JP3867720B2 - 熱硬化性組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品、並びに成形方法及び成形品 - Google Patents
熱硬化性組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品、並びに成形方法及び成形品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3867720B2 JP3867720B2 JP2004241648A JP2004241648A JP3867720B2 JP 3867720 B2 JP3867720 B2 JP 3867720B2 JP 2004241648 A JP2004241648 A JP 2004241648A JP 2004241648 A JP2004241648 A JP 2004241648A JP 3867720 B2 JP3867720 B2 JP 3867720B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- compound
- atom
- general formula
- carbon atoms
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- XDTMQSROBMDMFD-UHFFFAOYSA-N C1CCCCC1 Chemical compound C1CCCCC1 XDTMQSROBMDMFD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
また、本発明者らは、上記熱硬化性組成物における(C)成分として、(c)(viii)金属キレート化合物と(ix)有機ケイ素化合物又はその縮合体との混合物を用いることにより、上記目的を達成することができることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
(式中、R5及びR6は、それぞれ水素原子、炭素数1〜40のアルキル基、アリール基、アルカリール基、アルコキシル基、アシル基、アシルオキシル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる有機基、及び、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトリル基、カルボキシル基から選ばれる官能基で置換された前記有機基から選ばれる有機基を示し、同一でも又は異なってもよく、互いに結合しあって環構造を形成してもよい。)で表される含イオウ化合物、及び(iii)一般式(3)
(式中、M1はホウ素、アルミニウム、スズ、鉛又は遷移元素を示し、X1は1種又は2種以上のハロゲン原子を示し、R7は1種又は2種以上の炭素数1〜40のアルキル基、アリール基、アルカリール基、アルコキシル基、アシル基、アシルオキシル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる有機基を示し、R7はM1原子に配位しキレート環を形成してもよく、n1及びn2はそれぞれ0〜6の整数を示し、n1+n2が1〜6の整数である。)で表されるルイス酸、さらに必要に応じて(iv)カルボン酸化合物及び/又は無水カルボン酸化合物から成る熱潜在性酸触媒、(b)(v)一般式(4)
(式中のY2は窒素原子、酸素原子、リン原子又はイオウ原子を示し、R8は炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基又はアルカノール基から選ばれる1種又は2種以上の有機基を示し、2個のR8は互いに結合してY2をヘテロ原子とする複素環を形成してもよく、n3は2又は3の整数を示す。)で表される含窒素、酸素、リン又はイオウ化合物、(vi)一般式(5)
(式中のR9は炭素数1〜12のベンジル基、アリル基、シクロアルキル基、第2級アルキル基、第3級アルキル基、及びこれらの基にハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、アリーロキシル基、低級ハロアルキル基、アシルオキシル基、アシルアミノ基、水酸基、ニトロ基から選ばれる置換基で置換された基から選ばれる有機基を示し、X2はハロゲン原子を示す。)で表される含ハロゲン化合物、及び(vii)一般式(6)
(式中のM2はアルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を示し、X3は1種又は2種以上のハロゲン原子を示し、R10は1種又は2種以上の炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルカリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシル基、アシルオキシル基から選ばれる有機基を示し、R10はM2原子に配位しキレート環を形成してもよく、n4及びn5はそれぞれ0〜6の整数を示し、n4+n5は1〜6の整数を示す。)で表されるアルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を含むルイス酸から成る熱潜在性酸触媒、及び(c)(viii)金属キレート化合物と(ix)一般式(7)
で表される化合物との反応により得られる、又は前記一般式(8)で表される官能基を有する不飽和化合物と前記反応性官能基を有する不飽和化合物を共重合させて得られる自己架橋型化合物であって、1分子中に、(α)一般式(8)
(式中、R5及びR6は、それぞれ水素原子、炭素数1〜40のアルキル基、アリール基、アルカリール基、アルコキシル基、アシル基、アシルオキシル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる有機基、及び、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトリル基、カルボキシル基から選ばれる官能基で置換された前記有機基から選ばれる有機基を示し、同一でも又は異なってもよく、互いに結合しあって環構造を形成してもよい。)で表される含イオウ化合物、及び(iii)一般式(3)
(式中、M1はホウ素、アルミニウム、スズ、鉛又は遷移元素を示し、X1は1種又は2種以上のハロゲン原子を示し、R7は1種又は2種以上の炭素数1〜40のアルキル基、アリール基、アルカリール基、アルコキシル基、アシル基、アシルオキシル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる有機基を示し、R7はM1原子に配位しキレート環を形成してもよく、n1及びn2はそれぞれ0〜6の整数を示し、n1+n2が1〜6の整数である。)で表されるルイス酸、さらに必要に応じて(iv)カルボン酸化合物及び/又は無水カルボン酸化合物から成る熱潜在性酸触媒、(b)(v)一般式(4)
(式中のY2は窒素原子、酸素原子、リン原子又はイオウ原子を示し、R8は炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基又はアルカノール基から選ばれる1種又は2種以上の有機基を示し、2個のR8は互いに結合してY2をヘテロ原子とする複素環を形成してもよく、n3は2又は3の整数を示す。)で表される含窒素、酸素、リン又はイオウ化合物、(vi)一般式(5)
(式中のR9は炭素数1〜12のベンジル基、アリル基、シクロアルキル基、第2級アルキル基、第3級アルキル基、及びこれらの基にハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、アリーロキシル基、低級ハロアルキル基、アシルオキシル基、アシルアミノ基、水酸基、ニトロ基から選ばれる置換基で置換された基から選ばれる有機基を示し、X2はハロゲン原子を示す。)で表される含ハロゲン化合物、及び(vii)一般式(6)
(式中のM2はアルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を示し、X3は1種又は2種以上のハロゲン原子を示し、R10は1種又は2種以上の炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルカリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシル基、アシルオキシル基から選ばれる有機基を示し、R10はM2原子に配位しキレート環を形成してもよく、n4及びn5はそれぞれ0〜6の整数を示し、n4+n5は1〜6の整数を示す。)で表されるアルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を含むルイス酸から成る熱潜在性酸触媒、及び(c)(viii)金属キレート化合物と(ix)一般式(7)
(R19)mSi(OR20)4−m
・・・(10)
(式中のR19及びR20は、それぞれ炭素数1〜18のアルキル基又はアリール基、mは0、1又は2である。)で表される化合物の縮合体、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリ−n−ブトキシシランなどのα,β−不飽和シラン化合物の単独重合体又は共重合体、及びこれらの化合物の加水分解生成物などのシラノール基やアルコキシシラン基含有化合物;脂肪族ポリオール類、フェノール類、ポリアルキレンオキシグリコール類、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのα,β−不飽和化合物の単独重合体又は共重合体、及びこれらのポリオール類のε−カプロラクトン付加物などのヒドロキシル基含有化合物;脂肪族、芳香族のジアミノ化合物やポリアミノ化合物及び前記ポリオールのシアノエチル化反応生成物を還元して得られるポリアミノ化合物などのアミノ基含有化合物;
で表される化合物との反応により得られる、又は前記一般式(8)で表される官能基を有する不飽和化合物と前記反応性官能基を有する不飽和化合物を共重合させて得られる自己架橋型化合物を含有するものであってもよい。
本発明における(A)成分及び(D)成分の一般式(1)及び(8)で表される官能基は、加熱下又は酸触媒存在下において、遊離カルボキシル基を再生し、(B)成分及び(D)成分の反応性官能基と化学結合を形成するものであるが、この反応の他に分子内分極構造に基づく、いわゆる活性エステルとして(B)成分あるいは(D)成分の反応性官能基に付加反応を起こし得る。この際には、架橋反応時に脱離反応を伴わないため、揮発性有機物質の排出低減にも貢献することができる。
(式中、R5及びR6は、それぞれ水素原子、炭素数1〜40のアルキル基、アリール基、アルカリール基、アルコキシル基、アシル基、アシルオキシル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる有機基、及び、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトリル基、カルボキシル基から選ばれる官能基で置換された前記有機基から選ばれる有機基を示し、同一でも又は異なってもよく、互いに結合しあって環構造を形成してもよい。)で表される含イオウ化合物、及び(iii)一般式(3)
(式中、M1はホウ素、アルミニウム、スズ、鉛又は遷移元素を示し、X1は1種又は2種以上のハロゲン原子を示し、R7は1種又は2種以上の炭素数1〜40のアルキル基、アリール基、アルカリール基、アルコキシル基、アシル基、アシルオキシル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる有機基を示し、R7はM1原子に配位しキレート環を形成してもよく、n1及びn2はそれぞれ0〜6の整数を示し、n1+n2が1〜6の整数である。)で表されるルイス酸、さらに必要に応じて(iv)カルボン酸化合物及び/又は無水カルボン酸化合物から成る熱潜在性酸触媒である。
上記アルキル基、アリール基及びアルカリール基の適当な具体例としては、例えば一般式(1)のR1において記載した具体例と同様なものが挙げられる。また、上記アルコキシル基、アシル基、アシルオキシル基及びアルコキシカルボニル基の適当な具体例としては、例えば一般式(2)のR5において記載した具体例と同様なものが挙げられる。
(化44)(R8)n3−Y2 ・・・・・(4)
(式中のY2は窒素原子、酸素原子、リン原子又はイオウ原子を示し、R8は炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基又はアルカノール基から選ばれる1種又は2種以上の有機基を示し、2個のR8は互いに結合してY2をヘテロ原子とする複素環を形成してもよく、n3は2又は3の整数を示す。)で表される含窒素、酸素、リン又はイオウ化合物、(vi)一般式(5)
(式中のR9は炭素数1〜12のベンジル基、アリル基、シクロアルキル基、第2級アルキル基、第3級アルキル基、及びこれらの基にハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、アリーロキシル基、低級ハロアルキル基、アシルオキシル基、アシルアミノ基、水酸基、ニトロ基から選ばれる置換基で置換された基から選ばれる有機基を示し、X2はハロゲン原子を示す。)で表される含ハロゲン化合物、及び(vii)一般式(6)
(式中のM2はアルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を示し、X3は1種又は2種以上のハロゲン原子を示し、R10は1種又は2種以上の炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルカリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシル基、アシルオキシル基から選ばれる有機基を示し、R10はM2原子に配位しキレート環を形成してもよく、n4及びn5はそれぞれ0〜6の整数を示し、n4+n5は1〜6の整数を示す。)で表されるアルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を含むルイス酸から成る熱潜在性酸触媒を使用することができる。
これらの有機基に置換する置換基は、特に限定されるものではなく、例えばハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、アリーロキシル基、低級ハロアルキル基、アシルオキシル基、アシルアミノ基、水酸基、ニトロ基などが挙げられる。
〔(R8)n3−Y2−R9〕+X2・・・・(12)
(式中のX2、Y2、R8、R9及びn3は前記と同じ意味を持つ。)で表されるハロゲン陰イオンを持つオニウム化合物を調製し、その後(vii)アルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を含むルイス酸を添加し混合してもよい。さらに、該熱潜在性酸触媒の製造において、2成分又は3成分を混合した後に、室温〜100℃の範囲で10分〜10時間加熱を行うとルイス酸の熱潜在化反応がより促進されて好ましいことがある。該熱潜在性酸触媒を製造する際は、溶媒の存在下であってもよいし、不存在下であってもよい。ここで用いる溶媒としては、例えば脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤及びこれらの混合溶剤などが挙げられる。また、溶媒の使用量は、適宜選定すればよいが、通常熱潜在性酸触媒が1〜80重量%となるようにすることが好ましい。
ルミニウム、トリス(n−ブチルアセトアセテート)アルミニウム、モノエチルアセトアセテート・ビス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(プロピオニルアセトナト)アルミニウム、アセチルアセトナト・ビス(プロピオニルアセトナト)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物類;ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタニウムなどのチタニウムキレート化合物類;テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、などのジルコニウムキレート化合物類が好適であるし、またジクロロ・ビス(アセチルアセトナト)スズ、ジブチル・ビス(アセチルアセトナト)スズ、トリス(アセチルアセトナト)鉄、トリス(アセチルアセトナト)クロム、トリス(アセチルアセトナト)ロジウム、ビス(アセチルアセトナト)亜鉛、トリス(アセチルアセトナト)コバルトなども挙げられる。
これらの金属キレート化合物は、1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記一般式(7)におけるR11は炭素数1〜18のアルキル基、アリール基又はアルケニル基などの有機基、R12は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、アリール基又はアルカリール基、R13及びR14は、炭素数1〜18のアルキル基又はアリール基であって、これらの有機基は適当な置換基を有していてもよく、またn6、n7、n8及びn9は0〜4の整数で、n6+n7+n8+n9=4である。
R11の好ましいものとしては、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アルケニル基であり、R12の好ましいものとしては、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アルカリール基であり、R13及びR14の好ましいものとしては、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基である。
〜5の範囲にあることが好ましい。
該混合物を製造する際は、溶媒の存在下であってもよいし、不存在下であってもよい。ここで用いる溶媒としては、例えば脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤及びこれらの混合溶剤などが挙げられる。また、溶媒の使用量は、適宜選定すればよいが、通常金属キレート化合物が0.1〜80重量%の範囲で配合されるように選ぶことが好ましい。
該(C)成分の混合物は、熱硬化性組成物の長期にわたる貯蔵安定性を良好に保ち、かつ低温にて短時間で硬化する際、硬化反応を促進し、硬化物に良好な化学性能及び物理性能を付与する目的で使用される。そのため、該混合物は、50℃以上の温度において、酸触媒活性を示す化合物が望ましい。該混合物が50℃未満の温度で酸触媒活性を示す場合、得られる組成物は貯蔵中に増粘したり、ゲル化するなど、好ましくない事態を招来する恐れがある。なお、該混合物は、(viii)金属キレート化合物と(ix)有機ケイ素化合物又はその縮合体の種類及び量などを変化させることにより、酸触媒活性を示す温度を比較的容易に制御できる。
は0.02〜10重量部の範囲で配合されるように選ばれる。
本発明の熱硬化性組成物における該(C)成分の混合物の添加方法は、特に限定されるものではないが、例えば(viii)金属キレート化合物と(ix)有機ケイ素化合物又はその縮合体とを予め混合し混合物を製造した後、(A)成分と(B)成分あるいは(D)成分と場合により用いられる(A)成分及び/又は(B)成分中に添加してもよいし、(viii)金属キレート化合物と(ix)有機ケイ素化合物又はその縮合体を別々に(A)成分と(B)成分あるいは(D)成分と場合により用いられる(A)成分及び/又は(B)成分中に添加し、その中で混合物としてもよい。
本発明の熱硬化性組成物は、上記した成分を混合し、必要に応じて各種添加剤を配合することにより製造することができる。各成分の配合方法及び各種添加剤の添加方法は、特に制限されるものではなく、種々の方法により行うことができ、混合順序及び添加順序も種々の順序で行うことができる。
顔料は、有機顔料、無機顔料などの種々の顔料が用いられるが、例えばそれぞれに表面処理を施したアルミニウム、銅、真鍮、青銅、ステンレススチール、あるいは雲母状酸化鉄、鱗片状メタリック粉体、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母片などの金属顔料が用いられる。また、その他、二酸化チタン、酸化鉄、黄色酸化鉄、カーボンブラックなどの無機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン系赤色顔料などの有機顔料、沈降性硫酸バリウム、クレー、シリカ、タルクなどの体質顔料などが挙げられる。
ベースコートのフイルム形成性組成物は、樹脂バインダーと顔料とを含有する。樹脂バインダーとしては、本発明の熱硬化性組成物の他、公知のアクリルポリマー、ポリエステル(アルキッド樹脂を含む)及びポリウレタン、メラミン樹脂などの種々のバインダーを挙げることができる。
クリアートップコートのフイルム形成性組成物は、本発明の熱硬化性組成物であり、必要に応じて、透明性を損なわない程度に上記顔料、各種添加剤や耐候性の良好な染料を添加することができる。
塗料を塗布する基材としては、特に限定されるものではなく、種々の基材を用いることができ、例えば、木、ガラス、金属、布、プラスチック、発泡体、弾性体、紙、セラミック、コンクリート、石膏ボードなどの有機素材及び無機素材などが挙げられる。
金属板の塗装仕上げ方法としては、例えば金属板に必要に応じて下塗り塗料を塗布して硬化させ、さらに必要に応じてその下塗り塗料層の上に中塗り塗料を塗布して硬化させ、その後本発明の熱硬化性組成物100重量部当たり顔料を0〜300重量部含有する上塗り塗料を塗布し、加熱硬化または常温硬化させる金属板の塗装仕上げ方法が挙げられる。
該金属板としては、種々の金属板が用いられ、例えば冷延鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、電気合金亜鉛メッキ鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板(非合金化)・亜鉛鉄板、溶融亜鉛メッキ鋼板(合金化)、溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキ鋼板などの亜鉛メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板などが挙げられる。
下塗り塗料及び中塗り塗料としては、通常の下塗り塗料、中塗り塗料として用いられる塗料を使用することができる。
下塗り塗料及び中塗り塗料で塗布した塗膜は、順次塗布の都度硬化させるが、この硬化は、通常100〜300℃で、5秒〜5分の硬化条件で行えばよく、例えばコイルコーティングなどによって塗装するプレコート塗装分野においては、通常素材到達最高温度が120〜260℃で、15〜120秒の硬化条件で硬化すれば良い。
下塗り塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料の塗装方法は、種々の塗装方法により行うことができるが、ロールコーター、フローコーター又はスプレー等による塗装方法が好ましい。ロールコーターにより上塗り塗料を塗布する場合、ナチュラル方式及びリバース方式が考えられるが、リバース方式の方が塗面の表面平滑性の点で好ましい。
塗布された塗膜の厚みは、特に限定されないが、下塗り塗料及び中塗り塗料による塗膜が、それぞれ通常3〜25μmの範囲であり、上塗り塗料による塗膜は、3〜50μmにすることが可能である。従来、プレコート鋼板の膜厚を20μm以上にすると、しばしば塗面にピンホールなどの欠陥を生じ易かったが、本発明の上塗り塗料には、20μm以上
に厚膜化してもピンホールを抑えることができる。
また、本発明の熱硬化性組成物は、所定形状に成形して工業機材などの広範な分野に使用可能な成形品を得るための組成物としても有用である。
上記充填剤として、例えば、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、珪藻土、タルク、アルミナ、珪砂、ガラス粉、酸化鉄、金属粉、グラファイト、炭化珪素、窒化珪素、シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、カーボンブラックなどの粉粒状充填剤;雲母、ガラスフレーク、セリサイト、パイロフィライト、アルミフレークなどの金属箔、黒鉛などの平板状、鱗片状の充填剤、シラスバルーン、金属バルーン、ガラスバルーンなどの中空状充填剤;ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、チタン酸カリウムなどのウィスカー、金属繊維、シリコーンカーバイト繊維、アスベスト、ウオスナイトなどの鉱物繊維などを挙げることができる。以上の充填剤の表面は、必要に応じてステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸又はそれらの金属塩、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス又はそれらの変性物、シランカップリング剤、有機ボラン、有機チタネートなどを使用して表面処理を施してもよい。
本発明の熱硬化性組成物を含む成形用組成物を配合する際は、比較的流動性に優れるため、多くの場合ディスパーなどの通常のクリアー塗料などに用いられる撹拌装置によっても混合可能である。充填剤の量が多く、成形用組成物の粘度が高くなる場合においては、例えばバンバリーミキサー、二ーダー、混練押出機、単軸又は多軸押出機などにより混合する方法を挙げることができる。混合温度は、組成物の粘度及び混合装置の混練力に応じて室温〜120℃に加温することが可能である。
以上本発明の熱硬化性組成物は、例えば、塗料、インク、接着剤、成形品に好適に用いることができる。
なお、塗膜性能及び成形品の物理性能は次のようにして求めた。
40重量%硫酸2mlを試験片上にスポット状に乗せ、20℃で48時間放置後、塗膜の異常を目視にて判定した。
(2)耐酸性−2
40重量%硫酸2mlを試験片上にスポット状に乗せ、60℃で30分間加熱後、塗膜の異常を目視にて判定した。
(3)耐酸性−3
試験片を0.1規定硫酸中に浸漬し、60℃で24時間保った後、塗膜の異常を目視にて判定した。
衝撃変形試験器(JIS K−5400(1990)8.3.2 デュポン式)を用い、半径6.35mmの撃ち型に試験片を挟み、500gのおもりを40cmの高さから落下させた際の塗膜の損傷を目視にて判定した。
(5)耐候性
サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機(JIS K−5400(1990)9.8.1)を用いて3000時間曝露後、塗膜の異常を目視にて判定した。
(6)ヌープ硬度
(株)島津製作所製のM型微小硬度計にて20℃で測定した。数値の大きい程硬いことを示す(ASTM D−1474)。
20℃の室温にて、幅5cmに切断した試験片について、2Tでは試験片と同一の塗板を2枚内側に挟み、また4Tでは試験片と同一の塗板を4枚内側に挟み180度密着曲げを行った。評価は、その後セロハン粘着テープにて剥離し、以下の基準で評価した。
◎:剥離なし
○:剥離が10%以下
△:剥離が10%を超えて50%以下
×:剥離が50を超えた
(8)鉛筆硬度試験
JIS K−5400(1990)8.4.1(a)に準じて鉛筆引掻試験機で傷の発生しない鉛筆硬度を求めた。
(9)耐塩水噴霧性
○:塗膜のふくれ、白錆の発生なし
△:僅かに塗膜のふくれ又は白錆が認められる
×:明らかに塗膜のふくれ又は白錆が認められる
(10)沸騰水浸漬試験
JIS K−5400(1990)9.20に準じて、試験片を沸騰水に2時間浸漬した後、塗膜の異常を観察し、以下の基準で判定した。
○:塗膜に全く異常なし
△:僅かに塗膜のふくれが認められる
×:明らかに塗膜のふくれが認められる
マジックインクを塗装面に塗布し、室温で48時間放置した後、キシレンを浸した柔らかい布で塗布したマジックインクを拭い去った後を目視で観察した。
(12)カーボン汚染性
カーボンブラック/水=5/95(重量比)の割合の分散液1mlを塗面上に載せ、20℃の恒温室内で24時間放置後、水洗を行い、分散液を載せた部分の塗面の変色程度を目視にて観察し、以下の基準で判定した。
◎:跡が認められない。
○:跡が僅かに認められる。
△:かなり跡が残る。
×:跡が濃く残る。
(13)アイゾット衝撃試験:JIS K 7100に準じた。
(14)曲げ試験:JIS K 6758に準じて試験を行い、曲げ強さ並びに曲げ弾性率を測定した。
(16)体積抵抗率:JIS C 2105に準じて25℃での体積抵抗率を測定した。
(17)エナメル線導体の腐食性:φ0.5mm、2UEW(ポリウレタン銅線)のエナメル線を用いて作成された電源トランス(コア寸法:66×54×30mm)を試料の硬化性組成物中に2分間浸漬した後引き上げ、空気中に10分間放置し、120℃で1時間硬化させた。このワニス処理した電源トランスを60℃、95%RHの恒温恒湿槽に放置し、エナメル線導体が腐食する日数を求めた。エナメル線導体の腐食は、エナメル線の変色(黒色、赤褐色などに変色する。)によって判定した。
(18)コアの防錆能:(17)の試験において、恒温恒湿槽に5日間放置した後、電源トランスのコアの錆の発生状態を観察し、下記基準により評価した。
○:錆の発生なし。
△:コアの表面積に対して10〜20%程度錆が発生した。
×:コアの表面積に対して40〜60%程度錆が発生した。
(A)成分化合物A−1〜A−3溶液の製造
(1)α,β−不飽和化合物の製造
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた4つ口フラスコに、それぞれ表1の組成の混合物を仕込み、50℃を保ちながら撹拌した。混合物の酸価が30以下となったところで反応を終了し、放冷後分液ロートに生成物を移した。得られた生成物は、分液ロート中で10重量%炭酸水素ナトリウム水溶液100重量部でアルカリ洗浄後、洗浄液のpHが7以下になるまで200重量部の脱イオン水で水洗を繰り返した。その後、有機層中にモレキュラーシーブ4A1/16(和光純薬(株)製、商品名)を加え、室温で3日間乾燥することによって、それぞれ表1記載の有効分含有量を有するα,β−不飽和化合物A−1(a)〜A−3(a)を得た。
温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、それぞれ初期仕込み溶剤(キシレン)200.0重量部を仕込み、撹拌下で加熱し、80℃を保った。次に80℃の温度で、表2記載の組成の単量体及び重合開始剤混合物(滴下成分)を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後、80℃の温度を1時間保ち、表2記載の組成の重合開始剤溶液(追加触媒)を添加し、さらに80℃の温度を4時間保ったところで反応を終了することによって、それぞれ表2記載の特性を有する化合物A−1〜A−3溶液を得た。
(A)成分化合物A−4溶液の製造
(1)ポリカルボン酸化合物A−4(a)溶液の製造
温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、下記成分を仕込み、撹拌下で加熱し120℃に昇温した。
ペンタエリスリトール 136.0重量部
メチルイソブチルケトン 538.7重量部
次いで、120℃を保ちながらメチルヘキサヒドロフタル酸無水物672.0重量部を2時間かけて滴下し、混合物の酸価(ピリジン/水(重量比)=9/1混合液で約50重量倍に希釈し、90℃で30分間加熱処理した溶液を水酸化カリウム標準溶液で滴定)が、170以下になるまで加熱撹拌を継続することによって、4官能ポリカルボン酸化合物A−4(a)溶液を得た。
前記の方法で得られたポリカルボン酸化合物溶液を用いて、前記と同様のフラスコ中に下記組成の混合物を仕込み、50℃を保ちながら撹拌した。
前記(1)のポリカルボン酸化合物溶液 336.7重量部
イソブチルビニルエーテル 120.2重量部
35重量%塩酸 0.2重量部
メチルイソブチルケトン 46.3重量部
混合物の酸価が12以下となったところで反応を終了し、放冷後分液ロートに生成物を移した。得られた生成物は、分液ロート中で10重量%炭酸水素ナトリウム水溶液100重量部でアルカリ洗浄後、洗浄液のpHが7以下になるまで300重量部の脱イオン水で水洗を繰り返した。その後、有機層中にモレキュラーシーブ4A1/16を加え、室温で3日間乾燥することによって、不揮発分60.0重量%、ガードナー粘度E−F(25℃)の化合物A−4溶液を得た。
(A)成分化合物A−5の製造
(1)ポリカルボン酸化合物A−5(a)の製造
温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、下記成分を仕込み、撹拌下で加熱し140℃に昇温した。
トリメチロールプロパン 134.2重量部
次いで、140℃を保ちながら予め加温して溶解したヘキサヒドロフタル酸無水物420.4重量部を2時間かけて滴下し、混合物の酸価(ピリジン/水(重量比)=9/1混合液で約50重量倍に希釈し、90℃で30分間加熱処理した溶液を水酸化カリウム標準溶液で滴定)が、285以下になるまで加熱撹拌を継続することによって、常温で結晶状の3官能ポリカルボン酸化合物A−5(a)を得た。
前記の方法で得られたポリカルボン酸化合物を用いて、オートクレーブ中に下記組成の混合物を仕込み、初め130℃で混合物を十分混合した後、温度を50℃に降下して撹拌した。
ポリカルボン酸化合物A−5(a) 272.3重量部
n−プロピルビニルエーテル 129.2重量部
2−エチルへキシルホスフェート 0.2重量部
混合物の酸価が10以下となったところで反応を終了し、常温で液状の化合物A−5を得た。
(A)成分化合物A−6の製造
(1)ポリカルボン酸化合物A−6(a)の製造
温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、下記成分を仕込み、撹拌下で加熱し120℃に昇温した。
ペンタエリスリトール 136.0重量部
メチルイソブチルケトン 464.5重量部
次いで、120℃を保ちながら予め加温して溶解したヘキサヒドロフタル酸無水物560.7重量部を2時間かけて滴下し、混合物の酸価(ピリジン/水(重量比)=9/1混合液で約50重量倍に希釈し、90℃で30分間加熱処理した溶液を水酸化カリウム標準溶液で滴定)が、180以下になるまで加熱撹拌を継続することによって、4官能ポリカルボン酸化合物A−6(a)溶液を得た。
さらに、得られた化合物A−6(a)溶液中の溶剤を、50℃、0.1mmHgの条件で留去して常温で結晶状のポリカルボン酸化合物A−6(a)を得た。
前記の方法で得られたポリカルボン酸化合物溶液を用いて、前記と同様のフラスコ中に下記組成の混合物を仕込み、50℃を保ちながら撹拌した。
ポリカルボン酸化合物A−6(a)溶液 290.3重量部
イソブチルビニルエーテル 109.3重量部
35重量%塩酸 0.2重量部
メチルイソブチルケトン 35.7重量部
混合物の酸価が12以下となったところで反応を終了し、放冷後分液ロートに生成物を移した。得られた生成物は、分液ロート中で10重量%炭酸水素ナトリウム水溶液100重量部でアルカリ洗浄後、洗浄液のpHが7以下になるまで300重量部の脱イオン水で水洗を繰り返した。その後、有機層中にモレキュラーシーブ4A1/16を加え、室温で3日間乾燥した。
さらに、得られた化合物溶液中の溶剤を、50℃、0.1mmHgの条件で留去して常温で液状のポリカルボン酸化合物A−6を得た。
(B)成分化合物B−1、B−2溶液及び化合物B−3の製造
温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、それぞれ初期仕込み溶剤(キシレン)40.0重量部を仕込み、撹拌下で加熱し、100℃を保った。次に100℃の温度で、表3記載の組成の単量体及び重合開始剤混合物(滴下成分)を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後、100℃の温度を1時間保ち、表3記載の組成の重合開始剤溶液(追加触媒)を添加し、さらに100℃の温度を2時間保ったところで反応を終了し、製造例7及び8においては、それぞれ化合物B−1及びB−2溶液を得た。製造例9においては、その後、さらに化合物溶液中の溶剤を、50℃、0.1mmHgの条件で留去して化合物B−3を得た。
(D)成分化合物D−1溶液及び化合物D−2の製造
温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、それぞれ表4記載の量の初期仕込み溶剤(キシレン)40.0重量部を仕込み、撹拌下で加熱し、80℃を保った。次に80℃の温度で、表4記載の組成の単量体及び重合開始剤混合物(滴下成分)を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後、80℃の温度を1時間保ち、表4記載の組成の重合開始剤溶液(追加触媒)を添加し、さらに80℃の温度を4時間保ったところで反応を終了し、製造例10においては化合物D−1溶液を得た。製造例11においては、その後、さらに化合物溶液中の溶剤を50℃、0.1mmHgの条件で留去して化合物D−2を得た。
(C)成分熱潜在性酸触媒C−1〜C−4の製造
フラスコ中にそれぞれ表5に示す(i)成分であるエポキシ基を有する化合物と(ii)成分である含イオウ化合物を入れ、室温で撹拌した。次に、表5に示す(iii)成分であるルイス酸をメチルイソブチルケトン/酢酸エチル(重量比:1/1)混合溶媒により予め10重量%の濃度に希釈した後滴下し、その後さらに3時間撹拌した。最後に溶媒を留去することにより表5記載の熱潜在性酸触媒C−1〜C−4を得た。
(C)成分(a)熱潜在性酸触媒C−9〜C−12溶液の製造
製造例20及び21においては、フラスコ中にそれぞれ表7に示す(i)成分であるエポキシ基を有する化合物と(ii)成分である含イオウ化合物を入れ、室温で撹拌した。次に表7に示す(iii)成分であるルイス酸溶液を滴下し、その後70℃で2時間撹拌した。さらに、放置冷却し、室温となったところで表7に示す(iv)成分である無水カルボン酸化合物を添加し、室温で1時間撹拌することにより表7記載の熱潜在性酸触媒C−9及びC−10溶液を得た。
製造例22及び23においては、フラスコ中にそれぞれ表7に示す(ii)成分である含イオウ化合物と(iii)成分であるルイス酸溶液を入れ、室温で撹拌した。次に表7に示す(i)成分であるエポキシ基を含有する化合物を滴下し、その後室温で1時間撹拌した。最後に、表7に示す(iv)成分であるカルボン酸化合物及び無水カルボン酸化合物を添加し、製造例22では室温で2時間、また製造例23では80℃で4時間それぞれ撹拌することにより表7記載の熱潜在性酸触媒C−11及びC−12溶液を得た。
(C)成分(b)熱潜在性酸触媒C−13〜C−16溶液の製造
フラスコ中にそれぞれ表8の組成となるように各化合物を撹拌しながら混合した。ただし、製造例24及び27においては、(vii)成分のルイス酸である塩化亜鉛溶液とオクチル酸亜鉛を予め混合してから、(v)成分の含窒素又はイオウ化合物と(vi)成分の含ハロゲン化合物との混合物中に添加した。その後、それぞれ室温でさらに24時間撹拌することにより、熱潜在性酸触媒C−13〜C−16を得た。
酸触媒C−17溶液の製造
試験管中に下記成分を仕込み室温で撹拌することによりトリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム10%イソプロパノール溶液を調製した。
トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム 10.0重量部
イソプロパノール 90.0重量部
次いで、この溶液にトリフェニルシラノール13.3重量部を添加し、50℃で1時間撹拌することにより酸触媒C−17溶液を得た。
実施例1〜28
(1)塗料の製造
表9〜表12の組成において、実施例1〜8、10〜17、19〜21、23、24、26及び27では(B)成分を除いた混合物を、また実施例9、18、22、25及び28では全原料をサンドミルに仕込み、粒度が10μm以下になるまで分散した。その後、実施例9、18、22、25及び28ではそのまま、また実施例1〜8、10〜17、19〜21、23、24、26及び27では顔料分散時に除いた原料をそれぞれ添加混合し、一液型塗料とした。
リン酸亜鉛処理軟鋼板にカチオン電着塗料アクアNo.4200(商品名、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚20μmとなるよう電着塗装して175℃で25分間焼き付け、さらに中塗り塗料エピコNo.1500CPシーラー(商品名、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚40μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間焼き付けることにより試験板を作製した。次いで、前記(1)の生塗料を、実施例1〜22及び26〜28においてはキシレン/酢酸n−ブチル=8/2(重量比)のシンナーを用いて、また実施例23〜25においてはキシレン/メチルエチルケトン=6/4(重量比)のシンナーを用いてそれぞれ塗装粘度(フォードカップNo.4、20℃で25秒)に希釈後、前記の方法で作成した試験板に、乾燥膜厚40μmとなるようにエアースプレーにて塗装し、140℃で30分間の硬化条件で焼き付けて試験片を作製した。塗膜性能を表13〜表16に示すが、いずれの場合も均一でツヤのある塗膜が得られ、優れた耐酸性、耐衝撃性、耐候性、硬度を示した。
前記(1)の生塗料を、実施例1〜22及び26〜28においてはキシレン/酢酸n−ブチル=8/2(重量比)のシンナーを用いて、また実施例23〜25においてはキシレン/メチルエチルケトン=6/4(重量比)のシンナーを用いて、それぞれ1ポイズ(ブルックフィールド型粘度計による20℃での測定値)に希釈した後、40℃で30日間密封貯蔵した。その後、再び粘度を測定したところ、それぞれ表13〜表16に示す様に、ほとんど粘度増加は認められなかった。
また、前記(2)の希釈塗料を40℃で30日間密封貯蔵し、その後前記(2)と同様の方法で試験片を作成し、そのヌープ硬度を測定した。その結果、表13〜表16に示す様に、貯蔵後も優れた硬度を示した。すなわち、本発明の熱硬化性組成物による熱硬化型1コートソリッドカラーは優れた貯蔵安定性を有する。
1)デナコールEX−421:商品名、ナガセ化学工業(株)製、エポキシ化合物
2)ケミタイトPZ−33:商品名、(株)日本触媒製、アジリジン化合物
3)コロネートEH:商品名、日本ポリウレタン工業(株)製、ヘキサメチレンジイソシアネート三量体
4)サイメル303:商品名、三井サイアナミド(株)製、メチル化メラミン樹脂
5)KR−214:商品名、信越化学工業(株)製、シリコーン化合物
6)二酸化チタンJR−602:商品名、帝国化工(株)製、ルチル型二酸化チタン
7)モダフロー:商品名、モンサント社製、レベリング剤
8)ALCH−TR−20:商品名、川研ファインケミカル(株)製、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム20%トルエン溶液
表17の組成において、実施例1〜28と同様にして顔料分散後、塗料化した。得られた塗料を、比較例1〜4、6及び7においては、キシレン/酢酸n−ブチル=8/2(重量比)のシンナーを用いて、また比較例5においてはキシレン/メチルエチルケトン=6/4(重量比)のシンナーを用いてそれぞれ希釈する以外は実施例1〜28と同様にして貯蔵安定性試験を行った。その結果、比較例1では触媒が何ら熱潜在化されていないため、また比較例2〜6ではカルボキシル基が何らブロック化されていないため、経時的に著しく粘度増加し、最終的には表17に示す日数ですべてゲル化した。さらに、比較例7ではルイス塩基であるN−メチルモルホリンの作用により触媒が安定化されるため、粘度の増加はほとんど認められないものの、貯蔵後ヌープ硬度が測定できる程の硬度は得られなかった。
1)ALCH−TR−20:商品名、川研ファインケミカル(株)製、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム20%トルエン溶液
2)二酸化チタンJR−602:商品名、帝国化工(株)製、ルチル型二酸化チタン
3)モダフロー:商品名、モンサント社製、レベリング剤
実施例29〜41
(1)塗料の製造
表18及び表19の組成の原料を混合し、一液型クリアー塗料とした。
(2)試験片の作製及び塗膜性能の検討
得られた生塗料を、実施例29〜37、40及び41においては、キシレン/酢酸n−ブチル=8/2(重量比)のシンナーを用いて、また実施例38及び39においてはキシレン/メチルエチルケトン=6/4(重量比)のシンナーを用いてそれぞれ希釈する以外は、実施例1〜28と同様にして希釈した。次いで、実施例1〜28と同様の方法で作製した試験板に、ベルコートNo.6000シルバーメタリックベースコート塗料(商品名、日本油脂(株)製)をエアースプレーにてインターバル1分30秒、2ステージで乾燥塗膜厚15μmとなるように塗装し、20℃で3分間セット後、前記の各希釈クリアー塗料を乾燥膜厚40μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間の硬化条件で焼き付けて試験片を作製した。塗膜性能を表20及び21に示すが、いずれの場合も均一でツヤのある塗膜が得られ、優れた耐酸性、耐衝撃性、耐候性、硬度を示した。
得られた各塗料を、実施例29〜37、40及び41においては、キシレン/酢酸n−ブチル=8/2(重量比)のシンナーを用いて、また実施例38及び39においてはキシレン/メチルエチルケトン=6/4(重量比)のシンナーを用いる以外は、実施例1〜28と同様にして貯蔵安定性試験を行ったところ、表20及び21に示すように、いずれの場合もほとんど粘度の増加は認められず、また、貯蔵後も優れた硬度を示した。すなわち、本発明の熱硬化性組成物による2コート1ベーク用クリアー塗料は、優れた貯蔵安定性を有する。
1)CX−RS−12001):商品名、(株)日本触媒製、オキサゾリン化合物
2)モダフロー:商品名、モンサント社製、レベリング剤
3)ALCH−TR−20:商品名、川研ファインケミカル(株)製、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム20%トルエン溶液
表22の組成の原料を混合してクリアー塗料とした。得られた塗料を、比較例8〜11、13及び14においては、キシレン/酢酸n−ブチル=8/2(重量比)のシンナーを用いて、また比較例12においてはキシレン/メチルエチルケトン=6/4(重量比)のシンナーを用いてそれぞれ希釈する以外は実施例1〜28と同様にして貯蔵安定性試験を行った。その結果、比較例8では触媒が何ら熱潜在化されていないため、また比較例9〜13ではカルボキシル基が何らブロック化されていないため、経時的に著しく粘度増加し、最終的には表22に示す日数ですべてゲル化した。さらに、比較例14ではルイス塩基であるN−メチルモルホリンの作用により触媒が安定化されるため、粘度の増加はほとんど認められないものの、貯蔵後ヌープ硬度が測定できる程の硬度は得られなかった。
実施例42〜55及び比較例15、16
(1)塗料の製造
表23及び表24の組成において、(B)成分化合物を除いた混合物をサンドミルに仕込み、粒度が10μm以下になるまで分散した。その後、顔料分散時に除いた原料をそれぞれ添加混合し、ソルベッソ#150(商品名、エッソ社製、芳香族石油ナフサ)により、フォードカップNo.4で20℃において120秒になるように粘度調整を行って、一液型塗料とした。
表25〜表27に示す鋼板素材に、表25〜27に示す下塗り塗料を乾燥膜厚5μmとなるようにロールコーターを用いて塗布し、表25〜27に示す硬化条件で焼き付けた。その後、実施例42〜55においては前記(1)の塗料を、また比較例15においてはプレカラー3200白(商品名、日本油脂(株)製、高分子ポリエステル塗料)を、さらに比較例16においてはプレカラー3800白(商品名、日本油脂(株)製、ポリエステル塗料)を乾燥膜厚15μmとなるようにロールコーターを用いて塗布し、表25〜27に示す硬化条件で焼き付けて、試験片とした。いずれの場合も均一でツヤのある塗装鋼板が得られた。塗膜性能を表25〜27に示すが、本発明の熱硬化性組成物によるプレコートメタル塗装鋼板は、いずれの場合も、優れた加工性、耐衝撃性、硬度、耐食性、耐沸水性を示した。
さらに、本発明の熱硬化性組成物によるプレコートメタル塗装鋼板は、従来のプレコートメタル用ポリエステル塗料及び高分子ポリエステル塗料を塗布した鋼板に比較して、優れた耐候性、耐酸性、耐汚染性を示した。
前記(1)の塗料を30℃で30日間密封貯蔵し、その後再び20℃でフォードカップNo.4を用いて粘度を測定したところ、それぞれ表25〜27に示すようにほとんど粘度の増加は認められなかった。また、この塗料を用い、前記(2)と同様の方法で試験片を作製し、その鉛筆硬度を測定したところ、それぞれ表25〜27に示すように貯蔵後も優れた硬度を示した。すなわち、本発明の熱硬化性組成物によるプレコートメタル用エナメル塗料は優れた貯蔵安定性を有する。
1)デナコールEX−421:商品名、ナガセ化学工業(株)製、エポキシ化合物
2)ケミタイトPZ−33:商品名、(株)日本触媒製、アジリジン化合物
3)コロネートEH:商品名、日本ポリウレタン工業(株)製、ヘキサメチレンジイソシアネート三量体
4)サイメル303:商品名、三井サイアナミド(株)製、メチル化メラミン樹脂
5)二酸化チタンJR−602:商品名、帝国化工(株)製、ルチル型二酸化チタン
6)モダフロー:商品名、モンサント社製、レベリング剤
1)素材
GI:溶融亜鉛メッキ鋼板、メッキ付着量 Z−25 板厚0.4mm
GF:5%Al−Zn溶融メッキ鋼板、メッキ付着量 Y−25 板厚0.4mm
GL:55%Al−Zn溶融メッキ鋼板、メッキ付着量 Y−25 板厚0.4mm
2)化成処理
P:リン酸亜鉛処理
Cr:塗布型クロメート処理
3)塗料
P−40:プレカラープライマーP−40、商品名、日本油脂(株)製、高分子ポリエステル塗料
SP−7:プレカラープライマーSP−7、商品名、日本油脂(株)製、エポキシ樹脂塗料
実施例91〜94及び比較例21〜23
(1)塗料の製造
実施例45、51、54及び55において製造したものをエナメル塗料とした。
(2)塗装試験
板厚0.4mmのリン酸亜鉛処理した亜鉛メッキ鋼板に、下塗り塗料として、プレカラープライマーSP−7(商品名、日本油脂(株)製、エポキシ樹脂塗料)を乾燥膜厚5μmとなるようにロールコーターを用いて塗布し、メタル温度230℃で10秒間の硬化条件で焼き付けた。その後、表28に示す塗料を表28に示す乾燥膜厚となるようにラインスピード150m/分でロールコーターを用いて塗布し、メタル温度230℃で15秒間の硬化条件で焼き付けた。塗面状態を表28に示すが、本発明の熱硬化性組成物によるプレコートメタル用塗料を用いた場合、いずれも均一でツヤのある塗装鋼板が得られた。すなわち、本発明の熱硬化性組成物によるプレコートメタル用塗料は、従来のプレコートメタル用塗料に比較して高速塗装及び厚膜化が可能である。
1)プレカラー2120白:商品名、日本油脂(株)製、アクリル塗料
1)プレカラー3800白:商品名、日本油脂(株)製、ポリエステル塗料
1)プレカラー4600白:商品名、日本油脂(株)製、シリコーンポリエステル塗料
実施例56〜63
(1)塗料の製造
表29の組成の原料をそれぞれ添加混合し、実施例42〜55と同様に粘度調整を行って、一液型塗料とした。
表29に示す鋼板素材に、表29に示す下塗り塗料を表30及び31に示す乾燥膜厚となるようにロールコーターを用いて塗布し、表30及び31に示す硬化条件で焼き付けた。次に、実施例56、57、59、60及び62においては、中塗り塗料としてプレカラー3800白(商品名、日本油脂(株)製、ポリエステル塗料)を乾燥膜厚15μmとな
るようにロールコーターを用いて塗布し、メタル温度210℃で50秒間の硬化条件で焼き付けた。その後、前記(1)の塗料を乾燥膜厚10μmとなるようにロールコーターを用いて塗布し、メタル温度210℃で50秒間の硬化条件で焼き付けて、試験片とした。
いずれの場合も均一でツヤのある塗装鋼板が得られた。塗膜性能を表30及び31に示すが、本発明の熱硬化性組成物によるプレコートメタル塗装鋼板は、いずれの場合も、優れた加工性、耐衝撃性、硬度、耐食性などを示し、さらに、優れた耐候性、耐酸性、耐汚染性を示した。
前記(1)の塗料を実施例42〜55と同様にして貯蔵試験を行ったところ、表30及び31に示すように、いずれの場合もほとんど粘度の増加は認められず、また貯蔵後も優れた硬度を示した。すなわち、本発明の熱硬化性組成物によるプレコートメタル用クリアー塗料は優れた貯蔵安定性を有する。
1)素材
GI:溶融亜鉛メッキ鋼板、メッキ付着量 Z−25 板厚0.4mm
GF:5%Al−Zn溶融メッキ鋼板、メッキ付着量 Y−25 板厚0.4mm
GL:55%Al−Zn溶融メッキ鋼板、メッキ付着量 Y−25 板厚0.4mm
2)化成処理
P:リン酸亜鉛処理
Cr:塗布型クロメート処理
3)塗料
P−40:プレカラープライマーP−40、商品名、日本油脂(株)製、高分子ポリエステル塗料SP−7:プレカラープライマーSP−7、商品名、日本油脂(株)製、エポキシ樹脂塗料
実施例82〜86
(1)成形品用組成物の合成
表32に示す組成物を混合することにより、実施例82、83及び85においては、成形品用組成物とした。また、実施例84及び86においては、さらに50℃、0.1mmHgの条件で組成物中の溶剤を留去することにより、成形品用組成物とした。
前記(1)の成形品用組成物を50℃に加温した後、10×300×300mmの金型に注入し、50℃、真空下(1Torr)で20分間脱気した。続いて金型を120℃に1時間加熱し、さらに150℃で1時間の条件で加熱して組成物を硬化させ、最後に離型することにより成形品を得た。成形品は、気泡や収縮に伴うヒケなどを生じることなく正常に得られた。こうして得られた成形品を切削加工することにより、試験片とし、機械物性及び絶縁特性についての試験を行った。さらに、実施例82〜84においては、防錆性についての試験も行った。これらの物性試験の結果を表32に示すが、本発明の熱硬化性組成物による成形品は、優れた機械物性、絶縁特性、さらには防錆性を示した。
1)YD−128:商品名、東都化成(株)製、エポキシ化合物
2)KF−101:商品名、信越化学工業(株)製、シリコーン含有エポキシ化合物
3)CRT−D:商品名、龍森(株)製、シリカ
4)MF3A:商品名、旭ファイバーグラス(株)製、ガラス繊維
Claims (15)
- (A)1分子中に2〜50個のカルボキシル基を有する化合物と、一般式(9)
(化3)R5−S−R6 ・・・・・(2)
(式中、R5及びR6は、それぞれ水素原子、炭素数1〜40のアルキル基、アリール基、アルカリール基、アルコキシル基、アシル基、アシルオキシル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる有機基、及び、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトリル基、カルボキシル基から選ばれる官能基で置換された前記有機基から選ばれる有機基を示し、同一でも又は異なってもよく、互いに結合しあって環構造を形成してもよい。)で表される含イオウ化合物、及び(iii)一般式(3)
(化4)(X1)n1−M1−(R7)n2 ・・・・・(3)
(式中、M1はホウ素、アルミニウム、スズ、鉛又は遷移元素を示し、X1は1種又は2種以上のハロゲン原子を示し、R7は1種又は2種以上の炭素数1〜40のアルキル基、アリール基、アルカリール基、アルコキシル基、アシル基、アシルオキシル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる有機基を示し、R7はM1原子に配位しキレート環を形成してもよく、n1及びn2はそれぞれ0〜6の整数を示し、n1+n2が1〜6の整数である。)で表されるルイス酸、さらに必要に応じて(iv)カルボン酸化合物及び/又は無水カルボン酸化合物から成る熱潜在性酸触媒、(b)(v)一般式(4)
(化5)(R8)n3−Y2 ・・・・・(4)
(式中のY2は窒素原子、酸素原子、リン原子又はイオウ原子を示し、R8は炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基又はアルカノール基から選ばれる1種又は2種以上の有機基を示し、2個のR8は互いに結合してY2をヘテロ原子とする複素環を形成してもよく、n3は2又は3の整数を示す。)で表される含窒素、酸素、リン又はイオウ化合物、(vi)一般式(5)
(化6)R9−X2 ・・・・・(5)
(式中のR9は炭素数1〜12のベンジル基、アリル基、シクロアルキル基、第2級アルキル基、第3級アルキル基、及びこれらの基にハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、アリーロキシル基、低級ハロアルキル基、アシルオキシル基、アシルアミノ基、水酸基、ニトロ基から選ばれる置換基で置換された基から選ばれる有機基を示し、X2はハロゲン原子を示す。)で表される含ハロゲン化合物、及び(vii)一般式(6)
(化7)(X3)n4−M2−(R10)n5 ・・・・・(6)
(式中のM2はアルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を示し、X3は1種又は2種以上のハロゲン原子を示し、R10は1種又は2種以上の炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルカリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシル基、アシルオキシル基から選ばれる有機基を示し、R10はM2原子に配位しキレート環を形成してもよく、n4及びn5はそれぞれ0〜6の整数を示し、n4+n5は1〜6の整数を示す。)で表されるアルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を含むルイス酸から成る熱潜在性酸触媒、及び(c)(viii)金属キレート化合物と(ix)一般式(7)
- (B)成分の反応性官能基がエポキシ基、オキサゾリン基、シラノール基、アルコキシシラン基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、シクロカーボネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、アミノメチロール基、アルキルアミノメチロール基、アセタール基及びケタール基の中から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の熱硬化性組成物。
- (A)成分及び/又は(B)成分がα,β−不飽和化合物の重合体である請求項1又は2記載の熱硬化性組成物。
- (A)成分及び/又は(B)成分がポリエステル樹脂である請求項1又は2記載の熱硬化性組成物。
- (D)1分子中に1〜50個のカルボキシル基及び1〜50個の反応性官能基を有する化合物と、一般式(9)
で表される化合物との反応により得られる、又は前記一般式(8)で表される官能基を有する不飽和化合物と前記反応性官能基を有する不飽和化合物を共重合させて得られる自己架橋型化合物であって、1分子中に、(α)一般式(8)
(化11)R5−S−R6 ・・・・・(2)
(式中、R5及びR6は、それぞれ水素原子、炭素数1〜40のアルキル基、アリール基、アルカリール基、アルコキシル基、アシル基、アシルオキシル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる有機基、及び、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトリル基、カルボキシル基から選ばれる官能基で置換された前記有機基から選ばれる有機基を示し、同一でも又は異なってもよく、互いに結合しあって環構造を形成してもよい。)で表される含イオウ化合物、及び(iii)一般式(3)
(化12)(X1)n1−M1−(R7)n2 ・・・・・(3)
(式中、M1はホウ素、アルミニウム、スズ、鉛又は遷移元素を示し、X1は1種又は2種以上のハロゲン原子を示し、R7は1種又は2種以上の炭素数1〜40のアルキル基、アリール基、アルカリール基、アルコキシル基、アシル基、アシルオキシル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる有機基を示し、R7はM1原子に配位しキレート環を形成してもよく、n1及びn2はそれぞれ0〜6の整数を示し、n1+n2が1〜6の整数である。)で表されるルイス酸、さらに必要に応じて(iv)カルボン酸化合物及び/又は無水カルボン酸化合物から成る熱潜在性酸触媒、(b)(v)一般式(4)
(化13)(R8)n3−Y2 ・・・・・(4)
(式中のY2は窒素原子、酸素原子、リン原子又はイオウ原子を示し、R8は炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基又はアルカノール基から選ばれる1種又は2種以上の有機基を示し、2個のR8は互いに結合してY2をヘテロ原子とする複素環を形成してもよく、n3は2又は3の整数を示す。)で表される含窒素、酸素、リン又はイオウ化合物、(vi)一般式(5)
(化14)R9−X2 ・・・・・(5)
(式中のR9は炭素数1〜12のベンジル基、アリル基、シクロアルキル基、第2級アルキル基、第3級アルキル基、及びこれらの基にハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、アリーロキシル基、低級ハロアルキル基、アシルオキシル基、アシルアミノ基、水酸基、ニトロ基から選ばれる置換基で置換された基から選ばれる有機基を示し、X2はハロゲン原子を示す。)で表される含ハロゲン化合物、及び(vii)一般式(6)
(化15)(X3)n4−M2−(R10)n5 ・・・・・(6)
(式中のM2はアルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を示し、X3は1種又は2種以上のハロゲン原子を示し、R10は1種又は2種以上の炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルカリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシル基、アシルオキシル基から選ばれる有機基を示し、R10はM2原子に配位しキレート環を形成してもよく、n4及びn5はそれぞれ0〜6の整数を示し、n4+n5は1〜6の整数を示す。)で表されるアルミニウム原子、亜鉛原子又はスズ原子を含むルイス酸から成る熱潜在性酸触媒、及び(c)(viii)金属キレート化合物と(ix)一般式(7)
で表される化合物との反応により得られる化合物であって、1分子中に、一般式(1)
- (D)成分及び場合により用いられる(B)成分の反応性官能基がエポキシ基、オキサゾリン基、シラノール基、アルコキシシラン基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、シクロカーボネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、アミノメチロール基、アルキルアミノメチロール基、アセタール基及びケタール基の中から選ばれた少なくとも1種である請求項5記載の熱硬化性組成物。
- (D)成分及び場合により用いられる(A)成分及び/又は(B)成分の中から選ばれた少なくとも1種がα,β−不飽和化合物の重合体である請求項5又は6記載の熱硬化性組成物。
- (D)成分及び場合により用いられる(A)成分及び/又は(B)成分の中から選ばれた少なくとも1種がポリエステル樹脂である請求項5又は6記載の熱硬化性組成物。
- 請求項1〜8記載の熱硬化性組成物のいずれか100重量部当たり顔料0〜300重量部含有する上塗り塗料を被塗装体に塗装することを特徴とする塗装仕上げ方法。
- 基材上に着色フイルム形成性組成物を塗布してベースコートを形成し、次いで該ベースコートにクリアーフイルム形成性組成物を塗布して透明トップコートを形成することから成る被塗装体に複合被膜を塗装する方法において、該トップコートクリアーフイルム形成性組成物のみが、あるいは該トップコートクリアーフイルム形成性組成物及び着色フイルム形成性組成物のいずれもが請求項1〜8記載の熱硬化性組成物のいずれかを含有する上塗り塗料であることを特徴とする塗装仕上げ方法。
- 金属板に必要に応じて下塗り塗料を塗布して硬化させ、さらに必要に応じてその下塗り塗料層の上に中塗り塗料を塗布して硬化させ、その後請求項1〜8記載の熱硬化性組成物のいずれか100重量部当たり顔料を0〜300重量部含有する上塗り塗料を塗布し、硬化させることを特徴とする金属板の塗装仕上げ方法。
- 金属板が冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板又はアルミニウム合金板である請求項11記載の金属板の塗装仕上げ方法。
- 請求項9、10、11又は12記載の塗装仕上げ方法により塗装されたことを特徴とする塗装物品。
- 請求項1〜8記載の熱硬化性組成物のいずれか100重量部当たり、充填剤を0〜800重量部配合し、必要に応じて室温又は加熱条件で配合物の熟成を行った後、金型に注入し、減圧、常圧又は加圧条件下で硬化し成形することを特徴とする成形品の成形方法。
- 請求項14記載の成形方法により成形されたことを特徴とする成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004241648A JP3867720B2 (ja) | 1993-09-06 | 2004-08-20 | 熱硬化性組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品、並びに成形方法及び成形品 |
Applications Claiming Priority (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24351293 | 1993-09-06 | ||
JP24351393 | 1993-09-06 | ||
JP5836894 | 1994-03-04 | ||
JP6647094 | 1994-03-11 | ||
JP7377894 | 1994-03-22 | ||
JP7923994 | 1994-03-28 | ||
JP13090094 | 1994-05-23 | ||
JP13090194 | 1994-05-23 | ||
JP2004241648A JP3867720B2 (ja) | 1993-09-06 | 2004-08-20 | 熱硬化性組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品、並びに成形方法及び成形品 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20302694A Division JP3646320B2 (ja) | 1993-09-06 | 1994-08-05 | 熱潜在性酸触媒 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005036236A JP2005036236A (ja) | 2005-02-10 |
JP3867720B2 true JP3867720B2 (ja) | 2007-01-10 |
Family
ID=34222751
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004241648A Expired - Fee Related JP3867720B2 (ja) | 1993-09-06 | 2004-08-20 | 熱硬化性組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品、並びに成形方法及び成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3867720B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017134998A1 (ja) * | 2016-02-02 | 2017-08-10 | 富士フイルム株式会社 | 膜の製造方法 |
-
2004
- 2004-08-20 JP JP2004241648A patent/JP3867720B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005036236A (ja) | 2005-02-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR0156289B1 (ko) | 열경화성조성물, 열잠재성산촉매, 도장마무리방법 및 도장물품, 그리고 성형방법 및 성형품 | |
JP3931348B2 (ja) | 熱硬化性組成物、塗装仕上げ方法および塗装物品 | |
JP3692539B2 (ja) | 熱硬化性組成物、塗装仕上げ方法および塗装物品 | |
JPH093341A (ja) | 熱硬化性組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品、並びに成形方法及び成形品 | |
JP3493829B2 (ja) | 硬化性ベースコート塗料組成物、塗膜形成方法及び塗装物品 | |
US7943798B2 (en) | Process for preparing metal salts of unsaturated, short-chain carboxylic acids and use thereof | |
US4107228A (en) | Universal paint composition and objects coated therewith | |
JP4293472B2 (ja) | コーティング用組成物 | |
JP3646320B2 (ja) | 熱潜在性酸触媒 | |
JP3867720B2 (ja) | 熱硬化性組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品、並びに成形方法及び成形品 | |
EP0643112B1 (en) | Curable composition, thermal latent acid catalyst, method of coating, coated article, method of molding and molded article | |
JP4615641B2 (ja) | コーティング用組成物の製造方法 | |
WO2004087780A1 (ja) | 熱硬化性組成物、 塗料組成物、 並びにその塗装方法と塗装物品 | |
JPS61182940A (ja) | 防食金属製品の製造方法 | |
JPH10237272A (ja) | 熱硬化性組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品 | |
JPS6141267B2 (ja) | ||
JP3994493B2 (ja) | 塗料組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品 | |
JP4206557B2 (ja) | エポキシ基含有水添ポリブタジエン変性重合体を含有する柔軟性熱硬化性組成物 | |
JP3820602B2 (ja) | 潜在化二塩基酸化合物及び熱硬化性組成物 | |
JPS6143108B2 (ja) | ||
JPH10219123A (ja) | 硬化性組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品 | |
KR101869591B1 (ko) | 불포화폴리에스테르 및 비닐에스테르 수지를 포함하는 방청용 코팅 조성물 | |
JPS60197773A (ja) | 金属表面処理組成物及びこのものを用いた金属の表面処理方法 | |
JP3613230B2 (ja) | 熱硬化性組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品 | |
JP4088835B2 (ja) | 耐摩耗性および耐汚染性に優れた熱硬化性組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060314 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060512 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060919 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061002 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131020 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |