JP3867228B2 - 有機窒素化合物含有排水の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた有機溶媒で汎用的に使われている有機窒素化合物、例えばジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す。)の使用後にでてくるDMF含有排水を無害化、浄化する処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
DMFは、安定性が高く、且つ高分子化合物に対する溶媒として優れた性質を有することから、化学繊維、パルプ、製薬、合成皮革等に幅広く利用されている。しかしながら、このDMFは通常では分解しにくく処理困難であり、窒素が含まれていて富栄養化の要因にもなるが現状において完全な処理方法は確立されていない。
【0003】
例えば、活性汚泥法においてはDMFの毒性が難点となり処理が困難であり、毒性を弱めるためには希釈水が大量に必要であり設備が大きくなる。窒素分もほとんど処理できないので富栄養化の問題を引き起こすことになり、コスト面および性能面から現実的でない。
【0004】
水よりも沸点の高いDMFの蒸留による回収は、排水中の不純物などの問題と、DMF含有で数%の排水をDMF濃度で30%以上に濃縮する必要がありエネルギー消費が大きくなる問題がある。
【0005】
日本化学会編の新実験化学講座1基本操作[I]によれば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムと室温で数時間放置するとかなりのジメチルアミンが生成することが記載されている。アルカリ域で比較的容易にDMFがジメチルアミン(以下、DMAと略す。)に分解することは公知であるが、その具体的分解方法については検討の余地があり、またDMAの処理についての問題も残されている。
【0006】
特公平5―5556号公報では、DMFのDMAへの分解反応に着目し、DMFを含有する排水にアルカリを添加混合し、DMAとギ酸アルカリを生成させるとともに、この液中に空気を吹き込んでDMAを気相中に移行させて処理している。しかしながら、DMFの分解は少なく、多量の空気を入れても、また通常回分式の場合連続式より短時間で処理できるにも拘わらず、完全に分解するのにほぼ8時間を要する。排水の窒素規制が強化される中、高度の窒素処理を考えた場合の装置サイズは大きなものになる。高度の窒素処理のためには大量の空気を必要とし、後段の排ガス処理装置が大きくなるとともに排ガスの絶対量が増加するという問題点がある。逆に、空気を減らせば、窒素の高度処理ができないという問題点がある。また、DMFの分解を促進させるに温度を上げようにも空気があるために湿り空気の飽和温度になり温度を上げることが容易でない。
【0007】
従って現状ではDMFを含有する排水の窒素分を高度に除去するのは困難である。
【0008】
さらに、DMFを含有する排水をDMAに分解しDMAを気相に移行させたあとに残るギ酸アルカリを含有する水は生物法により処理することができるが、大きな設置スペースが必要で、また余剰汚泥が発生し、その処理の問題が残る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点を解決できる方法を提供することにある。
【0010】
すなわち、DMFを効率良く分解でき、かつ窒素の高度処理が可能でDMFを確実に無害化することができる新規な、DMF含有排水の処理方法を提供するものである。さらに、設備費および排水の処理ランニング費が安価で、コンパクトな新規の排水処理方法を提供することにもある。
【0011】
また気相中に移行したDMAなどの成分を高効率で分解浄化することで環境に排出する有害物質の低減をはかることにもある。この場合、放散されたDMA成分以外の有害物質も高効率で容易に浄化処理するものである。また、排出のガス量も少ない。
【0012】
さらに、DMFを無害化したあとのギ酸アルカリなどのCOD成分を含有する液のCOD成分を高効率に浄化し、余剰汚泥などの発生なく、設備費、および排水の処理ランニング費が安価で、コンパクトな新規の排水処理方法を提供することにもある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究の結果、DMF含有排水を処理して排水の浄化性を高める方法において、DMFを含有する排水を、アルカリの共存下(例えば、DMF含有排水を滞留槽に導入する前および/または後にアルカリを添加し)、該滞留槽で滞留させることによりDMAを生成させ、水蒸気の投入および/または間接加熱(水蒸気の投入以外の加熱)により、該DMAを水蒸気とともに気相中に移行させ、該蒸気を酸素存在雰囲気下で排ガス処理装置を用いて分解浄化することができる新規なDMF含有排水の処理方法をみいだし、本発明を完成するに至った。本発明はDMFを含有する排水を、例えば、滞留槽に導入する前および/または後にアルカリを添加して、アルカリの共存下に、滞留槽で滞留させることによりDMAを生成させ、水蒸気の投入および/または間接加熱によりDMAを生成させ、該DMAを水蒸気とともに気相中に移行させることにより、DMFを効率良く分解でき、かつ窒素の高度処理が可能でDMFを確実に無害化することができるものである。また気相中に移行させたDMA成分およびその他有害物質は、排ガス装置を用いて処理することで排水の浄化性を高めるものである。
【0014】
すなわち、本発明は以下の通り特定されるものである。
【0015】
(1)有機窒素化合物含有排水を処理する方法であって、該排水をアルカリの共存下に少なくとも1つの滞留槽で滞留させることによりアミン類を生成させる工程(生成工程)と、該生成工程からのアミン類含有排水を加熱することによりアミン類を気相中に移行させる工程(放散工程)との2つの工程から少なくともなることを特徴とする有機窒素化合物含有排水の処理方法。
【0016】
なお、上記「加熱」の代表的手段としては、排水に水蒸気を導入するか、あるいは排水を間接的に加熱するか、もしくはこれらを同時に行うことを挙げることができる(以下、これらを「水蒸気の導入および/または間接加熱」という。)。
【0018】
(2)放散工程において、アミン類含有排水を反応蒸留塔の上部に供給し、一方、該反応蒸留塔の下部においては、水蒸気の導入および/または間接加熱より加熱することにより、排水中のアミン類を気相中に移行させ、上部からの排水と気液向流接触させる(1)記載の有機窒素化合物含有排水の処理方法。
(3)反応蒸留塔が充填塔である(2)記載の有機窒素化合物含有排水の処理方法。
【0019】
(4)放散工程からのアミン類含有ガスを分子状酸素の存在下で気相用固体触媒を用いて分解処理する工程(酸化分解工程)を含む請求項(1)〜(3)のいずれかに記載の有機窒素化合物含有排水の処理方法。
【0020】
(5)酸化分解工程が1つまたは複数の気相用固体触媒を充填した反応器を用いる方法であって、それらのもっとも出口側部分あるいは出口側反応器に充填される気相用固体触媒が、A成分として、アルミニウム、チタニウム、ケイ素およびジルコニウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物と、B成分として、バナジウム、タングステン、セリウムおよび鉄よりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物と、C成分として、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、マンガンおよび銅よりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素の金属および/または酸化物とを含む触媒である(4)記載の有機窒素化合物含有排水の処理方法。
【0021】
(6)放散工程からの排水を分子状酸素の存在下で液相用固体触媒を用いて湿式酸化処理する工程(湿式酸化工程)を含む(1)〜(5)のいずれかに記載の有機窒素化合物含有排水の処理方法。
【0022】
(7)湿式酸化工程における分子状酸素の供給源が、酸化分解工程からの排ガスである(6)記載の有機窒素化合物含有排水の処理方法。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の有機窒素化合物とは、アルカリの添加によりアミン類を生成する化合物を意味し、その代表例としては、DMFを挙げることができる。そこで、有機窒素化合物としてDMFを例に挙げて、本発明を詳しく説明する。
【0024】
本発明は、DMFを効率良く分解でき、かつ窒素の高度処理が可能でDMFを確実に無害化することができ、さらに、設備費、および排水の処理ランニング費が安価で、コンパクトな新規の排水処理方法である。また本発明は気相中に移行したDMA等の成分を高効率で分解浄化することで環境に排出する有害物質の低減をはかり、この場合の放散されたDMA成分以外の有害物質も高効率で容易に浄化処理できる新規のDMF含有排水の処理方法である。さらに、排水中に残されたCOD成分も効率よく処理できる新規の排水処理装置である。
【0025】
本発明における処理前の排水中DMFの含有量はとくに限定するものではないが、10mg/l〜600,000mg/lであり、好ましくは100mg/l〜300,000mg/l、より好ましくは、1,000mg/l〜200,000mg/lである。10mg/l以下では、加熱のランニングコストが高くなり経済的でなく、また、毒性も低いので本発明を用いなくとも生物処理でも十分処理可能である。また、70質量%を越える場合はDMFそのものを回収精製し再利用する方が経済的である。DMF成分が多い場合、排ガス処理装置でDMAを処理する際に発熱量が大きくなりすぎ排ガス処理装置における温度上昇を抑えるには希釈用のガスが大量に必要になり装置サイズが大きくなりすぎるものである。逆にDMFが少ない場合、特に本発明に係わる排水の処理方法を用いなくとも、生物処理等で排水の浄化が容易にできるものである。また、その他有機窒素化合物で、例えばアミド結合を有する化合物のアルカリ加水分解のように分解することでジメチルアミン、モノメチルアミン、トリメチルアミンなどのアミン類やアンモニア(アミン類と総称する。)を生成する化合物も本発明を用いれば処理可能である。具体的には、モノメチルホルムアミドを含有する排水にアルカリを添加することによりモノメチルアミンに分解するがこの場合でも本法により処理可能である。DMF含有排水にはDMAのように放散すれば後述の固体触媒で分解できるアンモニアおよびアンモニウムイオン、有機窒素化合物および軽沸有機化合物も含まれていてもよい。有機窒素化合物の例としては、ピリジンなどの環状有機窒素化合物;トリメチルアミン、モノメチルアミン、ジメチルアミンなどのアミン類などを、また軽沸有機化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどのような溶剤などを挙げることができる。
【0026】
本発明におけるDMF含有排水の処理の形態は、連続式でも回分式でも処理可能であるが、運転管理や単位排水量あたり処理装置のサイズ、計装設備投資などの観点から、連続式が好ましい。
【0027】
本発明における生成工程とは、DMFを含有する排水を滞留槽に導入する前および/または後にアルカリを添加して、アルカリの共存下に、該滞留槽で滞留させることにより原水中の被分解物(DMF)を液相分解反応でDMAを生成させる工程である。該滞留槽は連続処理を行う観点から複数の容器あるいは複数に区切られた一つの容器からなることが好ましい。
【0028】
本発明における放散工程とは、該生成DMAを気相中に移行させる工程である。放散工程においては、原水中の被分解物(DMF)の液相分解反応で起こる液相中の生成物(主にDMA)を気相部に移行させて生成物(主にDMA)濃度を下げてやることにより、液相の未反応被分解物(DMF)の分解反応が促進され、残った液(放散工程処理液)では、未反応被分解物(DMF)はほとんど含まず、生成物(主にDMA)も除去されている。また、該DMAを気相中に移行させたガス(放散ガスとよぶ)には水蒸気とともに分解生成物(主にDMA)が含有される。また、分解生成物の中で水よりも高沸点のものは放散工程処理液に残る。このように、本発明における放散工程では反応と放散(蒸留)が密接に関与した操作(以下、反応蒸留という。)が行われる。
【0029】
本発明の放散工程における反応蒸留器(以下、分解反応器、または分解反応蒸留器とよぶ場合がある。)とは、該塔下部においては液を保持し、蒸気を導入および/または間接加熱により未反応DMFを分解することによりDMAを生成させ、導入蒸気および/または蒸発蒸気とともにDMAを気相中に移行させる容器をいう。
【0030】
本発明における反応蒸留塔(以下、分解反応塔、または分解反応蒸留塔とよぶ場合がある。)とは、該塔下部においては、液を保持し、蒸気を投入および/または間接的に加熱蒸発させ、蒸発蒸気により突沸しない構造のものである。該塔上部においては、排水にアルカリを添加した液を供給し、該塔下部から蒸気と塔上部からの液の気液が向流で流れるものである。該塔では、排水にアルカリを添加した液を、該塔の上部に供給し、該塔の下部から水蒸気を導入するか、あるいは間接的に加熱するか、もしくはこれらを同時に行うことにより該塔の下部から蒸気を蒸発させることにより、気液を向流接触させて、未反応DMFを分解してDMAを生成させ、該DMAを気相中に移行させて、反応蒸留し、効率良く排水が処理される。
【0031】
本発明においてDMF含有排水に添加するアルカリ量は、DMFをDMAに分解し、かつDMAを放散(以下、蒸留と表現する場合もある。)するためには多いほうが好ましいが、一方、添加量を多くしすぎるとアルカリ薬剤の添加量が増え、ランニングコストの増大につながり好ましくない。また、処理液のpHがあがれば、後段でpH調整が必要な場合、酸薬剤添加量も増えることになり好ましくない。本発明におけるDMF含有排水に添加するアルカリ量は排水中に存在するDMFに対して1.0〜3.0倍当量が好ましく、より好ましくは1.0〜2.0倍当量であり、さらに好ましくは1.0〜1.5倍当量である。
【0032】
DMF含有排水に添加するアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの苛性アルカリや消石灰、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。しかし、消石灰や水酸化マグネシウムなどのCa、Mgを含有する化合物を使用した場合、スケール防止の観点から好ましくない。このため、好ましくは苛性アルカリであり、水酸化ナトリウムがコスト的に好ましい。
【0033】
アルカリは溶液で投入するのが取り扱い、投入量の調整のしやすさから好ましい。もちろん、固体で投入してもよい。添加アルカリの溶液の濃度はとくに限定するものではないが、経済性を考えると濃度の濃い方がよく、投入量の制御性からみると濃度が濃すぎない方が良い。好ましくは1〜60質量%で、より好ましくは3〜40質量%である。
【0034】
アルカリは滞留槽のほか排水のおおもとの原水タンクに添加してもよいし、排水を生成処理のために供給するラインにポンプで供給してもよい。さらに、複数箇所にアルカリを添加してもよい。該滞留槽においてDMFを分解させた後、反応蒸留器または反応蒸留塔に供給すればDMAをより容易に気相中に移行させる(放散させる)ことができる。
反応蒸留前の滞留槽でアルカリを添加する場合、該滞留時間および滞留温度は特に限定するものではないが、DMF分解率を高めるためには滞留時間は長いほどよく、また滞留温度は高いほどよい。一方、滞留時間を長くし過ぎると滞留槽の装置サイズが大きくなりコスト上好ましくなく、滞留温度を上げすぎると機器材質および計器類のコストアップにつながる。
該滞留槽における滞留時間は、1〜1,400分が好ましく、より好ましくは5〜1,000分、更に好ましくは10〜720分である。1分以下では、DMFの分解が完全ではなく、反応蒸留での窒素の処理も不十分となる。また、処理時間が1,400分を超える場合は、滞留槽の装置サイズが大きくなりコスト上好ましくない。
該滞留槽における滞留温度は、好ましくは20〜99℃、より好ましくは30〜95℃、さらに好ましくは40〜90℃である。20℃未満では、DMFの分解が完全ではなく窒素の処理も不十分となる。また、99℃を超える場合は、昇温に多大なエネルギーが必要となりランニングコストが増大するため好ましくない。滞留温度を上げる方法としては槽内への水蒸気の投入、電気ヒーター、コイル、ジャケット等加熱器の設置、外部熱交換器の設置などが考えられるが、後述の分解反応後の処理水と熱交換による廃熱回収がランニングコスト上好ましい。滞留方法に関しては、連続式でも回分式でもよい。
滞留槽の数に関しては、単数でも複数でも限定されないが効率上複数の方が好ましい。
【0035】
本発明にかかる排水の処理方法において、DMF含有排水中に難溶性物質を形成し得る金属成分が含まれる場合は、スケール防止剤を添加するのが安定運転する上で好ましい。この場合、スケール防止剤を添加しなければ、閉塞などの問題が生じ、頻繁に洗浄が必要となり運転上好ましくない。スケール防止剤の添加でこれらの問題が解決され安定運転が実現できる。
【0036】
該DMF含有排水中に含有される難溶性物質を形成し得る金属成分としては、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、マンガン、鉄、クロム、亜鉛、チタン、バナジウム、ニッケルなどを挙げることができる。前記難溶性物質を形成し得る成分については、排水中に限らず、添加アルカリなどの副薬剤などに含まれる場合も本発明に含むものである。
【0037】
添加するスケール防止剤は酸基の濃度が1〜20meq/gであり、なおかつ分子量が600〜100,000、分子量分布がMW/MN=1.2〜7であるポリマー型のスケール防止剤が好ましく、添加するスケール防止剤の量は、0.5〜500mg/リットルであることが効果的である。ポリマー型スケール防止剤としては、ポリマレイン酸およびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタアクリル酸およびその塩、アクリル酸とマレイン酸の共重合体およびその塩、メタアクリル酸とマレイン酸の共重合体およびその塩、アクリル酸とフマール酸の共重合体およびその塩、メタアクリル酸とフマール酸の共重合体およびその塩、(メタ)アクリル酸と2−ヒドロキシエチルアクリレートの共重合体およびその塩、(メタ)アクリル酸と2−ヒドロキシエチルメタアクリレートの共重合体およびその塩、(メタ)アクリル酸と3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムの共重合体およびその塩などが挙げられる。
【0038】
スケール防止剤の添加は、排水の原水に添加してもよいし、排水をDMA生成処理あるいは放散処理のために供給するラインに供給ポンプで供給してもよいし、滞留槽や反応蒸留器に直接投入してもよい。また、複数箇所に添加してもよい。さらに、排水に投入されるアルカリに添加してもよい。
【0039】
本発明における反応蒸留器の形式については、該塔下部において液を保持し、蒸気の導入および/または間接加熱し、導入蒸気および/または蒸発蒸気とともにDMAを気相中に移行させる構造のものであればとくに限定するものではない。また、液を保持する滞留時間については、特に限定しないが、処理効率を考慮して決められ、好ましくは0.5分〜240分、より好ましくは1分〜60分、さらに好ましくは2分〜30分である。DMFの分解は分解で生成したDMAの濃度が少ないほど促進されるので反応蒸留器において滞留時間が少なくてもDMFの高度な分解が可能である。
【0040】
反応蒸留器における加熱方法は特に限定するものではないが、排水処理の規模や処理効率により適した方式を選択できる。ジャケットおよび/またはコイル式の加熱蒸発器や撹拌釜、竪型多管式のリボイラ付きの蒸発器、薄膜流下式蒸発器、薄層蒸発器などが挙げられる。加熱源は水蒸気、熱媒油、熱水などが利用でき、次工程の排ガス浄化装置の排出ガスを加熱源として熱回収してもよい。また、反応蒸留器への蒸気の直接投入と前述の加熱を併用して用いてもよい。
【0041】
本発明における反応蒸留器は直列に複数基設置しても良い。反応蒸留器を複数基直列に設置する場合の放散蒸気をそれぞれ集めて後述の酸化分解工程に送ってもよい。一方、効率を考えると液の最下流の反応蒸留器に投入した蒸気を1つ上流(直前)の反応蒸留器へと順次送り、蒸気と液が向流接触するようにし、液の最上流の蒸気を次工程の触媒浄化装置に送るのがよい。このようにすれば、一基の場合よりも単位容量あたりの処理効率が上がり窒素の高度な処理を経済的に行える。
【0042】
また、本発明における反応蒸留器は前述の滞留槽の機能と反応蒸留器の機能とを併せ持つものにしてもよい。即ち、反応蒸留器の大きさを該滞留槽と同等の滞留時間を持つ大きさとし、その内部を複数の部屋に分け各部屋には排水が保持できるようにしておき、塔下部より蒸気の導入および/または間接加熱し、塔上部からはアルカリを添加したDMF含有排水を導入すればよい。
【0043】
本発明における反応蒸留塔(以下、分解反応塔、または分解反応蒸留塔とよぶ場合がある。)の形式は、塔下部においては、液を保持し、蒸気の導入および/または間接加熱蒸発させ、蒸発蒸気により突沸しない構造のものであり、塔上部においては、アルカリ投入したDMF含有排水を投入し、塔下部からの蒸気と塔上部からの液が向流で流れるものであればよい。反応蒸留塔の構造は、一般的な蒸留や吸収、放散操作で用いられる塔構造とすればよい。例として、有堰シーブトレイを有する段塔、バルブキャップを有する段塔、多孔板を有する段塔、リフトトレーを有する段塔、充填塔などが挙げられ、それぞれの形式にあわせて気液の負荷を考慮し設計できる。コンパクトに設計できるので充填塔が好ましく、充填塔における充填物は特に限定するものではないが、ラシヒリング、ポールリング、インタロックサドル、IMTP、カスケードミニリング、メタレット、テラレットなどの不規則充填物、スルザーパッキンなどの規則充填物が挙げられる。このような反応蒸留塔の構造にすることで、DMFの分解で生成したDMAを効率よく気相に移行することで液中のDMAの濃度を低くすることができるのでDMFの分解がさらに促進されてDMFの高度な分解が可能になり、窒素成分の高度処理を効率よく行える。
【0044】
本発明における反応蒸留塔の内部の一部にチムニートレーなどの液の滞留部を設けると、DMFの分解がさらに促進されるので好ましい。
【0045】
本発明における反応蒸留塔への液の供給場所と数はとくに限定しないが、塔頂部に供給するのが好ましい。また、コンデンサの分縮による還流で塔頂のDMAを濃縮する場合における液の供給部は、塔頂よりも下から投入するのが好ましい。
【0046】
コンデンサの分縮による還流で塔頂のDMAを濃縮することも可能であるが、次工程の触媒で浄化させるためには必ずしも必要ない。
【0047】
本発明において、排水を加熱(蒸気の導入および/または間接加熱)し、DMAを生成させ蒸発蒸気とともにDMAを気相中に移行させる際の、反応蒸留器または反応蒸留塔の圧力については、とくに限定されるものではなく真空でも加圧でもよいが、好ましくは絶対圧で0.01〜0.3MPaであり、より好ましくは0.02〜0.15MPa、さらに好ましくは常圧付近の0.08〜0.12MPaである。加圧とすれば容器内沸点変化で液温が上がり分解が促進されるので好ましいが、温度が上がることにより材質のグレードがあがり、加熱媒体の温度や投入蒸気の温度も高いものが要求され、また耐圧耐熱が必要となるなどの容器(反応塔)のコストがあがる場合がある。減圧とすれば沸点が下がり、材質のグレードを下げられる場合があり、加熱媒体の温度や投入蒸気の温度も下げられるので好ましいが、一方、蒸発蒸気の体積は減圧による膨張により容器の蒸発断面積が上がる方向になるので、減圧に対する耐圧で、真空ポンプ、エジェクターなどの設備が必要になり、コストが上がる方向になる。程度の低い減圧であれば、ブロワ等の吸引程度ですむ。
【0048】
本発明において、排水を加熱(蒸気の導入および/または間接加熱)し、DMAを生成させ蒸発蒸気とともにDMAを気相中に移行させる反応蒸留器または反応蒸留塔の温度については特に限定されるものではなく、操作の圧力における液の沸点で操作する。DMFの分解は温度が高いほど進みやすい。特に窒素の高度処理のためにはDMFを完全に分解させる必要がある。しかしながら、温度を高くしすぎると材質のグレードがあがり、加熱媒体の温度や投入蒸気の温度も高いものが要求され、また、操作圧力もあがり、耐圧耐熱が必要となるなどの容器(反応塔)のコストがあがる場合がある。また55℃未満では窒素の高度処理が困難である。
【0049】
本発明における反応蒸留器または反応蒸留塔の温度については、好ましくは55℃以上140℃以下、より好ましくは70℃以上130℃以下、さらに好ましくは90℃以上125℃以下である。
【0050】
本発明における反応蒸留器または反応蒸留塔に投入する蒸気は、飽和蒸気でも過熱蒸気でもよいが、飽和蒸気が一般的である。反応蒸留器に投入する蒸気は、液相に投入してもよいし気相に投入しても良い。蒸気を気相に投入するとスタートアップ時などにおけるハンマリングの問題も少なく、一方、液相に投入するとDMAの放散が促進されるので好ましい。蒸気の圧力は特に限定するものではないが、反応蒸留器の操作圧力にも依存し、常圧近くの圧力の低い蒸気でも使用可能である。他方、反応蒸留器または反応蒸留塔に加熱空気を投入することでもDMF含有排水の処理は可能であるが飽和空気温度の30〜50℃付近にしかならず効率が悪く大量の空気を必要し、蒸気投入や加熱により蒸発させる本発明よりも装置サイズが大きくなる。
【0051】
本発明における反応蒸留器または反応蒸留塔からでる放散ガス中に飛沫同伴が多すぎると、次工程の触媒浄化装置のダクトや熱交換器、反応器などを詰まらせて圧損上昇をまねき運転困難になる可能性があり、反応器内触媒の目詰まりを起こしたり性能を低下させる要因になりうる。従って、飛沫同伴を排除させるように蒸発面線速や運転負荷を設定し、デミスター、サイクロンなどのミストセパレーターなどを用いて飛沫同伴を排除するようにすることが好ましい。
【0052】
本発明における反応蒸留器または反応蒸留塔の放散ガスに含まれるDMAの濃度はとくに限定するものではないが、好ましくは500ppm(体積基準)以上500,000ppm以下になるように投入する。500ppm以下では濃度が薄すぎるので後段の触媒浄化装置のサイズが大きくなり経済的でない。500,000ppm以上にするには反応蒸留塔において分縮による還流をつけたり、塔が高くなり余分なエネルギーが必要となったり、塔のコストが上がるので経済的でない。
【0053】
本発明における反応蒸留器または反応蒸留塔に投入する蒸気量および/または間接加熱する加熱量はDMFの分解効率やDMAの除去効率、塔高さ、放散ガスの設定組成や量により設定する。前記放散ガス中のDMA濃度になるように蒸気量および加熱量を設定するのが好ましい。
【0054】
本発明方法では反応蒸留器または反応蒸留塔に蒸気の導入および/または間接加熱することで、大量の空気を必要とせず、放散ガスの量を少なくできる。後述の酸化分解工程においては、空気は理論上の燃焼に必要酸素量以上供給すればよいので、空気の添加量が少なく、排出ガスの絶対量を削減することができる。また、放散ガスの量が少ない場合でDMAなどの被分解物の濃度が高い場合は、酸化分解工程の触媒反応後の処理ガスを反応器入口側にリサイクルするなどの方法でさらに排ガス量を削減することができ、環境に対する負荷を大幅に削減することが可能である。
【0055】
本発明における酸化分解工程とは、放散工程で得られたDMAを含有するガスを分子状酸素の存在下で固体触媒を用いて窒素ガスと炭酸ガスと水とに分解浄化する工程である。燃焼炉など種々の排ガス処理装置を用いることができるが、環境への配慮からこの排ガス処理装置には触媒を使用するのが効果的である。
【0056】
本発明にかかる排水の処理方法において、放散処理した後のDMAを含むガス(以下、単に排ガスと記載することもある。)は、酸化分解工程で浄化処理することができる。また、排水タンクや他プロセスから発生するガス、例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類;一酸化炭素;水素;アセトアルデヒド、ホルアルデヒドなどのアルデヒド類、アミン類などの有機窒素化合物、アンモニア、ベンゼン、トルエン、キシレンなどのような溶剤などを含むガスをこの酸化分解工程で処理することもできる。
【0057】
本発明における酸化分解工程においては、燃焼炉など種々の排ガス処理装置を用いることができる。また、この排ガス処理装置には触媒を使用するのが効果的である。本発明では、気相用固体触媒が、A成分として、アルミニウム、チタニウム、ケイ素およびジルコニウムよりなる群より選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物と、B成分として、バナジウム、タングステン、セリウムおよび鉄よりなる群から選ばれる少なくとも一種の酸化物と、C成分として、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、マンガンおよび銅よりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素の金属および/または酸化物とを含む触媒が好適に用いられる。
【0058】
また、排ガスは、排ガスを処理する前に種々のタイプの熱交換器で加熱することができ、その処理温度は200〜500℃の範囲であることが効果的であり、より効果的には250〜450℃である。またガスの空間速度は、特に限定されるものではなく、適宜選択すればよいが、500h-1以上100,000h-1以下であることが効果的であり、1,000h-1以上50,000h-1以下であることがより効果的である。また該排ガス処理では、酸素含有ガス(好ましくは空気)を適宜供給することができ、その供給方法も特に限定されるものではない。
【0059】
排ガス処理の反応器が1つの場合、反応器には気相用固体触媒がA成分として、アルミニウム、チタニウム、ケイ素およびジルコニウムよりなる群より選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物と、B成分として、バナジウム、タングステン、セリウムおよび鉄よりなる群から選ばれる少なくとも一種の酸化物と、C成分として、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、マンガンおよび銅よりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素の金属および/または酸化物とからなる触媒と前段側に他の触媒を配置し積層にしてもよい。反応器が複数の場合、最後の反応器に上記触媒を充填すればよく、その他の反応器に充填する触媒の種類には特に制限はない。反応器の代わりに燃焼炉を用いてもよい。最後の反応器に上記触媒を用いると、上記触媒の入り口でアンモニアおよび/または有機窒素化合物の未反応分が残存した状態であれば、NOx生成が少なく、しかもDMAおよびアンモニアを高効率で窒素ガスと炭酸ガスと水とに分解浄化できる。上記触媒の入り口でアンモニアおよび/または有機窒素化合物の未反応分が残存した状態をつくるのに、上記触媒の前の反応に未反応物を少し残すように空間速度(SV)や温度を操作したり、アンモニアや有機窒素を含有する原ガスを少量バイパスさせる方法がある。
【0060】
なお、本発明における理論酸素量とは、酸化分解工程の触媒反応器入口のDMA量に対し次の反応式で必要な酸素量である。
【0061】
2NH(CH32+(15/2)O2 → N2+7H2O+4CO2
また、DMAが一部分解して生成するアンモニアについては
2NH3+(3/2)O2 → N2+3H2
DMAやアンモニア以外の有機物などを包含する場合には、その物質の燃焼に必要な酸素も加える。
【0062】
本発明における酸化分解工程で、排ガスの触媒反応においては、空気は理論上の燃焼に必要酸素量以上供給すればよく、好ましくは反応器出口の酸素濃度で2%以上、より好ましくは4%以上となるように空気を添加すれば良い。また酸素濃度の上限についてはとくに限定するものではないが、空気中の酸素濃度の21%でも十分に処理することができ、副生物である窒素酸化物も極めて少ない。
【0063】
本発明における放散工程で反応蒸留処理した後の処理液は、pH調節やCOD成分の処理など何らかの後処理を実施しようと特に限定されるものではない。処理液ではDMFが分解浄化されており、窒素の高度処理もされており、ほとんど毒性もないので容易に生物処理などの後処理が行えるものであるが、最も効果的なのは触媒湿式酸化処理である。
【0064】
本発明における湿式酸化工程とは、放散工程後の排水中のCOD成分を、分子状酸素の存在下で液相用固体触媒を用いた湿式酸化処理により分解浄化するDMF含有排水の処理における工程である。無触媒でも処理は可能であるが、処理温度、圧力が高くなり、設備コストがかかるので、触媒を用いるのが好ましい。
【0065】
本発明において、分解反応蒸留処理した後の排水を、触媒湿式酸化処理する場合において、放散工程で処理した後の液をそのまま処理してもよいが、pH調製することが好ましい。調製するpHは好ましくは4〜12、より好ましくは5〜10、さらに好ましくは、6〜9である。pHが低すぎると装置材質のグレードアップが必要となり好ましくない。pHが高くても分解は進むが適用可能な湿式酸化反応の触媒の種類が減る方向なので好ましくない。
【0066】
本発明における湿式酸化法とは、排水を20℃〜370℃に加熱し、その排水が液相を保持している圧力下で、酸素含有ガスを導入し、排水を分子状酸素の存在下浄化する方法である。湿式酸化法における反応塔での温度は、20℃以上370℃未満であり、好ましくは50℃以上300℃未満である。370℃以上では液が液相を保持できないようになり、一方、20℃未満では処理効果が著しく低下するものである。また、300℃以上であると液相を保持するための圧力が極めて高く、そのための設備費及びランニングコストが高くなる。また、50℃未満であると、処理効率が低く排水の浄化能力が低い。
【0067】
本発明における湿式酸化処理の処理圧力は、処理温度との相関性により適宜選択され、液が液相を保持するこのできる圧力で行うものである。高性能の触媒を用いれば大気圧下でも処理可能である。
【0068】
本発明において湿式酸化工程で用いる液相用固体触媒は、特に限定されるものではないが、例えば、チタン、鉄、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、活性炭、マンガン、コバルト、ニッケル、タングステン、銅、セリウム、銀、白金、パラジウム、ロジウム、金、イリジウム、ルテニウム等の少なくとも1種の金属、またはこれらの金属化合物からなる成分を含有する触媒が示される。また、液相用固体触媒としては、第1成分として上記チタン、鉄、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、活性炭を選択することが好ましく、この第1成分の他に第2成分としてマンガン、コバルト、ニッケル、タングステン、銅、セリウム、銀、白金、パラジウム、ロジウム、金、イリジウム、ルテニウム等を含有することができる。その形状については、ペレット状、球状、粒状、リング状、ハニカム状等がある。
【0069】
また、本発明における分子状酸素とは、酸素分子およびオゾンを含有するガスであり、オゾンおよび酸素等のガスを用いる場合には、適宜不活性ガス等により希釈して用いることができる。また、酸素富化ガスを使用することもでき、これらのガス以外にも他のプラントより発生する酸素含有の排ガスも使用することができる。しかしながら、最も好ましくは価格が安価である空気である。さらに、湿式酸化処理において、DMA含有排ガスの酸化分解工程から排出される浄化ガスを湿式酸化用の酸素含有ガスとして用いると経済的である。酸化分解工程の浄化後のガスには酸素がふくまれていることが多く、温度も高いので排熱の有効利用に効果的である。このとき、必要に応じてブロワーやコンプレッサーで昇圧して利用してもよいし空気と併用してもよい。
【0070】
本発明における湿式酸化工程の湿式酸化反応塔について、ガスの投入位置と排水の投入位置は特に限定するものではない。排水の投入位置を上にして流下させてもよいし、排水の投入位置を下として上向きに流してもよい。ガスの投入位置を上にして流下させてもよいし、ガスの投入位置を下として上向きに流してもよい。排水とガスを並流でながしてもよいし、向流でながしてもよい。並流とすればフラッディングなどもなく気液(排水とガス)分離も必ずしも必要ないので運転管理上も設備設計上も有利である。一方、向流とすれば、気液分離、フラッディングに対する配慮、反応塔出口ガスの処理などのデメリットの反面、反応器出口の処理水と酸素濃度の高い酸素含有ガスが接触することができ処理効率面のメリットがある。並流、向流についてはそれぞれのメリットとデメリットを考慮して決められ、本発明において好ましくは並流である。
【0071】
並流の場合は、排水とガスが上昇流で液が連続相の場合と、排水とガスが下降流でガスが連続相の場合がある。本発明における湿式酸化反応器内の連続相については、液を連続相として気泡塔状で処理してもよいし、ガスを連続相として触媒層に沿って液が流下するトリクルベット式で処理してもよい。液を連続相とする場合は反応器の下部に気液分散装置を設置することが好ましく、ガスを連続相とする場合は反応器の上部に液のディストリビューターを設置することが好ましい。
【0072】
本発明における湿式酸化工程の湿式酸化反応後のガスは、必要に応じて本発明における排ガスの酸化分解工程である排ガス処理装置で処理できる。並流の場合、湿式酸化反応後のガスは湿式酸化処理で十分浄化されている場合がほとんどで有機物や臭気成分はほとんど含まれないが、排ガス処理装置を用いればさらに高度な浄化が可能になる。一方、向流の場合、反応後のガスには反応入口排水成分中の軽沸分が含まれる場合があるが、本発明における酸化分解工程の排ガス処理設備で処理可能である。
【0073】
本発明の処理対象とする排水は、化学プラント、電子部品製造設備、食品加工設備、金属加工設備、パルプ製造設備、薬品製造設備、金属メッキ設備、印刷製版設備、半導体製造設備、パルプ製造設備等の各種産業プラントから排出される排水など種々の排水が挙げられるが、本発明の処理対象となり得る排水はこれらに限定されるものではない。
【0074】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例をあげて詳細に説明するが、本発明は、これだけに限定されるものではない。
実施例1
図1に示す装置を使用し、下記の条件下で250時間連続して処理を行った。処理に供した排水は、DMFとして25000mg/リットル含有し、カルシウムを50mg/リットル、炭酸イオン300mg/リットルを含むpH5の排水であった。
【0075】
排水供給タンク1より送られてくる排水を、排水供給ポンプ2を用いて2リットル/hの流量でフィードし、加熱器7で80℃に昇温した後、第1滞留槽19に移送した。その後、第1滞留槽19から第2滞留槽20をへて、反応蒸留塔9の上部に投入ポンプ21を用いて供給した。第1滞留槽19および第2滞留槽20での滞留時間はそれぞれ5時間となるよう設定した。
【0076】
この排水には、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液をアルカリ供給ポンプ4を用いて、110ミリリットル/hの流量でフィードし、加熱器7で昇温した後の排水に混合した。
【0077】
また、この排水には、10質量%のスケール防止剤水溶液をスケール防止剤供給ポンプ6を用いて、加熱器7で昇温する前に排水に混合した。添加したスケール防止剤は、アクリル酸ソーダのホモポリマーからなるスケール防止剤で、分子量が5000、分子量分布MW/MN=3であり、酸基の濃度が10.4meq/gであった。なおスケール防止剤添加後の排水中のスケール防止剤濃度は、50mg/リットルであった。
【0078】
反応蒸留塔9では、蒸気供給ライン11から送られてくる蒸気を反応蒸留塔9の底から1.5kg/hで供給した。加熱器10で加熱を行った。
【0079】
また、反応蒸留塔9の内部には、DMFが分解してできたDMAなどの成分を効率よく気相に移行させるためにマクマホンタイプの充填材を1リットル充填していた。反応蒸留塔9の底では、液面コントローラ(LC)により液面を検出し、一定の液面を保持するように処理液排出ポンプ13を稼働し、冷却器12で40℃以下に冷却した処理液を処理液排出ライン14を経て排出した。また反応蒸留塔9で放散処理されたDMA含有の蒸気は、反応蒸留塔9上部の放散ガス排出ライン15から排出された。
【0080】
このDMA含有ガスは、放散ガス排出ライン15で空気を空気供給ライン16を通して混合し、加熱器17で加熱した。この混合ガス中のDMA濃度が2,000ppm(ガス体積分率)となるようにし、排ガス処理装置18に送り、装置の入口温度300℃、SV=10,000h-1でDMAなどの成分の分解処理を行った。排ガス処理装置内には、次の触媒が充填されていた。
<気相用触媒>
チタニアおよびシリカからなる複合酸化物を以下に示す方法で調製した。
【0081】
10質量%アンモニア水700リットルに20質量%シリカゾル35.5kgを加えて攪拌混合した後、硫酸チタニルの硫酸水溶液(125gTiO2/リットル、550gH2SO4/リットル)300リットルを攪拌しながら徐々に滴下した。得られたゲルを熟成し、ろ過水洗した後、150℃で10時間乾燥し、次いで500℃で6時間焼成した。得られた粉体組成はTiO2:SiO2=4:1(モル比)であった。この粉体20kgにメタバナジン酸アンモニウム2.00kgおよびパラタングステン酸アンモニウム0.77kgを含む15%モノエタノールアミン水溶液12kgを加え、成形助剤としてデンプンを加えてニーダーで混練りした後、押出成型機により外寸100mm角、目開き2.8mm、肉厚0.5mm、長さ450mmのハニカム状に成形した。これを80℃で乾燥してから450℃で5時間空気雰囲気下で焼成した。このハニカム成形体の組成は、Ti−Si複合酸化物:V25:WO3=90:7:3(質量比)であった。この成形体を硝酸パラジウム水溶液に含浸し、150℃で3時間乾燥した後450℃で3時間空気雰囲気下で焼成した。得られた触媒の組成は、Ti−Si複合酸化物:V25:WO3:Pd=89.1:6.9:3:1(質量比)であり、BET比表面積は120m2/g、細孔容積は0.45cc/gであった。この触媒を必要量切断し排ガス処理装置に充填した。
【0082】
排ガス処理装置で処理したガスをサンプリングし分析した。また処理液排出ライン14から排出された処理液もサンプリングし、分析した。結果は、ガス中については、DMA検出限界以下(0.1ppm未満)、アンモニアは7ppm、NOは検出限界以下、窒素酸化物は8ppm、有機物も検出限界以下であった。ガスの臭気も感じられなかった。処理液について、アンモニアは検出限界以下(1mg/リットル未満)、全有機窒素は9mg/リットル、そのほとんどはDMAでありDMFは検出されなかった。またギ酸ナトリウムとみられる有機物が検出されたが、窒素の高度処理を確認できた。なお、50時間ごとにサンプリングしたが変化は認められなかった。250時間後に反応蒸留塔内と加熱器を点検したが特に異常は認められなかった。
【0083】
実施例
実施例1で処理した液をとり、湿式酸化法で処理をおこなった。実施例1の処理を蓄えた液のCOD(クロム)を分析すると4,800mg/リットルであった。この液に硫酸を添加しpHを9に調整し、0.5リットル/hで湿式酸化反応器に酸素源の空気とともに送液した。
【0084】
湿式酸化反応器はガスが連続相になるように、空気と液を湿式酸化反応器の上部から投入し、湿式酸化反応器の下部から処理液とガスを抜き出した。
【0085】
湿式酸化の反応条件は、反応温度110℃、反応圧力0.02MPa(ゲージ圧力)、触媒のLHSVを1h-1、理論酸素必要量に対する酸素含有ガスに含まれる酸素の量(以下、O2/CODという。)を1.2となるような空気の投入であった。
【0086】
処理に用いた触媒は主成分として白金とチタニアからなる触媒で、それぞれの質量比が、Pt:TiO換算で0.1:99.9であった。また形状は直径4mmで長さ7mmのペレット状であった。処理液をサンプリングして分析したところ、結果は、処理液のpHで7で、処理液のCOD(クロム)の処理効率で99%であった。
【0087】
実施例3
気相用触媒を変える以外は実施例1と同じ条件で操作した。排ガス処理装置18の入口温度300℃、SV=10,000h−1でDMAなどの成分の分解処理を行った。排ガス処理装置内には、次の触媒が充填されていた。
<気相用触媒>
用いた触媒は以下のように調製した。シュウ酸水溶液に150m/gの比表面積を持つγ−アルミナ粉を投入しスラリー化した。これをハニカム状のコージェライト担体(外寸150mm角、目開き1.5mm、肉厚0.35mm、長さ50mm)にコーティングし、乾燥、焼成して触媒支持体を調製した。この触媒支持体のAl含有量は15質量%であった。これを硝酸白金含有水溶液に含浸し、100℃で乾燥した後、450℃にて3時間空気雰囲気下で焼成した。該触媒のPt担持量は、0.1質量%であった。この触媒を必要量切断し排ガス処理装置に充填した。
【0088】
排ガス処理装置で処理したガスをサンプリングし分析した。結果は、ガス中につて、DMAは検出されず、アンモニアは検出限界以下(0.1ppm未満)、N2Oは500ppm、窒素酸化物は900ppm、有機物は検出限界以下であった。ガスは窒素酸化物の臭気がした。
【0089】
【発明の効果】
本発明に係る方法は、排水中のDMF成分にアルカリを添加、滞留させることによりジメチルアミンを生成させ、蒸気を投入するおよび/または間接的に加熱することにより、DMA含有成分を蒸気中に移行させることができる。これにより、DMFの分解を効率よくすすめるとともに処理液中に残る窒素成分の量が低減でき、排水の浄化性を向上することができる。また排出される排ガスは、排ガス処理装置を用いて浄化処理することができ、さらに、湿式酸化処理を行うことでDMFの分解でのこるCOD成分も効率よく処理でき、結果として環境保護上たいへん好ましいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施態様の一つであり、実施例1に対応する。
【符号の説明】
1.排水供給タンク
2.排水供給ポンプ
3.アルカリタンク
4.アルカリ供給ポンプ
5.スケール防止剤タンク
6.スケール防止剤供給ポンプ
7.加熱器
9.反応蒸留塔
10.加熱器
11.蒸気供給ライン
12.冷却器
13.処理液排出ポンプ
14.処理液排出ライン
15.放散ガス排出ライン
16.空気供給ライン
17.加熱器
18.排ガス処理装置
19.第1滞留槽
20.第2滞留槽
21.投入ポンプ

Claims (7)

  1. 有機窒素化合物含有排水を処理する方法であって、該排水をアルカリの共存下に少なくとも1つの滞留槽で滞留させることによりアミン類を生成させる工程(生成工程)と、該生成工程からのアミン類含有排水を加熱することによりアミン類を気相中に移行させる工程(放散工程)との2つの工程から少なくともなることを特徴とする有機窒素化合物含有排水の処理方法。
  2. 放散工程において、アミン類含有排水を反応蒸留塔の上部に供給し、一方、該反応蒸留塔の下部においては、水蒸気の導入、または間接加熱、もしくはこれらの組合せによって加熱することにより、排水中のアミン類を気相中に移行させ、上部からの排水と気液向流接触させる請求項1記載の有機窒素化合物含有排水の処理方法。
  3. 反応蒸留塔が充填塔である請求項2記載の有機窒素化合物含有排水の処理方法。
  4. 放散工程からのアミン類含有ガスを分子状酸素の存在下で気相用固体触媒を用いて分解処理する工程(酸化分解工程)を含む請求項1〜3のいずれかに記載の有機窒素化合物含有排水の処理方法。
  5. 酸化分解工程が1つまたは複数の気相用固体触媒を充填した反応器を用いる方法であって、それらのもっとも出口側部分あるいは出口側反応器に充填される気相用固体触媒が、A成分として、アルミニウム、チタニウム、ケイ素およびジルコニウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物と、B成分として、バナジウム、タングステン、セリウムおよび鉄よりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物と、C成分として、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、マンガンおよび銅よりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素の金属および/または酸化物とを含む触媒である請求項4記載の有機窒素化合物含有排水の処理方法。
  6. 放散工程からの排水を分子状酸素の存在下で液相用固体触媒を用いて湿式酸化処理する工程(湿式酸化工程)を含む請求項1〜5のいずれかに記載の有機窒素化合物含有排水の処理方法。
  7. 湿式酸化工程における分子状酸素の供給源が、酸化分解工程からの排ガスである請求項6記載の有機窒素化合物含有排水の処理方法。
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