以下、本発明の実施例の詳細について説明する。図1及び図2は、本発明の回転位置検出装置が適用される回胴式遊技装置の一例を示す図である。
これらの図に示すように、回胴式遊技装置であるスロットマシン1は、遊技者側に面する、いわゆるフロントマスクを構成する前扉3が略矩形状の箱体である筐体2の開口側に対し図示しない蝶番機構により開閉可能に取り付けられている。前扉3は、上パネル部と下パネル部に概ね分けられ、これらは化粧板として視覚効果を高めてデザインされた硬質プラスチックにより一体的に形成されている。
そして、上パネル部と下パネル部との間に、遊技者側に若干突出し、ゲーム操作を行うための後述するスイッチ類が配置された操作卓4が一体的に設けられている。また、前扉3の下部には、メダルを貯留するための受皿部を形成する受皿ユニット5が設けられている。
前扉3の上パネル部には、高輝度発光ダイオードを内蔵した上部ランプ6及びサイドランプ7a,7bが配置され、リーチや大当たり等の際に点灯又は点滅して遊技者の視覚に訴える演出を行っている。また、上パネル部には、左右にスピーカを内蔵した演出用放音部8a,8bが設けられ、これらの演出用放音部8a,8bによりゲームの進行に応じて選択される効果音や楽音等による演出が行われる。
さらに、演出用放音部8a,8bの間には、表示窓が形成されており、その表示窓から液晶表示部9aが見えるように液晶表示ユニット9が配置されている。液晶表示ユニット9は、ゲームの進行に応じて選択された動画像を表示して、当該ゲームにストーリー性を与えたり、また、遊技者に内部当選結果を暗示して期待感を惹起させたりする等の演出を行っている。
上パネル部の中央には、略長方形の透明な表示窓11aと、遊技状態等をランプ表示する情報表示部とが形成されたパネル板11が取り付けられている。そして、筐体2内に設けられている3個の円筒状のリール12a,12b,12cが表示窓11aを通して目視されるように構成されている。
すなわち、筐体2内には、後述するように、リール12a,12b,12cを回転軸方向に並設してユニット化したリールユニット10が配置され、また、リール12a,12b,12cの各リールの外周面には、たとえば図2に示す21個の図柄が付された長尺状のプラスチックシートであるリールテープ28a,28b,28cがそれぞれ捲装されて貼り付けられている。そして、表示窓11a側に臨む縦3個、横3列の図柄が当該表示窓11aを通して遊技者側から目視されるように構成されている。
前扉3の中段には、ゲームに使用するメダルを投入するための投入口を有するメダル投入部13と、ゲームの操作を指示するためのベットボタン14、スタートレバー15及び3個のストップボタン16a,16b,16cがそれぞれ配設されている。
ベットボタン14は、スロットマシン1の当該ゲームに賭けるメダルの枚数を提示するための押圧式の操作スイッチである。スタートレバー15は、リール12a,12b,12cを一斉に回転させる指示をするためのレバースイッチであり、先端に球形の操作ノブを有するレバーを上下左右のいずれかの方向に傾倒操作するとオン作動し、レバーから手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフするように構成されている。
ストップボタン16a,16b,16cは、リール12a,12b,12cの各リールの回転停止を個別に指示するための押圧式スイッチであり、各リールの配列に対応してそれぞれ並設されている。
前扉3に形成された下パネル部には、スロットマシン1のモデルタイプ等を遊技者へ認識させるため、たとえば登場キャラクターの絵等を表示するパネル17が設けられている。
受皿ユニット5には、入賞時等においてメダルを排出するメダル排出口18と、後述するスピーカを内蔵しゲームの進行に応じて演出効果音を発生させる演出効果音部19a,19bがそれぞれ配設されている。
図3は、前扉3の裏面構造と、筐体2の内部構造を示す図である。なお、図3は、前扉3を筐体2から開いた状態を表している。同図において、前扉3の裏面上部には、上部ランプ6の光源である高輝度発光ダイオード31が配列されるとともに、上述の演出用放音部8a、8bに対向してスピーカ34a,34bが取り付けられている。
また、図3には示されてはいないがスピーカ34a,34bの間に液晶表示ユニット9が位置しており、液晶表示部9aが表示窓に向けて取り付けられている。さらに、液晶表示部9aの裏面側に、電気回路基板で形成された副制御基板310が取り付けられている。
なお、詳細は後述するが、スロットマシン1全体の動作は、筐体2側に設けられている主制御基板320によって統括制御されている。また、副制御基板310は、液晶表示部9aの表示制御、及び上部ランプ6、スピーカ34a,34bの制御等、ゲームの演出に係る制御を主に行っている。
副制御基板310の下方には、リール12a,12b,12cを目視させるための表示窓11aを有するパネル板11が取り付けられている。
パネル板11の下方には、中央表示基板330と呼ばれる電気回路(中継)基板が設けられている。中央表示基板330には、操作卓4に設けられているベットボタン14、スタートレバー15、ストップボタン16a,16b,16c等のスイッチ類が電気的に接続されており、これらスイッチ類の出力信号が主制御基板320に転送されるように配線接続されている。
中央表示基板330の下方には、メダル投入部13より投入される投入物を正規のメダルか異物かを判別して振り分けるセレクト機構36で振り分けられたメダルを筐体2内に設けられているホッパ装置38へ案内するガイド部材38aと、セレクト機構36で振り分けられた異物を排出口36aへ案内するガイド部材36bとが設けられている。また、排出口36aの両側には、上述したスピーカ34a,34bに対向してスピーカ37a,37bが取り付けられており、これにより演出用放音部8a,8bを介して演出効果音を出力するように構成されている。
次に、筐体2内の略中央には、リール12a,12b,12cを備える回胴装置39が設けられている。回胴装置39は、前扉3が筐体2側に閉じられると表示窓11aにリール12a,12b,12cが対向するように、筐体2の所定フレーム(符号略)に位置決めして取り付けられている。なお、回胴装置39の下側には、リール12a,12b,12cを回転駆動させるステッピングモータを制御するための電気回路基板である後述の回胴装置基板が設けられている。
回胴装置39の上方には、スロットマシン1の全体動作を集中制御する主制御基板320が取り付けられている。回胴装置39の下方には、ホッパ装置38と、ホッパ装置38から溢れたメダルを収容するための補助貯留部325と、主電源装置340とが設けられている。主電源装置340の側面には、いわゆる配電盤に相当する後述の電源装置基板820が設けられている。さらに、筐体2の内壁の一端には、遊技場等に設置されている「ホールコンピュータ」と呼ばれる管理用コンピュータと接続可能な後述する外部集中端子基板が取り付けられている。
そして、上述の主制御基板320、副制御基板310、中央表示基板330、回胴装置基板、電源装置基板、外部集中端子基板は、いずれも導電性配線パターンの形成された絶縁性樹脂基板上に集積回路(IC)やトランジスタ、抵抗、コンデンサ等の電子部品が搭載されて配線接続されたいわゆる電気回路基板として形成されている。なお、主制御基板320と副制御基板310とは、それぞれ硬質プラスチックのケースに収納されたユニット構造となっている。
図4及び図5は、回胴装置39の構造を示す図である。なお、図4は回胴装置39の外観構造を表した斜視図であり、図5は回胴装置39に備えられた1つのリールユニットを分解して表した斜視図である。
図4に示すように、回胴装置39は、3個のリール12a,12b,12cと、これらのリールがそれぞれ回転可能に取り付けられた板状のユニット板42a,42b,42cと、基板44と、天板46とを備えて構成されている。なお、これらのユニット板42a、42b,42c、基板44及び天板46はいずれも硬質プラスチックで一体形成されたものである。
また、各リール12a,12b,12cはステッピングモータ48a(48b,48c)によってそれぞれ回転駆動される。ステッピングモータ48a(48b,48c)は、後述の回胴装置基板と配線接続され、回胴装置基板から送出される駆動パルス信号によってそれぞれ回転制御される。なお、駆動パルス信号のパルス数及びステップ数は、主制御基板320の制御部内で生成される複数のソフトカウンタで計数される。
次に、リールユニット10のたとえばリール12aは、図5に示すように、主にリング部51と軸穴を有するボス部52を中心に放射状に延在する複数本のアーム部53とによって一体的に形成されている。また、リール12aのリング部51の外周側部51aには、リング状の減光フィルタ54が設けられている。さらに、この減光フィルタ54の透過光面に対向させて、外周側部51aの一端に形成された後述する舌片状の遮光片55が複数個設けられている。このような構成のリール12aがステッピングモータ48aの回転軸に直接取り付けられている。
ここで、図6に示すように、減光フィルタ54は円周に沿って7分割され、上述の図2に示した21個の図柄の内、それぞれ3個分に対応したフィルタ領域(領域A〜領域G)が形成されている。さらに、減光フィルタ54は、図7(a)に示すように連続的かつ段階的に光透過率(光減衰量)が変化するような光学的特性を有している。
また、遮光片55は、減光フィルタ54の光フィルタ領域(領域A〜領域G)の境界の正面に対向させて合計7個が配置されており、図7(b)の矢印で示すように、減光フィルタ54の各フィルタ領域(領域A〜領域G)の境界(エッジ)が検出されるようになっている。また、ユニット板42aの内側には、リール12aの基準となる回転位置を検出するための透過型フォトインタラプタ56が、減光フィルタ54と、遮光片55とを挟むように取り付けられている。
図8は、スロットマシン1に設けられている制御システムを説明するためのブロック図である。制御システムは、主として主制御基板320、副制御基板310、回胴装置基板810、中央表示基板330、電源装置基板820を備え、それぞれが配線ケーブルによって接続されている。
主制御基板320は、CPU(Central Processing Unit) 、半導体メモリであるROM(Read Only Memory)、RAM(Random access Memory)等を備えている。そして、CPUにより、ROMに予め記憶されているシステムプログラムとスロットマシンゲーム用のプログラムとを読み込んで所定の制御が実行されると、副制御基板310、回胴装置基板810、中央表示基板330、電源装置基板820に設けられているそれぞれの制御部によって所定の指令を行う分散制御が行われる。
また、主制御基板320は、内部抽選した役の情報を副制御基板310へ供給し、その役に相当する演出を上述した上部ランプ6、サイドランプ7a,7b、スピーカ34a,34b,37a,37b、液晶表示部9aを介して行う。
副制御基板310には、照明制御部、音響制御部、CPU、ROM、RAM及び液晶表示部9aに映像を表示させる制御を行うためのVDP(Video Display Processor)が搭載されている。さらに、副制御基板310は、主制御基板320から演出開始を示唆する制御信号が供給されると、上部ランプ6、サイドランプ7a,7bとスピーカ34a,34b,37a,37bとを駆動したり、液晶表示部9aに演出映像を表示したりするようになっている。これにより、遊技者の視覚と聴覚に訴える演出を行うことができる。
回胴装置基板810には、リール12a,12b,12cを回転駆動するステッピングモータ48a,48b,48cと、リール12a,12b,12cの各回転位置を検出する回転位置検出装置91a,91b,91cとが接続されている。そして、回転位置検出装置91a(91b,91c)は、図9(a)に示すように、減光フィルタ54、遮光片55、透過型フォトインタラプタ56、オペアンプ94、A/D変換回路96とを備えている。
ここで、回胴装置基板810から透過型フォトインタラプタ56に、所定電流の発光用信号PS1(PS2,PS3)が供給されると、その発光部から光が発生し、受光部からは図7(b)に示したように、各光フィルタ領域(領域A〜領域G)の光透過率(減光量)に応じたレベル差のある光/電気変換信号ip1(ip2,ip3)が出力される。リール12a(12b,12c)の回転位置を示す情報は、常にその周面の3つの図柄毎に得られるようになっている。
また、上述した図7(b)において、遮光片55が位置する矢印a1〜a7で示す光フィルタ領域(領域A〜領域G)の境界部では、透過型フォトインタラプタ56の発光部から受光部への光は完全に遮断されるので、変換信号の存在しない無信号区間となる。この無信号区間の光/電気変換信号ip1(ip2,ip3)は、回転位置の基準となる同期信号として利用される。そして、リール12a(12b,12c)は、同期信号と、各光フィルタ領域(領域A〜領域G)部分を示す光/電気変換信号ip1(ip2,ip3)との信号情報に基づいて、その回転位置の校正が行われる。
透過型フォトインタラプタ56からの光/電気変換信号ip1(ip2,ip3)は、オペアンプ94に入力される。オペアンプ94で増幅された光/電気変換信号ip1(ip2,ip3)は、A/D変換回路96によってデジタルの検出信号Dp1(Dp2,Dp3)として変換され、回胴装置基板810の制御部に取り込まれる。
さらに、図9(b)を参照して、リール(12a,12b,12c)の回転位置の検出方法について説明する。同図において、停止している状態のリール(12a,12b,12c)が矢印aで図示する方向に回転すると、光フィルタ領域(A〜B)の境界部に位置する遮光片55が検出され、初起動時の初期化が行われる。この処理が完了すると駆動制御プログラムに設定されているフラグがオンにセットされ、その状態が保持される。フラグがオン状態あれば、ステップカウンタの計数値Cが有効なものとなる。
また、本実施例では、1回転当たりのステップ数CPをCP=280とし、減光フィルタ54の領域(領域A、領域B・・・)間のステップ数CAを、CA=CP/7=40に設定してある。
また、7つのフィルタ領域には領域変数CT(n=1〜7)をそれぞれ割り当て、各変数には固有値N=0〜6をそれぞれ振り分けている。すなわち、領域変数CT(1)=N=0,CT(2)=N=1,・・・CT(7)=N=6に設定されている。
また、各光フィルタ領域(領域A〜領域G)を示す光/電気変換情報は、予めデータ化して主制御基板320の制御部に記憶させてある。主制御基板320からは、このデータ情報と、検出信号Dp1(Dp2,Dp3)とに基づいて回胴装置基板810の制御部に制御信号が供給される。
回胴装置基板810の制御部は、回転位置検出装置(91a,91b,91c)からの検出信号(Dp1,Dp2,Dp3)と、ステッピングモータ48a(48b,48c)へ出力した駆動パルス信号のパルス数との情報に基づいて、リール12a(12b,12c)の回転と制動、及び停止の制御を適切に行うようになっている。
また、回胴装置基板810の制御部は、スタートレバー15、ストップボタン(16a,16b,16c)等の操作に伴って、主制御基板320からリール12a,12b,12cのそれぞれの回転又は停止させるべき旨の制御信号が供給されると、検出信号(Dp1,Dp2,Dp3)を取り込みながら、各リールの回転位置を適切に把握しつつ、ステッピングモータ48a,48b,48cへの駆動パルス信号を制御して各リールの回転動作を制御する。
中央表示基板330は、ベットボタン14、スタートレバー15及びストップボタン16a,16b,16cが接続され、これらベットボタン14、スタートレバー15及びストップボタン16a,16b,16cからの出力信号を主制御基板320へ転送する中継基板として機能する。また、中央表示基板330は、セレクト機構36に設けられている図示しない遊技メダル検出センサからの出力信号を主制御基板320へ転送し、メダル投入部13に投入されたメダル枚数を知らせるとともに、異物の投入や目詰まりの発生等を知らせる。
そして、主制御基板320は、ベットボタン14又はセレクト機構36のコインセンサが動作し、当該ゲームへの賭け枚数を検知し、スタートレバー15がオン操作されると、リール回転開始の指示がなされたことを検知する。さらに、ストップボタン16a,16b,16cが任意の順番でストップ操作されると、その順番でリール12a,12b,12cを停止させるべき指示がなされたことを検知する。
ここで、主制御基板320が上述のスタートレバー15がオン操作されたことを検知すると、内部役抽選を行った後、上述のリール12a,12b,12cを回転させるべく回胴装置基板810に指令するとともに、副制御基板310に指令して、上部ランプ6、サイドランプ7a,7bと、スピーカ34a,34b,37a,37bと、液晶表示部9aとによる演出を行わせる。
また、ストップボタン16a,16b,16cが任意の順番でストップ操作されると、主制御基板320は、リール12a,12b,12cの各リールをストップ操作の順番で停止させ、かつ上述したように抽選した役に相当する図柄を正面のライン上に揃えるべく回胴装置基板810に指令する。また、主制御基板320は、副制御基板310に指令して、ストップボタン16a,16b,16cが押圧操作される毎に、上部ランプ6、サイドランプ7a,7bと、スピーカ34a,34b,37a,37bと、液晶表示部9aとによる演出を様々に変化させ、ゲームの進行状況等を遊技者に告知する。
電源装置基板820には、主電源装置340で発生される各種電源電圧をホッパ装置38等の各所に配電する配電回路が形成されており、かかる配電回路からスロットマシン1の動作に必要なシステム電源を供給する。また、電源装置基板820は、主制御基板320からメダルの払い出しをすべき旨の指令を受けると、ホッパ装置38を制御してメダルの払い出しを行わせる。
外部集中端子基板840は、主制御基板320から出力されるスロットマシン1の状態信号又はゲームの進行状況等を示す信号を、上述のホールコンピュータへ送出するための端子基板である。
次に、かかる構成を有するスロットマシン1の動作例を、図10及び図11のフローチャートを参照して説明する。本スロットマシン1は、先の遊技者にメダルの払い出しを完了すると待機状態となり、この待機状態において、たとえば新たな遊技者がメダル投入部13にメダルを投入すると、ゲームを行うことが可能となる。
なお、待機状態が所定時間以上続いているときは、副制御基板310は主制御基板320からのコマンドを受け、液晶表示部9aを制御して、ゲームの案内やゲームの概要等に関するダイジェスト映像等を表示させる。
まず、図10のステップS102において、電源が投入されると本体の各制御部の初期化が行われ、その後ステップS104に進む。
さらに、ステップS104において、主制御基板320から副制御基板310へ一般遊技通常表示と呼ばれる演出を行うべきコマンドが供給されると、副制御基板310は、上部ランプ6、サイドランプ7a,7bと、スピーカ34a,34b,37a,37bと、液晶表示部9aとに一般遊技に対応する光や音による演出を行わせる。
次に、ステップS106において、遊技者がベットボタン14または投入枚数によって当該ゲームに賭けるメダル数を提示した後、ステップS108においてスタートレバー15をオン操作すると、ステップS110に移行する。
ステップS110では、主制御基板320が3個のリール12a、12b、12cを回転させ始め、同時に役抽選(内部抽選)を行う。そして、内部抽選の結果、当選役があるか否か判断し、当選役があると判断するとその当選役に対応するフラグを記憶する。さらに、主制御基板320からサブ制御基板310へ当選役に関する演出表示をすべきコマンドが供給され、サブ制御基板310は、液晶表示部9aにその当選役に対応する映像の演出表示を行わせる。
次に、ステップS112において、図11(a)及び(b)のフローチャートで示すサブルーチンによる定常回転駆動の処理が行われる。
ステップS160においては、まず、初起動時の回転位置の初期化が行われているか否かの判定が、予め設定されているフラグを参照して行われ、その結果、フラグがオフの場合には、その初期化が実行されていないとされ、ステップS170に進む。
ステップS170においては、図11(b)に示すサブルーチンによる初期化の処理が行われる。ステップS172においては、まず透過型フォトインタラプタ56によって、減光フィルタ54の光フィルタ領域(領域A〜Gのいずれか)の検出が行われる。その検出信号(Dp1,Dp2,Dp3)に基づいて、現在の透過型フォトインタラプタ56が位置している光フィルタ領域(領域A〜Gのいずれか)が特定され、該当する領域変数CT(n)に予め決められている固定値N(0〜6のいずれか)をセットし、ステップS174に進む。
ステップS174においては、ステッピングモータ(48a,48b,48c)に駆動パルス信号が1パルスだけ供給される1ステップ駆動が行われ、ステップS176に進む。ステップS176においては、遮光片55(インデックス)の検出が行われ、検出されない場合にはステップS174に戻り、同じ処理が繰り返される。
一方、これとは別にステップS176において、遮光片55が検出された場合には上記ステップS172で得られた領域変数CT(n)の固有値Nと、領域区間ステップ数CA(=40)とを乗じた数値がステップカウンタの計数値C(C=CT(n)×CA(=40))にセットされ、本ルーチンは終了する。
また、上記ステップS160において、状態フラグがオンの場合には、既に遮光片55の検出がなされ、これに伴って設定された基準点からの回転駆動が行われていると判断し、ステップS162に進む。
ステップS162においては、ステッピングモータ(48a,48b,48c)の1ステップ駆動を行い、ステップカウンタの計数値Cを1だけ加算(C=C+1)し、ステップ164に進む。
ステップS164においては、ステップカウンタの計数値Cと、インデックス情報とを分析して、制御異常が発生しているか否かの判定が行われる。すなわち、ステップカウンタの計数値Cが、領域間パルス数CA(=40)の整数倍であるにも関わらず、遮光片55を検出できない場合には、ステッピングモータ(48a,48b,48c)に脱調が生じていると判断され、上記初期化用のサブルーチンが用意されているステップS170に進み、回転位置の校正が行われる。
一方、これとは別に、ステップカウンタの計数値Cが示す情報と、遮光片の位置情報とに整合性がとれている場合には、正常な回転駆動が行われていると判断され、ステップS166に進む。
ステップS166においては、ステップカウンタの計数値Cが、総ステップ数CP(=280)と同じ数値であるか否かの判定が行われ、その結果、同じ数値である場合にはステッピングモータ(48a,48b,48c)が、基準点から丁度一周分の回転を終了したと判断され、ステップS168に進む。
ステップS168においては、ステップカウンタの計数値Cを初期化(=0)し、本サブルーチンは終了する。
一方、これとは別に上記ステップS166において、ステップカウンタの計数値Cが、総ステップ数CP(=280)と同じ数値でない場合には、一周分の回転が終えていないと判断され、ステップカウンタの計数値Cを保持したまま本サブルーチンを終了する。
次に、ステップS114において、遊技者がストップボタン16、16b、16cを任意の順番でオン操作すると、主制御基板320が各リール(12a、12b、12c)を停止させるための制御を行う。
また、ステップS116において、全てのリール(12a,12b,12c)の停止が検知され、停止するまでステップS112〜S116の処理が繰り返される。全てのリールの停止が確認されると、ステップS118へ移行する。
ステップS118では、主制御基板320が、停止したリール(12a,12b,12c)が表示する図柄と、上述のフラグに対応する役に係る図柄の組み合わせとが一致しているかどうか、つまり入賞か否かを判定する。すなわち、表示窓11aに面して停止した9個の図柄の内、上中下段の横3列の線上に並んだ3組の図柄と、右斜めと左斜めの2本の対角線上に並んだ2組の図柄を調べ、いずれか1つの組の図柄が当選役の条件を満足して揃うと、上述のフラグに対応する役に入賞したと判定する。
次に、ステップS120〜S124において、主制御基板320が入賞役の種類に応じた後述の処理に移行し、入賞していない場合には、ステップS126において一般遊技非入賞演出表示と呼ばれる演出表示を行って、ステップS104からの処理を繰り返す。
たとえば、上述のステップS126において、主制御基板320から副制御基板310へ一般遊技非入賞演出表示を行うべきコマンドが供給されると、副制御基板310は、上部ランプ6、サイドランプ7a,7bと、スピーカ34a,34b,37a,37bと、液晶表示部9aとを制御して、残念な感情を惹起させるような情景を表現した演出を行って、ステップS104からの処理を繰り返す。
上述のステップS120において小役に入賞したときには、ステップS128に移行し、一般遊技入賞演出表示と呼ばれる当該小役に対応した演出表示を上部ランプ6、サイドランプ7a,7bと、スピーカ34a,34b,37a,37bと、液晶表示部9aとに行わせる。そして、ステップS130において、主制御基板320はホッパ装置38に指令し、上述の小役に対応する枚数のメダルを払い出した後、ステップS104に戻って処理を繰り返す。
上述のステップS122において、レギュラーボーナス(以下、RBボーナスという)と呼ばれる入賞となったと判断すると、RBゲームの処理に移行する。また、上述のステップS124において、ビッグボーナス(以下、BBボーナスという)と呼ばれる入賞となったと判断すると、BBゲームの処理に移行する。
このように、本実施例では、ゲーム進行中の当選役等に応じた図柄表示の際、回胴装置39のステッピングモータ48a,48b,48cが何らかの原因で脱調しても、光検出手段としての透過型フォトインタラプタ56により、遮光手段としての遮光片55及び光透過率が連続的かつ段階的に異なる領域(領域A〜領域G)を有する、減光手段としての減光フィルタ54を介して得られる受光強度から回転体としてのリール12a,12b,12cの回転位置が検出されるようにしたので、常にリール12a,12b,12cの正確な回転位置を検出してリール12a,12b,12cの制御不能を回避することができる。
また、脱調後の回転直後でも、減光フィルタ54を介して得られる受光強度からリール12a,12b,12cの回転位置が検出されるので、少ない回転量での回転位置の校正が可能となる。その結果、遊技者には違和感のない図柄表示がなされ、ゲームの趣向が損なわれることがない。
また、減光フィルタ54を介して得られる受光強度によるリール12a,12b,12cの回転位置の検出により、細かい駆動制御が行えるので、当選役の図柄表示以外の効果的な動作のリール演出を行うことにより、さらにゲームの興趣を高めることができる。
なお、本実施例では、遮光片55を減光フィルタ54の光フィルタ領域(領域A〜領域G)の境界に複数配置した場合について説明したが、この例に限らず、遮光片55を1個としてもよい。
すなわち、たとえば図12に示すように、リール(12a,12b,12c)の外周側部51aにおいて、遮光片55を減光フィルタ54の光透過面のたとえば領域Aと、領域Gとの境界に対向させて1個配置してもよい。これにより、図13の装置内の透過型フォトインタラプタ56の光/電気変換信号波形のように、矢印a1で示す遮光片55の位置する1箇所のみの無信号期間(同期信号)が得られる。この同期信号は、駆動パルス信号の供給開始の基準点に設定される。
この場合、その同期信号を基準点にステッピングモータ(48a,48b,48c)の駆動パルス信号の供給が開始され、その周回転中に脱調が生じると、駆動パルス信号のパルス数に対応した回転位置と、透過型フォトインタラプタ56からの光/電気変換信号(ip1,ip2,ip3)で示される実際の回転位置とが違うことが検出される。そして、再度、ステッピングモータ(48a,48b,48c)に対して基準点から所定パルス数を有する駆動パルス信号が供給され、駆動制御が行われることになる。
このように、周回転中に脱調が生じても、遮光片55が一周回転する以前に、その不測の事態を早い段階で検出できるとともに、リール(12a,12b,12c)の正確な回転位置の校正ができる。この場合も、リール12a,12b,12cの制御不能を回避することができ、遊技者に対してゲームの進行を大きく阻害させることがなくなる。
また、図14に示すように、上述の図7(a)で示した同じ光特性を有する減光フィルタ54自体に遮光片55と同じ機能を有する遮光部55aを同数形成してもよい。
この場合も、上述の図7(b)で示した光/電気変換信号(ip1,ip2,ip3)が透過型フォトインタラプタ56から同様に出力される。すなわち、減光フィルタ54の連続的かつ段階的な光透過率の違いに応じて生じるレベル差のある変換信号と、遮光部55aが形成されている位置に対応して得られる複数個の同期信号とが得られる。これにより、脱調が生じても、駆動パルス信号の供給開始となる基準点が少ない回転量で得られるので、上記同様に、リール12a,12b,12cの制御不能を回避することができ、遊技者に対してゲームの進行を大きく阻害させることがなくなる。
また、減光フィルタ54自体に遮光片55と同じ機能を有する遮光部55aを同数形成することで、減光フィルタ54と遮光部55aとを同時形成することが可能となり、回転位置検出装置91a,91b,91cの制作コスト低減が図れる。
また、図15に示すように、上記の遮光部55aを、減光フィルタ54自体のたとえば光透過面の領域Aと、領域Gとの境界に1個形成するようにしてもよい。この場合も、上記同様に、リール12a,12b,12cの制御不能を回避することができ、遊技者に対してゲームの進行を大きく阻害させることがなくなるばかりか、回転位置検出装置91a,91b,91cの制作コスト低減が図れる。
また、上述の減光フィルタ54の遮光部55aは、減光フィルタ54を形成している同じ部材で形成してもよいし、これに限らず遮光特性を有する板状の金属、樹脂、紙等の部材を直接貼り付けて形成してもよい。
なお、本実施例の回転位置検出装置91a,91b,91cの減光フィルタ54では、リールテープ28a,28b,28cの21個の図柄を7分割分したフィルタ領域(領域A〜領域G)が形成されている場合で説明したが、これに限定されるものではなく、フィルタ領域を、たとえば上述の図2の図柄の数に応じて設定すればよい。さらに、減光フィルタ54は、光透過率が異なるフィルタ領域が、周面方向に沿って連続的に形成されているが、これに限らず個々の光透過率が異なれば不連続であってもよい。
また、スロットマシン1の制御プログラムにあっては、上述の構成の減光フィルタ54を有する回転位置検出装置91a,91b,91cからの出力信号の形態に合わせて作成されて組み込まれればよい。
また、リール12a,12b,12cの回転位置を検出する方法にあっては、減光フィルタ54の透過光と、遮光片55又は遮光部55aの有無とを検出したが、これに限定されるものではない。すなわち、減光フィルタ54単体の検出信号に基づいて回転位置を検出してもよい。この場合には、レベルが急峻に変化する信号部分が上記同期信号として利用される。
また、たとえばリール12a,12b,12cの周面又は側面に、図柄情報を示すコード化配列(たとえば、バーコード)された反射光片を図柄の位置に対応させて設け、これを反射型フォトインタラプタ又は反射型フォトカプラで検出するようにしてもよい。この場合には、駆動パルス信号の供給開始となる基準点を、反射光片の検出信号内に設定してもよいし、上述の遮光片55と同じ役目を担う反射光片をさらに追加し、この検出信号にしてもよい。
さらに、リール12a,12b,12cの周面又は側面に、図柄に対応して光反射率が異なる反射板を設けて、これを反射型フォトインタラプタ又は反射型フォトカプラで検出するようにしてもよい。この場合、反射板の反射光の受光強度に基づくリール12a,12b,12cの回転位置と、各ステッピングモータ(48a,48b,48c)に供給される駆動パルス信号のパルス数に対応する回転位置との比較が行われ、回転位置の校正が行われる。