JP3870480B2 - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ブレーキ装置に関し、特に、制動時に複数の車輪へ制動力を配分する車両用ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の各車輪の制動力は、制動時の車体の安定性のために、前輪が先行ロックするように調整されている。例えば、図20に示すごとく、前輪制動力と後輪制動力との配分は、実線で示すごとく、前輪ロック限界線を先に横切るように設計されている。
【0003】
したがって、アンチスキッド制御、すなわち、乗員の制動操作に伴って車輪の制動状態が路面限界(ロック限界とも言う:これ以上の摩擦力が得られない車輪と路面との摩擦限界)または路面限界の近傍に達すると、車両の複数輪の各車輪の制動状態を適切に調整すべく車輪の制動状態における路面限界に対応して各車輪のブレーキ液圧を調整する制御が行われるが、このような場合には、まず前輪がアンチスキッド制御に入る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前輪がアンチスキッド制御に入った後、後輪がほぼ最大の制動力を示す位置Bmに至るまでには、運転者はかなりのストロークを踏み込まなくてはならない。そのため、図21に示すごとく、かなりのペダル踏力が必要となるとともに、踏力の割には減速Gは増加せず(▲1▼の区間)、次第に後輪制動力の増加により減速Gが増加する(▲2▼の区間)という現象が生じて、なかなか大きな減速Gが得られないという問題があった。
【0005】
しかし、これでは、全輪の制動力が最大になるまで、時間がかかり制動性能に問題を生じたり、また、アンチスキッド制御に入った後、アンチスキッド制御を行わない場合に比べて同じペダル踏力に対して減速Gが低下するという問題があった。
【0006】
上述したアンチスキッド制御においてブレーキ液圧の配分が適切になるまでに時間がかかり、運転者の操作を必要とするという問題点は、公知の技術として存在する制動力配分制御においても同様である。例えば、旋回時等の車輪における車両の荷重の偏在に対応して、ブレーキ液圧の配分を適切にしようとする場合も、荷重が減少している車輪のブレーキ液圧の調整に入った後、逆に荷重が増加した車輪がほぼ最大の制動力を示す位置に至るまでには、運転者はかなりのストロークを踏み込まなくてはならない。すなわち、図16に示した場合と同様に、かなりのペダル踏力が必要となり、踏力の割にはなかなか減速Gは増加しないという現象が生じるという問題があった。
【0007】
本発明は、前述の問題点を解決し、制動時に制動力の上昇を迅速にして制動性能を高める車両用ブレーキ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
本発明の車両用ブレーキ装置は、少なくとも1つの車輪について、ブレーキ液圧調整手段によるブレーキ液圧の調整が開始されると、増圧手段が、未だブレーキ液圧調整手段によるブレーキ液圧の調整に至っていない他の車輪の内の少なくとも1つに対するブレーキ液圧を増圧する
【0009】
具体的に、車両用ブレーキ装置が、2輪毎に制御している車両用ブレーキ装置であって、制動操作状態に応じてブレーキ液圧発生手段から発生した第1のブレーキ液圧を、第1および第2の車輪制動力発生手段が受けて、第1および第2の車輪に制動力を発生させるとともに、車輪の制動状態が適切となるように第1または第2の車輪制動力発生手段の車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を、ブレーキ液圧調整手段が調整する構成である場合、ブレーキ液圧調整手段によって第1または第2のいずれかの車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の調整が開始される際に、ブレーキ液圧調整手段によってブレーキ液圧の調整が開始されていない方の車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を増圧する増圧手段を、この車両用ブレーキ装置に設けることで実現する。
【0010】
また、車両用ブレーキ装置が、4輪で制御している車両用ブレーキ装置としては、制動操作状態に応じてブレーキ液圧発生手段から発生したブレーキ液圧を、第1、第2、第3および第4の車輪制動力発生手段が受けて、第1〜第4の車輪に制動力を発生させるとともに、車輪の制動状態が適切となるように第1〜第4の車輪制動力発生手段の内の該当する車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を、ブレーキ液圧調整手段が調整する構成である場合、ブレーキ液圧調整手段によって第1〜第4の内で、少なくとも1つの車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の調整が開始される際に、ブレーキ液圧調整手段によってブレーキ液圧の調整が開始されていない車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を増圧する増圧手段を、この車両用ブレーキ装置に設けることで実現する。
【0011】
管系統を2系統設け、ブレーキ液圧発生手段と第1および第2の車輪制動力発生手段とを、第1の配管系統により連通し、ブレーキ液圧発生手段と第3および第4の車輪制動力発生手段とを、第2の配管系統により連通するようにすることで実現する。
【0012】
これらの車両用ブレーキ装置において、ブレーキ液圧調整手段は、該当する車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を調整するに際して、該車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を、ブレーキ液圧発生手段にて発生している第1のブレーキ液圧よりも低い第2のブレーキ液圧に調整し、増圧手段は、該当する車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を増圧するに際して、該車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を、第1のブレーキ液圧よりも大きい第3のブレーキ液圧に増圧する。
【0013】
このように、本発明の車両用ブレーキ装置では、未だブレーキ液圧の調整に至っていない他の車輪に対するブレーキ液圧を、積極的に増圧処理するので、ブレーキ液圧の配分が適切になるまでの時間が短縮されて、迅速に高い制動力を得ることができる。
つまり、車輪の挙動に応じて車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を調整するアンチスキッド制御の場合には、後述する図4に示すごとく、位置Bmまで制動操作することなく、他の車輪(図4では後輪)についても迅速にほぼ最大の制動力を発揮させることができる。また、車両旋回時に制動する場合にも、荷重が偏った車輪に対するブレーキ液圧の配分が迅速に適切な状態となり、迅速にほぼ最大の制動力を発揮させることができる。したがって、本発明によれば、制動操作時にブレーキ液圧調整手段によるブレーキ液圧の調整が開始されても、制動力の上昇を迅速にして制動性能を高めることができる。
【0014】
なお、増圧手段は、ブレーキ液圧発生手段から各車輪制動力発生手段に至る配管系統外に配置され、所定量のブレーキ液量が収容される収容手段と、この収容手段からブレーキ液を吸引し、ブレーキ液圧調整手段によってブレーキ液圧の調整が開始されない方の少なくとも1つの車輪制動力発生手段側にブレーキ液を吐出して、該当車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を、ブレーキ液圧発生手段によるブレーキ液圧よりも増圧する吐出手段とを備えたものとすることができる。このように、配管系統外に配置された収容手段に収容されているブレーキ液を用いているので、制動操作に影響すること無く、ブレーキ液圧の調整が開始されていない車輪の制動力を迅速に高めることができる。
【0015】
この構成に対し、更に、前記配管系統に配置され、この配管系統を連通状態とする第1の制御状態と、車輪制動力発生手段側のブレーキ液圧とブレーキ液圧発生手段側のブレーキ液圧との差圧を所定差圧許容する第2の制御状態とになり得る制御弁を備え、吐出手段のブレーキ液吐出位置が、配管系統の当該制御弁と車輪制動力発生手段との間であるとともに、吐出手段によってブレーキ液の吐出がなされる場合に、制御弁を第2の制御状態に制御するようにしても良い。このようにすると、吐出手段によりブレーキ液の吐出がなされても、差圧分を越えない限り、ブレーキ液圧発生手段側へはブレーキ液が還流することはなく、吐出が直接、ブレーキ液圧発生手段側に影響しないのでキックバックを抑制して、増圧を行うことができる。また、吐出時以外の適当なタイミングで第1の制御状態とすれば、配管系統が連通状態となるので、ブレーキ液圧発生手段へのブレーキ液の還流も支障なくできる。
【0016】
また、増圧手段は、吐出手段と保持手段とを備えて、吐出手段にて、ブレーキ液圧発生手段によってブレーキ液圧を発生しているブレーキ液を吸引して得られるブレーキ液を、あるいはブレーキ液圧調整手段によってブレーキ液圧の調整が開始されることにより調整対象の車輪制動力発生手段から放出されるブレーキ液を、ブレーキ液圧調整手段によってブレーキ液圧の調整が開始されていない方の車輪制動力発生手段側へ吐出して、該当車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を、ブレーキ液圧発生手段によるブレーキ液圧よりも増圧するとともに、吐出手段によって行われた増圧を、保持手段にて保持することとすることが好ましい。このことにより、他の車輪についてもほぼ最大の制動力を一層迅速に発揮させることができる。
【0017】
前記保持手段としては、吐出手段のブレーキ液吐出側から車輪制動力発生手段に至る配管系統中のブレーキ液圧と、ブレーキ液圧発生手段におけるブレーキ液圧との差圧を、所定比率に保持するものが挙げられる。このようにすることにより、吐出手段によりブレーキ液の吐出がなされても、所定比率の差圧分が存在するので、その差圧分を越えない限りブレーキ液圧発生手段側へはブレーキ液が還流することはなく、吐出が直接、ブレーキ液圧発生手段側に影響しなくなりキックバックを抑制することができる。また、吐出時以外の適当なタイミングで圧力が低下すれば、ほとんど差圧は無くなるので、ブレーキ液圧発生手段へのブレーキ液の還流も支障なくできる。
【0018】
ブレーキ液圧調整手段が、配管系統に各車輪毎に設けられ非調整時および増圧調整時には配管系統を連通し減圧調整時には遮断する増圧制御弁と、配管系統から収容手段への減圧用管路に各車輪毎に設けられ減圧調整時には減圧用管路を連通し増圧調整時および非調整時には遮断する減圧制御弁とを備えたものであれば、吐出手段が、各増圧制御弁と保持手段との間の配管系統にブレーキ液を吐出した場合に、非調整時の車輪の車輪制動力発生手段へは、増圧制御弁が配管系統を連通させているので、ブレーキ液圧調整手段にて未だ調整されていない車輪側についても迅速に制動力を高めることができる。
【0019】
また、増圧手段は、ブレーキ液圧調整手段により、少なくとも1つの車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧が調整される際に、ブレーキ液圧調整手段によって調整された車輪に対するブレーキ液圧が前記ブレーキ液圧発生手段のブレーキ液圧よりどれくらい低くなっているかを推定し、その推定量分だけブレーキ液圧調整手段によって調整されていない車輪に対するブレーキ液圧を増圧するように構成されても良い。
【0020】
また、増圧手段は、ブレーキ液圧発生手段から各車輪制動力発生手段に至る配管系統に接続されて車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の減圧分のブレーキ液を収容する収容手段に、ブレーキ液が所定以上存在する際には、収容手段よりブレーキ液を吸引し、収容手段にブレーキ液が所定より少ない量しか存在しない場合には、ブレーキ液圧発生手段で第1のブレーキ液圧を生じているブレーキ液を吸引して、ブレーキ液圧調整手段によってブレーキ液圧の調整が行われていない車輪制動力発生手段に対して吐出し、かつ、ブレーキ液圧発生手段側との差圧を保持することとしても良い。
【0021】
また、増圧手段は、ブレーキ液圧発生手段において第1のブレーキ液圧が発生された時点において、各車輪の内、最も車輪速度が大きい車輪に対応する車輪制動力発生手段に対して増圧を実行することとしても良い。
また、増圧手段は、ブレーキ液圧発生手段において第1のブレーキ液圧が発生された時点を、乗員によって踏み込み操作されるブレーキペダルのストロークが所定以上になった際にオンされるストップスイッチにより検知することとしても良い。
【0022】
上述したごとく、本願発明は、ブレーキ液圧の好適な配分を迅速に達成しようとする制御システム、具体的には、路面限界に対応してブレーキ液圧を制御するシステムや、旋回時などに車輪に対する車両荷重の偏りに対応して車輪へのブレーキ液圧の配分制御を好適に行うシステムに用いることができ、適切な制動バランス状態を迅速に達成することができ、高い制動性能を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、上述した発明が適用された車両用ブレーキ装置の概略構成を表すブロック図である。
【0024】
車両の各車輪(左前輪FL,右前輪FR,左後輪RL,右後輪RR)には、各車輪FL〜RRに制動力を与えるための油圧式のブレーキ装置(以下、ホイールシリンダ:W/Cという。)4,5,6,7、および各車輪FL〜RRの回転速度を検出するための車輪速度センサ14,15,16,17がそれぞれ設けられている。
【0025】
一方、エンジン(ここでは内燃機関である。)8から、変速機9を介して出力されるトルクは、左右前輪FL,FRの各々に分配されるようになっている。
また、図示していない車体には、この他に、ブレーキペダル1の操作時にオン(ON)状態となるストップスイッチ1a、各車輪速度センサ14〜17からの検出信号等が電子制御装置(以下、ECUという)20に入力されている。
【0026】
そして、ECU20は、これらの検出信号に基づきマスタシリンダ3から各車輪FL〜RRのホイールシリンダ4〜7に至る油圧経路に設けられた油圧回路40内の各種アクチュエータを制御することにより、車両制動時に車輪FL〜RRに生じたスリップを抑制するABS制御(前述したブレーキ力制御に該当する。)を実行している。
【0027】
なお、ECU20は、CPU,ROM,RAM等を備えたマイクロコンピュータを中心に構成されている。また、後述するABS制御のECU20が実行する各処理は、プログラムとして前記ROM中に記憶され、必要に応じて実行される。
【0028】
次に、油圧回路40について説明する。
図2は、油圧回路40を主体とするブレーキ配管モデル図である。本実施の形態では、前輪駆動の4輪車において、右前輪FR-左後輪RL、左前輪一右後輪の各配管系統を備えるX配管の車両に本発明による車両用ブレーキ装置を適用した例について説明する。
【0029】
図2において、車両に制動力を加える際に乗員によって踏み込まれるブレーキペダル1は、倍力装置2に接続されており、ブレーキペダル1に加えられる踏力およびペダルストロークがこの倍力装置2に伝達される。倍力装置2は第1室と第2室との2室を少なくとも有しており、例えば第1室を大気圧室、第2室を負圧室とすることができ、負圧室における負圧は、例えばエンジンのインテークマニホールド負圧あるいはバキュームボンプによる負圧が用いられる。そして、この倍力装置2は、大気圧室と負圧室の圧力差をもって、乗員のペダル踏力またはペダルストロークを直接倍力する。倍力装置2は、このように倍力された踏力あるいはペダルストロークをマスタシリンダ3(ブレーキ液圧発生手段に該当)に伝達するプッシュロッド等を有しており、このプッシュロッドがマスタシリンダ3に配設されたマスタピストンを押圧することによりマスタシリンダ圧PUを発生する。なお、マスタシリンダ3は、このマスタシリンダ3内にブレーキ油を供給したり、またマスタシリンダ3内の余剰ブレーキ油を貯留する独自のマスタリザーバ3aを備えている。
【0030】
このマスタシリンダ圧PUは、比例制御弁90(保持手段に該当)およびアンチスキッドシステム100からなる油圧回路40を介して右前輪FR(第1の車輪に該当)用の第1のホイールシリンダ4(第1の車輪制動力発生手段に該当)および左後輪RL(第2の車輪に該当)用の第2のホイールシリンダ5(第2の車輪制動力発生手段に該当)へ伝達されている。以下の説明は、右前輪FRおよび左後輪RL側についての説明であるが、第2の配管系統である左前輪FL(第3の車輪に該当)および右後輪側RR(第4の車輪に該当)についてもまったく同様であるので説明は省略する。
【0031】
比例制御弁90は、正方向にブレーキ油が流動する際には、ブレーキ油の基圧を所定の減衰比率をもって下流側に伝達する機能を有している弁である。ここでは、この比例制御弁90は逆接されており、ホイールシリンダ4,5側が基圧側であり、マスタシリンダ3側は下流側になっている。この圧力の関係を図7に示す。基圧PLが縦軸、マスタシリンダ圧PUが横軸で示してある。また、折れ点圧力P1以下になった場合には、マスタシリンダ圧PUと基圧PLとは同等となる。
【0032】
アンチスキッドシステム100は、以下の構成を備えている。まず、逆接された比例制御弁90に接続する配管系統の一部としての管路Aは、その第2の管路部位A2にて二つに分岐して、一方には、第1のホイールシリンダ4へのブレーキ油圧の増圧を制御する第1の増圧制御弁300が備えられ、他方には第2のホイールシリンダ5へのブレーキ油圧の増圧を制御する第2の増圧制御弁301が備えられている。
【0033】
これら第1、第2の増圧制御弁300,301は、アンチスキッドシステム100用のECU20により連通・遮断状態を制御できる2位置弁として構成されている。そして、この2位置弁が連通状態に制御されている際には、比例制御弁90を介したマスタシリンダ圧PUあるいはポンプ101のブレーキ油の吐出によるブレーキ油圧を各ホイールシリンダ4,5に加えることができる。なお、アンチスキッド制御が実行されていないノーマルブレーキの際には、これら第1、第2の増圧制御弁300,301は常時連通状態に制御されている。また、増圧制御弁300,301には、それぞれ逆止弁304,305が並列に設けられ、過剰なブレーキ油圧をホイールシリンダ4,5側から排除するように構成されている。なお、前記アンチスキッドシステム100とECU20とが、ブレーキ液圧調整手段に該当する。
【0034】
また、第1、第2の増圧制御弁300,301と各ホイールシリンダ4,5との間における管路Aと、配管系統から外れたリザーバ200(収容手段に該当)の第2のリザーバ孔200Bとを結ぶ管路Bには、アンチスキッドシステム100用のECU20により連通・遮断状態を制御できる2位置弁としての第1の減圧制御弁302と第2の減圧制御弁303とがそれぞれ配設されている。これら第1、第2の減圧制御弁302,303は、ノーマルブレーキ状態では、常時遮断状態とされている。
【0035】
このリザーバ200は、マスタシリンダ圧PUと同等の圧力となる管路Cからブレーキ油の流動を受ける第1のリザーバ孔200Aを有している。この第1のリザーバ孔200Aよりリザーバ200の内側には、ボール弁201が配設されている。そしてこのボール弁201の下側には、このボール弁201を上下に移動するために所定のストロークを有するロッド203が設けられている。リザーバ室200C内には、ロッド203と運動するピストン204が備えられている。このピストン204は、第1のリザーバ孔200Aまたは第2のリザーバ孔200Bからブレーキ油が流動した場合に下方に摺動し、リザーバ室200C内にブレーキ油を貯留する。
【0036】
また、このようにブレーキ油が貯留された場合には、ピストン204が下側に移動すると、これに伴つて、ロッド203も下方に移動し、ボール弁201が弁座202に接触する。よって、リザーバ室200C内にブレーキ油がロッド203のストローク以上貯留された際には、ボール弁201と弁座202とによって、ポンプ101の吸引側と、管路Cを介しての第1の管路部位A1との間のブレーキ油の流動が遮断される。
【0037】
またポンプ101(吐出手段に該当)がインレット弁101aとアウトレット弁101bとに挟まれて、リザーバ200内のブレーキ油を汲み取って、比例制御弁90と第1、第2の増圧制御弁300,301との間の第2の管路部位A2へ吐出する位置に配置されている。
【0038】
また、左後輪RL用のホイールシリンダ5の直前には比例制御弁400が配置されている。この比例制御弁400は、比例制御弁90と同じく、正方向にブレーキ油が流動する際には、ブレーキ油の基圧を所定の減衰比率をもって下流側に伝達する作用を有している。これは、制動時に後輪のブレーキ油圧を前輪に比較してわずかに下げることにより、制動操作時に前輪側を先にロックさせて、車体の安定を図るためである。
【0039】
これら、増圧制御弁300,301、減圧制御弁302,303およびポンプ101は、図示していないアンチスキッドシステム100用のECU20がその状態を制御している。
上述のアンチスキッドシステム100用のECU20によるブレーキ制御について図3のフローチャートに基づいて説明する。なお、本処理は車輪毎に個々に行われているものとする。以下の説明では右前輪FRについての処理として説明するが、他の車輪について同様に行われる。
【0040】
図3に示すブレーキ制御処理が開始されると、まずECU20は車輪速度センサ14〜17およびブレーキペダル1のストップスイッチ1aから、それぞれ検出データを入力する(S1100)。次に車輪速度センサ14〜17の検出データから車輪加速度を演算する(S1200)。
【0041】
次に自輪(右前輪FR)がアンチスキッド制御中であるか否かが判定され(S1300)、自輪についてアンチスキッド制御中でないとすると(S1300で「NO」)、次に自輪についてアンチスキッド制御の開始条件となったか否かが判定される(S1400)。アンチスキッド開始条件でなければ(S1400で「NO」)、ステップS1100に戻る。
【0042】
ここで、運転者がブレーキペダル1を踏み込み、車輪加速度等の状態から右前輪FRの制動状態が路面限界あるいは路面限界の近傍となって、アンチスキッド制御の開始条件が満たされる(S1400で「YES」)と、ステップS1500の処理に移る。なお、ステップS1400で「YES」と判定されたことにより、同時に、図示していないが別個の処理にて右前輪FRについてアンチスキッド制御が開始される。
【0043】
ステップS1500では、対象輪、ここでは同じ第1の配管系統に存在する左後輪RLについて、アンチスキッド制御中か否かが判定される。比例制御弁400の存在により、図4に点S1で示すごとく、先に前輪が前輪ロック限界線に到達して前輪側が先にアンチスキッド制御を開始するので、右前輪FRがアンチスキッド制御を開始したタイミングでは、左後輪RLはアンチスキッド制御中ではない(S1500で「NO」)。
【0044】
したがって、次に対象輪の増圧処理がオンされる(S1600)。すなわち、増圧処理は、ポンプ101を駆動することにより、管路Cおよびリザーバ200を介して第2の管路部位A2にブレーキ油を吐出する。第2の管路部位A2と第1の管路部位A1との間には、比例制御弁90が存在しているので、図7に示したごとく、マスタシリンダ3側よりも高圧に第2の管路部位A2を保持することができる。
【0045】
この時、右前輪FR側はアンチスキッド制御に入って最初に減圧制御がなされるため、増圧制御弁300は遮断状態であり、一方、左後輪RLについてはアンチスキッド制御に入っていない増圧制御弁301は連通状態にある。このため、ポンプ101の吐出と比例制御弁90の存在により、マスタシリンダ3側よりも高圧にされたブレーキ油圧は、増圧制御弁301から比例制御弁400を介して左後輪RLのホイールシリンダ5にかかり、左後輪RLに対する制動力は急速に上昇する。すなわち、図4に実線矢印で示すごとく前輪がロック限界に達した時点から、後輪側は急速に制動力が上昇する。このため、運転者がブレーキペダル1を深く踏み込む以前に、後輪についてもブレーキ油圧の配分が適切になされて、十分な制動力が発生し、高い制動性能を発揮することができる。
【0046】
なお、ステップS1400にて、自輪のアンチスキッド制御が開始する条件では無いと判定された場合、あるいはステップS1500にて既に対象輪がアンチスキッド制御中であると判定された場合には、ステップS1600は実行せずに、ステップS1100に戻る。
【0047】
また、ステップS1300にて、自輪がアンチスキッド制御中であると判定された場合には、自輪アンチスキッド制御の終了判定を行って(S1700)、アンチスキッド制御の終了条件が満たされていなければ(S1700で「NO」)、そのままステップS1100に戻り、アンチスキッド制御の終了条件が満たされれば(S1700で「YES」)、対象輪の増圧処理は停止する(S1800)。すなわち、ポンプ101の稼動を停止し、第2の管路部位A2に対する吐出を停止する。そして同時に、図示していない処理にて自輪に対するアンチスキッド制御を停止する。
【0048】
なお、前述したごとく、左後輪RLについても、図3と同様な処理がなされている。更に、左前輪FLと右後輪RRとの組合せについても、上述した右前輪FRと左後輪RLと同様な関係にある。
上述したごとく、本実施の形態では、いずれかの車輪について、ブレーキ液圧調整手段としてのアンチスキッドシステム100によるブレーキ油圧の調整が開始される際に、未だアンチスキッドシステム100によるブレーキ油圧の調整に至っていない他の車輪に対するブレーキ油圧を増圧している。
【0049】
例えば、図5に示すように、前輪がアンチスキッド制御を開始した時刻t1からポンプ101が稼動されることにより、吐出液量により後輪側が増圧される。このため、後輪の車輪速度は、増圧されない場合(破線で示す)に比較して減速度が大きくなっている。したがって、本実施の形態1では、図6に示すごとく、一方の車輪側がアンチスキッド制御に入ってからも他方の車輪側に十分迅速にブレーキ油圧を配分させることができ、減速Gを十分に速く増大させることができる。このように、制動性能を高めることができる。
【0050】
また、本実施の形態1では、更に、アンチスキッド制御の減圧調整時に減圧制御弁302から排出されるブレーキ油が、ポンプ101により、増圧制御弁301を介して、未だアンチスキッド制御に入っていない左後輪RL側の増圧分のブレーキ油として配分されるので、左後輪RLのホイールシリンダ5の制動力の上昇を補助することとなり、より制動効率が向上する。
【0051】
本実施の形態1において、ステップS1400、S1500およびS1600が増圧手段としての処理に該当する。
[実施の形態2]
図8は、本発明の実施の形態2を示すブレーキ配管モデル図である。なお、ブレーキペダル501、倍力装置502、マスタシリンダ503、マスタリザーバ503a、ポンプ601、増圧制御弁800,801、減圧制御弁802,803、逆止弁804,805、比例制御弁900およびホイールシリンダ504,505は、それぞれ前記実施の形態1におけるブレーキペダル1、倍力装置2、マスタシリンダ3、マスタリザーバ3a、ポンプ101、増圧制御弁300,301、減圧制御弁302,303、逆止弁304,305、比例制御弁400およびホイールシリンダ4,5と同じであるので、これらについては詳述しない。また、第2の配管系統は、左前輪および右後輪側にブレーキ油圧を分配しているが、図8に示した右前輪FRおよび左後輪RLと同じであるので説明は省略する。
【0052】
本実施の形態が前記実施の形態1と異なるのは、管路Aにおいて、マスタシリンダ503とアンチスキッドシステム600との間で、比例制御弁90の代りに、マスタカット弁610(制御弁に該当する)が配置されている点である。
マスタカット弁610は、差圧弁を有するポート(第2の制御状態に該当)と連通状態を実現するポート(第1の制御状態に該当)とを有し、通常は連通状態にあるがアンチスキッドシステム600によりブレーキ油圧の制御がなされている場合に、所定タイミングで差圧弁に切り換って、第1の管路部位A1と第2の管路部位A2との間に、図9に示すごとく、第2の管路部位A2の方が高くなるような差圧PRVを設ける。この切り換えは、アンチスキッドシステム600用の電子制御装置(ECU)520が実行する。このアンチスキッドシステム600とそのECU520とがブレーキ液圧調整手段に該当する。
【0053】
マスタカット弁610は、連通位置と差圧弁位置との2位置を備える弁であり、図示の弁位置は差圧弁位置である。連通位置では、マスタシリンダ503→ホイールシリンダ504,505の方向のブレーキ油の流動および逆方向の流動を、実質的に調圧しないで実現する。
また、差圧弁位置では、マスタシリンダ503側からホイールシリンダ504,505側へのブレーキ油の流動は禁止し、ホイールシリンダ504,505側からマスタシリンダ503側へのブレーキ油の流動は、ホイールシリンダ504,505側のブレーキ油圧がマスタシリンダ503側の圧力よりも所定圧(PRV)よりも高くなった際にのみ許容する。
【0054】
よって、マスタカット弁610は、第2のブレーキ油圧PLがマスタシリンダ圧PUに対して増圧された場合においても、差圧PRV以内の増圧であればこの第2のブレーキ油圧PLは保持する。また、踏み増し弁612が接続されていることにより、たとえマスタカット弁610において差圧弁の弁位置においてホールドされる不具合が起きたり、ポンプ601(吐出手段に該当)の駆動不良が発生したとしてもホイールシリンダ504,505には少なくともマスタシリンダ圧PUが加えられるように保障することができる。
【0055】
また、ポンプ601のブレーキ油の吸引側に配管系統から外れてリザーバ700が接続されている。このリザーバ700は、リザーバ孔700Bからブレーキ油を流入した場合に内部にブレーキ油を貯留し、必要に応じて外部にブレーキ油を流出させる。
【0056】
またマスタリザーバ503aからポンプ601の吸入側に管路Dが設けられ、管路Dには、アンチスキッドシステム600用のECU520により連通・遮断状態を制御できる2位置弁としての吸入制御弁616が配置されている。
上述のアンチスキッドシステム600用のECU520によるブレーキ制御は、図3に示したブレーキ制御処理と基本的には同じであるが、ステップS1600の対象輪増圧処理オンとステップS1800の対象輪増圧処理オフの処理の内容が異なる。
【0057】
すなわち、ステップS1600の対象輪増圧処理オンでは、マスタカット弁610が差圧弁状態に切り換えられ、吸入制御弁616が連通状態に切り換えられ、更にポンプ601が稼動される。このことにより、管路Dを介してマスタリザーバ503aのブレーキ油を管路部位A2に吐出する。第2の管路部位A2と第1の管路部位A1との間には、マスタカット弁610が差圧弁状態で存在しているので、図9に示したごとく、マスタシリンダ503側よりも差圧PRV分、高圧に第2の管路部位A2を保持することができる。
【0058】
この時、右前輪FR側はアンチスキッド制御に入って最初に減圧制御がなされるため、増圧制御弁800は遮断状態であり、一方、左後輪RLについてはアンチスキッド制御に入っていない増圧制御弁801は連通状態にある。このため、マスタシリンダ503側より増圧されたブレーキ油圧は、増圧制御弁801から比例制御弁900を介して左後輪RLのホイールシリンダ505にかかり、左後輪RLに対する制動力は急速に上昇する。すなわち、図4に示した例と同様に前輪がロック限界に達した時点(点S1)から、後輪側は急速に制動力が上昇する。このため、運転者がブレーキペダル501を深く踏み込むこと無く、後輪についても十分な制動力が発生し、前記実施の形態1と同じく高い制動性能を発揮することができる。
【0059】
ステップS1800では、対象輪増圧処理オフでは、マスタカット弁610が連通状態に切り換えられ、吸入制御弁616が遮断状態に切り換えられ、更にポンプ601が停止する。
なお、左後輪RLについても、上述した処理と同様な処理がなされ、更に、左前輪と右後輪との組合せについても、前述した右前輪FRと左後輪RLと同様な関係にある。
【0060】
また、本実施の形態でも、更に、アンチスキッド制御の減圧調整時に減圧制御弁802から排出されるブレーキ油が、ポンプ601により、増圧制御弁801を介して、未だアンチスキッド制御に入っていない左後輪RL側の増圧分のブレーキ油として用いられるので、左後輪RLのホイールシリンダ505(第2車輪制動力発生手段)の制動力の上昇を補助することとなり、より制動効率が向上する。
【0061】
本実施の形態において、マスタカット弁610が保持手段に、吸入制御弁616およびポンプ601が増圧手段に該当する。
[実施の形態3]
図10は、上述した発明が適用された車両制動力制御装置の概略構成を表すブロック図である。
【0062】
車両の各車輪(左前輪FL,右前輪FR,左後輪RL,右後輪RR)には、各車輪FL〜RRに制動力を与えるための油圧式のブレーキ装置(ホイールシリンダ:W/C、車輪制動力発生手段に該当)1004,1005,1006,1007、および各車輪FL〜RRの回転速度を検出するための車輪速度センサ1014,1015,1016,1017がそれぞれ設けられている。
【0063】
一方、エンジン(ここでは内燃機関である。)1008から、変速機1009および駆動軸を介して出力されるトルクは、ディファレンシャルギヤによって左右前輪FL,FRの各々に分配されるようになっている。
また、ブレーキペダル1032の操作時にオン(ON)状態となるストップスイッチ1036、およびマスタシリンダ1034内の油圧を検出するM/C圧センサ1038も設けられている。これらストップスイッチ1036およびM/C圧センサ1038からの検出信号、更に、各車輪速度センサ1014〜1017からの検出信号等が、電子制御装置(ECU)1020に入力されている。
【0064】
そして、ECU1020は、これらの検出信号に基づきマスタシリンダ(M/C、ブレーキ液圧発生手段に該当)1034から各車輪FL〜RRのホイールシリンダ1004〜1007に至る油圧経路に設けられた油圧回路1040内の各種アクチュエータを制御することにより、車輪FL〜RRのホイールシリンダ1004〜1007に対するブレーキ油圧を適切に配分するブレーキ油圧配分制御(前述したブレーキ力制御に該当する。)と、更にABS制御等を実行している。ここでは、ブレーキ油圧配分制御が本発明の実施の形態であるので、ABS制御については説明しないが、実施の形態1,2で述べたABS制御であっても良いし、その他のABS制御であっても良い。
【0065】
なお、ECU1020は、CPU,ROM,RAM等を備えたマイクロコンピュータを中心に構成されている。また、後述するブレーキ油圧配分制御等のECU1020が実行する各処理は、プログラムとして前記ROM中に記憶され、必要に応じて実行される。
【0066】
次に、油圧回路1040について説明する。
図11に示すごとく、油圧回路1040は、M/C1034の2個の油路から圧送されるブレーキ油を、左前輪FLと右後輪RR、右前輪FRと左後輪RLにそれぞれ供給するための2系統の油圧経路1042,1044を備えている。
【0067】
そして、油圧経路1042において、左前輪FLのホイールシリンダ1006に至る経路1042FLと、右後輪RRのホイールシリンダ1007に至る経路1042RRとには、それぞれ、その経路1042FL,1042RRを連通する増圧位置とその経路を遮断する保持位置とに切換可能な電磁式の増圧制御弁1046FL,1046RRと、各ホイールシリンダ1006,1007内のブレーキ油を排出するための電磁式の減圧制御弁1048FL,1048RRとが設けられている。
【0068】
また同様に、油圧経路1044において、右前輪FRのホイールシリンダ1004に至る経路1044FRと、左後輪RLのホイールシリンダ1005に至る経路1044RLとには、それぞれ、その経路1044FR,1044RLを連通する増圧位置とその経路を遮断する保持位置とに切換可能な電磁式の増圧制御弁1046FR,1046RLと、各ホイールシリンダ1004,1005内のブレーキ油を排出するための電磁式の減圧制御弁1048FR,1048RLとが設けられている。
【0069】
なお、増圧制御弁1046FL,1046FR,1046RL,1046RRは、通常、増圧位置となっており、ECU1020からの通電により保持位置に切り換えられる。また、減圧制御弁1048FL,1048FR,1048RL,1048RRは、通常、遮断状態になっており、ECU1020からの通電により連通状態となって、対応するホイールシリンダ1004〜1007内のブレーキ油を排出する。
【0070】
一方、油圧経路1042において、増圧制御弁1046FL,1046RRよりもM/C1034側の経路には、比例制御弁1050aが逆接して設けられている。
また同様に、油圧経路1044において、増圧制御弁1046FR,1046RLよりもM/C1034側の経路にも、比例制御弁1050bが逆接して設けられている。
【0071】
なお、比例制御弁1050a,1050b(保持手段に該当)は、前述した実施の形態1で用いられている比例制御弁90と同じものである。
そして更に、各油圧経路1042,1044には、減圧制御弁1048FL〜1048RRから排出されたブレーキ油を一時的に蓄えるリザーバ1056,1058(収容手段に該当)が備えられ、更にそのブレーキ油を、比例制御弁1050aと増圧制御弁1046FL,1046RRとの間の経路と、比例制御弁1050bと増圧制御弁1046FR,1046RLとの間の経路とにそれぞれ圧送するポンプ1060,1062(吐出手段に該当)が備えられている。なお、各ポンプ1060,1062からのブレーキ油の吐出経路には、内部の油圧の脈動を抑えるアキュムレータ1064,1066がそれぞれ設けられている。
【0072】
また、各油圧経路1042,1044には、M/C1034からポンプ1060,1062に直接ブレーキ油を供給するための油供給経路1042P,1044Pが設けられており、これら各油供給経路1042P,1044Pには、その経路を連通・遮断するカットバルブ(以下、SR弁という)1070a,1070bがそれぞれ配設されている。
【0073】
なお、SR弁1070a,1070bは、通常、遮断状態となっており、ECU1020からの通電により連通状態に切り換えることができる。また、各ポンプ1060,1062は、ブレーキ油圧配分制御等の実行時に、モータ1080の動力により駆動される。
【0074】
次に、ECU1020が実行する、ブレーキ油圧配分制御およびABS制御を含むブレーキ油圧制御について説明する。
なお、ブレーキ油圧制御を行わない場合は、増圧モードが設定され、油圧回路1040の全ての電磁弁がオフ(OFF)となる。図11は、その無制御状態を表している。具体的には、SR弁1070a,1070b=遮断位置であり、かつ、増圧制御弁1046FL〜1046RR=連通位置、減圧制御弁1048FL〜1048RR=遮断位置とされている。
【0075】
次に、ブレーキ油圧制御の内容を、図12に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、各車輪速度センサ1014〜1017の検出値に基づいて車輪速度VWFR,VWRL,VWFL,VWRRが求められる(S2100)。なお、後述する制御基準速度VWBASEは、ストップスイッチ1036がオン(ON)となった時に最も高速に回転している車輪速度を選択する。例えば、旋回時には外側前輪または外側後輪の車輪速度となる。また、制御基準速度VWBASEとして各車輪速度VWFR,VWRL,VWFL,VWRRに基づいて求められる車体速度VS0 を用いても良い。
【0076】
次に、ストップスイッチ1036がオンであれば(S2100で「YES」)、4輪FL,FR,RL,RRの全てが、ステップS2130〜S2150の処理が終了したか否かが判定される(S2120)。終了していなければ(S2120で「NO」)、順次、4輪FL,FR,RL,RRのそれぞれについて、以下のステップS2130〜S2150の処理を実行する。
【0077】
ステップS2130にて、今回処理対象となっている車輪の車輪速度VW**が、制御基準速度VWBASEから所定速度差ΔVW1を差し引いた値より大きい値である(VW**>VWBASE−ΔVW1)か否かが判定される。
例えば、処理対象車輪が左後輪RLであるとすると、VWRL>VWBASE−ΔVW1である場合は(S2130で「YES」)、パルス増圧出力あるいは増圧出力が行われる(S2140)。
【0078】
パルス増圧出力は、ECU1020が減圧制御弁1048FL〜1048RRを閉じた状態で増圧制御弁1046FL〜1046RRにパルス信号を出力して開くことで、高いM/C圧を間欠的にW/C側に導入し、該当する車輪のW/C圧を次第に上昇させる処理である。また、増圧出力は、減圧制御弁1048FL〜1048RRを閉とし増圧制御弁1046FL〜1046RRを開とする信号を出力して高いM/C圧をW/C側に導入し車輪のW/C圧を急速に上昇させる処理である。パルス増圧出力と増圧出力とは、必要に応じて選択して用いても良い。
【0079】
また、VWRL≦VWBASE−ΔVW1である場合は(S2130で「NO」)、保持出力あるいは減圧出力が行われる(S2150)。
保持出力は前述したごとく、減圧制御弁1048FL〜1048RRと増圧制御弁1046FL〜1046RRとを共に閉じる処理である。また、減圧出力は、減圧制御弁1048FL〜1048RRを開とし増圧制御弁1046FL〜1046RRを閉とする信号を出力してW/C1004〜1007のブレーキ油をリザーバ1056,1058に逃して、W/C圧を降下させる処理である。保持出力と減圧出力とは、必要に応じて選択して用いても良い。
【0080】
このように油圧調整がなされる車輪については、その車輪速度VW**の値に基づき、ステップS2130の判定にて、パルス増圧出力/増圧出力(S2140)が行われたり、保持出力/減圧出力(S2150)が行われたりする。
また、ステップS2120にて、4輪の全てが処理を終了した場合(S2120で「YES」)、M/C圧よりも低い油圧の車輪が存在するか否かを推定する(S2210)。もし、M/C圧よりも低い油圧の車輪が存在しなければ(S2210で「NO」)、ABS制御へ進む。
【0081】
M/C圧よりも低い油圧の車輪が1輪でも存在すると推定された場合(S2210で「YES」)、その車輪におけるM/C圧よりも低い油圧とM/C圧との圧力差ΔP(例えば、図13に示すΔPである。)を演算する(S2220)。この演算は、例えば、M/C圧をM/C圧センサ1038により検出し、これに対してポンプ1060,1062、増圧制御弁1046FL,1046FR,1046RL,1046RRおよび減圧制御弁1048FL,1048FR,1048RL,1048RRの駆動時間に基づいて、該当する車輪のW/C圧の推定値を得て、M/C圧からW/C圧推定値を引くことにより、圧力差ΔPを求める。
【0082】
このようにして、M/C圧より低い油圧に調整された車輪について、それぞれΔPを求める(S2220)。
次に、各車輪毎に求められたΔPの合計ΣΔPとM/C圧より低く調整されていない車輪数Nから加圧量Ptを演算する(S2230)。例えば、M/C圧より低く調整された車輪が2輪有り、それらの前記圧力差がΔP1,ΔP2であった場合、圧力差の合計ΣΔP=ΔP1+ΔP2となり、加圧量Ptは調整されていない車輪の数「2」で割ること[Pt=(ΔP1+ΔP2)/2]で演算できる。
【0083】
このように加圧量Ptを演算することで、M/C圧より低く調整された車輪が存在しても、調整された圧力差ΔPを、調整されていない車輪側に分配して制動力をかけるため、4輪に平均の油圧をM/C圧と同じにしたまま、ブレーキ油圧の配分が可能となる。
【0084】
なお、加圧量Ptは、各車輪のM/C圧からの圧力差ΔPの合計ΣΔPと、油圧が調整されていない車輪数Nとから求めたが、M/C圧センサ1038の値を検出し、その値に応じた車両減速度を保つように加圧量Ptを決定しても良い。次に、ステップS2240にて、比例制御弁1050a,1050bより、W/C1004〜1007側におけるブレーキ油圧がM/C圧よりも加圧量Pt分高くなるように、SR弁1070a,1070bを連通状態にし、モータ1080をデューティ駆動制御する。比例制御弁1050a,1050bよりM/C1034側のブレーキ油をSR弁1070a,1070bを通して、ポンプ1060,1062で比例制御弁1050a,1050bよりW/C1004〜1007側に移動させることで加圧し、加圧量はそれらによって移動されるブレーキ油の量にて決定される。加圧量を制御するモータデューティ制御とは、ステップS2230によって演算された加圧量Ptを目標加圧量として、この目標加圧量Ptに対して実際の加圧量Pt′が小さい時(Pt>Pt′)には、モータ1080を駆動させ、目標加圧量Ptに実際の加圧量Pt′が達した場合には(Pt≦Pt′)には、モータ1080を止める制御を行うものであり、ブレーキ力配分制御中には目標加圧量Ptと実際の加圧量Pt′との大小を比較しながらモータ1080のオンとオフとを繰り返す。また、モータ1080のオン時にも上述のオン−オフよりも更に短い周期のオン−オフを繰り返すようにすれば、モータ1080の回転数が落ち、加圧の勾配が緩やかになるため、モータデューティ制御をより容易にすることができる。
【0085】
また、この場合の加圧量Ptは比例制御弁1050a,1050bが維持できる差圧が限界であるので、比例制御弁1050a,1050bが維持できる差圧よりも更に大きい加圧量Ptを必要とする場合には、比例制御弁1050a,1050bの代りに、図8に示したマスタカット弁610と踏み増し弁612との組み合わせを用いて、マスタカット弁610を閉としておいてモータ1080を駆動制御しても良い。また、モータ1080によりブレーキ油圧の加圧量を調整するのではなく、モータ1080は通常通りに駆動させ、マスタカット弁610をデューティ制御して、ブレーキ油圧を調整しても良い。また、SR弁1070aのデューティ制御によりモータ1080へのブレーキ油の供給を調整することで、ブレーキ油圧の加圧量を調整しても良い。
【0086】
また、比例制御弁1050a,1050bの代りに、図14に示すような電流値Iに対して、差圧(PL−PU)を連続的に制御できる差圧制御弁を用いて電流値IをECU1020にて制御して、ブレーキ油圧の加圧量を調整しても良い。
【0087】
上述した処理により、旋回や高い減速度の制動時等で荷重が減少した車輪のW/C圧はその荷重減少に応じて低減され、荷重が増加した車輪のW/C圧は荷重減少によって低減された油圧と同等の油圧が増加されることで、ブレーキ油圧の配分が好適になされ、高い制動性能が得られる。
【0088】
本実施の形態において、ステップS2110〜S2150がブレーキ液圧調整手段としての処理に該当し、ステップS2210〜S2240が増圧手段としての処理に該当する。
なお制動力配分制御は本実施の形態に限定されるものではなく、種々の制動力配分制御に対して適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1における自動車の制動制御系全体の構成を表わす概略構成図である。
【図2】 実施の形態1を示すブレーキ配管モデル図である。
【図3】 実施の形態1におけるアンチスキッドシステム用電子制御装置によるブレーキ制御処理のフローチャートである。
【図4】 実施の形態1における制動時の前後輪制動力変化説明図である。
【図5】 実施の形態1における制動時の車輪速度、ブレーキ油圧変化説明図である。
【図6】 実施の形態1における制動時の減速Gの変化説明図である。
【図7】 比例制御弁の機能説明図である。
【図8】 実施の形態2を示すブレーキ配管モデル図である。
【図9】 マスタカット弁の機能説明図である。
【図10】 実施の形態3における自動車の制動制御系全体の構成を表わす概略構成図である。
【図11】 実施の形態3を示すブレーキ配管モデル図である。
【図12】 実施の形態3におけるECUによるブレーキ油圧制御処理のフローチャートである。
【図13】 実施の形態3における制御処理を具体的に示すタイミングチャートである。
【図14】 差圧制御弁の機能を表すグラフである。
【図15】 従来の制動時の前後輪制動力変化説明図である。
【図16】 従来の制動時の減速Gの変化説明図である。
【符号の説明】
1…ブレーキペダル 1a…ストップスイッチ 2…倍力装置
3…マスタシリンダ 3a…マスタリザーバ
4,5,6,7…油圧式のブレーキ装置(ホイールシリンダ)
8…エンジン 9…変速機
14,15,16,17…車輪速度センサ 20…ABS用ECU
40…油圧回路 90…比例制御弁 100…アンチスキッドシステム
101…ポンプ 101a…インレット弁 101b…アウトレット弁
200…リザーバ 200A…第1のリザーバ孔 200B…リザーバ孔
200B…第2のリザーバ孔 200C…リザーバ室 201…ボール弁
202…弁座 203…ロッド 204…ピストン
300,301…増圧制御弁 302,303…減圧制御弁
304,305…逆止弁 400…比例制御弁 501…ブレーキペダル
502…倍力装置 503…マスタシリンダ 503a…マスタリザーバ
504,505…ホイールシリンダ 520…ABS用ECU
600…アンチスキッドシステム 601…ポンプ
610…マスタカット弁 612…踏み増し弁 616…吸入制御弁
700…リザーバ 700B…リザーバ孔 800,801…増圧制御弁
802,803…減圧制御弁 804,805…逆止弁
900…比例制御弁
1004,1005,1006,1007…油圧式のブレーキ装置(ホイールシリンダ)
1008…エンジン 1009…変速機
1010…ディファレンシャルギヤ 1011…駆動軸
1014,1015,1016,1017…車輪速度センサ
1020…ブレーキ油圧配分制御等のECU
1032…ブレーキペダル
1034…マスタシリンダ 1036…ストップスイッチ
1038…M/C圧センサ 1040…油圧回路
1042,1044…油圧経路 1042FL,1042RR…経路
1042P,1044P…油供給経路 1044FR,1044RL…経路
1046FL,1046FR,1046RL,1046RR…増圧制御弁
1048FL,1048FR,1048RL,1048RR…減圧制御弁
1050a,1050b…比例制御弁 1056,1058…リザーバ
1060,1062…ポンプ 1064,1066…アキュムレータ
1068…リザーバ 1070a,1070b…カットバルブ
1080…モータ A…管路 A1,A2…管路部位 B…管路
Bm…位置 C…管路 D…管路 FL,FR,RL,RR…車輪

Claims (8)

  1. 制動操作に応じた第1のブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生手段と、
    前記ブレーキ液圧発生手段からのブレーキ液圧を受けて第1の車輪に制動力を発生させる第1の車輪制動力発生手段と、
    前記ブレーキ液圧発生手段からのブレーキ液圧を受けて第2の車輪に制動力を発生させる第2の車輪制動力発生手段と、
    前記ブレーキ液圧発生手段からのブレーキ液圧を受けて第3の車輪に制動力を発生させる第3の車輪制動力発生手段と、
    前記ブレーキ液圧発生手段からのブレーキ液圧を受けて第4の車輪に制動力を発生させる第4の車輪制動力発生手段と、
    前記ブレーキ液圧発生手段と前記第1の車輪制動力発生手段と前記第2の車輪制動力発生手段とは第1の配管系統により連通され、
    前記ブレーキ液圧発生手段と前記第3の車輪制動力発生手段と前記第4の車輪制動力発生手段とは第2の配管系統により連通され、
    車両制動時に、前記車輪の制動状態が適切となるようアンチスキッド制御を行うことで、前記配管系統ごとに前記第1または第2の車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を調整するブレーキ液圧調整手段と、
    前記第1または第2の車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を増圧する増圧手段と、を備え、
    第1の車輪または前記第2の車輪のいずれか一方がアンチスキッド制御中であり、かつ、第1の車輪または前記第2の車輪のいずれか他方がアンチスキッド制御中でない場合に、
    前記ブレーキ液圧調整手段は、
    第1の車輪または前記第2の車輪の前記いずれか一方に該当する車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を調整するに際して、該車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を、前記ブレーキ液圧発生手段にて発生している第1のブレーキ液圧よりも低い第2のブレーキ液圧に調整し、
    前記増圧手段は、該当する車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を増圧するに際して前記ブレーキ液圧調整手段によって前記いずれか一方の車輪の車輪制動力発生手段から排出されるブレーキ油を吸引し、前記いずれか他方の車輪の車輪制動力発生手段に吐出して、
    前記他方の車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を、前記第1のブレーキ液圧よりも、前記第1のブレーキ液圧と前記第2のブレーキ液圧との圧力差ΔP分大きい第3のブレーキ液圧に増圧することを特徴とする車両用アンチスキッド制御装置。
  2. 更に、
    前記配管系統に配置され、前記配管系統を連通状態とする第1の制御状態と、前記車輪制動力発生手段側のブレーキ液圧と前記ブレーキ液圧発生手段側のブレーキ液圧との差圧を所定差圧許容する第2の制御状態とになり得る制御弁を備え、
    前記吐出手段のブレーキ液吐出位置が、前記配管系統における前記制御弁と前記車輪制動力発生手段との間であるとともに、前記吐出手段によってブレーキ液の吐出がなされる場合に、前記制御弁を前記第2の制御状態に制御することを特徴とする請求項記載の車両用ブレーキ装置。
  3. 前記増圧手段は、
    前記ブレーキ液圧発生手段によってブレーキ液圧を発生しているブレーキ液を吸引し、前記ブレーキ液圧調整手段によってブレーキ液圧の調整が開始されていない方の車輪制動力発生手段側へ吐出して、該車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を、ブレーキ液圧発生手段によるブレーキ液圧よりも増圧する吐出手段と、
    前記吐出手段による増圧を保持する保持手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項記載の車両用ブレーキ装置。
  4. 前記保持手段は、
    前記吐出手段のブレーキ液吐出側から前記車輪制動力発生手段に至る配管系統中のブレーキ液圧と、前記ブレーキ液圧発生手段におけるブレーキ液圧との差圧を、所定比率に保持することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の車両用ブレーキ装置。
  5. 前記ブレーキ液圧調整手段は、
    前記ブレーキ液圧発生手段から前記各車輪制動力発生手段に至る配管系統に各車輪毎に設けられ、非調整時および増圧調整時のいずれかの際には、前記配管系統を連通し、減圧調整時には遮断する増圧制御弁と、
    前記配管系統から前記収容手段への減圧用管路に各車輪毎に設けられ、減圧調整時には前記減圧用管路を連通し、増圧調整時および非調整時のいずれかの際には遮断する減圧制御弁と、
    を備えるとともに、
    前記吐出手段は、
    前記各増圧制御弁と前記保持手段との間の前記配管系統にブレーキ液を吐出することを特徴とする請求項2〜4のいずれか記載の車両用ブレーキ装置。
  6. 前記増圧手段は、
    前記ブレーキ液圧調整手段により、少なくとも1つの前記車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧が調整される際に、前記ブレーキ液圧調整手段によって調整された車輪に対するブレーキ液圧が前記ブレーキ液圧発生手段のブレーキ液圧よりどれくらい低くなっているかを推定し、その推定量分だけ前記ブレーキ液圧調整手段によって調整されていない車輪に対するブレーキ液圧を増圧することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
  7. 前記増圧手段は、
    前記ブレーキ液圧発生手段において第1のブレーキ液圧が発生された時点において、各車輪の内、最も車輪速度が大きい車輪に対応する車輪制動力発生手段に対して増圧を実行することを特徴とする請求項記載の車両用ブレーキ装置。
  8. 前記増圧手段は、
    前記ブレーキ液圧発生手段において第1のブレーキ液圧が発生された時点を、乗員によって踏み込み操作されるブレーキペダルのストロークが所定以上になった際にオンされるストップスイッチにより検知することを特徴とする請求項記載の車両用ブレーキ装置。
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