JP3872976B2 - 干渉形光ファイバジャイロにおける多軸時分割処理システム - Google Patents

干渉形光ファイバジャイロにおける多軸時分割処理システム Download PDF

Info

Publication number
JP3872976B2
JP3872976B2 JP2001340748A JP2001340748A JP3872976B2 JP 3872976 B2 JP3872976 B2 JP 3872976B2 JP 2001340748 A JP2001340748 A JP 2001340748A JP 2001340748 A JP2001340748 A JP 2001340748A JP 3872976 B2 JP3872976 B2 JP 3872976B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axis
modulation
phase
time
phase difference
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001340748A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003139541A (ja
Inventor
澄典 本田
Original Assignee
東京航空計器株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東京航空計器株式会社 filed Critical 東京航空計器株式会社
Priority to JP2001340748A priority Critical patent/JP3872976B2/ja
Publication of JP2003139541A publication Critical patent/JP2003139541A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3872976B2 publication Critical patent/JP3872976B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般にサニャック干渉計内を対向伝搬する2光波間の回転により生じた位相差を測定する光ファイバセンサに関し、特にディジタルクローズドループ方式光ファイバジャイロに関する。
【0002】
【従来の技術】
サニャック干渉計を用いた光ファイバジャイロ(Interferometer-Fiber Optic Gyro:以下「I−FOG」と称す)は、航空機、船舶等の移動体において、慣性空間に対する回転を計測するセンサとして使用されており、多くは、直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)回りの回転角速度を計測する慣性センサとして使用される。 図10に1軸分のI−FOGの従来例を示す。
1軸分のI−FOGは、一般に光源1,センシングループ6,光カプラ2,位相変調器5を有するニオブ酸リチウム(LiNbO3 )導波路チップ(以下、「I−FOGチップ」と称す)4,受光器7および各素子を連結するための光ファイバ3よりなる光学部ならびにディジタルクローズドループ制御回路10を備えた回路部により構成される。
【0003】
光学部のセンシングループ6とI−FOGチップ4はサニャック干渉計を形成しており、回転角速度により対向伝搬する2光波間にサニャック位相差を生じさせ、それに応じた帰還光量が受光器7で観測される。
受光器7の出力は、アンプ8で増幅された後、A/D変換器9でAD変換され、ディジタルクローズドループ制御回路10で角速度信号が同期検出される。
ディジタルクローズドループ制御回路10は、τD をディジタル回路の周期処理1フレームの時間とすると、τD ≒τ(τ:光波がセンシングループを伝搬する時間)の関係で動作し、回転検出に用いるバイアス変調波と、2πの位相回転に相当するピーク・トゥ・ピーク値を有した鋸歯状波である“セロダイン波”をディジタル回路で生成し、それらを加算した後、D/A変換器11でD/A変換し、位相変調器5に印加する。
【0004】
バイアス変調波とセロダイン波は、τD ごとに離散化されており、光学部は十分な応答速度を有した位相変調器5により、それらを反映したものとなる。
また、ディジタルクローズドループ制御回路10は、ディジタル積分回路を有し、同期検出された角速度信号がゼロとなるようにセロダイン波形を制御する。ディジタル的に生成されたセロダイン波は、ディジタル積分回路の出力を階段1段の高さとした階段波形であり、これは回転角速度による位相差(サニャック位相差)をキャンセルする位相差に相当する。
【0005】
位相変調器5に与える信号電圧は、光波に与える位相回転に比例しており、位相回転をφ(t)とすると、生じる位相差は、
φ(t)−φ(t−τD ) で与えられる。
これによりクローズドループが形成され、制御量、すなわちディジタル積分回路の出力をジャイロ出力とする。
【0006】
ここで複数軸、例えば3軸の慣性センサを構成する場合には、図11に示すように光源21,受光器26を3軸で共通化して部品点数を低減し、コスト、質量、消費電力を低減化する手段がある。
このような3軸I−FOGでは、受光器26で観測される帰還光量は、3軸の成分が加算された状態となっており、各軸の成分を分別するために、個々の軸が有する位相変調器24a,24b,24cにおいて、回転検出のためのバイアス変調を時分割にシフトさせて行うことにより3軸の分別を可能にしている。
【0007】
従来の技術では、3軸分別の具体的な方法として、例えば米国特許5,184,195に開示されたように、各軸に印加される位相変調を、各軸のセンシングループを対向伝搬する2光波間に図12のような位相差が与えられるように行うというもの等がある。
ここでは、図12(a)はX軸に与えられた位相差であり、図12(b)はY軸に与えられた位相差であり、図12(c)はZ軸に与えられた位相差である。これは時間的にモード1→モード2→モード3→モード1→モード2→モード3→……のように周期的に変化しており、
モード1では、±π/2の位相差をX軸に与え、Y軸とZ軸には±πの位相差が与えられる。
モード2では、±π/2の位相差をY軸に与え、X軸とZ軸には±πの位相差が与えられる。
モード3では、±π/2の位相差をZ軸に与え、X軸とY軸には±πの位相差が与えられる。
【0008】
このような位相差は、光波に図13に示すようなシーケンスから成る位相変調を行うことにより生成される。これは、位相変調器に印加される波形からセロダイン波を除いたものであり、そのシーケンスの中にバイアス変調を含み、定常的に生成される基本的な変調波形である(以下、「基本変調」と称す)。
図13(a)は X軸の位相変調器に印加される基本変調であり、図13(b)はY軸の位相変調器に印加される基本変調であり、図13(c)はZ軸の位相変調器に印加される基本変調である。各軸に入力される基本変調は6τD の周期を有した同一波形であり、2τD ずつシフトさせている。
【0009】
センシングループを対向伝搬する2光波間の位相差と受光器出力は図14に示すような関係を有する。回転角速度を検出する際は、±π/2が位相差バイアスとして与えられる。ここでは最大の感度が与えられ、I およびIIの観測点を観測し、それらを比較することにより、回転方向および角速度を計測する。また、±πの位相差を与える観測点は、III およびIVであり、このとき感度は最小となり、受光光量はゼロ付近となる。τD ごとに遷移状態を表すスパイクが観測されるが、このスパイクはAD変換器28でのサンプリングで適切に除去される。
【0010】
X軸サニャック干渉計の帰還光量についてこれらを示すと図15のようになる。モード1では、ΔIxI,II=IxI −IxIIが現れ、モード2、モード3では、
ΔIxIII,IV=IxIII −IxIVが現れる。
Y軸については、モード2では、ΔIyI,II=IyI −IyIIが現れ、モード1、モード3では、ΔIyIII,IV=IyIII −IyIVが現れる。
Z軸については、モード3では、ΔIzI,II=IzI −IzIIが現れ、モード1、モード2では、ΔIzIII,IV=IzIII −IzIVが現れる。
【0011】
これらをまとめると、図16に示すように時間的にシフトさせて基本変調を行うことを意味している。
受光器26で観測される帰還光量は、X軸、Y軸、Z軸の重ね合わせとなり、図17のように表される。ここでΔIxIII,IV,ΔIyIII,IV,ΔIzIII,IVは、小さいため、
モード1では、X軸の回転角速度を表すΔφx =ΔIxI,IIが現れる。
モード2では、Y軸の回転角速度を表すΔφy =ΔIyI,IIが現れる。
モード3では、Z軸の回転角速度を表すΔφz =ΔIzI,IIが現れる。
このため、3軸成分の分離が可能であり、これらを同期検出することにより、クローズドループとすることができる。
【0012】
しかしながら、以上に示した方法では、受光器26で観測される3軸のサニャック干渉計からの出力は各軸で多少とも異なり、それらを正確に一致させることは困難であるため、各軸のクローズドループが達成された場合においても、受光器26の出力が図18に示すように、X軸の時間領域(モード1)、Y軸の時間領域(モード2)、Z軸の時間領域(モード3)で異なり、所望しない変動要素ΔI XY,ΔI YZ,ΔI ZXが存在している。つまり、クローズドループ達成時
IxI =IxII(=Ix),IyI =IyII(=Iy),IzI =IzII(=Iz)
となるが、Ix≠Iy≠Izである。そのため本方法を用いない1軸のみの場合と比べて、ノイズの増大やバイアス安定性が劣化するという欠点があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、3軸のサニャック干渉計からの出力が各軸で異なることによる所望しない変動要素が生じ、性能が劣化するという欠点があった。
本発明の目的は、複数軸のサニャック干渉計からの出力が各軸で異なっていても、所望しない変動要素が生じることがなく、かつ性能を劣化させることのない干渉形光ファイバジャイロにおける多軸時分割処理システムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明による多軸時分割処理システムは、周期処理1フレームの時間τD がτD ≒τ(τ:光波のセンシングループ伝搬時間)の関係で動作するディジタルクローズドループ制御回路を備えた複数軸のI−FOGにおいて、軸数がAN (AN :2以上の自然数)であり、各軸のサニャック干渉計において、各軸の位相変調器に、時間間隔がNτD (N:ある固定の整数)であり、その間に位相差2nπ+αと2nπ−α(n:整数、α:0<α<π,固定値)の何れかを発生し、かつ、両方を含む回転検出を行うためのバイアス変調区間と、それに続いて時間間隔が(AN −1)NτD であり、その間に位相差2nπ+αと2nπ−αの何れか一方のみを発生し、その軸のサニャック干渉計の帰還光量は一定となる無効変調区間とからなる1周期であって、その時間間隔がAN NτD である変調波形を印加し、その際、各軸に入力される変調波形は、NτD ずつシフトさせて印加するように構成されている。
また、本発明は、周期処理1フレームの時間τD がτD ≒τ(τ:光波のセンシングループ伝搬時間)の関係で動作するディジタルクローズドループ制御回路を備えた複数軸のI−FOGにおいて、軸数がAN (AN :2以上の自然数)であり、各軸のサニャック干渉計において、各軸の位相変調器に、時間間隔がNτD (N:ある固定の整数)であり、その間に位相差2nπ+αと2nπ−α(n:整数、α:0<α<π,固定値)の何れかを発生し、かつ、両方を含む回転検出を行うためのバイアス変調区間と、それに続いて時間間隔が(AN −1)NτD であり、その間に位相差2nπ+αと2nπ−αの何れか一方のみを発生し、その軸のサニャック干渉計の帰還光量は一定となる無効変調区間と、それに続いて、時間間隔がNτD であり、その間に位相差2nπ+αと2nπ−αの何れかの、前回のバイアス変調区間と正負均等となる位相差を発生し、かつ、両方を含む回転検出を行うためのバイアス変調区間と、それに続いて時間間隔が(AN −1)NτD であり、その間に位相差2nπ+αと2nπ−αの内、前回の帰還光量は一定となる無効変調区間と異なる、一方のみの位相差を発生し、その軸のサニャック干渉計の帰還光量は一定となる無効変調区間とからなる1周期であって、その時間間隔が2AN NτD である変調波形を印加し、その際に、各軸に入力される変調波形は、NτD ずつシフトさせて印加するように構成されている。
【0015】
さらに本発明は上記構成において前記無効変調区間で用いる位相変調波形は、前記N=4であり、ディジタル制御回路内で、位相回転との関係において、
{π/2,π,3π/2,2π}、または{3π/2,π,π/2,0}で表される相対値を周期的に生成することによりサニャック干渉計の帰還光量が一定となるように構成されている。
さらには本発明は上記構成において前記1周期の位相変調波形は、前記AN =3,N=4であり、ディジタル制御回路内で、位相回転との関係において、
{3π/2,2π,π/2,2π,π/2,π,3π/2,2π,π/2,π,3π/2,2π,π/2,0,3π/2,0,3π/2,π,π/2,0,3π/2,π,π/2,0}で表される相対値を周期的に生成して構成されている。
【0016】
【作用】
上記構成によれば、複数軸、例えば3軸のサニャック干渉計からの出力が各軸で異なっていても、変動要素が生じることがなく、性能も劣化することがない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1はバイアス変調による+αと−αの位相差を説明するための図である。
ディジタルクローズドループ制御回路を備えたI−FOGにおいては、一般にバイアス変調によって+α(0<α<π,固定値)の位相差と−αの位相差を観測点として回転角速度を検出する。また、この2点に限らず、セロダイン波が2πP-P の振幅を有していること、および過大な回転角速度により、以下の系列で区分できる位相差、
(i)+αと2nπ(n:整数)だけ離れた位相差の系列(+α系列):
2nπ+α:……,−4π+α,−2π+α,α,2π+α,4π+α,……
(ii)−αと2nπ(n:整数)だけ離れた位相差の系列(−α系列):
2nπ−α:……,−4π−α,−2π−α,α,2π−α,4π−α,……
が発生する。2nπ(n:整数)だけ離れた位置で観測される受光光量は等しいため、図1において●点と○点の受光光量を比較することにより回転角速度が検出される。
【0018】
バイアス変調の最も一般的な形態としては、
f=1/(2τD
ここで、τD ≒τ , τ:光波のセンシングループ伝搬時間
の周波数を有した±π/4の矩形波により位相変調を行うことにより、±π/2の位相差を与えることが行われるが(即ちα=π/2)、それ以外にも様々な形態をとり得ることについても公知である。
【0019】
本発明の基本変調、すなわち位相変調器に印加される波形からセロダイン波を除いたものであり、そのシーケンスの中にバイアス変調を含み、定常的に生成される基本的な変形波長(基本変調)は、
時間間隔が、TR =NτD (N:ある固定の整数)であるバイアス変調区間(回転検出区間)と、
時間間隔が、TN =2NτD である回転を検出せず、かつ、その軸のサニャック干渉計の帰還光量は一定となる区間、すなわち、その時、その軸が無効であるように作用する区間(以下、「無効変調区間」と称す)からなり、基本変調の1周期は、TB =3NτD である。
バイアス変調区間と無効変調区間の受光光量は、クローズドループ達成時において同一であり、遷移状態でのスパイクを除いて常に一定値となる。
【0020】
これは基本変調を図2に示すように+α系列の位相差と−α系列の位相差の両方を含んだバイアス変調区間と、どちらか一方の系列の位相差(図では+α系列)のみからなる無効変調区間から構成することで実現される。各軸に入力される基本変調は3NτD の周期を有した同一波形であり、NτD ずつシフトさせている。
【0021】
ここで、α=2π/Nである。
図2において、モード1では、X軸の回転角速度が検出され、Y軸、Z軸の回転角速度は検出されない。
モード2では、Y軸の回転角速度が検出され、X軸、Z軸の回転角速度は検出されない。
モード3では、Z軸の回転角速度が検出され、X軸、Y軸の回転角速度は検出されない。
+α系列のみの位相差を無効変調区間で発生させるためには、図3(a)のような階段波形で位相変調を行うことにより達成される。図3はN=5の場合の例である。
【0022】
ただし、バイアス変調波形は以下の規則に従わなければならない。
(i)バイアス変調区間の最後のフレームにおいては、それに続く無効変調区間の最初のフレームとの関係において、無効変調区間の最初のフレームの位相差がそれ以降のフレームと同系列(ここでは+α系列)の位相差となる必要があり、かつ、
(ii)バイアス変調区間において発生する位相差は、+α系列、−α系列の何れかであり、かつ、それぞれの系列は1回以上発生しなければならない。
無効変調区間は、図3(b)のような類似した形態においても+α系列のみの位相差を発生させることは容易に類推できる。
【0023】
このような一連のシーケンスよりなる基本変調波形を用いることにより、各軸から帰還光量を以下のように扱うことができる。
バイアス変調区間において+α系列の位相差(観測点)を生じさせたときの帰還光量と、−α系列の位相差(観測点)を生じさせたときの帰還光量を比較して、回転角速度を検出し、無効変調区間において、+α系列、−α系列の一方のみを位相差(観測点)を生じさせ、このとき帰還光量は、回転角速度に無関係に一定値となる。
これらの関係の例を図4に示す。また、クローズドループ達成時においては、帰還光量は、図5に示すように、遷移状態のスパイクを除いて全区間において等しい。
【0024】
このような基本変調波形をセロダイン波に加算したものを、図2に従い、各軸の位相変調器に印加することにより、3軸の帰還光量が加算された受光器出力は、遷移状態のスパイクを除いて全区間において等しくなる。
すなわち、本発明は3軸のサニャック干渉計からの出力が各軸で異なっていても、所望しない変動要素を生じさせず、それにより性能を劣化させることがない。
さらに、より高安定を実現させるという点において、基本変調により発生する位相差が、位相差0を中心として正側と負側で均等に現れることが望ましい。これは、DA変換器以降のアナログ部での波形歪み等の影響が多少とも存在し、ジャイロ出力に誤差を与えるためである。基本変調波形を正負均等とすることによって誤差が低減される。
【0025】
正負均等とした基本変調波形の例を図6(a)に示す。
これは、N=4の場合の例である。従って、α=π/2である。
この例では、図中のCで示したレベルを中心に正負(上下)均等となっている。基本変調波形(定常的に生成される基本的な変調波形)は、時間間隔がNτD (N:ある固定の整数)である正側のバイアス変調区間と、時間間隔が2NτD である正側の無効変調区間と、時間間隔がNτD である負側のバイアス変調区間と、時間間隔が2NτD である負側の無効変調区間から成り、基本変調の1周期は6NτD である。
【0026】
したがって、本例においては24フレームの周期となる。
発生する位相差は、図6(b)に示すように、位相差0を中心に正負均等となっており、正側のバイアス変調区間では、±α系列となり、正側の無効変調区間では、+α系列のみとなり、負側のバイアス変調区間では、正側を逆転させた関係
Figure 0003872976
したがって、図1より、バイアス変調区間と無効変調区間の受光光量は、クローズドループ達成時において同一であり、遷移状態でのスパイクを除いて常に一定値となる。
【0027】
図6(a)に示した基本変調波形は、デジタル制御回路内で、位相回転との関係において、
{3π/2,2π,π/2,2π,π/2,π,3π/2,2π,π/2,π,3π/2,2π,π/2,0,3π/2,0,3π/2,π,π/2,0,3π/2,π,π/2,0}
で表される相対値を周期的に生成することにより実現できる。
【0028】
このような基本変調波形をセロダイン波に加算したものを、図7に従い、時間的にシフトさせ、各軸の位相変調器に印加することにより、3軸の帰還光量が加算された受光器出力は、遷移状態のスパイクを除いて全区間において等しくなる。すなわち本発明は、3軸のサニャック干渉計からの出力が各軸で異なっていても、所望しない変動要素を生じさせず、DA変換器以降のアナログ部での波形歪み等の影響が減殺され、高安定を実現することができる。
図6および図7に例示した形態以外に、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、それを実現する形態が存在することは、当業者であれば容易に類推することができる。
【0029】
【実施例】
一般に、I−FOGのディジタルクローズドループ制御回路は、プログラマブル・ロジックデバイス、マイクロプロセッサ等を用いて、ソフトウェアとして容易に実現される。
以上に示した高安定な3軸時分割処理技術は、3軸分のディジタルクローズドループ制御回路により、以下のような形態で実現される。良く知られているような“ダブルクローズドループ方式”を用いることが、ここでも有効である。
【0030】
ディジタルクローズドループ制御回路は、その周期処理において、現フレームが、基本変調区間における何フレーム目であるかを参照して、回転角速度を同期検出し、フィードバック制御を行う。
同期検出の方法としては、まず、1〜6N(=24,N:ある固定の整数、この例ではN=4)までの識別信号を発生させ、それに応じて基本変調波形を発生させる。それにより、τD を1フレームとする基本変調周期6NτD において現フレームが何フレーム目であるかは、予め回路内で識別されている。また、基本変調波形により生じる位相差が、どの様に回転角速度信号を発生するかということは、規則化できることから、それらと識別信号との対応関係が利用される。
【0031】
図6(a)に例示した基本変調波形を用いた場合、ある軸の帰還光量に現れるサニャック効果による回転角速度信号は、図8(b)のように発生する(図8(a)は、図6(a)と同一)。回転が逆方向であれば、DCレベルを中心に反転した出力が現れる。
これは、例えば、バイアス変調区間である識別信号3のフレームと識別信号4のフレームでの帰還光量を保持し、適切な関係で減算することにより、回転角速度信号が得られることを示している。
【0032】
また、位相変調器に印加する信号電圧と、光波に与える位相回転は、比例関係にあるが、その変換係数、すなわちスケールファクタは、温度等の外乱要因により変動する。したがって、位相変調振幅を、常時適正値に設定する必要がある。この振幅誤差信号は、同一系列の異なる位相差における受光光量を比較することにより検出され、それが0となるように、位相変調振幅にフィードバックされる。
図6(a)に例示した基本変調波形を用いた場合、ある軸の帰還光量に現れる振幅誤差信号は、図8(c)のように発生する。誤差の符号が反対であれば、DCレベルを中心に反転した出力が現れる。
これは、例えば、バイアス変調区間である識別信号2のフレームと識別信号3のフレームでの帰還光量を保持し、適切な関係で減算することにより、振幅誤差信号が得られることを示している。
【0033】
図9に本発明による多軸時分割処理システムに適用する3軸I−FOGのデジタルクローズドループ制御回路の実施例を示す。
本発明は、より具体的にはこのようなディジタルクローズドループ制御回路により実現される。各軸の制御回路は、ダブルクローズドループ方式で同じ回路であるので、代表してX軸制御回路について説明する。
加算器47でセロダイン波形発生器45からのセロダイン波形と基本変調波形発生器46からの基本変調波形が加算される。基本変調波形は識別信号発生器35から供給される識別信号(6n値)に基づいて生成される。さらに識別信号は、制御部38に供給され、制御部38は特定の規則に基づいた同期検出のための参照信号を生成する。この参照信号は保持および減算機能を備えた同期検出回路(A)39および(B)40に供給され、同期検出回路(A)39および(B)40は回転角速度信号および振幅誤差信号を検出する。これをもとに積分器(A)44および(B)41により、クローズドループ制御および変調振幅制御が形成される。
【0034】
なお、Y軸では識別信号発生器35からの識別信号をNフレーム遅延部36に取り込み、シフトした識別信号をY軸制御回路に供給する。同様にZ軸では識別Nフレーム遅延部36からの識別信号をNフレーム遅延部37に取り込み、シフトした識別信号をZ軸制御回路に供給する。
したがって識別信号(1〜6N)は、各軸にNフレームずつ遅延させて供給され、これにより、基本変調波形は図7に従い、時間的にシフトされ、各軸の位相変調器に印加される。
3軸のダブルクローズドループ、合計6ループが達成された状態においては、3軸の帰還光量が加算された受光器26の出力は、3軸のサニャック干渉計からの出力が各軸で異なっていても、遷移状態のスパイクを除いて全区間において等しくなる。そのため、所望しない変動要素が生じることはなく、また性能が劣化することはない。
【0035】
以上、本発明の実施例回路として図9を例示したが、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の実施例回路を構成することも可能である。
また、3軸の場合に限らず、他の複数軸の場合でも同様に適用できるものである。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、I−FOGのコスト、質量、消費電力を低減するために光源、受光器を多数の軸で共通化する場合において、受光器で観測される複数軸のサニャック干渉計からの出力が各軸で異なっていても、所望しない変動要素が生ずることがなく、性能を劣化させることもない多軸時分割処理システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バイアス変調による+αと−αの位相差を説明するための図である。
【図2】3軸I−FOGにおいて時間的にシフトさせた位相変調の例を示す図である。
【図3】階段波形で位相変調を行うことによる無効変調の例を示す波形図である。
【図4】ある1軸のサニャック干渉計の帰還光量の例を示す図である。
【図5】ある1軸のサニャック干渉計のクローズドループ時の帰還光量の例を示す図である。
【図6】正負均等とした位相変調および位相差の例を示す波形図である。
【図7】3軸I−FOGにおいて時間的にシフトさせた正負均等とした位相変調の例を示す図である。
【図8】回転角速度信号および振幅誤差信号発生の例を示す図である。
【図9】本発明による多軸時分割処理システムに適用する3軸I−FOGのデジタルクローズドループ制御回路の実施例を示すブロック図である。
【図10】1軸分のI−FOGの従来例を示す回路ブロック図である。
【図11】光源、受光器を3軸で共通化して部品点数を低減した3軸のI−FOGを示す回路ブロック図である。
【図12】従来の3軸I−FOGにおいて各軸に与えられる位相差を説明するための図である。
【図13】従来の3軸I−FOGにおいて各軸の位相変調器で生じさせる位相回転を説明するための図である。
【図14】センシングループを対向伝搬する2光波間の位相差と受光器出力の関係を説明するための図である。
【図15】X軸サニャック干渉計の帰還光量を説明するための図である。
【図16】従来の3軸I−FOGにおいて時間的にシフトさせた位相変調を説明するための図である。
【図17】従来の3軸I−FOGにおいて受光器で観測される帰還光量を説明するための図である。
【図18】従来の3軸I−FOGにおいて受光器で観測されるクローズドループ時の帰還光量を説明するための図である。
【符号の説明】
1,21 光源
2,22,23 光カプラ
3 光ファイバ
4 I−FOGチップ
5,24a,24b,24c 位相変調器
6,25a,25b,25c センシングループ
7,26 受光器
8,27 アンプ
9,11,28,30a,30b,30c A/D変換器
10,29 ディジタルクローズドループ制御回路
12,31a,31b,31c ドライバ
35 識別信号発生器(6N値発生)
36,37 Nフレーム遅延(識別信号シフト)
38 制御部(同期検出参照信号発生)
39 同期検出回路A(回転角速度信号)
40 同期検出回路B(変調振幅誤差信号)
41 積分器B(変調振幅制御)
42 2π振幅部(ノミナル値)
43,47 加算器
44 積分器A(クローズドループ制御)
45 セロダイン波形発生器
46 基本変調波形発生器
48 乗算器

Claims (4)

  1. 周期処理1フレームの時間τD がτD ≒τ(τ:光波のセンシングループ伝搬時間)の関係で動作するディジタルクローズドループ制御回路を備えた複数軸のI−FOGにおいて、
    軸数がAN (AN :2以上の自然数)であり、
    各軸のサニャック干渉計において、各軸の位相変調器に、時間間隔がNτD (N:ある固定の整数)であり、その間に位相差2nπ+αと2nπ−α(n:整数、α:0<α<π,固定値)の何れかを発生し、かつ、両方を含む回転検出を行うためのバイアス変調区間と、それに続いて時間間隔が(AN −1)NτD であり、その間に位相差2nπ+αと2nπ−αの何れか一方のみを発生し、その軸のサニャック干渉計の帰還光量は一定となる無効変調区間とからなる1周期であって、その時間間隔がAN NτD である変調波形を印加し、
    その際、各軸に入力される変調波形は、NτD ずつシフトさせて印加することを特徴とする干渉形光ファイバジャイロにおける多軸時分割処理システム。
  2. 周期処理1フレームの時間τD がτD ≒τ(τ:光波のセンシングループ伝搬時間)の関係で動作するディジタルクローズドループ制御回路を備えた複数軸のI−FOGにおいて、
    軸数がAN (AN :2以上の自然数)であり、
    各軸のサニャック干渉計において、各軸の位相変調器に、時間間隔がNτD (N:ある固定の整数)であり、その間に位相差2nπ+αと2nπ−α(n:整数、α:0<α<π,固定値)の何れかを発生し、かつ、両方を含む回転検出を行うためのバイアス変調区間と、それに続いて時間間隔が(AN −1)NτD であり、その間に位相差2nπ+αと2nπ−αの何れか一方のみを発生し、その軸のサニャック干渉計の帰還光量は一定となる無効変調区間と、
    それに続いて、時間間隔がNτD であり、その間に位相差2nπ+αと2nπ−αの何れかの、前回のバイアス変調区間と正負均等となる位相差を発生し、かつ、両方を含む回転検出を行うためのバイアス変調区間と、それに続いて時間間隔が(AN −1)NτD であり、その間に位相差2nπ+αと2nπ−αの内、前回の帰還光量は一定となる無効変調区間と異なる、一方のみの位相差を発生し、その軸のサニャック干渉計の帰還光量は一定となる無効変調区間とからなる1周期であって、その時間間隔が2AN NτD である変調波形を印加し、
    その際に、各軸に入力される変調波形は、NτD ずつシフトさせて印加することを特徴とする干渉形光ファイバジャイロにおける多軸時分割処理システム。
  3. 前記無効変調区間で用いる位相変調波形は、
    前記N=4であり、ディジタル制御回路内で、位相回転との関係において、
    {π/2,π,3π/2,2π}、または{3π/2,π,π/2,0}で表される相対値を周期的に生成することによりサニャック干渉計の帰還光量が一定となるように構成したことを特徴とする請求項1または2記載の干渉形光ファイバジャイロにおける多軸時分割処理システム。
  4. 前記1周期の位相変調波形は、
    前記AN =3,N=4であり、ディジタル制御回路内で、位相回転との関係において、
    {3π/2,2π,π/2,2π,π/2,π,3π/2,2π,π/2,π,3π/2,2π,π/2,0,3π/2,0,3π/2,π,π/2,0,3π/2,π,π/2,0}で表される相対値を周期的に生成して構成したことを特徴とする請求項2記載の干渉形光ファイバジャイロにおける多軸時分割処理システム。
JP2001340748A 2001-11-06 2001-11-06 干渉形光ファイバジャイロにおける多軸時分割処理システム Expired - Fee Related JP3872976B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001340748A JP3872976B2 (ja) 2001-11-06 2001-11-06 干渉形光ファイバジャイロにおける多軸時分割処理システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001340748A JP3872976B2 (ja) 2001-11-06 2001-11-06 干渉形光ファイバジャイロにおける多軸時分割処理システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003139541A JP2003139541A (ja) 2003-05-14
JP3872976B2 true JP3872976B2 (ja) 2007-01-24

Family

ID=19154897

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001340748A Expired - Fee Related JP3872976B2 (ja) 2001-11-06 2001-11-06 干渉形光ファイバジャイロにおける多軸時分割処理システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3872976B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102759634B (zh) * 2012-06-29 2013-11-13 浙江大学 闭环控制的干涉型光纤加速度计

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003139541A (ja) 2003-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4034847B2 (ja) 過変調を採用している光ファイバ・ジャイロスコープにおけるクロスカップリングを抑制するための方法および装置
JP2878441B2 (ja) ファイバー光測定装置、ジャイロメータ、セントラルナビゲーション、及び安定化システム
JP3058361B2 (ja) ファイバー光測定装置、レートジャイロ、ナビゲーションと安定化システム、磁界及び電流センサ
US5052808A (en) Method and apparatus for interferometric rotation sensor phase modulation, intensity demodulation, and control
US7038783B2 (en) Eigen frequency detector for Sagnac interferometers
JPH0587580A (ja) 回転速度の測定のための光フアイバサニヤツク干渉計
KR20000015911A (ko) 낮은 각속도에서 감소된 비선형성을 갖는 광섬유 자이로스코프
JP2015021963A (ja) 光ファイバジャイロスコープ不動帯誤差抑制
JP4065577B2 (ja) 分散データ処理を有する光ファイバジャイロのループ制御装置
JP3872976B2 (ja) 干渉形光ファイバジャイロにおける多軸時分割処理システム
JP4445049B2 (ja) 光ファイバジャイロスコープ用速度制御ループ
JP2016224032A (ja) 回転によりバイアスされる光ファイバジャイロスコープ
JP2021081334A (ja) 光ファイバジャイロ並びにその制御方法及び制御装置
JP2014048227A (ja) 光ファイバジャイロ及び位相変調器のスケールファクタ変動量測定方法
US7187448B2 (en) Nonreciprocal phase shift fiber-optic gyrometer
US5305086A (en) Two step demodulation synchronous detector
JP4109757B2 (ja) 光ファイバジャイロ
RU2626019C1 (ru) Способ повышения точности волоконно-оптического гироскопа с закрытым контуром
JP3272333B2 (ja) 光ファイバジャイロ
JPH0961174A (ja) 光ファイバジャイロ装置
JPH07134039A (ja) 光ファイバジャイロ
JP3493487B2 (ja) 光干渉角速度計
JP4365033B2 (ja) 光ファイバ・ジャイロスコープの初期設定のための方法および装置
JPH04369421A (ja) 光ファイバジャイロ
KR100719648B1 (ko) 광섬유자이로스코프에서교차결선을극복하기위한장치및방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060417

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061010

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061023

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3872976

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101027

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101027

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111027

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111027

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111027

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121027

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121027

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131027

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees