JP4430155B2 - バーコードを記録した基材およびバーコード読取り方法並びに装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、バーコード特にカラーバーコード並びにカラーバーコードの読取り方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のバーコードには、CODE39、ITFのように、太い細いで表現される二値レベルのバーコードや、JAN、CODE128のように数種類の太さのバーで表現されるマルチレベルバーコードなどが知られている。
【0003】
バーコードは何本かのバーと呼ばれる黒い線と、この黒い線と線との間にスペースと呼ばれる白い部分とからなっている。これらのうち太い黒線をワイドバー、細いものをナローバー、太いスペースをワイドスペース、細いものがナロースペースと言われている。
したがって、これら太さや幅の異なるバーやコードスペースを機械で読み取るためには使用上の問題とコード作成上の問題があった。
【0004】
バーコードシンボルはそれだけが印刷されていることは少なく、実際はその周囲に他の文字や図形、写真が印刷されていることが多い。従って、そのバーコードシンボルを読み取ると、バーコード以外の信号がバーコードリーダーに入力されてくることになる。そこで、それらの中からバーコードに関係するデータを取り出す必要
がある。
【0005】
この方法としては、バーコードシンボルの前後にある余白(クワイエットゾーン)を利用する。バーコードリーダーに入力されたデータの中で、何も信号のない余白の後のデータがバーコードであると認識し、また次に続く余白の前までがバーコードであると認識する。従って、この余白が少ないとバーコードをまったく認識できないことになり、読み取り不能になる。
【0006】
バーコードシンボルの印刷精度が良いのに読み取り不能になるときはこの余白が少ないことが多い。
バーコードリーダーに入力したデータからバーコードが識別できたとしても、それはどっちの方向から読み取ったものか不明である。
バーコードは、左右両方から読み取れるので、このデータからスタートコードとストップコードを識別して、その中のデータを探し出さなければならない。
スタートコードとストップコードのパターンは、シンボルの種類によって異なっている。従って、これらのいくつかのパターンを次々に当てはめていくことによりバーコードシンボルの種類とスタートストップコードを識別することができる。
【0007】
このようにしてすべてのキャラクターの識別が終わった後、チェックデジットの照合が要求されるようなバーコードシンボルについては、チェックデジットの計算を行う。そして、チェック結果が正しくない場合はデコードを中止する。
正しくデコード終了した場合は、そのデータをアスキーコード等に変換して出力信号をバッファに書き込む。
そして選択されたインターフェースのデータ転送手順に従って、ホストコンピューターやターミナルにデーターを転送する。
【0008】
バーコードリーダーに入力された信号を0と1に変換するためには、バーやスペースの時間を測定しなければならない。
この測定に使用されるのがタイマーで、このタイマーはクロックといわれる基本時間でカウントされる。
【0009】
例えばこの細バーは10カウント、次の太いスペースは25カウントというようになる。
この時、クロックが遅いとバーやスペースをカウントする数が少なくなり、その分測定誤差が大きくなることになる。
クロックの速さは、スキャン速度と読み取り対象のバーコードの最小バー幅によって異なってくる。レーザースキャナーでは、スキャン速度が速いので、このクロックは早くなければならない。
【0010】
また、ペンスキャナーでも0.1ミリ以下のバーコードを読み取る高分解能の製品の場合は、クロックを早くしなければならない。
細いバーか太バーかを判定するためには、それぞれの時間幅を測定して、ある基準値(閾値)を境に判定することになる。
【0011】
計測された時間幅は、スキャン速度やバーの寸法によって変わるものであるから、この基準値を固定で決めておくわけにはいかない。従って、通常は最初のバーの時間幅を測定して、その後閾値を決めることになる。
スキャンがバーコードシンボルの全般にわたって同じ速度であれば、この閾値は、同じ値でよいが、ペンスキャナーの場合は全く不可能である。
したがって、次のバーの幅を測定した後、その値をベースに閾値を変更するようにする。
【0012】
これによりスキャン速度の変化に追従できることになり、それぞれのバーの幅を時間測定したとき、一般に最初のバーは、他のバーより小さくなる傾向がある。
【0013】
またこの比率は、バーコードスキャナーの方式やメーカーによって異なっており、この傾向をいかに予測するかも読み取り率を向上させるコツとなる。
またバーコードモジュールの印刷では、バーが太った場合、その間のスペースは逆に細ることになる。
【0014】
したがって、バーとスペースの閾値を別にした方が、読み取り率が向上することになる。
このために、モジュールは前の直前のモジュールと比較し、スペースも直前のスペースと比較して新しい閾値を決める方法もとられている。
使用上での問題の1つにセンサーを等速で走査させなければならないという制約がありそのために、ハンディセンサーが実用化されにくかった。
【0015】
高速・大量生産の中でどのようにして規格上厳しい印刷精度を保ち、読み取りに支障の無いバーコードをいかにして刷るかのバーコード印刷上の留意点を以下に掲げる。
【0016】
左右のマージンを規定に沿って確保し、マージンの部分に文字や絵柄を入れないようにし、さらにまた印刷時での見当ズレを考慮して4方向ともに1ミリメートル以上の間隔をとること。
【0017】
バーコードの原版であるフィルムマスターは、製版、印刷工程において細線の再現特性に応じた寸法と制度を確保したものであり、印刷を多面付で行う場合が多い包装資材については、複製による精度低下を起こさないよう殖版を行う。寸法特性においては、印刷適正ゲージを常時チェックする。特に、刷り出し時のつぶれのチェックは厳重に行う必要がある。
【0018】
凹版印刷については印刷中のインキ濃度、色調の変化に注意し、許容限度を超えないように管理するとともに、すじ、汚れ、はみ出しに注意する。また、印刷の流れ方向に対してバーコードのバー自体が水平に向くように製版入稿時にチェックを行うことも必要とされる
【0019】
このように、広く普及しているこれまでのバーコードには色々と問題があった。
更に、大量に商品が出回る昨今、データー入力量が不足しており将来に不安を感じている。すでに、書籍では2段にバーコードを印刷されて、ますますデザイン上の障害になりつつある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
現在バーコードは物流その他に幅広く使われているが、バーコードの問題点は、スペース幅(白バー)とモジュール(黒バー)との幅の比率を検出して情報を認識しているためバーの幅を正確に印刷することが必要であった。
【0021】
そのため布やダンボール等の表面凹凸の激しいものはバー幅を正確にすることができず問題があった。
【0022】
また、バーコードを読み取るセンサーの走査速度は一定速度で行わなければならなかったため、手動で走査するハンドヘルド型読取りセンサーは一定の走査速度で動かすことが出来ず読み取り誤差が生じやすかった。それがハンドヘルド型読取りセンサーがなかなか普及しなかった理由である。
【0023】
バーコードの他の課題はバーコード自身の欠けやキズ等による読み違いをチェックするセルフチェック機能を付加することである。
【0024】
さらにバーコードは埃の多い場所や退色を起こす薬品などが存在する環境に置かれるとバーコードに埃やシミが付き読み違いの原因となった。
【0025】
しかしながら、バーコードはさまざまな欠点にもかかわらずその利便性のため広く世間に使われているが、商品の品数が急激に膨大しているため容量が追い付かずその対応に追われている。その代表格は書籍などの裏表紙へ2段にバーコードが刷られ美観を損ねている。
【0026】
さらにバーコードの他の問題はブレやズレにも弱いことである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
従来のバーコードにあった種々の問題は、バーの幅やスペースの幅を情報の解析の重要な要素としていたことにその原因があった。本発明は、バーの幅やスペースの幅に全く影響されないセルフチェック機能と情報量の飛躍的増大を可能にした新規なカラーバーコードを提供し、併せてカラーバーコードを読取る方法および装置を提供するものである。
【0028】
ペン型スキャナーのバーコード読み取りは、ペン型スキャナーの内部には、ペン部分に光源と光を受光する受光素子が内蔵されており、ペン先から出た光はバーコードの黒線部分で吸収され(厳密には1部が吸収される)このバー(黒線)からの光は受光素子に戻らずバーコードのスペース(白線)部分からは強い反射光が受光素子に入る。
【0029】
これら受光素子へ入射する光の強弱はホトトランジスターにより電圧若しくは電流等の電気信号の大小、強弱を設定された閾値(th)を基準にして、オン、オフの電気信号として変換され、これを一旦波形成形することによって、矩形状の電気信号(これをパルス信号と呼ぶ)を得ている。
【0030】
結局、0、1の2進数に対応する信号が得られることになる。ペンスキャナーの速度が一定であるとすると、モジュルの太い細いに応じて検出されるパルス信号の幅も太いもの細いものが得られる。
【0031】
これらのパルス列が電気的に処理され、2進数から10進数に変換され、それらの情報はコンピューターのメモリー情報と照合され商品メーカーか商品名が分かり、これに対応する価格がレジの表示器に表示される。
【0032】
従来は、バーコードを印刷される紙等基材(以下単に 紙 と称する。)の下地色そのものも情報として扱っていたために、情報はあるが印刷の欠損によるものかどうかの区別がつかなかったり、さらには情報領域の区分とモジュールサイズの指定並びに、単位モジュール数を正確にカウントする高度な技術を必要とした。
【0033】
本発明の特徴は、印刷する紙の非着色の下地色をそのままモジュールとモジュールとの間に挿入し、下地色にトリガーとしての作用・機能を与え、従来のように下地色をモジュール情報として扱うことはしないことにある。さらに、従来の白黒のみで構成されていたバーコードとは異なり、モジュールをマゼンタ系色A色、シアン系色B色若しくはC色に着色する。
【0034】
ゼロシンボルモジュール即ち空位情報(以下 M0 と称する。)には下地色が閾値以上の光を反射するものであるときは、閾値以下の光反射の色、例えばマゼンタとシアンの混合色若しくは黒等の暗色で着色する。逆に下地色が閾値以下の光しか反射しないものであるときには、閾値以上の光を反射する白及び淡い灰色を含む明度の高い色でM0を着色する。
【0035】
それぞれの印刷インキの分光比反射率は、下地白色からの光によるセンサーの分光比反射率を1とすると、マゼンタとシアンとの混合色は青紫、マゼンタとイエローとの混合色は赤、シアンとイエローとの混合色は緑で、マゼンタが約0.85、イエローがほぼ同じ0.85、シアンが0.73であり、マゼンタとシアンの減法混色である青紫は0.27、マゼンタとイエローとの混合色である赤は0.84、シアンとイエローとの混合色である緑は0.45である。
【0036】
モジュールをマゼンタ、シアン及びイエローとの任意の組み合わせに着色することは出来るが、マゼンタ系色とシアン系色を組み合わせたものが最も好ましい。
【0037】
例えば、白色の紙に適用する場合について説明すると、トリガー(以下 T と称する。)は白で、M0は減法混色原理を用いて閾値以下の光反射とする必要がある。したがって、M0は黒に近い暗色の方がマゼンタ、シアン及びイエロー単色との分光比反射率の差が大きくなり情報読取りの精度が増す。
【0038】
これらのデータから明らかな通り、マゼンタとイエローとの組み合わせを用いた場合にはマゼンタ、イエロー、その混合色の赤の分光比反射率は0.85、0.85、0.84とほとんど変わらない。
【0039】
同様に、シアンとイエロー及びその混合色の緑の場合も、イエローが0.85、シアンがほぼ同じ0.73、緑は0.45で、シアンと緑の分光比反射率が0.73、0.45と0.28しか差はなく情報の認識度は低くなる。
【0040】
これがマゼンタ単色、シアン単色とその減法混合色の青紫色又は黒との組み合せが最も好ましい理由である。
【0041】
モジュール(M)を付する下地色の明度が高いときは、M0のC色は下地色の分光比反射率の少なくとも2/3以下であることが必要である。
したがって、C色はA色B色との混合色とは限らず黒又は濃い灰であっても良い。
【0042】
逆に、モジュールを付する下地が光を反射しないもの、例えばゴムタイヤなどの黒色系低反射のときには、M0は白色又は淡い灰色若しくはメタル等分光比反射率の大きなもので着色をすることが必要である。
【0043】
情報バーの着色にマゼンタ/シアン、シアン/イエロー、若しくはマゼンタ/イエローなどの組み合わせを選んだ理由は、これらの色の組み合わせは補色関係にあり、単色は明度が大きく光を良く反射するが、これらの混合色は減法混色で暗色の低反射となる。このような補色関係にある減法混色で着色されたバーコードすなわちカラーバーコードについて実施例により以下の通り説明する。
【0044】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0045】
図1は、従来のバーコードの場合の説明図で、(1)は、白色の下地(T)にハッチングされた1,2,4,8の値をもつ2進数バーコードM1、M2、M4、M8(2値4ビット情報)で、これを全部黒で塗りつぶした場合に1,2,4,8の和となり15の値となることを示している。
【0046】
図1(2)は、図1(1)においてバーコードからの反射光をホトセンサーで受光し電圧に変換されたグラフを示しており、一定の電圧を閾値(th)としたもので、情報バーM1、M2、M4、M8の4ビットモジュールは黒であるので光を殆ど反射せず全て閾値以下であることを示している。
【0047】
図1(3)は従来のバーコードの情報認識を光検出センサーの光の受光量によって行われることを模式図的に示した図で、分光比反射率の大きい下地を+、閾値以下を−で表したものである。
【0048】
この場合、閾値以上および以下のいずれの認識も幅を認識するものであるため、バー読取りセンサーの走査速度によってモジュール数のカウントが変わり誤読される可能性と、本当は情報が在るにもかかわらずたまたまゴミや欠けなどの原因でそこに情報が無いと1元的に判断するバーコードの構成は、情報の複雑化、高度化に向けて誤読、誤認をする恐れがあり情報の信頼性を損なっていた。
【0049】
本発明の特徴の1つは、情報の存在を自動的にチェックするセルフチェック機構を有する新規なカラーバーコードを提供するものである。
【0050】
図2は、本発明のデータ対比実証用の単色テストパターンの1例を示したもので、図2(1)のM1、M2、M4、M8はシアンで着色された情報バーで、これを図3に示す受発光素子からなるセンサーで検出した結果を図2(2)、および図2(3)に示した。
【0051】
図3は、本発明のカラーバーコード読み取り装置の概略平面図で、シアンフィルター31で覆われたホトトランジスター等の第2光検出センサー32、マゼンタフィルター33で覆われたホトトランジスター等の第1光検出センサー34および白色光源35からなるカラーバーコード読取り装置36によりデータ記録用の紙等の基材37にシアンで着色された情報バー38を検出する説明図を示している。
【0052】
図2の(2)及び(3)は図3により検出したもので、図2(2)はマゼンタフイルター33で覆われた第1光検出センサー34により検出された光出力の結果を示している。下地のトリガーTは分光比反射率が大きいので閾値を超え、シアンで着色された情報バーM1、M2、M4、M8は透過光量が限りなく減衰し閾値以下を示している。
【0053】
一方、図2(3)はシアンフイルター31で覆われた第2の光検出センサー32により検出された光の受光量の結果を示しており、下地(白色紙)のトリガーTは分光比反射率が大きいので閾値を超え、シアンで着色された情報バーM1、M2、M4、M8も反射率が大きいので閾値を超え検出されていることを示している。
【0054】
さらに、図2(4)は、閾値以上の光を検出した場合をプラス(+)、閾値以下のときをマイナス(−)としたものを模式的に示した。
【0055】
図2(4)から明らかな通り、情報バーの対m1/c1 ,m2/c2, m4/c4 ,m8/c8 は必ず+と−とが対になっている。m1が+なら他方のc1は−、反対に一方のm1が−なら他方のc1は必ず+でなければこの情報は誤りであると判断する自己判定機能(セルフチェック機能)を有するのである。
【0056】
このセルフチェック機能は、図3に示すように、カラーバーコードのコードの認識を、B色(シアン)を透過する光フイルター31で覆われた第2光検出センサー32と、他のもう1方のA色(マゼンタ)を透過する光フイルター33で覆われた第1光検出センサー34と、少なくとも1個以上の光源35とからなることを特徴とするカラーバーコード読取り装置36にすることによって初めて可能となった。
【0057】
カラーバーコードの他の読取り装置は、図4(1)に示すようにB色(シアン)を透過する光フイルター31で覆われた第2光源39と、A色(マゼンタ)を透過する光フイルター33で覆われた第1の光源40と、当該第1光源40および第2光源39からバーコードに照射され、バーコードから反射された光を検出する第1光検出センサー34および第2光検出センサー32とで構成されたカラーバーコード読取り装置41によっても可能である。
【0058】
更に又、カラーバーコードの他の読取り装置42は、図4(2)に示すように第2光源39とB色(シアン)を透過する光フイルター31で覆われた第2光検出センサー32とからなる第1受発光素子と、第1光源40とA色(マゼンタ)を透過する光フイルター33で覆われた第1光検出センサー34とからなる第2受発光素子とからなるカラーバーコード読取り装置によっても可能である。
【0059】
図5は本発明の原理説明図であり、図5(1)には、本発明のさらなる機能を説明するため、白紙に2値4ビット情報でデジマル数値11を表わすカラーバーコードの例を示した。このカラーバーコードは、M1M8にシアンをM2にはマゼンタを着色し、M4 にはシアンとマゼンタの減法混色を施してある。トリガー(T)は白紙なので光を良く反射する。本発明はトリガーが光を反射する場合は、情報M0であるM4は光を吸収するので光の反射率は低いが、反対にトリガーが光を反射しない自動車の黒タイヤなどのような暗色下地の場合には、ゼロであるM4は逆にシアン、マゼンタ以上に光を反射する色にする必要がある。
【0060】
したがって、下地が明色にシアンとマゼンタを使用したカラーバーコードのM0であるM4はシアンとマゼンタの混合色で着色した。
【0061】
図5(2)には、下地である白紙のトリガーTとマゼンタで着色されたm2が閾値以上の値を示し、m1m4m8は閾値以下となっている。
【0062】
一方、図5(3)には、下地である白紙のトリガーTとシアンで着色されたc1が閾値以上の値を示し、c2c4は閾値以下となっている。
【0063】
閾値以上を+、閾値以下を−として図5には、光フイルター33で覆われた第1光検出センサー34により検出された光受光量(m)と光フイルター31で覆われた第2光検出センサー32により検出された光受光量(c)の結果を整理して図5の(4)に示した。これによるとトリガーTは常に閾値を超え第1光検出センサー34、第2光検出センサー32により検出された光受光量(m)(c)の出力は共に閾値(th)より大きく+であり、M0のモジュールバーの光受光量(m)(c)の出力は閾値(th)以下で検出されず逆に常に−となる。
しかし、デジタル2値データーであるM1、M2、M8の第1光検出センサー34(m)により検出された光受光量と、第2光検出センサー32により検出された光受光量(c)とは常にプラス、マイナス逆転し±となる、すなわちネガポジの関係となり、ネガポジが確認されるとモジュールバー巾サイズの大小に関わらず情報が正しいことの証しとなる。
【0064】
図6モジュール間にトリガーを挿入した本発明の説明図で、図6(1)には、カラーバーコードのモジュール(M)を1個1個区切るトリガーTを挿入した例を示した。
白色のトリガーT、M1をシアン、M2、M8をマゼンタに、M4にはシアンおよびマゼンタをそれぞれ着色し、白紙の分光比反射率を1(白紙は光を反射するので分光比反射率はかなり大きいので、これを白紙のままトリガーとして用いた場合)とし、閾値(th)を0,75としたときの第1光検出センサー34の光受光量(m)および第2光検出センサー32の光受光量(c)を図6(2)および(3)に示した。
【0065】
図6(4)には、光検出センサー32,34の光受光量が閾値を超えた場合を+、閾値以下を−としてときの模式表的に示したように、有意数値シンボルの情報バーは+−若しくは−+と必ず異符号となる。情報シンボルモジュールでないことを表すトリガー(T)と、空位情報(M0)はトリガーが++とダブルプラスであるのとは逆に−−とダブルマイナスの同符号となる。M0はシアンとマゼンタとの混色の他、黒、濃い灰色そのほか一定の裕度をもって閾値より光受光量が小さくなるようなものであれば何でも良い。
【0066】
シアンおよびマゼンタは所定のコードルールに基づき配列されてなるA色、B色の2単色およびC色(含む、A色B色の混合色若しくは黒色、灰色、白色)とで着色されたバーコードにおいて、当該バーコードの各情報バーとの間に挿入されるトリガーの光反射率とC色の光反射率との大小関係が逆であることを特徴とするカラーバーコードを本発明は提案するものである。
【0067】
所定のコードルールに基づき配列されてなるA色、B色の2単色およびC色とで着色されたバーコードにおいて、当該バーコードの各情報バーとの間に挿入されるトリガー(T)の光透過率とC色の光透過率との大小関係が逆であることを特徴とするカラーバーコードを本発明は提案するものである。
【0068】
所定のコードルールに基づき配列されてなるA色,B色およびC1色(含む、A色B色の混合色若しくは黒色、灰色)とで着色されたバーコードにおいて、当該バーコードの各情報バーとの間に挿入されるトリガーの光反射率がA色,B色の2単色の反射率と同程度以上のときは、C1色の光反射率はA色およびB色の反射率の2/3以下であることを特徴とするカラーバーコードを本発明は提案するものである。
【0069】
所定のコードルールに基づき配列されてなるA色、B色およびC2色(灰色または白色)とで着色されたバーコードにおいて、トリガーの光反射率がA色およびB色の2/3以下のときは、C2色の光反射率はA色,B色の反射率と同程度以上であることを特徴とするカラーバーコードを本発明は提案するものである。
【0070】
本発明を自動車等のタイヤなど非着色の下地が暗色である媒体の生産管理に使用する場合について説明すると、トリガーを着色しないときは、トリガーは黒のように暗色である色の場合、光反射率はほぼゼロに近い。Tの第1光検出センサーと第2光検出センサーの光受光量は閾値以下なので−−のダブルマイナスである。
【0071】
ここで問題は、M0も−−のダブルマイナスなのでトリガーとの区別が出来ない。しかし、この点に関しても本発明は完全な解決を与えた。TおよびTの光反射率はゼロに近い値であるのでゼロシンボルモジュール(M0)も−−のダブルマイナスでは誤認されるので、Tの光反射率がゼロに近い値の場合には++のダブルプラスとすることは本発明を実施するうえで必須の条件である。
【0072】
バーコードが印刷される素材の地色や材質などによって、M0の着色は選択される。例えば、白色の紙等の時は白色が高い反射率を有するのでトリガーはダブルプラスになるため、M0はダブルマイナスにし、タイヤなどの様に黒色で光の反射率が非常に低い場合はM0は光反射率の高い色に着色する必要がある。
【0073】
黒色のタイヤに適用した場合の例を図7(1)に示す。図7(1)に示すようにモジュールの間にトリガー(T)があるが、このトリガーはタイヤの生地そのもの色(黒)をそのまま使う場合で説明すると、黒はほとんど光を反射しないので第1の光検出センサー、第2の光検出センサーの光受光量は殆どゼロ−となるので、トリガーとM0とを区別するため、M0には光反射率の大きい色若しくはメタルパウダー等を含む材質を着色若しくは貼付する。
【0074】
したがって、図7(2)、図7(3)に示すように、トリガーTの第1光検出センサー34と第2光検出センサー32の光受光量は共にゼロを示しており、モジュールM1をシアンに、M2及びM8をマゼンタに、M4には白などの反射率の大きい色をそれぞれ着色し、タイヤの分光比反射率を0とし、閾値(th)を0.75としたときの第1光検出センサー34と第2光検出センサー32の光受光量を示した。
【0075】
図7(4)には、閾値を超えた光受光量を+、閾値以下を−としたときの模式的に示したように、数値情報バーは+−若しくは−+と必ず異符号となる。一方、M0は++とダブルプラスの同符号となるように、白、灰色その他一定の裕度をもって閾値より光受光量が大きいものとしている。
【0076】
本発明の他の大きな特徴は、同一スペースにおける情報量を著しく増大することが可能にせしめたことを3進法に基づいた図8を用いて説明する。
【0077】
3進法に基づいたとは、
奇数値行(3−n 、・・・・、1、3、9、27・・・・・・・・・・3n−1 )と、
偶数値行(2×3−n、・・・、2、6,18,54・・・・・・・・・2×3n−1 )と
0数値行(空位)と
からなる三進行列の同列数値の奇数がA色、同列数値の偶数がB色、同列数値が0であるときは、C色若しくはC1色若しくはC2色であることを特徴とする三進カラーバーコードのことである。
【0078】
本発明は三進カラーバーコードを、図3、図4(1)、(2)のカラーバーコード読取装置によって、 3−n 、・・・・、1、3、9、27・・・・・・・・・・3n−1から なる奇数値行の奇数シンボルモジュールをA色で着色し、これをA色受発光素子により検出し、2×3−n、・・・、2、6,18,54・・・・・・・・・2×3n−1からなる偶数値行の偶数シンボルモジュールをB 色で着色し、これをB色受発光素子により検出し、C色若しくはC1色若しくはC2色で着色された空位シンボルモジュール(M0)と、トリガーとを第1の受発光素子および第2の受発光素子とで 検出することを特徴とするものである。
【0079】
図8(1)に第1番目のモジュールは数値シンボル1と2を、第2番目のモジュールには数値シンボル3と6,第3番目のモジュールには数値シンボル9と18,第4番目のモジュールには数値シンボル27と54を割り付けたコードがあり、それぞれのモジュールはトリガー(T)によって仕切られ、仮に 偶数値行の偶数シンボルをシアンで着色し奇数値行の奇数シンボルをマゼンタで、空位シンボル(M0)はシアンとマゼンタの減法混色を着色したカラーバーコードがあるとすると、これを本発明の読取り方法で読取る具体例を以下に記す。
【0080】
図8(2)に着色した状態を理解し易くするために示した。図8(3)と(4)にはマゼンタとシアンで反射光がフィルターされた場合のマゼンタ側の第1光検出センサー34の光受光量を図8(3)に、シアン側の光変換素子の第2光検出センサー32の光受光量を図8(4)に示してある。所定の閾値以下の光受光量であるモジュールはゼロとして処理し、閾値以上の光受光量であるモジュールは有意数値として処理する。シアン側の光受光量とマゼンタ側の光受光量の両方が閾値以下の光受光量であるモジュールも同じようにゼロとして処理する。
【0081】
図8(5)に図8(3)と(4)とを整理し読取った結果を示した。これによると数値の合計は2+3+54=59となり59となる。
【0082】
【作 用および効 果】
本発明は、従来のバーコードの有する問題を解決したのみならず、これまでにない多数の新規なる有益な効果を生み出した。その1つは、1つのモジュールをシアンとマゼンタのどちらかに塗り分けることにより2値化にすることができた。
【0083】
本発明は又、単位モジュール自体にセルフチェック機能を内蔵しているので、空位情報(M0)と無コードとを識別することが出来るようになった。
【0084】
本発明は又、三進カラーバーコードとその読取り方法および装置を提供し、省スペースでの高集積データ化を実現した。
【0085】
本発明は又、1個1個のモジュールを仕切るトリガーを設けたことにより、クロックカウントレスで測定誤差を排除し、クワイエットゾーンの規格がなくコード追記が可能となり、かつ読み取り方向が正逆上下いずれであっても読取り可能であると共に重ね印刷の色ずれがあっても読み取り可能である。
【0086】
本発明は色を使用しているので、媒体の変形やコード形状によるコードへの影響が少ないのでキャラクターのボイドやスポットによる誤読が少なくなった
【0087】
本発明は以上の通り多くのメリットを有しているので、これを流通や生産管理、品質管理その他自動制御などに広く用いられ産業の発展に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1(1)】 従来のバーコード説明図。
【図1(2)】 図1の光受光量と閾値との関係図。
【図1(3)】 図1の光受光量と閾値との大小関係を示す模式図。
【図2(1)】 (1)本発明のデータ対比実証用単色テストパターンの例。
【図2(2)】 第1光検出センサー34の光受光量mと閾値との関係図。
【図2(3)】 第2光検出センサー32の光受光量cと閾値との関係図。
【図2(4)】 34、32の光受光量と閾値との大小関係模式図。
【図3】 本発明のカラーバーコード読取り装置の概略平面図。
【図4(1)】 本発明のカラーバーコード読取り装置の他の概略平面図。
【図4(2)】 本発明のカラーバーコード読取り装置の他の概略平面図。
【図5】 本発明の原理説明図。
【図6】 モジュール間にトリガーを挿入した本発明の説明図。
【図7】 モジュール間にトリガーを挿入した本発明の他の説明図。
【図8】 本発明の三進カラーバーコードとその読取り原理図。
【0088】
【符号の説明】
T トリガー
th 閾値
31 シアンフィルター
32 第2光検出センサー
33 マゼンタフィルター
34 第1光検出センサー
35、39,40 白色光源
36、 41 、42 受発光素子
37 データ記録用の紙等の基材
38 着色剤
m マゼンタを表す
C シアンを表す
M1 第一ビット目を表すモジュール
M2 第二ビット目を表すモジュール
M4 第三ビット目を表すモジュール
M8 第四ビット目を表すモジュール
M0 ゼロシンボルモジュール即ち空位情報
m1 M1の第1光検出センサー34の光受光量
m2 M2の第1光検出センサー34の光受光量
m4 M4の第1光検出センサー34の光受光量
m8 M8の第1光検出センサー34の光受光量
c1 M1の第2光検出センサー32の光受光量
c2 M2の第2光検出センサー32の光受光量
c4 M4の第2光検出センサー32の光受光量
c8 M8の第2光検出センサー32の光受光量
C色 A色B色の混合色若しくは黒色、灰色、白色
Claims (11)
- 所定のコードルールに基づき配列されてなるA色、B色の2単色およびC色とで着色されたモジュールにおいて、当該各モジュール間に挿入されるトリガーの光反射率とC色の光反射率との大小関係が逆であることを特徴とするカラーバーコードを記録した基材。
- 所定のコードルールに基づき配列されてなるA色、B色の2単色およびC色とで着色されたモジュールにおいて、当該各モジュール間に挿入されるトリガーの光透過率とC色の光透過率の大小が逆であることを特徴とするカラーバーコードを記録した基材。
- 所定のコードルールに基づき配列されてなるA色,B色の2単色およびC1色とで着色されたモジュールにおいて、当該各モジュール間に挿入されるトリガーの光反射率がA色,B色の2単色の反射率と同程度以上のときは、C1色の光反射率はA色,B色2単色の反射率の2/3以下であることを特徴とするカラーバーコードを記録した基材。
- 所定のコードルールに基づき配列されてなるA色,B色の単色およびC2色とで着色されたモジュールにおいて、トリガーの光反射率がA色およびB色の2/3以下のときは、C2色の光反射率はA色,B色の反射率と同程度以上であることを特徴とするカラーバーコードを記録した基材。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載のカラーバーコードを記録した基材において、
奇数値行(3−n 、・・・・、1、3、 9、27・・・・・・・・・・3n−1)と、
偶数値行(2×3−n、・・・、2、6,18,54・・・・・・・・・2×3n−1)と、
からなる三進行列の同列数値の奇数がA色、同列数値の偶数がB色、同列数値が0であるときは、C色若しくはC1色若しくはC2色であることを特徴とするカラーバーコードを記録した基材。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載のカラーバーコードを記録した基材において、同列数値0をC色若しくはC1色若しくはC2色とし、モジュール間に挿入されるトリガーはカラーバーコードを付する物の生地の色をそのまま使用するか若しくは着色したことを特徴とするカラーバーコードを記録した基材。
- 請求項1から請求項6のいずれかに記載のカラーバーコードを記録した基材から前記バーコードを読み取る方法において、センサー又は光源をA色フィルターで覆われたA色受発光素子によりA色モジュールを、さらにセンサー又は光源をB色フィルターで覆われたB色受発光素子によりB色モジュールを検出し、かつA色受発光素子およびB色受発光素子がC色モジュール及びトリガーを含めた4種類をデーターとして識別することを特徴とするカラーバーコード読取り方法。
- 請求項1から請求項6のいずれかに記載のカラーバーコードを記録した基材から前記バーコードを検出・認識するカラーバーコード読取り装置において、A色を透光する光フイルターで覆われた第1の光検出センサーと、B色を透光する光フイルターで覆われた第2の光検出センサーと、少なくとも1個以上の光源とからなる受発光素子によりモジュールを検出し読み取ることを特徴とするカラーバーコード読取り装置。
- 請求項1から請求項6のいずれかに記載のカラーバーコードを記録した基材から前記バーコードを検出・認識するカラーバーコード読取り装置において、A色を透光する光フイルターで覆われた第1の光源と、B色を透過する光フイルターで覆われた第2の光源と、第1および第2の光源からバーコードに照射され、当該照射されたバーコードから反射された光を検出する第1光検出センサーおよび第2の光検出センサーとで構成されたことを特徴とするカラーバーコード読取り装置。
- 請求項1から請求項6のいずれかに記載のカラーバーコードを記録した基材から前記バーコードを検出・認識するカラーバーコード読取り装置において、第1の受発光素子(第1の光源とA色を透過する光フイルターで覆われた光センサー)と第2の受発光素子(第2の光源とB色を透過する光フイルターで覆われた第2の光センサー)とからなることを特徴とするカラーバーコード読取り装置。
- 請求項8〜請求項10のいずれかに記載のカラーバーコード読取り装置によって読み取る方法において、
3−n 、・・・・、1、3、9、27・・・・・・・・・・3n−1からなる奇数値行の有意数値をA色で着色し、これをA色受発光素子により検出し、2×3−n、・・・、2、6,18,54・・・・・・・・・2×3n−1からなる偶数値行の有意数値をB色で着色し、これをB色受発光素子により検出し、C色若しくはC1色若しくはC2色で着色されたゼロシンボルモジュールと、トリガーとを第1の受発光素子および第2の受発光素子とで検出することを特徴とするカラーバーコード読取り方法。
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