JP5238638B2 - 車両用フード構造 - Google Patents

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Description

本発明は、フードの後部がヒンジを介して車体に回動自在に設けられ、フードの前部がストライカを介して車体に係合可能な車両用フード構造に関する。
車両用フード構造は、フード(エンジンフード、ボンネット)の外板を形成するアウタパネルが設けられるとともに、フードの内板を形成するインナパネルが設けられ、インナパネルにストライカが設けられている。
ストライカが車体側のフードロックに係合されることでフードが閉位置に保持される。このフードロックは、車体側の部材として剛性の高いバルクヘッドに設けられている。
ここで、車両用フード構造のなかには、アウタパネルおよびインナパネルの間で、かつストライカの車体前方側にエネルギー吸収部としてのレインフォース(補強部材)が設けられたものがある。
この車両用フード構造によれば、フードの前部に衝突荷重が前方から作用した場合にレインフォースが後方に変形して衝突エネルギーを吸収し、フードの前部に衝突荷重が上方から作用した場合にレインフォースが座屈変形して衝突エネルギーを吸収することが可能である(例えば、特許文献1参照。)
特開2001−278120号公報
しかし、車両用フード構造は、ストライカを係合するフードロックが剛性の高いバルクヘッドに設けられている。よって、ストライカはフードロックで静止状態に保持される。
このため、レインフォースの変形をストライカで規制することが考えられ、特許文献1のレインフォースで衝突エネルギーを効率よく吸収することが難しいとされていた。
本発明は、衝突エネルギーを効率よく吸収することができる車両用フード構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、フードの後部がヒンジを介して車体に回動自在に設けられ、前記フードの前部がストライカを介して前記車体に係合可能な車両用フード構造において、
前記フードの前部に前後の頂部が設けられるとともに底部に前記ストライカを設け、前記フードの前部に車体前方から作用した前方衝突荷重で前記前後の頂部が車体後方へ移動するように変形可能な衝撃吸収ブラケットと、前記前方衝突荷重で前記フードの後部を車体後方へスライド移動可能なスライド手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2は、前記衝撃吸収ブラケットは、前記フードの前部に上方から作用した上方衝突荷重で、前記前後の頂部が下方に移動するように変形可能に形成されたことを特徴とする。
請求項3は、前記衝撃吸収ブラケットは、側面視において前記前後の頂部が開口した状態となるように多角形開断面に形成され、前記前頂部を前記底部の前部に連結する前壁部と、前記後頂部を前記底部の後部に連結する後壁部とを有し、前記前方衝突荷重が作用した場合に、前記前後の壁部が前記底部側の部位を支点として車体後方にスイング移動することで前記前後の頂部が車体後方に変形可能としたことを特徴とする。
請求項4は、前記衝撃吸収ブラケットは、前記ストライカの前側に設けられ、前記フードの前部に上方から作用した上方衝突荷重で変形可能な前脆弱部と、前記ストライカの後側に設けられるとともに前記前脆弱部より剛性が低く形成され、前記前方衝突荷重および前記上方衝突荷重で変形可能な後脆弱部と、を有し、前記上方衝突荷重が作用した場合に、前記前脆弱部および前記後脆弱部が変形して前記フードを車体後方へスライド移動することを特徴とする。
請求項5は、前記スライド手段は、前記フードまたは前記ヒンジに設けられ、前記フードおよび前記ヒンジを締結するフード締結部材が貫通するフード取付孔を有し、前記フード取付孔は、前記フード締結部材を貫通させた状態において、前記前方衝突荷重で前記フードの車体後方へのスライド移動が許容可能に形成されたことを特徴とする。
請求項6は、前記スライド手段は、前記ヒンジまたは前記車体に設けられ、前記ヒンジおよび前記車体を締結するヒンジ締結部材が貫通するヒンジ取付孔を有し、前記ヒンジ取付孔は、前記ヒンジ締結部材を貫通させた状態において、前記前方衝突荷重で前記フードの車体後方へのスライド移動が許容可能に形成されたことを特徴とする。
請求項7は、前記スライド手段は、前記フードおよび前記ヒンジの一方に設けられるとともに他方に向けて突出されたフードストッパ部と、前記フードおよび前記ヒンジの他方に設けられ、前記フードストッパ部に当接させて前記ヒンジに対して前記フードを車体前後方向に位置決め可能で、かつ、前記前方衝突荷重による前記フードの車体後方へのスライド移動量を調整可能な移動調整/フード係止部と、を備えたことを特徴とする。
請求項8は、前記スライド手段は、前記ヒンジおよび前記車体の一方に設けられるとともに他方に向けて突出されたヒンジストッパ部と、前記ヒンジおよび前記車体の他方に設けられ、前記ヒンジストッパ部に当接させて前記車体に対して前記ヒンジを車体前後方向に位置決め可能で、かつ、前記前方衝突荷重による前記ヒンジの車体後方へのスライド移動量を調整可能な移動調整/ヒンジ係止部と、を備えたことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、フードの前部に衝撃吸収ブラケットの前後の頂部を設け、この衝撃吸収ブラケットの底部にストライカを設けた。そして、ストライカを車体に係合した状態において、フードの前部に車体前方から作用した前方衝突荷重で、衝撃吸収ブラケットの前後の頂部が車体後方へ移動するように衝撃吸収ブラケットを変形可能とした。
加えて、スライド手段を設けることで、ストライカを車体に係合した状態において、前方衝突荷重でフードの後部を車体後方へスライド移動可能とした。
フードの後部を車体後方へスライド移動させることで、衝撃吸収ブラケットの前後の頂部を車体後方へ移動させて衝撃吸収ブラケットを好適に変形させることができる。
このように、フードの後部を車体後方へスライド移動させるとともに、衝撃吸収ブラケットを変形させることで、前方衝突荷重(すなわち、衝突エネルギー)を効率よく吸収することができる。
これにより、フードの形状を比較的コンパクトに抑えた状態で衝突エネルギーを効率よく吸収することが可能になり、車両のデザイン性や設計の自由度を高めることができる。
請求項2に係る発明では、フードの前部に上方から作用した上方衝突荷重で、衝撃吸収ブラケットの前後の頂部が下方に移動するように衝撃吸収ブラケットを変形可能に形成した。
これにより、上方衝突荷重が作用した場合に、衝撃吸収ブラケットの前後の頂部が下方に移動するように衝撃吸収ブラケットを変形させて衝突エネルギーを吸収することができる。
請求項3に係る発明では、衝撃吸収ブラケットを多角形開断面に形成し、前頂部を前壁部で底部の前部に連結するとともに、後頂部を後壁部で底部の後部に連結した。
そして、前方衝突荷重が作用した場合に、前後の壁部が底部側の部位を支点として車体後方にスイング移動することで前後の頂部を車体後方に変形可能とした。
よって、底部をストライカで保持した状態で衝撃吸収ブラケットの前後の頂部を車体後方に変形(移動)させることができる。
ここで、多角形開断面は平板を曲げ成形するだけで形成できる簡素な構成である。
このように、衝撃吸収ブラケットを簡素な構成とすることで車両用フード構造のコストを抑えることができる。
さらに、前方衝突荷重で前後の壁部を車体後方にスイング移動可能とすることで、例えば、前方衝突荷重が作用した場合に、まず衝突初期においてフードの先端部(すなわち、衝撃吸収ブラケットの車体前方側の部位)を変形させ、つぎに衝突中期において前後の壁部を車体後方にスイング移動させることができる。
これにより、衝突初期や衝突中期において前方衝突荷重の衝突エネルギーを効率よく吸収することができる。
請求項4に係る発明では、衝撃吸収ブラケットのうち、ストライカの前側に前脆弱部を設け、ストライカの後側に後脆弱部を設けた。そして、後脆弱部の剛性を前脆弱部の剛性より低く設定した。
よって、前方衝突荷重が作用した場合に、後脆弱部を変形させてフードを車体後方へスライド移動させることができる。そして、前方衝突荷重が作用した後、上方衝突荷重が作用した場合に、前脆弱部および後脆弱部が変形してフードを車体後方へスライド移動するとともに、衝撃吸収ブラケットを下方へ変形させることができる。
このように、フードを車体後方へスライド移動させ、かつ、衝撃吸収ブラケットを下方へ変形させることができるので、衝突エネルギーを効率よく吸収することができる。
これにより、例えば、前方衝突荷重が作用した場合に、まず衝突初期においてフードの先端部を変形させ、つぎに衝突中期において後脆弱部を変形させてフードを車体後方へスライド移動させることができる。
加えて、衝突中期の後、フードに作用する荷重が前方衝突荷重から上方衝突荷重に変換した場合、衝突終期において前脆弱部および後脆弱部を変形させてフードを車体後方へスライド移動するとともに、衝撃吸収ブラケットを下方へ変形させることができる。
したがって、衝突初期、衝突中期や衝突終期において前方衝突荷重や上方衝突荷重の衝突エネルギーを効率よく吸収することができる。
請求項5に係る発明では、フードまたはヒンジにフード取付孔を設け、このフード取付孔をフードのスライド移動を許容可能に形成した。
これにより、フードまたはヒンジにフード取付孔を形成するだけの簡素な構成でフードを車体後方へスライド移動させることができる。
さらに、フード取付孔をフードまたはヒンジに設ける構成とすることで、通常の車両と同様に、フードをヒンジを介して車体に開閉自在に支持することができる。
請求項6に係る発明では、ヒンジまたは車体にヒンジ取付孔を設け、このヒンジ取付孔をフードのスライド移動を許容可能に形成した。
これにより、ヒンジまたは車体にヒンジ取付孔を形成するだけの簡素な構成でフードを車体後方へスライド移動させることができる。
さらに、ヒンジ取付孔をヒンジまたは車体に設ける構成とすることで、通常の車両と同様に、フードをヒンジを介して車体に開閉自在に支持することができる。
請求項7に係る発明では、フードおよびヒンジの一方から他方に向けてフードストッパ部を突出させ、フードおよびヒンジの他方に移動調整/フード係止部を設けた。
そして、移動調整/フード係止部にフードストッパ部に当接させて、フードをヒンジに対して車体前後方向に位置決めするようにした。
このように、移動調整/フード係止部およびフードストッパ部を用いてフードをヒンジに対して車体前後方向に位置決めさせることで、フードをヒンジに容易に取り付けることができる。
さらに、移動調整/フード係止部を用いてフードの車体後方へのスライド移動量を調整可能とした。フードの車体後方へのスライド移動量を調整することで、衝突エネルギーの吸収量を調整することができる。
これにより、移動調整/フード係止部を用いるだけの簡素な構成で、フードの車体後方へのスライド移動量や衝突エネルギーの吸収量を調整することができる。
請求項8に係る発明では、ヒンジおよび車体の一方から他方に向けてヒンジストッパ部を突出させ、ヒンジおよび車体の他方に移動調整/ヒンジ係止部を設けた。
そして、移動調整/ヒンジ係止部にヒンジストッパ部に当接させて、ヒンジを車体に対して車体前後方向に位置決めするようにした。
このように、移動調整/ヒンジ係止部およびフードストッパ部を用いてヒンジを車体に対して車体前後方向に位置決めさせることで、ヒンジを介してフードを車体に容易に取り付けることができる。
さらに、移動調整/ヒンジ係止部を用いてヒンジの車体後方へのスライド移動量を調整可能とした。このヒンジにフードが設けられている。よって、フードの車体後方へのスライド移動量を調整して、衝突エネルギーの吸収量を調整することができる。
これにより、移動調整/ヒンジ係止部を用いるだけの簡素な構成で、フードの車体後方へのスライド移動量や衝突エネルギーの吸収量を調整することができる。
本発明に係る車両用フード構造(実施例1)を備えた車両を示す斜視図である。 図1の2−2線断面図である。 図2の右ヒンジおよび右スライド手段を示す斜視図である。 図3の4矢視図である。 図3の5部拡大図である。 図1の6−6線断面図である。 実施例1に係る衝撃吸収ブラケットを示す斜視図である。 図7の衝撃吸収ブラケットを拡大した状態で示す斜視図である。 実施例1に係るフードの先端部を変形させて前方衝突荷重の衝突エネルギーを吸収する例を説明する図である。 実施例1に係るフードを車体後方にスライド移動させて前方衝突荷重の衝突エネルギーを吸収する例を説明する図である。 実施例1に係る衝撃吸収ブラケットを変形させて前方衝突荷重の衝突エネルギーを吸収する例を説明する図である。 実施例1に係る衝撃吸収ブラケットを変形させて上方衝突荷重の衝突エネルギーを吸収する例を説明する図である。 本発明に係る車両用フード構造(実施例2)を示す断面図である。 実施例2に係るフードの先端部を変形させて前方衝突荷重の衝突エネルギーを吸収する例を説明する図である。 実施例2に係る衝撃吸収ブラケットを変形させて前方衝突荷重の衝突エネルギーを吸収する例を説明する図である。 実施例2に係る衝撃吸収ブラケットを変形させて上方衝突荷重の衝突エネルギーを吸収する例を説明する図である。 本発明に係る車両用フード構造(実施例3)の右ヒンジおよび右スライド手段を示す断面図である。 図17の右ヒンジおよび右スライド手段を示す斜視図である。 実施例1,3の前後のフード取付孔の変形例を示す平面図である。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は運転者から見た方向にしたがい、前側をFr、後側をRr、左側をL、右側をRとして示す。
実施例1に係る車両用フード構造20について説明する。
図1に示すように、車両10は、車体11の前部に設けられたフロントバンパー12と、フロントバンパー12の車体後方(エンジンルーム側)に設けられたフロントバルクヘッド13と、フロントバルクヘッド13の後左右側に設けられた左右のフロントフェンダ14と、フロントバンパー12の後側で左右のフロントフェンダ14の間に設けられた車両用フード構造20とを備えている。
車両用フード構造20は、車体11のうち左右のフロントピラー21のピラー前部位11aに設けられた左右のヒンジ(ヒンジ)22と、左右のヒンジ22に設けられたフード(エンジンフード、ボンネット)23と、左ヒンジ22およびフード23に設けられた左スライド手段(スライド手段)24(図示せず)と、右ヒンジ22およびフード23に設けられた右スライド手段(スライド手段)24(図2、図3参照)と、フード23の前部23aに設けられた衝撃吸収ブラケット25と、衝撃吸収ブラケット25に設けられたストライカ27とを備えている。
なお、左右のヒンジ22は左右対称の部材なので、以下、右ヒンジ22について説明して左ヒンジ22の説明を省略する。
また、左右のスライド手段24は左右対称の部材なので、以下、右スライド手段24について説明して左スライド手段24の説明を省略する。
図2、図3に示すように、右ヒンジ22は、車体11のピラー前部位11aに設けられた支持ブラケット31と、支持ブラケット31に回動自在に設けられたフードアーム32とを備えている。
支持ブラケット31は、車体11のピラー前部位11aに基部34がボルト36・ナット37で取り付けられ、上端部35に支持ピン38を介してフードアーム32の後端部41が回動自在に支持されている。
フードアーム32は、後端部41から車体前方に向けて延出され、前半部42にフード23の右後部(後部)23bがボルト(フード締結部材)44・ナット45で取り付けられている。
これにより、フード23の右後部23bが右ヒンジ22を介して車体11のピラー前部位11aに回動自在に設けられ、車体11のピラー前部位11aにフード23が開閉可能に支持される。
フード23は、フード23の外板を形成するアウタパネル51と、アウタパネル51の裏面51a側に設けられてフード23の内板を形成するインナパネル52とを備えている。
インナパネル52の右後部(後部)52bおよび右ヒンジ22に右スライド手段24を備えている。
右スライド手段24は、フード23の前部23aに車体前方から作用した前方衝突荷重F1(図1参照)でフード23の右後部23bを車体後方へスライド移動可能な手段である。
すなわち、右スライド手段24は、インナパネル52の右後部52bに設けられた前後のフード取付孔(フード取付孔)54と、フードアーム32の前半部42に設けられたフードストッパ部56と、インナパネル52の右後部52bに設けられてフードストッパ部56に当接可能な移動調整/フード係止部57とを備えている。
前後のフード取付孔54は、ボルト44が貫通可能で、かつ、車体前後方向に延びる長孔に形成されている。
前後のフード取付孔54にボルト44を貫通させた状態において、インナパネル52の右後部52bがボルト44・ナット45でフードアーム32の前半部42に取り付けられている。
前後のフード取付孔54を長孔に形成することで、フード23の前部23a(図1参照)に車体前方から前方衝突荷重F1(図1参照)が作用した場合に、フード23の右後部52bが車体後方へ矢印の如くスライド移動することを許容する。
これにより、フード23(インナパネル52の右後部52b)に前後のフード取付孔54を形成するだけの簡素な構成でフード23を車体後方へスライド移動させることができる。
さらに、フード23(インナパネル52の右後部52b)に前後のフード取付孔54を設ける構成とすることで、通常の車両と同様に、フード23を右ヒンジ22を介して車体11に開閉自在に支持することができる。
フードストッパ部56は、フードアーム32の前半部42のうち前後の取付孔55間に設けられている。
具体的には、フードストッパ部56は、前半部42からインナパネル52の右後部52bに向けて突出するように立ち上げられた切起爪61と、切起爪61の基部61aに連結されて切起爪61を支える支え片62とを有する。
このフードストッパ部56は、図4に示すように、切起爪61および支え片62で平面視において略L字状に形成されている。
切起爪61は、図2に示すように、後述する開口部68に差し込まれている。
図3、図5に示すように、移動調整/フード係止部57は、インナパネル52の右後部52bのうち前後のフード取付孔54間に設けられたフード係止片64と、フード係止片64の車体前方に隣接して設けられた後方移動調整部65とを有する。
フード係止片64は、インナパネル52の右後部52bに略コ字状の切込み66を形成し、折曲部67を支点にしてアウタパネル51側(上側)に向けて斜め傾斜状に折り曲げられている。
フード係止片64を折り曲げることで、前述した開口部68が形成されている。
図2に示すように、フード係止片64の先端部64aに切起爪61を当接させることにより、右ヒンジ22に対してフード23が車体前後方向に位置決めされている。
このように、フード係止片64および切起爪61を用いてフード23を右ヒンジ22に対して車体前後方向に位置決めすることで、フード23を右ヒンジ22に容易に取り付けることができる。
図5に示すように、後方移動調整部65は、折曲部67の両端に破断用孔71が形成され、両端の破断用孔71から車体前方に向けて所定間隔Sをおいて複数の破断用孔71が形成されている。
破断用孔71は、一例として、打抜き加工(パンチング加工)などで形成された丸孔を示す。
これにより、複数の破断用孔71を形成するだけの簡単な構成で後方移動調整部65を得ることができる。
後方移動調整部65によれば、フード係止片64(具体的には、折曲部67)にフードストッパ部56から反力Rが車体前方に向けて作用することで、前後の破断用孔71間の部位69を破断させ、フード23の右後部23bを車体後方向に矢印(図2参照)の如くスライド移動させることができる。
ここで、後方移動調整部65は、一例として、前後の破断用孔71の所定間隔Sや、破断用孔71の個数を変えることで、前方衝突荷重F1(図1参照)によるフード23の車体後方へのスライド移動量を調整することができる。
フード23の車体後方へのスライド移動量を調整することで、衝突エネルギーの吸収量を調整することができる。
これにより、移動調整/フード係止部57(具体的には、後方移動調整部65)を用いるだけの簡素な構成で、フード23の車体後方へのスライド移動量や衝突エネルギーの吸収量を調整することができる。
図6〜図8に示すように、フード23の前部23a(具体的には、インナパネル52の前部52a)には、衝撃吸収ブラケット25が一体に設けられている。
衝撃吸収ブラケット25は、側面視において前後の頂部75,76が開口した状態となるように多角形開断面(略U字状断面)に形成されている。
具体的には、衝撃吸収ブラケット25は、インナパネル52の前部52aに一体に設けられた前後の頂部75,76と、前頂部75から下方に向けて折り曲げられた前壁部77と、後頂部76から下方に向けて折り曲げられた後壁部78と、後壁部78の下端部(底部79側の部位)78a(以下、「後脆弱折曲部(後脆弱部)78a」という)および前壁部77の下端部(底部79側の部位)77a(以下、「前下折曲部77a」という)を連結する底部79とを有する。
前壁部77は、前頂部75から車体後方に向けて下り勾配に折り曲げられた上前壁部81と、上前壁部81の下端部81a(以下、「前脆弱折曲部(前脆弱部)81a」という)から車体後方に向けて下り勾配に折り曲げられた下前壁部82とを有する。
前壁部77は、上前壁部81および下前壁部82が下端部81aで折り曲げられることで略く字状に形成されている。
上前壁部81は、底部79に直交する基準線84に対して傾斜角θ1で前上折曲部75aから車体後方に向けて下り勾配に折り曲げられている。この上前壁部81に複数の上前補強ビード86が車幅方向に所定間隔をおいて設けられている。
複数の上前補強ビード86は、車体前方に向けて膨出され、前上折曲部75a近傍から前脆弱折曲部81a近傍まで連続的に延びることで略矩形状に形成されている。
これにより、上前壁部81の略全域に亘って複数の上前補強ビード86が設けられ、複数の上前補強ビード86で上前壁部81の剛性が高められている。
下前壁部82は、底部79に直交する基準線84に対して傾斜角θ2で前脆弱折曲部81aから車体後方に向けて下り勾配に折り曲げられている。この下前壁部82に複数の下前補強ビード87が車幅方向に所定間隔をおいて設けられている。
複数の下前補強ビード87は、複数の上前補強ビード86と同様に、車体前方に向けて膨出され、前脆弱折曲部81a近傍から下端部77a近傍まで連続的に延びることで略矩形状に形成されている。
これにより、下前壁部82の略全域に亘って複数の下前補強ビード87が設けられ、複数の下前補強ビード87で下前壁部82の剛性が高められている。
このように、複数の上前補強ビード86で上前壁部81の剛性を高めるとともに、複数の下前補強ビード87で下前壁部82の剛性を高めることで、前脆弱折曲部81aを比較的折り曲げやすい脆弱部とすることができる。
そして、下前壁部82の前下折曲部77aから車体後方に向けて傾斜角αの上り勾配で底部79が折り曲げられている。
すなわち、前壁部77は、前頂部75を底部79の前部79aに連結する壁部である。
一方、後壁部78は、後頂部76から車体前方に向けて下り勾配に折り曲げられた上後壁部91と、上後壁部91の下端部91a(以下、「第1後中央折曲部91a」という)から車体前方に向けて下り勾配に折り曲げられた中央後壁部92と、中央後壁部92の下端部92a(以下、「第2後中央折曲部92a」という)から車体後方に向けて下り勾配に折り曲げられた下後壁部93とを有する。
後壁部78は、上後壁部91および中央後壁部92が第1後中央折曲部91aで折り曲げられ、中央後壁部92および下後壁部93が第2後中央折曲部92aで折り曲げられることで、略クランク状に形成されている。
上後壁部91は、底部79に直交する基準線84に対して傾斜角θ3で後上折曲部76aから車体前方に向けて下り勾配に折り曲げられている。
中央後壁部92は、底部79に対して略平行に第1後中央折曲部91aから車体前方に向けて下り勾配に折り曲げられている。
下後壁部93は、底部79に直交する基準線84に対して傾斜角θ4で第2後中央折曲部92aから車体前方に向けて下り勾配に折り曲げられている。
そして、下後壁部93の下端部(すなわち、後脆弱折曲部)78aから車体前方に向けて傾斜角αの下り勾配で底部79が折り曲げられている。
すなわち、後壁部78は、後頂部76を底部79の後部79bに連結する壁部である。
ここで、後壁部78は、上後壁部91から中央後壁部92を経て下後壁部93まで連続して延びる複数の後補強ビード95を備えている。複数の後補強ビード95は、後壁部78に車幅方向に所定間隔をおいて設けられている。
複数の後補強ビード95は、車体後方に向けて膨出され、略矩形状に形成されている。
これにより、第1後中央折曲部91aの車幅方向略全域に亘って複数の後補強ビード95が設けられ、複数の後補強ビード95で第1後中央折曲部91aの剛性が高められている。
また、中央後壁部92の略全域に亘って複数の後補強ビード95が設けられ、複数の後補強ビード95で中央後壁部92の剛性が高められている。
さらに、第2後中央折曲部92aの車幅方向略全域に亘って複数の後補強ビード95が設けられ、複数の後補強ビード95で第2後中央折曲部92aの剛性が高められている。
このように、複数の後補強ビード95で第1後中央折曲部91a、中央後壁部92および第2後中央折曲部92aの剛性を高めることで、後脆弱折曲部78aを比較的折り曲げやすい脆弱部とすることができる。
なお、後脆弱折曲部78aおよび前脆弱折曲部81aについては後で詳しく説明する。
図6〜図8で説明したように、衝撃吸収ブラケット25を前後の頂部75,76が開口した多角形開断面に形成することで、底部79をストライカ27で保持した状態で衝撃吸収ブラケット25の前後の頂部75,76を車体後方に変形(移動)させることができる。
ところで、前後の頂部75,76が開口した多角形開断面は、平板を曲げ成形するだけで形成可能な簡素な構成である。
このように、衝撃吸収ブラケット25を簡素な構成とすることで車両用フード構造20のコストを抑えることができる。
ここで、前壁部77は、上前壁部81および下前壁部82が前脆弱折曲部81aで折曲角θ5で略く字状に折り曲げられている。
また、前上折曲部75aおよび前下折曲部77aを結ぶ直線99が、底部79に直交する基準線84に対して傾斜角θ6で傾斜されている。
衝撃吸収ブラケット25の底部79にストライカ27が設けられている。
ストライカ27は、側面視略コ字状に形成され、前後の上端部27a,27bがストライカ補強板28の前後の取付孔に加締めた状態で設けられている。
ストライカ補強板28が底部79に取り付けられることで、ストライカ27が底部79から下向きに突出した状態で設けられている。
この状態で、ストライカ27の底ロッド部27cが、水平面に対して傾斜角αになるように、車体後方に向けて上り勾配に配置されている。
ストライカ27は、フード23を閉じた状態でフードロック97のフック98に係合可能な部材である。フードロック97は、フロントバルクヘッド13の上部13aに設けられている。
フードロック97のフック98にストライカ27を係合することで、フード23の前部23aがストライカ27を介してフロントバルクヘッド13(すなわち、車体11)に係合される。
フロントバルクヘッド13は、エンジンルーム101を車体前方の外部から仕切る略矩形状の枠体であり、剛性の高い部材である。
よって、フードロック97のフック98にストライカ27を係合することで、ストライカ27を強固に支えることができる。
ところで、前述した前脆弱折曲部81aは、ストライカ27の前側に設けられて、フード23の前部23aに上方から作用した上方衝突荷重F2で変形可能な部位である。
また、前述した前下折曲部77aは、ストライカ27の前側に設けられて、フード23の前部23aに車体前方から作用した前方衝突荷重F1や、上方衝突荷重F2で変形可能な部位である。
さらに、前述した後脆弱折曲部78aは、ストライカ27の後側に設けられるとともに前脆弱折曲部81aより剛性が低く形成され、前方衝突荷重F1や上方衝突荷重F2で変形可能な部位である。
このように、衝撃吸収ブラケット25に前脆弱折曲部81a、前下折曲部77aおよび後脆弱折曲部78aを設けることにより、フードロック97のフック98にストライカ27が係合された状態において、前方衝突荷重F1や上方衝突荷重F2で衝撃吸収ブラケット25が変形可能に形成されている。
具体的には、衝撃吸収ブラケット25は、フードロック97のフック98にストライカ27が係合された状態において、フード23の前部23aに前方衝突荷重F1が作用した場合に、前下折曲部77aを支点として車体後方にスイング移動(揺動)することで前頂部75が車体後方に変形可能に形成されている。
また、衝撃吸収ブラケット25は、フードロック97のフック98にストライカ27が係合された状態において、フード23の前部23aに前方衝突荷重F1が作用した場合に、後脆弱折曲部78aを支点として車体後方にスイング移動(揺動)することで後頂部76が車体後方に変形可能に形成されている。
すなわち、衝撃吸収ブラケット25は、フード23の前部23aに作用した前方衝突荷重F1で、前後の頂部75,76が車体後方へ移動するように変形可能に形成されている。
さらに、衝撃吸収ブラケット25は、フードロック97のフック98にストライカ27が係合された状態において、フード23の前部23aに上方衝突荷重F2が作用した場合に、上前壁部81および下前壁部82が前脆弱折曲部81aで折れ曲がる(変形する)ことで前頂部75が下方に移動するように変形可能に形成されている。
加えて、衝撃吸収ブラケット25は、フードロック97のフック98にストライカ27が係合された状態において、フード23の前部23aに上方衝突荷重F2が作用した場合に、後脆弱折曲部78aが変形し(折れ曲がり)、後脆弱折曲部78aを支点として後壁部78が車体後方にスイング移動することで後頂部76が車体後方に移動可能で、かつ下方に移動するように変形可能に形成されている。
すなわち、衝撃吸収ブラケット25は、フード23の前部23aに作用した上方衝突荷重F2で、前後の頂部75,76が車体後方へ移動するように変形可能で、かつ、前後の頂部75,76を下方に移動するように変形可能に形成されている。
以上説明したように、衝撃吸収ブラケット25のうち、ストライカ27の前側に前脆弱折曲部81aを設け、ストライカ27の後側に後脆弱折曲部78aを設けた。そして、後脆弱折曲部78aの剛性を前脆弱折曲部81aの剛性より低く設定した。
よって、前方衝突荷重F1が作用した場合に、後脆弱折曲部78aを変形させてフード23を車体後方へスライド移動させることができる。
その後、上方衝突荷重F2が作用した場合に、前脆弱折曲部81aおよび後脆弱折曲部78aを変形させてフード23を車体後方へスライド移動させ、さらに前脆弱折曲部81aおよび後脆弱折曲部78aを変形させて衝撃吸収ブラケット25を下方へ変形させることができる。
このように、フード23を車体後方へスライド移動させた後、衝撃吸収ブラケット25を下方へ変形させることができるので、衝突エネルギーを効率よく吸収することができる。
ここで、上前壁部81の傾斜角θ1、下前壁部82の傾斜角θ2、上後壁部91の傾斜角θ3、下後壁部93の傾斜角θ4、上前壁部81および下前壁部82の折曲角θ5、直線99の傾斜角θ6は、フード23の車体後方へのスライド移動量や下方への移動量などに応じて設定される。
また、上前壁部81の長さ寸法、下前壁部82の長さ寸法、下後壁部93の長さ寸法などは、フード23の車体後方へのスライド移動量や下方への移動量などに応じて設定される。
つぎに、車両用フード構造20で衝突エネルギーを吸収する例を図9〜図12に基づいて説明する。
図9(a)に示すように、フード23を閉じた状態でフードロック97のフック98にストライカ27が係合されている。ストライカ27が係合されることで、フード23の前部23aがストライカ27を介してフロントバルクヘッド13(すなわち、車体11)に係合されている。
この状態で、フード23の前部23a(具体的には、先端部23c)に車両前方から障害物105が衝突することにより、衝突初期にフード23の先端部23cに車両前方から前方衝突荷重F3が作用する。
フード23の先端部23cに前方衝突荷重F3が作用することで衝突エネルギーE1が発生する。
図9(b)に示すように、フード23の先端部23cに前方衝突荷重F3(図9(a)参照)が作用することで、フード23の先端部23cが前上折曲部75aを支点にして矢印Aの如く下方に変形する。
フード23の先端部23cが変形することで、衝突初期において衝突エネルギーE1の一部が吸収されて衝突エネルギーE2が残留する。
この状態で、衝突中期にフード23の先端部23cに前方衝突荷重F4が継続して作用する。
図10(a)に示すように、フード23に前方衝突荷重F4が作用することで、フード23の右後部23bに前方衝突荷重F4が伝わる。
フード23の右後部23bに前方衝突荷重F4が作用することで、フード23の右後部23bが車体後方に向けて矢印Bの如くスライド移動を開始する。
図10(b)に示すように、フード23の右後部23bが車体後方に矢印Bの如くスライド移動することで、フード係止片64がフードストッパ部56の切起爪61に押し付けられる。
よって、フード係止片64の折曲部67に切起爪61から反力R1が車体前方に向けて作用し、後方移動調整部65の前後の破断用孔71間の部位69が破断する。
図10(c)に示すように、前後の破断用孔71間の部位69(図10(b)参照)が破断することで、フード係止片64が切起爪61に沿って矢印Cの如く移動する。
これにより、フード23の右後部23bが静止位置P1から移動位置P2まで車体後方に矢印Bの如くスライド移動量Lだけスライド移動する。
図11(a)に示すように、フード23の右後部23b(図10(c)参照)が車体後方に矢印Bの如くスライド移動することで、衝撃吸収ブラケット25の後壁部78が後脆弱折曲部78aを支点として車体後方に矢印Dの如くスイング移動する。
後壁部78が車体後方にスイング移動することで後頂部76が車体後方に移動する。
このとき、第1後中央折曲部91aをある程度変形させて上後壁部91および中央後壁部92を略く字状の形状から僅かに広がる方向に変形させることが好ましい。
同様に、第2後中央折曲部92aをある程度変形させて中央後壁部92および下後壁部93を略く字状の形状から僅かに広がる方向に変形させることが好ましい。
このように、第1、第2の後中央折曲部91a,92aをある程度変形させることで、後頂部76を円滑に車体後方に移動させることが可能である。
後頂部76が車体後方に移動することで、衝撃吸収ブラケット25の前壁部77が前下折曲部77aを支点として車体後方に矢印Eの如くスイング移動する。
前壁部77が車体後方にスイング移動することで、前頂部75が車体後方に移動する。
このとき、前脆弱折曲部81aをある程度変形させて上前壁部81および下前壁部82を略く字状の形状から僅かに広がる方向に変形させることが好ましい。
このように、前脆弱折曲部81aをある程度変形させることで、前頂部75を円滑に車体後方に移動させることが可能である。
後頂部76および前頂部75が車体後方に移動することで、フード23の前部23aが車体後方へ移動する。
フード23の前部23aが車体後方へ移動するように、衝撃吸収ブラケット25が変形することで、衝突中期において衝突エネルギーE2の一部が吸収されて衝突エネルギーE3が残留する。
図10〜図11(a)で説明したように、フード23の右後部23bを車体後方へスライド移動させることで、衝撃吸収ブラケット25の前後の頂部75,76を車体後方へ移動させて衝撃吸収ブラケット25を好適に変形させることができる。
このように、フード23の右後部23bを車体後方へスライド移動させるとともに、衝撃吸収ブラケット25を変形させることで、前方衝突荷重F4(すなわち、衝突エネルギーE2の一部)を効率よく吸収することができる。
衝突エネルギーE2の一部を吸収した衝突後期の状態において、障害物105がフード23の前部23aに乗るように矢印Fの如く移動する。これにより、前方衝突荷重が上方衝突荷重に変換する。
前方衝突荷重の上方衝突荷重への変換中に、変換中の上方衝突荷重で、前脆弱折曲部81aおよび後脆弱折曲部78a(すなわち、衝撃吸収ブラケット25)を変形させてフード23を車体後方へスライド移動させる。
ここで、フード23は、図10(a)〜(c)で説明した作用と同様に車体後方へスライド移動する。
このとき、後頂部76の車体後方への移動に対応させて、後壁部78の第1後中央折曲部91aおよび第2後中央折曲部92aを変形させることが好ましい。
また、前頂部75の車体後方への移動に対応させて、前壁部77の前脆弱折曲部81aを変形させることが好ましい。
図11(b)に示すように、障害物105がフード23の前部23aに乗ることで、前方衝突荷重から上方衝突荷重への変換が完了する。これにより、フード23の前部23aに上方から上方衝突荷重F5が作用する。
衝撃吸収ブラケット25の後壁部78が後脆弱折曲部78aを支点として車体後方に矢印Gの如くスイング移動することで後頂部76が下方に移動する。
このとき、後頂部76の下方への移動に対応させて、後壁部78の第1後中央折曲部91aおよび第2後中央折曲部92aを変形させることが好ましい。
同時に、下前壁部82が前下折曲部77aを支点として車体前方に矢印Hの如くスイング移動するとともに、上前壁部81が前脆弱折曲部81aを支点として車体後方に矢印Iの如くスイング移動する。
よって、上前壁部81および下前壁部82が前脆弱折曲部81aで略く字状に大きく折れ曲がることにより前頂部75が下方に移動する。
後頂部76および前頂部75が下方に移動するとともに、後頂部76および前頂部75が車体後方に移動する。
図12に示すように、後頂部76および前頂部75が下方に移動するとともに、後頂部76および前頂部75が車体後方に移動することで、フード23の前部23aが矢印Jの如く下方(具体的には、車体後方に傾斜した状態で下方)へ移動する。
フード23の前部23aが下方へ移動することで、衝撃吸収ブラケット25が下方に潰れるように変形する。
このように、衝突後期において、前方衝突荷重から上方衝突荷重への変換中に、変換中の上方衝突荷重でフード23を車体後方へスライド移動させるように衝撃吸収ブラケット25を変形することができる。
さらに、変換後の上方衝突荷重F5で衝撃吸収ブラケット25を下方に潰すように変形することができる。
よって、衝突後期において、衝撃吸収ブラケット25を好適に変形させて衝突エネルギーE3を効率よく吸収することができる。
これにより、フード23の形状を比較的コンパクトに抑えた状態で衝突エネルギーを効率よく吸収することが可能になり、車両のデザイン性や設計の自由度を高めることができる。
つぎに、実施例2〜実施例3の車両用フード構造110,140を図13〜図18に基づいて説明する。なお、実施例2〜実施例3の車両用フード構造110,140において実施例1の車両用フード構造20と同一・類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
実施例2に係る車両用フード構造110について説明する。
図13に示すように、車両用フード構造110は、実施例1の衝撃吸収ブラケット25を衝撃吸収ブラケット111に代えたもので、その他の構成は実施例1の車両用フード構造20と同様である。
フード23は、インナパネル52の前部52aに下方に膨出する膨出部113が一体に設けられている。
膨出部113は、側面視において前後の頂部114,115が開口した状態となるように逆台形状に形成されている。
すなわち、膨出部113は、前後の頂部114,115がアウタパネル51の前部51bに設けられ、前頂部114から車体後方に向けて下り勾配に張り出された前壁部116と、後頂部115から車体前方に向けて下り勾配に張り出された後壁部117と、後壁部117および前壁部116を連結する底部118とを有する。
この膨出部113に衝撃吸収ブラケット111が設けられている。
衝撃吸収ブラケット111は、側面視において前頂部75および後頂部121が開口した状態となるように多角形開断面(略U字状断面)に形成されている。
具体的には、衝撃吸収ブラケット111は、膨出部113の前頂部114に設けられた前頂部75と、後壁部117の下端部117aに設けられた後頂部121と、前頂部75から下方に向けて折り曲げられた前壁部77と、後頂部121から下方に向けて張り出された後壁部123と、後壁部123の下端部(底部79側の部位)123a(以下、「後脆弱折曲部(後脆弱部)123a」という)および前壁部77の下端部77a(以下、「前下折曲部77a」という)を連結する底部79とを有する。
後壁部123は、後頂部121から車体前方に向けて下り勾配に張り出されている。
そして、後壁部123の下端部(すなわち、後脆弱折曲部)123aから車体前方に向けて傾斜角αの下り勾配で底部79が折り曲げられている。
すなわち、後壁部123は、後頂部121を底部79の後部79bに連結する壁部である。
ここで、後頂部121から後壁部123の上半部まで連続して複数の後補強ビード124が延出されている。複数の後補強ビード124は、後頂部121および後壁部123の上半部に車幅方向に所定間隔をおいて設けられている。
複数の後補強ビード124は、車体後方に向けて膨出され、略矩形状に形成されている。
これにより、後頂部121および後壁部123の連結部126が複数の後補強ビード124で剛性が高められている。
このように、後頂部121および後壁部123の連結部126の剛性を高めることで、後脆弱折曲部123aを比較的折り曲げやすい脆弱部とすることができる。
後脆弱折曲部123aは、ストライカ27の後側に設けられるとともに前脆弱折曲部81aより剛性が低く形成され、前方衝突荷重F1や上方衝突荷重F2で変形可能な部位である。
実施例2の車両用フード構造110は、衝撃吸収ブラケット111をフード23(具体的には、インナパネル52)と別体とすることで、設計の自由度を高めることができる。
つぎに、車両用フード構造110で衝突エネルギーを吸収する例を図14〜図16に基づいて説明する。
図14(a)に示すように、フード23を閉じた状態でフードロック97のフック98にストライカ27が係合されている。ストライカ27が係合されることで、フード23の前部23aがストライカ27を介してフロントバルクヘッド13(すなわち、車体11)に係合されている。
この状態で、フード23の前部23a(具体的には、先端部23c)に車両前方から障害物105が衝突することにより、衝突初期にフード23の先端部23cに車両前方から前方衝突荷重F6が作用する。
フード23の先端部23cに前方衝突荷重F6が作用することで衝突エネルギーE4が発生する。
図14(b)に示すように、フード23の先端部23cに前方衝突荷重F6(図14(a)参照)が作用することで、フード23の先端部23cが前上折曲部75aを支点にして矢印Kの如く下方に変形する。
フード23の先端部23cが変形することで、衝突初期において衝突エネルギーE4の一部が吸収されて衝突エネルギーE5が残留する。
この状態で、衝突中期にフード23の先端部23cに前方衝突荷重F7が継続して作用する。
フード23に前方衝突荷重F7が作用することで、図10(a)〜(c)で説明したように、フード23の右後部23bが車体後方にスライド移動する。
図15(a)に示すように、フード23が車体後方に矢印Lの如くスライド移動することで、膨出部113の後壁部117および衝撃吸収ブラケット111の後壁部123が、後脆弱折曲部123aを支点として車体後方に矢印Mの如くスイング移動する。
後壁部123が車体後方にスイング移動することで膨出部113の後頂部115が車体後方に移動する。
後頂部115が車体後方に移動することで、衝撃吸収ブラケット111の前壁部77が前下折曲部77aを支点として車体後方に矢印Nの如くスイング移動する。
前壁部77が車体後方にスイング移動することで、膨出部113の前頂部114および衝撃吸収ブラケット111の前頂部75が車体後方に移動する。
後頂部115および前頂部114,75が車体後方に移動することで、フード23の前部23aが車体後方へ移動する。
フード23の前部23aが車体後方へ矢印Lの如く移動するように、衝撃吸収ブラケット111が変形することで、衝突中期において衝突エネルギーE5の一部が吸収されて衝突エネルギーE6が残留する。
以上説明したように、フード23の右後部23b(図2参照)を車体後方へスライド移動させることで、膨出部113の前頂部114、衝撃吸収ブラケット111の前頂部75および膨出部113の後壁部117を車体後方へ移動させて衝撃吸収ブラケット111を好適に変形させることができる。
このように、フード23の右後部23bを車体後方へスライド移動させるとともに、衝撃吸収ブラケット111を変形させることで、前方衝突荷重F7(すなわち、衝突エネルギーE5の一部)を効率よく吸収することができる。
衝突エネルギーE7の一部を吸収した衝突後期の状態において、障害物105がフード23の前部23aに乗るように矢印Oの如く移動する。これにより、前方衝突荷重が上方衝突荷重に変換する。
前方衝突荷重の上方衝突荷重への変換中に、変換中の上方衝突荷重で、前脆弱折曲部81aおよび後脆弱折曲部123a(すなわち、衝撃吸収ブラケット111)を変形させてフード23を車体後方へスライド移動させる。
ここで、フード23は、図10(a)〜(c)で説明した作用と同様に車体後方へスライド移動する。
図15(b)に示すように、障害物105がフード23の前部23aに乗ることで、前方衝突荷重から上方衝突荷重への変換が完了する。これにより、フード23の前部23aに上方から上方衝突荷重F8が作用する。
膨出部113の後壁部117および衝撃吸収ブラケット111の後壁部123が、後脆弱折曲部123aを支点として車体後方に矢印Pの如くスイング移動することで膨張部113の後頂部115が下方に移動する。
同時に、下前壁部82が前下折曲部77aを支点として車体前方に矢印Qの如くスイング移動するとともに、上前壁部81が前脆弱折曲部81aを支点として車体後方に矢印Rの如くスイング移動する。
よって、上前壁部81および下前壁部82が前脆弱折曲部81aで略く字状に大きく折れ曲がることにより膨出部113の前頂部114および衝撃吸収ブラケット111の前頂部75が下方に移動する。
後頂部115および前頂部114,75が下方に移動するとともに、後頂部115および前頂部114,75が車体後方に移動する。
図16に示すように、後頂部115および前頂部114,75が下方に移動するとともに、後頂部115および前頂部114,75が車体後方に移動することで、フード23の前部23aが矢印Sの如く下方(具体的には、車体後方に傾斜した状態で下方)へ移動する。
フード23の前部23aが下方へ移動することで、衝撃吸収ブラケット111が下方に潰れるように変形する。
このように、衝突後期において、前方衝突荷重から上方衝突荷重への変換中に、変換中の上方衝突荷重でフード23を車体後方へスライド移動させるように衝撃吸収ブラケット111を変形することができる。
さらに、変換後の上方衝突荷重F8で衝撃吸収ブラケット111を下方に潰すように変形することができる。
よって、衝突後期において、衝撃吸収ブラケット111を好適に変形させて衝突エネルギーE6を効率よく吸収することができる。
これにより、フード23の形状を比較的コンパクトに抑えた状態で衝突エネルギーを効率よく吸収することが可能になり、車両のデザイン性や設計の自由度を高めることができる。
すなわち、実施例2の車両用フード構造110によれば、実施例1の車両用フード構造20と同様の効果を得ることができる。
実施例3に係る車両用フード構造140について説明する。
図17〜図18に示すように、車両用フード構造140は、実施例1の右スライド手段24を右スライド手段(スライド手段)141に代えたもので、その他の構成は実施例1の車両用フード構造20と同様である。
右スライド手段141は、フード23の前部23aに車体前方から作用した前方衝突荷重F1(図1参照)でフード23の右後部23bを車体後方へスライド移動可能な手段である。
すなわち、右スライド手段141は、支持ブラケット31の基部34に設けられた前後のヒンジ取付孔(ヒンジ取付孔)143と、基部34の後端部34aに設けられたヒンジストッパ部145と、車体11のピラー前部位11aに設けられてヒンジストッパ部145に当接可能な移動調整/ヒンジ係止部146とを備えている。
前後のヒンジ取付孔143は、実施例1の前後のフード取付孔54と同様に、ボルト(ヒンジ締結部材)36が貫通可能で、かつ、車体前後方向に延びる長孔に形成されている。
前後のヒンジ取付孔143にボルト36を貫通させた状態において、支持ブラケット31の基部34がボルト36・ナット37で車体11のピラー前部位11aに取り付けられている。
前後のヒンジ取付孔143を長孔に形成することで、フード23の前部23a(図1参照)に車体前方から前方衝突荷重F1(図1参照)が作用した場合に、フード23の右後部23bが車体後方へ矢印の如くスライド移動することを許容する。
これにより、右ヒンジ22(支持ブラケット31の基部34)に前後のヒンジ取付孔143を形成するだけの簡素な構成でフード23を車体後方へスライド移動させることができる。
さらに、右ヒンジ22(支持ブラケット31の基部34)に前後のヒンジ取付孔143を設ける構成とすることで、通常の車両と同様に、フード23を右ヒンジ22を介して車体11に開閉自在に支持することができる。
ヒンジストッパ部145は、支持ブラケット31の基部34から車体11のピラー前部位11aに向けて下方に折り曲げられた切起爪147と、切起爪147の基部147aに連結されて切起爪147を支える支え片148とを有する。
このヒンジストッパ部145は、実施例1のフードストッパ部56と同様に、切起爪147および支え片148で底面視において略L字状に形成されている。
切起爪147は、図17に示すように、後述する開口部155に差し込まれている。
移動調整/ヒンジ係止部146は、車体11のピラー前部位11aに設けられたヒンジ係止片151と、ヒンジ係止片151の車体後方に隣接して設けられた後方移動調整部152とを有する。
ヒンジ係止片151は、実施例1のフード係止片64と同様に、車体11のピラー前部位11aに略コ字状の切込み153を形成し、折曲部154を支点にして下側に向けて斜め傾斜状に折り曲げられている。
ヒンジ係止片151を折り曲げることで、前述した開口部155が形成されている。
図17に示すように、ヒンジ係止片151の先端部151aに切起爪147を当接させることにより、右ヒンジ22に対してフード23が車体前後方向に位置決めされている。
このように、ヒンジ係止片151および切起爪147を用いてフード23を右ヒンジ22に対して車体前後方向に位置決めすることで、フード23を右ヒンジ22に容易に取り付けることができる。
後方移動調整部152は、実施例1の後方移動調整部65と同様に、折曲部154の両端に破断用孔157が形成され、両端の破断用孔157から車体前方に向けて所定間隔Sをおいて複数の破断用孔157が形成されている。
破断用孔157は、一例として、打抜き加工(パンチング加工)などで形成された丸孔を示す。
これにより、複数の破断用孔157を形成するだけの簡単な構成で後方移動調整部152を得ることができる。
後方移動調整部152によれば、ヒンジ係止片151(具体的には、折曲部154)にヒンジストッパ部145から反力Rが車体前方に向けて作用することで、前後の破断用孔157間の部位158を破断させ、フード23の右後部23bを車体後方向に矢印(図17参照)の如くスライド移動させることができる。
ここで、後方移動調整部152は、一例として、前後の破断用孔157の所定間隔Sや、破断用孔157の個数を変えることで、前方衝突荷重F1(図1参照)によるフード23の車体後方へのスライド移動量を調整することができる。
フード23の車体後方へのスライド移動量を調整することで、衝突エネルギーの吸収量を調整することができる。
これにより、移動調整/ヒンジ係止部146(具体的には、後方移動調整部152)を用いるだけの簡素な構成で、フード23の車体後方へのスライド移動量や衝突エネルギーの吸収量を調整することができる。
すなわち、実施例3の車両用フード構造140によれば、実施例1の車両用フード構造20と同様の効果を得ることができる。
実施例1の右スライド手段24では前後のフード取付孔54を車体前後方向に延びる長孔に形成し、実施例2の右スライド手段141では前後のヒンジ取付孔143を車体前後方向に延びる長孔に形成した例について説明したが、取付孔はこれに限らない。
例えば、前後のフード取付孔54や前後のヒンジ取付孔143を図19に示す変形例のように形成することも可能である。
図19に示すように、変形例の取付孔160は、ボルト44,36を貫通可能な丸孔161と、丸孔161から車体前後方向に延びるスリット162とを有する。
この取付孔160は前後のフード取付孔や前後のヒンジ取付孔に適用可能である。
スリット162の幅寸法Wを丸孔161の孔径Dより小さく設定することで、フード23の右後部23bが車体後方にスライド移動する際に、スリット162をボルト44,36に合わせて幅広になるように変形させることができる。
スリット162を幅広に変形させることで衝突エネルギーを吸収することができ、衝突エネルギーをさらに効率よく吸収することができる。
なお、本発明に係る車両用フード構造20,110,140は、前述した実施例1〜3に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例1,2では、前後のフード取付孔54をフード23(インナパネル52)に設けた例について説明したが、これに限らないで、前後のフード取付孔54を右ヒンジ22に設けることも可能である。
また、前記実施例3では、前後のヒンジ取付孔143を右ヒンジ22(支持ブラケット31の基部34)に設けた例について説明したが、これに限らないで、前後のヒンジ取付孔143を車体11に設けることも可能である。
さらに、前記実施例1,2では、フードストッパ部56を右ヒンジ22(フードアーム32)に設け、移動調整/フード係止部57をフード23(インナパネル52)に設けた例について説明したが、これに限定するものではない。
例えば、フードストッパ部56をフード23に設け、移動調整/フード係止部57を右ヒンジ22に設けることも可能である。
また、前記実施例3では、ヒンジストッパ部145を右ヒンジ22(基部34)に設け、移動調整/ヒンジ係止部146を車体11に設けた例について説明したが、これに限定するものではない。
例えば、ヒンジストッパ部145を車体11に設け、移動調整/ヒンジ係止部146を右ヒンジ22に設けることも可能である。
さらに、前記実施例1,3では、後方移動調整部65の破断用孔71や、後方移動調整部152の破断用孔157を丸孔に形成した例について説明したが、これに限らないで、破断用孔71,157を長孔やスリットなどの他の形状に形成することも可能である。
また、前記実施例1〜3で示した車両用フード構造20,110,140、左右のヒンジ22、フード23、フードの前部23a、フードの後部23b、左右のスライド手段24,141、衝撃吸収ブラケット25,111、ストライカ27、ボルト36,44、前後のフード取付孔54、フードストッパ部56、移動調整/フード係止部57、前壁部77、後壁部78,123、底部79、前後のヒンジ取付孔143、ヒンジストッパ部145、移動調整/ヒンジ係止部146および取付孔160などの形状は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
本発明は、フードの後部がヒンジを介して車体に設けられ、フードの前部がストライカを介して車体に係合可能な車両用フード構造を備えた自動車への適用に好適である。
10…車両、11…車体、20,110,140…車両用フード構造、22…左右のヒンジ(ヒンジ)、23…フード、23a…フードの前部、23b…フードの後部、24,141…左右のスライド手段(スライド手段)、25,111…衝撃吸収ブラケット、27…ストライカ、36…ボルト(ヒンジ締結部材)、44…ボルト(フード締結部材)、54…前後のフード取付孔(フード取付孔)、56…フードストッパ部、57…移動調整/フード係止部、75…前頂部、76,121…後頂部、77…前壁部、77a…前下折曲部(底部側の部位)、78,123…後壁部、78a,123a…後脆弱折曲部(底部側の部位、後脆弱部)、79…底部、81a…前脆弱折曲部(前脆弱部)、143…前後のヒンジ取付孔(ヒンジ取付孔)、145…ヒンジストッパ部、146…移動調整/ヒンジ係止部、160…取付孔(フード取付孔、ヒンジ取付孔)、F1,F3,F4,F6,F7…前方衝突荷重、F2,F5,F8…上方衝突荷重、L…スライド移動量。

Claims (8)

  1. フードの後部がヒンジを介して車体に回動自在に設けられ、前記フードの前部がストライカを介して前記車体に係合可能な車両用フード構造において、
    前記フードの前部に前後の頂部が設けられるとともに底部に前記ストライカを設け、前記フードの前部に車体前方から作用した前方衝突荷重で前記前後の頂部が車体後方へ移動するように変形可能な衝撃吸収ブラケットと、
    前記前方衝突荷重で前記フードの後部を車体後方へスライド移動可能なスライド手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用フード構造。
  2. 前記衝撃吸収ブラケットは、
    前記フードの前部に上方から作用した上方衝突荷重で、前記前後の頂部が下方に移動するように変形可能に形成されたことを特徴とする請求項1記載の車両用フード構造。
  3. 前記衝撃吸収ブラケットは、
    側面視において前記前後の頂部が開口した状態となるように多角形開断面に形成され、
    前記前頂部を前記底部の前部に連結する前壁部と、前記後頂部を前記底部の後部に連結する後壁部とを有し、
    前記前方衝突荷重が作用した場合に、前記前後の壁部が前記底部側の部位を支点として車体後方にスイング移動することで前記前後の頂部が車体後方に変形可能としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用フード構造。
  4. 前記衝撃吸収ブラケットは、
    前記ストライカの前側に設けられ、前記フードの前部に上方から作用した上方衝突荷重で変形可能な前脆弱部と、
    前記ストライカの後側に設けられるとともに前記前脆弱部より剛性が低く形成され、前記前方衝突荷重および前記上方衝突荷重で変形可能な後脆弱部と、
    を有し、
    前記上方衝突荷重が作用した場合に、前記前脆弱部および前記後脆弱部が変形して前記フードを車体後方へスライド移動することを特徴とする請求項3記載の車両用フード構造。
  5. 前記スライド手段は、
    前記フードまたは前記ヒンジに設けられ、前記フードおよび前記ヒンジを締結するフード締結部材が貫通するフード取付孔を有し、
    前記フード取付孔は、
    前記フード締結部材を貫通させた状態において、前記前方衝突荷重で前記フードの車体後方へのスライド移動が許容可能に形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車両用フード構造。
  6. 前記スライド手段は、
    前記ヒンジまたは前記車体に設けられ、前記ヒンジおよび前記車体を締結するヒンジ締結部材が貫通するヒンジ取付孔を有し、
    前記ヒンジ取付孔は、
    前記ヒンジ締結部材を貫通させた状態において、前記前方衝突荷重で前記フードの車体後方へのスライド移動が許容可能に形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車両用フード構造。
  7. 前記スライド手段は、
    前記フードおよび前記ヒンジの一方に設けられるとともに他方に向けて突出されたフードストッパ部と、
    前記フードおよび前記ヒンジの他方に設けられ、前記フードストッパ部に当接させて前記ヒンジに対して前記フードを車体前後方向に位置決め可能で、かつ、前記前方衝突荷重による前記フードの車体後方へのスライド移動量を調整可能な移動調整/フード係止部と、
    を備えたことを特徴とする請求項5記載の車両用フード構造。
  8. 前記スライド手段は、
    前記ヒンジおよび前記車体の一方に設けられるとともに他方に向けて突出されたヒンジストッパ部と、
    前記ヒンジおよび前記車体の他方に設けられ、前記ヒンジストッパ部に当接させて前記車体に対して前記ヒンジを車体前後方向に位置決め可能で、かつ、前記前方衝突荷重による前記ヒンジの車体後方へのスライド移動量を調整可能な移動調整/ヒンジ係止部と、
    を備えたことを特徴とする請求項6記載の車両用フード構造。
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