JP3493487B2 - 光干渉角速度計 - Google Patents
光干渉角速度計Info
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Description
光に対し±(nπ+π/2)の矩形波状位相変調を与
え、干渉光の電気信号をディジタル信号に変換した後、
各変調サイクルの前半と後半の差分をとることにより角
速度情報を得る光干渉角速度計に関する。
たクローズドループ方式光干渉角速度計(以下「FO
G」と称す)の従来例を示す。光源11からの光Ii は
光カプラ12を通じて光学素子13に入射され、光学素
子13中のY分岐結合点14において2分されて、光フ
ァイバコイル15の両端に右回り光(CW光)、左回り
光(CCW光)として入射され、光ファイバコイル15
を透過したCW光、CCW光はそれぞれ、Y分岐結合点
14で合成干渉され、干渉光I0 として、光カプラ12
に戻って来る。なお、光ファイバコイル15の一端に入
射される光は、光学素子13内の光位相変調器16で位
相変調回路17からの位相変調電圧Vp により、同期的
に位相変調される。
分岐されて干渉光I0 として受光器18に入射されて電
気信号Vd に変換され、この電気信号Vd は増幅器20
を通じてA/D変換器19へ供給されてディジタル信号
に変換された後、光位相変調と同期した参照信号により
同期検波回路21で同期検波され、その検波出力はフィ
ードバック回路22中の積分器23で積分され、位相変
調電圧V1 の半周期ごとにその積分値がステップ電圧と
してフィードバック信号発生回路26で加算され鋸歯状
波のフィードバック電圧が発生し、これがD/A変換器
27でアナログ電圧Vf に変換され、光学素子13中の
光位相変調器28で光ファイバコイル15の他端へ光に
対し、光位相変調が行われる。クロック発生回路29よ
り、互いに同期した各種の信号が生成され、A/D変換
器19の変換制御、同期検波回路21の参照信号、積分
器23、フィードバック信号発生回路26の各リセット
信号、位相変調回路17の変調信号生成用クロックがそ
れぞれ供給される。
ドバック信号Vf として階段状の位相偏移を付与するデ
ィジタルフェーズランプ方式と呼ばれているもので階段
状の一段の幅はこれによる位相偏移が光学路としての光
ファイバコイル15を通過する光の伝搬時間τと一致す
るように設定されている。また位相変調器16による光
位相変調もその変調半周期をτとすると、±(nπ+π
/2)(rad)の位相偏移を与える矩形波(両光間の
位相差として)とされている。通常は、n=0の±π/
2(rad)が両光間の位相差として与えられる。
形波を光ファイバコイル15の片端に配置した位相変調
器(バイアシング変調手段)16に印加し、光ファイバ
コイル15を伝搬する両光間に±π/2(rad)の位
相差を交互に付与する。その結果、受光器18に到達し
た干渉光I0 は、図3に示すようになる。位相変調のI
の領域は、両光間の位相差が“0”の状態を示し、IIの
領域は光ファイバコイル15に、その軸心を中心とする
角速度が印加されサニャック位相差Δφs が生じた状態
を示す。位相変調のIの領域の各半周期区間φ1 〜φ4
に相当する干渉光I0 の出力I1 〜I4 は、図に示すよ
うに同レベルとなり干渉光の強度に差異は生じない。し
かしIIの領域は、半周期区間φ5 ,φ7 に対応する干渉
光I5 ,I7 と、半周期区間φ6 ,φ8 に対応する干渉
光I6 ,I8 の干渉光強度に差異ΔIが生じる。その差
異ΔIは、次式で表わされる。
渉光I5 ,I7 と区間φ6 ,φ8 に対応する干渉光
I6 ,I8 の干渉光強度の差異ΔIを検出すれば、サニ
ャック位相差Δφs を知ることができる。ここでサニャ
ック位相差Δφs は、 Δφs =4πRLΩ/(cλ)=Ks ・Ω ・・・(2) R:光ファイバコイル15の半径、L:光ファイバコイ
ル15の光ファイバ長、c:光速、λ:光源11の出射
光の波長、Ks :サニャック係数で表わされ、サニャッ
ク係数Ks を比例定数として入力角速度Ωに比例する。
このような干渉光出力I1 〜In は、受光器18で光電
変換された後、周期τでA/D変換され、その後同期検
波回路21により(1)式に対応するディジタル量が演
算される。
ジタル量を求めることができる。図4は、従来光干渉角
速度計の欠点を説明するための図で同図Aは、A/D変
換器(A/Dコンバータ)19の入力信号を示し、一定
オフセット電圧が重畳されている場合であり、同図B
は、A/D変換器19の入力信号に時間とともに変動す
るオフセット電圧が重畳している場合を示している。こ
こでA1 ,B1 ,A2 ,B2 …は、図3におけるI1 ,
I2 …In に対応したもので入力角速度は、零の状態で
ある。τごとに発生しているパルス30は位相変調の立
上り、立下り時間が存在するために発生するスパイクで
ある。図4Aでは、オフセット電圧が一定であるため、
矩形波位相変調の前半周期と後半周期に対応したディジ
タル量(A/D変換器19の出力)の差ΔDは、 ΔD=DAn−DBn ・・・(3) であり、同期検波手段21は、位相変調の1周期(2
τ)の前半のディジタル量DAnと後半のディジタル量D
Bnの差を演算するものであるから、同期検波出力はΔD
=0となり誤差は生じない。DAn,DBnは、A/D変換
器19の入力An ,Bn に対応したディジタル量を示
し、図4Cに示すタイミングでディジタル量に変換され
る。
電圧が変動すると(3)式の値ΔDは、ΔD≠0となり
誤差が生じる。
来の光干渉角速度計は、A/D変換器19の入力信号に
おいてオフセット電圧の変動等があるとその後のディジ
タル同期検波手段でバイアス誤差が発生する。このオフ
セット電圧の変動は、光源11からの光が光ファイバコ
イル15を経て受光器18までに至る光学系の損失が周
囲温度、衝撃、振動等によって変動し、受光器18に到
達する光量が徐々に又はインパルス的に変動したりする
ため、あるいは矩形波状位相変調の振幅が上記と同様環
境変化によって徐々に又はインパルス的に変動したりす
ることによって、オフセット電圧が徐々に又は過渡的に
変動する。
路は、例えば図6に示すように構成される。つまり受光
器18の出力端はコンデンサ31を通じ、更に抵抗素子
32を通じて演算増幅器33の反転入力端へ接続され、
演算増幅器33の反転入力端と出力端の間に帰還抵抗素
子34が接続され、演算増幅器33の出力端はA/D変
換器19の入力端に接続され、抵抗素子35,36によ
る電源端子37の電圧の分圧点に演算増幅器33の非反
転入力端が接続される。この構成において、図3に示さ
れる直流的なオフセット光量IOFの分は、AC結合コン
デンサ31により遮断されるが、上記のように時間とと
もに徐々に変化したり、過渡的に変化するオフセットに
ついては、AC結合コンデンサ31を、変化の速度に対
応して通過する。
ット変動によって発生するバイアス誤差を除去し、バイ
アス安定度の良い光干渉角速度計を提供することにあ
る。
光の電気信号をディジタル信号に変換し、そのディジタ
ル信号の、光位相変調半周期τの整数倍離れた少くとも
二つの値の差からバイアス誤差が順次求められ、そのバ
イアス誤差で、ディジタル同期検波出力である、各変調
サイクルの前半のディジタル値と後半のディジタル値と
の差分に対して補正がなされる。
すように、A/D変換器19よりのディジタル信号はτ
ごとに分配手段41により変調サイクルの前半のディジ
タル値DA,1 ,DA,2 ,DA,3 …と、後半のディジタル
値DB,1 ,DB,2 ,DB,3 …とに分配されて、レジスタ
42,43に順次格納され、各変調サイクルごとにその
前半のディジタル値DA,n+1 と後半のディジタル値D
B,n+1 との差が差演算器44でとられ、ディジタル同期
検波が行われる。
離し、かつ互いに異なる変調サイクルの二つの値の差分
によりバイアス誤差が求められる。つまりバイアス誤差
演算手段45において、遅延素子46により変調周期の
半分τだけ、レジスタ43のディジタル値DB,n+1 が遅
延され、その遅延出力DB,n とレジスタ42のディジタ
ル値DA,n+1 との差DB,n −DA,n+1 が減算器47でと
られてバイアス誤差(DB,n −DA,n+1 )が求められ
る。
応出力に対する補正が補正手段48で行われる。つまり
減算器44の出力は遅延素子49でτだけ遅延され、こ
の遅延出力から減算器51でバイアス誤差が差し引かれ
る。この補正された信号(DA,n −DB,n )−(DB,n
−DA,n+1 )が得られる。このような演算が各変調サイ
クルごとに行われる。
される理由を説明する。A/D変換器19の入力信号の
オフセット電圧が時間とともに一定の傾きで増加してい
るとすると、入力角速度が零の条件でのA/D変換器1
9の入力信号は図5Aに示すようになり、入力角速度Ω
が印加された条件での入力信号は図5Bに示すようにな
る。先ず図5Aにおいてディジタル同期検波手段21の
出力は、DA,1 ,DB,1 ,DA,2 ,DB,2 ,…に対し
(3)式を演算していることとなり、つまり DA,1 −DB,1 =−ΔDOF ・・・(4) DA,2 −DB,2 =−ΔDOF ・・・(5) となり2τ時間に変化したオフセット量と等しいΔDOF
が誤差になる。
段21の出力は、DA,1',DB,1',DA,2',DB,2',…
に対し(3)式を演算すると、 DA,1'−DB,1'=ΔD−ΔDOF ・・・(6) DA,2'−DB,2'=ΔD−ΔDOF ・・・(7) となり、入力角速度が零の時と同様2τ時間に変化した
オフセット量と等しいΔDOFが誤差となる。
除去するため下式にもとづきバイアス補正値DCnを求め
る。まず図5Aにおいてバイアス補正値DCnを求める。 DCn=DB,n −DA,n+1 ・・・(8) 上式(8)にもとづきバイアス補正値DCnを求めると以
下のようになる。
2)式で求めたバイアス補正値をそれぞれ減じる。まず
入力角速度が零の条件でのオフセット誤差補正後のデー
タは、次となる。
力角速度が印加された条件での誤差補正後のデータは、
次式となる。 (DA,1'−DB,1')−(DB,1'−DA,2')=2・ΔD ・・・(15) (DA,2'−DB,2')−(DB,2'−DA,3')=2・ΔD ・・・(16) この場合もオフセット誤差分ΔDOFは除去され、入力角
速度Ωに対応したデータΔDのみ出力される。
ってよい。 DCAn =DA,n −DA,n+1 又はDCBn =DB,n −DB,n+1 ・・・(17) この場合も(17)式にもとづき図5Aについて求める
と次の通りになる。 DCA,1=DA,1 −DA,2 =−2・ΔDOF ・・・(18) 又は DCB,1=DB,1 −DB,2 =−2・ΔDOF ・・・(19) 次に図5Bについて求めると次の通りになる。
きる。そこで(4)式〜(7)式で求めた値から(1
8)式〜(21)式で求めたバイアス補正値DCnを減じ
る。まず入力角速度が零の条件でのオフセット誤差補正
後のデータは次の通りになる。
角速度が印加された条件でのオフセット誤差補正後のデ
ータは次式の通りになる。
速度Ωに対応したデータΔDのみが出力される。図5で
は、オフセット電圧の変動が一定の傾きを持っていると
したが、現実的には、さまざまな変動形態を示すことが
考えられる。しかし、光干渉角速度計を使用する環境で
の、環境変化の影響は、周波数特性的に1kHz程度で
ある。一方位相変調の周波数は、光ファイバコイル15
の光ファイバ長によって異なるが100kHz〜500
kHzあり、上記オフセット誤差を求める最小期間2τ
は、10μsec〜2μsecとなる。つまりオフセッ
ト変動の速さに比べオフセット誤差を求める最小期間2
τが十分短いため、その間では、ほぼ一定傾きで変化し
ていると近似できる。
が、この発明は矩形波位相変調の半周期の整数倍離れか
つ変調サイクルが異なる2つのディジタルデータから差
分を求めオフセット誤差ΔDOFを除去しようとするもの
で、上記以外にもさまざまな演算方法が取り得る。又前
半周期と後半周期の差分を両方求め併用することも可能
であり、また2つのディジタルデータは3τ以上離れて
もよく、更に前記のように離された複数のディジタルデ
ータのそれぞれを平均したものを用いてもよい。また図
1に示した処理は通常コンピュータにより行われる。
計に適用したが、開ループ光干渉角速度計にも適用でき
る。また上述では、A/D変換器19によるディジタル
化は、変調サイクルの半周期毎に1回実施したが、A/
D変換における折返し雑音の影響を抑えるめ、変調サイ
クルの半周期毎に複数回A/D変換するオーバサンプリ
ングを行ってもよい。この場合は、同一半周期間のデー
タは、通常累積加算され、最終的には累積加算値がその
半周期のデータとされる。
ィジタル信号中のτの整数倍離れた変調サイクルの異な
る2つ以上のデータからオフセット(バイアス)誤差を
逐次演算し、対応する同期検波値に対し補正を行ってお
り、オフセット変動によるバイアス誤差が除去され、光
干渉角速度計としてのバイアス安定性が向上する。
係を示す図。
変換タイミングを示すタイムチャート。
変換器の出力状態の例を示す図。
Claims (3)
- 【請求項1】 少くとも一周する光学路に、分岐干渉手
段により、光源からの光を右回り光、左回り光として入
射すると共に、その光学路を伝搬した右回り光と左回り
光を干渉させ、 上記光学路の1端と、上記分岐干渉手段との間に設けた
光位相変調手段により、上記光学路を伝搬する光の伝搬
時間τの2倍の周期の矩形波で、上記右回り光と左回り
光とに±(nπ+π/2)(n=0,1,2,…)の位
相差を与え、 上記分岐干渉手段よりの干渉光を受光器により電気信号
に変換し、その電気信号をA/D変換器でディジタル信
号に変換し、 上記光位相変調の1周期中の前半と対応する上記ディジ
タル信号と後半と対応する上記ディジタル信号との差分
を、上記光学路に入力された角速度情報として取り出す
光干渉角速度計において、 上記ディジタル信号の、上記光位相変調の半周期の整数
倍離れた少くとも二つの値の差からバイアス誤差を順次
求める手段と、 そのバイアス誤差で、上記差分の対応するものに対して
補正する手段とを有することを特徴とする光干渉角速度
計。 - 【請求項2】 上記バイアス誤差を求める手段は上記矩
形波状位相変調のサイクルの後半のディジタル信号と次
サイクルの前半の上記ディジタル信号との差を求めて上
記バイアス誤差とする手段であることを特徴とする請求
項1記載の光干渉角速度計。 - 【請求項3】 上記バイアス誤差を求める手段は、上記
矩形波状位相変調の1周期離れた二つの上記ディジタル
信号の差の1/2を求めて上記バイアス誤差とする手段
であることを特徴とする請求項1記載の光干渉角速度
計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17192097A JP3493487B2 (ja) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | 光干渉角速度計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17192097A JP3493487B2 (ja) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | 光干渉角速度計 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1123289A JPH1123289A (ja) | 1999-01-29 |
JP3493487B2 true JP3493487B2 (ja) | 2004-02-03 |
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ID=15932305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17192097A Expired - Fee Related JP3493487B2 (ja) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | 光干渉角速度計 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3493487B2 (ja) |
-
1997
- 1997-06-27 JP JP17192097A patent/JP3493487B2/ja not_active Expired - Fee Related
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