JP3158799U - 包装用シート及び包装体 - Google Patents
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Abstract
Description
このような場合に用いられる包装用シートとしては、合成樹脂フィルムが用いられる。しかし、合成樹脂フィルムには吸水性がないため、内容物から出た水分が内部にたまり、内容物が水に浸かった状態になり鮮度に悪影響を与える場合がある。従って、余剰の水分を吸収保持させるため、吸水性のある素材を内側に入れてから合成樹脂フィルムで包装することができる。また、片面が吸水性を有し、片面が耐水性を有する積層シートを用い、吸水性面を内側にして内容物を包装することが行われている。このような用途としては、例えば合成樹脂フィルムと不織布の積層シート(特許文献1〜4参照)等を用いることが可能である。このようなシートは、単一部材による水分を含有する内容物の包装が可能となるため広く用いられている。
本考案は、合成樹脂フィルムと不織布との積層シートにおいて、積層シート端面からの水分の滲出を防ぎ、青果物や先生食料品の包装に適した、より優れた包装用シートの提供を課題とする。
本考案の第1は、乾式不織布と合成樹脂フィルムを積層してなる積層体であり、少なくとも一対の端縁に、合成樹脂フィルムのみからなる単層部を有する包装用シートである。
本考案の包装用シートは、乾式不織布と合成樹脂フィルムを積層した積層体である。
本考案における乾式不織布は、広義の乾式不織布を意味するものであって、湿式不織布に含まれない不織布であれば全て含まれるものとする。例えば、本考案においては、バインダー浸漬法、バインダープリント法、バインダースプレー法、接着繊維法、ニードルパンチ法、ステッチボンド法、スパンレース法、メルトブロー法、スパンボンド法等によって製造された不織布が、乾式不織布として任意に使用可能である。
本考案においては、セルロース繊維を主体として構成される乾式不織布が好適に用いられる。使用するセルロース繊維としては、天然セルロース繊維として、例えば、木材パルプでは通常の製紙で使用される、例えば針葉樹や広葉樹の化学パルプや機械パルプ等の木材パルプ、古紙パルプ、リンター、その他各種の非木材植物繊維等が包含される。また、上記のような天然セルロースを原料として製造したレーヨン繊維もセルロース繊維に含まれる。
エアレイ法には、王子法(キノクロス法)、ダンウェブ法、M&J法、スコット法等が存在するが、この中でも王子法が最も好適に用いられる。
本考案で使用する乾式不織布は、見かけ密度0.04〜0.4g/cm3が好ましい。密度が0.4g/
cm3以下であることによって、水分が厚さ方向には浸透しやすい一方で平面方向には移動しにくい。このことによって、シートの端面からの水分の滲出が防止できる。また、見掛け密度が0.04g/cm3未満の場合は水分の保持効果が十分でない。一方、0.4g/cm3を超えた場合には、シートの平面方向への水分の移動が多くなり、水分が積層シートの端部から滲みでるおそれがある。
また、本考案で使用する乾式不織布は、吸水量が500g/m2〜5000g/m2の範囲のものが好適に用いられる。乾式不織布の吸水量が500g/m2未満の場合は、水分の保持量が十分でないおそれがある。
熱融着性合成樹脂による貼合方法としては、必要に応じて、押出しラミネーション、ホットメルトラミネーション、接着剤ラミネーション(ドライラミネーション、ウェットラミネーション、ノンソルベントラミネーション)等の公知の方法から任意に選択して採用することが可能である。
例えば、溶融した合成樹脂を乾式不織布上に塗工し、さらに合成樹脂フィルムを積層したのち加圧して貼合することで本考案の包装用シートを得ることが可能である。
本考案に使用する合成樹脂としては、熔融しやすく、粘着力を発揮しやすいものが好ましい。一般的にホットメルト接着剤として使用されているものが任意に使用可能であり、低密度ポリエチレン(LDPE)を主要成分とするものが特に好ましい。
<実施例1>
幅800mmの乾式不織布(キノクロス:米坪50g/m2、厚さ1.0mm、密度0.05 王子キノクロス(株)製)上に、PE系ホットメルト樹脂(ノバテックLD:日本ポリエチレン(株)製)を2g/m2塗布し、該樹脂面に、幅850mm、厚さ25μmのPEフィルム(フジコー社製)を、幅中央で積層して加圧貼合し、本考案の包装用シートを得た。
吸水量の測定方法は、10cm角のサンプルを水に1分間沈め、金網上で1分間水切りを行い、吸収した水の重量を測定した。本考案で使用した乾式不織布の吸水量は1470g/m2、包装用シートの乾式不織布部分の吸水量は950g/m2であった。
PEフィルム(フジコー社製)の幅を800mmとした以外は、実施例1と同様にして包装用シートを得た。
実施例、比較例で得たシートを、1000mm長さに切断して、850mm×1000mmの包装用シートを得る。底面縦340mm×横700mmで高さ90mmの身蓋形(C−1型)段ボール箱を用意し、前記包装用シートの850mm側の辺を前記段ボール箱の長手方向(700mm)に平行になるようにして箱中心部に合わせて敷き、その上に内容物として蓮根約5kgを入れて、余るシート部分を上部で重ね合わせた状態として包装し、蓋をして7日間保管した後、状態を観察した。
実施例1(図2参照)の包装シートにおいては、段ボール箱の側面に接触する側(1000mm側)の一対の端縁にフィルム単層部を有するため、該端縁からの水分の滲出が全く無かったが、フィルム単層部がない比較例1の包装シートにおいては、段ボール箱と接触する側のシートの両端縁の不織布層から滲出した水分が段ボール箱に浸透し、箱強度の低下がみられた。
2 不織布
3 フィルム
4 ホットメルト樹脂
Claims (2)
- 乾式不織布と合成樹脂フィルムを積層してなる積層体であり、少なくとも一対の端縁に、合成樹脂フィルムのみからなる単層部を有することを特徴とする包装用シート。
- 前記包装用シートで内容物を包んだ後、さらに段ボール箱で包装してなることを特徴とする包装体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009008536U JP3158799U (ja) | 2009-12-01 | 2009-12-01 | 包装用シート及び包装体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009008536U JP3158799U (ja) | 2009-12-01 | 2009-12-01 | 包装用シート及び包装体 |
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JP3158799U true JP3158799U (ja) | 2010-04-22 |
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Family Applications (1)
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JP2009008536U Expired - Lifetime JP3158799U (ja) | 2009-12-01 | 2009-12-01 | 包装用シート及び包装体 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3158799U (ja) |
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2009
- 2009-12-01 JP JP2009008536U patent/JP3158799U/ja not_active Expired - Lifetime
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