JPH11321615A - 車両用ブレーキ制御装置 - Google Patents

車両用ブレーキ制御装置

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JPH11321615A
JPH11321615A JP13021498A JP13021498A JPH11321615A JP H11321615 A JPH11321615 A JP H11321615A JP 13021498 A JP13021498 A JP 13021498A JP 13021498 A JP13021498 A JP 13021498A JP H11321615 A JPH11321615 A JP H11321615A
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JP
Japan
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brake
pressure
vehicle
wheel
valve
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JP13021498A
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English (en)
Inventor
Shigeru Nagumo
繁 南雲
Ikuo Kaneko
育夫 金子
Takashi Totsuka
孝 戸塚
Ryoji Nishi
亮次 西
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成部品の増加を最小限に止めた上でトラク
ション制御機能を付加し、その結果、各構成部品の設置
レイアウトが容易で、かつ、製造コストの高騰を抑制し
た車両用ブレーキ制御装置を提供する。 【解決手段】 不用意に動き出した駐車車両を強制停止
させるための既存のブレーキ圧供給手段23R,38,
39,40をブレーキ圧の供給源として利用し、そのブ
レーキ圧供給手段23R,38,39,40からのブレ
ーキ圧を、制動時の車輪ロックを防止するための既存の
制動圧調整手段25R,28Rにより切換えてホイールシ
リンダRR,RLに供給し、もって、トラクション制御
機能を実現した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用ブレーキ制御
装置に関し、詳しくは制動時の車輪ロックや発進時の駆
動輪の空転防止、或いは駐車車両の不測の動き出しを防
止するために制動力を制御する車両用ブレーキ制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の車両用ブレーキ制御装置
として、例えば、図3に示すトラック用のものを挙げる
ことができる。以下、その構成を説明すると、ブレーキ
ペダル101にはブレーキブースタ102を備えたマス
タシリンダ103が連結され、このマスタシリンダ10
3はフロント側ブレーキ管路104及びリア側ブレーキ
管路105を介してABS−HU(ABSハイドロユニ
ット)106に接続されている。ABS−HU106
は、左右のフロント側ホイールシリンダFR,FL及び
リア側ホイールシリンダRR,RLに接続され、このA
BS−HU106を構成する各バルブは、ABS−EC
U(ABS制御ユニット)107にて開閉制御される。
【0003】フロント側ブレーキ管路104及びリア側
ブレーキ管路105にはそれぞれ坂道発進用の油圧保持
バルブ108が設けられ、更にリア側ブレーキ管路10
5には圧力スイッチ109aを備えた駐車補助用のアク
チュエータ109及びLSV(ロードセンシング・プロ
ポーショニング・バルブ)110が設けられている。こ
れらの油圧保持バルブ108及びアクチュエータ109
は、EZG−ECU(坂道発進・駐車補助制御ユニッ
ト)111にて駆動制御される。
【0004】そして、車両の走行時に運転者にてブレー
キペダル101が踏込み操作されると、マスタシリンダ
103に生じた油圧がブレーキ管路104,105を経
て各ホイールシリンダFR,FL,RR,RLに作用
し、ペダル操作力に応じた制動力が発生する。油圧の増
大により車輪ロックの虞があるときには、ABS−EC
U107はABS−HU106の各バルブを開閉制御し
て制動圧を調整し、ロックを防止する。
【0005】又、車両が登坂路で一旦停車したときに
は、EZG−ECU111は油圧保持バルブ108を閉
弁して各ホイールシリンダFR,FL,RR,RLの制
動圧を保持し、その後の発進時には、油圧保持バルブ1
08を開弁して各ホイールシリンダFR,FL,RR,
RLの制動圧を解除し、これによって坂道発進時の運転
操作を補助する。
【0006】更に、駐車中において、例えばパーキング
ブレーキの操作不足等によって車両が路面の傾斜で動き
始めたときには、EZG−ECU111は駐車補助用の
アクチュエータ109にてリア側のホイールシリンダR
R,RL内の油圧を上昇させ、車両を強制的に停止させ
る。
【0007】一方、以上のブレーキ制御装置とは別に、
トラクション制御の一種として、制動力を利用して低μ
路での駆動輪の空転を防止する所謂ASR(アンチ・ス
ピン・レギュレータ)がトラック等で実施されている。
図示はしないが、このASRでは、ASR用アクチュエ
ータにより発生させた油圧をASRバルブによって左右
のリア側ホイールシリンダRR,RLに選択的に作用さ
せるように構成しており、空転の発生時には、その側の
駆動輪を制動して空転を抑制している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】当然ながら、上記した
図3のブレーキ制御装置にASRを組み合わせることも
考えられるが、それに比例して構成部品の点数が増加
し、単純計算ではブレーキ制御装置にASRを加えた部
品点数に達してしまう。よって、それらの設置レイアウ
トに十分な配慮が必要な上に、製造コストの高騰が避け
られないという問題があった。
【0009】本発明の目的は、構成部品の増加を最小限
に止めた上でトラクション制御機能を付加でき、もっ
て、各構成部品の設置レイアウトが容易で、かつ、製造
コストの高騰を抑制した車両用ブレーキ制御装置を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、車両のいずれかの駆動輪に空転が発生
したとき、トラクション制御手段によりブレーキ圧供給
手段を作動させると共に、そのブレーキ圧供給手段から
ホイールシリンダに供給されるブレーキ圧を制動圧調整
手段により調整して、空転側のホイールシリンダに制動
圧を作用させるように構成した。制動圧調整手段は、本
来、制動時の車輪ロックを防止するためのものであり、
ブレーキ圧供給手段は、本来、不用意に動き出した駐車
車両を強制停止させるためのものであり、これらの既存
の構成部品を利用したため、部品点数を増加させること
なくトラクション制御機能が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明をトラック用ブレー
キ制御装置に具体化した一実施例を説明する。
【0012】図1の概略構成図に示すように、車両のブ
レーキペダル1にはマスタシリンダ2が連結され、その
マスタシリンダ2には、車両に搭載されたエンジン3の
油圧ポンプ4にて作動する油圧式のブレーキブースタ5
が備えられている。マスタシリンダ2はフロント側及び
リア側マスタシリンダ管路6,7を介してBK−HU
(ブレーキハイドロユニット)8に接続され、リア側マ
スタシリンダ管路7側には、積載量に応じてフロント側
とリア側との制動バランスを適正に制御するためのLS
V(ロードセンシング・プロポーショニング・バルブ)
9が設けられている。BK−HU8はフロント側及びリ
ア側ホイールシリンダ管路10,11を介して、各車輪
のブレーキBK内のホイールシリンダFR,FL,R
R,RLに接続され、BK−HU8により制御された油
圧がホイールシリンダFR,FL,RR,RLに作用す
るようになっている。
【0013】次に、前記BK−HUの詳細を説明する。
【0014】図2において、油圧ユニット8は大雑把に
いって、マスタシリンダ2より左側に、フロント側ホイ
ールシリンダFR,FLを制御するための油圧回路が形
成され、マスタシリンダ2より右側に、リア側ホイール
シリンダRR,RLを制御するための油圧回路が形成さ
れている。まず、フロント側の油圧回路を説明する。フ
ロント側の油圧回路は、ABS機能及び坂道発進補助機
能を奏する部分により構成されている。前記したフロン
ト側マスタシリンダ管路6にはメインブレーキ管路21
が接続され、このメインブレーキ管路21には、逆止弁
22Fが並列接続された坂道発進用の油圧保持バルブ2
3Fが設けられている。油圧保持バルブ23Fより下流側
(反マスタシリンダ2側)においてメインブレーキ管路
21は二股に分岐し、各メインブレーキ管路21は、そ
れぞれ逆止弁24Fが並列接続されたABS保持バルブ
25Fを介して前記した左右のフロント側ホイールシリ
ンダ管路10に接続されている。各フロント側ホイール
シリンダ管路10はそれぞれ減圧管路26を介してAB
Sリザーバ27Fに接続され、減圧管路26にはABS
減圧バルブ28Fが設けられている。ABSリザーバ2
7Fは増圧管路29を介して前記油圧保持バルブ23Fの
下流側に接続され、増圧管路29にはフロント側のAB
Sポンプ30F、オイルダンパ31及びオリフィス32
が設けられている。
【0015】次いで、リア側の油圧回路を説明する。ま
ず、フロント側の油圧回路と同様に主にABS機能及び
坂道発進補助機能を奏する部分を説明する。リア側マス
タシリンダ管路7に接続されたメインブレーキ管路35
には、逆止弁22Rが並列接続された坂道発進用の油圧
保持バルブ23Rが設けられ、この油圧保持バルブ23R
より下流側において、メインブレーキ管路35は二股に
分岐して、逆止弁24Rが並列接続されたABS保持バ
ルブ25Rを介して左右のリア側ホイールシリンダ管路
11に接続されている。各リア側ホイールシリンダ管路
11は、ABS減圧バルブ28Rが設けられた減圧管路
36を介してそれぞれABSリザーバ27Rに接続され
ている。本実施例では、ABS保持バルブ25R及びA
BS減圧バルブ28Rによって制動圧調整手段が構成さ
れている。
【0016】次に、主に駐車補助機能を奏する部分を説
明する。ABSリザーバ27Rは増圧管路37を介して
前記油圧保持バルブ23Rの下流側に接続されている。
この増圧管路37にはリア側のABSポンプ30R、駐
車補助用のアキュムレータ38、駐車補助用の制動開始
バルブ39、及び駐車補助ポンプ40が設けられ、リア
側のABSポンプ30Rと駐車補助ポンプ40は、前記
フロント側のABSポンプ30Fと共に共通のモータ4
1にて回転駆動される。本実施例では、前記した油圧保
持バルブ23R、アキュムレータ38、制動開始バルブ
39及び駐車補助ポンプ40によってブレーキ圧供給手
段が構成されている。
【0017】左側のリア側ホイールシリンダ管路11は
直接的に、右側のリア側ホイールシリンダ管路11はA
BS保持バルブ25Rを介して間接的にオイル回収管路
42の一端に接続されている。オイル回収管路42には
圧力センサ43a、オイル回収バルブ43及び逆止弁4
4が設けられて、その他端がリア側のABSポンプ30
Rに接続されている。
【0018】メインブレーキ管路35の油圧保持バルブ
23Rより上流側(マスタシリンダ2側)には駐車補助
用の自己保持バルブ45が設けられ、この自己保持バル
ブ45は、上流側の圧力と油圧保持バルブ23Rの下流
側圧力とをパイロット圧として受けるパイロット圧制御
式のバルブで、油圧保持バルブ23Rよりホイールシリ
ンダRR,RL側の油圧と自己保持バルブ45の上流側
の油圧との差圧が所定値を越えたときに閉弁する。又、
駐車補助ポンプ40は強制解除管路46を介して前記マ
スタシリンダ2に接続され、この強制解除管路46に
は、リリーフバルブ47が並列接続された強制解除バル
ブ48が設けられている。尚、リリーフバルブ47は、
駐車補助ポンプ40の吐出圧の異常上昇時に、過剰な油
圧をマスタシリンダ2側に逃がすためのものである。
【0019】又、前記アキュムレータ38は蓄圧管路4
9を介してマスタシリンダ2に接続され、この蓄圧管路
49には逆止弁50、オリフィス51及び蓄圧バルブ5
2が設けられると共に、リリーフバルブ53が並列接続
されている。この蓄圧管路49はアキュムレータ38を
蓄圧するためのものであり、ブレーキ操作毎に、アキュ
ムレータ38には蓄圧管路49を経てマスタシリンダ2
からブレーキ液が送り込まれる。又、リリーフバルブ5
3は、アキュムレータ38の内圧の異常上昇時に、過剰
な油圧をマスタシリンダ2側に逃がすためのものであ
る。
【0020】次いで、主にASR機能を奏する部分を説
明するのであるが、本実施例のブレーキ制御装置では、
上記したABS、坂道発進補助及び駐車補助の各機能を
奏する回路構成を利用してASR機能が奏される。その
代替がどのようになされているかの具体的な説明は後述
する。
【0021】一方、車室内には、図示しない入出力装
置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記
憶装置(ROM,RAM,BURAM等)、中央処理装
置(CPU)、タイマカウンタ等を備えた、トラクショ
ン制御手段としてのBK−ECU(ブレーキ制御ユニッ
ト)60が設置されている。BK−ECU60には、前
記した圧力センサ43aや図1に示すように各車輪のブ
レーキBKに取り付けられた車輪速センサ61が接続さ
れると共に、図示しないパーキングブレーキの操作を検
出するパーキングブレーキスイッチ、ブレーキペダル1
の操作を検出するブレーキペダルスイッチ、クラッチペ
ダルの操作を検出するクラッチペダルスイッチ、トラン
スミッションのニュートラル状態を検出するニュートラ
ルスイッチ、車速を検出する車速センサ等の各種センサ
類が接続され、BK−ECU60は、これらの検出情報
に基づいてBK−HU8内のバルブ類やポンプ等を制御
する。
【0022】次に、上記のように構成されたトラック用
ブレーキ制御装置の作動状態を各機能毎に説明する。
【0023】[ABS機能]通常時の各バルブは図2に
示す開閉状態に保持されており、車両の走行時に運転者
にてブレーキペダル1が踏込み操作されると、マスタシ
リンダ2に生じた油圧がメインブレーキ管路21,35
を経て各ホイールシリンダFR,FL,RR,RLに作
用して、ペダル操作力に応じた制動力が発生する。この
制動時において、BK−ECU60は車輪速センサ61
にて検出された各車輪速を監視しながら、車輪にロック
傾向が生じたことを検出すると、ABS制御を実行して
各車輪のロックを防止する。
【0024】具体的には、各車輪速から求めた仮想車体
速度を基準として、いずれかの車輪速が所定値以下に低
下する(つまり、ロック状態に近づく)と、モータ41
にてABSポンプ30F,30Rの作動を開始すると共
に、その車輪のABS保持バルブ25F,25Rを閉弁し
て制動圧を保持する。車輪速が更に低下すると、その車
輪に対応するABS減圧バルブ28F,28Rを開弁し、
ホイールシリンダFR,FL,RR,RL内のブレーキ
液を減圧管路26,36を介してABSリザーバ27
F,27R側に戻して減圧する。この制動圧の保持及び減
圧操作によって車輪速が増加すると、ABS減圧バルブ
28F,28Rを閉弁して制動圧を保持し、車輪速が更に
増加して仮想車体速度付近に達すると、ABS保持バル
ブ25F,25Rを開弁して、マスタシリンダ2からの油
圧をホイールシリンダFR,FL,RR,RLに作用さ
せて増圧する。
【0025】一方、このとき、フロント側においては、
ABSポンプ30Fから吐出されたブレーキ液が増圧管
路29を経てマスタシリンダ2側に戻され、又、リア側
においては、ABSポンプ30Rから吐出されたブレー
キ液が増圧管路37及び強制解除管路46を経てマスタ
シリンダ2側に戻され、次の制御サイクルに備える。そ
して、以上の制動圧の保持、減圧、増圧操作を適宜繰り
返すことによって、各車輪のスリップ率を所定範囲内で
制御してロックを防止し、制動距離の短縮化や車両姿勢
の安定化を図る。
【0026】[坂道発進補助機能]又、車両が登坂路で
一旦停車したときには、BK−ECU60は、例えば車
速0で、かつクラッチ遮断(又はトランスミッションが
ニュートラル)で、かつブレーキペダルが所定時間以上
操作されている等の所定条件が満たされたことでその事
態を検知し、油圧保持バルブ23F,23Rを閉弁して各
ホイールシリンダFR,FL,RR,RLの制動圧を保
持する。その結果、運転者がブレーキペダル1の操作を
中止しても、各車輪は継続して制動され続ける。その後
に、クラッチの接続開始等の所定条件が満たされると運
転者の発進意志と見なして、BK−ECU60は油圧保
持バルブ23F,23Rを開弁する。各ホイールシリンダ
FR,FL,RR,RL内のブレーキ液はマスタシリン
ダ2側に逃がされて、制動圧の解除によって車両の発進
が可能となる。これによって坂道発進時の運転操作が補
助される。
【0027】尚、場合によっては油圧保持バルブ23
F,23Rが閉弁した後に、運転者がブレーキペダル1を
踏み増ししてマスタシリンダ2内の油圧が更に増加する
こともあるが、このときでも、ブレーキ液が逆止弁23
F,23Rを経てホイールシリンダFR,FL,RR,R
L側に供給され続けるため、ペダル操作に応じた十分な
制動圧が確保される。
【0028】[駐車補助機能]更に、駐車中において、
例えばパーキングブレーキの操作不足等によって車両が
路面の傾斜で動き出したときには、BK−ECU60
は、図示しないトランスミッションの駆動力出力側に設
けられた車速センサ71の検出に基づいてこの事態を検
知し、逆流防止のために油圧保持バルブ23Rを閉弁す
ると共に、制動開始バルブ39を開弁してモータ41に
て駐車補助ポンプ40を作動させる。その結果、駐車補
助ポンプ40から吐出されたブレーキ液が増圧管路37
及びメインブレーキ管路35を経てリア側のホイールシ
リンダRR,RLに供給され、リア側の車輪を制動して
車両を強制的に停止させる。尚、モータ41が始動して
駐車補助ポンプ40の吐出圧が立ち上がるまでは、アキ
ュムレータ38内に蓄圧されたブレーキ液によって制動
初圧が確保される。
【0029】又、メインブレーキ管路35内の油圧上昇
に伴って自己保持バルブ45が閉弁すると、BK−EC
U60は油圧保持バルブ23Rを閉弁保持する必要がな
くなったとして、バッテリ消費を抑制すべく開弁状態に
戻す。更に、BK−ECU60は圧力センサ43aの検
出に基づいて、制動圧が車両の強制停止に十分な値であ
る所定値に達したと判定すると、駐車補助ポンプ40を
停止させて、駐車中はこの状態を維持する。
【0030】その後、フットブレーキの操作及びパーキ
ングブレーキの解除等の所定条件が満たされると、運転
者の発進意志と見なして、BK−ECU60はオイル回
収バルブ43を開弁し、モータ41にてABSポンプ3
0Rを作動させる。ホイールシリンダRR,RL内のブ
レーキ液はオイル回収管路42及び増圧管路37を経て
アキュムレータ38まで案内されて回収される。その結
果、ホイールシリンダRR,RLによる制動圧が解除さ
れて発進可能となると共に、アキュムレータ38が再び
蓄圧される。
【0031】同時にBK−ECU60は強制解除バルブ
48を開弁し、アキュムレータ38に回収しきれなかっ
た余剰ブレーキ液を増圧管路37及び強制解除管路46
を経てマスタシリンダ2側に回収する。その結果、ホイ
ールシリンダRR,RL内の残圧が排除されて、ブレー
キBKの引きずりが防止される。又、この強制解除バル
ブ48の開弁に伴ってメインブレーキ管路35内の油圧
が低下するため、自己保持バルブ45は開弁して初期状
態に復帰する。
【0032】[ASR機能]一方、凍結路等のように低
μ路を走行しているとき、前記したABSの場合と同様
に、BK−ECU60は車輪速センサ61にて検出され
た各車輪速を監視しながら、ASR制御を実行して駆動
輪(リア側の車輪)の空転を防止する。
【0033】即ち、走行輪(フロント側の車輪)の車輪
速に比較して、駆動輪側のいずれかの車輪速が所定値以
上に大きくなる(つまり、空転状態に近づく)と、BK
−ECU60は、逆流防止のために油圧保持バルブ23
Rを閉弁すると共に、制動開始バルブ39を開弁してモ
ータ41にて駐車補助ポンプ40を作動させ、同時に、
反対側(非空転側)の駆動輪のABS保持バルブ25R
を閉弁する。駐車補助ポンプ40から吐出されたブレー
キ液は、増圧管路37、メインブレーキ管路35、開弁
中のABS保持バルブ25Rを経て空転し始めた側の駆
動輪のホイールシリンダRR,RLのみに供給されて、
制動力を作用させて空転を抑制する。詳細は説明しない
が、このときには前記したABSと同様に、空転し始め
た側の駆動輪に対応するABS保持バルブ25R及びA
BS減圧バルブ28Rを開閉制御して、制動圧の増圧、
保持、減圧操作を適宜繰り返すことによって、駆動輪の
スリップ率を所定範囲内で制御する。その結果、空転が
未然に防止されてトラクションが増大し、加速の円滑化
及び車両姿勢の安定化が図られる。
【0034】以上の説明から明らかなように、本実施例
のブレーキ制御装置のASR機能は、本来、ABS機能
のために設けられたABS保持バルブ25R及びABS
減圧バルブ28Rと、本来、駐車補助機能のために設け
られた油圧保持バルブ23、アキュムレータ38、制動
開始バルブ39及び駐車補助ポンプ40とによって奏せ
られる。つまり、全て既存の構成部品を利用しているた
め、ASR機能、即ちトラクション制御機能を付加した
ことによる部品点数の増加は全くなく、各構成部品の設
置レイアウトを容易に実施できる上に、製造コストの高
騰を抑制することができる。
【0035】加えて、ブレーキ制御装置に関するバルブ
類やポンプ等の構成部品が全てBK−HU8に内蔵され
て車両の一箇所に集中するため、各構成部品間を最短距
離の配管で接続することができる。その結果、上記した
構成部品の設置レイアウトのみならず配管レイアウトも
簡略化されて、製造コストをより一層低減することがで
きる。更に、この配管の短縮化によってABS制御やA
SR制御の応答性を向上させることができる。
【0036】以上で実施例の説明を終えるが、本発明の
態様はこの実施例に限定されるものではない。例えば、
上記実施例ではトラック用ブレーキ制御装置に具体化し
たが、ABS機能と駐車補助機能とを共に備えたブレー
キ制御装置であって、それらの構成部品を利用してAS
R機能を奏することができれば、車両の種類は何ら限定
されない。従って、乗用車用のブレーキ制御装置に具体
化してもよく、又、坂道発進補助機能は必ずしも必要な
いため、これを省略したブレーキ制御装置に具体化して
もよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明の車両用ブレ
ーキ制御装置によれば、不用意に動き出した駐車車両を
強制停止させるための既存のブレーキ圧供給手段をブレ
ーキ圧の供給源として利用し、そのブレーキ圧供給手段
からのブレーキ圧を、制動時の車輪ロックを防止するた
めの既存の制動圧調整手段により調整してホイールシリ
ンダに供給し、もって、トラクション制御機能を実現し
ている。そして、このように既存の構成部品を利用し
て、部品点数を増加させることなくトラクション制御機
能を得ているため、各構成部品の設置レイアウトを容易
に実施できる上に、製造コストの高騰を抑制することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の車両用ブレーキ制御装置を示す概略構
成図である。
【図2】BK−HUの詳細を示す油圧回路図である。
【図3】従来の車両用ブレーキ制御装置を示す概略構成
図である。
【符号の説明】
25R ABS保持バルブ(制動圧調整手段) 28R ABS減圧バルブ(制動圧調整手段) 23R 油圧保持バルブ(ブレーキ圧供給手段) 38 アキュムレータ(ブレーキ圧供給手段) 39 制動開始バルブ(ブレーキ圧供給手段) 40 駐車補助ポンプ(ブレーキ圧供給手段) 60 BK−ECU(トラクション制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 亮次 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各車輪のホイールシリンダに接続され
    て、車両の制動時に開閉動作に伴いホイールシリンダの
    制動圧を調整して、車輪ロックを防止可能な制動圧調整
    手段と、 駐車車両の不測の動き出し時に、車両を強制停止させる
    べくホイールシリンダにブレーキ圧を供給するブレーキ
    圧供給手段と、 車両のいずれかの駆動輪に空転が発生したときに、前記
    ブレーキ圧供給手段を作動させると共に、ブレーキ圧供
    給手段からホイールシリンダに供給されるブレーキ圧を
    前記制動圧調整手段により調整して、空転側のホイール
    シリンダに制動圧を作用させるトラクション制御手段と
    を備えたことを特徴とする車両用ブレーキ制御装置。
JP13021498A 1998-05-13 1998-05-13 車両用ブレーキ制御装置 Pending JPH11321615A (ja)

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