JP3873613B2 - 自動車用フロントフード構造およびこれを備えた自動車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車用フロントフード構造およびこれを備えた自動車に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走行中の車両が歩行者に衝突する際の衝撃を吸収緩和して歩行者を保護する安全装置としては、例えば特開平10−7027号公報に開示されている自動車用フロントフードがある。
【0003】
これは、インナーパネルとアウターパネルとが接合又はヘム処理されたフロントフードの前記インナーパネルの略中間部上面側に、車両左右方向に接合された少なくとも一つの別部材となるチャンネル材、又は切り起こし構造を配置し、衝突時に対象物が倒れ込んできた荷重に対して、アウターパネル上に発生する反力を分配させ、反力を少なくとも3点以上とすることで、対象物に発生する曲げモーメントを減少するようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図1に示すように、走行中の車両12が歩行者10等と衝突した場合、主に大人の歩行者10の場合は、バンパーによる一次衝突後、車両進行方向に対して斜め上方の方向から、フロントフードF・Fの前部に比較的質量の大きい大腿部又は腰部10a、即ち、比較的エネルギが大きい衝突が発生する。
【0005】
前述の従来の自動車用フロントフードにあっては、このように歩行者等がフード前部に斜め上方から衝突する場合に、曲げモーメントを低減させることによって比較的大きなエネルギの吸収効率を向上させることが可能である。
【0006】
ところで、現在欧州で議論されているように、比較的質量が小さく地上面からの高さが低い物体との衝突のような場合、即ち、子供の歩行者11a等との衝突のような場合は、車両進行方向と略平行の方向でフード前端部に衝突する可能性があり、この際の比較的小さいエネルギの吸収効率を向上させ、また、前述の大きな質量が略前方から衝突した際のエネルギ吸収効率をも同時に向上させることがさらに望まれる。
【0007】
そこで、本発明はフロントフード前部の斜め上方から比較的エネルギの大きい衝突が発生した場合にエネルギ吸収効率を向上できることは勿論、略前方から比較的エネルギの小さい衝突が発生した場合にもエネルギ吸収効率を向上することができて前述の要望に応えようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にあっては、アウターパネルとインナーパネルとによって構成される自動車用フロントフードにおいて、前記フロントフードの少なくとも前側部にはアウターパネルとインナーパネルとの間にエネルギ吸収部が配設され、該エネルギ吸収部はアウターパネルの上方から作用する衝突荷重に対しては荷重を広角的に受けてインナーパネルに入力伝達する傾斜角度の異なる複数の壁面を備えていて、前記上方から作用する衝突荷重によりこれら壁面が座屈変形可能であると共に、前方から作用する衝突荷重に対しては前記壁面が重なり合う方向に収縮変形可能とされていることを特徴としている。
【0009】
請求項2の発明にあっては、請求項1に記載のエネルギ吸収部を、インナーパネルに設けたフードロックよりも前側に配設してあることを特徴としている。
【0010】
請求項3の発明にあっては、請求項2に記載のエネルギ吸収部の後端部を、フードロックの前側近傍でインナーパネルに固定したことを特徴としている。
【0011】
請求項4の発明にあっては、請求項1〜3に記載のエネルギ吸収部は、アウターパネルに向かって凸の第1屈曲部と、該第1屈曲部と前記壁面を介して連設されてインナーパネルに向かって凸の第2屈曲部とを備えたレインフォースで構成され、前記第1屈曲部はその前側の壁面と後側の壁面とで側面三角形状に形成してあり、レインフォースの後端では該第1屈曲部の後側の壁面の端末部をインナーパネルに固定し、レインフォースの前端では前記第2屈曲部の頂部をフロントフード前端のヘム接合部近傍に車幅方向に設けた係止部に係合し、かつ、該レインフォース前端の第2屈曲部の前側に前記第1屈曲部の後側の壁面と略平行な壁面を形成したことを特徴としている。
【0012】
請求項5の発明にあっては、請求項4に記載の第2屈曲部の頂部を係合する係止部を、インナーパネルに下向きに凸に形成したビード部の上面側の溝、又はインナーパネルに前後に隣接して上向きに凸に形成した一対のビード部間の溝で形成したことを特徴としている。
【0013】
請求項6の発明にあっては、請求項5に記載の第1屈曲部の後側の壁面長さをa、第1屈曲部の前側の壁面長さをb、インナーパネルのフロントフード前端のヘム接合部から溝までの長さをc1、溝から第1屈曲部の後側の壁面端末部の固定部までの長さをc2として、
a≧b、a≧c2、c1≧b
の長さ関係としたことを特徴としている。
【0014】
請求項7の発明にあっては、請求項4に記載のレインフォースを、第1屈曲部と第2屈曲部の複数個が前後方向に交互に連続して設けられた形状に構成したことを特徴としている。
【0015】
請求項8の発明にあっては、請求項1〜3に記載のエネルギ吸収部は、インナーパネルに開口部を設けることによる切り起こし構造として構成され、該切り起こし構造はアウターパネルに向かって凸の第1屈曲部と、該第1屈曲部と前記壁面を介して連設されてインナーパネルに向かって凸の第2屈曲部とを備え、前記第1屈曲部はその前側の壁面と後側の壁面とで側面三角形状に形成してあり、該後側の壁面はインナーパネルから切断されずに一体であり、前側の壁面はインナーパネルから切断されて下端に前記第2屈曲部が形成され、インナーパネルの前記開口部の前側端部はパネル成形による爪部を有していて前記第2屈曲部が該爪部に係合し、かつ、該第2屈曲部の前側に前記第1屈曲部の後側の壁面と略平行な壁面を形成したことを特徴としている。
【0016】
請求項9の発明にあっては、請求項4〜8に記載のエネルギ吸収部の第1屈曲部の前,後側の壁面には、アウターパネル上方からの衝突荷重に対して、これら壁面の縦方向の座屈を促すビード部と、横方向の座屈を促すビード部とを設けたことを特徴としている。
【0017】
請求項10の発明にあっては、請求項9に記載のエネルギ吸収部の第1屈曲部の前,後側の壁面が、正面視して上向きに山形の台形形状に形成されていると共に、横方向の座屈を促すビード部がこれら壁面に正面視してハの字状に外側へ向けて凸に形成され、このハの字状に配置したビード部間に縦方向の座屈を促すビード部が前側の壁面と後側の壁面に一続きに上下方向に外側に向けて凹に形成されていることを特徴としている。
【0018】
請求項11の発明にあっては、請求項4〜10に記載のエネルギ吸収部における第1屈曲部の前側および又は後側の壁面が、車幅方向端部に折れ曲がり部を介して車両前方向に縦壁面を形成していることを特徴としている。
【0019】
請求項12の発明にあっては、請求項1,2に記載のエネルギ吸収部は、アウターパネルに向かって凸の第1屈曲部と、該第1屈曲部と前記壁面を介して連設されてインナーパネルに向かって凸の第2屈曲部とを備えたレインフォースで構成され、前記第1屈曲部はその前側の壁面と後側の壁面とで側面三角形状に形成してあり、レインフォースの前,後側の何れか一方では前記第1屈曲部の前側又は後側の壁面の端末部をインナーパネルに固定し、レインフォースの前,後端の他方では前記第2屈曲部の頂部をインナーパネルに車幅方向に設けた係止部に係合し、かつ、該レインフォースはスリットによって車幅方向に複数のレインフォース要素に分割してあると共に、分割された各レインフォース要素は第1屈曲部の前側の壁面長さと後側の壁面長さの比率をそれぞれ変えて、各レインフォース要素の第1屈曲部の頂部を前後方向にオフセットして配置したことを特徴としている。
【0020】
請求項13の発明にあっては、請求項12に記載のインナーパネルの前側部は、フロントフード前端のヘム接合部から車両後方へ向けて略水平に延在する水平部と、水平部の後端からフードロック配設部に向けて斜め後方に傾斜して立上がる立上がり部とで構成されている一方、レインフォースの第2屈曲部は第1屈曲部の後側の壁面の端末部に形成されていて、該第1屈曲部の前側の壁面の端末部を前記インナーパネルの水平部に固定し、第2屈曲部の頂部を前記インナーパネルの立上がり部に設けた係止部に係合したことを特徴としている。
【0021】
請求項14の発明にあっては、請求項1〜3に記載のエネルギ吸収部は、アウターパネルに向かって凸の屈曲部と、該屈曲部の前,後側に連なる前記壁面とで側面三角形状に形成してあり、これら前,後側の壁面の端末部をインナーパネルに固定する一方、インナーパネルのこれら前,後側壁面下端部の固定部間には、車両前方からの衝突荷重に対してインナーパネルの前後方向の座屈変形を促す易変形部を形成したことを特徴としている。
【0022】
請求項15の発明にあっては、アウターパネルとインナーパネルとによって構成されるフロントフードを備えた自動車において、前記フロントフードの少なくとも前側部にはアウターパネルとインナーパネルとの間にエネルギ吸収部が配設され、該エネルギ吸収部はアウターパネルの上方から作用する衝突荷重に対しては荷重を広角的に受けてインナーパネルに入力伝達する傾斜角度の異なる複数の壁面を備えていて、前記上方から作用する衝突荷重によりこれら壁面が座屈変形可能であると共に、前方から作用する衝突荷重に対しては前記壁面が重なり合う方向に収縮変形可能とされていることを特徴としている。
【0023】
【発明の効果】
請求項1および15に記載の発明によれば、何れも走行中の車両が歩行者等と衝突して、フロントフード前部のアウターパネル上方から比較的大きい衝突エネルギが発生すると、エネルギ吸収部の複数の壁面がこのアウターパネル上方からの衝突荷重を受けて座屈変形してエネルギ吸収効果を高めることができる。
【0024】
しかも、このエネルギ吸収部の壁面はそれらの複数が傾斜角度を異にして設けられているため、広角度からの衝突に対して有効に座屈変形してエネルギ吸収を行わせることができる。
【0025】
一方、フロントフード前部に前方から比較的小さい衝突エネルギが発生した場合には、エネルギ吸収部はこの前方からの衝突荷重に対して前記壁面が重なり合う方向に収縮変形するため、前後方向に反力の低い理想的なエネルギ吸収を行わせることができる。
【0026】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、インナーパネルのフードロック配設部分はロック剛性を確保するために高剛性部となっているが、エネルギ吸収部をこのフードロックよりも前側に配設してあるため、前方から比較的小さい衝突エネルギが発生した場合に、該フードロック配設部分で高い反力が発生する前にエネルギ吸収を行わせることができてエネルギ吸収効率を向上することができる。
【0027】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の発明の効果に加えて、エネルギ吸収部の後端部を、フードロックの前側近傍でインナーパネルに固定してあるため、前方から比較的大きい衝突エネルギが発生した場合には、エネルギ吸収部が高剛性部のフードロック配設部分に底付きして高い反力を発生し、該エネルギ吸収部が前後方向に座屈変形して、この比較的エネルギの大きい前方衝突に際してもエネルギ吸収効率を向上することができる。
【0028】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の発明の効果に加えて、エネルギ吸収部を構成するレインフォースの複数の壁面は、第1屈曲部を境にして傾斜方向を変えて連設しているため、壁面の広角配置の構造が簡単で、かつ、レインフォースをコンパクトに構成できる。
【0029】
また、レインフォース前端の第2屈曲部の前側に存在する壁面が第1屈曲部の後側の壁面と略平行に配置されているため、広角衝突エリアを前後方向に拡大できて、より広範囲で上方衝突時のエネルギ吸収を有効に行わせることができると共に、第1屈曲部と、第2屈曲部前方の前記壁面とによって反力発生部位が分散されることによりモーメント低減効果も得ることができる。
【0030】
更に、レインフォース後端では第1屈曲部の後側の壁面端末部がインナーパネルに固定され、レインフォース前端では第2屈曲部の頂部がインナーパネルに車幅方向に設けた係止部に係合しているため、上方衝突に対してはインナーパネルへの入力伝達を確実に行えて反力発生による各壁面の座屈変形を適正に行わせることができる一方、前方衝突に対しては第2屈曲部の頂部が係止部より外れて、レインフォースの第1,第2屈曲部の曲げ変形を伴う前後方向の低反力の収縮変形をスムーズに行わせることができる。
【0031】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4の発明の効果に加えて、前方衝突に対してはレインフォースの第2屈曲部の頂部を係合する係止部としての溝を起点としてインナーパネルを曲げ変形させることができて、レインフォースの前後方向の収縮変形をより整然に行わせることができる。
【0032】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5の発明の効果に加えて、レインフォースの第1屈曲部の前,後側の壁面長さと、インナーパネルの溝を境にした前,後部の長さ関係を特定することによって、前方衝突時においてインナーパネルが溝を起点に上向きに曲げ変形した場合でも、インナーパネルがレインフォースの壁面に干渉するのを回避できて、該レインフォースの前後方向の収縮変形を適正に行わせることができる。
【0033】
請求項7に記載の発明によれば、請求項4の発明の効果に加えて、レインフォースが、第1屈曲部と第2屈曲部の複数個が前後方向に交互に連続して設けられた形状としてあるため、上方衝突に対する広角緩衝エリアを前後方向に更に拡大できると共にエネルギ吸収量を増大でき、反力発生部位を分散化してモーメント低減効果を高めることができる。
【0034】
請求項8に記載の発明によれば、請求項1〜3の発明の効果に加えて、エネルギ吸収部を構成する切り起こし構造の複数の壁面は、第1屈曲部を境にして傾斜方向を変えて連設しているため、壁面の広角配置の構造が簡単で、かつ、レインフォースをコンパクトに構成でき、しかも、インナーパネルに開口部を設けて切り起こし構造とすることによりエネルギ吸収部を構成しているため専用の別部材を必要とすることがなく、重量的におよびコスト的に有利に得ることができる。
【0035】
また、レインフォース前端の第2屈曲部の前側に存在する壁面が第1屈曲部の後側の壁面と略平行に配置されているため、広角緩衝エリアを前後方向に拡大できて、より広範囲で上方衝突時のエネルギ吸収を有効に行わせることができると共に、第1屈曲部と、第2屈曲部前方の前記壁面とによって反力発生部位が分散されることによりモーメント低減効果も得ることができる。
【0036】
更に、レインフォース後端では第1屈曲部の後側の壁面端末がインナーパネルに固定され、レインフォース前端では第2屈曲部の頂部がインナーパネルの開口部前端部分の爪部に係合しているため、上方衝突に対してはインナーパネルへの入力伝達を確実に行えて反力発生による各壁面の座屈変形を適正に行わせることができる一方、前方衝突に対しては第2屈曲部の頂部が爪部より外れて、レインフォースの第1,第2屈曲部の曲げ変形を伴う前後方向の低反力の収縮変形をスムーズに行わせることができる。
【0037】
請求項9に記載の発明によれば、請求項4〜8の発明の効果に加えて、上方衝突に対して第1屈曲部の前,後側の壁面が、各ビード部を起点として縦方向の座屈と横方向の座屈とを多段的に行うため、更に効率よくエネルギ吸収を行わせることができる。
【0038】
請求項10に記載の発明によれば、請求項9の発明の効果に加えて、壁面の座屈変形に際しては前,後の壁面に一続きの外向きに凹のビード部により縦方向の座屈変形を誘起させて、続いて外向きに凸のハの字状配置のビード部による横方向の座屈変形を行わせることができると共に、この横方向の座屈変形に際しては台形形状により壁面の上方から下方に向けて整然と座屈変形させることができてより有効なエネルギ吸収を行わせることができる。
【0039】
請求項11に記載の発明によれば、請求項4〜10の発明の効果に加えて、比較的エネルギの大きな前方衝突および上方衝突に対して、レインフォースの車両前方向に向く縦壁面の前後方向又は上下方向の座屈変形により更に効率よくエネルギ吸収を行わせることができる。
【0040】
請求項12に記載の発明によれば、請求項1,2の発明の効果に加えて、エネルギ吸収部を構成するレインフォースによって前記請求項4とほぼ同様の効果が得られる他、各レインフォース要素の第1屈曲部の頂部が前後方向にオフセットしているため、レインフォースの前後方向長さの増大化を伴うことなく広角緩衝エリアを拡大できて、より広角度からの上方衝突時のエネルギ吸収を有効に行わせることができると共に、各レインフォースの第1屈曲部の頂部の前後方向のオフセット配置によって反力発生部位が分散されてモーメント低減効果を高めることができる。
【0041】
請求項13に記載の発明によれば、請求項12の発明の効果に加えて、フロントフード前端がフードロック配設部分の前方で下向きに大きく廻り込んだ形状に形成されて、インナーパネルの前側部が水平部と立上がり部とで有段成形されていても、レインフォースのこれら水平部と立上がり部とに跨る配置によって、上方衝突に対して各壁面が有効に座屈変形してエネルギ吸収効率を高められる一方、前方衝突に対しては第1屈曲部の前側の壁面端末部が水平部に固定され、後側の壁面端末部に形成した第2屈曲部が立上がり部の係止部に係合していて、該第2屈曲部が係止部から外れてインナーパネルの曲げ変形に支障を来すことなくレインフォースの収縮変形が可能となり、該前方衝突に対するエネルギ吸収の有効性を発揮させることができる。
【0042】
請求項14に記載の発明によれば、請求項1〜3の発明の効果に加えて、エネルギ吸収部を構成するレインフォースの複数の壁面は、屈曲部を境にして傾斜方向を変えて連設しているため、壁面の広角配置の構造が簡単で、かつ、レインフォースをコンパクトに構成できる。
【0043】
また、屈曲部の前,後側側面の端末部を何れもインナーパネルに固定してあるため、上方衝突に対してインナーパネルへの入力伝達を確実に行えて反力を発生させることができる一方、前方衝突に対しては前記両壁面の固定部間でインナーパネルに易変形部を車幅方向に形成してあるため、該易変形部を起点としてインナーパネルを曲げ変形させてレインフォースの収縮変形が可能となり、該前方衝突に対するエネルギ吸収の有効性を発揮させることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0045】
図2,3は本発明の自動車用フロントフード構造の第1実施形態を示す図である。
【0046】
まず、構成を説明すると、アウターパネル1とインナーパネル2とによって構成されるフロントフードF・Fの前側部には、アウターパネル1とインナーパネル2との間にエネルギ吸収部としてのレインフォース4を配設してある。
【0047】
本実施形態ではインナーパネル2のフードロック6を配設した部分からフード前端のヘミング接合部5に亘る前側部分を略水平に形成してあって、この略水平な前側部分にレインフォース4を配設してある。
【0048】
レインフォース4は第1屈曲部41を有して側面三角形状に形成してあって、該第1屈曲部41はアウターパネル1に向かって凸であり、この第1屈曲部41の前後両側の壁面のうちの後側の壁面42の端末部はフードロック6の前側近傍でインナーパネル2に溶接して固定部3としてある。
【0049】
また、第1屈曲部41の前側の壁面43の端末部は第2屈曲部44として形成してあり、該第2屈曲部44の前側に前記第1屈曲部41の後側の壁面42と略平行な壁面45を形成してある。従って、本実施形態ではレインフォース4は略N字形状となっている。
【0050】
インナーパネル2のヘム接合部5に近接した部位には係止部21を車幅方向に設けてあり、この係止部21に前記レインフォース4の第2屈曲部44の頂部を係合してある。
【0051】
この実施形態では係止部21を、インナーパネル2に下向きに凸に形成したビード部の上面側の溝で構成しているが、この他、図2に部分断面として併記したように該インナーパネル2に前後に隣接して上向きに凸に形成した一対のビード部間の溝で構成してもよい。
【0052】
以上の実施形態の構造によれば、走行中の車両が歩行者等と衝突した場合は、例えば大人相当の大きさの歩行者の場合は、図1を用いて前述したようにバンパーによる一次衝突後、車両の進行方向に対して斜め上方の方向からフロントフードF・Fの前部に比較的質量の大きい大腿部又は腰部、即ち、比較的エネルギが大きい衝突となる。
【0053】
このとき、衝突する方向は車両進行方向に対して角度をなしているが、この衝突角度は歩行者の体格、衝突速度、バンパー長さ、フード前端部高さ等によって異なって一定ではないことは、既にいくつかの解析例が文献に紹介されている。
【0054】
ここで、本実施形態では、図2,3に示したようにレインフォース4が略N字形状であって、第1屈曲部41はその前後両側の壁面42,43が角度を成して三角形状としてあり、後側の壁面42の端末部はインナーパネル2に溶接固定し、壁面43の端末部に形成した第2屈曲部44の頂部は該インナーパネル2の係止部21に係合してあるため、上方衝突に対してはインナーパネル2への入力伝達を確実に行えて反力発生による各壁面の座屈変形を適正に行えしかも、アウターパネル1に対して面直方向からの衝突荷重だけでなく、図4に矢印Fで示す様々な角度からの衝突荷重に対しても壁面42,43が図5に示すように座屈変形して、広角度θからの衝突に対してエネルギ吸収を有効に行うことができる。
【0055】
また、第2屈曲部44の前側の壁面45が第1屈曲部41の後側の壁面42と略平行となっているため、該壁面45も座屈変形してエネルギ吸収効果を高められるだけでなく、第1屈曲部41と該壁面45とによって反力発生部位が分散されることによりモーメント低減効果も得ることができる。
【0056】
図8はフロントフード前部に車両進行方向に対して斜め上方から比較的エネルギが大きい衝突が発生した場合の荷重−ストローク図を示している。
【0057】
図8中、A線はレインフォース4の無いフロントフードにおけるエネルギ吸収特性を示しており、アウターパネル1が底付きすることによって荷重が高まってしまうが、本実施形態ではB線に示すようにレインフォース4が座屈変形開始することにより初期衝突荷重を高められると共に、該レインフォース4の座屈変形によるエネルギ吸収効果によって、アウターパネル1の底付き時の荷重を低めることができる。
【0058】
一方、前述したように子供歩行者のような比較的質量の小さい、即ち、衝突エネルギの比較的小さい前方からの衝突に対するエネルギを吸収する際は、図6に示すようにインナーパネル2は係止部21の溝を起点に曲げ変形して座屈圧潰することで比較的小さな反力を生じる。
【0059】
そして、レインフォース4はインナーパネル2の圧潰と共に第2屈曲部44の頂部が係止部21の溝から外れるため、第2屈曲部44、第1屈曲部41で曲げ変形を起こして、壁面45,43,42が前後方向に重なり合う方向に収縮変形し、フードロック6の配設部分に底付きして高い反力が発生する前に、前後方向に反力の低い理想的なエネルギ吸収を行わせることができる。
【0060】
特に、この前方衝突の際には前述のようにインナーパネル2が係止部21の溝を起点に曲げ変形するため、レインフォース4の前後方向の収縮変形をより整然に行わせることができる。
【0061】
この前方衝突でも、比較的エネルギの大きい衝突時では、レインフォース4の後端部、即ち、前記壁面42の端末部をフードロック6の前側近傍でインナーパネル2に溶接固定してあるため、レインフォース4が図7に示すように高剛性のフードロック6配設部分に底付きして高い反力を発生し、該レインフォース4が前後方向に座屈圧潰(座屈変形)して、この比較的エネルギの大きい前方衝突に際してもエネルギ吸収効率を向上することができる。
【0062】
ここで、本実施形態によれば前述のように上方衝突および前方衝突に対して理想的なエネルギ吸収性能が得られる他、エネルギ吸収部を構成するレインフォース4の複数の壁面42,43は、第1屈曲部41を境にして傾斜方向を変えて連設しているため、壁面42,43の広角配置の構造が簡単で、かつ、レインフォース4をコンパクトに構成することができる。
【0063】
図9に示す第2実施形態は、前記第1実施形態における第2屈曲部44前方の壁面45の上端部に、略水平なフランジ45aを曲折成形したものである。
【0064】
この第2実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の効果が得られることに加えて、比較的エネルギの大きい前方衝突に対しては、図10に示すようにレインフォース4が高剛性のフードロック6配設部分に底付きした際に、前記フランジ部45aが座屈圧潰することで更に反力を発生させることができてより一層エネルギ吸収効率を向上することができる。
【0065】
ここで、前記何れかの実施形態の場合も、図11に示すように第1屈曲部41の後側の壁面42の長さをa、第1屈曲部41の前側の壁面43の長さをb、インナーパネル2のフロントフード前端のヘム接合部5から係止部21の溝までの長さをc1、溝から第1屈曲部の後側の壁面端末部の固定部3までの長さをc2として、
a≧b、a≧c2、c1≧b
の長さ関係とすることにより、前方衝突時にインナーパネル2が係止部21の溝を起点に図11の破線に示すように上向きに曲げ変形した場合でも、インナーパネル2がレインフォース4の壁面42,43に干渉するのを回避できて、該レインフォース4の前後方向の収縮変形を適正に行わせることができる。
【0066】
前記第1,第2実施形態では何れもレインフォース4の第2屈曲部44の頂部を、インナーパネル2の係止部21の溝に係合してあるが、図12,13に示す第3実施形態のように第2屈曲部44の頂部を溝の前側部分でインナーパネル2にマスチックシール72のような粘弾性接着剤で接着してもよい。
【0067】
この場合、前記第1,第2実施形態と同様の効果が得られる他、マスチックシール72による第2屈曲部44のインナーパネル2への接着によって、走行時における異音の発生を防止できると共に、上方衝突時にレインフォース4に上下方向の衝突圧縮荷重が作用した際に、第2屈曲部44の頂部が係止部21の溝から外れるおそれがなく、インナーパネル2への入力伝達をより確実に行うことが可能となる。
【0068】
一方、前方衝突に対してはマスチックシール72による接着部分に剪断荷重が作用するため、該マスチックシール72が容易に剥がれてレインフォース4の収縮変形を許容することができる。
【0069】
図14は本発明の第4実施形態を示すもので、本実施形態にあってはレインフォース4を、第1屈曲部41と第2屈曲部44の複数個が前後方向に交互に連続して設けられた側面W字状(又は側面M字状)の形状構成としてある。
【0070】
従って、この第4実施形態では前記第1,第2実施形態と同様の効果が得られる他、上方衝突に対する広角緩衝エリアを前後方向に更に拡大できると共に、反力発生部位を分散化してモーメント低減効果を高めることができる。
【0071】
また、エネルギ吸収特性は図8のc線に示すように、発生荷重ピーク点を多段に生じさせてエネルギ吸収量を増大でき、しかも、各第1屈曲部41間で高さを調節することによって荷重コントロールを容易に行うことができる。
【0072】
図15,16は本発明の第5実施形態を示すもので、フード前端がフードロック6配設部分の前方で下向きに大きく廻り込んだ形状にした所謂スラントノーズタイプのフロントフードに本発明を適用したものである。
【0073】
インナーパネル2の前側部は、フロントフード前端のヘム接合部5から車両後方へ向けて略水平に延在する水平部2aと、水平部2aの後端からフードロック6配設部に向けて斜め後方に傾斜して立上がる立上がり部2bとで構成して有段成形してある。
【0074】
エネルギ吸収部は、前記水平部2aの前後方向略半部から立上がり部2bの上端部に亘って部分的に開口部23を設けることによる切り起こし構造40として構成している。
【0075】
この切り起こし構造40はアウターパネル1に向かって凸の第1屈曲部41と、該第1屈曲部41と壁面43を介して連設されてインナーパネル2の水平部2aに向かって凸の第2屈曲部44とを備え、前記第1屈曲部41はその前側の前記壁面43と後側の壁面42とで側面三角形状に形成してある。
【0076】
後側の壁面42はインナーパネル2から切断されずに一体であり、前側の壁面43はインナーパネル2から切断されて下端に前記第2屈曲部44が形成され、インナーパネル2の前記開口部23の前側端部はパネル成形による爪部22を有していて前記第2屈曲部44が該爪部22に係合している。
【0077】
また、第2屈曲部44の前側には前記第1屈曲部41の後側の壁面42と略平行な壁面45を形成してある。
【0078】
切り起こし構造40は複数個配置してもよく、図16では該切り起こし構造40の複数個を車幅方向に設けた状態を示している。
【0079】
従って、この第5実施形態にあっても前記第1実施形態と同様の作用効果が得られ、フード前部での、略前方向を含む広角度の範囲で衝突する比較的エネルギの大きな上方衝突に対するエネルギ吸収効率の向上と、前方衝突に対しては第2屈曲部44が爪部22から外れて切り起こし構造40の前後方向の収縮変形が許容されて、前方衝突に対するエネルギ吸収効率の向上とを両立することができる。
【0080】
また、本実施形態によればインナーパネル2に開口部23を設けて切り起こし構造40とすることによりエネルギ吸収部を構成しているため専用の別部材を必要とすることがなく、重量的におよびコスト的に有利に得ることができる。
【0081】
図17は本発明の第6実施形態を示すもので、本実施形態では前記各実施形態におけるレインフォース4又は切り起こし構造40の第1屈曲部41の前,後側の壁面42,43に、アウターパネル1の上方からの衝突荷重に対して、これら壁面42,43の縦方向の座屈を促すビード部7cと、横方向の座屈を促すビード部7a,7bとを設けたものである。
【0082】
本実施形態では第1屈曲部41の前,後側の壁面42,43を、正面視して上向きに山形の台形形状に形成してあって、前記横向きの座屈を促すビード部7a,7bはこれら壁面42,43に正面視してハの字状に外側へ向けて凸に形成してあり、これらハの字状に配置したビード部7a,7b間に、前述の縦方向の座屈を促すビード部7cを前,後側の壁面43,42に一続きに上下方向に外側に向けて凹に形成してある。
【0083】
従って、この第6実施形態によれば前述の上方衝突時における壁面42,43の座屈変形に際しては、これら壁面42,43がビード部7cと、ビード部7a,7bとによって、これらビード部7c,7a,7bを起点として縦方向の座屈と横方向の座屈とを多段的に行うようになって、更に効率よくエネルギ吸収を行わせることができる。
【0084】
具体的には図17の(ii)から(iii)に示すように壁面42,43に一続きの上向きに凹のビード部7cにより縦方向の座屈変形を誘起させ、続いて上向きに凸のハの字状配置のビード部7a,7bの上端が干渉して突張ることにより縦方向の座屈から横方向の座屈へと移行し、この横方向の座屈変形に際しては壁面42,43の台形形状により図17の(IV)に示すように壁面42,43の上方から下方に向けて整然と座屈変形させることができて、より有効なエネルギ吸収を行わせることができる。
【0085】
図18は本発明の第7実施形態を示すもので、本実施形態にあっては、前記第1実施形態におけるレインフォース4の第1屈曲部41の前側の壁面43の車幅方向端部に、折れ曲がり部46a,46bを介して車両前方向に縦壁面47a,47bを形成してある。
【0086】
この縦壁面47a,47bは後側の壁面42に設けるようにしてもよい。
【0087】
従って、この第7実施形態によれば前記第1実施形態と同様の効果が得られることに加えて、比較的エネルギの大きな前方衝突および上方衝突に対して、レインフォース4の車両前方向を向く縦壁面47a,47bの前後方向又は上下方向の座屈変形により、更に効率よくエネルギ吸収を行わせることができる。
【0088】
なお、本実施形態の縦壁面47a,47bの付設構造は、図15,16に示した切り起こし構造40に適用することも可能である。
【0089】
図19は本発明の第8実施形態を示すもので、本実施形態も前記図15,16に示したスラントノーズタイプのフロントフードF・Fに本発明を適用したものである。
【0090】
本実施形態にあっては、インナーパネル2の水平部2aと立上がり部2bとに跨ってエネルギ吸収部としてのレインフォース4を配設してある。
【0091】
このレインフォース4はアウターパネル1に向かって凸の第1屈曲部41と、該第1屈曲部41の後側の壁面42の端末部に形成されてインナーパネル2に向かって凸の第2屈曲部44とを備えていて、第1屈曲部41は前記第1実施形態と同様にその前側の壁面43と後側の壁面42とで側面三角形状に形成してある。
【0092】
前側の壁面43の端末部はインナーパネル2の水平部2aに溶接して固定部3としてある一方、立上がり部2bには車幅方向に上向きに凸のビード部からなる係止部21を設けて、該係止部21に第2屈曲部44の頂部を係合してある。
【0093】
レインフォース4は前記固定部3の部分を残して第2屈曲部44の端部からスリット4dを設けて、車幅方向に複数のレインフォース要素4a〜4cに分割してある。
【0094】
これらレインフォース要素4a〜4cは各第1屈曲部41の前側の壁面43の長さと、後側の壁面42の長さとの比率をそれぞれ変えて、各レインフォース要素4a〜4cの第1屈曲部41の頂部をアウターパネル1の前下がりの曲面に上下方向に沿う形で前後方向にオフセットして配置してある。
【0095】
従って、この第8実施形態によれば前記図15,16に示した第5実施形態と同様に、上方衝突に対して第1屈曲部41の各壁面42,43が有効に座屈変形してエネルギ吸収効率を高められる一方、前方衝突に対しては、第1屈曲部41の前側の壁面43の端末部が水平部2aに固定され、後側の壁面42の端末部に形成した第2屈曲部44の頂部から立上がり部2bの係止部21に係合していて、該第2屈曲部44が係止部21から外れてインナーパネル2の曲げ変形に支障を来すことなくレインフォース4の収縮変形が可能となり、該前方衝突に対するエネルギ吸収の有効性を発揮することができる。
【0096】
しかも、各レインフォース要素4a〜4cの第1屈曲部41の頂部が前後方向にオフセットしているため、レインフォース4の前後方向長さの増大を伴うことなく広角緩衝エリアを拡大できて、より広角度からの上方衝突時のエネルギ吸収を有効に行わせることができると共に、この第1屈曲部41の頂部の前後方向のオフセット配置によって反力発生部位が分散されてもモーメント低減効果を高めることができる。
【0097】
また、レインフォース要素4a〜4cの幅寸法を図19に示すように調節することによって荷重コントロールを容易に行うこともできる。
【0098】
なお、前記レインフォース要素4a〜4cの第1屈曲部41の頂部の前後方向オフセット配置の構造は、前記第1実施形態に適用することも可能である。
【0099】
図20は本発明の第9実施形態を示すもので、本実施形態ではエネルギ吸収部としてのレインフォース4を、アウターパネル1に向かって凸の屈曲部41と、該屈曲部41の前,後側に連なる壁面42,43とで側面三角形状に形成してある。
【0100】
インナーパネル2の前側部は略水平に形成してあり、前記前側の壁面43の端末部はフード前端のヘム接合部5の近傍で該インナーパネル2に溶接して固定部3としてある一方、後側の壁面42の端末部をフードロック6の前側近傍でインナーパネル2に溶接して固定部3としてある。
【0101】
そして、インナーパネル2の前記固定部3,3間には、車両前方からの衝突荷重に対してインナーパネル2の前後方向の座屈変形を促す易変形部71を形成してある。
【0102】
本実施形態では易変形部71として、インナーパネル2に複数個の長孔71aを車幅方向に隣接形成することによって構成しているが、この他、図21に示す第10実施形態のように、インナーパネル2に下向きに凸のビード部71bを車幅方向に設けて易変形部71とすることができる。
【0103】
従って、これら第9,第10実施形態によれば、上方衝突に対しては前記第1実施形態とほぼ同様の効果が得られると共に、屈曲部41の前,後側の壁面42,43の端末部を何れインナーパネル2に接合固定してあるので、該上方衝突に対してインナーパネル2への入力伝達を確実に行えて適切な反力発生を行わせることができる。
【0104】
一方、前方衝突に対しては前記壁面42,43の固定部3,3間でインナーパネル2に易変形部71を車幅方向に形成してあるため、該易変形部71を起点としてインナーパネル2を曲げ変形させてレインフォース4の収縮変形が可能となり、該前方衝突に対するエネルギ吸収の有効性を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】衝突時の衝突方向を示す概念図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示す透視斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示す作用図である。
【図5】本発明の第1実施形態を示す作用図である。
【図6】本発明の第1実施形態を示す作用図である。
【図7】本発明の第1実施形態を示す作用図である。
【図8】フロントフードの衝突時における荷重−ストローク線図である。
【図9】本発明の第2実施形態を示す断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態を示す作用図である。
【図11】レインフォースの壁面長さとインナーパネルのレインフォース配設部の寸法関係を示す断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態を示す断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態を示す透視斜視図である。
【図14】本発明の第4実施形態を示す断面図である。
【図15】本発明の第5実施形態を示す断面図である。
【図16】本発明の第5実施形態を示す透視斜視図である。
【図17】本発明の第6実施形態における壁面ビード部の配置例を示す説明図である。
【図18】本発明の第7実施形態を示す透視斜視図および断面図である。
【図19】本発明の第8実施形態を示す断面図および透視斜視図である。
【図20】本発明の第9実施形態を示す透視斜視図および断面図である。
【図21】本発明の第10実施形態を示す透視斜視図である。
【符号の説明】
1 アウターパネル
2 インナーパネル
2a 水平部
2b 立上がり部
3 固定部
4 レインフォース(エネルギ吸収部)
4a〜4c レインフォース要素
4d スリット
5 ヘム接合部
6 フードロック
7a,7b 横方向の座屈変形を促すビード部
7c 縦方向の座屈変形を促すビード部
21 係止部
40 切り起こし構造(エネルギ吸収部)
41 第1屈曲部(屈曲部)
42 後側の壁面
43 前側の壁面
44 第2屈曲部
45 第2屈曲部前側の壁面
46a,46b 折れ曲がり部
47a,47b 縦壁面
71 易変形部

Claims (15)

  1. アウターパネルとインナーパネルとによって構成される自動車用フロントフードにおいて、前記フロントフードの少なくとも前側部にはアウターパネルとインナーパネルとの間にエネルギ吸収部が配設され、該エネルギ吸収部はアウターパネルの上方から作用する衝突荷重に対しては荷重を広角的に受けてインナーパネルに入力伝達する傾斜角度の異なる複数の壁面を備えていて、前記上方から作用する衝突荷重によりこれら壁面が座屈変形可能であると共に、前方から作用する衝突荷重に対しては前記壁面が重なり合う方向に収縮変形可能とされていることを特徴とする自動車用フロントフード構造。
  2. エネルギ吸収部を、インナーパネルに設けたフードロックよりも前側に配設してあることを特徴とする請求項1に記載の自動車用フロントフード構造。
  3. エネルギ吸収部の後端部を、フードロックの前側近傍でインナーパネルに固定したことを特徴とする請求項2に記載の自動車用フロントフード構造。
  4. エネルギ吸収部は、アウターパネルに向かって凸の第1屈曲部と、該第1屈曲部と前記壁面を介して連設されてインナーパネルに向かって凸の第2屈曲部とを備えたレインフォースで構成され、前記第1屈曲部はその前側の壁面と後側の壁面とで側面三角形状に形成してあり、レインフォースの後端では該第1屈曲部の後側の壁面の端末部をインナーパネルに固定し、レインフォースの前端では前記第2屈曲部の頂部をフロントフード前端のヘム接合部近傍に車幅方向に設けた係止部に係合し、かつ、該レインフォース前端の第2屈曲部の前側に前記第1屈曲部の後側の壁面と略平行な壁面を形成したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の自動車用フロントフード構造。
  5. 第2屈曲部の頂部を係合する係止部を、インナーパネルに下向きに凸に形成したビード部の上面側の溝、又はインナーパネルに前後に隣接して上向きに凸に形成した一対のビード部間の溝で形成したことを特徴とする請求項4に記載の自動車用フロントフード構造。
  6. 第1屈曲部の後側の壁面長さをa、第1屈曲部の前側の壁面長さをb、インナーパネルのフロントフード前端のヘム接合部から溝までの長さをc1、溝から第1屈曲部の後側の壁面端末部の固定部までの長さをc2として、
    a≧b、a≧c2、c1≧b
    の長さ関係としたことを特徴とする請求項5に記載の自動車用フロントフード構造。
  7. レインフォースを、第1屈曲部と第2屈曲部の複数個が前後方向に交互に連続して設けられた形状に構成したことを特徴とする請求項4に記載の自動車用フロントフード構造。
  8. エネルギ吸収部は、インナーパネルに開口部を設けることによる切り起こし構造として構成され、該切り起こし構造はアウターパネルに向かって凸の第1屈曲部と、該第1屈曲部と前記壁面を介して連設されてインナーパネルに向かって凸の第2屈曲部とを備え、前記第1屈曲部はその前側の壁面と後側の壁面とで側面三角形状に形成してあり、該後側の壁面はインナーパネルから切断されずに一体であり、前側の壁面はインナーパネルから切断されて下端に前記第2屈曲部が形成され、インナーパネルの前記開口部の前側端部はパネル成形による爪部を有していて前記第2屈曲部が該爪部に係合し、かつ、該第2屈曲部の前側に前記第1屈曲部の後側の壁面と略平行な壁面を形成したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の自動車用フロントフード構造。
  9. エネルギ吸収部の第1屈曲部の前,後側の壁面には、アウターパネル上方からの衝突荷重に対して、これら壁面の縦方向の座屈を促すビード部と、横方向の座屈を促すビード部とを設けたことを特徴とする請求項4〜8の何れかに記載の自動車用フロントフード構造。
  10. エネルギ吸収部の第1屈曲部の前,後側の壁面が、正面視して上向きに山形の台形形状に形成されていると共に、横方向の座屈を促すビード部がこれら壁面に正面視してハの字状に外側へ向けて凸に形成され、このハの字状に配置したビード部間に縦方向の座屈を促すビード部が前側の壁面と後側の壁面に一続きに上下方向に外側に向けて凹に形成されていることを特徴とする請求項9に記載の自動車用フロントフード構造。
  11. エネルギ吸収部における第1屈曲部の前側および又は後側の壁面が、車幅方向端部に折れ曲がり部を介して車両前方向に縦壁面を形成していることを特徴とする請求項4〜10の何れかに記載の自動車用フロントフード構造。
  12. エネルギ吸収部は、アウターパネルに向かって凸の第1屈曲部と、該第1屈曲部と前記壁面を介して連設されてインナーパネルに向かって凸の第2屈曲部とを備えたレインフォースで構成され、前記第1屈曲部はその前側の壁面と後側の壁面とで側面三角形状に形成してあり、レインフォースの前,後側の何れか一方では前記第1屈曲部の前側又は後側の壁面の端末部をインナーパネルに固定し、レインフォースの前,後端の他方では前記第2屈曲部の頂部をインナーパネルに車幅方向に設けた係止部に係合し、かつ、該レインフォースはスリットによって車幅方向に複数のレインフォース要素に分割してあると共に、分割された各レインフォース要素は第1屈曲部の前側の壁面長さと後側の壁面長さの比率をそれぞれ変えて、各レインフォース要素の第1屈曲部の頂部を前後方向にオフセットして配置したことを特徴とする請求項1,2に記載の自動車用フロントフード構造。
  13. インナーパネルの前側部は、フロントフード前端のヘム接合部から車両後方へ向けて略水平に延在する水平部と、水平部の後端からフードロック配設部に向けて斜め後方に傾斜して立上がる立上がり部とで構成されている一方、レインフォースの第2屈曲部は第1屈曲部の後側の壁面の端末部に形成されていて、該第1屈曲部の前側の壁面の端末部を前記インナーパネルの水平部に固定し、第2屈曲部の頂部を前記インナーパネルの立上がり部に設けた係止部に係合したことを特徴とする請求項12に記載の自動車用フロントフード構造。
  14. エネルギ吸収部は、アウターパネルに向かって凸の屈曲部と、該屈曲部の前,後側に連なる前記壁面とで側面三角形状に形成してあり、これら前,後側の壁面の端末部をインナーパネルに固定する一方、インナーパネルのこれら前,後側壁面下端部の固定部間には、車両前方からの衝突荷重に対してインナーパネルの前後方向の座屈変形を促す易変形部を形成したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の自動車用フロントフード構造。
  15. アウターパネルとインナーパネルとによって構成されるフロントフードを備えた自動車において、前記フロントフードの少なくとも前側部にはアウターパネルとインナーパネルとの間にエネルギ吸収部が配設され、該エネルギ吸収部はアウターパネルの上方から作用する衝突荷重に対しては荷重を広角的に受けてインナーパネルに入力伝達する傾斜角度の異なる複数の壁面を備えていて、前記上方から作用する衝突荷重によりこれら壁面が座屈変形可能であると共に、前方から作用する衝突荷重に対しては前記壁面が重なり合う方向に収縮変形可能とされていることを特徴とする自動車用フロントフード構造。
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