JP3870345B2 - 回転式図柄可変表示装置用の情報コード化式回転図柄表示体 - Google Patents
回転式図柄可変表示装置用の情報コード化式回転図柄表示体 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、回転式図柄可変表示装置用の情報コード化式回転図柄表示体に関し、更に詳しくは、パチンコ球やコイン等を利用した変動制御条件に基いて図柄変動組合わせゲームを展開して、予め設定された図柄同志の組合わせ条件の成立時に遊技者の有利とされる特別遊技状態や、入賞成立状態を呈することのできる回転形式の図柄可変表示装置における図柄表示部材として使用される情報コード化式の回転図柄表示体に関するものである。
【0002】
【従来技術】
図柄組合わせ式遊技機の代表例として従来から知られている第1種(フィーバタイプ)のパチンコ機やスロットマシンにおいては、図柄変動組合わせゲームを展開して特別遊技状態や入賞成立状態に係る図柄を組合わせ成立表示することのできる図柄手段として、一般に回転表示形態の図柄可変表示装置が採用されている。この装置ではその基本的な型式(形態)としては、モータ(ステッピングモータまたはパルスモータ)および駆動制御回路等を含む回転駆動制御手段と、ベルト形態またはドラム形態の回転図柄表示体と、各図柄の停止表示用位置決め基準とされる位置決め検出手段を含めて、1基毎の図柄表示ユニットに構成される。そしてこの図柄表示ユニットが、例えば1つの箱枠体内に複数基(通常では左列、中列、右列の3基)を組単位にして、縦列セットされて1つのユニット化表示装置とされている。
【0003】
前記図柄可変表示装置は、毎回の図柄組合わせゲームに係る基本的な図柄変動制御態様として、(a)前記パチンコ機では、遊技領域内に打出された遊技球の入賞検出時に基く始動条件と、電気的制御回路装置側から適時自動的に発信される停止信号または遊技者のストップ操作時に基いて発信される停止信号の何れかに基く停止条件において、各図柄表示ユニット毎におけるモータと共に回転図柄表示体(図柄ドラムまたは図柄ベルト)が、設定条件に基いて順次変動(回転)開始されて適時停止される。また(b)前記スロットマシンでは、コイン投入後の遊技者のスタート操作時に基く始動条件と、電気的制御回路装置側から適時自動的に発信される停止信号または遊技者のストップ操作時に発信される停止信号の何れかに基く停止条件において、各図柄表示ユニット毎におけるモータと共に回転図柄表示体(図柄ドラムまたは図柄ベルト)が、設定条件に基いて順次変動(回転)開始されて適時停止される。
【0004】
そして図柄組合わせライン(入賞ラインとも言う)上に停止表示された各列の図柄同志の出揃い結果において、個々の位置決め検出手段による図柄検出判別情報に基いて予め設定された組合わせ図柄(当り図柄)との対比検出判定に従って、「当りまたは外れ」が判定制御される。そうして当り図柄の組合わせ成立時に、前述した特別遊技状態または入賞成立状態に係る権利が発生されるようになっている。
【0005】
前記回転図柄表示体については、リング体の外周裏面に図柄を直接印刷した図柄ドラムやシート状の図柄表示帯を周回装着した図柄ドラムまたは無端状母材の外周面にシート状の図柄表示体を装着した図柄ベルトのタイプがある。またこれらの回転図柄表示体における図柄については、一般に色彩区分された視認識別容易な数字、アルファベット文字、その他の絵や図形等を含む複数種類のマークが識別用情報として採用され、これらが当り用、外れ用に適宜区分設定されたもとで、所要とする複数コマ分において適宜順序で配置されている。何れのタイプの回転図柄表示体にあっても、前述した位置決め検出手段については、全図柄の内から基準位置として予め設定された1つの所定位置の図柄に対して、光学的センサにより読取られる1つのインデックスが設置されている。
【0006】
そしてこの従来の図柄可変表示装置において、前述した1基の位置決め検出手段を基準設定した回転図柄表示体の一般的な変動制御状態については、ソフトプログラム上の設定処理条件として予め夫々のモータ制御パルスの設定に基いて、基準位置の図柄からみて全ての図柄に対して図番記録情報としてのカウンタ値「0,・・・N」が設定されているもとで、各列の回転図柄表示体の1回転毎に位置決め検出手段が基準図柄を検出した時点のカウンタ値「0」を基準にして、停止すべき対象の図柄位置に係るカウンタ値分に応答するパルス数を出力制御して、モータと共に回転図柄表示体を停止し、所定の図柄をライン上に停止表示させるようにした制御表示内容とされている。
【0007】
しかしこのような図柄可変表示装置の図柄変動停止制御態様では、各列の回転図柄表示体の1回転毎において位置決め検出手段で実際に検出された基準図柄からみて、停止される図柄が直接検出停止される訳ではなく、あくまでもパルスカウント設定制御による見込み(見做し)条件で停止されることになっている。このため回転図柄表示体の回転速度(周速度)や慣性力、あるいは滑りや伸び等に起因して全ての図柄の正確な検出停止が難しい状況にある。従って、特に長尺の図柄ベルトや大径の図柄ドラムの場合には、それだけ慣性力や伸び等が大きくなる上、図柄のコマ数が多くなることに伴ない、各図柄分に係るカウンタ値(図番)およびパルスの設定条件も多くなるだけに、厳正な検出停止が極めて難しくなり、主としてカウンタ値(図番)が大きくなる位置の図柄の停止に比較的誤差を生じ易い問題がある。
【0008】
そこで近年においては、前述した回転図柄表示体における位置決め検出手段の基準図柄検出に基く図柄見込み停止制御に係る技術とは全く別に、全ての図柄に個々の判別情報を設定した検出判別情報媒体(地番記録)を付し、これを利用して各々の図柄を直接的に検出して停止制御し得るようにする技術として、特開平3−247369号(特願平2−46480号)公報に開示されるような「ゲーム機用無端フィルムベルトの絵柄検出方式」に係る発明が出願されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述した先行発明に係る「絵柄検出方式」では、要約すると各々の表示位置での停止を可能にした多数の透光性絵柄を一定ピッチで設けて無端状に形成され、パルスモータにより回転されるフィルムベルトにあって、(a)磁気信号記録方式、すなわち室温で硬化する接着剤を適当量混合した磁性粉により、縦縞状の磁気コーチングを施し、この磁気コーチングに絵柄毎の地番を記録した磁気信号ストライプを設けて、専用の磁気検出センサで読取り判別する方式、および(b)色調記録方式、すなわち夫々の絵柄に使用する色調若しくは該色調の混合色により多数の絵柄毎の地番を記録した色調信号を発し得る色調信号ストライプを設けて、これを光学色調検出センサで読取り判別する方式が提案されている。そしてこれらの方式において、各絵柄に対応する地番を当該センサで検出したことの信号によりモータを停止させるようにして、常にモータで駆動されるフィルムベルトの停止を絵柄毎の地番記録の検出信号によりリアルタイムで行ない、各絵柄を停止表示させる絵柄検出内容が開示されている。
【0010】
前記(a)項の「磁気記録方式」では、(イ)フィルムベルトに施された全ての磁気信号ストライプが視認できないことから、全ての絵柄とストライプに定められた地番記録情報内容との整合性につき、製作されたフィルムベルトの1本毎について、専用の読取り判別装置等にかけて全てのストライプの情報内容を1つずつチェックして、対象の絵柄との整合性を確認しなければならない。このため、図柄ベルトとされるフィルムベルト自体の生産性が低下しコスト高になり、加えて専用読取り判別装置等を含む高価な関連設備が必要不可欠となる。
【0011】
また、(ロ)磁気コーチングおよび磁気信号ストライプについては、その磁性粉(例えば鉄粉)が特に湿気に弱く錆を生じ易いため、地番記録情報内容の早期劣化(機能低下)を招き易くなり、フィルムベルト自体が情報の読取り判別不能なものとなって、その使用寿命が短かくなってしまう。また磁気帯び部分同志が互いに接触状態にある場合には、磁性粉の欠落や磁気消耗を生じ易い欠点がある。しかもフィルムベルトの連続回転中にあっては、読取り判別装置(磁気ヘッド)を通過する磁気信号ストライプの早期摩耗を生じ易く、また同判別装置においては、磁性粉の汚れ(酸化鉄)の付着による判別性能の低下を招き易い。このためフィルムベルトの早期交換、判別装置の早期点検、掃除が必要となり、その管理維持が面倒となる。その上、読取り判別装置には、汚れ防止、磁化防止、摩耗防止等に係る付帯設備が必要となり、全体が大型化すると共に高価となってしまう。
【0012】
前記(b)項の「色調検出方式」にあっては、フィルムベルトに印刷された絵柄の地番記録情報内容をもつ全ての色調信号ストライプにおける色彩、色調を、フィルムベルトの連続回転中において高速判読して最終的にコード信号に変換する光学色調検出センサは、極めて複雑で高価となる。また、光学色調検出センサにより各ストライプを精度良く検出判読するために、各ストライプを所望の色彩、色調、混合色に印刷するのは極めて煩雑でコストが嵩む欠点がある。更に、フィルムベルトの長尺化、絵柄の種類およびコマ数の増加等に伴ない、各絵柄に対応するストライプの色彩、色調の種類、条件が多くなればそれだけセンサの精度、性能が高いものが要求され、この結果極めて高価なものになってしまう。
【0013】
そこで、低価格の光学色調検出センサを使用するために各絵柄に対する夫々のストライプの色彩を制限すると、これに関連してフィルムベルトの全絵柄では、限られた色彩種類が制約されて色彩豊か(カラフル)な図柄には形成できなくなる。このためベルト全体にあっては、色彩、種類、コマ数の少ない絵柄を施した程度の見栄えの低い図柄ベルトにされてしまい、装飾効果をも企図するグレードの高いベルトとして実施できなくなる。
【0014】
すなわち、先行発明に係る「ゲーム機用無端ベルトの絵柄検出方式」では、開示された「磁気検出方式」、「色調検出方式」の何れの技術にあっても、夫々の方式で実施されるフィルムベルトを、現存する図柄組合わせ遊技機における回転表示形態の図柄可変表示装置に使用しようとした場合、具体的には、判読能力、精度の信頼性、構成、使用寿命、価格、取扱い管理等の多面に亘り、多くの問題が生起すると共に派生することが危惧され、好適な実用化には未だ多面に亘る検討、改良を加えなければならず、現時点においては技術提案だけに止まり、具体的な実施には至っていないのが現状である。
【0015】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するべく提案されたものであって、多種複数の全ての図柄に係る必要な記録情報内容を視認容易に識別区分して、光学的検出判読手段で即時精確に判読される情報コードを形成して、変動中において停止すべき対象の図柄を検出判読手段による情報コードの直接検出判読に基いて正確に検出停止表示し得るようにした情報コード化式の回転図柄表示体を提供し、この回転図柄表示体ひいては同表示体を備えた図柄可変表示装置を、検出判読の信頼性、構成、使用寿命、価格、取扱い管理等の条件を満足して好適に実施し得るようにすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため本発明は、回転式図柄可変表示装置に使用可能とされる回転図柄表示体であって、
駆動モータのパルス出力駆動に基いて回転停止制御され、外周平滑に仕上げた滑止め部材を外周に密着結合した駆動プーリと、該プーリに対して所定軸心間位置に保持され、外周平滑に仕上げた滑止め部材を外周に密着結合した従動プーリと、光透過性の2枚のフィルムをラミネートすると共に、両プーリの外周間に掛装されて所定検出部位に設置された適宜光学的な検出判読手段で検出されるコード付きの図柄表示部材とを有し、
前記コード付きの図柄表示部材における前記両フィルムの接合面に複種類複数コマ分の図柄を所要の間隔順序に形成配置する一方、各種の図柄に係る位置と種類の情報内容毎に合わせた複種類、複通りの設定パターンに基づいて形成したコードエレメントを用いて識別コード化区分されて前記検出判読手段により検出判読される情報コードを形成して全ての図柄の1コマ分ずつに対応する所要部位に配置し、
前記図柄表示部材の移動中において、前記検出判読手段により情報コードを検出開始した時点から検出終了した時点での1コードエレメント単位の読取り検出変化に基いて情報コードの情報内容を判読し、1コードエレメント単位の情報コードを検出終了していない状況では、更にパルス出力して図柄表示部材を移動させてずれ分の誤差を修正して、1コードエレメント単位の情報コードを検出終了した時点で情報内容が判読されて図柄が区分検出された後に、前記駆動モータと共にプーリが停止されて、検出された情報コードに対応する図柄を停止表示するよう設定したことを特徴とする。
【0017】
【作用】
回転体の外周に装着された図柄表示部材は、駆動モータのパルス出力駆動に基いて回転体を回転することにより移動する。図柄表示部材に形成された各図柄と対応する部位に配置された情報コードは、光学的な検出判読手段により直接検出判読される。図柄表示部材の移動中において、停止すべき対象の図柄と対応する情報コードが検出判読手段により検出された後に、前記駆動モータと共に回転体が停止されて、検出された情報コードに対応する図柄が停止表示される。
【0018】
【実施例】
次に、本発明に係る回転式図柄可変表示装置用の情報コード化式回転図柄表示体について、好適な実施例を挙げて添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。但し、回転図柄表示体の具体的な実施例としては、図38に略示する後述の図柄組合わせ式パチンコ機P(パチンコ球を利用して図柄組合わせゲームを展開できる遊技機)の主たる例にあって、遊技盤61に装備される後述の回転式図柄可変表示装置Mの型式に合わせて選定使用される図21〜図23のベルト形態と、図25〜図27のドラム形態とが提案される。そしてこれら何れの形態の回転図柄表示体にあっても、主体となる図柄表示部材として後述するような合成樹脂製シート状の情報コード化式の図柄表示帯Sが所定サイズにして使用される。
【0019】
そこで各形態の回転図柄表示体の説明に先立ち、夫々の表示体に好適に使用さる前述の情報コード化式の図柄表示帯Sについて説明する。この図柄表示帯Sは、後述する各図に例示した何れの種別にあっても、図柄条件として当り用、外れ用を含む図柄(便宜上アルファベット文字を略示する)が、種類別、表示コマ数(便宜上図柄番号1〜16まで)、配置間隔を同一に設定して所定順序で配列された例とし、そして図示できないが多数種の色彩を持つカラフルな見栄えのよい図柄に印刷形成されている。このような図柄条件にあって、全ての図柄1に対して個々に付された図柄用コード化記録情報媒体として、後述する光学的情報検出判読手段(単に検出判読手段ともいう)4の性能・形態やソフトプログラム処理に適応し得る視認識別区分および整合性確認の容易な所要の情報コード(キャラクターコードまたはシンボルコードとも別称される)2が採用され、この情報コード2が夫々の図柄1の位置、種類等の情報内容に合わせた複種類、複通りの設定パターン(設定モジュールともいう)に基いてマーキング印刷形成されたものが例とされている。なお情報コード2については、一般的に行なわれている蒸着法(液状接着剤混合インクを気化させて母材に接着する方法)により形成することも可能である。
【0020】
そしてこのような図柄表示帯Sは、具体的には抗張力の高く、伸縮変化の小さい2枚同質の透明極薄フィルム材(例えばポリエステル、肉厚25〜40μ)を使用し、光検出による場合を前提考慮して別途新たに開発された印刷ラミネート方式の表刷り、裏刷りに基いて作製されたものが主たる例とされる。
【0021】
すなわち、〔a〕図1および図2(a),(b)に示す表刷り方式による場合では、先ず印刷工程部において、一方のフィルム材fの片面(図示上面)に、全ての図柄1に対応する設定モジュールの情報コード2におけるコードエレメント2aが低明度色素の光非反射色(例えば「黒色」)でマーキング印刷されると共に、このコードエレメント2aの上から所要面域(図示全面)に亘って図柄1との仕切膜とされる下地3が高明度色素の光反射色(例えば「白色」)で印刷され、最終的にはこの下地3面の上から全ての図柄1が、当該の情報コード2に対して半ピッチ変位または同一の各位置条件でカラー印刷されることにより、図柄フィルムが作製される。そして続くラミネート工程部において、この図柄フィルムに対して保護膜用とされる他方のフィルム材fが図柄1の印刷面側に用意されて、共に移送される間に両フィルムf,fが互いに重ね合わせ接着されて2層1枚化の図柄表示版とされる。
【0022】
また、〔b〕図3および図4(a),(b)に示す裏刷り方式による場合では、印刷工程部において、一方のフィルム材fの片面(図示下面)に全ての図柄1がカラー印刷され、次いで全図柄1の下面に対する所要面域(図示全面)に亘って仕切膜用の下地3が前述方式と同様に印刷された後、最終的にこの下地3の下面に全図柄に対応する設定モジュールの情報コード2におけるコードエレメント2aが前述方式と同様に印刷されることにより、図柄フィルムが作製される。そして続くラミネート工程部において、この図柄フィルムに対して保護膜用の他方のフィルム材fが、コードエレメント2aの印刷面側に用意されて、共に移送される間に両フィルムf,fが互いに重ね合わせ接着されて2層1枚化の図柄表示版とされる。
【0023】
そして何れの方式による図柄表示版についても、最終の切断工程部において、所要サイズに切断されて肉厚60〜90μ位の1枚の図柄表示帯Sとして成形される。
【0024】
このように作製(成形)された図柄表示帯Sでは、その肉厚内部(両フィルム材の接合面)に位置する全ての図柄1および情報コード2が、夫々の透明フィルム材f,fの外面からはっきり視認できるので、夫々の印刷具合いやモジュール(各コードエレメント2aの位置、間隔等)等の良否、更には互いの識別区分や整合性の適否等について、特別な機器を一切不要として点検者自身の視覚を通じて手早く容易に確認できる。しかも全ての図柄1および情報コード2は、夫々のフィルム材f,fで被覆保護されているので、図柄表示帯Sの取扱い、使用中において剥がれたり欠落するようなことが一切回避される。また図柄表示帯Sが図柄ベルトとして使用されてプーリに沿って回動移行する過程で肉厚中心の下半分側に圧縮を、上半分側に引張を受けることにおいて、肉厚中心に位置している図柄1および情報コード2は、圧縮力および引張力の影響を受けず、ひび割れ等を生ずることもない。
【0025】
なお、前述した図柄表示帯Sのラミネート方式の作製例の応用として、図5に示す如く、先ず印刷工程部において、一方のフィルム材fの片面(図示下面)に全ての図柄1をカラー印刷すると共に、他方フィルム材fの片面(図示上面)に全図柄に対応する設定モジュールの情報コード2におけるコードエレメント2aを前述方式と同様に印刷する。そして続くラミネート工程部において、一方のフィルムfにおける図柄1の印刷面と他方のフィルムfにおける情報コード2の印刷面とを対向させると共に、両フィルムf,fの間に仕切膜としての下地3を用意し、共に移送される間に両フィルムf,fを下地3を介在した状態で互いに重ね合わせ接着することにより2層1枚化の図柄表示版を作製することも可能である。
【0026】
また図柄表示帯Sの他の作製(成形)例として、前述した印刷ラミネート方式の場合と基本的には同様な例に基いて、図6に例示するように、前述の下地3に代わる高明度色系の光反射色(例えば白色)を持つ極薄合成樹脂製の帯状フィルム材f'の片面に全ての図柄1を印刷形成する一方、この帯状フィルム材f'にラミネートされる帯状透明フィルム材fの片面に前述の情報コード2を印刷形成する。そして双方のフィルム材f',fを、図柄1の反対面に情報コード2を合わせた向きで互いに重ね合わせ接合して2層1枚化の図柄表示版とし、これを所要サイズに切断成形されたタイプのものも好適に使用できる。
【0027】
ここで前述のように作製された図柄表示帯Sに係る設定事項、条件等について付記すると、これらの表示帯Sは何れの情報コード2を作成したタイプについても、後述するベルト形態、ドラム形態の回転図柄表示体として実施される前提にあって、使用するプーリまたはリング体の円周長および軸心間距離に対応する有効長さに設定されて、全ての図柄分(16コマ)の割出しがなされる。この割出しについては、一例として回転図柄表示体の円周長(直径×円周率π)において、駆動源とされるモータ(直流モータ、ステッピングモータ、パルスモータ等の何れも使用可能)のパルス駆動制御に基き、その1パルス(1ステップ角)単位に対する1変位量を小数点以下まで細かく算出したもとで、この1変位量の整数倍分の長さ単位に基いて、1コマ分毎のサイズが適宜設定されると共に、全コマ数のピッチ間隔が割出される。ちなみに各図柄1の基準線(1点鎖線)を1コマサイズの中心(1/2)位置とする場合には、各コマが1変位量の偶数分単位のサイズとされる。また、小数点以下の端数分を含めた必要長さ分を接続代として利用してもよい。
【0028】
また、前述のように設定された各コマ毎の図柄1に対する情報コード2については、図柄の停止表示位置の基準目安とされる入賞ラインLに対する検出判読手段4の検出位置が前述の1パルス1変位量条件に基いて適宜設定されるもとで、情報コードの直接検出により対応図柄が直接停止表示されることの前提にあって、大別的にみた場合、各図柄1の中心線(1点鎖線)位置と、区画線(実線)位置とを夫々の基準に定めて(図2(a),(b)および図4(a),(b)参照)、その前後に亘る所要の変位量単位分の範囲(領域)内に作成することが基本例とされる。なおこの基本例以外として、夫々の情報コード2は当該の図柄番号位置に対して所要コマ数分の間隔を置いた別異位置、所定角度間隔を置いた角度変位位置、順序不同位置等を含む所要の関係対応位置に印刷作成することも可能とされる。
【0029】
一方前述の検出判読手段4については、後述する制御回路装置E(図31参照)側に接続される検出基盤5上において、発光部と受光部とを有する反射形式の光学センサ6が夫々の種別の図柄表示帯Sの情報コード2の内容に適合する個数で配設されている。そして夫々の光学センサ6において、情報コード2(前記コードエレメント2a)に対する光照射時に検出、前記下地3に対する光反射時に非検出の条件とされるように設定された例とする(図1および図3参照)。
【0030】
ここで前述のように構成された情報コード化式の図柄表示帯Sについて、その情報コードの作成内容別に区分して図7〜図16に例示した夫々の種別例毎に順次説明する。なお各図の図柄表示帯Sについて、全長に亘り下から順に付された数字「1〜16」は、図柄の位置、種類(A〜P)を示す図柄番号とされる。一方各図柄番号位置を通る幅方向に付された1点鎖線は、当該コマ分毎の図柄中心、言換えると後述する入賞ラインL上に停止表示される図柄の中心線とする。また各図柄番号位置の間を通る幅方向に付された実線は、図柄1コマ分ずつのサイズ(長さ)を区分する区画線とする。そして夫々の図柄番号「16」のコマ外の最終端部分は、各表示帯Sが無端状にされる場合の接続代として示し、図柄番号「1」のコマの始端部に重ね合わせ接着が可能とされる。
【0031】
【第1種別の図柄表示帯について】
図7(a),(b)および図8に例示する図柄表示帯Sについては、コード検出用の5個の光学センサ6を配置した前記検出判読手段4により、全ての図柄に対する情報コードが1コマ単位毎に読取り検出されるタイプのものとされている。すなわち図示のように表示帯Sの全長に亘り幅方向に5等分した各列毎において、全ての図柄1に対する所定位置に一定のサイズのコードエレメント2aが等間隔基準で適数個配置されている。このもとで夫々の図柄1の1コマ単位毎にあって、各列間(図示右列から左列の順)に亘るコードエレメント2aの配置条件(最少1個〜最多4個まで)に従って設定されたモジュールにより、当該の1コマ分毎の情報(図番位置種類)を識別区分した夫々の単位毎の情報コード2が作成されている。
【0032】
そしてこの図柄表示帯Sの実施にあたっては、全ての情報コード2が検出判読手段4で読取り検出されてソフトプログラム処理されることの前提にあって、1コマ分ずつの図柄1に係る各単位毎の情報コード2において、5個(5列)の光学センサ6による各コードエレメント2aの検出有無により、言換えるとエレメント2aに対する光照射時と、下地3に対する光反射時との光検出条件区分に基いて、1つのコード信号を「1または0」に処理変換し終えた結果において、夫々の情報コード2単位の情報内容(コード信号)が判読されると共に、各単位の情報信号と各番号位置の図柄1に設定された図番カウンタ値とが変換される。このような処理設定条件にあって、各列の光学センサ6により1コードエレメント単位の読取り検出変化により、全ての情報コード2の情報内容が判読され、夫々の図柄1が正確に検出区分される。
【0033】
コードエレメントに対する光照射時 1
下地に対する光反射時 0
【0034】
なおこの図柄表示帯Sにおける全ての情報コード1については、前述した図2(a)および図4(a)に略示した作成方式に基いて作成された場合を例示する。そして夫々のコードエレメント2a,2aが図柄1同志の区画線(実線)位置を基準にして表示帯Sの長手方向(移動方向)へ所定長さ分、つまりモータの駆動パルス出力数に関係する表示帯S自体の変移量(1パルス1変移単位)を考慮し、光学センサ6のスキャニング性能に充分対応し得る条件で設定された一定長さ分に作成されている。
【0035】
ちなみに全ての情報コード2の情報内容に係るコード信号の例として、図7(b)中に付記する。またこの種図柄表示帯Sにおける各番号位置の図柄1およびカウンタ値と、夫々の情報コード2に係るコード信号との相応関係を要約して表1に例記する。但し夫々の情報コード2に係るコード信号については、図中右列から左列の順にみて検出判読手段4による各列のコードエレメント2aの検出時を「1」、非検出時を「0」としたもとで、図柄番号「1」に対する情報コードのコード信号が「1,0,0,0,0」とされた例を基準にみて、図柄番号「2〜16」に係るコード信号を表記した例とする。
【0036】
【第2種別の図柄表示帯について】
図9(a),(b)および図10に例示する図柄表示帯Sについては、図柄マーク検出用の第1光学センサ6Aと情報コード検出用の第2光学センサ6Bを配置した検出判読手段4により、全ての図柄の検出確認に基いて情報コードが1コマ単位毎に読取り検出されるタイプのものとされている。すなわち図示のように表示帯Sの左列側において、全ての図柄1の対応位置に第1光学センサ6Aで検出される1本ずつの帯状エレメントにより構成された図柄用のマーキングコード7が一定等間隔で配置されている一方、右列側において図柄番号「1」を除いた各コマ分の図柄1の対応位置に、第2光学センサ6Bで検出される適数個のコードエレメント2aが等間隔基準で各位置毎に配置されている。そして当該1個のマーキングコード7範囲内におけるコードエレメント2aの配置条件(最少0個〜最多4個)による設定モジュールにより、1コマ分毎の図柄1を識別区分した夫々の単位毎の情報コード2が作成されている。なおマーキングコード7および情報コード2は、表示帯Sの全長に亘る側部に形成するようにしてよい。
【0037】
但し全ての図柄1に対応する情報にあっては、情報読取り検出の適正化を図る対策として、図10に詳細に示すように、夫々のマーキングコード7が情報コード2の作成領域(コードエレメント2aの配置領域)よりも適宜長い帯状とされて、その両端、つまり図柄表示帯Sの移動方向に対する始端部と終端部とが最初位置、最終位置の各コードエレメント2aよりも夫々延出変位されて、検出開始マーク部7aと検出終了マーク部7bとされている。これにより夫々の情報コード2の読取り検出時において、常に第1光学センサ6Aがマーキングコード7を先行検出して図柄位置確認をなすと共に、検出開始準備条件を発することになり、このもとで同センサ6Aによるマーキングコード7の検出開始および検出終了の条件内において、第2光学センサ6Bが情報コード2のコードエレメント2aを1つずつ正確に検出してその検出不良等を未然に回避し得るようになっている。
【0038】
そしてこの図柄表示帯Sの実施にあたっては、前述した種別の場合と同様なソフトプログラム判読処理において、第1光学センサ6Aにより各コマ毎の図柄用マーキングコード7の検出有無に応答するコード信号「1または0」の処理を前提として、第2光学センサ6Bによる各単位毎の情報コード2のエレメント2aの検出有無に応答するコード信号「1または0」の処理がなされた結果において、夫々の情報コード2情報内容の判読、そして各単位の情報信号と図番カウンタ値との変換とを含む処理がなされる。このような処理設定条件にあって、常に第1光学センサ6Aによるマーキングコード7の検出条件(コード信号「1」)のもとで、第2光学センサ6Bによる1コードエレメント単位の読取り検出変化に基いて、全ての情報コード2の情報内容が判読されて、夫々の図柄1が正確に検出される。
【0039】
なお、この図柄表示帯Sにおける全ての情報コード2については、前述した図2(a)および図4(a)に略示した作成方式に基いて作成された場合を例示し、夫々のコードエレメント2a,2aが、図柄1同志の区画線(実線)位置を基準にして表示帯Sの移動方向に亘ってモータの駆動パルス出力数に関係する表示帯S自体の変移量(1パルス1変移量)を考慮し、第2光学センサ6Bのスキャニング性能に対応して設定された一定ピッチ長さ毎に作成する。
【0040】
ちなみに全てのマーキングコード7と情報コード2の情報内容に係るコード信号の例として、図9(b)中に付記する。またこの種図柄表示帯Sにおける各番号位置の図柄1およびカウンタ値と、夫々のマーキングコード7および情報コード2に係るコード信号との相応関係を要約して表1に例記する。但し夫々のマーキングコード7の信号が常に「1」とされ、情報コード2に係るコード信号については、表示帯Sの移動方向に対して図中下から上の順にみて、検出判読手段4による各コードエレメント2aの検出時を「1」、非検出時を「0」としたもとで、図柄番号「1」に対する情報コードのコード信号が「0,0,0,0」とされた例を基準にみて、図柄番号「2〜16」に係るコード信号を表記した例とする。
【0041】
【第3種別の図柄表示帯について】
図11(a),(b)および図12に例示する図柄表示帯Sについては、前述した第2種別と同様な技術趣旨に基く応用例として、前述の第1および第2光学センサ6A,6Bを配置した検出判読手段4により、全ての図柄の検出確認に基いて情報コードが1コマ単位毎に読取り検出されるタイプのものとされている。すなわち図示のように表示帯Sの左列側において、全ての図柄1の対応位置に、第1光学センサ6Aで検出される4個ずつのマークエレメント7cより構成されたマーキングコード7が一定等間隔で配置されている一方、右列側において、図柄番号「1」を除いた各コマ分の図柄1の対応位置に、第2光学センサ6Bで検出される適数個のコードエレメント2aが等間隔基準で配置されている。そして、1単位毎のマーキングコード7範囲内におけるコードエレメント2aの配置条件(最少0個〜最多4個)による設定モジュールにより、1コマ分毎の図柄1に対する各単位の情報コード2が作成されている。なおマーキングコード7および情報コード2は、表示帯Sの全長に亘る側部に形成するようにしてよい。
【0042】
但し、全ての図柄1に対応する情報にあっては、情報読取り検出の適正化対策として、図12に詳細に示すように、各単位毎のマーキングコード7の最初位置のマークエレメント7cが、情報コード2の作成領域内の最初位置のコードエレメント2aに対して、1エレメントの半ピッチ分前側に変位されており、この変位分が検出開始マーク部7aとされている。これにより夫々の情報コード2の読取り検出時において、常に第1光学センサ6Aがマーキングコード7を先行検出して図柄位置確認をなすと共に検出開始準備条件を発するもとで、同センサ6Aによるマーキングコード7の検出条件内において、第2光学センサ6Bがコードエレメント2aを1つずつ正確に検出して情報コード2を読取り得、その検出不良等を未然に回避し得るようになっている。
【0043】
そしてこの図柄表示帯Sの実施にあたっては、前述した種別の場合と同様なソフトプログラム判読処理において、第1光学センサ6Aによる各コマ毎の図柄用マーキングコード7のエレメント7cの検出有無に応答するコード信号「1または0」の処理を前提として、第2光学センサ6Bによる各単位毎に情報コード2のエレメント2aの検出有無に応答するコード信号「1または0」の処理がなされた結果において、夫々の情報コード2の情報内容の判読、そして各単位の情報信号と図番カウンタ値との変換とを含む処理がなされる。このような処理設定条件にあって、常に第1光学センサ6Aによるマーキングコード7の検出条件(コード信号「1」)のもとで、第2光学センサ6Bによる1コードエレメント単位の読取り検出変化に基いて、全ての情報コード2の情報内容が判読されて夫々の図柄1が正確に検出される。
【0044】
なお、この図柄表示帯Sの情報コード2は、前述した第2種別の場合と同様に作成されている。また夫々のコード7,2に係るコード信号については、図11(b)中に付記し、表1に例記するように第2種別の場合と同様に設定された例を示し、その詳細な説明は省略する。
【0045】
【第4種別の図柄表示帯について】
図13(a),(b)および図14に例示する図柄表示帯Sについては、情報コード検出用の1個の光学センサ6を有する検出判読手段4により、全ての図柄に対する情報コードが1コマ単位毎に読取り検出されるタイプのものとされている。すなわち図示のように表示帯Sの全長に亘る中央部において、全ての図柄1の対応位置に、第1光学センサ6で検出されるコードエレメントとして、幅方向に帯状を呈する太い第1エメント2bと、幅方向に線状を呈する細い第2エレメント2cとが、等間隔基準で互いに異なる位置毎に配置されている。そして夫々の図柄1の1コマ単位毎にあって、夫々のコードエレメントの配置条件(第1エレメント2bが1〜4本、第2エレメント2cが1〜4本、の範囲で、双方合わせて5本)に従って設定されたモジュールにより、1コマ分毎の図柄1の情報を識別区分した夫々の単位毎の情報コード2が作成されている。なお情報コード2は、表示帯Sの全長に亘る側部に形成するようにしてよい。
【0046】
そしてこの図柄表示帯Sの実施にあたっては、前述の場合と同様なソフトプログラム判読処理にあって、1コマ分ずつの図柄1に係る各単位毎の情報コード2において、光学センサ6による第1エレメント2bと第2エレメント2cとの検出条件に応答するコード信号を「1または0」に処理変換し終えた結果に基いて、夫々の情報コード2の情報信号の判読処理、そして各単位の情報信号と図番カウンタ値との変換処理等を含む処理がなされる。そしてこのような処理設定条件にあって、光学センサ6による1エレメント単位の読取り検出変化に基いて、1コマ単位毎の情報コード2の情報内容が判読されて夫々の図柄1が正確に検出される。
【0047】
なおこの図柄表示帯Sにおける全ての情報コード2については、前述した図2(a)および図4(a)に略示した作成方式に基いて作成された場合を例示し、夫々のコードエレメント2b,2cが図柄1同志の区画線(実線)位置を基準にして、表示帯Sの移動方向に亘ってモータの駆動パルス出力数に関係する表示帯S自体の変移量(1パルス1変移量)を考慮し、光学センサ6のスキャニング性能に対応して設定された一定ピッチ間隔に作成されている。
【0048】
ちなみに全ての情報コード2の情報内容に係るコード信号の例として図13(b)中に付記する。また、この種別の図柄表示帯Sにおける各番号位置の図柄1およびカウンタ値と、夫々の情報コード2に係るコード信号との相応関係を要約して表1に例記する。但し夫々の情報コード2に係るコード信号については、表示帯Sの移動方向に対して図中下から上の順にみて、検出判読手段4による第1コードエレメント2bの検出時「1」、第2コードエレメント2cの検出時を「0」として夫々表記した例とする。なお前記下地3の部分においては、光学センサ6は無検出として設定されている。
【0049】
【第5種別の図柄表示帯について】
図15(a),(b)および図16に例示する図柄表示帯Sについては、一般に「グレーコード」と称されている情報処理技術を利用するタイプのものであって、コード検出用の4個の光学センサ6を配置した検出判読手段4の検出条件変化毎により、全ての図柄1に対する情報コード2が1コマ単位毎に読取り検出されるタイプのものとされている。すなわち、図示のように表示帯Sの全長に亘り幅方向に4等分した各列毎において、図示のように図柄番号「1」と「2」との間を除いた全ての図柄1を対象としてその所要コマ分に亘る所定位置に、一定幅で長さ、本数の異なるコードエレメント2dが適宜設定間隔で配列されている。このもとで夫々の図柄1の1コマ単位毎にあって、各列毎におけるコードエレメント2dの配列条件(図示右列から左列の順に1本、1本、2本、4本で最少0から最多4つまで)に従って設定されたモジュールにより、当該の図柄1コマ分毎の情報(図番位置、種類)を識別区分した夫々の単位毎の情報コード2が作成されている。
【0050】
但し、各列のコードエレメント2d,2dについては、各図柄1の中心線(1点鎖線)位置を基準にして、表示帯Sの1パルス単位変移量を考慮して設定された夫々の所定長さに作成されている。この例において、各列の光学センサ6が各列毎のコードエレメント2dの検出開始時と終了時との変化を読取り区分することに対応して、各列のコードエレメント2dの始端と、終端とが、表示帯Sの移動方向を基準にみて、各図柄の中心線位置に対して1パルス1変位量に基いて所定長さ分だけ延出した位置と、手前の位置とに設定されている。
【0051】
そしてこの図柄表示帯Sの実施にあたっては、設定されたソフトプログラム判読処理にあって、表示帯Sの連続移動過程における1コマ分ずつの図柄1に係る情報の読取りとして、4個の光学センサ6による各列毎のコードエレメント2dの検出変化時(検出の開始時と終了時)毎に、1列分ずつのコード信号が「1」または「0」の何れかに処理変換される条件において、夫々の図柄1に対応する情報コード2単位の情報内容(コード信号)が判読されると共に、各単位の情報信号と各番号位置の図柄1の図番カウンタ値とが変換される。このような処理設定条件にあって、各列の光学センサ6による1列単位のコードエレメント2dの読取り検出変化(コード信号「1」か「0」かの変化)に基いて、全ての情報コード2の情報内容が判読区分されて、夫々の図柄1が正確に検出される。
【0052】
ちなみに、全ての情報コード2の情報内容に係るコード信号の例として図15(b)中に付記する。また、この種別の図柄表示帯Sにおける各番号位置に図柄1およびカウンタ値と、夫々の情報コード2に係るコード信号との相応関係を要約して表1に例記する。但し夫々の情報コード2に係るコード信号については、図中右列から左列の順にみて、検出判読手段4による各列のコードエレメント2dの検出時を「1」、非検出時を「0」としたもとで、図柄番号「1」に対する情報コードのコード信号が「0,0,0,1」から「0,0,0,0」に変化された時点を検出時とされた例を基準にみて、図柄番号「2〜16」において、検出判読手段4による各列毎のコードエレメント2d,2dの検出変化条件(検出の開始と終了)に基いて、これに対応するコード信号が「1」か「0」かに1単位毎に変化する前提で表示した例とする。
【0053】
【表1】
【0054】
前述のように設定作製された夫々の種別の情報コード化式図柄表示帯Sにおいて、所要形態の回転図柄表示体で実施される場合を前提とした基本的な図柄検出停止表示、つまり情報コードの直接検出に基く対応図柄の直接停止に係る態様例については、要約して各図に例示する。すなわち入賞ラインL(図示矢印)に対する検出位置が前述した1パルス1変位量に基いて適宜設定されるもとで、(a)夫々の情報コード2が図柄1の区画線基準で作成された例では、入賞ラインLに対して検出判読手段4が、図17(a),(b)に略示する同一位置、または図19(a),(b)に略示する反対側の所定角度位置に設置される条件、また(b)夫々の情報コード2が図柄1の中心線基準で作成された例では、入賞ラインLに対して検出判読手段4が、図18(a),(b)に略示する所定変位位置、または図19(a),(b)に想像線で略示する反対側の所定角度変位位置に設置される条件が基本例として提案される。
【0055】
そしてこれらの条件例にあって、検出判読手段4が、当該の情報コード2を検出開始した時点からコード信号「1」に、また検出終了した時点でコード信号「0」に夫々変換され、検出終了時から一定時間(設定パルス時間)後に、モータおよび回転図柄表示体(図柄表示帯)が停止されて、対応する図柄1が入賞ラインL上に表示される。なお前述した図柄検出停止表示態様例については、主として前述の第1、第2および第3種別の図柄表示帯Sを対象とした場合の例とされる。
【0056】
特にこのようなコード直接検出による図柄停止表示例によれば、図柄表示帯Sの移動中に、万一ずれ(滑り)やノイズによる電圧降下等が生じたとしても好適に対応し得る。すなわち、表示帯Sがずれ等により図柄1コマ単位毎に対応する基本パルス数分の変位量に誤差を生じたとしても、未だ光学センサ6が1コマ単位の情報コード2を検出終了していない状況では、更にパルスを出力して表示帯Sを移動することによりずれ分の誤差が修正される。そして光学センサ6が情報コード2を検出終了した時点で、これに対応する図柄1を正確に検出判読し得ることになり、所定時間後に同図柄1を停止表示させることができるものである。
【0057】
次に、前述のように作製された夫々の種別の情報コード化式図柄表示帯Sにより構成される本実施例の回転図柄表示体について説明する。この表示体は、図38に略示された図柄組合わせ式パチンコ機Pに実施される図柄可変表示装置Mの型式に適応した図柄表示部材として、具体的にはベルト形態例、ドラム形態例に基いて好適に使用されるもので、以下夫々の形態例毎について説明する。
【0058】
【ベルト形態の回転図柄表示体について】
図21,図22および図23に示すこの形態例では、対象選定された所要種別の図柄表示帯Sにおいて、前記接着代(例えば1mm程度)を以って両端同志を溶着接合することにより、表示帯S自体が極めて抗張力の高い、伸縮変化の小さい特性を持つ図20に示すような1本の無端状図柄ベルトBに構成される。そしてこの図柄ベルトBが、1つのセット枠11単位で構成された図柄表示ユニットUにおける回転駆動制御機構12の両プーリ16,18間に適正な伸張状態で掛装されて、図柄の実体構成部とされ、モータ14の駆動条件および検出判読手段4の検出条件に従って回転変動停止される。
【0059】
すなわち前記図柄表示ユニットUにおいて、回転駆動制御機構12では、当該のセット枠11内の所定位置に駆動基盤13と共に定置されたモータ14の回転盤15に、駆動プーリ16が連結盤17を位置決め連結されている一方、この駆動プーリ16に対する設定軸心間距離位置に、従動プーリ18が支軸19を介して位置決め保持されている。そして双方のプーリ16,18は、図22に示すように、当該の回転芯体16A,18Aの外周に密着結合した摩擦抵抗の大きい例えばゴム製の滑止め部材16B,18Bを芯出しに基いて外周平滑に仕上げており、両滑止め部材16B,18B間に掛装された図柄ベルトBの回転中の滑り(ずれ)等を好適に防止し得るようになっている。なお両プーリ16,18は、共に同径のものを例示し、外周両端に図柄ベルトBの振れ防止用のフランジを成形してもよい。
【0060】
また前記検出判読手段4では、当該の図柄ベルトBに使用された図柄表示帯Sの情報コード2に適応し得る性能形態のものが選定されることになり、前記駆動基盤13の一端に接続定置された1枚の検出基盤5に、所定数の光学センサ6,6が配置接続されて1単位に構成されている。そして図21および図23に例示するように、両プーリ16,18間における図柄ベルトBの張り側直線部分において、入賞ラインを想定して設定された所定の検出位置に設置されて、光学センサ6を図柄ベルトB内側に対して所要の読取り検出間隔を置いて指向している。なおこの手段4に関連して前記駆動基盤13では、その片側面にモータ14と、光学センサ6とに係る所要の回路が区分構成されており、後端には1個の共用式の接続具20が設置されて、接続線を介して後述の制御回路装置E(図31参照)側に接続されるようになっている。なお、前記セット枠11をプリント基盤タンプとして、その片側面にモータ14と、光学センサ6とに係る所要の回路を区分して構成することも可能である。
【0061】
そして前述した回転駆動制御機構12に対する図柄ベルトBの掛装にあたっては、予め両プーリ16,18間の任意(自由)位置に掛渡したもとで、従動プーリ18の位置決めセット後に好適な伸張状態で適正位置に掛装し得る。これにより従来の場合のような位置合わせ、つまり基準選定した1つの所定図柄を駆動プーリ16の基準位置に厳正に整合させることを一切不要にできる。但し厳正にみた場合において、入賞ラインに対して夫々の図柄の停止表示位置(基準線)に万一ずれを生ずるとしても、その誤差は最大量として前記1パルス1変位量による微少範囲(例えば1mm以内)に止まる。このため実質的にはこの微少誤差を公差範囲とみることができ、入賞ラインに対する図柄の基準線位置での停止表示と見做して何ら差支えのないところである。
【0062】
なお、前述したようなベルト形態例にあっては、図柄可変表示装置としての実施を考慮して、図柄表示ユニットUにおける夫々のセット枠11毎に互いの位置決め整合取着部を付加して遊技盤61裏側に直接定置セットし得る形式にしたり、遊技盤61裏側に定置セットされる1つの保持枠内に各セット枠11毎を組付け整合して縦列収容セットし得る形式にしてもよい。また対象とする表示装置Mの型式等に応じて所定基数分の図柄表示ユニットUが予め組付けられてセット化される場合では、夫々の回転駆動制御機構12の型式として、図示しないが、1つの共用セット保持枠間に1本の共通支軸が横通されて位置調整用軸支具で所定位置に支持されるもとで、この支軸に対して複数個の従動プーリを回転自在に挿通支持して当該駆動プーリに対する設定軸心間距離に保持した形式としてもよい。
【0063】
また図柄ベルトについては、ベルト母材として別途用意される例えば薄肉のタイミングベルト材の外表面に所要種別の図柄表示帯Sを装着(接着)してなるタイプにすることも可能である。この場合では、夫々のベルト母材の性状、情報コードに対する検出用透口、検出判読手段4の判読位置、方向等の適宜選定を伴なう。また、このようなタイプの図柄ベルトに係る回転駆動制御機構としては、駆動タイミングプーリ(ローラ)を使用した形式を例として、必要に応じて図柄ベルトの移動過程上に案内プーリや張力調整用プーリ等を付加した形式等も採用可能である。
【0064】
【ドラム形態の回転図柄表示体について】
図25,図26および図27に示すこの形態例では、主として大型(大径)の図柄ドラムの場合を前提として、前述した所要種別の一枚の図柄表示帯Sを、図24に示すような円形状にして両端接合するもとで、ドラム素体である円形リング体21の外周表面に周回装着(接着)することにより、1個の図柄ドラムDに構成される。そしてこの図柄ドラムDは、図25に例示するような1枚の駆動基盤27単位で構成された回転駆動制御機構26のモータ28に直結されて図柄表示ユニットUの実体表示部とされ、モータ28の駆動条件および検出判読手段4の検出条件に従って回転変動停止される。
【0065】
すなわち前述の図柄表示ユニットUにおいて、前記リング体21では、硬質透明な合成樹脂材(例えばポリカーボネート)により、図25に示すような平プーリ形に成形されたもので、図柄表示帯Sの周回装着部とされる一定外周幅の平滑な円胴部22の円周方向に亘って情報コード読取り用の複数個の検出窓口23が所定角度間隔毎に成形されている。また、円胴部22の一方の開口面側に、図示4本の放射状のアーム部24と中心に位置する円盤状の連結盤25とが連接成形されている。
【0066】
これに対して前記回転駆動制御機構26では、図25および図27に示すように、図柄ドラムのセット板兼用とされる方形状の駆動基盤27の片側所定位置にモータ28が定置接続されて、その回転盤29に前述の図柄ドラムDが連結盤25を連結されている。そして駆動基盤27の反対面側には、モータ28と後述する検出判読手段4とに係る回路が所定パターンで区分構成されてその回路終端が1個の共用の接続具30に接続されており、この接続具30から後述の制御回路装置E側に接続線を介して接続されるようになっている。なお駆動基盤27の片側前方に停止図柄表示用の表示ランプが必要に応じて配置された場合には、その回路終端を前記接続具30に接続してもよい。
【0067】
また前記検出判読手段4では、当該の図柄ドラムDに使用された図柄表示帯Sの情報内容に適応し得る性能形態のものが選定されており、前述の回転駆動制御機構26における駆動基盤27の片側所定位置に定置接続される1枚の検出基盤5上に、所定数の光学センサ6が配置接続されて1単位に構成されている。そして図27に例示するように、図柄ドラムDの回転内側において入賞ラインを想定して設定された所定の検出位置(図示左方の後部側)に設置されて、光学センサ6を図柄表示帯Sの内側に対して所要の読取り検出間隔を置いて指向している。なお検出基盤5は、駆動基盤27における検出用回路部分を介して前記接続具30に接続されている。
【0068】
そして前述したリング体21に対する図柄表示帯Sの装着にあたっては、表示帯Sの始端をリング体21外周の所望位置にして周回装着し得、これにより従来の場合のような基準図柄の位置合わせを一切不要にできる。なお前述したベルト形態例の場合と同様に、入賞ラインに対して夫々の図柄1の停止表示位置に、前述した1パルス1変位量による微少範囲のずれを生ずるとしても、この微少誤差を公差範囲とみて入賞ラインに対する図柄1の基準線位置での停止表示と見做すことができる。ちなみにリング体21に周回装着される図柄表示帯Sは、前記接続代を以って両端同志が接合されることが望ましい。
【0069】
前述のように構成された本実施例の回転図柄表示体B,Dは、図柄表示ユニットUの単位で構成されることの前提にあって、回転式図柄可変表示装置Mの型式に適応した図柄表示部材として好適に使用できる。そこで夫々の回転図柄表示体を使用した図柄可変表示装置Mについて、以下具体的な形式例毎に説明する。但し何れの形式例装置にあっても、3基の図柄表示ユニットが左列、中列、右列に配列セットされた形態とする。そしてパチンコゲーム中に発生される始動入力条件毎に基いて、ソフトプログラムを含む制御回路装置Eの制御に応答して各列の図柄表示ユニットが設定条件で変動制御されて、所定の図柄を直接検出して停止表示する変動停止態様例の場合を主とする。
【0070】
【ベルト形式の図柄可変表示装置について】
図28〜図30に示すこの表示装置Mにおいては、前記遊技盤61前側に取着セットされた表示透視体31に合わせて、前述した図柄表示ユニットUが遊技盤61裏側に縦列定置セットされている。すなわち表示透視体31では、その中央部の窓口32内に透明樹脂製の表示板33が組付けられており、この表示板33前面に図示、3コマ分ずつの停止図柄用の表示窓34と、前述の入賞ラインLが形成されている。なお入賞ラインLは、上、中、下3本の横線と、互いに斜状交差する2本の斜線を例示し、中央横線を基準ラインとして必要本数のラインが設定される。またこの表示透視体31の上部側には、始動入力条件の有効保留数(例えば最高4個まで)を表示する保留ランプ35や図柄表示内容に関連する表示ランプ36等が配設されている。
【0071】
一方表示装置Mの実体表示部とされる3基の図柄表示ユニットUでは、共に前述した共通な形式のものとして、図29に示すように、当該のセット枠11内に回転駆動制御機構12、図柄ベルトB、検出判読手段4等が組込まれており、そして遊技盤61裏側に、夫々のセット枠11単位または1つのセット保持枠単位で定置されて各ユニットU同志が所要の隣接間隔で縦列セットされている。このセット状態において、夫々の図柄ベルトBの張り側直線部分が、前記表示透視体31の裏面から表示板33の表示窓34に臨み、また夫々の駆動基盤13および検出判読手段4の検出基盤5が、制御回路装置E側に接続線37で接続されている(図30参照)。
【0072】
なお前記検出判読手段4は、前述した性能形態のものが選定されて駆動基盤13において、図29に示すように、図柄ベルトBの張り側直線部分に対する所定の内側位置に設置されている。
【0073】
前述した図柄可変表示装置Mに係る基本的な制御系統については、図31にブロック的に略示するように制御回路装置Eを主体にして構成されて、図32に段階的に例示するような順序に基いて制御処理される。
【0074】
先ず電源投入時においては、表示装置M全体の初期表示条件としてスタート前の図柄原点確認処理がなされる。すなわち3列の図柄表示ユニットUにおける図柄組合わせが「外れ」表示される例では、電源投入に対して入賞判定部41と乱数データ設定部42との間の応答により、停止用図柄に係る1つの外れ初期データが選定記憶される。そしてこのデータ条件において、入賞判定部41からの指示により、モータ制御部43から送信されるパルス出力に基いて、3列のモータ14が駆動されて図柄ベルトBが回転される一方、入賞判定部41に情報検出条件が保留される。このもとで設定時間後に入賞判定部41から検出条件の指示を受けた夫々の検出判読手段4が、当該列の図柄ベルトBから外れ初期データに対応する図柄1の情報コード2を検出して入賞判定部41に情報入力した時点、つまり検出判読終了時点から設定時間後にモータ制御部43からのパルス出力の停止に従い、モータ14と共に図柄ベルトBが停止されて夫々1つずつの図柄1を入賞ラインL上に停止表示する。
【0075】
このもとで夫々の検出判読手段4の情報検出内容が、当該の情報判読比較処理部44に入力されてコード信号の判読処理並びに図番カウンタ値との比較変換処理等がなされて、最終的に入賞判定部41に情報入力されているもとで、夫々の図柄1の原点位置が確認される。但しこの外れ初期データ制御処理に基く図柄原点位置確認においては、3列の図柄1の全てが「外れ」の場合、1つまたは2つの当り用図柄を伴う「外れ」の場合をも含むものとする。
【0076】
なお3列の図柄1が互いに「外れ、当り」を含む任意の初期表示条件とされる例では、電源投入に対して入賞判定部41とモータ制御部43との間の時間データ制御処理に基いて、夫々のモータ14の駆動と共に図柄ベルトBが暫時回転される。そして設定時間の最終段階において、夫々の検出判読手段4が任意の図柄1の情報コード2を検出して入賞判定部41に情報入力した検出判読終了時点から設定時間後に、モータ制御部43からのパルス出力の停止に従いモータ14と共に図柄ベルトBが停止されて、夫々1つずつの図柄1を入賞ラインL上に停止表示する。このもとで前述と同様に夫々の検出判読手段4の情報検出内容が、入賞判定部41に情報入力されているもとで、夫々の図柄の原点位置が確認される。
【0077】
また前述した図柄の原点位置確認処理後において、遊技盤61でのパチンコゲームの開始に伴い、後述する始動入賞用スイッチ65による検出信号(始動信号)が入賞判定部41に入力された以後においては、図31および図33に例示するように、同判定部41からの指示に基いてモータ制御部43から送信されるパルス出力により、3列のモータ14の順次駆動に従い図柄ベルトBが回動開始される一方、乱数データ設定部42において、始動入力に対する停止図柄のための1のサンプリングデータが選出される。このサンプリングデータについては、全ての図柄組合わせ総数の内から当該の図柄ベルトBにおける全ての情報コード2に対応する図番カウンタ値の情報内容に該当して外れ用、当り用に区分された何れか1つのデータに決定されて、入賞判定部41の当り処理部と外れ処理部とに区分入力される。そしてこれ以降は、同判定部41における処理に基いて前記モータ制御部43が制御される一方、夫々の検出判読手段4の情報検出条件が指示される。
【0078】
なお、前述した乱数データ設定部42におけるデータの作成設定例としては、当り処理番号「数字1」と、外れ処理番号「数字2」とが適宜順序で配置された一定周期で巡回される数列(乱数テーブル)が採用される。そしてこの数列内にあって、前述した始動入力時に当りまたは外れの処理番号をもつ1つのサンプリングデータが抽出されて、入賞判定部41の夫々の処理部に区分入力されるようになっている。
【0079】
そして前述した入賞判定部41の各処理部での処理指示にあって、モータ制御部43の駆動制御に基いて各列のモータ14の順次減速駆動に従い図柄ベルトBが低速回転される最終段階において、前記夫々の検出判読手段4が前述のサンプリングデータで定められた検出条件に基いて所定の図柄1の情報コード2を検出して入賞判定部41に情報入力した検出判読終了時点から設定時間後に、モータ制御部43からのパルス出力停止に従い夫々モータ14と共に図柄ベルトBが停止されて、情報コード2に対する1つの図柄(当り用または外れ用)を入賞ラインL上に停止表示する。この時点において、夫々の検出判読手段4の情報検出内容が情報判読比較処理部44で処理されて入賞判定部41に情報入力されているもとで、同判定部41では、当り処理部または外れ処理部において、夫々の停止図柄を個別的および全体的に判断している。
【0080】
従ってこの結果として入賞ラインL上の図柄組合わせについて、例えば3列の同種当り用図柄一致の場合では「大当り」、これら以外の場合では全て「外れ」として夫々判定処理されるようになっている。但しこの「外れ」には、左列および右列の同種当り用図柄一致で中列の異種図柄(当り用、外れ用)不一致の場合による「リーチ外れ」状態を含む。ちなみに図31中に例示したスピーカ45および表示ランプ36,56は、前述した始動入力時図柄変動中、図柄停止時等に合わせて夫々の効果音、効果表示光を発生する。
【0081】
また図柄可変表示装置Mに係る基本的な図柄変動制御態様、つまり3列の図柄表示ユニットUにおけるモータ14および図柄ベルトBの回転変動態様については、要約して図34に例示するように設定されている。
【0082】
(a) 電源投入時では、左列、中列、右列の順に開始されて設定時間後に左列、右列、中列の順に停止され、前述のように表示された夫々の図柄の原点位置が確認される。
【0083】
(b) 始動入力に基く変動開始については、左列、中列、右列の順に所定時間差でスタートされて、設定時間に亘る連続変動過程にあって、段階的に増速されながら所定の高速に変化されてそのまま維持される。なお3列の変動中には、互いに異なる図柄合わせ時間が必要に応じて含まれる。
【0084】
(c) 停止入力に基く変動停止については、左列の変動開始時から設定時間後に図柄停止決定信号が入力される例にあって、この信号入力時以後から左列、右列、中列の順で段階的に減速されながら最終段階において、所定時間差毎に前記検出判読手段4で検出判読された時点から設定時間後に停止される。
【0085】
(d) 各列の変動時間(開始から停止まで)については、前記「外れ」時では、左列、右列、中列が夫々一定の変動時間T1,T2,T3とされ、前記「当り」時(「リーチ外れ」時を含む)では、左列および右列が共通の一定変動時間のままとされて、中列のみが予め設定された所定の条件によって「外れ」時の変動時間T3より長い可変変動時間T4またはT5とされる。
【0086】
なおこの図柄変動制御態様例にあって、図33のフローチャートで示した「リーチ動作」に係る表示としては、図34中に例示したように、右列ベルトBの停止前所要時点(例えばN個図柄の手前)から右列ベルトBおよび中列ベルトBの停止時までの間、前記スピーカ45からリーチ用の効果音と、前記表示ランプ36,56によるリーチ用の効果光が発生される。また前記「当り」時では、図34に例示するように、中列ベルトBの停止時以降に当り用効果音と当り用効果光が発生される。
【0087】
前記表示装置Mにおける図柄変動制御における図柄組合わせの検出判定において、例えば中央横線が基準の入賞ラインLとされる場合では、他の入賞ライン(上下の横線および斜線)上に停止された夫々の図柄については、基準の入賞ラインL上の夫々の図柄1の情報コード2に係るカウンタ値に対して「+1分と−1分」のカウンタ値(設定パルス数)の算出処理に基いて検出判定されることになる。勿論上の横線を基準の入賞ラインLとして、他のライン上の図柄1の情報コード2を先に読取って検出判定する例であってもよい。
【0088】
このような図柄可変表示装置Mの実施にあって、前述したコード直接検出による図柄停止表示例によれば、図柄ベルトBの移動中に万一ずれ(滑り)やノイズによる電圧降下等の発生に起因して、ベルトBが図柄1コマ単位毎に対応する基本パルス数分の変位量に誤差を生じたとしても、検出判読手段4が1コマ単位の情報コード2を検出終了していない状況では、モータ制御部43からモータ14に対するパルスが出力されて図柄ベルトBを移動することによりずれ分の誤差が修正される。そして検出判読手段4の検出終了時点で、これに対する図柄カウンタ値から図柄1を正確に検出判読し得ることになり、所定時間後に同図柄1を入賞ラインL上に合わせて停止表示させることができるものである。
【0089】
またこの図柄可変表示装置Mによれば、各列毎の図柄表示ユニットUにおける回転駆動制御機構12において、図柄表示帯Sより成形された図柄ベルトBが駆動および従動プーリ16,18の滑止め部材16B,18Bを利用して適正な伸張状態で好適に滑止め掛装されており、また前述のようにずれ等の誤差を修正して情報コード2の直接検出に基いて図柄1を停止表示し得る。このため駆動および従動プーリ16,18と図柄ベルトBの間において、爪車や係止孔等の係止送り手段がなくとも、図柄ベルトBを適正に移動させて好適な図柄変動態様を呈することができる。これによりこの表示装置Mでは、前述の係止送り手段を不要として両プーリ16,18を単純な形状、構造のものとし得、また図柄ベルトBの有効幅を大きくして、その分大きく見栄えのよい図柄を形成し得、表示装置全体のグレードアップを図ることができる。
【0090】
【図柄ドラム形式の図柄可変表示装置について】
図35〜図37に示すこの表示装置Mでは、全体の概要としては遊技盤61前側に取着セットされた表示透視体51に合わせて、遊技盤61裏側に定置セットされる前面開口方形状の1つの保持枠体57内に図柄表示ユニットUが縦列収容セットされている。すなわち前記表示透視体51では、窓口52内に前向き凸弯曲形の透明な表示板53等が組付けられて、表示板53前面に図示3コマ分ずつの図柄用表示窓54と、図示5本(3本の横線と2本の斜線)の入賞ラインLが形成されており、また上部側に保留ランプ55や表示ランプ56等が配設されている。これに対して前記保持枠体57では、その開口前面を表示透視体51裏側に合わせてセットされるようになっており、その内部に形成された保持溝58毎の間隔で収容室59が形成され、背板部側にはコネクター用の逃し口60が成形されている。
【0091】
一方表示装置Mの実体表示部とされる3基の図柄表示ユニットUでは、共に前述した共通な形式のものとして、図36および図37に示すように、回転駆動制御機構26,図柄ドラムD、検出判読手段4等を備えており、そして前述の保持枠体57内において、当該の駆動基盤27が各収容室59毎の保持溝58に差込み固支されたもとで、各ユニットU同志が等間隔でセット保持されている。このセット状態において、夫々の図柄ドラムDの外周前部が、当該の収容室59の前方に露出されて前記表示透視体51の裏面から表示板53の表示窓54に臨み、また夫々の駆動基盤27後端の接続具30が当該の逃し口60から露出されて制御回路装置E側に接続線37で接続されている。
【0092】
なお前記検出判読手段4については、前述した性能形態のものが選定されて駆動基盤27において、図36に示すように、図柄の停止表示位置(入賞ラインL)の反対側における所定角度変位位置側に設置されている。
【0093】
そしてこのような形式の図柄可変表示装置Mにおいて、その基本的な制御系統、制御処理並びに図柄変動制御態様、つまり3列の図柄表示ユニットUにおけるモータ28および図柄ドラムDの回転変動態様については、前述した図柄ベルト形式の表示装置Mの場合と同様な設定例が提案されて好適に採用される。なおこれらの設定例については、図31〜図34を参照し、前述の説明を援用して「図柄ベルト」と「図柄ドラム」に読み替えるものとする。
【0094】
ここで、前述した各形式の図柄可変表示装置Mが実施される図柄組合わせ式遊技機について要約説明する。
【0095】
先ず図38に全体が略示されるパチンコ遊技機Pでは、遊技盤61におけるレール62内の遊技領域63において、前述した表示装置Mが設置されている一方、図柄変動用の始動入力手段とされるスイッチ65付きの始動入賞具64と、大型の電動入賞装置N等が配設されている。そして前述した図柄変動制御にあって、入賞ラインL上に当りの図柄組合わせが表示されると、これに基いて特別遊技状態が成立されて電動入賞装置Nに開成作動条件が付与される。そしてこの開成作動条件として、前述の制御回路装置Eから送出される駆動出力に基いて、電磁ソレノイド66が設定時間に亘り通電励磁されることに伴い、開閉部材67が動作変化されて入賞領域68を開放する。これにより多くの遊技球が容易に入賞領域68に入り、セーフ球としてカウントスイッチ69およびVスイッチ70で検出されて裏側に通出される。
【0096】
なお、この電動入賞装置Nでは毎回の開成作動において、ソレノイド66の通電可動時間とセーフ球のカウント個数との制限条件が付加され、この条件の何れか早く到達した時点で当該回の開成作動が終了される。また当該回の開成状態において、セーフ球の1球がVスイッチ70で検出されることにより次回の開成作動の継続条件が成立され、このもとで最高16回までの開成作動が可能とされて作動が終了とされる。ちなみに前記2個の始動入賞具64は、入賞装置Nの左右両側に配設されている。
【0097】
また図39に全体が例示されるスロットマシンKでは、図柄用の表示窓72と入賞ライL等を形成した表示透視板71の裏側に、前述した形式の図柄可変表示装置Mが設置される。そして投入口73から所要枚数のコインを投入したもとで、操作ハンドル74を操作することにより前述のような図柄変動制御が開始され、各々の停止ボタン75を操作することにより各列の図柄が停止される。この結果入賞ラインL上に当りの図柄組合わせが表示されると、これに基いて入賞状態が成立されて所定枚数の褒賞用コインが獲得可能とされる。
【0098】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係る回転式図柄可変表示装置用の情報コード化式回転図柄表示体によれば、該表示体を構成する図柄表示部材に形成される多種複数の全ての図柄に係る必要な記録情報内容を有する情報コードは、視認容易に識別区分することができるので、その形成具合いやモジュール等の良否、更には互いの識別区分や整合性の適否等について、特別で高価な機器を一切不要として点検者自身の視覚を通じて手早く容易に確認できる。また、情報コードを光学的検出判読手段により直接検出判読し得るため、図柄表示部材の移動中に、万一ずれ(滑り)やノイズによる電圧降下等が生じたとしても、情報コードの直接検出判読に基いて回転体を停止して図柄を精確に検出表示することが可能である。更に、情報コードの検出判読手段として安価で簡単な構成のものを使用し得る。
【0099】
また、本願の回転表示体を図柄可変表示装置に使用することにより、検出判読の信頼性、構成、使用寿命、価格、取扱い管理等の条件を満足して好適に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図柄表示帯の表刷り例を示す斜視図である。
【図2】図柄表示帯の表刷り例を示す説明図である。
【図3】図柄表示帯の裏刷り例を示す斜視図である。
【図4】図柄表示帯の裏刷り例を示す説明図である。
【図5】図柄表示帯の両刷り例を示す説明図である。
【図6】図柄表示帯の別の両刷り例を示す斜視図である。
【図7】第1種別の図柄表示帯を例示する説明図である。
【図8】第1種別の表示帯の一部を拡大例示する説明図である。
【図9】第2種別の図柄表示帯を例示する説明図である。
【図10】第2種別の表示帯の一部を拡大例示する説明図である。
【図11】第3種別の図柄表示帯を例示する説明図である。
【図12】第3種別の表示帯の一部を拡大例示する説明図である。
【図13】第4種別の図柄表示帯を例示する説明図である。
【図14】第4種別の表示帯の一部を拡大例示する説明図である。
【図15】第5種別の図柄表示帯を例示する説明図である。
【図16】第5種別の表示帯の一部を拡大例示する説明図である。
【図17】図柄表示帯の情報コードの検出と図柄の停止との第1の関係を例示する説明図である。
【図18】図柄表示帯の情報コードの検出と図柄の停止との第2の関係を例示する説明図である。
【図19】図柄表示帯の情報コードの検出と図柄の停止との第3の関係を例示する説明図である。
【図20】図柄表示帯を図柄ベルト用に形成する例を示す斜視図である。
【図21】図柄ベルト形式の図柄表示ユニットを分解して例示する斜視図である。
【図22】図柄ベルト形式の図柄表示ユニットを例示する正断面図である。
【図23】図柄ベルト形式の図柄表示ユニットを例示する側面図である。
【図24】図柄表示帯を図柄ドラム用に形成する例を示す斜視図である。
【図25】図柄ドラム形式の図柄表示ユニットを例示する斜視図である。
【図26】図柄ドラム形式の図柄表示ユニットを一部破断した正面図である。
【図27】図柄ドラム形式の図柄表示ユニットを例示する側面図である。
【図28】図柄ベルト形式の図柄可変表示装置を示す正面図である。
【図29】図柄ベルト形式の図柄可変表示装置を示す側面図である。
【図30】図柄ベルト形式の図柄可変表示装置を示す平断面図である。
【図31】図柄可変表示装置の制御系統を略示するブロック図である。
【図32】図柄可変表示装置の図柄変動制御態様(電源投入時)のフローチャート図である。
【図33】図柄可変表示装置の図柄変動制御態様(始動入力時)のフローチャート図である。
【図34】図柄可変表示装置の図柄変動状態例を示すタイムチャート図である。
【図35】図柄ドラム形式の図柄可変表示装置を示す正面図である。
【図36】図柄ドラム形式の図柄可変表示装置を示す側面図である。
【図37】図柄ドラム形式の図柄可変表示装置を示す平断面図である。
【図38】パチンコ遊技機を示す正面図である。
【図39】スロットマシンを示す正面図である。
【符号の説明】
1 図柄
2 情報コード
4 検出判読手段
14 モータ
16 駆動プーリ
18 従動プーリ
21 リング体
28 モータ
B 図柄ベルト
D 図柄ドラム
M 図柄可変表示装置
S 図柄表示帯
【産業上の利用分野】
この発明は、回転式図柄可変表示装置用の情報コード化式回転図柄表示体に関し、更に詳しくは、パチンコ球やコイン等を利用した変動制御条件に基いて図柄変動組合わせゲームを展開して、予め設定された図柄同志の組合わせ条件の成立時に遊技者の有利とされる特別遊技状態や、入賞成立状態を呈することのできる回転形式の図柄可変表示装置における図柄表示部材として使用される情報コード化式の回転図柄表示体に関するものである。
【0002】
【従来技術】
図柄組合わせ式遊技機の代表例として従来から知られている第1種(フィーバタイプ)のパチンコ機やスロットマシンにおいては、図柄変動組合わせゲームを展開して特別遊技状態や入賞成立状態に係る図柄を組合わせ成立表示することのできる図柄手段として、一般に回転表示形態の図柄可変表示装置が採用されている。この装置ではその基本的な型式(形態)としては、モータ(ステッピングモータまたはパルスモータ)および駆動制御回路等を含む回転駆動制御手段と、ベルト形態またはドラム形態の回転図柄表示体と、各図柄の停止表示用位置決め基準とされる位置決め検出手段を含めて、1基毎の図柄表示ユニットに構成される。そしてこの図柄表示ユニットが、例えば1つの箱枠体内に複数基(通常では左列、中列、右列の3基)を組単位にして、縦列セットされて1つのユニット化表示装置とされている。
【0003】
前記図柄可変表示装置は、毎回の図柄組合わせゲームに係る基本的な図柄変動制御態様として、(a)前記パチンコ機では、遊技領域内に打出された遊技球の入賞検出時に基く始動条件と、電気的制御回路装置側から適時自動的に発信される停止信号または遊技者のストップ操作時に基いて発信される停止信号の何れかに基く停止条件において、各図柄表示ユニット毎におけるモータと共に回転図柄表示体(図柄ドラムまたは図柄ベルト)が、設定条件に基いて順次変動(回転)開始されて適時停止される。また(b)前記スロットマシンでは、コイン投入後の遊技者のスタート操作時に基く始動条件と、電気的制御回路装置側から適時自動的に発信される停止信号または遊技者のストップ操作時に発信される停止信号の何れかに基く停止条件において、各図柄表示ユニット毎におけるモータと共に回転図柄表示体(図柄ドラムまたは図柄ベルト)が、設定条件に基いて順次変動(回転)開始されて適時停止される。
【0004】
そして図柄組合わせライン(入賞ラインとも言う)上に停止表示された各列の図柄同志の出揃い結果において、個々の位置決め検出手段による図柄検出判別情報に基いて予め設定された組合わせ図柄(当り図柄)との対比検出判定に従って、「当りまたは外れ」が判定制御される。そうして当り図柄の組合わせ成立時に、前述した特別遊技状態または入賞成立状態に係る権利が発生されるようになっている。
【0005】
前記回転図柄表示体については、リング体の外周裏面に図柄を直接印刷した図柄ドラムやシート状の図柄表示帯を周回装着した図柄ドラムまたは無端状母材の外周面にシート状の図柄表示体を装着した図柄ベルトのタイプがある。またこれらの回転図柄表示体における図柄については、一般に色彩区分された視認識別容易な数字、アルファベット文字、その他の絵や図形等を含む複数種類のマークが識別用情報として採用され、これらが当り用、外れ用に適宜区分設定されたもとで、所要とする複数コマ分において適宜順序で配置されている。何れのタイプの回転図柄表示体にあっても、前述した位置決め検出手段については、全図柄の内から基準位置として予め設定された1つの所定位置の図柄に対して、光学的センサにより読取られる1つのインデックスが設置されている。
【0006】
そしてこの従来の図柄可変表示装置において、前述した1基の位置決め検出手段を基準設定した回転図柄表示体の一般的な変動制御状態については、ソフトプログラム上の設定処理条件として予め夫々のモータ制御パルスの設定に基いて、基準位置の図柄からみて全ての図柄に対して図番記録情報としてのカウンタ値「0,・・・N」が設定されているもとで、各列の回転図柄表示体の1回転毎に位置決め検出手段が基準図柄を検出した時点のカウンタ値「0」を基準にして、停止すべき対象の図柄位置に係るカウンタ値分に応答するパルス数を出力制御して、モータと共に回転図柄表示体を停止し、所定の図柄をライン上に停止表示させるようにした制御表示内容とされている。
【0007】
しかしこのような図柄可変表示装置の図柄変動停止制御態様では、各列の回転図柄表示体の1回転毎において位置決め検出手段で実際に検出された基準図柄からみて、停止される図柄が直接検出停止される訳ではなく、あくまでもパルスカウント設定制御による見込み(見做し)条件で停止されることになっている。このため回転図柄表示体の回転速度(周速度)や慣性力、あるいは滑りや伸び等に起因して全ての図柄の正確な検出停止が難しい状況にある。従って、特に長尺の図柄ベルトや大径の図柄ドラムの場合には、それだけ慣性力や伸び等が大きくなる上、図柄のコマ数が多くなることに伴ない、各図柄分に係るカウンタ値(図番)およびパルスの設定条件も多くなるだけに、厳正な検出停止が極めて難しくなり、主としてカウンタ値(図番)が大きくなる位置の図柄の停止に比較的誤差を生じ易い問題がある。
【0008】
そこで近年においては、前述した回転図柄表示体における位置決め検出手段の基準図柄検出に基く図柄見込み停止制御に係る技術とは全く別に、全ての図柄に個々の判別情報を設定した検出判別情報媒体(地番記録)を付し、これを利用して各々の図柄を直接的に検出して停止制御し得るようにする技術として、特開平3−247369号(特願平2−46480号)公報に開示されるような「ゲーム機用無端フィルムベルトの絵柄検出方式」に係る発明が出願されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述した先行発明に係る「絵柄検出方式」では、要約すると各々の表示位置での停止を可能にした多数の透光性絵柄を一定ピッチで設けて無端状に形成され、パルスモータにより回転されるフィルムベルトにあって、(a)磁気信号記録方式、すなわち室温で硬化する接着剤を適当量混合した磁性粉により、縦縞状の磁気コーチングを施し、この磁気コーチングに絵柄毎の地番を記録した磁気信号ストライプを設けて、専用の磁気検出センサで読取り判別する方式、および(b)色調記録方式、すなわち夫々の絵柄に使用する色調若しくは該色調の混合色により多数の絵柄毎の地番を記録した色調信号を発し得る色調信号ストライプを設けて、これを光学色調検出センサで読取り判別する方式が提案されている。そしてこれらの方式において、各絵柄に対応する地番を当該センサで検出したことの信号によりモータを停止させるようにして、常にモータで駆動されるフィルムベルトの停止を絵柄毎の地番記録の検出信号によりリアルタイムで行ない、各絵柄を停止表示させる絵柄検出内容が開示されている。
【0010】
前記(a)項の「磁気記録方式」では、(イ)フィルムベルトに施された全ての磁気信号ストライプが視認できないことから、全ての絵柄とストライプに定められた地番記録情報内容との整合性につき、製作されたフィルムベルトの1本毎について、専用の読取り判別装置等にかけて全てのストライプの情報内容を1つずつチェックして、対象の絵柄との整合性を確認しなければならない。このため、図柄ベルトとされるフィルムベルト自体の生産性が低下しコスト高になり、加えて専用読取り判別装置等を含む高価な関連設備が必要不可欠となる。
【0011】
また、(ロ)磁気コーチングおよび磁気信号ストライプについては、その磁性粉(例えば鉄粉)が特に湿気に弱く錆を生じ易いため、地番記録情報内容の早期劣化(機能低下)を招き易くなり、フィルムベルト自体が情報の読取り判別不能なものとなって、その使用寿命が短かくなってしまう。また磁気帯び部分同志が互いに接触状態にある場合には、磁性粉の欠落や磁気消耗を生じ易い欠点がある。しかもフィルムベルトの連続回転中にあっては、読取り判別装置(磁気ヘッド)を通過する磁気信号ストライプの早期摩耗を生じ易く、また同判別装置においては、磁性粉の汚れ(酸化鉄)の付着による判別性能の低下を招き易い。このためフィルムベルトの早期交換、判別装置の早期点検、掃除が必要となり、その管理維持が面倒となる。その上、読取り判別装置には、汚れ防止、磁化防止、摩耗防止等に係る付帯設備が必要となり、全体が大型化すると共に高価となってしまう。
【0012】
前記(b)項の「色調検出方式」にあっては、フィルムベルトに印刷された絵柄の地番記録情報内容をもつ全ての色調信号ストライプにおける色彩、色調を、フィルムベルトの連続回転中において高速判読して最終的にコード信号に変換する光学色調検出センサは、極めて複雑で高価となる。また、光学色調検出センサにより各ストライプを精度良く検出判読するために、各ストライプを所望の色彩、色調、混合色に印刷するのは極めて煩雑でコストが嵩む欠点がある。更に、フィルムベルトの長尺化、絵柄の種類およびコマ数の増加等に伴ない、各絵柄に対応するストライプの色彩、色調の種類、条件が多くなればそれだけセンサの精度、性能が高いものが要求され、この結果極めて高価なものになってしまう。
【0013】
そこで、低価格の光学色調検出センサを使用するために各絵柄に対する夫々のストライプの色彩を制限すると、これに関連してフィルムベルトの全絵柄では、限られた色彩種類が制約されて色彩豊か(カラフル)な図柄には形成できなくなる。このためベルト全体にあっては、色彩、種類、コマ数の少ない絵柄を施した程度の見栄えの低い図柄ベルトにされてしまい、装飾効果をも企図するグレードの高いベルトとして実施できなくなる。
【0014】
すなわち、先行発明に係る「ゲーム機用無端ベルトの絵柄検出方式」では、開示された「磁気検出方式」、「色調検出方式」の何れの技術にあっても、夫々の方式で実施されるフィルムベルトを、現存する図柄組合わせ遊技機における回転表示形態の図柄可変表示装置に使用しようとした場合、具体的には、判読能力、精度の信頼性、構成、使用寿命、価格、取扱い管理等の多面に亘り、多くの問題が生起すると共に派生することが危惧され、好適な実用化には未だ多面に亘る検討、改良を加えなければならず、現時点においては技術提案だけに止まり、具体的な実施には至っていないのが現状である。
【0015】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するべく提案されたものであって、多種複数の全ての図柄に係る必要な記録情報内容を視認容易に識別区分して、光学的検出判読手段で即時精確に判読される情報コードを形成して、変動中において停止すべき対象の図柄を検出判読手段による情報コードの直接検出判読に基いて正確に検出停止表示し得るようにした情報コード化式の回転図柄表示体を提供し、この回転図柄表示体ひいては同表示体を備えた図柄可変表示装置を、検出判読の信頼性、構成、使用寿命、価格、取扱い管理等の条件を満足して好適に実施し得るようにすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため本発明は、回転式図柄可変表示装置に使用可能とされる回転図柄表示体であって、
駆動モータのパルス出力駆動に基いて回転停止制御され、外周平滑に仕上げた滑止め部材を外周に密着結合した駆動プーリと、該プーリに対して所定軸心間位置に保持され、外周平滑に仕上げた滑止め部材を外周に密着結合した従動プーリと、光透過性の2枚のフィルムをラミネートすると共に、両プーリの外周間に掛装されて所定検出部位に設置された適宜光学的な検出判読手段で検出されるコード付きの図柄表示部材とを有し、
前記コード付きの図柄表示部材における前記両フィルムの接合面に複種類複数コマ分の図柄を所要の間隔順序に形成配置する一方、各種の図柄に係る位置と種類の情報内容毎に合わせた複種類、複通りの設定パターンに基づいて形成したコードエレメントを用いて識別コード化区分されて前記検出判読手段により検出判読される情報コードを形成して全ての図柄の1コマ分ずつに対応する所要部位に配置し、
前記図柄表示部材の移動中において、前記検出判読手段により情報コードを検出開始した時点から検出終了した時点での1コードエレメント単位の読取り検出変化に基いて情報コードの情報内容を判読し、1コードエレメント単位の情報コードを検出終了していない状況では、更にパルス出力して図柄表示部材を移動させてずれ分の誤差を修正して、1コードエレメント単位の情報コードを検出終了した時点で情報内容が判読されて図柄が区分検出された後に、前記駆動モータと共にプーリが停止されて、検出された情報コードに対応する図柄を停止表示するよう設定したことを特徴とする。
【0017】
【作用】
回転体の外周に装着された図柄表示部材は、駆動モータのパルス出力駆動に基いて回転体を回転することにより移動する。図柄表示部材に形成された各図柄と対応する部位に配置された情報コードは、光学的な検出判読手段により直接検出判読される。図柄表示部材の移動中において、停止すべき対象の図柄と対応する情報コードが検出判読手段により検出された後に、前記駆動モータと共に回転体が停止されて、検出された情報コードに対応する図柄が停止表示される。
【0018】
【実施例】
次に、本発明に係る回転式図柄可変表示装置用の情報コード化式回転図柄表示体について、好適な実施例を挙げて添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。但し、回転図柄表示体の具体的な実施例としては、図38に略示する後述の図柄組合わせ式パチンコ機P(パチンコ球を利用して図柄組合わせゲームを展開できる遊技機)の主たる例にあって、遊技盤61に装備される後述の回転式図柄可変表示装置Mの型式に合わせて選定使用される図21〜図23のベルト形態と、図25〜図27のドラム形態とが提案される。そしてこれら何れの形態の回転図柄表示体にあっても、主体となる図柄表示部材として後述するような合成樹脂製シート状の情報コード化式の図柄表示帯Sが所定サイズにして使用される。
【0019】
そこで各形態の回転図柄表示体の説明に先立ち、夫々の表示体に好適に使用さる前述の情報コード化式の図柄表示帯Sについて説明する。この図柄表示帯Sは、後述する各図に例示した何れの種別にあっても、図柄条件として当り用、外れ用を含む図柄(便宜上アルファベット文字を略示する)が、種類別、表示コマ数(便宜上図柄番号1〜16まで)、配置間隔を同一に設定して所定順序で配列された例とし、そして図示できないが多数種の色彩を持つカラフルな見栄えのよい図柄に印刷形成されている。このような図柄条件にあって、全ての図柄1に対して個々に付された図柄用コード化記録情報媒体として、後述する光学的情報検出判読手段(単に検出判読手段ともいう)4の性能・形態やソフトプログラム処理に適応し得る視認識別区分および整合性確認の容易な所要の情報コード(キャラクターコードまたはシンボルコードとも別称される)2が採用され、この情報コード2が夫々の図柄1の位置、種類等の情報内容に合わせた複種類、複通りの設定パターン(設定モジュールともいう)に基いてマーキング印刷形成されたものが例とされている。なお情報コード2については、一般的に行なわれている蒸着法(液状接着剤混合インクを気化させて母材に接着する方法)により形成することも可能である。
【0020】
そしてこのような図柄表示帯Sは、具体的には抗張力の高く、伸縮変化の小さい2枚同質の透明極薄フィルム材(例えばポリエステル、肉厚25〜40μ)を使用し、光検出による場合を前提考慮して別途新たに開発された印刷ラミネート方式の表刷り、裏刷りに基いて作製されたものが主たる例とされる。
【0021】
すなわち、〔a〕図1および図2(a),(b)に示す表刷り方式による場合では、先ず印刷工程部において、一方のフィルム材fの片面(図示上面)に、全ての図柄1に対応する設定モジュールの情報コード2におけるコードエレメント2aが低明度色素の光非反射色(例えば「黒色」)でマーキング印刷されると共に、このコードエレメント2aの上から所要面域(図示全面)に亘って図柄1との仕切膜とされる下地3が高明度色素の光反射色(例えば「白色」)で印刷され、最終的にはこの下地3面の上から全ての図柄1が、当該の情報コード2に対して半ピッチ変位または同一の各位置条件でカラー印刷されることにより、図柄フィルムが作製される。そして続くラミネート工程部において、この図柄フィルムに対して保護膜用とされる他方のフィルム材fが図柄1の印刷面側に用意されて、共に移送される間に両フィルムf,fが互いに重ね合わせ接着されて2層1枚化の図柄表示版とされる。
【0022】
また、〔b〕図3および図4(a),(b)に示す裏刷り方式による場合では、印刷工程部において、一方のフィルム材fの片面(図示下面)に全ての図柄1がカラー印刷され、次いで全図柄1の下面に対する所要面域(図示全面)に亘って仕切膜用の下地3が前述方式と同様に印刷された後、最終的にこの下地3の下面に全図柄に対応する設定モジュールの情報コード2におけるコードエレメント2aが前述方式と同様に印刷されることにより、図柄フィルムが作製される。そして続くラミネート工程部において、この図柄フィルムに対して保護膜用の他方のフィルム材fが、コードエレメント2aの印刷面側に用意されて、共に移送される間に両フィルムf,fが互いに重ね合わせ接着されて2層1枚化の図柄表示版とされる。
【0023】
そして何れの方式による図柄表示版についても、最終の切断工程部において、所要サイズに切断されて肉厚60〜90μ位の1枚の図柄表示帯Sとして成形される。
【0024】
このように作製(成形)された図柄表示帯Sでは、その肉厚内部(両フィルム材の接合面)に位置する全ての図柄1および情報コード2が、夫々の透明フィルム材f,fの外面からはっきり視認できるので、夫々の印刷具合いやモジュール(各コードエレメント2aの位置、間隔等)等の良否、更には互いの識別区分や整合性の適否等について、特別な機器を一切不要として点検者自身の視覚を通じて手早く容易に確認できる。しかも全ての図柄1および情報コード2は、夫々のフィルム材f,fで被覆保護されているので、図柄表示帯Sの取扱い、使用中において剥がれたり欠落するようなことが一切回避される。また図柄表示帯Sが図柄ベルトとして使用されてプーリに沿って回動移行する過程で肉厚中心の下半分側に圧縮を、上半分側に引張を受けることにおいて、肉厚中心に位置している図柄1および情報コード2は、圧縮力および引張力の影響を受けず、ひび割れ等を生ずることもない。
【0025】
なお、前述した図柄表示帯Sのラミネート方式の作製例の応用として、図5に示す如く、先ず印刷工程部において、一方のフィルム材fの片面(図示下面)に全ての図柄1をカラー印刷すると共に、他方フィルム材fの片面(図示上面)に全図柄に対応する設定モジュールの情報コード2におけるコードエレメント2aを前述方式と同様に印刷する。そして続くラミネート工程部において、一方のフィルムfにおける図柄1の印刷面と他方のフィルムfにおける情報コード2の印刷面とを対向させると共に、両フィルムf,fの間に仕切膜としての下地3を用意し、共に移送される間に両フィルムf,fを下地3を介在した状態で互いに重ね合わせ接着することにより2層1枚化の図柄表示版を作製することも可能である。
【0026】
また図柄表示帯Sの他の作製(成形)例として、前述した印刷ラミネート方式の場合と基本的には同様な例に基いて、図6に例示するように、前述の下地3に代わる高明度色系の光反射色(例えば白色)を持つ極薄合成樹脂製の帯状フィルム材f'の片面に全ての図柄1を印刷形成する一方、この帯状フィルム材f'にラミネートされる帯状透明フィルム材fの片面に前述の情報コード2を印刷形成する。そして双方のフィルム材f',fを、図柄1の反対面に情報コード2を合わせた向きで互いに重ね合わせ接合して2層1枚化の図柄表示版とし、これを所要サイズに切断成形されたタイプのものも好適に使用できる。
【0027】
ここで前述のように作製された図柄表示帯Sに係る設定事項、条件等について付記すると、これらの表示帯Sは何れの情報コード2を作成したタイプについても、後述するベルト形態、ドラム形態の回転図柄表示体として実施される前提にあって、使用するプーリまたはリング体の円周長および軸心間距離に対応する有効長さに設定されて、全ての図柄分(16コマ)の割出しがなされる。この割出しについては、一例として回転図柄表示体の円周長(直径×円周率π)において、駆動源とされるモータ(直流モータ、ステッピングモータ、パルスモータ等の何れも使用可能)のパルス駆動制御に基き、その1パルス(1ステップ角)単位に対する1変位量を小数点以下まで細かく算出したもとで、この1変位量の整数倍分の長さ単位に基いて、1コマ分毎のサイズが適宜設定されると共に、全コマ数のピッチ間隔が割出される。ちなみに各図柄1の基準線(1点鎖線)を1コマサイズの中心(1/2)位置とする場合には、各コマが1変位量の偶数分単位のサイズとされる。また、小数点以下の端数分を含めた必要長さ分を接続代として利用してもよい。
【0028】
また、前述のように設定された各コマ毎の図柄1に対する情報コード2については、図柄の停止表示位置の基準目安とされる入賞ラインLに対する検出判読手段4の検出位置が前述の1パルス1変位量条件に基いて適宜設定されるもとで、情報コードの直接検出により対応図柄が直接停止表示されることの前提にあって、大別的にみた場合、各図柄1の中心線(1点鎖線)位置と、区画線(実線)位置とを夫々の基準に定めて(図2(a),(b)および図4(a),(b)参照)、その前後に亘る所要の変位量単位分の範囲(領域)内に作成することが基本例とされる。なおこの基本例以外として、夫々の情報コード2は当該の図柄番号位置に対して所要コマ数分の間隔を置いた別異位置、所定角度間隔を置いた角度変位位置、順序不同位置等を含む所要の関係対応位置に印刷作成することも可能とされる。
【0029】
一方前述の検出判読手段4については、後述する制御回路装置E(図31参照)側に接続される検出基盤5上において、発光部と受光部とを有する反射形式の光学センサ6が夫々の種別の図柄表示帯Sの情報コード2の内容に適合する個数で配設されている。そして夫々の光学センサ6において、情報コード2(前記コードエレメント2a)に対する光照射時に検出、前記下地3に対する光反射時に非検出の条件とされるように設定された例とする(図1および図3参照)。
【0030】
ここで前述のように構成された情報コード化式の図柄表示帯Sについて、その情報コードの作成内容別に区分して図7〜図16に例示した夫々の種別例毎に順次説明する。なお各図の図柄表示帯Sについて、全長に亘り下から順に付された数字「1〜16」は、図柄の位置、種類(A〜P)を示す図柄番号とされる。一方各図柄番号位置を通る幅方向に付された1点鎖線は、当該コマ分毎の図柄中心、言換えると後述する入賞ラインL上に停止表示される図柄の中心線とする。また各図柄番号位置の間を通る幅方向に付された実線は、図柄1コマ分ずつのサイズ(長さ)を区分する区画線とする。そして夫々の図柄番号「16」のコマ外の最終端部分は、各表示帯Sが無端状にされる場合の接続代として示し、図柄番号「1」のコマの始端部に重ね合わせ接着が可能とされる。
【0031】
【第1種別の図柄表示帯について】
図7(a),(b)および図8に例示する図柄表示帯Sについては、コード検出用の5個の光学センサ6を配置した前記検出判読手段4により、全ての図柄に対する情報コードが1コマ単位毎に読取り検出されるタイプのものとされている。すなわち図示のように表示帯Sの全長に亘り幅方向に5等分した各列毎において、全ての図柄1に対する所定位置に一定のサイズのコードエレメント2aが等間隔基準で適数個配置されている。このもとで夫々の図柄1の1コマ単位毎にあって、各列間(図示右列から左列の順)に亘るコードエレメント2aの配置条件(最少1個〜最多4個まで)に従って設定されたモジュールにより、当該の1コマ分毎の情報(図番位置種類)を識別区分した夫々の単位毎の情報コード2が作成されている。
【0032】
そしてこの図柄表示帯Sの実施にあたっては、全ての情報コード2が検出判読手段4で読取り検出されてソフトプログラム処理されることの前提にあって、1コマ分ずつの図柄1に係る各単位毎の情報コード2において、5個(5列)の光学センサ6による各コードエレメント2aの検出有無により、言換えるとエレメント2aに対する光照射時と、下地3に対する光反射時との光検出条件区分に基いて、1つのコード信号を「1または0」に処理変換し終えた結果において、夫々の情報コード2単位の情報内容(コード信号)が判読されると共に、各単位の情報信号と各番号位置の図柄1に設定された図番カウンタ値とが変換される。このような処理設定条件にあって、各列の光学センサ6により1コードエレメント単位の読取り検出変化により、全ての情報コード2の情報内容が判読され、夫々の図柄1が正確に検出区分される。
【0033】
コードエレメントに対する光照射時 1
下地に対する光反射時 0
【0034】
なおこの図柄表示帯Sにおける全ての情報コード1については、前述した図2(a)および図4(a)に略示した作成方式に基いて作成された場合を例示する。そして夫々のコードエレメント2a,2aが図柄1同志の区画線(実線)位置を基準にして表示帯Sの長手方向(移動方向)へ所定長さ分、つまりモータの駆動パルス出力数に関係する表示帯S自体の変移量(1パルス1変移単位)を考慮し、光学センサ6のスキャニング性能に充分対応し得る条件で設定された一定長さ分に作成されている。
【0035】
ちなみに全ての情報コード2の情報内容に係るコード信号の例として、図7(b)中に付記する。またこの種図柄表示帯Sにおける各番号位置の図柄1およびカウンタ値と、夫々の情報コード2に係るコード信号との相応関係を要約して表1に例記する。但し夫々の情報コード2に係るコード信号については、図中右列から左列の順にみて検出判読手段4による各列のコードエレメント2aの検出時を「1」、非検出時を「0」としたもとで、図柄番号「1」に対する情報コードのコード信号が「1,0,0,0,0」とされた例を基準にみて、図柄番号「2〜16」に係るコード信号を表記した例とする。
【0036】
【第2種別の図柄表示帯について】
図9(a),(b)および図10に例示する図柄表示帯Sについては、図柄マーク検出用の第1光学センサ6Aと情報コード検出用の第2光学センサ6Bを配置した検出判読手段4により、全ての図柄の検出確認に基いて情報コードが1コマ単位毎に読取り検出されるタイプのものとされている。すなわち図示のように表示帯Sの左列側において、全ての図柄1の対応位置に第1光学センサ6Aで検出される1本ずつの帯状エレメントにより構成された図柄用のマーキングコード7が一定等間隔で配置されている一方、右列側において図柄番号「1」を除いた各コマ分の図柄1の対応位置に、第2光学センサ6Bで検出される適数個のコードエレメント2aが等間隔基準で各位置毎に配置されている。そして当該1個のマーキングコード7範囲内におけるコードエレメント2aの配置条件(最少0個〜最多4個)による設定モジュールにより、1コマ分毎の図柄1を識別区分した夫々の単位毎の情報コード2が作成されている。なおマーキングコード7および情報コード2は、表示帯Sの全長に亘る側部に形成するようにしてよい。
【0037】
但し全ての図柄1に対応する情報にあっては、情報読取り検出の適正化を図る対策として、図10に詳細に示すように、夫々のマーキングコード7が情報コード2の作成領域(コードエレメント2aの配置領域)よりも適宜長い帯状とされて、その両端、つまり図柄表示帯Sの移動方向に対する始端部と終端部とが最初位置、最終位置の各コードエレメント2aよりも夫々延出変位されて、検出開始マーク部7aと検出終了マーク部7bとされている。これにより夫々の情報コード2の読取り検出時において、常に第1光学センサ6Aがマーキングコード7を先行検出して図柄位置確認をなすと共に、検出開始準備条件を発することになり、このもとで同センサ6Aによるマーキングコード7の検出開始および検出終了の条件内において、第2光学センサ6Bが情報コード2のコードエレメント2aを1つずつ正確に検出してその検出不良等を未然に回避し得るようになっている。
【0038】
そしてこの図柄表示帯Sの実施にあたっては、前述した種別の場合と同様なソフトプログラム判読処理において、第1光学センサ6Aにより各コマ毎の図柄用マーキングコード7の検出有無に応答するコード信号「1または0」の処理を前提として、第2光学センサ6Bによる各単位毎の情報コード2のエレメント2aの検出有無に応答するコード信号「1または0」の処理がなされた結果において、夫々の情報コード2情報内容の判読、そして各単位の情報信号と図番カウンタ値との変換とを含む処理がなされる。このような処理設定条件にあって、常に第1光学センサ6Aによるマーキングコード7の検出条件(コード信号「1」)のもとで、第2光学センサ6Bによる1コードエレメント単位の読取り検出変化に基いて、全ての情報コード2の情報内容が判読されて、夫々の図柄1が正確に検出される。
【0039】
なお、この図柄表示帯Sにおける全ての情報コード2については、前述した図2(a)および図4(a)に略示した作成方式に基いて作成された場合を例示し、夫々のコードエレメント2a,2aが、図柄1同志の区画線(実線)位置を基準にして表示帯Sの移動方向に亘ってモータの駆動パルス出力数に関係する表示帯S自体の変移量(1パルス1変移量)を考慮し、第2光学センサ6Bのスキャニング性能に対応して設定された一定ピッチ長さ毎に作成する。
【0040】
ちなみに全てのマーキングコード7と情報コード2の情報内容に係るコード信号の例として、図9(b)中に付記する。またこの種図柄表示帯Sにおける各番号位置の図柄1およびカウンタ値と、夫々のマーキングコード7および情報コード2に係るコード信号との相応関係を要約して表1に例記する。但し夫々のマーキングコード7の信号が常に「1」とされ、情報コード2に係るコード信号については、表示帯Sの移動方向に対して図中下から上の順にみて、検出判読手段4による各コードエレメント2aの検出時を「1」、非検出時を「0」としたもとで、図柄番号「1」に対する情報コードのコード信号が「0,0,0,0」とされた例を基準にみて、図柄番号「2〜16」に係るコード信号を表記した例とする。
【0041】
【第3種別の図柄表示帯について】
図11(a),(b)および図12に例示する図柄表示帯Sについては、前述した第2種別と同様な技術趣旨に基く応用例として、前述の第1および第2光学センサ6A,6Bを配置した検出判読手段4により、全ての図柄の検出確認に基いて情報コードが1コマ単位毎に読取り検出されるタイプのものとされている。すなわち図示のように表示帯Sの左列側において、全ての図柄1の対応位置に、第1光学センサ6Aで検出される4個ずつのマークエレメント7cより構成されたマーキングコード7が一定等間隔で配置されている一方、右列側において、図柄番号「1」を除いた各コマ分の図柄1の対応位置に、第2光学センサ6Bで検出される適数個のコードエレメント2aが等間隔基準で配置されている。そして、1単位毎のマーキングコード7範囲内におけるコードエレメント2aの配置条件(最少0個〜最多4個)による設定モジュールにより、1コマ分毎の図柄1に対する各単位の情報コード2が作成されている。なおマーキングコード7および情報コード2は、表示帯Sの全長に亘る側部に形成するようにしてよい。
【0042】
但し、全ての図柄1に対応する情報にあっては、情報読取り検出の適正化対策として、図12に詳細に示すように、各単位毎のマーキングコード7の最初位置のマークエレメント7cが、情報コード2の作成領域内の最初位置のコードエレメント2aに対して、1エレメントの半ピッチ分前側に変位されており、この変位分が検出開始マーク部7aとされている。これにより夫々の情報コード2の読取り検出時において、常に第1光学センサ6Aがマーキングコード7を先行検出して図柄位置確認をなすと共に検出開始準備条件を発するもとで、同センサ6Aによるマーキングコード7の検出条件内において、第2光学センサ6Bがコードエレメント2aを1つずつ正確に検出して情報コード2を読取り得、その検出不良等を未然に回避し得るようになっている。
【0043】
そしてこの図柄表示帯Sの実施にあたっては、前述した種別の場合と同様なソフトプログラム判読処理において、第1光学センサ6Aによる各コマ毎の図柄用マーキングコード7のエレメント7cの検出有無に応答するコード信号「1または0」の処理を前提として、第2光学センサ6Bによる各単位毎に情報コード2のエレメント2aの検出有無に応答するコード信号「1または0」の処理がなされた結果において、夫々の情報コード2の情報内容の判読、そして各単位の情報信号と図番カウンタ値との変換とを含む処理がなされる。このような処理設定条件にあって、常に第1光学センサ6Aによるマーキングコード7の検出条件(コード信号「1」)のもとで、第2光学センサ6Bによる1コードエレメント単位の読取り検出変化に基いて、全ての情報コード2の情報内容が判読されて夫々の図柄1が正確に検出される。
【0044】
なお、この図柄表示帯Sの情報コード2は、前述した第2種別の場合と同様に作成されている。また夫々のコード7,2に係るコード信号については、図11(b)中に付記し、表1に例記するように第2種別の場合と同様に設定された例を示し、その詳細な説明は省略する。
【0045】
【第4種別の図柄表示帯について】
図13(a),(b)および図14に例示する図柄表示帯Sについては、情報コード検出用の1個の光学センサ6を有する検出判読手段4により、全ての図柄に対する情報コードが1コマ単位毎に読取り検出されるタイプのものとされている。すなわち図示のように表示帯Sの全長に亘る中央部において、全ての図柄1の対応位置に、第1光学センサ6で検出されるコードエレメントとして、幅方向に帯状を呈する太い第1エメント2bと、幅方向に線状を呈する細い第2エレメント2cとが、等間隔基準で互いに異なる位置毎に配置されている。そして夫々の図柄1の1コマ単位毎にあって、夫々のコードエレメントの配置条件(第1エレメント2bが1〜4本、第2エレメント2cが1〜4本、の範囲で、双方合わせて5本)に従って設定されたモジュールにより、1コマ分毎の図柄1の情報を識別区分した夫々の単位毎の情報コード2が作成されている。なお情報コード2は、表示帯Sの全長に亘る側部に形成するようにしてよい。
【0046】
そしてこの図柄表示帯Sの実施にあたっては、前述の場合と同様なソフトプログラム判読処理にあって、1コマ分ずつの図柄1に係る各単位毎の情報コード2において、光学センサ6による第1エレメント2bと第2エレメント2cとの検出条件に応答するコード信号を「1または0」に処理変換し終えた結果に基いて、夫々の情報コード2の情報信号の判読処理、そして各単位の情報信号と図番カウンタ値との変換処理等を含む処理がなされる。そしてこのような処理設定条件にあって、光学センサ6による1エレメント単位の読取り検出変化に基いて、1コマ単位毎の情報コード2の情報内容が判読されて夫々の図柄1が正確に検出される。
【0047】
なおこの図柄表示帯Sにおける全ての情報コード2については、前述した図2(a)および図4(a)に略示した作成方式に基いて作成された場合を例示し、夫々のコードエレメント2b,2cが図柄1同志の区画線(実線)位置を基準にして、表示帯Sの移動方向に亘ってモータの駆動パルス出力数に関係する表示帯S自体の変移量(1パルス1変移量)を考慮し、光学センサ6のスキャニング性能に対応して設定された一定ピッチ間隔に作成されている。
【0048】
ちなみに全ての情報コード2の情報内容に係るコード信号の例として図13(b)中に付記する。また、この種別の図柄表示帯Sにおける各番号位置の図柄1およびカウンタ値と、夫々の情報コード2に係るコード信号との相応関係を要約して表1に例記する。但し夫々の情報コード2に係るコード信号については、表示帯Sの移動方向に対して図中下から上の順にみて、検出判読手段4による第1コードエレメント2bの検出時「1」、第2コードエレメント2cの検出時を「0」として夫々表記した例とする。なお前記下地3の部分においては、光学センサ6は無検出として設定されている。
【0049】
【第5種別の図柄表示帯について】
図15(a),(b)および図16に例示する図柄表示帯Sについては、一般に「グレーコード」と称されている情報処理技術を利用するタイプのものであって、コード検出用の4個の光学センサ6を配置した検出判読手段4の検出条件変化毎により、全ての図柄1に対する情報コード2が1コマ単位毎に読取り検出されるタイプのものとされている。すなわち、図示のように表示帯Sの全長に亘り幅方向に4等分した各列毎において、図示のように図柄番号「1」と「2」との間を除いた全ての図柄1を対象としてその所要コマ分に亘る所定位置に、一定幅で長さ、本数の異なるコードエレメント2dが適宜設定間隔で配列されている。このもとで夫々の図柄1の1コマ単位毎にあって、各列毎におけるコードエレメント2dの配列条件(図示右列から左列の順に1本、1本、2本、4本で最少0から最多4つまで)に従って設定されたモジュールにより、当該の図柄1コマ分毎の情報(図番位置、種類)を識別区分した夫々の単位毎の情報コード2が作成されている。
【0050】
但し、各列のコードエレメント2d,2dについては、各図柄1の中心線(1点鎖線)位置を基準にして、表示帯Sの1パルス単位変移量を考慮して設定された夫々の所定長さに作成されている。この例において、各列の光学センサ6が各列毎のコードエレメント2dの検出開始時と終了時との変化を読取り区分することに対応して、各列のコードエレメント2dの始端と、終端とが、表示帯Sの移動方向を基準にみて、各図柄の中心線位置に対して1パルス1変位量に基いて所定長さ分だけ延出した位置と、手前の位置とに設定されている。
【0051】
そしてこの図柄表示帯Sの実施にあたっては、設定されたソフトプログラム判読処理にあって、表示帯Sの連続移動過程における1コマ分ずつの図柄1に係る情報の読取りとして、4個の光学センサ6による各列毎のコードエレメント2dの検出変化時(検出の開始時と終了時)毎に、1列分ずつのコード信号が「1」または「0」の何れかに処理変換される条件において、夫々の図柄1に対応する情報コード2単位の情報内容(コード信号)が判読されると共に、各単位の情報信号と各番号位置の図柄1の図番カウンタ値とが変換される。このような処理設定条件にあって、各列の光学センサ6による1列単位のコードエレメント2dの読取り検出変化(コード信号「1」か「0」かの変化)に基いて、全ての情報コード2の情報内容が判読区分されて、夫々の図柄1が正確に検出される。
【0052】
ちなみに、全ての情報コード2の情報内容に係るコード信号の例として図15(b)中に付記する。また、この種別の図柄表示帯Sにおける各番号位置に図柄1およびカウンタ値と、夫々の情報コード2に係るコード信号との相応関係を要約して表1に例記する。但し夫々の情報コード2に係るコード信号については、図中右列から左列の順にみて、検出判読手段4による各列のコードエレメント2dの検出時を「1」、非検出時を「0」としたもとで、図柄番号「1」に対する情報コードのコード信号が「0,0,0,1」から「0,0,0,0」に変化された時点を検出時とされた例を基準にみて、図柄番号「2〜16」において、検出判読手段4による各列毎のコードエレメント2d,2dの検出変化条件(検出の開始と終了)に基いて、これに対応するコード信号が「1」か「0」かに1単位毎に変化する前提で表示した例とする。
【0053】
【表1】
【0054】
前述のように設定作製された夫々の種別の情報コード化式図柄表示帯Sにおいて、所要形態の回転図柄表示体で実施される場合を前提とした基本的な図柄検出停止表示、つまり情報コードの直接検出に基く対応図柄の直接停止に係る態様例については、要約して各図に例示する。すなわち入賞ラインL(図示矢印)に対する検出位置が前述した1パルス1変位量に基いて適宜設定されるもとで、(a)夫々の情報コード2が図柄1の区画線基準で作成された例では、入賞ラインLに対して検出判読手段4が、図17(a),(b)に略示する同一位置、または図19(a),(b)に略示する反対側の所定角度位置に設置される条件、また(b)夫々の情報コード2が図柄1の中心線基準で作成された例では、入賞ラインLに対して検出判読手段4が、図18(a),(b)に略示する所定変位位置、または図19(a),(b)に想像線で略示する反対側の所定角度変位位置に設置される条件が基本例として提案される。
【0055】
そしてこれらの条件例にあって、検出判読手段4が、当該の情報コード2を検出開始した時点からコード信号「1」に、また検出終了した時点でコード信号「0」に夫々変換され、検出終了時から一定時間(設定パルス時間)後に、モータおよび回転図柄表示体(図柄表示帯)が停止されて、対応する図柄1が入賞ラインL上に表示される。なお前述した図柄検出停止表示態様例については、主として前述の第1、第2および第3種別の図柄表示帯Sを対象とした場合の例とされる。
【0056】
特にこのようなコード直接検出による図柄停止表示例によれば、図柄表示帯Sの移動中に、万一ずれ(滑り)やノイズによる電圧降下等が生じたとしても好適に対応し得る。すなわち、表示帯Sがずれ等により図柄1コマ単位毎に対応する基本パルス数分の変位量に誤差を生じたとしても、未だ光学センサ6が1コマ単位の情報コード2を検出終了していない状況では、更にパルスを出力して表示帯Sを移動することによりずれ分の誤差が修正される。そして光学センサ6が情報コード2を検出終了した時点で、これに対応する図柄1を正確に検出判読し得ることになり、所定時間後に同図柄1を停止表示させることができるものである。
【0057】
次に、前述のように作製された夫々の種別の情報コード化式図柄表示帯Sにより構成される本実施例の回転図柄表示体について説明する。この表示体は、図38に略示された図柄組合わせ式パチンコ機Pに実施される図柄可変表示装置Mの型式に適応した図柄表示部材として、具体的にはベルト形態例、ドラム形態例に基いて好適に使用されるもので、以下夫々の形態例毎について説明する。
【0058】
【ベルト形態の回転図柄表示体について】
図21,図22および図23に示すこの形態例では、対象選定された所要種別の図柄表示帯Sにおいて、前記接着代(例えば1mm程度)を以って両端同志を溶着接合することにより、表示帯S自体が極めて抗張力の高い、伸縮変化の小さい特性を持つ図20に示すような1本の無端状図柄ベルトBに構成される。そしてこの図柄ベルトBが、1つのセット枠11単位で構成された図柄表示ユニットUにおける回転駆動制御機構12の両プーリ16,18間に適正な伸張状態で掛装されて、図柄の実体構成部とされ、モータ14の駆動条件および検出判読手段4の検出条件に従って回転変動停止される。
【0059】
すなわち前記図柄表示ユニットUにおいて、回転駆動制御機構12では、当該のセット枠11内の所定位置に駆動基盤13と共に定置されたモータ14の回転盤15に、駆動プーリ16が連結盤17を位置決め連結されている一方、この駆動プーリ16に対する設定軸心間距離位置に、従動プーリ18が支軸19を介して位置決め保持されている。そして双方のプーリ16,18は、図22に示すように、当該の回転芯体16A,18Aの外周に密着結合した摩擦抵抗の大きい例えばゴム製の滑止め部材16B,18Bを芯出しに基いて外周平滑に仕上げており、両滑止め部材16B,18B間に掛装された図柄ベルトBの回転中の滑り(ずれ)等を好適に防止し得るようになっている。なお両プーリ16,18は、共に同径のものを例示し、外周両端に図柄ベルトBの振れ防止用のフランジを成形してもよい。
【0060】
また前記検出判読手段4では、当該の図柄ベルトBに使用された図柄表示帯Sの情報コード2に適応し得る性能形態のものが選定されることになり、前記駆動基盤13の一端に接続定置された1枚の検出基盤5に、所定数の光学センサ6,6が配置接続されて1単位に構成されている。そして図21および図23に例示するように、両プーリ16,18間における図柄ベルトBの張り側直線部分において、入賞ラインを想定して設定された所定の検出位置に設置されて、光学センサ6を図柄ベルトB内側に対して所要の読取り検出間隔を置いて指向している。なおこの手段4に関連して前記駆動基盤13では、その片側面にモータ14と、光学センサ6とに係る所要の回路が区分構成されており、後端には1個の共用式の接続具20が設置されて、接続線を介して後述の制御回路装置E(図31参照)側に接続されるようになっている。なお、前記セット枠11をプリント基盤タンプとして、その片側面にモータ14と、光学センサ6とに係る所要の回路を区分して構成することも可能である。
【0061】
そして前述した回転駆動制御機構12に対する図柄ベルトBの掛装にあたっては、予め両プーリ16,18間の任意(自由)位置に掛渡したもとで、従動プーリ18の位置決めセット後に好適な伸張状態で適正位置に掛装し得る。これにより従来の場合のような位置合わせ、つまり基準選定した1つの所定図柄を駆動プーリ16の基準位置に厳正に整合させることを一切不要にできる。但し厳正にみた場合において、入賞ラインに対して夫々の図柄の停止表示位置(基準線)に万一ずれを生ずるとしても、その誤差は最大量として前記1パルス1変位量による微少範囲(例えば1mm以内)に止まる。このため実質的にはこの微少誤差を公差範囲とみることができ、入賞ラインに対する図柄の基準線位置での停止表示と見做して何ら差支えのないところである。
【0062】
なお、前述したようなベルト形態例にあっては、図柄可変表示装置としての実施を考慮して、図柄表示ユニットUにおける夫々のセット枠11毎に互いの位置決め整合取着部を付加して遊技盤61裏側に直接定置セットし得る形式にしたり、遊技盤61裏側に定置セットされる1つの保持枠内に各セット枠11毎を組付け整合して縦列収容セットし得る形式にしてもよい。また対象とする表示装置Mの型式等に応じて所定基数分の図柄表示ユニットUが予め組付けられてセット化される場合では、夫々の回転駆動制御機構12の型式として、図示しないが、1つの共用セット保持枠間に1本の共通支軸が横通されて位置調整用軸支具で所定位置に支持されるもとで、この支軸に対して複数個の従動プーリを回転自在に挿通支持して当該駆動プーリに対する設定軸心間距離に保持した形式としてもよい。
【0063】
また図柄ベルトについては、ベルト母材として別途用意される例えば薄肉のタイミングベルト材の外表面に所要種別の図柄表示帯Sを装着(接着)してなるタイプにすることも可能である。この場合では、夫々のベルト母材の性状、情報コードに対する検出用透口、検出判読手段4の判読位置、方向等の適宜選定を伴なう。また、このようなタイプの図柄ベルトに係る回転駆動制御機構としては、駆動タイミングプーリ(ローラ)を使用した形式を例として、必要に応じて図柄ベルトの移動過程上に案内プーリや張力調整用プーリ等を付加した形式等も採用可能である。
【0064】
【ドラム形態の回転図柄表示体について】
図25,図26および図27に示すこの形態例では、主として大型(大径)の図柄ドラムの場合を前提として、前述した所要種別の一枚の図柄表示帯Sを、図24に示すような円形状にして両端接合するもとで、ドラム素体である円形リング体21の外周表面に周回装着(接着)することにより、1個の図柄ドラムDに構成される。そしてこの図柄ドラムDは、図25に例示するような1枚の駆動基盤27単位で構成された回転駆動制御機構26のモータ28に直結されて図柄表示ユニットUの実体表示部とされ、モータ28の駆動条件および検出判読手段4の検出条件に従って回転変動停止される。
【0065】
すなわち前述の図柄表示ユニットUにおいて、前記リング体21では、硬質透明な合成樹脂材(例えばポリカーボネート)により、図25に示すような平プーリ形に成形されたもので、図柄表示帯Sの周回装着部とされる一定外周幅の平滑な円胴部22の円周方向に亘って情報コード読取り用の複数個の検出窓口23が所定角度間隔毎に成形されている。また、円胴部22の一方の開口面側に、図示4本の放射状のアーム部24と中心に位置する円盤状の連結盤25とが連接成形されている。
【0066】
これに対して前記回転駆動制御機構26では、図25および図27に示すように、図柄ドラムのセット板兼用とされる方形状の駆動基盤27の片側所定位置にモータ28が定置接続されて、その回転盤29に前述の図柄ドラムDが連結盤25を連結されている。そして駆動基盤27の反対面側には、モータ28と後述する検出判読手段4とに係る回路が所定パターンで区分構成されてその回路終端が1個の共用の接続具30に接続されており、この接続具30から後述の制御回路装置E側に接続線を介して接続されるようになっている。なお駆動基盤27の片側前方に停止図柄表示用の表示ランプが必要に応じて配置された場合には、その回路終端を前記接続具30に接続してもよい。
【0067】
また前記検出判読手段4では、当該の図柄ドラムDに使用された図柄表示帯Sの情報内容に適応し得る性能形態のものが選定されており、前述の回転駆動制御機構26における駆動基盤27の片側所定位置に定置接続される1枚の検出基盤5上に、所定数の光学センサ6が配置接続されて1単位に構成されている。そして図27に例示するように、図柄ドラムDの回転内側において入賞ラインを想定して設定された所定の検出位置(図示左方の後部側)に設置されて、光学センサ6を図柄表示帯Sの内側に対して所要の読取り検出間隔を置いて指向している。なお検出基盤5は、駆動基盤27における検出用回路部分を介して前記接続具30に接続されている。
【0068】
そして前述したリング体21に対する図柄表示帯Sの装着にあたっては、表示帯Sの始端をリング体21外周の所望位置にして周回装着し得、これにより従来の場合のような基準図柄の位置合わせを一切不要にできる。なお前述したベルト形態例の場合と同様に、入賞ラインに対して夫々の図柄1の停止表示位置に、前述した1パルス1変位量による微少範囲のずれを生ずるとしても、この微少誤差を公差範囲とみて入賞ラインに対する図柄1の基準線位置での停止表示と見做すことができる。ちなみにリング体21に周回装着される図柄表示帯Sは、前記接続代を以って両端同志が接合されることが望ましい。
【0069】
前述のように構成された本実施例の回転図柄表示体B,Dは、図柄表示ユニットUの単位で構成されることの前提にあって、回転式図柄可変表示装置Mの型式に適応した図柄表示部材として好適に使用できる。そこで夫々の回転図柄表示体を使用した図柄可変表示装置Mについて、以下具体的な形式例毎に説明する。但し何れの形式例装置にあっても、3基の図柄表示ユニットが左列、中列、右列に配列セットされた形態とする。そしてパチンコゲーム中に発生される始動入力条件毎に基いて、ソフトプログラムを含む制御回路装置Eの制御に応答して各列の図柄表示ユニットが設定条件で変動制御されて、所定の図柄を直接検出して停止表示する変動停止態様例の場合を主とする。
【0070】
【ベルト形式の図柄可変表示装置について】
図28〜図30に示すこの表示装置Mにおいては、前記遊技盤61前側に取着セットされた表示透視体31に合わせて、前述した図柄表示ユニットUが遊技盤61裏側に縦列定置セットされている。すなわち表示透視体31では、その中央部の窓口32内に透明樹脂製の表示板33が組付けられており、この表示板33前面に図示、3コマ分ずつの停止図柄用の表示窓34と、前述の入賞ラインLが形成されている。なお入賞ラインLは、上、中、下3本の横線と、互いに斜状交差する2本の斜線を例示し、中央横線を基準ラインとして必要本数のラインが設定される。またこの表示透視体31の上部側には、始動入力条件の有効保留数(例えば最高4個まで)を表示する保留ランプ35や図柄表示内容に関連する表示ランプ36等が配設されている。
【0071】
一方表示装置Mの実体表示部とされる3基の図柄表示ユニットUでは、共に前述した共通な形式のものとして、図29に示すように、当該のセット枠11内に回転駆動制御機構12、図柄ベルトB、検出判読手段4等が組込まれており、そして遊技盤61裏側に、夫々のセット枠11単位または1つのセット保持枠単位で定置されて各ユニットU同志が所要の隣接間隔で縦列セットされている。このセット状態において、夫々の図柄ベルトBの張り側直線部分が、前記表示透視体31の裏面から表示板33の表示窓34に臨み、また夫々の駆動基盤13および検出判読手段4の検出基盤5が、制御回路装置E側に接続線37で接続されている(図30参照)。
【0072】
なお前記検出判読手段4は、前述した性能形態のものが選定されて駆動基盤13において、図29に示すように、図柄ベルトBの張り側直線部分に対する所定の内側位置に設置されている。
【0073】
前述した図柄可変表示装置Mに係る基本的な制御系統については、図31にブロック的に略示するように制御回路装置Eを主体にして構成されて、図32に段階的に例示するような順序に基いて制御処理される。
【0074】
先ず電源投入時においては、表示装置M全体の初期表示条件としてスタート前の図柄原点確認処理がなされる。すなわち3列の図柄表示ユニットUにおける図柄組合わせが「外れ」表示される例では、電源投入に対して入賞判定部41と乱数データ設定部42との間の応答により、停止用図柄に係る1つの外れ初期データが選定記憶される。そしてこのデータ条件において、入賞判定部41からの指示により、モータ制御部43から送信されるパルス出力に基いて、3列のモータ14が駆動されて図柄ベルトBが回転される一方、入賞判定部41に情報検出条件が保留される。このもとで設定時間後に入賞判定部41から検出条件の指示を受けた夫々の検出判読手段4が、当該列の図柄ベルトBから外れ初期データに対応する図柄1の情報コード2を検出して入賞判定部41に情報入力した時点、つまり検出判読終了時点から設定時間後にモータ制御部43からのパルス出力の停止に従い、モータ14と共に図柄ベルトBが停止されて夫々1つずつの図柄1を入賞ラインL上に停止表示する。
【0075】
このもとで夫々の検出判読手段4の情報検出内容が、当該の情報判読比較処理部44に入力されてコード信号の判読処理並びに図番カウンタ値との比較変換処理等がなされて、最終的に入賞判定部41に情報入力されているもとで、夫々の図柄1の原点位置が確認される。但しこの外れ初期データ制御処理に基く図柄原点位置確認においては、3列の図柄1の全てが「外れ」の場合、1つまたは2つの当り用図柄を伴う「外れ」の場合をも含むものとする。
【0076】
なお3列の図柄1が互いに「外れ、当り」を含む任意の初期表示条件とされる例では、電源投入に対して入賞判定部41とモータ制御部43との間の時間データ制御処理に基いて、夫々のモータ14の駆動と共に図柄ベルトBが暫時回転される。そして設定時間の最終段階において、夫々の検出判読手段4が任意の図柄1の情報コード2を検出して入賞判定部41に情報入力した検出判読終了時点から設定時間後に、モータ制御部43からのパルス出力の停止に従いモータ14と共に図柄ベルトBが停止されて、夫々1つずつの図柄1を入賞ラインL上に停止表示する。このもとで前述と同様に夫々の検出判読手段4の情報検出内容が、入賞判定部41に情報入力されているもとで、夫々の図柄の原点位置が確認される。
【0077】
また前述した図柄の原点位置確認処理後において、遊技盤61でのパチンコゲームの開始に伴い、後述する始動入賞用スイッチ65による検出信号(始動信号)が入賞判定部41に入力された以後においては、図31および図33に例示するように、同判定部41からの指示に基いてモータ制御部43から送信されるパルス出力により、3列のモータ14の順次駆動に従い図柄ベルトBが回動開始される一方、乱数データ設定部42において、始動入力に対する停止図柄のための1のサンプリングデータが選出される。このサンプリングデータについては、全ての図柄組合わせ総数の内から当該の図柄ベルトBにおける全ての情報コード2に対応する図番カウンタ値の情報内容に該当して外れ用、当り用に区分された何れか1つのデータに決定されて、入賞判定部41の当り処理部と外れ処理部とに区分入力される。そしてこれ以降は、同判定部41における処理に基いて前記モータ制御部43が制御される一方、夫々の検出判読手段4の情報検出条件が指示される。
【0078】
なお、前述した乱数データ設定部42におけるデータの作成設定例としては、当り処理番号「数字1」と、外れ処理番号「数字2」とが適宜順序で配置された一定周期で巡回される数列(乱数テーブル)が採用される。そしてこの数列内にあって、前述した始動入力時に当りまたは外れの処理番号をもつ1つのサンプリングデータが抽出されて、入賞判定部41の夫々の処理部に区分入力されるようになっている。
【0079】
そして前述した入賞判定部41の各処理部での処理指示にあって、モータ制御部43の駆動制御に基いて各列のモータ14の順次減速駆動に従い図柄ベルトBが低速回転される最終段階において、前記夫々の検出判読手段4が前述のサンプリングデータで定められた検出条件に基いて所定の図柄1の情報コード2を検出して入賞判定部41に情報入力した検出判読終了時点から設定時間後に、モータ制御部43からのパルス出力停止に従い夫々モータ14と共に図柄ベルトBが停止されて、情報コード2に対する1つの図柄(当り用または外れ用)を入賞ラインL上に停止表示する。この時点において、夫々の検出判読手段4の情報検出内容が情報判読比較処理部44で処理されて入賞判定部41に情報入力されているもとで、同判定部41では、当り処理部または外れ処理部において、夫々の停止図柄を個別的および全体的に判断している。
【0080】
従ってこの結果として入賞ラインL上の図柄組合わせについて、例えば3列の同種当り用図柄一致の場合では「大当り」、これら以外の場合では全て「外れ」として夫々判定処理されるようになっている。但しこの「外れ」には、左列および右列の同種当り用図柄一致で中列の異種図柄(当り用、外れ用)不一致の場合による「リーチ外れ」状態を含む。ちなみに図31中に例示したスピーカ45および表示ランプ36,56は、前述した始動入力時図柄変動中、図柄停止時等に合わせて夫々の効果音、効果表示光を発生する。
【0081】
また図柄可変表示装置Mに係る基本的な図柄変動制御態様、つまり3列の図柄表示ユニットUにおけるモータ14および図柄ベルトBの回転変動態様については、要約して図34に例示するように設定されている。
【0082】
(a) 電源投入時では、左列、中列、右列の順に開始されて設定時間後に左列、右列、中列の順に停止され、前述のように表示された夫々の図柄の原点位置が確認される。
【0083】
(b) 始動入力に基く変動開始については、左列、中列、右列の順に所定時間差でスタートされて、設定時間に亘る連続変動過程にあって、段階的に増速されながら所定の高速に変化されてそのまま維持される。なお3列の変動中には、互いに異なる図柄合わせ時間が必要に応じて含まれる。
【0084】
(c) 停止入力に基く変動停止については、左列の変動開始時から設定時間後に図柄停止決定信号が入力される例にあって、この信号入力時以後から左列、右列、中列の順で段階的に減速されながら最終段階において、所定時間差毎に前記検出判読手段4で検出判読された時点から設定時間後に停止される。
【0085】
(d) 各列の変動時間(開始から停止まで)については、前記「外れ」時では、左列、右列、中列が夫々一定の変動時間T1,T2,T3とされ、前記「当り」時(「リーチ外れ」時を含む)では、左列および右列が共通の一定変動時間のままとされて、中列のみが予め設定された所定の条件によって「外れ」時の変動時間T3より長い可変変動時間T4またはT5とされる。
【0086】
なおこの図柄変動制御態様例にあって、図33のフローチャートで示した「リーチ動作」に係る表示としては、図34中に例示したように、右列ベルトBの停止前所要時点(例えばN個図柄の手前)から右列ベルトBおよび中列ベルトBの停止時までの間、前記スピーカ45からリーチ用の効果音と、前記表示ランプ36,56によるリーチ用の効果光が発生される。また前記「当り」時では、図34に例示するように、中列ベルトBの停止時以降に当り用効果音と当り用効果光が発生される。
【0087】
前記表示装置Mにおける図柄変動制御における図柄組合わせの検出判定において、例えば中央横線が基準の入賞ラインLとされる場合では、他の入賞ライン(上下の横線および斜線)上に停止された夫々の図柄については、基準の入賞ラインL上の夫々の図柄1の情報コード2に係るカウンタ値に対して「+1分と−1分」のカウンタ値(設定パルス数)の算出処理に基いて検出判定されることになる。勿論上の横線を基準の入賞ラインLとして、他のライン上の図柄1の情報コード2を先に読取って検出判定する例であってもよい。
【0088】
このような図柄可変表示装置Mの実施にあって、前述したコード直接検出による図柄停止表示例によれば、図柄ベルトBの移動中に万一ずれ(滑り)やノイズによる電圧降下等の発生に起因して、ベルトBが図柄1コマ単位毎に対応する基本パルス数分の変位量に誤差を生じたとしても、検出判読手段4が1コマ単位の情報コード2を検出終了していない状況では、モータ制御部43からモータ14に対するパルスが出力されて図柄ベルトBを移動することによりずれ分の誤差が修正される。そして検出判読手段4の検出終了時点で、これに対する図柄カウンタ値から図柄1を正確に検出判読し得ることになり、所定時間後に同図柄1を入賞ラインL上に合わせて停止表示させることができるものである。
【0089】
またこの図柄可変表示装置Mによれば、各列毎の図柄表示ユニットUにおける回転駆動制御機構12において、図柄表示帯Sより成形された図柄ベルトBが駆動および従動プーリ16,18の滑止め部材16B,18Bを利用して適正な伸張状態で好適に滑止め掛装されており、また前述のようにずれ等の誤差を修正して情報コード2の直接検出に基いて図柄1を停止表示し得る。このため駆動および従動プーリ16,18と図柄ベルトBの間において、爪車や係止孔等の係止送り手段がなくとも、図柄ベルトBを適正に移動させて好適な図柄変動態様を呈することができる。これによりこの表示装置Mでは、前述の係止送り手段を不要として両プーリ16,18を単純な形状、構造のものとし得、また図柄ベルトBの有効幅を大きくして、その分大きく見栄えのよい図柄を形成し得、表示装置全体のグレードアップを図ることができる。
【0090】
【図柄ドラム形式の図柄可変表示装置について】
図35〜図37に示すこの表示装置Mでは、全体の概要としては遊技盤61前側に取着セットされた表示透視体51に合わせて、遊技盤61裏側に定置セットされる前面開口方形状の1つの保持枠体57内に図柄表示ユニットUが縦列収容セットされている。すなわち前記表示透視体51では、窓口52内に前向き凸弯曲形の透明な表示板53等が組付けられて、表示板53前面に図示3コマ分ずつの図柄用表示窓54と、図示5本(3本の横線と2本の斜線)の入賞ラインLが形成されており、また上部側に保留ランプ55や表示ランプ56等が配設されている。これに対して前記保持枠体57では、その開口前面を表示透視体51裏側に合わせてセットされるようになっており、その内部に形成された保持溝58毎の間隔で収容室59が形成され、背板部側にはコネクター用の逃し口60が成形されている。
【0091】
一方表示装置Mの実体表示部とされる3基の図柄表示ユニットUでは、共に前述した共通な形式のものとして、図36および図37に示すように、回転駆動制御機構26,図柄ドラムD、検出判読手段4等を備えており、そして前述の保持枠体57内において、当該の駆動基盤27が各収容室59毎の保持溝58に差込み固支されたもとで、各ユニットU同志が等間隔でセット保持されている。このセット状態において、夫々の図柄ドラムDの外周前部が、当該の収容室59の前方に露出されて前記表示透視体51の裏面から表示板53の表示窓54に臨み、また夫々の駆動基盤27後端の接続具30が当該の逃し口60から露出されて制御回路装置E側に接続線37で接続されている。
【0092】
なお前記検出判読手段4については、前述した性能形態のものが選定されて駆動基盤27において、図36に示すように、図柄の停止表示位置(入賞ラインL)の反対側における所定角度変位位置側に設置されている。
【0093】
そしてこのような形式の図柄可変表示装置Mにおいて、その基本的な制御系統、制御処理並びに図柄変動制御態様、つまり3列の図柄表示ユニットUにおけるモータ28および図柄ドラムDの回転変動態様については、前述した図柄ベルト形式の表示装置Mの場合と同様な設定例が提案されて好適に採用される。なおこれらの設定例については、図31〜図34を参照し、前述の説明を援用して「図柄ベルト」と「図柄ドラム」に読み替えるものとする。
【0094】
ここで、前述した各形式の図柄可変表示装置Mが実施される図柄組合わせ式遊技機について要約説明する。
【0095】
先ず図38に全体が略示されるパチンコ遊技機Pでは、遊技盤61におけるレール62内の遊技領域63において、前述した表示装置Mが設置されている一方、図柄変動用の始動入力手段とされるスイッチ65付きの始動入賞具64と、大型の電動入賞装置N等が配設されている。そして前述した図柄変動制御にあって、入賞ラインL上に当りの図柄組合わせが表示されると、これに基いて特別遊技状態が成立されて電動入賞装置Nに開成作動条件が付与される。そしてこの開成作動条件として、前述の制御回路装置Eから送出される駆動出力に基いて、電磁ソレノイド66が設定時間に亘り通電励磁されることに伴い、開閉部材67が動作変化されて入賞領域68を開放する。これにより多くの遊技球が容易に入賞領域68に入り、セーフ球としてカウントスイッチ69およびVスイッチ70で検出されて裏側に通出される。
【0096】
なお、この電動入賞装置Nでは毎回の開成作動において、ソレノイド66の通電可動時間とセーフ球のカウント個数との制限条件が付加され、この条件の何れか早く到達した時点で当該回の開成作動が終了される。また当該回の開成状態において、セーフ球の1球がVスイッチ70で検出されることにより次回の開成作動の継続条件が成立され、このもとで最高16回までの開成作動が可能とされて作動が終了とされる。ちなみに前記2個の始動入賞具64は、入賞装置Nの左右両側に配設されている。
【0097】
また図39に全体が例示されるスロットマシンKでは、図柄用の表示窓72と入賞ライL等を形成した表示透視板71の裏側に、前述した形式の図柄可変表示装置Mが設置される。そして投入口73から所要枚数のコインを投入したもとで、操作ハンドル74を操作することにより前述のような図柄変動制御が開始され、各々の停止ボタン75を操作することにより各列の図柄が停止される。この結果入賞ラインL上に当りの図柄組合わせが表示されると、これに基いて入賞状態が成立されて所定枚数の褒賞用コインが獲得可能とされる。
【0098】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係る回転式図柄可変表示装置用の情報コード化式回転図柄表示体によれば、該表示体を構成する図柄表示部材に形成される多種複数の全ての図柄に係る必要な記録情報内容を有する情報コードは、視認容易に識別区分することができるので、その形成具合いやモジュール等の良否、更には互いの識別区分や整合性の適否等について、特別で高価な機器を一切不要として点検者自身の視覚を通じて手早く容易に確認できる。また、情報コードを光学的検出判読手段により直接検出判読し得るため、図柄表示部材の移動中に、万一ずれ(滑り)やノイズによる電圧降下等が生じたとしても、情報コードの直接検出判読に基いて回転体を停止して図柄を精確に検出表示することが可能である。更に、情報コードの検出判読手段として安価で簡単な構成のものを使用し得る。
【0099】
また、本願の回転表示体を図柄可変表示装置に使用することにより、検出判読の信頼性、構成、使用寿命、価格、取扱い管理等の条件を満足して好適に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図柄表示帯の表刷り例を示す斜視図である。
【図2】図柄表示帯の表刷り例を示す説明図である。
【図3】図柄表示帯の裏刷り例を示す斜視図である。
【図4】図柄表示帯の裏刷り例を示す説明図である。
【図5】図柄表示帯の両刷り例を示す説明図である。
【図6】図柄表示帯の別の両刷り例を示す斜視図である。
【図7】第1種別の図柄表示帯を例示する説明図である。
【図8】第1種別の表示帯の一部を拡大例示する説明図である。
【図9】第2種別の図柄表示帯を例示する説明図である。
【図10】第2種別の表示帯の一部を拡大例示する説明図である。
【図11】第3種別の図柄表示帯を例示する説明図である。
【図12】第3種別の表示帯の一部を拡大例示する説明図である。
【図13】第4種別の図柄表示帯を例示する説明図である。
【図14】第4種別の表示帯の一部を拡大例示する説明図である。
【図15】第5種別の図柄表示帯を例示する説明図である。
【図16】第5種別の表示帯の一部を拡大例示する説明図である。
【図17】図柄表示帯の情報コードの検出と図柄の停止との第1の関係を例示する説明図である。
【図18】図柄表示帯の情報コードの検出と図柄の停止との第2の関係を例示する説明図である。
【図19】図柄表示帯の情報コードの検出と図柄の停止との第3の関係を例示する説明図である。
【図20】図柄表示帯を図柄ベルト用に形成する例を示す斜視図である。
【図21】図柄ベルト形式の図柄表示ユニットを分解して例示する斜視図である。
【図22】図柄ベルト形式の図柄表示ユニットを例示する正断面図である。
【図23】図柄ベルト形式の図柄表示ユニットを例示する側面図である。
【図24】図柄表示帯を図柄ドラム用に形成する例を示す斜視図である。
【図25】図柄ドラム形式の図柄表示ユニットを例示する斜視図である。
【図26】図柄ドラム形式の図柄表示ユニットを一部破断した正面図である。
【図27】図柄ドラム形式の図柄表示ユニットを例示する側面図である。
【図28】図柄ベルト形式の図柄可変表示装置を示す正面図である。
【図29】図柄ベルト形式の図柄可変表示装置を示す側面図である。
【図30】図柄ベルト形式の図柄可変表示装置を示す平断面図である。
【図31】図柄可変表示装置の制御系統を略示するブロック図である。
【図32】図柄可変表示装置の図柄変動制御態様(電源投入時)のフローチャート図である。
【図33】図柄可変表示装置の図柄変動制御態様(始動入力時)のフローチャート図である。
【図34】図柄可変表示装置の図柄変動状態例を示すタイムチャート図である。
【図35】図柄ドラム形式の図柄可変表示装置を示す正面図である。
【図36】図柄ドラム形式の図柄可変表示装置を示す側面図である。
【図37】図柄ドラム形式の図柄可変表示装置を示す平断面図である。
【図38】パチンコ遊技機を示す正面図である。
【図39】スロットマシンを示す正面図である。
【符号の説明】
1 図柄
2 情報コード
4 検出判読手段
14 モータ
16 駆動プーリ
18 従動プーリ
21 リング体
28 モータ
B 図柄ベルト
D 図柄ドラム
M 図柄可変表示装置
S 図柄表示帯
Claims (1)
- 回転式図柄可変表示装置(M)に使用可能とされる回転図柄表示体であって、
駆動モータ(14)のパルス出力駆動に基いて回転停止制御され、外周平滑に仕上げた滑止め部材(16B)を外周に密着結合した駆動プーリ(16)と、該プーリ(16)に対して所定軸心間位置に保持され、外周平滑に仕上げた滑止め部材(18B)を外周に密着結合した従動プーリ(18)と、光透過性の2枚のフィルム(f,f)をラミネートすると共に、両プーリ(16,18)の外周間に掛装されて所定検出部位に設置された適宜光学的な検出判読手段(4)で検出されるコード付きの図柄表示部材(S)とを有し、
前記コード付きの図柄表示部材(S)における前記両フィルム(f,f)の接合面に複種類複数コマ分の図柄(1)を所要の間隔順序に形成配置する一方、各種の図柄(1)に係る位置と種類の情報内容毎に合わせた複種類、複通りの設定パターンに基づいて形成したコードエレメント(2a,2b,2c,2d)を用いて識別コード化区分されて前記検出判読手段(4)により検出判読される情報コード(2)を形成して全ての図柄(1)の1コマ分ずつに対応する所要部位に配置し、
前記図柄表示部材(S)の移動中において、前記検出判読手段(4)により情報コード (2) を検出開始した時点から検出終了した時点での1コードエレメント (2a,2b,2c,2d) 単位の読取り検出変化に基いて情報コード(2)の情報内容を判読し、1コードエレメント (2a,2b,2c,2d) 単位の情報コード (2) を検出終了していない状況では、更にパルス出力して図柄表示部材 (S) を移動させてずれ分の誤差を修正して、1コードエレメント (2a,2b,2c,2d) 単位の情報コード (2) を検出終了した時点で情報内容が判読されて図柄(1)が区分検出された後に、前記駆動モータ(14)と共にプーリ(16,18)が停止されて、検出された情報コード(2)に対応する図柄(1)を停止表示するよう設定した
ことを特徴とする回転式図柄可変表示装置用の情報コード化式回転図柄表示体。
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JP06341093A JP3870345B2 (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | 回転式図柄可変表示装置用の情報コード化式回転図柄表示体 |
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ID=13228503
Family Applications (1)
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JP06341093A Expired - Lifetime JP3870345B2 (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | 回転式図柄可変表示装置用の情報コード化式回転図柄表示体 |
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1993
- 1993-02-26 JP JP06341093A patent/JP3870345B2/ja not_active Expired - Lifetime
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