JP3871152B2 - チョークコイル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源ラインに挿入される雑音防止用チョークコイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の普及に伴い、商用電源ラインには多量の高調波電流が流れるようになってきている。従って、現在、高調波電流抑制の国際規格(IEC555)の適用に伴い、インバータ照明機器の電源ラインには、アクティブノイズフィルタを設置し、高調波電流を抑制している。
【0003】
しかしながら、アクティブノイズフィルタは、高調波電流を抑制するものの、アクティブノイズフィルタ自体がノーマルモードノイズ発生の原因となるため、アクティブノイズフィルタの入力部には、ノーマルモードノイズの除去が可能なチョークコイルの接続が必要であった。
【0004】
従って、アクティブノイズフィルタの入力部には、ノーマルモードチョークコイルと、図22のようなコマンモードチョークコイルを設置していた。
【0005】
しかしながら、ノーマルモードを除去するチョークコイルとコモンモードノイズを除去するチョークコイルの2つを設置するのは、インバータ照明機器の小型化や低価格化に不利であった。
【0006】
図22のコモンモードチョークコイルは、一例として、図21の口字形閉磁路コア2にコイルボビン11を取付け、前記コイルボビン11を回転することにより、コイルボビン11に自動巻線を施すものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このコモンモードチョークコイルは、コイルボビン11を回転することによる自動巻線が可能であるために、インダクタンスが高く、かつ製造が容易で、安価なチョークコイルである。しかしながら、前記コモンモードチョークコイルは、磁路中にギャップが無いために、リーケージインダクタンスが小さく、ノーマルモードノイズはあまり除去されない。
【0008】
リーケージインダクタンスを大きくするために、図22のコモンモードチョークコイルの磁路中にギャップを設けたのでは、今度はコモンモードノイズを除去する自己インダクタンスが小さくなってしまうという問題があった。
【0009】
本発明は、チョークコイルを製造する際、自動巻線が容易であり、コモンモードノイズを除去する自己インダクタンスが減少することなしに、ノーマルモードノイズを除去するリーケージインダクタンスを増加することが可能な、安価で、かつ小型であり、なおかつ製造が容易なチョークコイルを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、両端にコアを固定する固定部とピン端子を設けた台座に口字形閉磁路コアを固定し、前記コアの一方の磁脚にコイルボビンを装着し、該コイルボビンに巻線を施してなるチョークコイルにおいて、コアの対辺関係に位置する二つの磁脚を通す各々の切欠部を有する2分割のフェライトプレートを設け、コアの前記磁脚を前記切欠部に通し、前記コアに前記フェライトプレートを取り付けて、前記コアと前記フェライトプレートとを前記台座に固定し、前記コイルボビンは前記コアの磁脚に装着され、中央部に前記磁脚を軸として回転する際に、前記フェライトプレートを装着して回転可能なフェライトプレート接合部を有してなることを特徴とするチョークコイルである。
【0011】
又、本発明は、上記チョークコイルにおいて、片方の前記切欠部が、半円形、四半円形、円弧のいずれかである2分割の矩形板状のフェライトプレートを用いることを特徴とするチョークコイルである。
【0012】
又、本発明は、上記チョークコイルにおいて、前記口字形閉磁路コアの磁脚の一方のほぼ中央に空隙を有する内側に向かって突出した凸部を設けて、日字形コアとすることを特徴とするチョークコイルである。
【0013】
又、本発明は、両端にコアを固定する固定部とピン端子を設けた台座に、磁脚の一辺から対辺に向かって突出した凸部を有し、前記凸部の先端と前記対辺間には空隙を有る日字形閉磁路コアを固定し、前記コアの磁脚にコイルボビンを装着し、該コイルボビンに巻線を施してなるチョークコイルにおいて、前記コアの対向する二つの磁脚と前記凸部とを通す各々の切欠部を有する2分割のフェライトプレートを設け、コアの前記磁脚と前記凸部とを前記切欠部に通し、前記コアに前記フェライトプレートを取り付けて、前記コアと前記フェライトプレートとを前記台座に固定し、前記コイルボビンは日字形閉磁路コアの前記凸部対向する磁脚に装着され、中央部に前記磁脚を軸として回転する際に、前記凸部に対して回転可能な凸部通過部を有し、前記凸部通過部と前記凸部に接合するフェライトプレートを装着することを特徴とするチョークコイルである。
【0014】
又、本発明は、上記チョークコイルにおいて、前記二つの切欠部が、半円形、四半円形、円弧のいずれかで連続した一つの凹部からなる2分割の矩形板状のフェライトプレートを用いることを特徴とするチョークコイルである。
【0015】
又、本発明は、上記チョークコイルにおいて、前記二つの切欠部が半円形、四半円形、円弧のいずれかで連続した一つの凹部を形成し、コイルボビンの巻芯に装着される磁脚と対向する他方の脚部を支持する突片を下辺に設けた、矩形板状の前記2分割のフェライトプレートを用いることを特徴とするチョークコイルでる。
【0017】
又、本発明は、両端にコアを固定する固定部とピン端子を設けた台座に口字形閉磁路コアを固定し、前記コアの磁脚にコイルボビンを装着し、該コイルボビンに巻線を施してなるチョークコイルであって、前記チョークコイルは前記口字形閉磁路コアの磁脚部に装着可能な一つの切欠部を有するフェライトプレートを配し、前記コイルボビンの中央にフェライトプレートを収納するリング状の収納部を設け、前記フェライトプレートをコイルボビンに装着した際に、コイルボビンが口字形閉磁路コアの磁脚を軸として回転できることを特徴とするチョークコイルである。
【0018】
又、本発明は、上記チョークコイルにおいて、二分割の前記フェライトプレートが板状半円でコアの磁脚を通す一つの切欠部を有することを特徴とするチョークコイルである。
【0019】
又、本発明は、上記チョークコイルにおいて、前記フェライトプレートが円板状で、コアの磁脚を取付ける一つの切欠部を設けることを特徴とするチョークコイルである。
【0020】
又、本発明は、上記チョークコイルにおいて、前記フェライトプレートが四半円形で、コアの磁脚を取付ける切欠部を設けることを特徴とするチョークコイルである。
【0021】
又、本発明は、上記口字形又は日字形閉磁路コアの脚部は、断面が円形、多角形、楕円のいずれかを形成することを特徴とするチョークコイルである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について図面を用いて詳細に説明する。
【0024】
図1に、本発明のチョークコイルの外観斜視図を示す。また、図2に、本発明のチョークコイルに使用するボビン分割体1を示す。また、図3に、本発明のチョークコイル完成後の口字形閉磁路コアとフェライトプレートの位置関係を示す。また、図4に、本発明のチョークコイルに使用する台座本体23aを示す。
【0025】
本発明のチョークコイルについて、図1に示すような歯車付きチョークコイルを例に説明する。本発明のチョークコイルに用いられるボビン分割体1は、図2に示すように、半円筒形の巻芯4の外周に端部鍔5,6と、中心部分に凹状のフェライトプレート接合部12を形成する中央鍔7,8と同相内仕切りのための仕切り板9,10が一体に設けられている。二分割された巻芯4の接合面には、嵌合突片17,18および段部19並びに嵌合溝20を設けてある。端部鍔5,6の分割面に係合片21と係合孔22を設けてある。このボビン分割体1は、雌雄型を構成し、嵌合して、コイルボビンとなる。
【0026】
上記チョークコイルに用いられる2枚のフェライトプレートは、図2及び図3に示すように、口字形閉磁路コア2と同一材料で形成されており、ボビン分割体1の巻芯4の外周に形成された接合部12の外周と接するように接合するための半円形の切欠部13と、口字形閉磁路コア2の角棒状の磁脚3と対辺関係に位置する他方の磁脚14に接合するための矩形状の切欠部15を接合面33に分割するように有する。前記切欠部13は、この他に四半円形、円弧等でもよい。又、口字形閉磁路コアの磁脚の断面は、円形、多角形、楕円等でもよい。
【0027】
図4に示すような台座本体23aは、絶縁性樹脂によって継部34の両端に台座23が形成され、前記口字形閉磁路コアを設置する固定部24,30と4本のピン端子25を持つ。
【0028】
本発明のチョークコイルは、図1ないし図4に示すように、以下の要領で製造される。
【0029】
ボビン分割体1を口字形閉磁路コア2の角棒状の一方の磁脚3を囲うように二分割された半円筒形の巻芯4が、円筒をなすように突き合わせた後、この巻芯4の巻線部28に2つの巻線26を巻回す。口字形閉磁路コア2の角棒状の一方の前記磁脚3と対辺関係に位置する他方の磁脚14を台座23の口字形開磁路コアを設置する固定部24,30に組み合わせて固定する。
【0030】
二つの巻線26の端末27は、台座23の4本の前記ピン端子25に絡げる。最後に分割状の2枚のフェライトプレートの厚さTの半円形の切欠部13と接合面33を、ボビン分割体1の巻芯の外周に形成された接合部12に接するように合わせ、かつフェライトプレートの矩形状の切欠部15が、口字形閉磁路コア2の角棒状の前記磁脚3と対辺関係に位置する他方の磁脚14に接合させ、この接合部分を接着剤又はホルダー等を用いて固定し、本発明のチョークコイルが完成する。
【0031】
表1、に本発明のチョークコイルのフェライトプレート形状及び厚さTを変化した場合の自己インダクタンスLとリーケージインダクタンスLe及びLe/Lの値を示す。
【0032】
Figure 0003871152
【0033】
フェライトプレートの形状は、図1及び図4に示す前記実施の形態1で説明した形状及び図6に示すボビン分割1の巻芯4の外周に形成された接合部12と接合するための、切欠部29が四半円状になっている。この他の実施の形態を示す形状及び比較例として、フェライトプレートをいれないものの3種類を用意した。フェライトプレートの他の実施の形態を示す形状を使用した場合のチョークコイルを図5に示す。また、フェライトプレートの厚さTは、両方とも2,4,6mmの3種類を用意した。それぞれについてLとLeとを測定した。
【0034】
この表1より、フェライトプレートを挿入したチョークコイルは、フェライトプレートを挿入しないものと比較して、リーケージインダクタンスが2倍以上の値を示し、自己インダクタンスの値に変化がないことがわかる。
【0035】
従って、本発明のチョークコイルは、従来のチョークコイルと比較して、リーケージインダクタンスが高く、かつ自己インダクタンスに変化がないので、ノーマルモードノイズとコモンモードノイズの両方の除去に効果的なチョークコイルであることがわかる。
【0036】
(実施の形態2)
以下、図面を用いて本発明の実施の形態2について説明する。
【0037】
本発明のチョークコイルについて、実施の形態1と同様、歯車付きチョークコイルを例に説明する。
図7に、本発明の歯車ボビン付きチョークコイルの外観を示す。また、図8に、本発明のチョークコイルに使用するボビン分割体1を示す。また、図9に、本発明のチョークコイルに使用する凸部2aを有する略日字形閉磁路コア2Aを示す。また、図10に、本発明のチョークコイルに使用するフェライトプレート28aを示す。また、図11に、本発明のチョークコイル完成後の略日字形閉磁路コア2Aとフェライトプレート28aの位置関係を示す斜視図を示す。また、本発明のチョークコイルに使用する台座本体23aは、図4に示すように、実施の形態1と同じものを用いた。
【0038】
図8のボビン分割体1は、図8及び図9に示すように、半円筒形の巻芯4の外周に端部鍔5,6と、中央部に設けられた日字形閉磁路コアの凸部2aを回転できる中央鍔7,8との間に凸部通過部12aを形成し、その中央鍔7,8と同相内仕切のための仕切り板9,10が鍔状に一体に設けられている。また、端部鍔6には、自動巻線を可能とするための歯車16が設けられている。二分割された巻芯4の接合面には、嵌合突片17,18及び段部19並びに嵌合溝20を設けてある。端部鍔5,6の分割面に係合片21と係合孔22を設けてある。以上は、実施の形態1と同じである。
【0039】
図9の日字形閉磁路コア2Aは、一辺の直線部分である磁脚14の中央部分に、前記磁脚14の対辺に位置する角棒状の磁脚3の中心に向かって伸びる凸部2aと空隙2bを持つ。尚、日字形閉磁路コアの磁脚の断面は、円形、多角形、楕円等であってもよい。
【0040】
図10,図11のフェライトプレート28aは、略日字形閉磁路コア2Aと同一材料で形成されており、接合面33即ち中心線の左右に分割が可能であり、ボビン分割体の凸部通過部12a(図8参照)と接合するための弧状の切欠部29と、連続した日字形閉磁路コア2Aの凸部2aと接合するための矩形状の切欠部35を持つ。前記切欠部29は、半円形、四半円形等でもよく、また他の切欠部35も角形で凸部が挿入するものであればよい。
【0041】
台座本体23aは、図4に示すように、絶縁性樹脂によって継部34の両端に台座23が形成され、日字形閉磁路コアを設置する固定部24,30と4本のピン端子25を持つ。
【0042】
本発明のチョークコイルは、図7〜図11に示すように、以下の要領で製造される。
【0043】
ボビン分割体1を日字形閉磁路コア2Aの角棒状の磁脚3を囲うように二分割された半円筒形の巻芯4が円筒をなすように、かつ日字形閉磁路コア2Aの凸部2aが、ボビン分割体1の凸部通過部12aを通過するように突き合わせた後、この巻芯4の巻線部28の二つの巻線26を巻回す。
日字形磁路コア2Aの凸部2aを持つ磁脚14と台座23と日字形閉磁路コアを設置する固定部24,30を組み合わせて固定する。
【0044】
二つの巻線26の端末27は、台座23の4本のピン端子25に絡げる。最後の二分割されたフェライトプレート28aを、フェライトプレートの円弧状の切欠部29をボビン分割体1の凸部通過部12aと接合させ、かつフェライトプレート28aの直線状の切欠部35が、日字形閉磁路コア2Aの凸部2aに接合され、この接合部分を接着剤又はホルダー等を用いて固定装着し、本発明のチョークコイルが完成する。
【0045】
表2に、本発明のチョークコイルのフェライトプレートの厚さTを変化した場合の自己インダクタンスLとリーケージインダクタンスLe及びLe/Lの値を示す。フェライトプレートの厚さTが2mmと4mmのものについて測定した。また、比較例として、本発明のチョークコイルの日字形閉磁路コアにコモンモードチョークコイルに使用される凸部をもたない。口字形閉磁路コアを使用し、かつフェライトプレート28aを装着しないチョークコイルの自己インダクタンスLとリーケージインダクタンスLe及びLe/Lの値を示す。
【0046】
Figure 0003871152
【0047】
この表2より、口字形閉磁路コアを使用し、フェライトプレート28aを装着した本発明のチョークコイルは、口字形閉磁路コアを使用したフェライトプレート28aを装着しない従来のチョークコイルと比較して、リーケージインダクタンスが3倍以上の値を示し、自己インダクタンスの値に変化がないことがわかる。
【0048】
従って、本発明のチョークコイルは、従来のチョークコイルと比較して、リーケージインダクタンスが高く、かつ自己インダクタンスに変化がないので、ノーマルモードノイズとコモンモードノイズの両方の除去に効果的なチョークコイルであることがわかる。
【0049】
また、チョークコイルに装着するフェライトプレートを図13のフェライトプレート31のように、直線部の磁脚14を装着する突片32を一体成形した形状にしても本発明の実施は可能である。
【0050】
図13のフェライトプレート31を装着した図12のチョークコイルは、図14に示すフェライトプレート31と日字形磁路コア2Aの位置関係を示す概念図からもわかるように、フェライトプレート31の突片32によってフェライトプレート31と略口字形閉磁路コア2A間の接合部分の面積が広くなるために、図7のチョークコイルと比較して、漏洩磁束がより大きくなるため、リーケージインダクタンスが大きく、ノーマルモードノイズの除去により効果的である。
【0051】
(実施の形態3)
以下、図面を用いて本発明の実施の形態3について説明する。
【0052】
本発明のチョークコイルの実施の形態3について、実施の形態1と同様、歯車付きチョークコイルを例に説明する。
図15に、本発明の歯車ボビン付きチョークコイルを示す。また、図16に、本発明のチョークコイルに使用するボビン分割体を示す。図17に、本発明の歯車ボビン付きチョークコイル完成後の口字形閉磁路コア2とフェライトプレートの位置関係を示す概念図を示す。また、実施の形態3では、本発明のチョークコイルに使用する台座23は、図4に示すように、実施の形態1と同じものを用いた。
【0053】
図17の上下に分割された2枚の半円形のフェライトプレート36は、口字形閉磁路コアと同一材料で形成されており、口字形閉磁路コア2の一辺の角棒状の磁脚3に接合し、接合するためのコ字状の切欠部15を持つ。
【0054】
図16,図17に示すように、ボビンの分割体1は、半円筒形の巻芯4の外周に、端部鍔5,6とフェライトプレート36の収納部12bと同相内仕切りのための仕切り板9,10が鍔状に一体に設けられている。また、端部鍔6には、自動巻線を可能とするための歯車16が設けられている。二分割された巻芯4の接合面には、嵌合突片17,18及び段部19並びに嵌合溝20を設けてある。端部鍔5,6の分割面に係合片21と係合孔22を設けてある。
【0055】
上記ボビン分割体1のフェライトプレート36の収納部12bは、フェライトプレート36を口字形閉磁路コア2の角棒状の磁脚3に接合した後、ボビン分割体1を口字形閉磁路コア2の角棒状の磁脚3に装着する際、フェライトプレート36を収納可能であり、かつフェライトプレート36が固定されたまま2つのボビン分割体1を組み合わせて構成され、歯車付きコイルボビン7a(図15参照)が、口字形閉磁路コア2の角棒状の磁脚3を回転軸として回転することが可能である。
【0056】
台座本体23aは、図4に示すように、絶縁性樹脂によって継部34の両端に台座23が形成され、口字閉磁路コアを設置する固定部24,30と4本のピン端子25を持つ。
【0057】
図15の本発明のチョークコイルは、図15、図16、図17に示すように、以下の要領で製造される。
【0058】
2枚のフェライトプレート36を二つのボビン分割体1のフェライトプレートの収納部12bにそれぞれ収納し、ボビン分割体1を口字形閉磁路コア2の一辺の角棒状の磁脚3を囲うように半円筒形の巻芯4が円筒をなすように接合面を付き合わせた後、この巻芯4の巻線部28に二つの巻線26を巻回す。
【0059】
口字形閉磁路コア2の磁脚3と対辺関係に位置する磁脚14と台座23の口字形閉磁路コア固定部24,30(図4参照)を組み合わせて固定する。
【0060】
二つの巻線26の端末27は、台座23の4本のピン端子25を絡げて、本発明のチョークコイルが完成する。
【0061】
表3に、本発明のチョークコイルのフェライトプレートの厚さTを変化した場合の自己インダクタンスLとリーケージインダクタンスLe及びLe/Lの値を示す。フェライトプレートの厚さTが2,3mmの2種類と、比較例としてフェライトプレートを入れないものについて測定した。
【0062】
Figure 0003871152
【0063】
この表3より、フェライトプレートを挿入してチョークコイルは、フェライトプレートを挿入しないものと比較してリーケージインダクタンスが2倍以上の値を示し、自己インダクタンスの値に変化がないことがわかる。
【0064】
従って、本発明のチョークコイルは、従来のチョークコイルと比較して、リーケージインダクタンスが高く、かつ自己インダクタンスに変化がないので、ノーマルモードノイズとコモンモードノイズの両方の除去に効果的なチョークコイルであることがわかる。
【0065】
図18に、半円状の切欠部13を持つ他のフェライトプレート37と、磁脚の断面が正8角形の口字形閉磁路コア2Bを示す。チョークコイルのフェライトプレート37は、フェライトプレート37自体が回転しないような構造になっているが、図18のような形状のフェライトプレート及び口字形閉磁路コアを用いて、巻線時にボビンとフェライトプレートの両方が回転するような構造にしても、本発明のチョークコイルの製造は可能である。
【0066】
また、本発明のチョークコイルのフェライトプレートは、必ずしも2枚を組み合わせる必要はなく、図17のチョークコイルの前記フェライトプレート36、2枚を図19のようなフェライトプレート38を用いて、リーケージインダクタンスを大きくすることが可能である。
【0067】
また、本発明のチョークコイルのフェライトプレートは、必ずしも外周が円形である必要はなく、歯車ボビンの回転を妨げないような形状であればよく、例えば、図20のフェライトプレート39のような略四半円形状に変更しても、歯車ボビンの回転を妨げず、かつリーケージインダクタンスを大きくすることが可能である。
【0068】
【発明の効果】
本発明のチョークコイルは、フェライトプレートと口字形閉磁路コア又は日字形閉磁路コアとの間から磁束が漏洩することによるリーケージインダクタンスが存在するため、ノーマルモードノイズとコモンモードノイズの両方の除去が可能である。また、口字形閉磁路コア部分には、ギャップが無いために、従来のコモンモードチョークコイルと比較して、自己インダクタンスに変化がない。また、巻線には、歯車付ボビンを使用しているため、自動巻線が可能であり、従って、作業時間のロスも少ない。また、フェライトプレートを接合しても、従来のチョークコイルと形状、大きさの面で大差ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示すチョークコイルの外観斜視図。
【図2】本発明の実施の形態1を示すチョークコイルに用いるボビン分割体の説明図。
【図3】本発明の実施の形態1を示すチョークコイルに用いる口字形閉磁路コアとフェライトプレートの位置関係の説明図。
【図4】本発明の実施の形態1を示すチョークコイルに用いる台座を示す説明図。
【図5】本発明の実施の形態1を示すチョークコイルを示す外観斜視図。
【図6】本発明の実施の形態1を示す他のチョークコイルとその口字形閉磁路コアとフェライトプレートの位置関係の説明図。
【図7】本発明の実施の形態2を示すチョークコイルの外観斜視図。
【図8】本発明の実施の形態2を示すチョークコイルに用いるボビン分割体の説明図。
【図9】本発明の実施の形態2を示すチョークコイルに用いる口字形閉磁路コアの外観斜視図。
【図10】本発明の実施の形態2を示すチョークコイルに用いるフェライトプレートの外観斜視図。
【図11】本発明の実施の形態2を示すチョークコイル完成後の口字形閉磁路コアとフェライトプレートの位置関係を示す概念図。
【図12】本発明の実施の形態2を示す他のチョークコイルの外観斜視図。
【図13】本発明の実施の形態2を示す他のチョークコイルに用いるフェライトプレートの外観斜視図。
【図14】本発明の実施の形態2を示す他のチョークコイル完成後の口字形閉磁路コアとフェライトプレートの位置関係を示す概念図。
【図15】本発明の実施の形態3を示すチョークコイルの外観斜視図。
【図16】本発明の実施の形態3を示すチョークコイルに用いるボビン分割体の説明図。
【図17】本発明の実施の形態3を示すチョークコイル完成後の口字形閉磁路コアとフェライトプレートの位置関係の説明図。
【図18】本発明の実施の形態3を示す他のチョークコイルの口字形閉磁路コアとフェライトプレートの位置関係の説明図。
【図19】本発明の実施の形態3を示す他のチョークコイルの口字形閉磁路コアとフェライトプレートの位置関係の説明図。
【図20】本発明の実施の形態3を示す他のチョークコイルの口字形閉磁路コアとフェライトプレートの位置関係の説明図。
【図21】従来のチョークコイルに使用する口字形閉磁路コアの外観斜視図。
【図22】従来のチョークコイルの外観斜視図。
【符号の説明】
1 ボビン分割体
2 口字形閉磁路コア
2A 日字形閉磁路コア
2B 正8角形の口字形閉磁路コア
2a 凸部
2b 空隙
3 磁脚
4 巻芯
5,6 端部鍔
7,8 中央鍔
7a コイルボビン
9,10 仕切り板
11 コイルボビン
12 接合部
12a 凸部通過部
12b 収納部
13,15,29 切欠部
14 磁脚
16 歯車
17,18 嵌合突片
19 段部
20 嵌合溝
21 係合片
22 係合孔
23 台座
23a 台座本体
24,30 固定部
25 ピン端子
26 巻線
27 端末
28 巻線部
28a,28b,28c フェライトプレート
29,35 切欠部
31 フェライトプレート
32 突片
33 接合面
34 継部
36,37,38,39 フェライトプレート
A,B 形状
L 自己インダクタンス
Le リーケージインダクタンス
T フェライトプレートの厚さ

Claims (11)

  1. 両端にコアを固定する固定部とピン端子を設けた台座に口字形閉磁路コアを固定し、前記コアの一方の磁脚にコイルボビンを装着し、該コイルボビンに巻線を施してなるチョークコイルにおいて、前記コアの対辺関係に位置する二つの磁脚を通す各々の切欠部を有する2分割のフェライトプレートを設け、コアの前記磁脚を前記切欠部に通し、前記コアに前記フェライトプレートを取り付けて、前記コアと前記フェライトプレートとを前記台座に固定し、前記コイルボビンは前記コアの磁脚に装着され、中央部に前記磁脚を軸として回転する際に、前記フェライトプレートを装着して回転可能なフェライトプレート接合部を有してなることを特徴とするチョークコイル。
  2. 請求項1記載のチョークコイルにおいて、片方の前記切欠部が、半円形、四半円形、円弧のいずれかである2分割の矩形板状のフェライトプレートを用いることを特徴とするチョークコイル。
  3. 請求項1記載のチョークコイルにおいて、前記口字形閉磁路コアの磁脚の一方のほぼ中央に空隙を有する内側に向かって突出した凸部を設けて、日字形コアとすることを特徴とするチョークコイル。
  4. 両端にコアを固定する固定部とピン端子を設けた台座に、磁脚の一辺から対辺に向かって突出した凸部を有し、前記凸部の先端と前記対辺間には空隙を有る日字形閉磁路コアを固定し、前記コアの磁脚にコイルボビンを装着し、該コイルボビンに巻線を施してなるチョークコイルにおいて、前記コアの対向する二つの磁脚と前記凸部とを通す各々の切欠部を有する2分割のフェライトプレートを設け、コアの前記磁脚と前記凸部とを前記切欠部に通し、前記コアに前記フェライトプレートを取り付けて、前記コアと前記フェライトプレートとを前記台座に固定し、前記コイルボビンは日字形閉磁路コアの前記凸部対向する磁脚に装着され、中央部に前記磁脚を軸として回転する際に、前記凸部に対して回転可能な凸部通過部を有し、前記凸部通過部と前記凸部に接合するフェライトプレートを装着することを特徴とするチョークコイル。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のチョークコイルにおいて、前記二つの切欠部が、半円形、四半円形、円弧のいずれかで連続した一つの凹部からなる2分割の矩形板状のフェライトプレートを用いることを特徴とするチョークコイル。
  6. 請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載のチョークコイルにおいて、前記二つの切欠部が半円形、四半円形、円弧のいずれかで連続した一つの凹部を形成し、コイルボビンの巻芯に装着される磁脚と対向する他方の脚部を支持する突片を下辺に設けた、矩形板状の前記2分割のフェライトプレートを用いることを特徴とするチョークコイル。
  7. 両端にコアを固定する固定部とピン端子を設けた台座に口字形閉磁路コアを固定し、前記コアの磁脚にコイルボビンを装着し、該コイルボビンに巻線を施してなるチョークコイルであって、前記チョークコイルは前記口字形閉磁路コアの磁脚部に装着可能な一つの切欠部を有するフェライトプレートを配し、前記コイルボビンの中央にフェライトプレートを収納するリング状の収納部を設け、前記フェライトプレートをコイルボビンに装着した際に、コイルボビンが口字形閉磁路コアの磁脚を軸として回転できることを特徴とするチョークコイル。
  8. 請求項記載のチョークコイルにおいて、二分割の前記フェライトプレートが板状半円でコアの磁脚を通す一つの切欠部を有することを特徴とするチョークコイル。
  9. 請求項記載のチョークコイルにおいて、前記フェライトプレートが円板状で、コアの磁脚を取付ける一つの切欠部を設けることを特徴とするチョークコイル。
  10. 請求項記載のチョークコイルにおいて、前記フェライトプレートが四半円形で、コアの磁脚を取付ける切欠部を設けることを特徴とするチョークコイル。
  11. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の口字形又は日字形閉磁路コアの脚部は、断面が円形、多角形、楕円のいずれかを形成することを特徴とするチョークコイル。
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