾性体は、ゴムであることを特徴とする請求項5記載のトランクリッドのロック機構取付構造。
- トランクリッドと車体本体とのいずれか一方にストライカを、他方にこのストライカに係合するロックをそれぞれ備え、前記トランクリッドに設定する前記ストライカとロックとのいずれか一方を、前記トランクリッドに対し締結具により仮締めした後、前記ストライカにロックを係合させ、この係合状態で、前記トランクリッドの上部と車体本体の上部との面差を調整すべく前記トランクリッドをこのトランクリッドに設定するストライカとロックとのいずれか一方に対し、前記トランクリッドの後面と平行な傾斜面に沿って調整移動させた後、前記締結具を締結固定するトランクリッドのロック機構取付方法であって、前記傾斜面における、ストライカとロックとのいずれか一方およびトランクリッドの相互に対向する部位に、互いに噛み合う水平方向に延長される多数の溝がそれぞれ形成され、前記ストライカとロックとのいずれか一方に、前記溝の延長方向と交差する上下方向に長い締結具挿入用の長孔を設ける一方、前記トランクリッドに締結具挿入用の丸孔を設け、前記ストライカとロックとのいずれか一方を、締結具を前記長孔および丸孔に順次挿入して前記トランクリッドに仮締めする際に、前記ストライカとロックとのいずれか一方を、前記トランクリッドに対して最下端となるよう前記締結具を前記長孔の最上端に位置させることを特徴とするトランクリッドのロック機構取付方法。
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JP2001013833A JP3873628B2 (ja) | 2001-01-22 | 2001-01-22 | トランクリッドのロック機構取付構造および取付方法 |
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