JP3871190B2 - 本質安全防爆型ガス検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池等を電源とし、電流制限手段を介して作動電力を供給する本質安全防爆型ガス検出装置、より詳細にはセンサ出力の取出し回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
引火による危険性のある環境で使用され、かつ電池を電源とするガス検出装置は、電池とセンサや信号処理回路の間に抵抗やポジスタ等の電流制限素子を挿入してセンサや信号処理回路等での短絡によっても可燃性ガスへの引火を可及的に防止して電力を供給する、いわゆる本質安全防爆の対策が採られている。
図4は、このような本質安全防爆が施された電源を駆動源とするガス検出装置の一例を示すものであって、電池Aと電流制限素子Bとを直列接続して構成された本質安全防爆電源ユニットCの出力端子には、定電圧回路Dを介してガスセンサEと負荷抵抗Fが接続され、負荷抵抗Fの端子電圧を検出回路Gで検出するように構成されている。
しかしながら、定電圧回路の出力端子に負荷抵抗が挿入されているため、センサ駆動電流が負荷抵抗にも流れて余分な電力が消費され、特に電池を電源とする小型の装置にあっては作動可能時間が短くなるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題を解消するため、特開平2000-292389号公報に見られるように、センサ(2)に電流制限抵抗(6)を直列接続して定電圧電源回路から作動電圧を印加して、電流制限抵抗をセンサ信号検出用の負荷抵抗として使用することが提案されている。
これによれば、特に電池を電源として使用した場合に、電圧降下を可及的に少なくして電池の電力を有効に利用できるものの、定電圧電源回路からの一定電圧をセンサと電流制限用抵抗との直列回路に印加する関係上、電流制限用抵抗の抵抗値がガスセンサの種類により制約を受け、短絡電流を安全な値に確実に制限することが困難となったり、またガス濃度上昇により抵抗値が低下する特性のガスセンサを使用する場合には、センサに大きな電流が流れることになり、センサの寿命を短縮する等の問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであってその目的とするところは、センサに流れる電流制限用抵抗の制約を可及的に少なくして、センサ信号取出し用の抵抗での電力消費を可及的に低減して長時間の駆動を可能とするとともに、センサに接続される他の回路手段での短絡事故に対しても異常電流の発生を防止することができる本質安全防爆型ガス検出装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような問題を解消するために本発明においては、電池の一方の極に2つの電流制限素子の一端を接続し、前記電池の他方の極と前記電流制限素子の他端とを出力端子とする本質安全防爆電源ユニットと、前記一方の電流制限素子の他端に接続された定電圧回路と、前記定電圧回路の出力端子と前記電池の他方の極との間に直列接続されたガスセンサと、前記電池と前記一方の電流制限素子との接続点に一端が接続され、かつ前記一方の電流制限素子よりも抵抗値が大きい信号取出用抵抗と、前記信号取出用抵抗の他端と前記電流制限素子の他端とに接続され、かつ前記他方の電流制限素子と前記電池の他方の極とから作動電力の供給を受ける検出回路とを備えるようにした。
【0005】
【作用】
電流制限素子がガスセンサ信号検出用の抵抗として機能するから、信号取出用抵抗を介してユニット外に取り出すことによりガス濃度の測定が可能となる。また、定電圧回路からの出力電圧がセンサーに直接印加されるから、センサーの電流を制限する電流制限抵抗を、センサの種類等に制限を受けることがなく、電流を制限する機能だけに着目してその値を設定でき、短絡等による異常電流を確実に防止することができる。
【0006】
【発明の実施の態様】
そこで以下に本発明の詳細を図示した実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明の本質安全防爆型ガス検出装置の一実施例を示すものであって、本質安全防爆電源ユニット1は、一次電池または二次電池等の電池2の一方の極に抵抗や、ポジスタ等の電流制限素子3、4、5の一端3a、4a、5aを接続し、電池2の他方の極と電流制限素子3、4、5の他端3b、4b、5bとを作動電力供給端子6、7、8とするように構成されている。
【0007】
作動電力供給端子7には定電圧回路9の入力端子が接続され、また定電圧回路9の出力端子と電池2の他方の極、つまり本質安全防爆電源ユニット1の共通端子10との間にはガスセンサ11だけが接続されている。
【0008】
また、電池2の一方の極と電流制限素子4との接続点には電流制限素子4よりも大きな抵抗値、この実施例では100kΩ程度の信号取出用抵抗12の一端12aが接続され、信号取出用抵抗12の他端12bの出力端子13と作動電力供給端子7とに検出回路14の入力端子14a、14bが接続されている。この検出回路14は、作動電力供給端子6と共通端子10とから作動電力の供給を受けている。
【0009】
検出回路14の出力信号は、作動電力供給端子8と共通端子10から作動電力の供給を受ける警報表示回路15に出力されて表示器16や警報器17を作動させる。
【0010】
この実施例において、定電圧回路9によりセンサ11に一定の電圧を供給すると、センサ11がガスの濃度に対応してその抵抗値が変化し、これにともなって電流制限素子4に流れる電流値が変化するから、電流制限素子4を検出用抵抗とするようにして信号取出用抵抗12を介してガスセンサ11のガス感応に対応した電流値が検出回路14により検出され、警報表示回路15により表示器16や、また警報器17を作動させる。
【0011】
もとより、信号取出用抵抗12にはほとんど電流が流れないため、従来の装置における信号取出しのための負荷抵抗での電力の消費がなく、電池2の電力を有効に利用することができる。
【0012】
一方、定電圧回路9を構成する素子や、センサ11の抵抗値が極端に低下して短絡状態となったり、また検出回路14、警報表示回路15が短絡事故を起こしても、これらには電流制限素子3、5を介して電力が供給されているため、異常電流の発生が防止され、本質安全防爆の機能が維持される。
【0013】
このような電池を電源とするガス検出装置は、電源として電圧が2乃至3ボルト程度のものが選択され、またセンサ11には100mA乃至300mA程度の電流を供給する必要があるため、電流制限抵抗4には抵抗値8Ω程度のものが使用される。
図4に示した従来の装置においては、電流制限抵抗Bを介して、検出回路、センサ電源としての定電圧回路、警報表示回路を接続すると、、消費電流が大きい定電圧回路に引きずられて電流制限抵抗Bでの電圧降下が大きくなり、検出回路、警報表示回路への電圧が低くなり、電源電圧を高めに選択する必要がある。
これに対して本実施例によれば、検出回路14、定電圧回路9、警報表示回路14をそれぞれ個別の電流制限抵抗3、4、5を介して電力を供給できるため、電流制限抵抗での電圧降下を可及的に低く抑えて電源電圧を低く設定することが可能となる。
【0014】
図2は、本質安全防爆電源ユニットの一実施例を示すものであって、回路基板20とこれの表面を覆いかつ電池収容部21を構成する表カバー22と、回路基板20の裏を覆う裏カバー23とのサンドイッチ構造として構成されている。
電池2と、これに接続する電流制限素子3、4、5及び信号取出用抵抗12は、それぞれ表カバーの凹部22a、22b、22c、22dに収容されて、外部に露出しないように被われている。なお、図中符号24は、電池蓋を示す。
【0015】
なお、ガスの濃度とともに抵抗値が低下するセンサにあっては、図3に示したように電流制限抵抗4に定電流回路9’を接続し、この定電流回路9’を介してセンサー11に定電流を供給してセンサー11の電圧を検出回路14により検出するのが望ましい。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、センサ出力取出し用に特別に抵抗を接続する必要がなく、電力消費を抑えつつ、センサーの種類による電流制限抵抗の制約を排して、短絡等による過大な電流を確実に防止して本質安全防爆を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の本質安全防爆型ガス検出装置の一実施例を示す構成図である。
【図2】同上装置に適した本質安全防爆電源ユニットの一実施例を示す図である。
【図3】本発明の本質安全防爆型ガス検出装置の他の実施例を示す構成図である。
【図4】従来のガス検出装置の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 本質安全防爆電源ユニット
2 電池
3、4、5 電流制限素子
6、7、8 作動電力供給端子
11 ガスセンサ
12 信号取出用抵抗

Claims (1)

  1. 電池の一方の極に2つの電流制限素子の一端を接続し、前記電池の他方の極と前記電流制限素子の他端とを出力端子とする本質安全防爆電源ユニットと、前記一方の電流制限素子の他端に接続された定電圧回路と、前記定電圧回路の出力端子と前記電池の他方の極との間に直列接続されたガスセンサと、前記電池と前記一方の電流制限素子との接続点に一端が接続され、かつ前記一方の電流制限素子よりも抵抗値が大きい信号取出用抵抗と、前記信号取出用抵抗の他端と前記電流制限素子の他端とに接続され、かつ前記他方の電流制限素子と前記電池の他方の極とから作動電力の供給を受ける検出回路とからなる本質安全防爆型ガス検出装置。
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