JP3871522B2 - 液吸収シートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品用のトレイに敷設されて使用され、または食品の包装などに使用されて、食品から滲み出るドリップを吸収できる液吸収シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生鮮食品、特に魚肉や畜肉が販売される際に、商品陳列用のトレイの上に液吸収シートが敷設されて、前記液吸収シートの上に前記生鮮食品などが設置される。また、魚肉や畜肉などを運搬または保管するときに、前記魚肉や畜肉が液吸収シートで包装されることがある。前記魚肉や畜肉から滲み出たドリップが前記液吸収シートに吸収されることにより、魚肉や畜肉の変色や、細菌の繁殖を抑制できる。
【0003】
従来の前記液吸収シートは、親水性繊維や親水処理された合成樹脂繊維で形成された不織布で単層に形成されたもの、あるいは、親水性繊維または親水処理された合成樹脂繊維で形成された液吸収層の表面に、多数の開孔を有する合成樹脂フィルムで形成された表面層が設けられた2層構造のものがある。
【0004】
前記2層構造のものは、表面層に与えられたドリップが開孔を経て前記液吸収層で吸収される。この2層構造では、液吸収シートが食品に直接接触して使用された場合に、前記液吸収層で吸収されたドリップと前記食品との間が前記合成樹脂フィルムの表面層で隔離されるため、液吸収層で吸収されたドリップの食品に再付着するのを防止しやすい。
【0005】
そのため、食品の表面での細菌の繁殖を抑制でき、また合成樹脂フィルムの表面層が食品の表面に位置することにより食品の過剰な乾燥を防止できる機能もある。さらに、前記合成樹脂フィルムの表面層を白濁化しておくことにより、液吸収層に吸収されたドリップの色を液吸収シート内に隠蔽できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記単層の液吸収シートおよび前記2層構造の液吸収シートは、裏面側に不織布などの液吸収層が露出した構造である。したがって、前記液吸収層で形成されたドリップが裏面側に滲み出やすくなっており、例えば、食品用のトレイに敷設されるトレイマットとして使用される場合に、前記液吸収層の裏面から滲み出たドリップによりトレイ表面が汚れやすい。
【0007】
環境的な配慮から、前記トレイは使用後に回収されて再使用またはリサイクルされることが行われつつあるが、前記トレイに多くの前記ドリップが付着すると、回収前に洗浄する手間がかかり、あるいはドリップが付着したままの状態で回収すると、リサイクル処理に支障をきたすことになる。
【0008】
これは前記液吸収シートを魚肉や畜肉を包装する包装シートとして使用する場合も同様であり、前記液吸収シートの裏面から滲み出たドリップにより、運搬や保管のためのトレイや冷蔵庫内を汚す原因になる。
【0009】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、魚肉や畜肉のドリップを吸収したときに、裏面側からのドリップの滲み出しを抑制できるようにして、例えば食品用のトレイの汚れなどを防止できるようにした液吸収シートの製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、食品から出るドリップを吸収する液吸収シートの製造方法において、
親水処理された合成繊維および/または親水性繊維を少なくとも一部に含む液吸収層の、食品に対面する表面に合成樹脂の表面層を設け、裏面に前記表面層よりも膜厚の薄い合成樹脂の裏面層を設ける工程と、
裏面層側から、多数のニードルを、裏面層と液吸収層および表面層を貫通するように差し込んで、裏面層と表面層に多数の孔を形成するとともに、表面層を形成する樹脂を表面層から外方に筒状に伸ばして伸び部を形成する工程と、
前記ニードルを引き抜き、前記伸び部を液吸収層内に入り込ませることによって表面層と連続して液吸収層内に入り込む多数の導液管とこの導液管内に位置する孔を形成するとともに、前記裏面層に表面層の前記孔よりも開口面積の小さい多数の開孔を形成し、液吸収層に表面層の孔と裏面層の孔とを繋ぐ空隙または他の領域よりも繊維密度の低い連通部を形成する工程と、
を有することを特徴とするものである。
【0011】
上記製造方法で得られる液吸収シートでは、表面層に与えられたドリップが孔および連通部を介して液吸収層に吸収される。前記表面層は液吸収層に吸収されたドリップを食品から隔離する機能を発揮でき、また前記裏面層は、液吸収層に吸収されたドリップが裏面側から滲み出るのを防止する機能を発揮する。
【0012】
なお、前記表面層と裏面層の少なくとも一方は、液吸収層の表面に合成樹脂層を溶融押出しラミネートしたものであって、液吸収層を構成する繊維と前記合成樹脂層とが溶融押出しラミネート時の熱により融着されたものであってもよいし、あるいは前記表面層と裏面層の少なくとも一方が、前記液吸収層に接着剤を用いて接着されたものであってもよい。
【0013】
また、前記表面層と前記裏面層とで前記孔が同じ位置に形成されており、前記表面層に形成された孔の周囲には、前記液吸収層に入り込む導液管が形成されている。
【0014】
表面層の孔に前記導液管が形成されていると、液吸収層に吸収されたドリップが表面層の表面に戻りにくくなる。また、本発明の液吸収シートの製造方法では、液吸収層の表裏に表面層と裏面層とが積層された状態で、裏面層側からニードルを差し込んで引き抜くという簡単な作業により前記孔を形成できる。
【0015】
この場合に、前記表面層での前記孔の開口面積よりも、前記裏面層での前記孔の開口面積の方が小さい。
【0016】
前記ニードルを引き抜いたときに、表面層の孔周囲の樹脂層は液吸収層の繊維内に埋没して前記導液管の形態を保ちやすくなるが、裏面層では前記ニードルを引き抜いたときに、孔の周囲の合成樹脂層が一度裏面方向へ突出するがスプリングバックにより孔を閉じる方向へ変形しやすいため、前記裏面層の孔の面積が小さい。裏面層の孔の面積が小さくなることにより、液吸収シートの裏面からのドリップの滲み出しを防止できる。
【0017】
また、前記液吸収層では、前記表面層の孔と前記裏面層の孔とを繋ぐ領域に、空隙または他の領域よりも繊維密度の低い連通部が形成されている。
【0018】
前記ニードルを用いた開孔方法では、表面層の孔と裏面層の孔との間に、前記空隙や前記低密度部分が形成される。前記表面層の孔から液吸収層内に導かれた液(ドリップ)は、前記空隙や低密度部分の周囲に位置する繊維層の毛細管作用で前記液吸収層に引き込まれて周囲に分散するため、裏面層に形成された孔の部分に液が伝わりにくくなる。これによっても裏面方向への液の滲みを防止できる。
【0019】
さらに、前記裏面層に、多数の凹凸が形成されているものであってもよい。裏面層に凹凸が形成されていると、裏面層とトレイなどとの接触面積が低減され、裏面層の孔を経てトレイなどに液が付着するのを防止しやすい。
【0020】
前記凹凸形状は、前記液吸収層と前記裏面層とを部分的に接合することにより構成できる。
【0021】
このように部分的に接合すると、接合により液吸収層全体の嵩が低下するのを防止できるようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の製造方法で得られる液吸収シートを食品のドリップ吸収シート(トレイマット)として使用した例を示す斜視図、図2ないし図4は本発明の第1の実施の形態の液吸収シートを製造工程順に示す断面図、図5は他の実施の形態の液吸収シートを示す断面図である。
【0023】
図1に示すように、ドリップ吸収シート(トレイマット)として使用される液吸収シート1は、食品トレイ2の底部に敷設され、この液吸収シート1の上に、魚肉、畜肉などの生鮮食品が設置される。さらに通常は前記食品トレイ2の上部開口部にラップフィルムが張設されて店頭に置かれる。
【0024】
図4は図1に示す前記液吸収シート1を断面で示している。この液吸収シート1は、液吸収層3を有している。この液吸収層3は、親水性繊維および/または親水処理された合成繊維を少なくとも一部に含む繊維の集合体であり、一定の厚みで形成されている。前記液吸収層3の表面には、疎水性の表面層4が形成され、液吸収層3の裏面には疎水性の裏面層5が形成されている。前記表面層4および裏面層5は熱可塑性樹脂で形成された合成樹脂フィルムである。
【0025】
この実施の形態では、前記液吸収層3の表面および裏面に熱可塑性樹脂を溶融押出しラミネート(エクストリュージョンラミネート)することにより前記表面層4と前記裏面層5が形成されている。溶融押出しされた前記液吸収層3および前記表面層4と、前記液吸収層3を構成する繊維とは、熱融着により一体化されている。
【0026】
前記裏面層5は、最小の厚みで溶融押出しラミネートされたものであり、前記表面層4の厚みTよりも前記裏面層5の厚みtが薄く形成されている。
【0027】
前記表面層4には、合成樹脂フィルムを貫通する貫通部として多数の孔6が形成されている。また、前記裏面層5にも貫通部として多数の孔7が形成されている。この実施の形態では、表面層4の孔6と、裏面層5の孔7とが同じ位置に開孔している。前記表面層4に形成された孔6の周囲の樹脂材料は、表面層4の裏面から液吸収層3側へ突出して導液管6aが形成されており、前記導液管6aの内部に形成された前記孔6は、液吸収層3の内部に向うにしたがって内径が徐々に小さくなるテーパ孔形状である。
【0028】
前記裏面層5では、前記孔7の周囲に、孔7の中心に向って徐々に樹脂厚が薄くなり、且つ裏面層5の裏面からわずかにテーパ状に突出する変形部7aが形成されている。また、表面層4に形成された孔6の径が最も小さい部分での内径寸法をD、裏面層5に形成された孔7の径が最も小さい部分での内径寸法をdとしたときに、D>dとなっている。
【0029】
また、前記液吸収層3内では、前記孔6と前記孔7を繋ぐ領域において、空隙または他の領域よりも繊維密度の低い連通部8が形成されている。
【0030】
図4に示す液吸収シート1が、図1に示す食品トレイ2の底部に敷設され、前記液吸収シート1の上に魚肉や畜肉などの生鮮食品が設置された状態で、前記生鮮食品から肉汁などのドリップが滲み出ると、このドリップは液吸収シート1の表面層4の表面に与えられる。
【0031】
ドリップ10は、表面層4に形成された孔6から液吸収層3に入り込み、液吸収層3の繊維間の毛細管作用により、前記ドリップ10が液吸収層3内に引き込まれる。液吸収層3に吸収されたドリップは、合成樹脂フィルムの表面層4によって食品から分離されて隔離される。さらに裏面に合成樹脂フィルムの裏面層5が形成されているため、液吸収層3が食品トレイ2に直接接触せず、液吸収層3に保持されたドリップが食品トレイ2に付着するのを防止できるようになっている。
【0032】
また、図4に示す液吸収シート1では、表面層4の孔6に導液管6aが形成され、前記孔6が液吸収層3に向けて徐々に細くなるテーパ孔となっているため、食品などの荷重が液吸収シート1に作用したときに、液吸収層3内に保持されたドリップの前記孔6内への戻りが、導液管6aにより阻止されやすくなっている。そのため、表面層4の表面へのドリップの戻りが生じにくくなって、食品に再付着しにくい。
【0033】
また、裏面層5にも孔7が形成されているが、前記孔7と表面層4の孔6とを繋ぐ領域では、液吸収層3に空隙または繊維密度が低い連通部8が形成されている。図4において矢印で示すように、ドリップ10が前記表面層4の孔6から前記連通部8に入ると、直ちにその周囲に位置する繊維密度の高い領域の毛細管作用により引き込まれ、液吸収層3の周囲へ液が分散するように浸透する。前記裏面層5の孔7の直上部分は、空隙が形成されまたは繊維密度が低くなって、前記孔7の直上に、ドリップを吸引しやすい密度の高い繊維層が存在していない。したがって、液吸収シート1内ではドリップが繊維間の毛細管作用により周囲へ拡散し、裏面層5の孔7が形成されている部分へドリップが到達しにくい。そのため、前記孔7から食品トレイ2へのドリップの滲み出しを抑制できるようになる。
【0034】
さらに、前記裏面層5に形成された孔7の周囲には、孔7に向けて薄肉となった変形部7aが形成され、この変形部7aにより前記孔7の開孔寸法dが小さくされ、また好ましくは前記変形部7aによって前記孔7がほとんど開孔しない状態に閉じられている。よって、前記孔7から食品トレイ2へのドリップの滲み出しを有効に防止できる。
【0035】
次に、図4に示す液吸収シート1の製造方法を説明する。
液吸収層3は、例えばエアースルー方式で形成された不織布である。不織布の構成繊維は、例えば鞘部がPE(ポリエチレン)で芯部がPP(ポリプロピレン)の芯鞘構造の複合合成繊維で、表面に界面活性剤や親水油剤が塗布されて親水処理されたもの、または界面活性剤や親水油剤が繊維内に練り込まれて親水処理されたものが使用される。または、パルプなどの天然セルロース繊維や、再生セルロース繊維などの親水性繊維で形成された不織布、または前記親水性繊維と前記親水処理された複合合成繊維とで形成された不織布である。不織布の形態は、前記エアースルー方式の他に、スパンボンド、エアレイド、スパンレースなどであってもよい。あるいは親水性繊維または親水処理された合成繊維と、疎水性繊維の双方を含むものであってもよい。
【0036】
前記液吸収層3の目付けは1〜100g/m2が好ましく、さらに好ましくは10〜60g/m2である。厚みは0.1〜5.0mmが好ましく、さらに好ましくは0.2〜2.0mmである。また繊維密度は、0.001〜0.5g/cm3が好ましい。
【0037】
前記液吸収層3の表面に熱可塑性樹脂を溶融押し出しラミネートし、合成樹脂フィルムの表面層4を前記液吸収層3を構成する繊維に熱融着させて一体化する。前記表面層4は、LDPE(低密度ポリエチレン)、MDPE(中密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)などで形成された単層フィルム、または前記樹脂材料が2層以上で形成された多層フィルムである。
【0038】
前記表面層4には、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリュームなどの無機フィラーあるいは有機フィラーが0.1〜30質量%の範囲で混合されて、表面層4が白濁化されている。なお前記表面層4が多層フィルムの場合には、少なくとも1層、好ましくは少なくとも最表面層に前記フィラーが混入される。表面層4の膜厚は、1〜70μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは5〜30μmである。表面層4を白濁化処理することにより、液吸収層3に吸収された血液などのドリップの色を表面側から見えないように隠蔽することができる。
【0039】
また前記液吸収層3の裏面に、表面層4と同様の合成樹脂材料を溶融押出しラミネートして前記裏面層5を形成する。この裏面層5の合成樹脂フィルムもラミネートの段階で、前記液吸収層3を構成する繊維に熱融着されて一体化される。前記裏面層は単層又は多層フィルムであり、厚みは1〜70μmで、好ましくは1〜10μmである。前記表面層4では、導液管6aを有する孔6を形成することが好ましいため、その厚みTがある程度大きいことが必要であり少なくとも5μm以上とすることが好ましい。一方、前記裏面層5は、液吸収層3をトレイ2から分離できればよいため、その厚みtはラミネートのための必要最小限でよい。例えば前記厚みtは2μm〜8μm程度でもよい。
【0040】
また、裏面層5には白濁化処理のための前記無機フィラーまたは有機フィラーが含まれてもよいし、含まれていなくてもよい。
【0041】
図2に示すように、不織布の液吸収層3の表裏両面に、合成樹脂材料をラミネートした表面層4および裏面層5が一体化されているため、図2に示す積層体の剛性が高くなり、製造ライン上および開孔処理工程において形状が安定し、均一な品質の液吸収シート1を形成しやすくなる。
【0042】
前記液吸収層3および表面層4と裏面層5の積層体に対し、図3に示すように、裏面層5側から多数のニードル(針)12が差し込まれる。この針は常温であり、前記積層体を貫通するように差し込まれる。このとき図3に示すように、ニードル12により、表面層4と裏面層5に貫通孔が形成されるとともに、表面層4では貫通孔の周囲の樹脂が表面層4の外方へ伸ばされて伸び部6bが形成され、裏面層5においても、貫通孔の周囲の樹脂が液吸収層3の内部に引き伸ばされて伸び部7bが形成される。
【0043】
その後に、ニードル12が図3の図示下方向(裏面層5側)へ引き抜かれる。その結果、表面層4の前記伸び部6bが、ニードル12に引きずられて液吸収層3の内部に入り込み、図4に示す導液管6aが形成される。前記表面層4の厚みTが比較的大きく、また導液管6aが液吸収層3の繊維内へ入り込むため、前記導液管6aの形状を維持しやすい。また、ニードル12が引き抜かれると、裏面層5の伸び部7bも裏面方向へ反転させられる。しかし、裏面層5の裏面側には樹脂材料が入り込む繊維層が存在してないため、前記裏面層5に形成された変形部7aは孔7を塞ぐ方向へ収縮する。よって、前記のように裏面層5の孔7の内径dを小さくできる。
【0044】
さらに、前記ニードル12が抜き取られると、液吸収層3内の前記孔6と孔7とを繋ぐ領域に、空隙または周囲よりも繊維密度の低い連通部8が形成される。
【0045】
前記表面層4に形成された孔6の内径寸法Dは、0.1〜5.0mm、その配列ピッチは1〜20mm、開孔面積率は0.1〜80%である。
【0046】
なお、前記ニードル12を加熱して開孔処理を行うこともできる。加熱されたニードル12を用いると、導液管6aが液吸収層3の繊維に熱融着して、導液管6aの形状を維持しやすくなる。なお、前記溶融押出しラミネートではなく、常温の合成樹脂フィルムを液吸収層3の表裏に重ね、前記加熱されたニードル12で開孔処理を施すことによって、孔6と孔7の周辺の溶融された樹脂が液吸収層3の繊維に熱融着され、これによって液吸収層3と表面層4および裏面層5を接合することも可能である。
【0047】
図5に示す第2の実施の形態の液吸収シート1Aは、液吸収層3の表面に合成樹脂フィルムの表面層4が接合されている。この表面層4は液吸収層3の表面に熱可塑性樹脂を溶融押出しラミネートすることで形成され、または合成樹脂フィルムが接着されることにより形成されている。前記接着は、表面層4の裏面にホットメルト型接着剤を塗布し、あるいはエマルジョンの接着剤を塗布し、または表面層4の裏面に粘着性樹脂層をラミネートして、前記液吸収層3に加圧接合されることにより行われる。
【0048】
図5に示す第2の実施の形態では、前記裏面層5に多数の凹凸が形成された状態で液吸収層3に接合されている。例えば、図5に示すように、裏面層5となる合成樹脂フィルムに接着剤15を部分的に塗布し、または全面的に塗布してエンボスロールで加圧することにより、裏面層5と液吸収層3とが多数箇所で部分的に接着され、その結果裏面層5に凹凸が形成される。あるいは、ラミネートするときに、溶融押出しされた熱可塑性樹脂をエンボスロールで加圧することでも裏面層に凹凸を形成することができる。
【0049】
前記液吸収層3、表面層4および裏面層5が積層された積層体に対して、図3に示すのと同じ手法でニードル12が差し込まれ、且つ引き抜かれる。その結果、図4に示したのと同様に、表面層4に孔6が形成され、裏面層5に孔7が形成され、液吸収層3内に連通部8が形成される。この液吸収シート1Aは、裏面層5が凹凸形状であるため、食品トレイ2上に敷設したときに、裏面層5と食品トレイ2とが接触する面積が少なくなり、また孔7が食品トレイ2に直接に接触する確率が低くなる。よって、液吸収層3に保持されたドリップが食品トレイ2の表面に移行しにくくなる。
【0050】
また、液吸収層3と裏面層5とが部分的に接着されて、裏面層5が凹凸形状になっていると、接着時にエンボスローラで加熱したときに、液吸収層3全体の嵩の減少量を少なくでき、液吸収層3の液吸収容量を大きくできる。
【0051】
なお、図3に示す工程で、ニードル12を裏面層5および表面層4に対して斜めに差し込んで、導液管6aおよび連通部8がシートの厚み方向に対して斜めに形成されるものであってもよい。
【0052】
また表面層に形成される孔は、円形の孔に限られず、長円形の孔やスリットなどであってもよい。これは裏面層に孔を形成する場合においても同じである。
【0053】
また前記各液吸収シート1,1Aは、魚肉や食肉を包む包装材として使用することが可能である。この場合に肉汁等が包装材の外面に滲み出るのを防止できる。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明の製造方法で得られる液吸収シートは、液吸収層の表面に設けられた表面層によって、液吸収層に吸収された液を食品から隔離でき、また液吸収層の裏面に設けられた裏面層によって、液吸収層に保持された液が裏面側に滲み出るのを防止できる。よって食品トレイなどがドリップで汚れにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液吸収シートを食品のドリップ吸収シート(トレイマット)として使用した例を示す斜視図、
【図2】液吸収層に表面層と裏面層を形成した状態を示す断面図、
【図3】開孔処理を施す工程を示す断面図、
【図4】表面層と裏面層に孔が形成された本発明の第1の実施の形態の液吸収シートを示す断面図、
【図5】本発明の第2の実施の形態の液吸収シートを示す断面図、
【符号の説明】
1,1A 液吸収シート
3 液吸収層
4 表面層
5 裏面層
6 孔
6a 導液管
7 孔
7a 変形部
8 連通部
Claims (6)
- 食品から出るドリップを吸収する液吸収シートの製造方法において、
親水処理された合成繊維および/または親水性繊維を少なくとも一部に含む液吸収層の、食品に対面する表面に合成樹脂の表面層を設け、裏面に前記表面層よりも膜厚の薄い合成樹脂の裏面層を設ける工程と、
裏面層側から、多数のニードルを、裏面層と液吸収層および表面層を貫通するように差し込んで、裏面層と表面層に多数の孔を形成するとともに、表面層を形成する樹脂を表面層から外方に筒状に伸ばして伸び部を形成する工程と、
前記ニードルを引き抜き、前記伸び部を液吸収層内に入り込ませることによって表面層と連続して液吸収層内に入り込む多数の導液管とこの導液管内に位置する孔を形成するとともに、前記裏面層に表面層の前記孔よりも開口面積の小さい多数の開孔を形成し、液吸収層に表面層の孔と裏面層の孔とを繋ぐ空隙または他の領域よりも繊維密度の低い連通部を形成する工程と、
を有することを特徴とする液吸収シートの製造方法。 - 前記裏面層の孔が、ほとんど開孔しない状態に閉じられて形成される請求項1記載の液吸収シートの製造方法。
- 前記表面層は、前記液吸収層の表面に熱可塑性樹脂を溶融押出しラミネートして形成する請求項1または2に記載の液吸収シートの製造方法。
- 前記裏面層は、前記液吸収層の裏面に熱可塑性樹脂を溶融押出しラミネートして形成する請求項1ないし3のいずれかに記載の液吸収シートの製造方法。
- 前記ニードルを加熱して差し込む請求項1ないし4のいずれかに記載の液吸収シートの製造方法。
- 液吸収層の裏面と、裏面層となる合成樹脂フィルムとの間に接着剤を設け、液吸収層と合成樹脂フィルムとをエンボスロールで加圧し、液吸収層と合成樹脂フィルムを部分的に接着させて、裏面層に凹凸を形成する請求項1ないし3のいずれかに記載の液吸収シートの製造方法。
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