JP3870817B2 - 穀粒乾燥機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、循環する穀粒に熱風を晒して乾燥を行う穀粒乾燥機のうち、特に熱風室内に遠赤外線放射体を配設した穀粒乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
加熱されると遠赤外線を放射する遠赤外線放射体を機体内に配設した穀粒乾燥機には、集穀室とよぶ、熱風に晒された穀粒を貯留部へ送出するための定量繰出装置下部の空間に遠赤外線放射体を配設したものと、穀粒に熱風を晒すための熱風室に遠赤外線放射体を配設したものと、貯留部に遠赤外線放射体を配設したもの等がある。
【0003】
これらの内、熱風室に遠赤外線放射体を配設した穀粒乾燥機では、遠赤外線による輻射熱と燃焼装置により生成した乾燥風の両方の効果により穀粒の乾燥が促進されるように、遠赤外線放射体を乾燥機機体の前後方向に亘り架設し、その後部は機体前方に戻され、終端の乾燥風吐出口が遠赤外線放射体の開口部に対向して配設されている燃焼装置に向かう形状をしており(例えば特開平9−61055号公報)、これにより遠赤外線放射体全域が所定の高温度に維持され、かつ乾燥熱風が熱風室内に行き渡るようにしていた。
【0004】
しかし、遠赤外線放射体を高温度に維持し、かつ必要乾燥風量を確保しながら、張込量に基づいて設定される乾燥風温度を維持すべく燃焼装置を制御するには、遠赤外線放射体の形状と容量、燃焼装置の燃焼量、熱風室容量等が相互にバランスよく設定されていることが必要で、特に燃焼量の少ない小型の穀粒乾燥機では制御が複雑になり、遠赤外線放射体を装備した穀粒乾燥機には従来機をそのまま利用できない困難さがあった。
【0005】
また、従来の遠赤外線放射体は円筒形状で、高温度の遠赤外線放射体にゴミが堆積しないように、その上部には傾斜面を有する防塵板が設けられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は小型の穀粒乾燥機においても、複雑な制御方法を必要とせずに乾燥室内を流下する穀粒に熱風を晒しながら、遠赤外線による輻射熱を放射して乾燥を行う乾燥効率のよい穀粒乾燥機を提供すると共に、塵埃等が堆積し難く、熱風室の前後方向に亘り略均一な乾燥風を吐出する遠赤外線放射体を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1記載の発明による穀粒乾燥機は、穀粒を貯留する貯留室(2)と、貯留した穀粒を流下し乾燥を行う乾燥部(8)と、乾燥部(8)を流下した穀粒をその下方に配設した搬送装置(11)に集穀する集穀室とを設け、前記乾燥部(8)の中央に断面が菱形形状の熱風室(4)を形成し、その両側部に穀粒が流下する乾燥室(5)を形成し、乾燥室(5)の外側に排風室(7)を形成した穀粒乾燥機において、熱風室(4)内には遠赤外線放射体(50)を設け、遠赤外線放射体(50)はその断面形状を山形形状に形成した上部(50a)と、その下方に互いに平行な鉛直部を設けた中間部(50b)と、該中間部(50b)の下方に乾燥室(5)の傾斜面と略沿うよう設ける傾斜部(50d)を設けた下部(50c)とから形成され、遠赤外線放射体(50)の上部(50a)の上面及び下部(50c)の下面には前後方向の略全長に亘り開口部(51a)を形成し、遠赤外線放射体(50)の一端を燃焼装置(24)に向けて開口した構成とした。
【0008】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、熱風室(4)内には遠赤外線放射体(50)を設け、熱風により加熱された遠赤外線放射体(50)は乾燥室(5)を流下する穀粒に遠赤外線を放射する。また、燃焼装置(24)によって生成された熱風は熱風室(4)内の遠赤外線放射体(50)の開口部(55a)に向けて吐出され、遠赤外線放射体(50)に送風される。遠赤外線放射体(50)内での熱風は、遠赤外線放射体(50)の上部(50a)の上面および下部(50c)の下面に前後方向の略全長に亘り形成する開口部(51a)より排出される。開口部(51a)から排出された熱風は乾燥室(5)を流下する穀粒を通気し、穀粒から水分を除去した後、排風室(7)から機外に排出される。
【0010】
また、熱風により加熱された遠赤外線放射体(50)は乾燥室(5)を流下する穀粒に遠赤外線を放射する。
【0011】
【0012】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、熱風室(4)を断面形状菱形に形成すると共に、遠赤外線放射体(50)の上部(50a)を断面形状を山形形状に形成し、かつ、下部50cを乾燥室(5)の傾斜面と略沿うよう傾斜部(50d)に形成することで、遠赤外線放射体形状が乾燥室(5)を形成する壁面に略沿う断面の壁面を有する形状に沿っているため、乾燥室(5)の壁面から最短距離にある遠赤外線放射体(50)からの輻射強度が均一で、乾燥室(5)を流下する穀粒はむらのない輻射熱を受ける。
【0013】
また、熱風室内の遠赤外線放射体は前後方向の略全長に亘る上部(50a)の上面および下部(50c)の下面の開口部から熱風を排出する構成のため熱風の排出面積が広くなり、通気抵抗が従来の遠赤外線放射体を配設しない穀粒乾燥機と略同様に設定することができ、従来の燃焼装置が使用できるようになって制御が容易になる。
【0014】
さらに、機体後方から機体前方に戻す戻し管を必要としないため、遠赤外線放射体をコンパクトにすることができて、穀粒乾燥機の乾燥部を低くすることができる特徴がある。さらに、遠赤外線放射体(50)の上部(50a)の断面形状を山形形状に形成)することで、高温度の遠赤外線放射体に塵埃が堆積しないため安全である。
【0015】
【0016】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の一実施例に係わる穀粒乾燥機1の側面断面図であり、図2は正面断面図を示す。図3は遠赤外線放射体の正面拡大図、図4は側面拡大図を示す。
【0017】
この穀粒乾燥機1は、張り込んだ穀粒を貯留する貯留室2と、貯留室2の下方に設けられて燃焼装置3を一側に備え、他側に排風フアン6を備えた乾燥部8と、乾燥部8の下方で、乾燥部8の穀粒を繰り出し流下する定量繰出装置9と、定量繰出装置9の下方に設けられ、繰り出された穀粒を集穀し、機体前方10に搬送する下部搬送装置11と、下部搬送装置11と接続し、前記貯留室2上面に配設した上部搬送装置12に穀粒を搬送する昇降機13と、前記貯留室2上方に臨み、上部搬送装置12終端に設けられた配穀装置14とから構成され、昇降機13の壁面には昇降機13内のバケット16から落下する穀粒の水分を検出する水分計17が設けられ、前記各装置を運転制御する制御装置19が燃焼装置3近傍に設けられている。
【0018】
乾燥部8は多孔板4aにより仕切られ、前記燃焼装置3から発生した熱風を排出する断面が菱形形状の熱風室4と、熱風室4の外側で穀粒が流下する乾燥室5と、乾燥室5の外側で熱風を前記排風フアン6により吸引する排風室7とが交互に乾燥機機体の前後に亘り形成された構成である。
【0019】
貯留部2を形成するパネル2aは従来のように常にパネル2aを保持しなくても自立しており、一人でもパネル2aを組立できるように、パネル2aの上下には図5に示すZ字状、U字状の各桟2b,2cと、U字状の桟2cの上面から突出する係合突起2dと、Z字状の桟2bに形成された嵌合穴2eを備えており、それぞれの寸法は図5に示す寸法としている。これにより上パネル2aを下パネル2aに重ねたとき、Z字桟2bの下端がパネルに接し、係合突起2dと嵌合穴2eとが係合することによりZ字桟2bがU字桟2cから脱落しないようになり、上パネル2aを下パネル2bに重ね、手を離しても上パネル2aは自立するようになっている。
【0020】
張込装置18は機体側面20と前記下部搬送装置11とを連結する集穀板21の延長上に設けられており、制御装置19に配設されたスイッチ22、42により、起動、停止される。前記乾燥部8を構成する熱風室4の前方には燃焼装置3が設けられている。
【0021】
燃焼装置3は燃焼部24と、燃焼部24に燃焼用空気を送風する送風フアン25と、燃焼部24に接合し、送風フアン25を駆動する送風フアンモータ26を覆う送風フアンケース27と、燃焼部24に燃料を給油する燃料ポンプ28と、制御装置19により設定された熱風温度に基づいて送風フアンモータ26の回転数を制御する風量調節装置30から構成されている。前記送風フアンモータ26、燃料ポンプ28、風量調節装置30はいずれも制御装置19に回線され制御されるようになっており、該制御装置19に設けられたスイッチ22、41、42により起動、運転制御、停止される。
【0022】
燃料ポンプ28は燃焼部24の流量を制御するオイル制御ポンプ41と、燃料ポンプ28の下方に設けられた図示しない燃料タンクから燃料を汲み上げる汲上ポンプ43とからなり、オイル制御ポンプ41下方には汲上ポンプ43により汲み上げ、燃料の液面を一定に維持するオイルレベラ41aを備えている。
【0023】
オイル制御ポンプ41および汲上ポンプ43は制御装置19により設定する乾燥速度、張込量、穀物種類、初期穀粒水分等の乾燥条件によって制御されており、乾燥を開始し燃料が点火される前の所定時間、例えば3秒間はオイル制御ポンプ41の駆動に先だって汲上ポンプ43が駆動される構成になっており、特に試運転や燃料切れを起こした直後のように燃料配管内でエアが混入している場合でも、オイル制御ポンプ41が駆動される前に確実にオイルレベラ41aへ燃料を供給することにより点火不良を起こさず即座に点火移行するようにしている。
【0024】
排風フアン6は乾燥部8後方に設けられ、ダクト31を介して前記排風室7と連通しており、排風フアン6を駆動する排風フアンモータ32は制御装置19により回転数制御されている。遠赤外線放射体50は熱風室4内に配置され、その断面形状は上部50aが山形形状に突出しており、その下方の中間部側面50bは互いに平行な鉛直部を有し、その下部側面50cは乾燥室5の傾斜面に略沿う傾斜部50dを有しており、下面51および上面52、または下面51には前後方向の略全長に亘り開口部51aが形成され、燃焼装置3により生成された熱風が該開口部51aから排出されるようになっている。
【0025】
図6(a)は遠赤外線放射体50の下面51および上面52の開口部51aから熱風が排出される状態を、図6(b)は遠赤外線放射体50の下面51の開口部51aから熱風が排出される状態を示す。また、鋼材からなる平板を組み合わせて、複数の折り曲げ部を有する遠赤外線放射体50は、その略全周に亘り遠赤外線を放射する図示しない塗料を塗布しており、前端55が開口され、その開口部55aは穀粒乾燥機前壁10aに設けられた燃焼装置3に対向すべく設けられ、後端55bは塞がっていて、燃焼装置3から発生した熱風により遠赤外線放射体50が加熱され、その全周から遠赤外線を放射すると共に、遠赤外線放射体50を加熱した熱風は、遠赤外線放射体下面51、または上面51の開口部51aより排出し、後端55bに衝突した熱風が同様に下面51、または上面51の開口部51aから排出する構成になっている。
【0026】
燃焼装置3の燃焼量がやや多い穀粒乾燥機の場合は下面51および上面51両方に開口部51aを形成するのが好ましく、燃焼量が少ない穀粒乾燥機の場合は遠赤外線放射体50の下面51のみに開口部51aを設け、少量燃焼でも遠赤外線放射体50を所定温度に加熱可能にするのがよい。
【0027】
また、遠赤外線放射体50の下部側面50fには熱風が排出される開口部56が、下面の開口部51aとは別に設けられており、該開口部56は穀粒乾燥部後部になるほど開口率が大きくなるように形成されている。実施例では、図1に開口部である同径のスリット56を後方ほど多数にしているが、配置を遠赤外線放射体50の前後方向に亘り略等間隔にし、スリット56の開口径を異ならせ、開口径の大きなスリット56ほど後方に配置するとしてもよく、また、該開口部56を設けずに、図9のように遠赤外線放射体50後部ほど、開口部51aの間隔を広くしてもよい。
【0028】
乾燥室5外周には所定間隔毎に補強桟36が設けられており、補強桟36には熱風室4を跨ぐ連結板36aが設けられ、連結板36aにはガイドレール37が取り付けられている。遠赤外線放射体50は、遠赤外線放射体50に固定されている桟38をガイドレール37に載置することにより、穀粒乾燥機1の前後方向に移動可能になっており、燃焼装置3を取り外した後、遠赤外線放射体50をガイドレール37から引き出すことにより、穀粒乾燥機1から取り外せる構成である。
【0029】
実施例では、ガイドレール37を熱風室4の上下部に設けているが、いずれか一方でもよく、また、ボルト等の締結具により桟37に直接固定してもよい。また、乾燥室5を形成する壁面である乾燥熱風通気用の多孔板4aはその上端が、遠赤外線放射体50の上部山形傾斜面50aよりも下方から形成されており、多孔板4aから漏れ落ちた塵埃が遠赤外線放射体50の上部山形傾斜面50aに堆積しないようになっており、これにより引火の危険のある塵埃の堆積を防止している。
【0030】
さらに、遠赤外線放射体50の開口端55a近傍の前機壁10a周辺には、遠赤外線放射体50の外径形状に沿ってスリット等の開口部60を設けており、この開口部60には遠赤外線放射体1の特定部位(図4参照)を冷却するためのフィン61を設けている。
【0031】
このフィン61は燃焼部24から発生する火炎が遠赤外線放射体50を過度に加熱するのを防止するためのもので、開口部60に流入した外気はフィン61により流れ方向を規制され、丁度、火炎が加熱する遠赤外線放射体1の部位を冷却するようになっており、導入外気によって遠赤外線放射体50温度の均一化を図っている。
【0032】
次に、上記構成による穀粒乾燥機1の作用について説明する。制御装置19の張込スイッチ22を起動して、張込装置18から穀粒を張り込むと、穀粒は集穀板21を流下し、下部搬送装置11から昇降機13、上部搬送装置12、配穀装置14を経由して貯留室2に堆積する。
【0033】
張込が終了し、制御装置19のスイッチ22aを張り込んだ量に合わせた後、乾燥スイッチ41を押すと、上部搬送装置12、配穀装置14、昇降機13、下部搬送装置11、定量繰出装置9が起動し、貯留室2内の穀粒を循環し始める。次に、汲上ポンプ43が3秒間駆動され、オイルレベラ41aへ燃料を供給した後、オイル制御ポンプ41が駆動制御され、同時に送風フアンモータ26により送風フアン25が回転し燃焼用空気を燃焼部24に送る。
【0034】
ヒータ24aにより燃料に点火されると燃焼が開始され、30msの周期のうち停止時間を5〜25msの範囲で燃焼制御され、この燃焼制御と対応して、大燃焼時は連続稼動、中燃焼時は60s周期で5s停止、小燃焼時は60s周期で10s停止の稼動パターンで汲上ポンプ43が制御され、生成した熱風は遠赤外線放射体50に送風される。
【0035】
遠赤外線放射体50に送風された熱風は遠赤外線放射体50を加熱すると共に、遠赤外線放射体下面51または上面52の開口部51aから排出され、開口部51aから下方または上方に排出された熱風は排風フアン6による吸引により、乾燥室5を通過し、排風室7に至りダクト31から排風フアン6を経由して機外に排出される。
【0036】
熱風が乾燥室5を通過するとき、流下する穀粒表面の水分が除去され、同時に遠赤外線放射体50から放射される輻射熱により穀粒内部の水分が穀粒表面へと移流拡散され、熱風により乾燥し易くなる。熱風による熱伝達により乾燥された穀粒は定量繰出装置9他の搬送装置を介して再び貯留室2に循環し、水分計17が制御装置19により予め設定された目標停止水分になるまで前記循環が繰り返される。
【0037】
遠赤外線放射体50はその略全周に遠赤外線放射塗料が塗布されているため遠赤外線を乾燥室5、および穀粒を貯留室2から乾燥室5に案内する側板33にも同時に放射する。このため、流下不良を生じやすい前記側板33を加熱するため、穀粒が予熱乾燥されると共に、側板33上を穀粒が流下し易くなり流下不良を防止する。
【0038】
また、遠赤外線放射体下部側面50fに設けられた開口部56は後部ほどその開口率が大きいため、遠赤外線放射体50の前方のみから熱風が排出されず、後方にまで至り、遠赤外線放射体50を均一に加熱したのち、下部側面50fに設けられた開口部56から熱風を排出する。このため、穀粒乾燥機1の前後方向に亘り遠赤外線放射体50からの輻射熱を穀粒に均一に放射でき、乾燥用熱風も熱風室4に対して均一に排出され、熱風室内4の温度むらを低減するという特徴がある。
【0039】
なお、図9、図10のように前記開口部56を設けない場合においても、遠赤外線放射体下面51の開口部51aが後部ほど広く形成されているため前記同様の効果を生じる。次に、遠赤外線放射体のその他の実施例について説明する。
【0040】
図7は遠赤外線放射体50内部に螺旋状のプレート70を機体の後機壁10bから延出した軸71を介して設けたものである。複数の折れ曲がり部をもつ、下面51が開口した遠赤外線放射体50はその容積を大きくでき、熱風室4内に配設しても、通風抵抗にならない特徴があるが、空洞にすると遠赤外線放射体50の下面51にのみ開口部51aを設けたものにおいては、燃焼装置3により生成された熱風が燃焼装置3近傍の開口部51aからそのほとんどが排出され、遠赤外線放射体50の上部50a、側部50bの加熱が下部50cに比べて少なくなることがある。特に、燃焼量の少ない場合に顕著になる。
【0041】
この発明は、この様な低燃焼時の温度差の発生を低減するもので、遠赤外線放射体50内部に螺旋状のプレート70を設けたことを特徴とする。燃焼装置3により生成された熱風は、遠赤外線放射体50内の螺旋プレート70に衝突し、旋回作用を受けながら遠赤外線放射体50後方に至る。
【0042】
熱風は遠心力により遠赤外線放射体50内周壁に沿って流れるため、低張込量で燃焼量が少ない状態であっても遠赤外線放射体50壁面を加温し、所定の高温度に保持して、遠赤外線を乾燥室5へ放射する。螺旋プレート70は穀粒乾燥機の機体後壁10bから突出した軸71に固定されており、該軸71は機体後壁10bに固定しても、あるいはモータ72に連結し所定回転数で回転駆動される構成としてもよい。
【0043】
モータ72で螺旋プレート70を回転駆動すると前記遠心力作用を増大することが出来て、遠赤外線放射体50壁面の加温を任意に制御できる特徴がある。図8は前記螺旋プレート80に関し、螺旋プレート80に遠赤外線塗料を塗布し、耐熱ガラス等のカバー81により該螺旋プレート80を囲繞し、その終端の吐出口82を前機壁10aに向けた二重壁からなる遠赤外線放射体85を示す。この遠赤外線放射体85は螺旋プレート80を燃焼装置3により加熱し、螺旋プレート80から遠赤外線を放射させ、放射率の小さいガラスを透過して、乾燥室5の穀粒に熱放射する。
【0044】
また、熱風が螺旋プレート80の回りを旋回し、燃焼装置3の周囲から吸引された外気と共によく混合されたのち内側胴81aから外側胴81bに至り、終端の吐出口82から乾燥室5の穀粒へ排出する。内側胴81aから外側胴81bへの湾曲部には通気抵抗を減らす案内板83が設けられている。
【0045】
この遠赤外線放射体85は螺旋プレート80を直接加熱するため、熱風の流れの制御が容易で、熱放射のロスが少なく、温度むらの少ない乾燥熱風を吐出口82から排出するという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係わる穀粒乾燥機の側面断面図。
【図2】 本発明の一実施例に係わる穀粒乾燥機の正面断面図。
【図3】 穀粒乾燥機の正面拡大図。
【図4】 図3の側面拡大図。
【図5】 パネルの組み合わせ図。
【図6】 (a)は上面および下面を開口した遠赤外線放射体の斜視図である。
(b)は下面を開口した遠赤外線放射体の斜視図である。
【図7】 遠赤外線放射体の他の実施例を示す図である。
【図8】 遠赤外線放射体の他の実施例を示す図である。
【図9】 遠赤外線放射体の実施例を示す図である。
【図10】 図9の底面図である。
【符号の説明】
1 穀粒乾燥機
2 貯留室
3 燃焼装置
4 熱風室
5 乾燥室
6 排風フアン
7 排風室
8 乾燥部
9 定量繰出装置
11 下部搬送装置
12 上部搬送装置
19 制御装置
50 遠赤外線放射体
50a 遠赤外線放射体上部
50b 遠赤外線放射体中間部
50c 遠赤外線放射体下部
50d 遠赤外線放射体傾斜部
51 遠赤外線放射体下面
51a 遠赤外線放射体下面開口部
52 遠赤外線放射体上面
Claims (1)
- 穀粒を貯留する貯留室(2)と、貯留した穀粒を流下し乾燥を行う乾燥部(8)と、乾燥部(8)を流下した穀粒をその下方に配設した搬送装置(11)に集穀する集穀室とを設け、前記乾燥部(8)の中央に断面が菱形形状の熱風室(4)を形成し、その両側部に穀粒が流下する乾燥室(5)を形成し、乾燥室(5)の外側に排風室(7)を形成した穀粒乾燥機において、
熱風室(4)内には遠赤外線放射体(50)を設け、遠赤外線放射体(50)はその断面形状を山形形状に形成した上部(50a)と、その下方に互いに平行な鉛直部を設けた中間部(50b)と、該中間部(50b)の下方に乾燥室(5)の傾斜面と略沿うよう設ける傾斜部(50d)を設けた下部(50c)とから形成され、遠赤外線放射体(50)の上部(50a)の上面及び下部(50c)の下面には前後方向の略全長に亘り開口部(51a)を形成し、遠赤外線放射体(50)の一端を燃焼装置(24)に向けて開口したことを特徴とする穀粒乾燥機。
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