JP2747905B2 - 図柄組合わせ遊技機用の図柄可変表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、図柄組合わせ遊
技機用の図柄可変表示装置に関し、更に詳しくは、パチ
ンコ球やコイン等を利用した変動制御条件に基いて図柄
組合わせゲームを展開し得る遊技機において、予め設定
された図柄同志の組合わせ条件の成立時に遊技者の有利
とされる大当り状態や、入賞成立状態を表現することの
できる回転ベルト式の図柄可変表示装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】図柄付きのパチンコ機やスロットマシン
に代表されるこの種の遊技機においては、図柄組合わせ
ゲーム用の機械的回転形式の実体表示部として一般に図
柄ドラム形態の図柄可変表示装置が採用されている。こ
の装置では、その基本的な構成として、ステッピングモ
ータと、各種多数の図柄および１個の基準インデックス
を配置してモータで回転される図柄ドラムと、基準イン
デックスに対する検出手段と、を含めて１基毎の図柄ユ
ニットに構成され、この図柄ユニットを複数基組単位に
して１つのユニット表示装置とされている。そしてこの
装置による図柄組合わせゲームにあっては、始動条件に
応答する電子制御装置側での入出力制御処理に基いて、
各列毎の図柄ユニットのモータのパルス駆動に従い図柄
ドラムが回転され、また検出手段による基準インデック
スの検出以後のモータの停止に従い図柄ドラムが所定位
置に停止される。そうして表示された図柄同志の組合わ
せ判定結果に基いて、夫々の遊技機において特別遊技ま
たは入賞成立が出現可能とされている。

【０００３】しかしながら前述のような図柄可変表示装
置では、各列の図柄ドラムの表面に形成・配置される図
柄の種類,コマ数を多くしたり、また１コマ分ずつの図
柄を大きくしようとすれば、必然的に図柄ドラムが大径
化して大型のモータが必要となり、表示装置全体が大型
でコスト高となって好適に実施し得ない大きな問題を伴
う。このため現実には、遊技機の構成・サイズ等に適合
することの条件において、図柄ドラムのサイズ(直径)、
図柄のコマ数等が制限されて製作・実施されており、こ
れに制約されて図柄組合わせゲームの表示内容の多様化
に充分応えることができなくなっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこでこのような状況
にあって、前述の図柄ドラム形態の表示装置に内在する
問題を解決し得る別タイプの１つとして、近年では図柄
ベルト形態の表示装置が新たに見出されて多く提案され
つつある。この表示装置の提案によれば、各列の図柄ユ
ニットについて前後方向(奥行き方向)のサイズをかなり
小さくした上で、図柄ベルトの全周長の長尺化を図り得
ることから、多くの図柄コマ数、大きな図柄が使用可能
となり、図柄ドラム形態の場合と基本的に同様な設計、
図柄変動制御態様に基いて、実施し得ると期待されてい
る。しかし、従来の提案に係る図柄ベルトタイプの図柄
可変表示装置では、現実としてその構成が複雑化すると
共に大型化して製作・取扱いが煩雑となり、その上、図
柄ベルトの長尺化等に伴い振れ(ずれ)等を生じ易く、好
適な図柄変動,停止表示を図り得ない難点を内在してい
た。

【０００５】またこのような図柄可変表示装置にあっ
て、合成樹脂成形された回転体(プーリ)と図柄ベルトが
使用されるものでは、双方の回転摩擦により発生する静
電気に起因して埃やタバコのヤニ等を含む汚れが、双方
の表面、特に図柄ベルトの裏面凹凸部に圧着凝結化状態
で付着したまま残存してしまい、このために図柄ベルト
の適正な掛装状態が損なわれて、安定した回転が保証で
きなくなる問題があった。またこのような汚れが、図柄
ベルトに形成されたインデックスや磁気コード等による
図柄検出部分に凝結付着した場合には、不測な検出不良
を生じ的確な図柄検出ができなくなってしまう。この結
果、図柄ベルトの移動の停止に支障を来たして、安定か
つ適正な図柄停止表示を保証し得なくなる事態を招く重
大な問題が内在している。

【０００６】

【発明の目的】本発明は、前述した課題を好適に解決す
るべく提案されたものであって、装置全体の軽量小型化
を図り製作・取扱いを容易にすると共に、多種多様な図
柄を利用した多様な図柄組合わせゲームを表示可能に
し、図柄ベルトの汚れ付着防止をなして、図柄ベルトの
安定した移動並びに的確な検出停止表示を含めて好適な
図柄組合わせゲームを展開し得るようにした回転ベルト
形式の図柄可変表示装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前述した課題を克服し、
所期の目的を好適に達成するため本発明は、独自に図柄
変動停止表示機能を有する複数列の回転ベルト形式の図
柄ユニットと、夫々の図柄ユニットの図柄変動停止表示
に係る必要な入出力制御処理をなし得る制御回路装置と
を備えて、図柄組合わせ遊技機の前面側に複数コマ分の
図柄の組合わせゲームを表示し得る図柄可変表示装置に
あって、前記各列の図柄ユニットでは、前記制御回路装
置側に接続可能とされた駆動基盤兼用のセット板におい
て、制御回路装置側からのパルス出力制御に基いて駆動
・停止される駆動モータおよび合成樹脂成形された複数
の回転体を有する回転駆動制御機構と、複種類複数コマ
分の図柄および各図柄位置用の検出マークを配置して回
転駆動制御機構の回転体の外周間に掛脱可能に掛装され
た薄肉合成樹脂製無端状の図柄ベルトと、この図柄ベル
トの回転移動過程における所定検出部位で検出マークを
検出して制御回路装置側に入力する適宜光電式の検出手
段と、制御回路装置側から出力制御されて図柄ベルトの
前側帯部分における図柄を内側から前向きに照明し得る
照明具とを夫々組付けてセット板単位で構成すると共
に、前記回転駆動制御機構における所要の回転体の外周
所要部位に、前記図柄ベルトの検出マーク部分との接触
を避けるための窪み状の逃し凹部を形成する一方、図柄
ベルトの回転移動途上の所要部位に、検出マークに対応
する所要部分に適宜接触し得る埃取り用の除去部材を設
けたことを特徴とする。

【０００８】

【作用】１枚の駆動基盤兼用のセット板に、駆動モータ
および複数の回転体を含む回転駆動制御機構、検出手
段、照明具を夫々所定位置に設置すると共に、回転体の
外周間に無端状の図柄ベルトを掛装して、各列分の図柄
ユニットがセット板単位で軽量小型にして簡単に構成・
製作され、このような図柄ユニットは、各々のセット板
同志を並列にして連結することにより複数基が組単位で
縦列セットされて、１台毎の図柄可変表示装置の実体表
示部として構成し得ると共に簡単に取扱い得る。また各
列の図柄ユニットにおいて、セット板を制御回路基盤側
に手際よく接続し得る一方、図柄ベルトを別種の図柄を
有するものと交換掛装して、別の図柄組合わせゲームを
表示可能にし得る。そして対象の遊技機での実施におい
て、制御回路装置からの制御条件に基く夫々の図柄ユニ
ットの図柄可変作動にあって、駆動モータおよび回転駆
動制御機構の駆動に従い図柄ベルトが所定方向へ連続移
動される過程において、検出手段による図柄ベルトの検
出マークの検出に基いて所要の図柄を停止表示する一
方、照明具により図柄を照明して図柄組合わせゲームが
展開される。

【０００９】このような図柄組合わせゲームにあって、
各列の図柄ユニットにおける図柄ベルトに付着し易い埃
等を除去部材で払除き得ると共に、回転体と検出マーク
との接触を窪み状の逃し凹部で回避し得ることにより、
検出マーク部分に付着する埃等の汚れの圧着凝結化を防
止して、図柄ベルトの適正な掛装状態並びに検出手段に
よる的確なマーク検出を維持し、適正な図柄検出停止表
示を基本とした好適な図柄組合わせゲームが保証され
る。

【００１０】

【発明の実施の形態】次に、本発明に係る図柄組合わせ
遊技機用の図柄可変表示装置について、好適な実施例を
挙げて添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。な
お、本実施例に係る図柄可変表示装置(表示装置とも略
称する)は、図柄組合わせ遊技機として既に一般的に知
られている図柄付きのパチンコ機やスロットマシンにお
いて、好適に実施可能とされるものであり、ここでは主
としてパチンコ機用とされる表示装置について具体的に
説明する。

【００１１】図１に全体が略示されたパチンコ機Ｐに実
施される本実施例の図柄可変表示装置Ｍは、基本的な構
成として図２〜図５に示すように、遊技盤６０の前面側
に装着セットされる透視表示体１と、遊技盤６０の裏面
側に装着される収容体４３内に縦列収容セットされる複
数基(図示３基)の図柄ユニットＵと、夫々の図柄ユニッ
トＵに係る所要の入出力制御をなし得る図１１の制御回
路装置Ｅとを備え、そしてパチンコゲーム中に発生した
始動信号入力条件により、制御回路装置Ｅから発生され
る制御出力に基いて、各列の図柄ユニットＵの図柄ベル
ト２８が設定時間条件で回転・停止されて、各図柄を遊
技盤６０前面の入賞ライン上に表示し得るようになって
いる。

【００１２】このような表示装置Ｍにあって、前記透視
表示体１では、図２,図４および図５に示すように、中
央部に開口された方形の窓口２内の裏側にレンズ兼用の
透視板３が装着されており、この透視板３に左、中、右
の３列の表示窓４と、図柄停止表示用の複数本の入賞ラ
イン５が形成されている。各列の表示窓４は、図示３コ
マ分ずつの図柄を透視表示し得、これに合わせて入賞ラ
イン５は上、中、下３本の横線と互いに斜状交差する２
本の斜線を例示し、中央横線を基準ラインとして設定し
ている。またこの透視表示体１の各部には、前記始動入
力条件の有効保留数(例えば最高４個まで)を表示する保
留ランプ６や、図柄表示内容等に応じて表示される装飾
光用の表示ランプ７等が配設されている。なお、透視板
３は、帯電防止剤を含む有色透明樹脂材より成形された
ものが好適に使用できる。

【００１３】一方表示装置Ｍの実体表示部とされる前記
３基の図柄ユニットＵでは、共に同一の形式のものとし
て図３〜図６に示すように、１枚の駆動基盤兼用のセッ
ト板１１に配置された駆動モータ１７および合成樹脂成
形された張力調整用を含む複数の回転体を有する回転駆
動制御機構１６と、この機構１６の回転体外周間に無端
状態で掛脱可能に掛装されたフィルム製のマーク式の図
柄べルト２８と、図柄ベルト２８の移動過程で図柄の位
置検出をなす適宜光電式の検出手段３１と、図柄ベルト
２８の前側帯部分における図柄を内側から前向きに適時
照明する照明具３３とを有し、ユニット１基づつが当該
のセット板１１単位で軽量小型にして簡単に構成・製作
できる。そして前記セット板１１は、ガラス繊維入りの
合成樹脂板材で成形されたプリント回路基盤タイプのも
ので、各部分に取付け孔や放熱孔等が成形されている一
方、その外表面に図４中破線で略示するようなモータ用
回路１２、検出用回路１３、照明用回路１４等が夫々区
分して構成されて、これらの回路１２,１３,１４の終端
が、セット板１１の後側に設置された１つの接続具１５
の各ピンに接続されている。

【００１４】また前記回転駆動制御機構１６では、前記
セット板１１の外側(図３,図５中右側)において、所定
位置にビス６６等で定置されて回路１２にコネクタ接続
された駆動用のステッピングモータ(単にモータともい
う)１７と、セット板１１の内側(図３,図５中左側)にお
いてモータ１７に連結セットされた大径の主プーリ１９
と、この主プーリ１９に対する所定の軸心間位置の水平
な固定支軸２１に位置決め支持された小径の従プーリ２
０とが主体とされ、この両プーリ１９,２０間の後方部
に張力調整用の案内プーリ２６を有する案内具２２が組
付けられている。そしてモータ１７は、その座盤６２を
セット板１１の円孔６１に密嵌してビス６６で位置決め
定置されて、モータ軸６３に結合した回転盤６４を、円
孔６１を通して内側に延出しており、主プーリ１９がそ
の中心の連結座盤６５を回転盤６４に整合してビス６７
で連結されている。また前記案内具２２では、セット板
１１の内側に水平に固定延出された支軸２４にアーム２
３が支持されてばね２５で付勢されており、このアーム
２３の支軸２７に支持された樹脂製円筒形の案内プーリ
２６が、図柄ベルト２８の内側から適宜圧接して適正な
伸張状態で案内し得る。但しこの案内具２２は、指先操
作によりアーム２３と共に案内プーリ２６を非案内位置
に変位可能にしており、また案内プーリ２６は、その外
周両端部が緩いテーパ状にされている。

【００１５】前記図柄ベルト２８は、図７に略示する後
述の図柄表示帯Ｂの両端同志を溶着接合して、極めて抗
張力の高く伸縮変化の小さい無端ベルトに構成されて、
前記回転駆動制御機構１６の各回転体１９,２０,２６の
外周間に亘り、図４,図６のように掛装セットされてい
る。そしてこのベルト２８では、案内プーリ２６に作用
する付勢力(ばね力)により全体的に適正に展張保持され
ているもとで、主プーリ１９の外面半周分に亘り常に掛
け受けられていると共に、従プーリ２０との間に亘る前
側帯部分２８ａと、案内プーリ２６との間に亘る後側帯
部分２８ｂとが略平行状態を呈している。このような展
張掛装状態に保持されているもとで、ベルト２８自体の
弛みや主プーリ１９との滑り等が回避されて、安定よく
軽快に回転移動し得るようになっている。なおこの図柄
ベルト２８は、主プーリ１９および従プーリ２０間の周
長よりも適宜長い無端ベルトの前提にあって、案内プー
リ２６の切換え変位を利用して手早く簡単に掛け通し
(着脱交換)できる。

【００１６】前述した図柄ベルト２８の母体である図柄
表示帯Ｂは、具体的には抗張力の高く伸縮変化の小さい
２枚の透明な極薄フィルム状材(例えばポリエステル、
内厚２５〜４０μ)をラミネートしたものを使用し、所
定の印刷裁断加工に基いて所定サイズ(長さ、幅)に成形
されている。そして表示帯Ｂの幅方向において、図７お
よび図８に略示するように、当り用、外れ用を含む複種
類の図柄２９(便宜上アルファベット文字で略示する)
が、検出手段３１によるセンサ感度(光透過性)の高い各
色彩のインク剤で印刷形成されて、図示１点鎖線の図柄
中心間隔Ｐで複数コマ分(図示番号「０〜２０」参照)に亘
り適宜順序で配置されている。また表示帯Ｂの一側部に
おいて、適宜選定した１つの基準図柄と各図柄とに対す
る所要位置に、前記検出手段３１で検出される検出マー
クとして、１つの基準マーク３０と複数の各図柄マーク
３０ａとが、例えばアルミニウムやクロム等のセンサ感
度の低い蒸着材の部分的な蒸着によりマーキング形成さ
れている。

【００１７】なお全ての図柄マーク３０ａが、各図柄の
中心線位置に図柄ベルトの所定パルス変位量分に対する
検出サイズＰ₂で形成配置され、一方基準マーク３０が
１つの基準図柄(例えば「Ａ」)の中心部において、検出手
段３１の２個のセンサ３２の検出間隔に適した検出サイ
ズＰ₁(但し１つ分の図柄マークを含む)で形成されてお
り(図８参照)、そしてこのマーク３０,３０ａ部分が、
図柄ベルト２８の他部分と比較して厚肉となっている。
また、図柄表示帯Ｂの図中に表記された数字番号「０〜
２０」は、後述する制御回路装置Ｅにおけるプログラム
上の処理制御の１つとして、全ての図柄２９の位置や種
類(Ａ〜Ｕ)を表わす図柄番号として便宜上定めたカウン
タ値を意味し、検出手段３１が基準マーク３０を検出し
た位置(時点)を基準値「０」として最終値「２０」までカウ
ントされで再び「０」にリセットされる。

【００１８】このような図柄表示帯Ｂにより成形された
図柄ベルト２８では、非常に質量の小さいフィルムベル
トとされ、透明な２枚の母材(表母材と裏母材)の互いの
接合面に形成された全ての図柄２９とマーク３０,３０
ａが、ベルトの外面からはっきり視認できるので、夫々
の印刷または蒸着の具合いやモジュール等の良否、更に
は互いの識別区分や整合性の適否等について、特別な機
器を一切不要として点検者自身の視覚を通じて手早く容
易に確認でき、しかも図柄表示体Ｂの取扱い、使用中に
おいて図柄２９やマーク３０,３０ａの剥れや欠落が一
切回避されて長く好適に使用できる。また、図柄２９と
各マーク３０,３０ａとの互いのセンサ感度(光透過性)
の差異を利用して、夫々のマークは、全ての図柄に何ら
制約されずに所要位置に形成配置し得、特に図柄の一部
分と重合位置するようなことがあっても、その非光透過
条件(光遮閉状態)を維持したまま適正に検出される。こ
れにより、所要とする図柄２９を夫々のマーク３０,３
０ａの位置に制約されずにベルトの幅全域に亘り大きく
形成したものとし得、カラフルで見栄えの良い好適な情
報マーク化式図柄表示材として手軽に実施できる。

【００１９】一方前記検出手段３１は、図柄ベルト２８
の連続移動過程で基準マーク３０の検出時にベルトの１
回転毎の位置決め基準検出をなし、この検出時を基準に
して各位置の図柄マーク３０ａを１つずつ検出するもの
であって、発光部と受光部を有する光センサ３２(図示
２個)が利用される。そして前記基準入賞ライン５の位
置を考慮した検出位置として、図３,図４,図６に例示す
るように、セット板１１の内側において図柄ベルト２８
の前側帯部分２８ａに対する上方部に並列状態で設置さ
れて、前記回路１３に接続されている。なお検出手段３
１は、光透過形式の両センサ３２が基準マーク３０およ
び図柄マーク３０ａに対して、非光透過状態(光遮閉状
態)を呈した時点で有検出(コード信号「１」)とされる例
とする。

【００２０】また前記照明具３３では、前記セット板１
１の内側において、回路１４の所定部位に接続固定され
たランプ基盤３４に、セット板１１の前縁中央に掛止さ
れるホッパー状の光拡散用のカバー３５が組付けられて
おり、ランプ基盤３４に配置された複数個のランプ３６
がカバー３５内の中央部に前向きに収容されて、図柄を
内側から直接照明するようになっている。なお各ランプ
３６は、所要の発光色をもつＬＥＤランプや丸形蛍光ラ
ンプ等が好適に使用し得る。

【００２１】前述のように１枚のセット板１１単位で構
成された夫々の図柄ユニットＵは、図１０に例示するよ
うな両端にねじ孔３８およびねじ軸３９を有し、かつ主
プーリ１９の軸長より若干長くしたスペーサ杆兼用の連
結杆３７を利用して、当該のセット板１１同志を簡単に
組付けてセットし得る。すなわち一例として図９に略示
するように、図示３基のユニットＵを同一向きの起立状
態にして、右列のセット板１１の各孔４０に各連結杆３
７のねじ孔３８を合わせてセット板１１外側からビス４
１を締付ける。次に、中列のセット板１１の各孔４０を
右列の各連結杆３７のねじ軸３９に位置合わせして、こ
のねじ軸３９に中列の各連結杆３７をねじ孔３８を介し
て連結する。そうして左列のセット板１１の各孔４０を
同様に中列の各連結杆３７のねじ軸３９に位置合わせし
て、そのねじ軸３９に左列のセット板１１側からナット
４２を締付ける。これにより各ユニットＵが、当該のセ
ット板１１同志を互いに縦列平行状態にして組付けセッ
トされて、表示装置Ｍの１組の実体表示部とされる(図
３,図５参照)。

【００２２】このような実体表示部では、各列のセット
板１１と主プーリ１９との隙間を最小限にして組付け得
ると共に、図示右列のモータ１７が外側に露出しても、
中列,左列のモータ１７,１７を右列,中列の各主プーリ
１９,１９の一方の開口面から内径内に嵌挿した状態に
し得ることにより、３列の図柄ユニットＵが必要最小幅
でセットし得る。そして実体表示部は、前記収容体４３
内に各基の図柄ユニットＵのセット板１１を位置決め係
止して収容されることにより、１つの収容体４３単位で
１基ずつ楽に取扱うことができ、またパチンコ機Ｐの遊
技盤６０裏側に対して収容体４３単位で容易に位置決め
セットし得る(図２〜図５参照)。この状態において、各
列の図柄ベルト２８の前側帯部分２８ａが透視表示体１
に臨み、また夫々のセット板１１の接続具１５が収容体
４３の裏側に露出されて、パチンコ機に装備される後述
の制御回路装置Ｅの入出力制御部に接続線Ｈを介して手
際よく簡単に接続できるようになっている(図５参照)。

【００２３】なお前記収容体４３については、図２,図
４,図５に示すように、前記遊技盤６０裏面に直接定着
されて前記透視表示体１と組付け整合される前枠体４４
と、この前枠体４４裏側に整合固定される後枠体４７と
の組立て式のものが例とされている。前枠体４４には、
透視板３に整合する広さの窓口４５が開口されていると
共に、その内側に各図柄ユニットＵのセット板１１に対
する位置決め係止部４６が形成されている。一方後枠体
４７には、その背面部に各セット板１１の接続具１５に
対する挿通口４８および放熱口４９が開口されていると
共に、その内側に位置決め係止部５０が形成されてい
る。そして双方４４,４７の組合わせ面の一側部(図５中
右側部)に、右列の図柄ユニットＵにおけるモータ１７
に対する逃し保護部４３ａが成形されている。なお後枠
体４７には、必要に応じて基盤や付属部品(図示しない)
が取着できるようになっている。

【００２４】ここで、前記図柄ベルト２８に係る設定事
項等について参考例として付記する。すなわち、モータ
１７の１回転に設定されたパルス数(但し整数)と主プー
リ１９の円周長とによる１パルス単位の１変位量、およ
び主プーリ１９の円周長とベルト２８の有効周長の比に
基くベルト１回転に要するパルス総数を予め求める。こ
のもとで、パルス総数を予め計算値に最も近い整数にし
て、ベルト２８を設計、製作可能な小数長(例えば１／
１０mmまで)を含む有効周長にする案、またはベルト２
８を予め整数有効周長にして、これに対応するパルス総
数を計算値の小数点位下四捨五入して整数にする案が選
定できる。そしてこの何れかの選定案に基いて、実施し
たい図柄間隔の基本ピッチおよび図柄のコマ数をベルト
２８の有効周長から基本的に割出すと共に、基本ピッチ
÷１パルス変位量による基準パルス数を算出して、この
基準パルス数に最も近い整数分を図柄１コマ単位の基本
パルス数として設定し、図柄ベルト２８の連続移動・停
止を図る。これにより理論計算値と実施値との差による
ベルト全体のずれや各図柄毎の表示ずれを「０」に近い最
僅小値に止め得、このもとで検出手段３１により基準マ
ーク３０の検出基準位置(カウンタ「０」のリセット時)か
ら全ての図柄位置を、基本パルス数単位に基いて夫々マ
ークを直接検出して、図柄の安定した移動および入賞ラ
イン５上での正確な停止表示を図り得る。

【００２５】なお、前述した設定条件に関係して、図柄
ベルト２８についてみた場合、基準入賞ライン５に対し
て夫々の図柄２９の停止表示位置(中心線位置)が万一ず
れを生ずるとしても、その誤差は厳正にみた場合の最大
値として、前記１パルス変位量による微小値範囲に過ぎ
ない。このためこの微小誤差を実質的には公差範囲とす
ることができ、入賞ライン５に対する図柄の中心線位置
での停止表示と見做しても何ら差支えのないところであ
る。従って、図柄ベルト２８の掛装に際しては、主プー
リ１９に対する図柄の位置選択や基準合わせ等の制約を
受けることなく自由に掛装し得、その手間や煩わしさが
回避できると共に、小型のモータ１７でも図柄べルト２
８を軽快に回転させることができる。また前記検出手段
３１の検出位置についてみた場合、入賞ライン５に対し
て夫々の図柄２９がその中心線位置を前述の公差範囲内
に合わせて停止表示されることの前提において、入賞ラ
イン５の位置から１パルス変位量×設定パルス数に基く
位置に設定し得る。

【００２６】前述した表示装置Ｍの実体表示部(３基の
図柄ユニットＵ)に係る基本的な入出力制御系統につい
ては、一例として図１１にブロック的に略示した前記制
御回路装置Ｅにより構成されている。この回路装置Ｅで
は、入賞判定部５１、乱数データ設定部５２、モータ制
御部５３およびパルス発生部５４、そして各図柄表示ユ
ニットＵ毎に対するカウンタ部５５および図柄検出部５
６が基本的な主体制御部とされており、そして表示装置
Ｍの基本的な図柄変動制御態様として、初期の「図柄原
点位置確認制御処理」と、前記始動信号入力に対する「図
柄変動停止制御処理」を主にした所要の制御を図り得る
と共に、図示３列の図柄ユニットＵを、所定の順序、時
間、変速条件で変動・停止制御処理し得るようになって
いる。

【００２７】参考例として、前記「図柄原点位置確認制
御処理」については、３列の図柄ユニットＵにおける図
柄原点合わせが「外れ」表示とされる例では、電源投入に
対して入賞判定部５１と乱数データ設定部５２との間の
応答により、各列の停止用図柄に係る１つの「外れ初期
データ」が選定されて入賞判定部５１に保留される。そ
してこのデータ条件において、入賞判定部５１からの指
示に応答するモータ制御部５３の駆動制御(パルス出力)
に基いて、３列のモータ１７が順次駆動されて図柄ベル
ト２８が回転される一方、入賞判定部５１に各列毎の検
出停止図柄に係る図柄マークの検出条件が保留される。
このもとで設定時間後に入賞判定部５１からの検出条件
指示を受けた各列の検出手段３１が、当該列毎の図柄ベ
ルト２８の基準マーク３０を検出した時点から前記「外
れ初期データ」に対応する所定位置のマーク(双方のマー
ク３０,３０ａを含む)を検出すると、その情報をカウン
タ部５５および図柄検出部５６を経て入賞判定部５１に
入力する。

【００２８】そしてこのマーク検出終了時点から設定時
間後に、モータ制御部５３からの駆動制御停止(パルス
出力の停止)に従い、各列のモータ１７と共に図柄ベル
ト２８が停止されて前記検出されたマークに対する１つ
の図柄２９を入賞ライン５上に停止表示する。この結果
において、各列の検出手段３１の検出情報内容が、当該
のカウンタ部５５および図柄検出部５６に順次入力され
て、検出された図柄マークとこれに対するカウンタ値
(０〜２０)および図柄２９の種類(Ａ〜Ｕ)との比較変換
処理等がなされて、最終的に入賞判定部５１に情報入力
されているもとで、各列の図柄の原点位置が確認されて
そのまま待機される。なおこの「確認制御処理」において
は、前述した「外れ初期データ」処理方式の他に、入賞判
定部５１と、モータ制御部５３との間の時間的処理条件
に基く「時間制御データ」処理方式も好適に採用し得る。

【００２９】一方前記「図柄変動停止制御処理」について
は、パチンコゲーム中に発生する始動信号入力に対して
行なわれる。すなわち、１つの始動入力に対して入賞判
定部５１での指示に基いてモータ制御部５３から送信さ
れるパルス出力により、３列のモータ１７の順次駆動に
従い図柄ベルト２８が回転される一方、乱数データ設定
部５２において、始動入力に対する停止図柄のための１
つの「サンプリングデータ」が選出される。この「サンプ
リングデータ」については、全ての図柄組合わせ総数の
内から当該の図柄ベルト２８における全てのマーク３
０,３０ａに対応する図番カウンタ値の情報内容に該当
して外れ用、当り用に区分された何れか１つのデータに
決定されて、入賞判定部５１に一旦入力保留される。次
いで、この入賞判定部５１の処理指示にあって、モータ
制御部５３の駆動制御に基いて各列のモータ１７の順次
減速駆動に従い図柄ベルト２８が低速回転される最終段
階において、検出手段３１が「サンプリングデータ」で定
められた検出条件に基いて、基準マーク３０の検出基準
時点から所定位置の例えば図柄マーク３０ａを検出し
て、カウンタ部５５および図柄検出部５６を経て入賞判
定部５１に情報入力する。

【００３０】そして、この検出終了時点から設定時間後
にモータ制御部５３からのパルス出力停止に従い各列の
モータ１７と共に図柄ベルト２８が停止されて、検出さ
れた例えば図柄マーク３０ａに対する１つの図柄(当り
用または外れ用)２９を入賞ライン５上に停止表示す
る。この時点において、各列の検出手段３１のマーク検
出内容については、夫々のカウンタ部５５において基準
マーク３０の検出時点から検出された何れかのマーク３
０,３０ａの位置に対応するカウンタ値が「０〜２０」の
範囲で検出されて図柄検出部５６に入力され、また同検
出部５６において検出されたカウンタ値から図柄２９の
種類(Ａ〜Ｕ)が検出判定されて入賞判定部５１に情報入
力されている。このもとで同判定部５１では、前記「サ
ンプリングデータ」に基いて、夫々の停止図柄を個別的
および全体的に判断している。この結果として入賞ライ
ン５上の図柄組合わせについて、例えば３列の同種当り
用図柄一致の場合では「当り」、これ以外の場合では全て
「外れ(リーチ外れを含む)」として夫々判定処理される

【００３１】なおこの制御処理においては、前述とは別
方式として、前記乱数データ設定部５２から抽出された
１つの「サンプリングデータ」が、予じめ当り用、外れ用
に区分された何れかのデータに決定されて、入賞判定部
５１の当り処理部と外れ処理部とに区分して入力処理す
る方式も好適に採用できる。ちなみにこの制御処理例に
よる「サンプリングデータ」の作成設定例としては、当り
処理番号「数字１」と、外れ処理番号「数字２」とが適宜順
序で配置されて一定周期で巡回される数列(乱数テーブ
ル)が採用され、そしてこの数列内にあって、始動入力
時に当りまたは外れの処理番号をもつ１つの「サンプリ
ングデータ」が抽出される。

【００３２】このような本実施例の図柄可変表示装置Ｍ
によれば、前述したマーク直接検出による図柄停止表示
例において、各列の図柄ユニットＵの図柄ベルト２８
が、図柄１コマ単位毎に対応する基本パルス数分の変位
量に何らかの誤差を生じたとしても、検出手段３１が所
定の検出マーク３０,３０ａを有検出した時点で、これ
に対するカウンタ値から図柄２９を正確に検出判読し
て、所定時間後に同図柄２９を入賞ライン５上に合わせ
て停止表示させることができる。なお基準の入賞ライン
５以外の他の入賞ライン(上下の横線および斜線)上に停
止された夫々の図柄同志の組合わせについては、基準の
入賞ライン５上の夫々の図柄に係るカウンタ値に対して
「＋１つ分と−１つ分」のカウンタ値(図柄１コマ分の設
定パルス数)に算出処理に基いて検出判定されることに
なる。また、図１１中に例示したスピーカ５７および表
示ランプ３６は、始動入力時の図柄変動停止条件に合わ
せて夫々の効果音、表示光を発生する。

【００３３】前述のように構成されて実施し得る本実施
例の図柄可変表示装置Ｍにあっては、各図柄ユニットＵ
毎において、回転駆動制御機構１６の回転体および図柄
ベルト２８の摩擦帯電(静電気)と、帯電に起因して図柄
ベルト２８に付着する汚れ(埃)等の事態に鑑みて、これ
らを好適に除去する対策として次のような構成が付加さ
れている。

【００３４】先ず、前記機構１６の一部の回転体、主と
して前記主プーリ１９および従プーリ２０については、
導電性樹脂、例えばポリプロピレンを主成分とするベー
ス樹脂に、導電性カーボン質材料を混練・複合化した複
合型導電性樹脂材により、夫々所要サイズ(直径、軸長)
の円筒形に成形された強度、電気的性質、成形性の面で
バランスのとれた軽量のプーリとされている。そして、
夫々のプーリ１９,２０の外周面形状として、図１２,図
１３,図１４に例示するように、全長の両端(両側の円筒
端の外周)にベルト振止め用のフランジ部７１,７１が成
形されている一方、有効軸長Ｌにおいて当該プーリの実
質外形として展張掛装された図柄ベルト２８の幅方向大
部分と直接当接する中央部軸長ｌ₁の大径の当接部７２
と、ベルト２８の両側縁部のたわみ変形を許容すると共
に、厚肉となった検出マーク３０,３０ａ部分との接触
を避けるための両端部軸長ｌ₂の小径窪み状の逃し凹部
７３,７３とが夫々形成されており、そしてこの両部７
２,７３が軸長ｌ₃のテーパ面部７４,７４で連接されて
いる。

【００３５】このような構成によれば、互いに合成樹脂
同志である主,従プーリ１９,２０と図柄ベルト２８との
回転摩擦による静電気の発生を好適に抑制して、その帯
電を著しく減少させ得ると共に、帯電による埃の付着を
なくすことができる。また両プーリ１９,２０の逃し凹
部７３を利用して、図柄ベルト２８の特に検出マーク３
０,３０ａ部分との接触を回避し得るので、同部分への
埃の付着あるいは同部分に付着残存する埃の圧着凝固化
を好適に解消し得る(図１３参照)。しかも使用した図柄
ベルト２８が、その全周長に亘る幅サイズにおいて、そ
の側縁に溶着代部分を含んで部分的に大幅であったとし
ても、両プーリ１９,２０の両側の逃し凹部７３,７３で
ベルト両側縁部のたわみ変形が許容されるので(図１４
参照)、両側のフランジ部７１,７１とベルト側縁との不
要な擦れ,浮き上り等が解消されて、図柄ベルト２８が
適正な展張掛装状態で安定よく軽快に連続移動できる。

【００３６】一方、図柄ベルト２８の回転移動過程、具
体的には前側帯部分２８ａの所要部位に、埃取り・除帯
兼用の除去部材７５が設置されている。この除去部材７
５については、図３,図４,図６,図１５に略示するよう
に、具体例として綿製の基布７６に導電性繊維(ナイロ
ン等)を植設したブラシ部７７が形成されたものであっ
て、基枠７６の裏面に設けた接着面７８を利用して、各
列の照明具３３のカバー３５の上部右側(検出手段３１
の下部)の取着部７９に交換可能に設置されており、そ
してブラシ部７７が、ベルトの裏側において前側帯部分
２８ａの側縁部、特に検出マーク３０,３０ａが位置す
る所要部分に直接接触し得るようになっている。これに
より、図柄ベルト２８の連続移動において、除去部材７
５のブラシ部７７が、検出マーク３０,３０ａの位置部
分と常に接触して帯電を好適に除去(空中放電)し得ると
共に、帯電による埃の付着を減少させ、また付着した埃
をきれいに取除くことができる。

【００３７】従って、前述したような除電・埃取りの対
策を施した本実施例の図柄可変表示装置Ｍにおいては、
主,従プーリ１９,２０に係る構成と、除去部材７５の設
置とによる相剰的な作用効果として、静電気の発生を防
止し得るもとで、図柄ベルト２８の帯電防止、検出マー
ク３０,３０ａの位置部分の汚れ防止をなし得るので、
長期間の使用にあっても検出マーク３０,３０ａを常に
正常な検出可能状態に維持することができる。これによ
り図柄ベルト２８の移動中において、検出マーク３０,
３０ａの汚れに起因する検出手段３１の検出不良を未然
に解消して、長く適正なマーク検出を図ることができ、
ひいては図柄ベルト２８の正確な変動・停止制御をなし
て、好適な図柄表示並びに組合わせゲームを呈すること
ができるものである。

【００３８】

【変更例】前述した実施例の照明具３３では、カバー３
５内に２個のランプ３６を配設した構成につき説明した
が、図１５に示すように、ランプ基盤３４に連結される
カバー３５内の上,中,下に３個のランプ３６を配置した
タイプや、図１６に略示するように、各列のカバー３５
に亘って共通の発光照明手段として蛍光管８０を横通さ
せたタイプ等が採用可能で、何れのタイプにあっても透
視表示体側の入賞ラインに沿って停止表示される図柄全
体を照射制御条件に基いて鮮明に照映し得る。また、埃
取り・除帯兼用の除去部材７５に関しては、実施例のよ
うに図柄ベルト２８の検出マーク３０,３０ａが位置す
る部分のみに直接接触させて埃取りおよび帯電の除去を
行なう構成に限らず、図１６に示す如く、検出マーク３
０,３０ａを含む図柄ベルト２８の幅方向全面に接触す
る構成であってもよい。

【００３９】前記除去部材７５の取付位置としては、前
記図柄ベルト２８の回転移動途上であれば、照明具３３
におけるカバー３５以外であってもよく、例えばセット
板１１の所要部位に直接交換可能に取付けることもでき
る。また、図柄ベルト２８の検出マーク３０,３０ａが
形成される端縁部を所要の隙間をもって両側から挟むコ
字状の取付部材を前記カバー３５やセット板１１に配設
し、この取付部材の内側に図柄ベルト２８に接触するよ
う除去部材７５を取付けて、ベルト２８の埃取りおよび
帯電の除去を行なわせるようにしてもよい。更に、除去
部材７５を図柄ベルト２８の回転移動途上に複数設けて
もよい。また、前記主プーリ１９および従プーリ２０に
ついては、導電性を有していない適宜の樹脂により成形
してもよく、また除去部材７５のブラシ部７７について
も、基布７６に導電性を有しない繊維を植設したものを
採用可能である。

【００４０】

【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係る図柄組
合わせ遊技機用の図柄可変表示装置によれば、１枚の駆
動基盤兼用のセット板に、駆動モータおよび複数の回転
体を含む回転駆動制御機構と、検出手段および照明具と
を夫々所定位置に設置すると共に、複数の回転体外周間
に無端状の図柄ベルトを掛装することにより、夫々の図
柄ユニットが当該セット板単位で軽量小型にして簡単に
構成・製作でき、また複数基のユニットを組単位にセッ
トして１台毎の実体表示部として簡単に取扱い得る。そ
して対象遊技機での実施にあっては、所定の図柄変動用
入力に対する制御回路装置の入出力制御に基き、夫々の
図柄ユニット毎の図柄ベルトを掛装したまま所定方向へ
連続移動させることができると共に、照明具により図柄
を前向きに照明するので、安定したグレードの高い図柄
組合わせゲームを展開させることが可能である。

【００４１】また図柄組合わせゲームにあって、各列の
図柄ユニットにおける図柄ベルトに付着し易い埃等を除
去部材で払除き得ると共に、回転体と検出マークとの接
触を窪み状の逃し凹部で回避し得ることにより、検出マ
ーク部分に付着する埃等の汚れの圧着凝結化を防止し
て、図柄ベルトの適正な掛装状態並びに検出手段による
的確なマーク検出を維持し、適正な図柄検出停止表示を
基本とした好適な図柄組合わせゲームが保証される。す
なわち、図柄ベルトの帯電防止、検出マークの位置部分
の汚れ防止をなし得るので、長期間の使用にあっても検
出マークを常に正常な検出可能状態に維持でき、図柄ベ
ルトの正確な変動・停止制御をなして好適な図柄表示が
可能となる。更には、図柄ベルトを容易に交換掛装し得
るので、別の図柄を有する図柄ベルトよる図柄組合わせ
ゲームも表示可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】パチンコ遊技機を示す正面図である。

【図２】図柄可変表示装置全体を略示する正面図であ
る。

【図３】図柄可変表示装置の実体表示部を部分的に破断
して示す正面図である。

【図４】図柄可変表示装置の実体表示部を示す側断面図
である。

【図５】図柄可変表示装置の実体表示部を示す平断面図
である。

【図６】図柄ユニットの主要部を分解して例示する斜視
図である。

【図７】図柄表示帯を展開状態で例示する説明図であ
る。

【図８】図柄表示帯の一部分を裏側から略示する説明図
である。

【図９】図柄ユニット同志の組付け状態を略示する一部
破断した説明図である。

【図１０】図柄ユニット用の連結部材を例示する一部破
断した正面図である。

【図１１】図柄可変表示装置の制御系統を略示するブロ
ック図である。

【図１２】回転駆動制御機構の主,従プーリの外周形状
を例示する断面図である。

【図１３】主,従プーリの外周形状と図柄ベルトの掛装
状態を誇張して例示する説明図である。

【図１４】主,従プーリの外周形状と図柄ベルトの掛装
状態を誇張して例示する説明図である。

【図１５】埃取り用の除去部材とその設置構造を例示す
る斜視図である。

【図１６】埃取り用の除去部材とその設置構造の変更例
を例示する斜視図である。

【符号の説明】

１１ セット板 １６ 回転駆動
制御機構 １７ 駆動モータ １９ 主プーリ
(回転体) ２０ 従プーリ(回転体) ２６ 案内プー
リ(回転体) ２８ 図柄ベルト ２８ａ 前側帯
部分 ２９ 図柄 ３０ 基準マー
ク(検出マーク) ３０ａ 図柄マーク(検出マーク) ３１ 検出手段 ３３ 照明具 ７３ 逃し凹部 ７５ 除去部材 ７７ ブラシ部 Ｅ 制御回路装置 Ｕ 図柄ユニッ
ト

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 呉岡 勉 愛知県名古屋市中村区烏森町３丁目56番 地 株式会社ニューギン内 (72)発明者 宮原 直樹 愛知県名古屋市中村区烏森町３丁目56番 地 株式会社ニューギン内

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 独自に図柄変動停止表示機能を有する複
   数列の回転ベルト形式の図柄ユニット(U)と、夫々の図
   柄ユニット(U)の図柄変動停止表示に係る必要な入出力
   制御処理をなし得る制御回路装置(E)とを備えて、図柄
   組合わせ遊技機の前面側に複数コマ分の図柄の組合わせ
   ゲームを表示し得る図柄可変表示装置にあって、 前記各列の図柄ユニット(U)では、前記制御回路装置(E)
   側に接続可能とされた駆動基盤兼用のセット板(11)にお
   いて、制御回路装置(E)側からのパルス出力制御に基い
   て駆動・停止される駆動モータ(17)および合成樹脂成形
   された複数の回転体(19,20,26)を有する回転駆動制御機
   構(16)と、複種類複数コマ分の図柄(29)および各図柄位
   置用の検出マーク(30,30a)を配置して回転駆動制御機構
   (16)の回転体(19,20,26)の外周間に掛脱可能に掛装され
   た薄肉合成樹脂製無端状の図柄ベルト(28)と、この図柄
   ベルト(28)の回転移動過程における所定検出部位で検出
   マーク(30,30a)を検出して制御回路装置(E)側に入力す
   る適宜光電式の検出手段(31)と、制御回路装置(E)側か
   ら出力制御されて図柄ベルト(28)の前側帯部分(28a)に
   おける図柄(29)を内側から前向きに照明し得る照明具(3
   3)と、を夫々組付けてセット板(11)単位で構成すると共
   に、 前記回転駆動制御機構(16)における所要の回転体(19,2
   0)の外周所要部位に、前記図柄ベルト(28)の検出マーク
   (30,30a)部分との接触を避けるための窪み状の逃し凹部
   (73)を形成する一方、図柄ベルト(28)の回転移動途上の
   所要部位に、検出マーク(30,30a)に対応する所要部分に
   適宜接触し得る埃取り用の除去部材(75)を設けたことを
   特徴とする図柄組合わせ遊技機用の図柄可変表示装置。
2. 【請求項２】 前記回転駆動制御機構(16)における所要
   の回転体として、前記駆動モータ(17)に連結されたフラ
   ンジ付きの主プーリ(19)およびこの主プーリ(19)の離隔
   位置に支持された従プーリ(20)の夫々の外周所要部位
   に、前記図柄ベルト(28)の所要位置に配置された前記検
   出マーク(30,30a)部分に対する接触回避用の小径窪み状
   の逃し凹部(73)を形成した請求項１記載の図柄組合わせ
   遊技機用の図柄可変表示装置。
3. 【請求項３】 前記除去部材(75)は、適宜繊維状材より
   形成したブラシ部(77)を、前記図柄ベルト(28)の少なく
   とも検出マーク(30,30a)部分に適宜接触し得る位置に設
   置した請求項１記載の図柄組合わせ遊技機用の図柄可変
   表示装置。