図柄組合わせ式遊技機の代表例として従来から知られている第1種(フィーバタイプ)のパチンコ機やスロットマシンにおいては、図柄変動組合わせゲームを展開して特別遊技状態や入賞成立状態に係る図柄を組合わせ成立表示することのできる図柄手段として、一般に回転表示形態の図柄可変表示装置が採用されている。この装置ではその基本的な形態としては、モータ(ステッピングモータまたはパルスモータ)および駆動制御回路等を含む回転駆動制御手段と、ベルト形態またはドラム形態の回転図柄表示体と、各図柄の停止表示用位置決め基準とされる位置決め検出手段を含めて、1基毎の図柄表示ユニットに構成される。そしてこの図柄表示ユニットが、例えば1つの箱枠体内に複数基(通常では左列、中列、右列の3基)を組単位にして、縦列セットされて1つのユニット化表示装置とされている。
前記図柄可変表示装置は、毎回の図柄組合わせゲームに係る基本的な図柄変動制御態様として、(a)前記パチンコ機では、遊技領域内に打出された遊技球の入賞検出時に基く始動条件と、電気的制御回路装置側から適時自動的に発信される停止信号または遊技者のストップ操作時に基いて発信される停止信号の何れかに基く停止条件において、各図柄表示ユニット毎におけるモータと共に回転図柄表示体が、設定条件に基いて順次変動開始されて適時停止される。また(b)前記スロットマシンでは、コイン投入後の遊技者のスタート操作時に基く始動条件と、電気的制御回路装置側から適時自動的に発信される停止信号または遊技者のストップ操作時に発信される停止信号の何れかに基く停止条件において、各図柄表示ユニット毎におけるモータと共に回転図柄表示体(図柄ドラムまたは図柄ベルト)が、設定条件に基いて順次回転開始されて適時停止される。そして図柄組合わせライン(入賞ライン)上に停止表示された各列の図柄同志の出揃い結果において、個々の位置決め検出手段による図柄検出判別情報に基いて予め設定された組合わせ図柄(当り図柄)との対比検出判定に従って、「当りまたは外れ」が判定制御される。そうして当り図柄の組合わせ成立時に、前述した特別遊技状態または入賞成立状態に係る権利が発生されるようになっている。
前記回転図柄表示体については、リング体の外周裏面に図柄を直接印刷した図柄ドラムやシート状の図柄表示帯を周回装着した図柄ドラムまたは無端状母材の外周面にシート状の図柄表示体を装着した図柄ベルトのタイプがある。またこれらの回転図柄表示体における図柄については、一般に色彩区分された視認識別容易な数字、アルファベット文字、その他の絵や図形等を含む複数種類のマークが識別用情報として採用され、これらが当り用、外れ用に適宜区分設定されたもとで、所要とする複数コマ分において適宜順序で配置されている。何れのタイプの回転図柄表示体にあっても、前述した位置決め検出手段については、全図柄の内から基準位置として予め設定された1つの所定位置の図柄に対して、光学的センサにより読取られる1つのインデックスが設置されている。
そして、この従来の回転式図柄可変表示装置において、前述した1基の位置決め検出手段を基準設定した回転図柄表示体の一般的な変動制御状態は、以下のようである。基準位置の図柄からみて全ての図柄に対して図番記録情報としてのカウンタ値「0,・・・N」が設定されている。各列の回転図柄表示体の1回転毎に位置決め検出手段が基準図柄を検出した時点のカウンタ値「0」を基準にして、停止すべき対象の図柄位置に係るカウンタ値分に応答するパルス数を出力制御して、モータと共に回転図柄表示体を停止し、所定の図柄をライン上に停止表示させるようにした制御表示内容とされている。
しかしこのような回転式図柄可変表示装置の図柄変動停止制御態様では、各列の回転図柄表示体の1回転毎において停止される図柄が直接検出停止される訳ではなく、あくまでもパルスカウント設定制御による見込み(見做し)条件で停止されることになっている。このため回転図柄表示体の回転速度(周速度)や慣性力、あるいは滑りや伸び等に起因して全ての図柄の正確な検出停止が難しい状況にある。特に、無端状母材の外周面にシート状の図柄表示体を装着した図柄ベルトでは、該図柄ベルトが回転図柄表示体から外れたり、滑ったり、伸縮したりして、回転図柄表示体の1回転毎において位置決め検出手段で実際に検出された基準図柄位置と異なってしまう場合がある。
そこで近年においては、全ての図柄に個々の判別情報を設定した検出判別情報媒体(地番記録)を付し、これを利用して各々の図柄を直接的に検出して停止制御し得るようにする技術として、特許文献1に開示されるような「ゲーム機用無端フィルムベルトの絵柄検出方式」に係る発明が出願されている。
また、回転式図柄可変表示装置に使用可能とされる回転図柄表示体であって、駆動モータのパルス出力駆動に基いて回転停止制御される回転体と、この回転体の外周に装着されて所定検出部位に設置された適宜光学的な検出判読手段で検出されるコード付きの図柄表示部材とを有する特許文献2に開示されるような「回転式図柄可変表示装置用の情報コード化式回転図柄表示体」に係る発明が出願されている。かかる発明は、前記コード付きの図柄表示部材に複種類複数コマ分の図柄を所要の間隔順序に形成配置する一方、各種の図柄に係る情報内容毎に合わせて識別コード化区分されて前記検出判読手段により検出判読される情報コードを形成して全ての図柄の1コマ分ずつに対応する所要部位に配置してある。前記図柄表示部材の移動中において、前記検出判読手段により各位置毎の情報コードが検出された後に、前記駆動モータと共に回転体が停止されて、検出された情報コードに対応する図柄を停止表示する。
しかし、前記特許文献1に示す「ゲーム機用無端フィルムベルトの絵柄検出方式」では、全ての図柄に個々の判別情報を設定した検出判別情報媒体(地番記録)を付してある。又、前記特許文献2に示す「回転式図柄可変表示装置用の情報コード化式回転図柄表示体」では、図柄表示部材に形成される多種複数の全ての図柄に係る必要な記録情報内容を有する情報コードは、視認容易に識別区分することができるものの、コード付きの図柄表示部材により位置決めを行う。そのため、何れも図柄表示部材に情報を付加せねばならず、図柄表示部材が高価になる欠点がある。また、前記付加された情報が摩耗や汚れにより判別性能の低下を招き易い欠点がある。
そこで、図柄表示部材に図柄に係る必要な記録情報内容を記録せず、回転図柄表示体の位置を検出する手段を用いた特許文献3に開示されるような「図柄可変表示装置」に係る発明が出願されている。該特許文献3に開示されるような図柄可変表示装置は、前述したような、無端状母材の外周面にシート状の図柄表示体を装着した図柄ベルトを用いたものであって、該図柄ベルトが回転図柄表示体から外れないように、前期図柄ベルトの幅方向耳部に設けられた凹凸嵌合される被係合部が形成されている。更に、回転図柄表示体の位置を直接検出せず、モータ軸に直結された歯車に噛合する回転図柄表示体の回転位置検出用歯車を設け、該回転位置検出用歯車の1回転が図柄ベルトの全長と同一比に設定される。位置検出器が回転位置検出用歯車の1回転毎に被検出部を検出することにより、図柄ベルトに対するモータの原点位置検出を行う構成である。
前記特許文献3に開示されるような図柄可変表示装置は、図10に示すような構成である。図10において、図柄可変表示装置301は、前後開放状の箱形に形成された装置本体302の内部にベルト式図柄表示機構303を備えると共に、該ベルト式図柄表示機構303は駆動プーリ304を備える。前記駆動プーリ304は、その中心部より外側に放射状に突出した複数本のアーム305の先端に帯環状のリム306を中心部と同心円状に連結し、中心部とアーム305及びリム306で囲まれた部分が中抜きされた軽量化形態である。リム306の外周面には複数の突起のような係合部307が円周方向に列状に形成される。駆動プーリ304は装置本体302の内部に自由回転可能に支持された従動プーリ308よりも大径である。駆動プーリ304の前側部は従動プーリ308の前側部より前側に突出する。
そして、駆動プーリ304及び従動プーリ308には可撓性を有する合成樹脂よりなる無端状の図柄ベルト309が巻き掛けられる。駆動プーリ304の中心部にはステッピングモータのようなモータ310のモータ軸311が一体的に回転し得るように固定される。モータ310のケーシングは駆動プーリ304の内部に非接触に配置されると共に装置本体302に支持基板312で回転しないように取付けられる。そして、モータ軸311が電気的に駆動することにより、駆動プーリ304が一方向に回転し、駆動プーリ304の回転力が駆動プーリ304の係合部307から図柄ベルト309に伝達され、図柄ベルト309が駆動プーリ304と同方向に回転し、図柄ベルト309に描かれた異なる複数の図柄が上方より下方に可変表示される。
モータ310と支持基板312とにはモータ310の位置検出機構315が設けられる。位置検出機構315は、図柄ベルト309に位置検出による負担をかけることがないように、モータ軸311に同軸状に大径な第1歯車316と、第1歯車316に噛合するように支持基板312に回転可能に設けられた第2歯車317と、第2歯車317に設けられた被検出部318と、被検出部318を電気的に検出するように支持基板312に設けられた位置検出器319とを備える。第1歯車316と第2歯車317とのギア比が大径な駆動プーリ304の周長と図柄ベルト309の全長との比に設定される。前記構成によって図柄ベルト309が1周する間にモータはN回転する。これによって、図柄ベルト309の1周と第2歯車317の1周とが同期するように設定でき、位置検出器319が第2歯車317の1回転毎に被検出部318を検出することにより、図柄ベルト309に対するモータ310の原点位置検出が可能になる構成になっている。
同一形態に形成された複数のベルト式図柄表示機構303が装置本体302の内部に並列配置される。モータ310や位置検出機構315等の内部機構を装置本体302に組付けるための支持基板312は装置本体302の縦壁を構成する。係合部307は駆動プーリ304の幅方向耳部に配置され、係合部307に凹凸嵌合される被係合部は図柄ベルト309の幅方向耳部に設けられた孔により形成される。
特開平3−247369号公報
特開平6−246033号公報
特開2001−293128号公報
特許文献3に開示されるような「図柄可変表示装置」に係る発明は、図柄表示部材に図柄に係る必要な記録情報内容を記録しないために、前記付加された情報が摩耗や汚れにより判別性能の低下を招くという問題点は解決される。しかし、図10に示したように、モータ軸311に同軸状に大径な第1歯車316と、第1歯車316に噛合するように支持基板312に回転可能に設けられた第2歯車317と、第2歯車317に設けられた被検出部318と、被検出部318を電気的に検出するように支持基板312に設けられた位置検出器319とを備える。そして、第1歯車316と第2歯車317とのギア比が大径な駆動プーリ304の周長と図柄ベルト309の全長との比に設定される。これによって、図柄ベルト309の1周と第2歯車317の1周とが同期するように設定でき、位置検出器319が第2歯車317の1回転毎に被検出部318を検出することにより、図柄ベルト309に対するモータ310の原点位置検出が可能となる構成となっている。
前記構成によって、図柄ベルト309が1周する間に、モータはN回転する。このために、以下のような問題点がある。即ち、係合部307は駆動プーリ304の幅方向耳部に配置され、係合部307に凹凸嵌合される被係合部は図柄ベルト309の幅方向耳部に設けられた孔により形成されているものの、長期の使用によって図柄ベルト309が係合部307から外れたりして、歯飛びが生じて図柄ベルト309の一回転毎において位置検出器319で実際に検出された基準図柄位置と異なってしまう場合がある。また、図柄可変表示装置の組立時に、位置検出器319が第2歯車317の1回転毎に被検出部318を検出することにより、図柄ベルト309に対するモータ310の原点位置検出を行いモータ310を所定の原点位置に停止しても、駆動プーリ304のどの位置に図柄ベルト309を巻き掛けてよいかが分らない。
このために、図柄ベルト309の基準位置を図柄視認領域321に設けられた基準位置に合わせる作業が必要になるが、前記図柄視認領域321は、前枠に取り付けられたパネル320に形成されている。そのため図柄可変表示装置の組立時には、当該パネル320は取りつけられていない場合があり、このような場合には図柄ベルト309の基準位置を図柄視認領域321に設けられた基準位置に合わせる作業ができないという不具合が生じる。
図柄ベルト309の基準位置を前記図柄視認領域321以外の筐体に設けてもよいが、かかる場合には図柄視認領域321以外の筐体に設けた基準位置が変動する可能性がある。更に、別途指針となる部材を設けるなど、部品点数が増加すると共に、該指針となる部材を筐体内に設けるために、それが邪魔になったり、破損したりする場合もあり製品の信頼性を低下する。
更に、第2歯車317と第1歯車316とのギア比M/Nが整数比でない場合には、大径な駆動プーリ304の周長と図柄ベルト309の全長との比に設定すると共に図柄ベルト309の1周と第2歯車317の1周とが同期するように設定して、位置検出器319が第2歯車317の1回転毎に被検出部318を検出しても、図柄ベルト309に対するモータ310の原点位置検出が出来ない場合がある。即ち、第2歯車317と第1歯車316とのギア比N/Mが整数比でない場合には、位置検出器319が第2歯車317の1回転毎に被検出部318を検出しても第1歯車316は、M/N回転して、図柄ベルト309に対するモータ310は原点位置に回転していない。かかる場合には位置検出器319により被検出部318をN回、検出して始めて図柄ベルト309に対するモータ310の原点位置検出が出来る。そのために、被検出部318の検出回数をカウントするカウンタが必要になる。しかし、位置検出器319により被検出部318をN回、検出しても、被検出部318の最初の位置が、モータ310の原点位置にある時でなければ、被検出部318をN回、検出しても図柄ベルト309に対するモータ310の原点位置検出はできない。
本発明は、図柄表示部材に位置決めの情報を付加しないでも、正確に図柄表示部材の位置決めを可能にした回転式図柄可変表示装置の組立と調整を容易にする検出手段を備えた回転式図柄可変表示装置を提供するために、駆動モータ側に連結された駆動円形リング体と該駆動円形リング体に対して所定軸心間位置に配置された従動円形リング体とを備えている。無端ベルト状態に形成され複数種類複数コマ分の図柄を所要の間隔順序に形成配置した図柄表示部材の所定位置が、駆動円形リング体と従動円形リング体との外周間の円周方向の、駆動円形リング体の予め定められた所定位置に一致するように少なくとも駆動円形リング体に滑止め係合され、駆動モータの駆動に基いて回転/停止制御される回転図柄表示体を構成している。
前記駆動モータ軸に連結された第1の歯車と、該第1の歯車に噛合され図柄表示部材と同一回転数で回転する第2の歯車とを備えている。第2歯車の第1歯車に対するギア比は、第1歯車より大きいギア比を有する。駆動円形リング体、図柄表示部材、第1の歯車及び第2の歯車には、予め定められた基準回転位置となる第1基準点、第2基準点、第3基準点及び第4基準点が、それぞれ設けられている。前記第1歯車と第2歯車の前記第3基準点と第4基準点とが一致した時に、駆動円形リング体と図柄表示部材の前記第1基準点と第2基準点とが一致するように第1歯車、第2歯車、駆動円形リング体、図柄表示部材が設けられている。
前記第1の歯車近傍の所定検出部位には、当該第1の歯車に予め定められた基準回転位置となる第3基準点を検出する第1位置検出機構が設けられている。該第1位置検出機構は、第1歯車と同一回転する第1被検出部と図柄表示部材の幅方向側方に設けられた支持基板に固定される第1位置検出器とを備えている。第2の歯車近傍の所定検出部位には、当該第2の歯車に予め定められた基準回転位置となる第4基準点を検出する第2位置検出機構が設けられている。該第2位置検出機構は、第2歯車と同一回転する第2被検出部と図柄表示部材の幅方向側方に設けられた支持基板に固定される第2位置検出器とを備えている。前記第1位置検出器と第2位置検出器の出力が同時に出力されたことを検出する第3位置検出機構を備えている。
第1の歯車は駆動モータ軸に嵌合されていると共に駆動円形リング体に連結されているので、第1位置検出機構により駆動モータ軸と駆動円形リング体の基準位置(第1基準点)が確定される。第2の歯車は、第1の歯車に噛合され図柄表示部材と同一回転数で回転しているので、第2位置検出機構によって基準回転位置(第4基準点)を検出し、第2の歯車、即ち図柄表示部材の基準回転位置が確定される。第3位置検出機構により第1と第2の歯車とにそれぞれに予め定められた基準回転位置(第3基準点と第4基準点)が一致したことを検出する。
前記第3位置検出機構により第1と第2位置検出器の出力が一致したことを検出することにより、駆動円形リング体の基準回転位置(第1基準点)と図柄表示部材の基準回転位置(第2基準点)とが一致している位置が検出される。かかる位置で駆動モータを停止し、駆動円形リング体と該駆動円形リング体に対して所定軸心間位置に配置された従動円形リング体とに備えられた図柄表示部材の所定位置が、駆動円形リング体と従動円形リング体との外周間の円周方向の駆動円形リング体の予め定められた所定位置に一致しているか確認することができる。
前記第1位置検出器と第2位置検出器及び/又は第3位置検出機構は、それぞれ視認可能に設けられている可視光で発光する発光手段を備えている。該第1位置検出器と第2位置検出器の発光手段が同時に発光しているか、あるいは、第3位置検出機構の発光手段が発光しているかを視認することにより、駆動円形リング体の基準回転位置(第1基準点)と図柄表示部材の基準回転位置(第2基準点)とが一致している位置であることを確認できる。
前記第3位置検出機構の出力を検出すると共に該第3位置検出機構により検出された信号により回転図柄表示体を停止する表示体制御手段と該表示体制御手段から信号を得て回転図柄表示体の停止図柄位置を決定する基準位置制御手段を有する。前記第1基準点は前記駆動円形リング体の第2基準点は図柄表示部材に、第3基準点は第1歯車に、第4基準点は第2歯車に、それぞれ側部に設けられると共に、前記第1基準点乃至第4基準点は、目視による回転式図柄可変表示装置の組立、調整ができるように、それぞれ視認可能に設けられている。
また、前記図柄表示部材が所定の位置からずれた時、これを容易に検出でき、併せて図柄表示部材を所定位置に装着できる図柄表示部材の調整方法では、前記第3基準点と第4基準点とが一致した時に第1基準点と第2基準点とが一致するように第1歯車、第2歯車、駆動円形リング体、図柄表示部材が設けられている回転式図柄可変表示装置の、前記第3基準点と第4基準点とが一致した位置で前記回転図柄表示体を停止する。かかる停止位置で第1基準点と第2基準点とが一致した位置に停止されていない時に少なくとも駆動円形リング体に滑止め係合されている図柄表示部材を前記滑止めから外して、第1基準点と第2基準点とが一致した位置になるように当該図柄表示部材を駆動円形リング体と従動円形リング体の円周方向に移動して少なくとも駆動円形リング体に滑止め係合して調整することを特徴とする。
あるいは、前記第3位置検出機構の信号が出力された位置で回転図柄表示体を停止し、前記第1基準点と第2基準点とが一致した位置に停止されていない時に少なくとも駆動円形リング体に滑止め係合されている図柄表示部材を前記滑止めから外す。前記第1基準点と第2基準点とが一致した位置になるように当該図柄表示部材を駆動円形リング体と従動円形リング体の円周方向に移動して少なくとも駆動円形リング体に滑止め係合して調整することを特徴とする。
更に前記第3位置検出機構の出力を検出すると共に該第3位置検出機構により検出された信号により回転図柄表示体を停止する表示体制御手段とを備えている場合には、前記表示体制御手段により第3位置検出機構それぞれの信号を検出して回転図柄表示体を停止する。第1基準点と第2基準点とが一致した位置に停止されていない少なくとも駆動円形リング体に滑止め係合されている回転図柄表示体の図柄表示部材を前記滑止めから外して、第1基準点と第2基準点とが一致した位置になるように当該図柄表示部材を駆動円形リング体と従動円形リング体の円周方向に移動して少なくとも駆動円形リング体に滑止め係合して調整することを特徴とする。
複数の回転図柄表示体それぞれに、前記第1歯車、第1位置検出器、第1位置検出機構、第2位置検出機構、第3位置検出機構とを備え、前記第3位置検出機構の出力を複数の回転図柄表示体毎にそれぞれ検出すると共に該第3位置検出機構により検出された、それぞれの信号により前記複数の回転図柄表示体をそれぞれ停止する表示体制御手段とを備える場合には、該表示体制御手段により第3位置検出機構それぞれの信号を検出して前記複数の回転図柄表示体をそれぞれ停止する。
前記複数の回転図柄表示体それぞれの第1基準点と第2基準点とが一致した位置に停止されていない少なくとも駆動円形リング体に滑止め係合されている複数の回転図柄表示体それぞれの図柄表示部材を前記滑止めから外して、第1基準点と第2基準点とが一致した位置になるように当該図柄表示部材を駆動円形リング体と従動円形リング体の円周方向に移動して少なくとも駆動円形リング体に滑止め係合して調整することを特徴とする。
前記図柄表示部材を所定位置に装着できる組立方法は、前記回転図柄表示体を第3基準点と第4基準点とが一致した位置で停止し、第1基準点と第2基準点とが一致した位置になるように当該図柄表示部材を少なくとも前記駆動円形リング体に滑止め係合して回転式図柄可変表示装置を組立たてることを特徴とする。
前記第3位置検出機構を有する場合には、当該第3位置検出機構の信号が出力された位置で回転図柄表示体を停止し、第1基準点と第2基準点とが一致した位置になるように少なくとも駆動円形リング体に滑止め係合して回転式図柄可変表示装置を組立たてることを特徴とする。
複数の回転図柄表示体それぞれに、前記第1歯車、第1位置検出器、第1位置検出機構、第2位置検出機構、第3位置検出機構とを備え、前記第3位置検出機構の出力を複数の回転図柄表示体毎にそれぞれ検出すると共に該第3位置検出機構により検出された、それぞれの信号により前記複数の回転図柄表示体をそれぞれ停止する表示体制御手段とを備える場合には、前記表示体制御手段により前記第3位置検出機構それぞれの信号を検出して複数の回転図柄表示体をそれぞれ停止する。複数の回転図柄表示体それぞれの第1基準点と第2基準点とが一致した位置となるように少なくとも駆動円形リング体に滑止め係合して回転式図柄可変表示装置を組立たてることを特徴とする。
本発明の回転式図柄可変表示装置は、第1歯車と第2歯車の第3基準点と第4基準点とが一致した時に、駆動円形リング体と図柄表示部材の第1基準点と第2基準点とが一致するように第1歯車、第2歯車、駆動円形リング体、図柄表示部材が設けられ、更に、第3基準点を検出する第1位置検出機構と、第4基準点を検出する第2位置検出機構と、第1位置検出器及び第2位置検出器の出力が、同時に出力されたことを検出する第3位置検出機構とを有することにより、図柄表示部材が所定の位置に係合されているかを確実に確認することができる。
また、本発明によれば、第1位置検出器と第2位置検出器及び/又は第3位置検出機構は、それぞれ視認可能に設けられている発光手段を備えることにより、これらの発光手段が同時に発光したことを視認することで容易に駆動円形リング体と図柄表示部材との所定位置を確認することができる。
また、本発明によれば、第3位置検出機構の出力信号により、回転図柄表示体を停止する表示体制御手段を備えることにより、カウンタなどによる数値制御を行わなくても、簡単な論理回路により容易に駆動円形リング体と図柄表示部材との所定位置を確認して回転図柄表示体を停止させることができる。
また、本発明によれば、基準位置制御手段は、第2位置検出機構あるいは第3位置検出機構により検出された信号によって、回転図柄表示体の停止図柄位置を決定することにより、カウンタなどによる数値制御を行わなくても、簡単な論理回路により容易に駆動円形リング体と図柄表示部材との所定位置を確認して回転図柄表示体の停止図柄位置を決定することができる。
また、本発明によれば、第1基準点は駆動円形リング体の、第2基準点は図柄表示部材の、第3基準点は第1歯車の、および第4歯車は第2歯車の、それぞれ側部に設けられると共に、第1基準点乃至第4基準点は、それぞれ視認可能に設けられることにより、これら基準点が一致したことを視認することで容易に駆動円形リング体と図柄表示部材との所定位置を確認することができる。
また、本発明によれば、第2歯車と第1歯車とのギア比N/Mが整数倍でない場合には、第3基準点と第4基準点とが一致するのは第2歯車と第1歯車とが、それぞれN回転、M回転したときであり、この時に、駆動円形リング体と図柄表示部材の第1基準点と第2基準点も一致する。したがって、第2歯車と第1歯車とのギア比が異なる場合でも、第3基準点と第4基準点との一致を監視することにより、駆動円形リング体と図柄表示部材との一致を容易に検知することができる。
以下、本発明の実施形態について図面により説明する。図1に示すように、回転式図柄可変表示装置1は、前面開放状の箱形に形成された装置本体2の内部にステッピングモータのような駆動モータ10の駆動に基いて回転/停止制御される回転図柄表示体3を備えると共に、該回転図柄表示体3は、駆動プーリ4(駆動円形リング体)と従動プーリ8(従動円形リング体)とを備える。前記駆動プーリ4は、装置本体2の内部に自由回転可能に支持された前記従動プーリ8と略同一の径を有していてもよく、あるいは異なっていてもよい。
駆動プーリ4の前側部と従動プーリ8の前側部とは、装置本体2の前面に対して縦方向に配置されている。また、前記駆動プーリ4と従動プーリ8との間は所定軸心間位置に配置されている。前記駆動プーリ4と従動プーリ8との間には、図柄ベルト9(図柄表示部材)が所定の弧状となるように支持する、弧状の図柄ベルト支持体40が設けられている。該図柄ベルト支持体40は、パネル20側に凸状であって、図柄ベルト9を裏側から支持し、遊技者がパネル20の外から当該回転式図柄可変表示装置を見た時に、1つの大型のドラムに設けられた図柄ベルト9が回転しているように見せるための支持体40である。パネル20側に凸の曲率は、前記大型のドラムの曲率となるように形成されている。
駆動プーリ4及び従動プーリ8には、可撓性を有する合成樹脂等よりなる無端状の図柄ベルト9が巻き掛けられる。無端状の図柄ベルト9には、複数種類・複数コマ分の図柄を所要の間隔順序に形成配置してある。前記係合部7と被係合部9b(図5(b)参照。)により駆動プーリ4及び従動プーリ8に滑止め係合されているものとして説明を行うが、従動プーリ8は、駆動プーリ4及び従動プーリ8の径、または図柄ベルト9の材質によって前記係合部7が形成されていなくてもよい。前記駆動プーリ4及び図柄ベルト9には、それぞれ予め定められた第1基準点R1(図5(b)参照。)と第2基準点R2(図5(b)参照。)とが定められている。前記第1基準点R1は、前記駆動プーリ4の円周方向の側部に設けられ、第2基準点R2は、前記図柄ベルト9の耳部の側部に、例えば塗装などによって、それぞれ視認可能に設けられている。前記第1基準点R1と第2基準点R2とは、前記駆動プーリ4及び図柄ベルト9が後述するような所定の位置に回転した時に、それぞれが一致するように係合部7と被係合部9bにより滑止め係合されている。そして、駆動プーリ4の中心部にはモータ10のモータ軸11が一体的に回転し得るように固定され、モータ軸11が電気的に駆動されることにより、駆動プーリ4が一方向に回転し、駆動プーリ4の回転力が駆動プーリ4の係合部7から図柄ベルト9に伝達される。図柄ベルト9が駆動プーリ4と同方向に回転し、図柄ベルト9に描かれた異なる複数の図柄が上方より下方にパネル20を介して可変表示される。
以下、図3、図4、図5により駆動プーリ4の構造を説明する。図3に示すように、モータ10のケーシングは、駆動プーリ4の内部に非接触に配置されると共に、図1に示した装置本体2の支持基板12に回転しないように取付けられる。図4に示すように、前記駆動プーリ4は、その中心部より外側に放射状に突出した複数本のアーム5の先端に帯環状のリム6をアーム5の中心部に対して同心円状に連結し、アーム5及びリム6で囲まれた部分が中抜きされた軽量化形態である。リム6の外周面には複数(図4では8個)の突起のような係合部7が駆動プーリ4の幅方向耳部に配置され、円周方向に列状に形成されている。前記係合部7に滑止め係合される図柄ベルト9の被係合部9bは、図柄ベルト9の幅方向耳部に設けられ、図柄ベルト9を貫通していてもよく、あるいは、前記係合部7と係合するだけの凹部を図柄ベルト9の裏に形成するようにしてもよい。
駆動モータ軸11には、視認可能に設けられた第3基準点R3(図6参照。)を有する第1歯車16が嵌合されている。該第1歯車16より大きいギア比を有すると共に図柄ベルト9と同一回転数で回転する視認可能に設けられた第4基準点R4(図6参照。)を有する第2歯車17が第1歯車16に噛合されている。該第2歯車17は、支持基板12に設けられた回転軸172(図5(a)参照。)に回転可能に固定されていて、前記第1歯車16と第2歯車17の第3基準点R3と第4基準点R4とが一致した時に、第1基準点R1と第2基準点R2とが一致するように構成されている。前記第3基準点R3と第4基準点R4とは、図5(b)に示すように第1歯車16と第2歯車17の歯の側部に、例えば、塗装などによって、それぞれ視認可能に設けられている。
モータ10の回転軸11と支持基板12とには位置検出機構が設けられる。該位置検出機構は、第1位置検出機構と第2位置検出機構及び第3位置検出機構30(図7参照。)とで構成される。第1位置検出機構は、第1歯車16の第3基準点R3を検出し、その位置に対応した信号を出力するものであり、第2位置検出機構は、第2歯車17の第4基準点R4を検出し、その位置に対応した信号を出力するものである。第3位置検出機構30は、第1位置検出機構と第2位置検出機構の出力が同時に出力されたことを検出する論理回路である。
前記第1位置検出機構は、第1歯車16と該第1歯車16に隣接して当該第1歯車16と一体に回転するように設けられた鍔部RF3を有するモータ軸11に同軸状に嵌合された被検出部181と、該被検出部181を電気的に検出するように支持基板12に設けられた例えば発光ダイオードから出射される光をホトトランジスタで受光するホトカプラなどで構成され位置検出器191(図7参照。)とを備える。また、前記第2位置検出機構は、第1歯車16に噛合するようにして支持基板12に回転可能に設けられた第2歯車17に隣接して当該第2歯車17と一体に回転するように設けられた鍔部RF4を有する被検出部182と、被検出部182を電気的に検出するように支持基板12に設けられた例えば発光ダイオードから出射される光をホトトランジスタで受光するホトカプラなどで構成され位置検出器192とを備える。また、第1位置検出機構と第2位置検出機構の出力が同時に出力されたことを検出する第3位置検出機構30(図7参照。)は、支持基板12に設けられた論理積回路である。該論理積回路の出力には、作業者に視認可能に設けられた可視光を発する発光ダイオード203と抵抗器Rが接続されていてもよい。
なお、前記第3基準点R3(図6参照)と第4基準点R4(図6参照)とは、第1位置検出機構と第2位置検出機構が備えられている時には、なくともよい。但し、かかる場合には、第1位置検出機構と第2位置検出機構の出力が一致して得られた時、第1基準点R1と第2基準点R2とが一致するように被検出部181と位置検出器191及び被検出部182と位置検出器192とが形成されている。
前記第1歯車16と第2歯車17とのギア比は、駆動プーリ4の周長と図柄ベルト9の全長との比M/Nに設定され、図柄ベルト9と第2歯車17との回転比は、1に設定されている。前記構成によって図柄ベルト9がN周する間にモータはM回転する(N、Mは整数)。これによって、図柄ベルト9のN周と第2歯車17のN周とが同期するように設定でき、第1位置検出機構と第2位置検出機構の出力が同時に出力されたことが検出された時、第1基準点R1と第2基準点R2とが一致しており、図柄ベルト9に対する駆動プーリ4の基準位置の検出が可能となる構成になっている。
前記第1歯車16と第2歯車17とのギア比M/Nは、筐体の大きさや、図柄ベルト9の長さ、モータ10の回転数など関係から整数値にならない場合が多い。かかる場合においても、第1歯車16と第2歯車17とが、それぞれM回転、N回転した時に第1位置検出機構と第2位置検出機構の出力が同時に出力され、この時、第1基準点R1と第2基準点R2とが一致しており、図柄ベルト9に対する駆動プーリ4の基準位置の検出が可能となる構成になっている。
図7により前記位置検出器191、位置検出器192及び第3位置検出機構30について説明する。位置検出器191と位置検出器192とは同一構成である。第3位置検出機構30及び位置検出器192の出力は、それぞれ端子S3、S30に接続され、該端子は、後述する装置制御部80(図9参照。)の入力ポート811に接続されている。発光ダイオードPDには抵抗器Rを介して電圧Vが印加され、例えば近赤外の波長で発光している。ホトトランジスタPTには抵抗器Rが接続され、発光ダイオードPDの光P1を受光して電流に変換し、該電流は抵抗器Rにより電圧に変換される。モータ10の1回転によってモータ軸11に同軸状に嵌合された被検出部181に形成された鍔部RF3が、発光ダイオードPDとホトトランジスタPTとの間を通過することによりホトトランジスタPTに入射する光P1が遮られる。前記ホトトランジスタPTの抵抗器Rに接続されたゲート回路Gにより位置検出器191の出力が高レベルになるように信号レベルが変換される。位置検出器192は、被検出部182に形成された鍔部RF4が発光ダイオードPDとホトトランジスタPTとの間を通過する以外は、位置検出器191と同一である。但し、鍔部RF4の回転は、第2歯車171と同期しているので、鍔部RF3がM回、通過する間に、鍔部RF4はN回、通過する。
ゲート回路Gの出力に接続されている、第3位置検出機構30は、論理和回路であって、前記位置検出器191及び位置検出器192の出力が同時に高レベルの時に出力され、この時、発光ダイオード203が発光する。このように位置検出器191及び位置検出器192の出力が同時に高レベルとなるのは、鍔部RF3がM回、鍔部RF4がN回通過するごとに1回である。この時、第1基準点R1と第2基準点R2とが一致しており、図柄ベルト9に対する駆動プーリ4の基準位置が一致している。位置検出器191及び位置検出器192のゲート回路Gの出力には、作業者に視認可能に支持基板12に設けられた可視光P2を発する発光ダイオード(発光手段)201、202がそれぞれ接続されていてもよい。かかる場合には、発光ダイオード201、202それぞれが同時に発光していることを目視により確認することで、第3基準点R3と第4基準点R4とが一致していることが分る。なお、かかる場合には、第3位置検出機構30はなくともよい。あるいは、発光ダイオード201、202の代わりに第3位置検出機構30である論理積回路の出力に接続された可視光P2を発する発光ダイオード203が発光していることを目視により確認して第3基準点R3と第4基準点R4とが一致していることを確認してもよい。かかる場合には、前記発光ダイオード201、202はなくともよい。
以下、回転式図柄可変表示装置1の図柄表示部材の組立方法について説明する。なお、発明の主旨以外の部分については説明を省略する。回転式図柄可変表示装置1は、前記図1乃至図7の構成とする。即ち、回転式図柄可変表示装置1は、駆動モータ10に連結され第1基準点R1を有する駆動プーリ4と、該駆動プーリ4に対して所定軸心間位置に配置された従動プーリ8と、駆動プーリ4と従動プーリ8との外周間の円周方向に滑止め係合され、第2基準点R2を有する無端ベルト状態に形成され複数種類・複数コマ分の図柄を所要の間隔順序に形成配置した図柄表示部材9とを備えて前記駆動モータ10の駆動に基いて回転/停止制御される回転図柄表示体3とを備えている。
前記駆動モータ軸11に嵌合され第3基準点を有する第1歯車16と、該第1歯車16に噛合され該第1歯車16より大きいギア比を有すると共に図柄表示部材9と同一回転数で回転する第4基準点を有する第2歯車17とを備えている。前記第1基準点R1は、駆動プーリ4の円周方向の側部に設けられ、第2基準点R2は、図柄ベルト9の耳部の側部に、例えば塗装などによって、それぞれ視認可能に設けられている。かかる構成において、前記第3基準点R3と第4基準点R4とが一致した時に第1基準点R1と第2基準点R2とが一致するように第1歯車16、第2歯車17、駆動プーリ4、図柄表示部材9とを以下のようにして組み立てる。
(1)目視により基準位置を確認して図柄表示部材9を駆動プーリ4と従動プーリ8とに滑止め係合して組み立てる方法
目視により基準位置を確認する場合、第3基準点R3と第4基準点R4とは、図5(b)に示すように第1歯車16と第2歯車17の歯の側部に、例えば塗装などによって、それぞれ視認可能に設けられている。前記第3基準点R3は、後述する位置で駆動モータ10、即ち駆動プーリ4を停止した時に、第1基準点R1が視認しやすい位置に定めて置くのが好ましい。例えば、駆動プーリ4を停止した時に第1基準点R1が駆動プーリ4の最上部に位置するように第1基準点R1と第3基準点R3とを決定しておく。
前記構成において、図柄表示部材9の基準位置を以下のようにして決定し、駆動プーリ4と従動プーリ8とに滑止め係合する。まず、駆動モータ10により第1歯車16と第2歯車17を回転する。第1歯車16に印された第3基準点R3と第2歯車17に印された第4基準点R4とが一致した位置で駆動モータ10、即ち回転図柄表示体3を停止する。この状態で駆動プーリ4に印された第1基準点R1と図柄表示部材9に印された第2基準点R2とが一致した位置になるように図柄表示部材9を駆動プーリ4と従動プーリ8とに滑止め係合して組み立てる。なお、第1歯車16と第2歯車17の回転は、駆動モータ10をフリーに回転できる状態にして、手動で回転してもよい。
(2)目視と電気的な手段により基準位置を確認して図柄表示部材9を駆動プーリ4と従動プーリ8とに滑止め係合して組み立てる方法
目視と電気的な手段により基準位置を確認する場合、支持基板12に固定され発光ダイオード201を備える第1位置検出器と第3基準点を検出する第1位置検出機構が設けられている。また支持基板12に固定され発光ダイオード202を備える第2位置検出器と第4基準点を検出する第2位置検出機構が設けられている。第1位置検出機構は、後述する位置で駆動モータ10、即ち駆動プーリ4を停止した時に、第1基準点R1が視認しやすい位置に定めて置くのが好ましい。例えば、駆動プーリ4を停止した時に第1基準点R1が駆動プーリ4の最上部に位置するように第1基準点R1と第1位置検出機構とを決定しておく。
前記構成において、図柄表示部材9の基準位置を以下のようにして決定し、駆動プーリ4と従動プーリ8とに滑止め係合する。まず、駆動モータ10により第1歯車16と第2歯車17を回転する。第1位置検出機構と第2位置検出機構の発光ダイオード201、202が、それぞれ同時に発光したことを目視で確認し、かかる位置で駆動モータ10、即ち回転図柄表示体3を停止する。この状態で駆動プーリ4に印された第1基準点R1と図柄表示部材9に印された第2基準点R2とが一致した位置になるように図柄表示部材9を駆動プーリ4と従動プーリ8とに滑止め係合して組み立てる。なお、第1歯車16と第2歯車17の回転は、駆動モータ10をフリーに回転できる状態にして、手動で回転してもよい。
(3)電気的な手段のみで基準位置を確認して図柄表示部材9を駆動プーリ4と従動プーリ8とに滑止め係合して組み立てる方法
電気的な手段のみで基準位置を確認する場合、第1位置検出機構と第2位置検出機構及び第1位置検出機構と第1位置検出機構の出力が同時に出力されたことを検出する第3位置検出機構30が設けられている。第1位置検出機構は、後述する位置で駆動モータ10、即ち駆動プーリ4を停止した時に、第1基準点R1が視認しやすい位置に定めて置くのが好ましい。例えば、駆動プーリ4を停止した時に第1基準点R1が駆動プーリ4の最上部に位置するように第1基準点R1と第1位置検出機構とを決定しておく。
前記構成において、図柄表示部材9の基準位置を以下のようにして決定し、駆動プーリ4と従動プーリ8とに滑止め係合する。まず、駆動モータ10により第1歯車16と第2歯車17を回転する。第3位置検出機構30の出力信号により、例えば当該回転式図柄可変表示装置1の表示体制御手段(図9参照。)により回転図柄表示体3を停止する。この状態で駆動プーリ4に印された第1基準点R1と図柄表示部材9に印された第2基準点R2とが一致した位置になるように図柄表示部材9を駆動プーリ4と従動プーリ8とに滑止め係合して組み立てる。
複数の回転図柄表示体3がある場合には、該複数の回転図柄表示体3それぞれに、前記第1歯車16、第2歯車17、第1位置検出機構、第2位置検出機構、第3位置検出機構30とを備える。前記表示体制御手段は、第3位置検出機構30の出力を複数の回転図柄表示体3毎にそれぞれ検出すると共に、該第3位置検出機構30により検出された、それぞれの信号により複数の回転図柄表示体3をそれぞれ停止し、複数の回転図柄表示体3それぞれの第1基準点R1と第2基準点R2とが一致した位置となるように駆動円形リング体4と従動円形リング体8とに滑止め係合して組み立てる。
以下、回転式図柄可変表示装置1の図柄表示部材9の調整方法について説明する。なお、回転式図柄可変表示装置1は、前記図1乃至図7の構成とし、前記(1)乃至(3)の組立方法によってそれぞれ組み立てられているものとする。
(1)目視により基準位置を確認して図柄表示部材9のずれを調整する方法
前記構成において、図柄表示部材9が当初定められた基準位置にあるかを確認し、該基準位置にない場合、図柄表示部材9のずれを以下のようにして調整する。まず、駆動モータ10により第1歯車16と第2歯車17を回転する。第1歯車16に印された第3基準点R3と第2歯車17に印された第4基準点R4とが一致した位置で駆動モータ10、即ち回転図柄表示体3を停止する。この状態で駆動プーリ4に印された第1基準点R1と図柄表示部材9に印された第2基準点R2とが一致した位置に停止されていない時、図柄表示部材9を駆動プーリ4と従動プーリ8の滑止めから外す。図柄表示部材9を駆動プーリ4と従動プーリ8の円周方向に移動して、第1基準点R1と第2基準点R2とが一致した位置で駆動プーリ4と従動プーリ8とに滑止め係合する。なお、第1歯車16と第2歯車17の回転は、駆動モータ10をフリーに回転できる状態にして、手動で回転してもよい。
(2)目視と電気的な手段により基準位置を確認して図柄表示部材9のずれを調整する方法
前記構成において、図柄表示部材9が当初定められた基準位置にあるかを確認し、該基準位置にない場合、図柄表示部材9のずれを以下のようにして調整する。まず、駆動モータ10により第1歯車16と第2歯車17を回転する。第1位置検出機構と第2位置検出機構の発光ダイオード201、202が、それぞれ同時に発光したことを目視で確認し、かかる位置で駆動モータ10、即ち回転図柄表示体3を停止する。この状態で駆動プーリ4に印された第1基準点R1と図柄表示部材9に印された第2基準点R2とが一致した位置に停止されていない時、図柄表示部材9を駆動プーリ4と従動プーリ8の滑止めから外す。前記図柄表示部材9を駆動プーリ4と従動プーリ8の円周方向に移動して、第1基準点R1と第2基準点R2とが一致した位置で駆動プーリ4と従動プーリ8とに滑止め係合する。なお、第1歯車16と第2歯車17の回転は、駆動モータ10をフリーに回転できる状態にして、手動で回転してもよい。
(3)電気的な手段のみで基準位置を確認して図柄表示部材9のずれを調整する方法
前記構成において、図柄表示部材9が当初定められた基準位置にあるかを確認し、該基準位置にない場合、図柄表示部材9のずれを以下のようにして調整する。まず、駆動モータ10により第1歯車16と第2歯車17を回転する。第3位置検出機構30の出力信号により、例えば当該回転式図柄可変表示装置1の表示体制御手段(図9参照。)により回転図柄表示体3を停止する。この状態で駆動プーリ4に印された第1基準点R1と図柄表示部材9に印された第2基準点R2とが一致した位置に停止されていない時、図柄表示部材9を駆動プーリ4と従動プーリ8の滑止めから外す。図柄表示部材9を駆動プーリ4と従動プーリ8の円周方向に移動して、第1基準点R1と第2基準点R2とが一致した位置で駆動プーリ4と従動プーリ8とに滑止め係合して調整する。
複数の回転図柄表示体3がある場合には、該複数の回転図柄表示体3それぞれに、前記第1歯車16、第2歯車17、第1位置検出機構、第2位置検出機構、第3位置検出機構30とを備える。前記表示体制御手段は、第3位置検出機構30の出力を複数の回転図柄表示体3毎にそれぞれ検出すると共に、該第3位置検出機構30により検出された、それぞれの信号により複数の回転図柄表示体3をそれぞれ停止する。この状態で複数の回転図柄表示体3それぞれの第1基準点R1と第2基準点R2とが一致した位置に停止されていない回転図柄表示体3の図柄表示部材9を駆動プーリ4と従動プーリ8の滑止めから外す。図柄表示部材9を駆動プーリ4と従動プーリ8の円周方向に移動して、第1基準点R1と第2基準点R2とが一致した位置で駆動プーリ4と従動プーリ8とに滑止め係合して調整する。
次に図2、図8、図9を参照し、前記回転式図柄可変表示装置1を用いたスロットマシン50の実施形態について説明する。ここで、スロットマシンとは、パチンコ機の外枠の厚さに形成された前記回転式図柄可変表示装置1を用い、遊技球を使用して遊技を行う、スロットマシンの遊技形態を有する機器である。
図2に示すように、同一形態に形成された複数の回転式図柄可変表示装置1が装置本体2の内部に並列配置される。モータ10や位置検出機構等の内部機構を装置本体2に組付けるための支持基板12は、装置本体2の縦壁を構成する。係合部7は、駆動プーリ4の幅方向耳部に配置され、該係合部7に嵌合される被係合部は、図柄ベルト9の幅方向耳部裏側に設けられた凹部9b(図5(b)参照。)により形成される。
図8に示すように、スロットマシン50は、外枠51、該外枠51に片開き自在に取り付けられた前枠52、前枠52に取り付けられたパネル20、パネル20に形成された図柄視認領域21の裏側に配置された回転式図柄可変表示装置1に相当する3個の図柄表示機構56、パネル20よりも下側に設けられた上皿装置57、上皿装置57よりも下側に配置された下皿装置70を有する。前記パネルの形状は、図1に示したように凸状であってもよく、あるいは、図8に示すように平面であってもよい。かかる場合でも、弧状の図柄ベルト支持体40を設け、遊技者がパネル20の外から当該回転式図柄可変表示装置1を見た時に、1つの大型のドラムに設けられた図柄ベルト9が回転しているように見せることが好ましい。
パネルの図柄視認領域21には複数の当りライン55が表示される。上皿装置57には、レバー式の遊技開始スイッチ装置58、複数の図柄停止スイッチ装置59、残球数表示部60、球投入スイッチ装置61、球抜スイッチ装置62、球貸スイッチ装置63、カード返却スイッチ装置64、カード残高度数表示部65、球投入口66、上皿球受入口67、ダミー釦68が設けられる。下皿装置70には、灰皿71、下皿球受入口72、球抜レバー73が設けられる。図柄停止スイッチ装置59は図柄表示機構56の3列の図柄9a(図2参照)とそれぞれ対応している。
図9に示すように、スロットマシン50は、マイクロプロセッサである装置制御部80により遊技制御がなされる。装置制御部80内の図示していないROM、RAMには、主制御部MPUによって実行される遊技プログラムが格納されている。また、主制御部MPUによって実行されるプログラムには、前記遊技プログラム以外に、当該前記回転式図柄可変表示装置1を組立、調整するための保守プログラムがROMに格納されている。
装置制御部80は、主制御部MPUに接続される入力ポート81(811、812)と出力ポート82を備えている。入力ポトー811には、複数の回転式図柄可変表示装置1それぞれに備えられている第3位置検出機構30及び位置検出器192の出力が、それぞれ接続されている。入力ポトー812には、遊技開始スイッチ装置58、複数の図柄停止スイッチ装置59、球投入スイッチ装置61、球抜スイッチ装置62等のスイッチ類が接続されている。なお、その他、遊技に必要な他のスイッチ、表示装置、その他の周知の機器は、図示していない入力ポートと出力ポートにそれぞれ接続されている。出力ポート82には、複数の回転式図柄可変表示装置1それぞれに備えられている回転図柄表示体6のモータ10(101、102、103)が、それぞれ接続されている。
前記保守プログラムは、複数の回転式図柄可変表示装置1それぞれに備えられている第3位置検出機構30それぞれの信号S30、S31、S32により、主制御部MPUが回転図柄表示体6のモータ10(101、102、103)それぞれを停止する制御信号(プログラムの実行結果)を発するプログラム(表示体制御手段)を有する。該プログラムを用いて第3位置検出機構30それぞれの信号S30、S31、S32から該当する回転式図柄可変表示装置1のモータ10(101、102、103)を停止することにより、該当する回転式図柄可変表示装置1の回転図柄表示体6と図柄表示部材9との第1基準点R1と第2基準点R2とが一致した位置で停止できる。その結果、前記回転式図柄可変表示装置1の図柄表示部材9の調整と組立が可能になる。
また、遊技プログラムは、遊技における回転図柄表示体6の基準位置R1を決定する制御信号(プログラムの実行結果)を発するプログラム(基準位置制御手段)を有する。該遊技プログラムは、前記表示体制御手段からの制御信号(プログラムの実行結果)により遊技に必要な停止図柄を決定するための基準となる制御信号を発するプログラムである。
前記基準位置制御手段となるプログラムを含む遊技プログラムによって実行されるパロット50は、遊技球が上皿装置57に入れられた状態において、遊技者が球投入スイッチ装置61を1回押すと5個の球が、2回押すと10個の球が、3回押すと15個の球が、上皿装置57の球投入口66よりスロットマシン50の内部に投入される。そして遊技者が遊技開始スイッチ装置58を操作すると、遊技開始スイッチ装置58からの入力信号により装置制御部80がモータ10を回転駆動する。すると、図柄表示機構56の3列における図2の図柄ベルト9に描かれた図柄9aが上から下へ可変する。この状態で、遊技者は、図柄視認領域21を介して図柄ベルト9の可変する図柄9aをドラムタイプのように見ることができる。
そして、遊技者が、例えば、左側の図柄停止スイッチ装置59を押すと図柄表示機構56の左側の図柄9aが停止し、真中の図柄停止スイッチ装置59を押すと図柄表示機構56の真中の図柄9aが停止し、右側の図柄停止スイッチ装置59を押すと図柄表示機構56の右側の図柄9aが停止する。かかる図柄の停止制御は、前記基準位置制御手段によりなされる。つまり、主制御部MPUは、前記表示体制御手段の実行により、遊技者が図柄停止スイッチ装置59を押すことで入力される図柄停止スイッチ装置59からの入力信号を得ると第3位置検出機構30、あるいは位置検出器192の出力の検知を行う。
前記表示体制御手段は、第3位置検出機構30、あるいは位置検出器192の出力信号を検知すると、該信号は、前記回転図柄表示体6の基準位置R1(図柄位置)に同期しているので、かかる信号によりそれぞれのモータ10を以下のように停止制御する。即ち、前記基準位置制御手段により停止されるモータは、前記順序であり、この遊技者が図柄停止スイッチ装置59を押す順序はどれを先に押しても良い。押された図柄停止スイッチ装置59に対応する図柄表示機構56の図柄9aは、前記回転図柄表示体6の基準位置R1(図柄位置)に対して予め定められた位置にあるので、第3位置検出機構30、あるいは位置検出器192の出力信号に同期した位置で停止する。これらの停止した図柄9aが予め設定された小当り、中当り、大当り等の図柄組合せで揃うと、それぞれの当りに応じた賞球がスロットマシン50より上皿球受入口67を経由して上皿装置57に払出される。これ以上の遊技動作は本発明の趣旨より逸脱するので、説明を省略する。なお、回転式図柄可変表示装置1はスロットマシン50以外の遊技機にも使用できることは勿論である。
なお、前記第2歯車の前記第1歯車に対するギア比は、前記第1歯車より大きいギア比を有すると共に、整数値でないものとして説明したが、前記第2歯車の前記第1歯車に対するギア比が整数値Kの場合にも適用できることはいうまでもない。しかし、かかる場合には、第2歯車と第1歯車とのギア比N/Mが整数値Kなので、第2歯車と第1歯車とが、それぞれ1回転、K回転したときである。即ち、前記第1歯車に設けられる第1位置検出機構は、なくともよく、第2歯車に設けられる第2位置検出機構と駆動円形リング体と図柄表示部材の第1基準点R1と第2基準点R2のみでよい。
1 回転式図柄可変表示装置、2 装置本体、3 回転図柄表示体、4 駆動プーリ、5 アーム、6 リム、7 係合部、8 従動プーリ、9 図柄ベルト、10 駆動モータ