JP3879318B2 - 排水の処理方法 - Google Patents
排水の処理方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3879318B2 JP3879318B2 JP18489399A JP18489399A JP3879318B2 JP 3879318 B2 JP3879318 B2 JP 3879318B2 JP 18489399 A JP18489399 A JP 18489399A JP 18489399 A JP18489399 A JP 18489399A JP 3879318 B2 JP3879318 B2 JP 3879318B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liter
- wastewater
- ammonia
- component
- waste water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C02—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F5/00—Softening water; Preventing scale; Adding scale preventatives or scale removers to water, e.g. adding sequestering agents
- C02F5/08—Treatment of water with complexing chemicals or other solubilising agents for softening, scale prevention or scale removal, e.g. adding sequestering agents
- C02F5/10—Treatment of water with complexing chemicals or other solubilising agents for softening, scale prevention or scale removal, e.g. adding sequestering agents using organic substances
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01J—CHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
- B01J23/00—Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00
- B01J23/38—Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of noble metals
- B01J23/54—Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of noble metals combined with metals, oxides or hydroxides provided for in groups B01J23/02 - B01J23/36
- B01J23/56—Platinum group metals
- B01J23/64—Platinum group metals with arsenic, antimony, bismuth, vanadium, niobium, tantalum, polonium, chromium, molybdenum, tungsten, manganese, technetium or rhenium
- B01J23/652—Chromium, molybdenum or tungsten
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C02—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F1/00—Treatment of water, waste water, or sewage
- C02F1/58—Treatment of water, waste water, or sewage by removing specified dissolved compounds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C02—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F1/00—Treatment of water, waste water, or sewage
- C02F1/66—Treatment of water, waste water, or sewage by neutralisation; pH adjustment
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C02—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F2303/00—Specific treatment goals
- C02F2303/22—Eliminating or preventing deposits, scale removal, scale prevention
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Environmental & Geological Engineering (AREA)
- Hydrology & Water Resources (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Water Supply & Treatment (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Catalysts (AREA)
- Removal Of Specific Substances (AREA)
- Physical Water Treatments (AREA)
- Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学プラント、電子部品製造設備、食品加工設備、金属加工設備、金属メッキ設備、印刷製版設備、発電設備、写真処理設備等の各種産業プラントから排出されるアンモニア成分や有機窒素化合物成分を含有する排水を浄化処理するのに用いられる。詳しくは、アンモニアおよび有機窒素化合物の含有排水を浄化する場合に、アンモニア成分および軽沸有機窒素化合物成分を放散処理し、放散したアンモニア成分および軽沸有機窒素化合物成分を排ガス処理装置を用いて分解浄化するのに用いられる。具体的には、アンモニア成分および軽沸有機窒素化合物成分を放散処理する際に、排水を加熱処理する熱交換器内、配管内、アンモニア成分および軽沸有機窒素化合物成分を放散する放散塔内などでスケール成分が付着するのを防止し、長期にわたり安定、かつ効率的な運転処理をするのに用いられる。
【0002】
さらに、ジメチルホルムアミド含有排水のような、分解してアミン類および/またはアンモニアを生成し得る有機窒素化合物を分解して、該アミン類およびまたはアンモニアを放散処理する場合でも同様に、放散する放散塔内などでスケール成分が付着するのを防止し、長期にわたり安定、かつ効率的な運転処理するのに用いられる。
【0003】
【従来の技術】
アンモニア含有排水からアンモニアを放散させる方法として、アンモニアストリッピング法が周知である。またアンモニアストリッピング法で放散したアンモニアガスは、固体触媒を用いた排ガス処理装置を用いて窒素ガスに分解することで浄化される。
【0004】
アンモニアストリッピング法には2つの方法があり、具体的には、空気ストリッピング法および蒸気ストリッピング法が知られている。空気ストリッピング法は、アンモニアを含有する排水に空気を吹き込んでアンモニアを放散させる方法である。この空気ストリッピング法においては、排水のpHを高めること、排水の温度を高めること、吹き込む空気量を多くすること(すなわち、気液比を大きくすること)がアンモニアの除去率を高める上で非常に効果的である。また、蒸気ストリッピング法は、アンモニア含有排水に水蒸気を吹き込んでアンモニアガスを放散させる方法であり、空気ストリッピングのように気液比を大きくしなくても効率よくアンモニアを除去できる。
【0005】
分解してアミン類および/またはアンモニアを生成し得る有機窒素化合物を分解し放散処理する方法として、ジメチルホルムアミド含有排水にアルカリを添加し、空気を投入し、ジメチルアミンに分解し気相に移行させて処理する方法が周知である。
【0006】
しかしながら、排水中にカルシウムやマグネシウムなどのスケール成分を含有する場合、これらのスケール成分が熱交換器や加熱器などに付着し、圧力損失の上昇や閉塞の問題が生じ、排水の浄化性が低下するのみならず、処理不能となる場合もあった。
【0007】
これは、排水が炭酸イオンを多く含有する場合に、特に顕著であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点を解決することができる方法を提供することにある。
【0009】
すなわち、アンモニア成分含有排水や軽沸有機窒素化合物成分含有排水を放散処理し、排水の浄化性を高めること。またこの場合に、排水を加熱処理する熱交換器内、配管内、アンモニア成分や軽沸有機窒素化合物成分をを放散処理する放散塔内などでスケール成分が付着することを防止し、長期にわたって安定な処理を行うことができる新規な排水の処理方法を提供するものである。また、分解してアミン類および/またはアンモニアを生成し得る有機窒素化合物を分解し空気もしくは蒸気などのガスを用いて放散処理する際にも同様に、長期にわたって安定な処理を行うことができる新規な排水の処理方法を提供するものである。さらに、設備費および排水の処理ランニング費が安価な新規な排水の処理方法を提供することにもある。
【0010】
またガス中に放散したアンモニア成分や軽沸有機窒素化合物成分を高効率で分解浄化することで環境に排出する有害物質の低減を図ることにもある。この場合、ガス中に放散されたアンモニア成分や軽沸有機窒素化合物成分以外の有害物質も高効率で容易に浄化処理するものである。
【0011】
第1工程(アンモニアおよび軽沸有機窒素化合物の放散塔)と第2工程(触媒反応器)とからなるプロセスにおいて、放散塔でスケールが付着すると放散塔の閉塞が起こり、圧力損失が上昇し、放散塔からの飛沫が増加する可能性があり、固形分が触媒に蓄積すれば被毒などの触媒反応器への影響が心配される。つまり、第2工程での処理性能の低下、ガスラインや機器の圧力損失が上昇する傾向にある。放散塔の詰まりが増大すれば、フラッディングをおこし、トラブルとなる可能性もある。上記問題を防ぐには、放散塔の洗浄か、放散塔の放散ガスの低減、処理量の削減で対応するしかなかった。本発明はこのような問題を解決しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究の結果、アンモニア成分含有排水および軽沸有機窒素化合物成分含有排水を処理して排水の浄化性を高める方法において、ガス中にアンモニア成分や軽沸有機窒素化合物成分をを安定的に放散させ、該ガスを排ガス処理装置を用いて分解浄化することで排水を浄化することができる新規な排水の処理方法を見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、排水に特定のスケール防止剤を添加し、アンモニア成分や軽沸有機窒素化合物成分を放散処理する際にスケール成分が機器に付着しないようにすることで排水を安定的に処理するものである。また排ガス中に放散させたアンモニア成分や軽沸有機窒素化合物成分およびその他の有害物質は、排ガス処理装置を用いて処理することで排水の浄化性を高めるものである。
【0013】
すなわち、本発明は、分解してアミン類および/またはアンモニアを生成し得る有機窒素化合物50〜200,000mg/リットル、アンモニア成分500〜200,000mg/リットル、および軽沸有機窒素化合物50〜200,000mg/リットルのうちの少なくとも一つと、難溶性物質を形成し得る金属成分0.02〜300mg/リットルとを含有する排水を浄化処理するにあたり、アンモニア成分および/または軽沸有機窒素化合物成分を放散させる放散工程(第1工程)と、放散工程からのアンモニア成分および/または軽沸有機窒素化合物成分を含むガスを固体触媒を用いて分解浄化する分解工程(第2工程)とを経て処理する排水の処理方法であって、前記放散工程(第1工程)が、酸基の濃度が1〜20meq/g、分子量が5,000〜100,000、分子量分布がMW/MN=1.2〜7であるポリマー型のスケール防止剤を排水に0.5〜500mg/リットル添加し、苛性アルカリにより排水のpHを10〜14に調整して、総括伝熱係数10〜3,000kcal/m 2 h℃の熱交換器もしくは加熱器を用いて30〜100℃に加熱後、空気および/または水蒸気を用いて排水中のアンモニア成分および/または軽沸有機窒素化合物を放散させるものであることを特徴とする排水の処理方法である。
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、アンモニア含有排水および/または軽沸有機窒素化合物含有排水を加熱し蒸発させたり空気や蒸気などのガスを用いて排水中のアンモニア成分および/または軽沸有機窒素化合物成分を放散し、ガスとしたアンモニア成分および/または軽沸有機窒素化合物成分を分解することで排水を浄化処理するに際して、予め排水中にスケール防止剤を添加することで安定的に長期にわたり、処理運転を継続することができる新規な排水の処理方法である。
【0016】
排水中のアンモニア成分および/または軽沸有機窒素化合物成分を蒸発放散処理する方法は特に限定されるものではないが、ジャケット式の加熱器、多管式熱交換器を用いたリボイラなどが挙げられる。加熱の熱源は特に限定されるものではないが、水蒸気、熱媒油、熱水、などが挙げられる。また熱源としてアンモニア成分および/または軽沸有機窒素成分を固体触媒を用いて分解浄化した後の処理ガスを用いても良い。
【0017】
また、排水中のアンモニア成分および/または軽沸有機窒素成分を排水にガスを吹き込みながら行なうと、加熱器が不要であり、経済的である。用いるガスとしては、空気または蒸気が経済的であるが、空気、蒸気、窒素、酸素、アルゴン等のガスやそれらの混合ガスを用いることもできる。その中には、アンモニア成分および/または軽沸有機窒素成分を固体触媒を用いて分解浄化した後の処理ガスや他の設備から放出されるガスも含まれる。
【0018】
アンモニアおよび/または軽沸有機窒素成分含有排水中のアンモニア成分および/または軽沸有機窒素成分を放散して排水を浄化処理する際には、該アンモニアおよび/または軽沸有機窒素成分含有排水を加熱する必要がある。この加熱には、通常、熱交換器もしくは加熱器を用い、30〜100℃に加熱するものである。加熱温度が高いほど排水の浄化性を高くできる。しかし、加熱温度があまり高いと、スケール成分の付着が顕著になる問題がある。このため好ましくは、40〜95℃であり、より好ましくは50〜90℃である。放散し浄化処理した液と熱交換器を用いて加熱するのが排熱を有効利用することができるので好ましい。この場合、加熱温度は40℃未満であれば、熱回収上好ましくない。
【0019】
本発明にかかる排水の処理方法において、該アンモニアおよび/または軽沸有機窒素化合物含有排水中に含有される難溶性物質を形成し得る金属成分としては、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、マンガン、鉄、クロム、亜鉛、チタン、バナジウム、ニッケルなどを挙げることができる。これらの金属成分の排水中における形態については特に制限はなく、化合物またはイオンのいずれでもよい。上記金属成分の濃度(元素換算)は、0.02〜300mg/リットルである。更に具体的には、カルシウムの濃度(元素換算)は0.1〜200mg/リットル、好ましくは0.2〜150、より好ましくは0.3〜50mg/リットルであり、マグネシウム、アルミニウム、銅、マンガン、鉄、クロム、亜鉛、チタン、バナジウムおよびニッケルの濃度(元素換算)は各々0.02〜50mg/リットル、好ましくは0.03〜30、より好ましくは0.05〜20mg/リットルである
【0020】
難溶性物質を形成し得る金属成分が多い場合、添加するスケール防止剤の量が多くなりすぎるので、本発明にかかる排水の処理方法で処理する前に、予め金属成分を取り除くことが効果的である。逆に金属成分が少ない場合、特に本発明にかかる排水の処理方法を特に用いなくとも、長期間にわたり安定的な処理を継続することができるものである。
【0021】
本発明に係わる排水は、上記金属成分のほかに炭酸イオン、リン酸イオン成分およびケイ酸イオンの少なくとも1種を含んでいてもよい。該アンモニア含有排水中に含有される炭酸イオン成分は、元々の排水中に含有されている場合、および本発明において排水を空気などのガスと混合した結果、ガス中の炭酸ガスが溶解して含有される場合がある。これら炭酸イオン成分、リン酸イオン成分およびケイ酸イオン成分の少なくとも1種の量は、2〜100,000mg/リットル、好ましくは5〜50,000mg/リットル、より好ましくは10〜10,000mg/リットルである。炭酸イオン成分が多い場合、本発明にかかる排水の処理方法で処理する前に、予めスケール成分を取り除くことが効果的である。本発明は炭酸イオンを含有する排水に特に効果的であるが、炭酸イオン成分が少ない場合でも、本発明にかかる排水の処理方法を用いれば、さらに長期間にわたり安定的な処理を継続することができるものである。
【0022】
炭酸イオンはカルシウム、マグネシウムなどと難溶性炭酸塩を形成し、リン酸イオンはカルシウムなどと難溶性リン酸塩を形成し、またケイ酸イオンはマグネシウム、アルミニウム、カルシウムなどと難溶性ケイ酸塩を形成する。
【0023】
また、pHが高く、水酸化物イオン濃度が高い場合には、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、マンガン、鉄、クロム、亜鉛、ニッケル、チタンなどの難溶性水酸化物および/または難溶性酸化物を形成する。
【0024】
本発明にかかる排水の処理方法において、排水中に含有されるアンモニア成分とは、アンモニアおよび/またはアンモニウムイオンのことである。これらアンモニア成分の量は、500〜200,000mg/リットル、好ましくは1000〜100,000mg/リットル、より好ましくは2,000〜50,000mg/リットルである。アンモニア成分が多い場合、排ガス処理装置でアンモニアを処理する際に発熱量が大きくなりすぎ、アンモニアの処理性能が低下するものである。また、アンモニア成分が多い場合の大きな発熱量による排ガス処理装置における温度上昇を抑えるには希釈用のガスが大量に必要になり装置サイズが大きくなりすぎるものである。逆にアンモニア成分が少ない場合、特に本発明にかかる排水の処理方法を特に用いなくとも、生物処理等で排水の浄化が容易にできるものである。
【0025】
本発明においては排水中に軽沸有機窒素化合物成分が含まれても放散して、後述の固体触媒で分解できる。本発明における軽沸有機窒素化合物の例としては、ピリジンなどの環状有機窒素化合物、トリメチルアミン、モノメチルアミン、ジメチルアミンなどのアミン類などをあげることができる。これら軽沸有機窒素化合物成分の量は、50〜200,000mg/リットル、好ましくは100〜100,000mg/リットル、より好ましくは500〜50,000mg/リットルである。軽沸有機窒素化合物成分が多い場合、排ガス処理装置で軽沸有機窒素化合物成分を処理する際に発熱量が大きくなりすぎ、軽沸有機窒素化合物成分の処理性能が低下するものである。また、軽沸有機窒素化合物成分が多い場合の大きな発熱量による排ガス処理装置における温度上昇を抑えるには希釈用のガスが大量に必要になり装置サイズが大きくなりすぎるものである。
【0026】
本発明におけるアミン類とは前述の軽沸有機化合物に含まれるものであるが、例えばトリメチルアミン、モノメチルアミン、ジメチルアミンなどをあげることができる。
【0027】
本発明においては排水中に軽沸有機化合物成分が含まれても放散して、後述の固体触媒で分解できる。軽沸有機化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類、ベンゼン、トルエン、キシレン、などのの溶剤などを挙げることができる。
【0028】
本発明における分解してアミン類および/またはアンモニアを生成し得る有機窒素化合物成分とは、特に限定するものではないが、例えばアミド結合を有する化合物のアルカリ加水分解のように分解することでジメチルアミン、モノメチルアミン、トリメチルアミンなどのアミン類やアンモニアを生成する化合物が挙げられる。具体的には、モノメチルホルムアミドを含有する排水にアルカリを添加することによりモノメチルアミンに分解するもの、ジメチルホルムアミドを含有する排水にアルカリを添加することによりジメチルアミンに分解するものなどが挙げられる。またヒドラジンや尿素のように分解することでアンモニアおよび/またはアンモニウムイオンを生成する化合物も本発明の分解してアミン類および/またはアンモニアを生成し得る有機窒素化合物成分として含むものである。
【0029】
本発明における分解してアミン類および/またはアンモニアを生成し得る有機窒素化合物成分、およびアンモニア成分および軽沸有機窒素化合物成分、が複合した排水の場合、合計した該成分の量は、50〜200,000mg/リットル、好ましくは100〜100,000mg/リットル、より好ましくは500〜50,000mg/リットルである。該成分が多い場合、排ガス処理装置で該成分を処理する際に発熱量が大きくなりすぎ、該成分の処理性能が低下するものである。また、該成分が多い場合の大きな発熱量による排ガス処理装置における温度上昇を抑えるには希釈用のガスが大量に必要になり装置サイズが大きくなりすぎるものである。
【0030】
かくして、本発明で浄化処理する排水の具体例としては、
▲1▼ 500mg/リットル以上のアンモニア成分と0.02mg/リットル以上の難溶性物質を形成し得る金属成分とを含む排水
▲2▼ 500mg/リットル以上のアンモニア成分と0.02mg/リットル以上の難溶性物質を形成し得る金属成分と2mg/リットル以上の炭酸イオン成分、リン酸イオン成分およびケイ酸イオン成分よりなる群から選ばれる少なくとも1種のイオン成分とを含む排水
▲3▼ 50mg/リットル以上の分解してアミン類および/またはアンモニアを生成し得る有機窒素化合物成分と0.02mg/リットル以上の難溶性物質を形成し得る金属成分と2mg/リットル以上の炭酸イオン成分、リン酸イオン成分およびケイ酸イオン成分よりなる群から選ばれる少なくとも1種のイオン成分とを含む排水
▲4▼ 50mg/リットル以上の軽沸有機窒素化合物成分と500mg/リットル以上のアンモニア成分と0.02mg/リットル以上の難溶性物質を形成し得る金属成分とを含む排水
等を挙げることができる。
【0031】
上記難溶性物質を形成し得る金属成分とは、排水に難溶な固形状物質(スケール)を形成するものを意味し、その代表例としてはカルシウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、マンガン、鉄、クロム、亜鉛、チタン、バナジウムおよびニッケルが挙げられるが本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の方法は、これら金属成分を1種または2種以上含有する排水を浄化処理するものである。
【0032】
アンモニウム成分および/または軽沸有機窒素化合物成分および難溶性物質を形成し得る金属成分のほかに炭酸イオン、リン酸イオンおよびケイ酸イオンを含む排水の浄化処理に際しては、炭酸イオン、リン酸イオンおよびケイ酸イオンを含まない排水の浄化処理に比べてスケールが形成されやすいものであるが、本発明の方法によれば、このようなスケールが形成されやすい排水も効率よく浄化処理することができる。かくして、本発明の方法は、上記▲2▼▲3▼のような排水の浄化処理にも好適に用いることができる。
【0033】
なお、溶解性シリカについては、その濃度が0.02〜300mg/リットル程度ならば放散塔に供給する液のpHを10.5以上にすればほとんどスケール生成にはならない。
【0034】
本発明にかかる排水の処理方法では、排水を30〜100℃に加熱する際、熱交換器もしくは加熱器を使用する。そして、この加熱工程で特にスケールが付着しやすいものである。この場合の熱交換器もしくは加熱器の総括伝熱係数を10〜3,000kcal/m2h℃、好ましくは50〜2,000kcal/m2h℃、さらに好ましくは100〜1,500kcal/m2h℃とするのがよい。10kcal/m2h℃未満の場合は、装置サイズが大きくなり、好ましくない。また3,000kcal/m2h℃を越える場合は、圧力損失が増大し、スケールが付着した際に圧損の増大が顕著になり、運転困難となりやすい。
【0035】
本発明の方法によれば、酸基の濃度が1〜20meq/gであり、なおかつ分子量が5,000〜100,000、分子量分布がMW/MN=1.2〜7であるポリマー型のスケール防止剤の存在下にアンモニアおよび/または軽沸有機窒素化合物の放散処理を行う。
【0036】
本発明にかかる排水の処理方法において添加するスケール防止剤の量は、0.5〜500mg/リットルであることが効果的であり、より効果的には1〜200mg/リットル、さらに効果的には2〜100mg/リットルである。添加量が少ない場合、スケール成分が付着しやすくなり本発明の効果が少なくなる。またスケール防止剤の添加量が多い場合、ランニング費が高くなり、また本発明で処理した後の液中にスケール防止剤が多く残存するため好ましくない。
【0037】
本発明のポリマー型スケール防止剤は、低添加量でランニング費を抑制することができる。ポリマー型スケール防止剤としては、ポリアクリル酸重合体およびその塩、ポリメタアクリル酸重合体およびその塩、アクリル酸とマレイン酸の共重合体およびその塩、メタアクリル酸とマレイン酸の共重合体およびその塩、アクリル酸とフマール酸の共重合体およびその塩、メタアクリル酸とフマール酸の共重合体およびその塩、(メタ)アクリル酸と2−ヒドロキシエチルアクリレートの共重合体およびその塩、(メタ)アクリル酸と2−ヒドロキシエチルメタアクリレートの共重合体およびその塩、(メタ)アクリル酸と3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンアクリスルホン酸ナトリウムの共重合体およびその塩などが挙げられる。
【0038】
なかでも、(ポリ)アクリル酸ソーダ、(メタ)アクリル酸とスルホン酸基含有単量体との共重合体、(メタ)アクリル酸と水酸基含有単量体との共重合体などが好ましい。鉄やアルミニウムを含む排水の場合には、(メタ)アクリル酸とスルホン酸基含有単量体との共重合体もポリアクリル酸ソーダのホモポリマー同様に効果的である。また、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、アルミニウムなどを含む排水の場合には、ポリアクリル酸ソーダのホモポリマーが効果的である。
【0039】
ポリマー型スケール防止剤の分子量が5,000〜100,000であり、好ましくは10,000〜50,000である。分子量が5,000未満もしくは100,000を越える場合には、該スケール防止剤の添加量が多く必要となるため好ましくない。
【0040】
またポリマー型スケール防止剤の分子量分布は、MW/MN比が1.2〜7であり、好ましくは2〜4である。MW/MN比が7を越える場合には、該スケール防止剤の添加量が多く必要となるため好ましくない。1.2未満では、ポリマーの製造工程が複雑になるため、ポリマーが高価となり好ましくない。
【0041】
本発明におけるスケール防止剤の酸基には、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基などのアニオン性基が挙げられる。
【0042】
本発明におけるスケール防止剤の酸基濃度とは、ポリマー1gに含まれるアニオン性基のmeq(ミリ等量=ミリモル)を表し、本発明のスケール防止剤の酸基濃度は1〜20meq/gであり、好ましくは5〜18meq/g、さらに好ましくは10〜16meq/gである。酸基濃度が1meq/g未満である場合には、該スケール防止剤の添加量が多く必要となるため好ましくない。20meq/gを超える場合には、ポリマーが高価となり好ましくない。
【0043】
本発明のアンモニアおよび/または軽沸有機窒素化合物の放散処理は、放散塔に送る排水のpHが10〜14、好ましくは10.5〜12.5、さらに好ましくは11〜12で行うのがよい。排水のpHが10未満である場合にはアンモニアおよび/または軽沸有機窒素化合物の放散性能が低下し、好ましくない。また排水のpHが14を超える場合、スケール成分が水酸化物として機器に付着し易くなるため好ましくない。特にpH10.5〜12.5の条件下にアンモニアおよび/または軽沸有機窒素化合物の放散処理を行うことによりスケールの形成を効果的に防止しながら効率よくアンモニア成分および/または軽沸有機窒素化合物を放散することができる。
【0044】
かくして、本発明の好ましい態様においては、前記▲1▼〜▲4▼、特に▲2▼または▲3▼の排水についてpH10.5〜12.5の条件下でアンモニアおよび/または軽沸有機窒素化合物の放散処理を行う。
【0046】
アンモニアおよび/または軽沸有機窒素化合物の含有排水のpHは通常11未満であることが多いため、上記pH範囲に調整するにはアルカリの添加が効果的である。排水のpHを調節するに際しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの苛性アルカリや消石灰、水酸化マグネシウムなどのアルカリを添加して処理することができる。しかし、消石灰や水酸化マグネシウムなどのCa、Mgを含有する化合物を使用した場合、スケール防止剤の添加量が多く必要となるため好ましくない。このため、好ましくは苛性アルカリであり、水酸化ナトリウムがコスト的に好ましい。
【0047】
このpH調整を行う際のアルカリの添加は、排水の原水タンクに添加してもよいし、排水を放散処理のために供給するラインに供給ポンプで供給してもよい。また、アンモニアおよび/または軽沸有機窒素化合物の放散処理工程の前にpH調整槽を設け、ここでアルカリを添加して排水のpHを10〜14に調整してもよい。アルカリは溶液で投入するのが取り扱い、pH調整のしやすさから好ましい。もちろん、固体で投入してもよい。
【0048】
本発明においてスケール防止剤の添加方法および添加位置は特に限定されるものではない。しかしながら、スケール防止剤は水溶液として添加することが効果的である。またスケール防止剤の添加位置は、排水の原水タンクに供給してもよいし、pH調整用のアルカリそのものに添加してもよいし、排水を放散処理のために供給するラインに供給ポンプで直接供給してもよい。しかしながら排水のpH調節を行うためアルカリを排水に添加する場合、スケール防止剤の添加位置はアルカリの添加前とすることが効果的である。アルカリの添加前にスケール防止剤を添加することでスケール防止剤の添加量を低減できるものである。さらに、pH調整用のアルカリそのものに添加してもスケール防止剤の添加量を低減できるものである。またスケール防止剤の添加は、複数箇所に分割して行ってもよい。
【0049】
本発明の好適な態様においては、ポリマー型のスケール防止剤を排水のpH調整時および/またはpH調整前に添加する。この態様は、鉄やマグネシウムを含む排水の放散処理に特に効果的である。
【0050】
本発明を用いれば、アンモニア含有排水や有機窒素成分含有排水を空気もしくは蒸気などのガスを用いて放散処理し、排水の浄化性を高めることができる。またこの場合に、排水を加熱処理する熱交換器内、配管内、アンモニア成分や軽沸有機窒素成分を放散処理する放散塔内などでスケール成分が付着することを防止し、長期にわたって安定な処理を行うことができる新規な排水の処理方法を提供するものである。しかしながら、長期安定運転後にも少量のスケールの付着が観察される場合ある。このような場合は定期整備などのときにスケールを洗浄除去するのがさらに長期の安定運転の上で好ましい。
【0051】
洗浄は、水洗い、蒸気投入による洗浄、高アルカリの溶液による洗浄、酸による洗浄、有機溶媒による洗浄などの方法があるが、好ましくは酸で洗浄するのが良い。また酸を用いて洗浄する場合に、加熱すると洗浄効果が高まる。洗浄液は1パスで使用してもよいが好ましくは循環して使用するのが良い。洗浄の流量は多く流すのが好ましい。
【0052】
洗浄に用いる酸については、塩酸、硫酸、硝酸などの強酸、クエン酸、シュウ酸、蟻酸、酢酸、グリコール酸などの有機酸などが挙げられ、装置の材質などを考慮の上選択できる。なかでも、塩酸水溶液または硫酸水溶液(以下「洗浄液」とも記載する)が好ましい。酸の濃度については、硫酸または塩酸の濃度は0.3g/リットル以上が好ましく、さらに好ましくは3g/リットル、最も好ましくは10g/リットルである。0.3g/リットル以下の場合は洗浄の効果が少なく、3g/リットル以下の場合は洗浄効果が少なく洗浄時間も長く必要とする。また10g/リットル以下の場合は酸化鉄や酸化マンガンなどの一部スケール分についての洗浄時間がかかる。この場合、短時間で洗浄を完結するには比較的高温の洗浄条件にする必要がある。
【0053】
洗浄の条件、装置材質、スケールの種類等によっては、硫酸水溶液と硝酸水溶液を所定量混合して使用することもできる。硝酸を混合することでステンレス鋼に対する腐食性が緩和される。また、塩酸水溶液の塩化水素濃度、硫酸水溶液の硫酸濃度が濃い場合には、鉄、または銅を含む化合物を含有する方が装置の耐食性を向上させる上で効果的である。また、有機酸を用いて加熱する方法もあるが、COD成分の処理の問題が残る。
【0054】
本発明において洗浄される装置の材質は特に限定されるものではないが、例えばSUS、チタン、ハステロイ(登録商標)、インコネル(登録商標)、塩ビ、ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)、FRPなどである。
【0055】
本発明にかかる排水の処理方法において、放散処理した後のアンモニア成分および/または軽沸有機窒素化合物を含むガス(以下、単に排ガスと記載することもある)は、排ガス処理装置を用いて浄化処理することができる。また、排水タンクや他プロセスから発生するガス、例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類;一酸化炭素;水素;アセトアルデヒド、ホルアルデヒドなどのアルデヒド類を、この排ガス処理装置を用いて処理することもできる。
【0056】
排ガス処理装置には、種々の排ガス処理装置を用いることができる。また、この排ガス処理装置には触媒を使用することが効果的である。該触媒は特に限定されるものではないが、アルミニウム、チタニウム、シリコンおよびジルコニウムよりなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物と、バナジウム、タングステン、セリウムおよび鉄よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物、および/または白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、マンガンおよび銅よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の金属および/または酸化物とを含有する触媒が好適に用いられる。
【0057】
また排ガスは、排ガスを処理する前に種々のタイプの熱交換器で加熱することができ、その処理温度は200〜500℃の範囲であることが効果的であり、より効果的には250〜450℃である。またガスの空間速度は、特に限定されるものではなく、適宜選択すればよいが、500h-1以上100,000h-1以下であることが効果的であり、1,000h-1以上50,000h-1以下であることがより効果的である。また該排ガス処理では、酸素含有ガス(好ましくは空気)を適宜供給することができ、その供給方法も特に限定されるものではない。
【0058】
第2工程の反応器が1つの場合、反応器にはアルミニウム、チタニウム、シリコンおよびジルコニウムよりなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物と、バナジウム、タングステン、セリウムおよび鉄よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物、および/または白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、マンガンおよび銅よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の金属および/または酸化物とを含有する触媒と他の触媒とを積層したり、複合させてもよい。反応器が複数の場合、最後の反応器に上記触媒を充填すればよく、その他の反応器に充填する触媒の種類には特に制限はない。反応器の代わりに燃焼炉を用いてもよい。最後の反応器に上記触媒を用いるとNOx生成が少なく、しかもアンモニアを高効率で窒素ガスと水とに分解浄化できる。
【0059】
なお、本発明における理論酸素量とは、反応器入口のアンモニア量に対しては次の反応式で必要な酸素量である。
【0060】
2NH3+(3/2)O2 → N2+3H2O
なお、アンモニア以外の軽沸有機窒素化合物や有機物などを包含する場合には、その物質の燃焼に必要な酸素も加える。この場合、窒素分は分子状窒素(N2)に分解するものとして理論酸素量を考えるものである。
【0061】
本発明において、放散処理した後の処理液は、pH調節やCOD成分の処理など何らかの後処理を実施しようと、そのまま放流しようと特に限定されるものではない。
【0062】
本発明の処理対象とする排水は、化学プラント、電子部品製造設備、食品加工設備、金属加工設備、金属メッキ設備、印刷製版設備、発電設備、写真処理設備等の各種産業プラントから排出される排水やし尿、下水などの生活排水など種々の排水が挙げられるが、本発明の処理対象となり得る排水はこれらに限定されるものではない。
【0063】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例をあげて詳細に説明するが、本発明は、これだけに限定されるものではない。
【0064】
実施例1
図1に示す装置を使用し、下記の条件下で1,000時間連続して処理を行った。
【0065】
処理に供した排水は、発電設備から排出される排水で、アンモニアとして5000mg/リットル含有し、なおかつカルシウムを25mg/リットルおよびマグネシウムを5mg/リットル含有し、炭酸イオン40mg/リットルを含むpH9.5の排水であった。
【0066】
処理の方法は、排水供給タンク1より送られてくる排水を、排水供給ポンプ2を用いて1リットル/hの流量でフィードし、総括伝熱係数が300kcal/m2h℃である加熱器7で80℃に昇温した後、放散塔8の上部に供給した。この排水には、25wt%の水酸化ナトリウム水溶液をアルカリ供給ポンプ4を用いて、加熱器7で昇温する前に排水に混合し、排水のpHを12とした。またこの排水には、10wt%のスケール防止剤水溶液をスケール防止剤供給ポンプ6を用いて、加熱器7で昇温する前に排水に混合した。なおスケール防止剤添加後の排水中のスケール防止剤濃度は、25mg/リットルであった。また添加したスケール防止剤は、アクリル酸ソーダと3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムの共重合体(共重合モル比:85/15)からなるスケール防止剤で、分子量が2万、分子量分布MW/MN=2.5であり、酸基の濃度が8.9meq/gであった。放散塔8では、空気供給ライン9から送られてくる空気を加熱器10で200℃に加熱し、放散塔8の底から2Nm3/hで供給した。また、放散塔8の内部には、アンモニアを効率よく放散処理するためにマクマホンタイプの充填材を1リットル充填していた。放散塔8の底では、液面コントローラ(LC)により液面を検出し、一定の液面を保持するように処理液排出ポンプ13を稼働し、冷却器12で40℃以下に冷却した処理液を液排出ライン14を経て排出した。また放散塔8で放散処理されたアンモニア含有のガスは、放散塔8上部のガス排出ライン15から排出された。
【0067】
このアンモニア含有ガスは、ガス排出ライン15で空気を空気供給ライン16を通して混合し、加熱器17で加熱した。この混合ガスは、排ガス処理装置18に送り、装置の入口温度380℃、SV=10,000h-1でアンモニアの分解処理を行った。排ガス処理装置内には、次の触媒が充填されていた。
【0068】
<触媒>
チタニアおよびシリカからなる複合酸化物を以下に示す方法で調製した。
【0069】
10重量%アンモニア水700リットルに20重量%シリカゾル35.5kgを加えて攪拌混合した後、硫酸チタニルの硫酸水溶液(125g・TiO2/リットル、550gH2SO4/リットル)300リットルを攪拌しながら徐々に滴下した。得られたゲルを熟成し、ろ過水洗した後、150℃で10時間乾燥し、次いで500℃で6時間焼成した。得られた粉体組成はTiO2:SiO2=4:1(モル比)であり、BET比表面積は200m2/gであった。この粉体20kgにメタバナジン酸アンモニウム2.00kgおよびパラタングステン酸アンモニウム0.77kgを含む15%モノエタノールアミン水溶液12kgを加え、成形助剤としてデンプンを加えてニーダーで混練りした後、押出成型機により外寸100mm角、目開き2.8mm、肉厚0.5mm、長さ450mmのハニカム状に成形した。これを80℃で乾燥してから450℃で5時間空気雰囲気下で焼成した。このハニカム成形体の組成は、Ti−Si複合酸化物:V2O5:WO3=90:7:3(重量比)であった。この成形体を硝酸パラジウム水溶液に含浸し、150℃で3時間乾燥した後450℃で3時間空気雰囲気下で焼成した。得られた触媒の組成は、Ti−Si複合酸化物:V2O5:WO3:Pd=89.1:6.9:3:1(重量比)であり、BET比表面積は120m2/g、細孔容積は0.45cc/gであった。
【0070】
排ガス処理装置で処理したガスは、100時間ごとにサンプリングし、陽イオンクロマト分析装置でアンモニアを分析した。また、処理液排出ライン14から排出された処理液も、100時間ごとにサンプリングし、陽イオンクロマト分析装置で分析した。結果は、ガスおよび処理液ともにアンモニアは検出されなかった(ガス1ppm未満、処理液1mg/リットル未満)。そして1000時間後に装置を停止し、加熱器7および放散塔8を点検したが、特にスケールの付着は観察されなかった。
【0071】
実施例2
図2に示す装置を使用し、下記の条件下で1,000時間連続して処理を行った。
【0072】
処理に供した排水は、電子部品製造設備から排出される排水で、アンモニアとして3400mg/リットル含有し、なおかつカルシウムを32mg/リットルおよびマグネシウムを13mg/リットル含有し、炭酸イオン350mg/リットルを含むpH11の排水であった。
【0073】
処理の方法は、排水供給タンク1より送られてくる排水を、排水供給ポンプ2を用いて50リットル/hの流量でフィードし、総括伝熱係数が1300kcal/m2h℃である加熱器7で90℃に昇温した後、放散塔8の上部に供給した。この排水には、特にアルカリは添加しなかった。またこの排水には、スケール防止剤添加後の排水中のスケール防止剤濃度が25mg/リットルとなるように、予め10wt%のスケール防止剤水溶液を排水タンク1に添加し、混合攪拌した。添加したスケール防止剤は、アクリル酸ソーダとマレイン酸ソーダの共重合体(モル比70/30)からなるスケール分散剤で、分子量が1万、分子量分布MW/MN=3.3であり、酸基の濃度が11.4meq/gであった。放散塔8では、蒸気供給ライン11から送られてくる2kg/cm2Gの蒸気を、放散塔8の底から25kg/hで供給した。また、放散塔8の内部には、アンモニアを効率よく放散処理するためにマクマホンタイプの充填材を50リットル充填していた。放散塔8の底では、液面コントローラ(LC)により液面を検出し、一定の液面を保持するように処理液排出ポンプ13を稼働し、冷却器12で40℃以下に冷却した処理液を液排出ライン14を経て排出した。また放散塔8で放散処理されたアンモニア含有のガスは、放散塔8上部のガス排出ライン15から排出された。
【0074】
このアンモニア含有ガスは、ガス排出ライン15で後述のアンモニア分解処理に必要な空気を空気供給ライン16を通して混合し、加熱器17で加熱した。この混合ガスは、排ガス処理装置18に送り、装置の入口温度350℃、SV=5000h-1でアンモニアの分解処理を行った。排ガス処理装置内には、実施例1で用いたものと同一の触媒が充填されていた。
【0075】
排ガス処理装置で処理したガスは、100時間ごとにサンプリングし、陽イオンクロマト分析装置で分析した。また、処理液排出ライン14から排出された処理液も、100時間ごとにサンプリングし、陽イオンクロマト分析装置で分析した。結果は、ガスおよび処理液ともにアンモニアは検出されなかった(ガス1ppm未満、処理液1mg/リットル未満)。そして1000時間後に装置を停止し、加熱器7および放散塔8を点検したが、特にスケールの付着は観察されなかった。触媒を抜きだして調べたがNaの付着は認められなかった。
【0076】
比較例1
図1に示す装置を使用し、スケール防止剤を添加しなかった以外は、実施例1と同じ条件で処理を行った。結果は、約50時間後に加熱器7でカルシウムとマグネシウムからなるスケールが付着して圧損が上昇し、処理困難となった。また、放散塔8を点検するとスケールの付着が観察された。
【0077】
比較例2
図2に示す装置を使用し、スケール防止剤を添加しなかった以外は、実施例2と同じ条件で処理を行った。結果は、約20時間後に加熱器7でカルシウムとマグネシウムからなるスケールが付着して圧損が上昇し、処理困難となった。また、放散塔8を点検するとスケールの付着が観察された。触媒を抜きだして調べたら入口部に飛沫同伴が原因と考えられるNaの付着を確認した。
【0078】
実施例3
図1に示す装置を使用し、図1中の9.空気供給ラインに空気の代わりに蒸気を投入し、下記の条件下で250時間連続して処理を行った。
【0079】
処理に供した排水は、モデル排水で、アンモニアとして1000mg/リットル含有し、なおかつカルシウムを15mg/リットルおよびマグネシウムを5mg/リットル、鉄を2mg/リットル含有し、炭酸イオン100mg/リットルを含むpH4の排水であった。
【0080】
処理の方法は、排水供給タンク1より送られてくる排水を、排水供給ポンプ2を用いて5リットル/hの流量でフィードし、総括伝熱係数が300kcal/m2h℃である加熱器7で85℃に昇温した後、放散塔8の上部に供給した。この排水には、25wt%の水酸化ナトリウム水溶液をアルカリ供給ポンプ4を用いて、加熱器7で昇温する前に排水に混合し、排水のpHを11.8とした。またこの排水には、10wt%のスケール防止剤水溶液をスケール防止剤供給ポンプ6を用いて、加熱器7で昇温する前に排水に混合した。なおスケール防止剤添加後の排水中のスケール防止剤濃度は、100mg/リットルであった。また添加したスケール防止剤は、アクリル酸ソーダのホモポリマーからなるスケール防止剤で、分子量が5000、分子量分布MW/MN=3であり、酸基の濃度が10.4meq/gであった。放散塔8では、空気供給ライン9に、空気の代わりに蒸気を送り、加熱器10でおよそ100℃に保持し、放散塔8の底から2.5kg/hで供給した。また、放散塔8の内部には、アンモニアを効率よく放散処理するためにマクマホンタイプの充填材を1リットル充填していた。放散塔8の底では、液面コントローラ(LC)により液面を検出し、一定の液面を保持するように処理液排出ポンプ13を稼働し、冷却器12で40℃以下に冷却した処理液を液排出ライン14を経て排出した。また放散塔8で放散処理されたアンモニア含有のガスは、放散塔8上部のガス排出ライン15から排出された。
【0081】
このアンモニア含有ガスは、ガス排出ライン15で空気を空気供給ライン16を通して混合し、加熱器17で加熱した。この混合ガスは、排ガス処理装置18に送り、装置の入口温度350℃、SV=5000h-1でアンモニアの分解処理を行った。排ガス処理装置内には、実施例1用いたものと同一の触媒が充填されていた。
【0082】
排ガス処理装置で処理したガスは、24時間ごとにサンプリングし、陽イオンクロマト分析装置で分析した。また、処理液排出ライン14から排出された処理液も、24時間ごとにサンプリングし、陽イオンクロマト分析装置で分析した。結果は、ガスおよび処理液ともにアンモニアは検出されなかった(ガス1ppm未満、処理液1mg/リットル未満)。そして250時間後に装置を停止し、加熱器7および放散塔8の点検で、スケールの付着が観察された。
【0083】
実施例4
図1に示す装置を使用し、図1中の9、空気供給ラインに空気の代わりに蒸気を投入し、スケール防止剤の添加位置を、図1中の1.排水タンクで混合するようにして、それ以外は実施例3と同じ条件で処理を行った。
【0084】
排ガス処理装置で処理したガスは、24時間ごとにサンプリングし、陽イオンクロマト分析装置で分析した。また、処理液排出ライン14から排出された処理液も、24時間ごとにサンプリングし、陽イオンクロマト分析装置で分析した。結果は、ガスおよび処理液ともにアンモニアは検出されなかった(ガス1ppm未満、処理液1mg/リットル未満)。そして250時間後に装置を停止し、加熱器7および放散塔8を点検したが、特にスケールの付着は観察されなかった。
【0085】
実施例5
図1に示す装置を使用し、図1中の9.空気供給ラインに空気の代わりに蒸気を投入し、下記の条件下で250時間連続して処理を行った。
【0086】
処理に供した排水は、モデル排水で、アンモニアとして500mg/リットル、ジメチルホルムアミドを5000mg/リットル含有し、なおかつカルシウムを15mg/リットルおよびマグネシウムを1mg/リットル、炭酸イオン100mg/リットルを含むpH7の排水であった。
【0087】
処理の方法は、予め、10wt%のスケール防止剤水溶液をスケール防止剤を排水に混合した。 なおスケール防止剤添加後の排水中のスケール防止剤濃度は、100mg/リットルであった。また添加したスケール防止剤は、アクリル酸ソーダのホモポリマーからなるスケール防止剤で、分子量が5000、分子量分布MW/MN=3であり、酸基の濃度が10.4meq/gであった。 この液を排水供給タンク1に投入し、さらに 排水供給タンク1に25wt%の水酸化ナトリウム水溶液を添加して排水のpHを13に液調整した。 排水供給タンク1より送られてくる排水を、排水供給ポンプ2を用いて5リットル/hの流量でフィードし、総括伝熱係数が300kcal/m2h℃である加熱器7で80℃に昇温した後、放散塔8の上部に供給した。アルカリ供給ポンプ4、スケール防止剤供給ポンプ6は用いなかった。放散塔8では、空気供給ライン9に、空気の代わりに蒸気を送り、加熱器10でおよそ100℃に保持し、放散塔8の底から2.5kg/hで供給した。また、放散塔8の内部には、アンモニアを効率よく放散処理するためにマクマホンタイプの充填材を1リットル充填していた。放散塔8の底では、液面コントローラ(LC)により液面を検出し、一定の液面を保持するように処理液排出ポンプ13を稼働し、冷却器12で40℃以下に冷却した処理液を液排出ライン14を経て排出した。また放散塔8で放散処理されたアンモニアおよびジメチルアミン含有のガスは、放散塔8上部のガス排出ライン15から排出された。
【0088】
このアンモニアおよびジメチルアミンの含有ガスは、ガス排出ライン15で空気を空気供給ライン16を通して混合し、加熱器17で加熱した。この混合ガスは、排ガス処理装置18に送り、装置の入口温度350℃、SV=5000h-1でアンモニアおよびジメチルアミンの分解処理を行った。排ガス処理装置内には、実施例1用いたものと同一の触媒が充填されていた。
【0089】
排ガス処理装置で処理したガスは、24時間ごとにサンプリングし、陽イオンクロマト分析装置で分析した。また、処理液排出ライン14から排出された処理液も、24時間ごとにサンプリングし、陽イオンクロマト分析装置で分析した。結果は、ガスおよび処理液ともにアンモニアは検出されなかった(ガス1ppm未満、処理液1mg/リットル未満)。ガス中のジメチルアミンは検出されなかった(ガス1ppm未満)。処理液中の全窒素は20mg/リットル(窒素換算)であった。処理液中にはジメチルアミンが検出されたがジメチルホルムアミドは検出されなかった。そして250時間後に装置を停止し、加熱器7および放散塔8の点検で、スケールの付着は観察されなかった。
【0090】
実施例A
下記の条件下でスケール防止剤の効果の確認試験を行った。
【0091】
試験に供した排水は、モデル排水で、アンモニアとして2000mg/リットル含有し、なおかつカルシウムを25mg/リットルおよびマグネシウムを5mg/リットル含有し、炭酸イオン200mg/リットルを含むpH7の排水であった。
【0092】
試験では、排水を容器にとり、排水中のスケール防止剤濃度が7mg/リットルとなるように、予め30wt%のスケール防止剤水溶液を添加し、混合攪拌した。添加したスケール防止剤は、アクリル酸ソーダと3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムの共重合体(共重合モル比:85/15)からなるスケール防止剤で、分子量が5000、分子量分布MW/MN=2.5であり、酸基の濃度が8.9meq/gであった。さらに、25wt%の水酸化ナトリウム水溶液を排水に混合し、排水のpHを11.5にした。さらに、容器をしっかりと密閉して、排水が100℃以上になるように蒸気加熱による105℃の恒温加熱器の中で排水入りの密閉容器を3時間静置加熱した。
【0093】
加熱前の容器内排水を観察したがスケールは見られなかった。加熱後の容器内の排水を観察したところ、スケールは見られなかった。容器内の排水を0.2ミクロンのメンブレンフィルターで濾過したのち、濾液をICPで分析した。結果はカルシウムが25mg/リットル、マグネシウムが5mg/リットルで、もとの排水中の含有量と変化なく、分析結果からも固形分の析出によるスケールの生成は認められなかった。
【0094】
実施例B
実施例Aと同様の操作で、スケール防止剤の添加順序を変える以外は実施例Aと同じ条件で、スケール防止剤の効果の確認試験を行った。
【0095】
試験では、排水を容器にとり、まず25wt%の水酸化ナトリウム水溶液を排水に混合し、排水のpHを11.5に調整した。その後、排水中のスケール防止剤濃度が7mg/リットルとなるように、30wt%のスケール防止剤水溶液を添加し、混合攪拌した。さらに、容器をしっかりと密閉して、排水が100℃以上になるように蒸気加熱による105℃の恒温加熱器の中で排水入りの密閉容器を3時間静置加熱した。
【0096】
加熱前の容器内排水を観察したがスケールは見られなかった。加熱後の容器内の排水を観察するとスケールが幾分見られた。容器内の排水を0.2ミクロンのメンプレンフィルターで濾過したのち、濾液をICPで分析した。結果はカルシウムが15mg/リットル、マグネシウムが1mg/リットルで、もとの排水中の含有量と変化しており、分析結果から固形分の析出によるスケールの生成が幾分認められた。
【0097】
比較例A
実施例Aと同様の操作で、スケール防止剤を添加しない以外は実施例Aと同じ条件で、排水のpH11.5で確認試験を行った。
【0098】
容器をしっかりと密閉して、排水が100℃以上になるように蒸気加熱による105℃の恒温加熱器で中で排水入りの密閉容器を3時間静置加熱した。加熱前の容器内排水を観察したがスケールは見られなかった。加熱後の容器内の排水を観察したところ、スケールを確認した、容器内の排水を0.2ミクロンのメンブレンスィルターで濾過したのち、濾液をICPで分析した。結果はカルシウムが5mg/リットル、マグネシウムがNDで0.01mg/リットル以下であった。もとの排水中の含有混と変化があり、分析結果から固形分の析出によるスケールの生成が多く認められた。
【0099】
実施例C1
実施例Aと同様に、下記の条件下でスケール防止剤の効果の確認試験を行った。
【0100】
試験に供した排水は、モデル排水で、アンモニアとして2000mg/リットル含有し、なおかつカルシウムを1mg/リットルおよびマグネシウムを1mg/リットル、鉄を7mg/リットル、銅を2mg/リットル含有し、炭酸イオン50mg/リットルを含むpH3の排水であった。
【0101】
試験では、排水を容器にとり、排水中のスケール防止剤濃度が20mg/リットルとなるように、予め30wt%のスケール防止剤水溶液を添加し、混合攪拌した。添加したスケール防止剤は、アクリル酸ソーダのホモポリマーからなるスケール防止剤で、分子量が5000、分子量分布MW/MN=3であり、酸基の濃度が10.6mcq/gであった。さらに、25wt%の水酸化ナトリウム水溶液を排水に混合し、排水のpHを11に調整した。さらに、容器をしっかりと密閉して、排水が100℃以上になるように蒸気加熱による105℃の恒温加熱器の中で排水入りの密閉容器を3時間静置加熱した。
【0102】
加熱前の容器内排水を観察したがスケールは見られなかった。加熱後の容器内の排水を観察したところ、スケールは見られなかった。容器内の排水を0.2ミクロンのメンブレンフィルターで濾過したのち、濾液をICPで分析した。結果はカルシウムが1mg/リットル、マグネシウムが1mg/リットル、鉄が7mg/リットル、銅が2mg/リットルで、もとの排水中の含有量と変化なく、分析結果からも固形分の析出によるスケールの生成は認められなかった。
【0103】
実施例C2
スケール防止剤の添加量と調整するpH以外は実施例C1と同じ条件で、スケール防止剤の効果の確認試験を行った。
【0104】
試験では、実施例C1で用いたのと同じ排水を容器にとり、排水中のスケール防止剤濃度が50mg/リットルとなるように、予め10wt%の実施例C1と同じスケール防止剤水溶液を添加し、混合攪拌した。さらに、25wt%の水酸化ナトリウム水溶液を排水に混合し、排水のpHを12に調整した。以下実施例C1と同様の操作を行った。
【0105】
加熱前の容器内排水を観察したがスケールは見られなかった。加熱後の容器内排水を観察するとスケールが少し見られた。容器内の加熱後の排水を0.2ミクロンのメンブレンフィルターで濾過したのち、濾液をICPで分析した。結果はカルシウムが1mg/リットル、マグネシウムが0.5mg/リットル、鉄が2mg/リットル、銅が1mg/リットルで、もとの排水中の含有量と変化しており、分析結果からも固形分の析出によるスケールの生成が認められた。
【0106】
実施例C3
スケール防止剤の添加量以外は実施例C2と同じ条件で、スケール防止剤の効果の確認試験を行った。
【0107】
試験では、実施例C1で用いたのと同じ排水を容器にとり、排水中のスケール防止剤濃度が100mg/リットルとなるように、予め10wt%の実施例C1と同じスケール防止剤水溶液を添加し、混合攪拌した。以下実施例C2と同様の操作を行った。
【0108】
加熱前の容器内排水を観察したがスケールは見られなかった。加熱後の容器内排水も同様にスケールが見られなかった。容器内の加熱後の排水を0.2ミクロンのメンブレンフィルターで濾過したのち、濾液をICPで分析した。結果はカルシウムが1mg/リットル、マグネシウムが1mg/リットル、鉄が7mg/リットル、銅が2mg/リットルで、もとの排水中の含有量と変化なく、分析結果から固形分の析出によるスケールの生成が認められなかった。
【0109】
実施例C4
スケール防止剤の添加量と調整するpH以外は実施例C1と同じ条件で、スケール防止剤の効果の確認試験を行った。
【0110】
試験では、実施例C1で用いたのと同じ排水を容器にとり、排水中のスケール防止剤濃度が500mg/リットルとなるように、予め30wt%の実施例C1と同じスケール防止剤水溶液を添加し、混合攪拌した。さらに、25wt%の水酸化ナトリウム水溶液を排水に混合し、排水のpHを12.5に調整した。以下実施例C1と同様の操作を行った。
【0111】
加熱前の容器内排水を観察したがスケールは見られなかった。加熱後の容器内排水も同様にスケールが見られなかった。容器内の加熱後の排水を0.2ミクロンのメンブレンフィルターで濾過したのち、濾液をICPで分析した。結果はカルシウムが1mg/リットル、マグネシウムが1mg/リットル、鉄が7mg/リットル、銅が2mg/リットルで、もとの排水中の含有量と変化なく、分析結果からも固形分の析出によるスケールの生成が認められなかった。
【0112】
実施例C5
スケール防止剤の添加量と排水に含まれる鉄分濃度以外は実施例C4と同じ条件で、スケール防止剤の効果の確認試験を行った。
【0113】
試験に供した排水は、モデル排水で、実施例C4の排水組成と比べて鉄分濃度のみを変えるように調整し、鉄分が2mg/リットルに含有するようにした。
【0114】
試験では、排水を容器にとり、排水中のスケール防止剤濃度が50mg/リットルとなるように、予め10wt%の実施例C1と同じスケール防止剤水溶液を添加し、混合攪拌した。以下実施例C4と同様の操作を行った。
【0115】
加熱前も後も容器内排水にスケールは見られなかった。容器内の加熱後の排水を0.2ミクロンのメンブレンフィルターで濾過したのち、濾液をICPで分析した。結果はカルシウムが1mg/リットル、マグネシウムが1mg/リットル、鉄が2mg/リットル、銅が2mg/リットルでもとの排水中の含有量と変化なく、分析結果からも、固形分の析出によるスケールの生成は認められなかった。
【0116】
比較例B
スケール防止剤を添加しないこと以外は実施例C1と同じ条件で、確認試験を行った。
【0117】
試験では、実施例C1で用いたのと同じ排水を容器にとり、25wt%の水酸化ナトリウム水溶液を排水に混合し、排水のpHを11に調整した。以下実施例C1と同様の操作を行った。
【0118】
加熱前も後も容器内排水にスケールが見られた。容器内の加熱後の排水を0.2ミクロンのメンブレンフィルターで濾過したのち、濾液をICPで分析した。結果はカルシウムが1mg/リットル、マグネシウムが1mg/リットル、鉄が検出限界以下(0.01mg/リットル以下)、銅が1mg/リットルで、もとの排水中の含有量と変化しており、分析結果から固形分の析出によるスケールの生成が多く認められた。
【0119】
比較例C
スケール防止剤を変える以外は実施例C1と同じ条件で、スケール防止剤の効果の確認試験を行った。
【0120】
試験では、排水を容器にとり、排水中のスケール防止剤濃度が20mg/リットルとなるように、予め30wt%のスケール防止剤水溶液を添加し、混合攪拌した。添加したスケール防止剤は、アクリル酸ソーダとアクリル酸ヒドロキシエチルの共重合体(共重合モル比:6/94)からなるスケール防止剤で、分子量が130000、分子量分布MW/MN=9であり、酸基の濃度が0.52meq/gであった。以下実施例C1と同様に操作した。
【0121】
加熱前も後も容器内排水にスケールが見られた。容器内の加熱後の排水を0.2ミクロンのメンブレンフィルターで濾過したのち、濾液をICPで分析した。結果はカルシウムが1mg/リットル、マグネシウムが1mg/リットル、鉄が2mg/リットル、銅が1mg/リットルで、もとの排水中の含有量と変化しており、分析結果から固形分の析出によるスケールの生成が認められた。
【0125】
実施例E
下記の条件下でスケール防止剤の効果の確認試験を行った。
【0126】
試験に供した排水は、モデル排水で、アンモニアとして2000mg/リットル含有し、なおかつカルシウムを3mg/リットルおよびマグネシウムを1mg/リットル含有し、炭酸イオン50mg/リットルを含むpH7の排水であった。
【0127】
試験では、排水を容器にとり、排水中のスケール防止剤濃度が0.5mg/リットルとなるように、予め30wt%のスケール防止剤水溶液を添加し、混合攪拌した。添加したスケール防止剤は、アクリル酸ソーダのホモポリマーからなるスケール防止剤で、分子量が5000、分子量分布MW/MN=3であり、酸基の濃度が10.6meq/gであった。さらに、25wt%の水酸化ナトリウム水溶液を排水に混合し、排水のpHを11にした。さらに、容器をしっかりと密閉して、排水が100℃以上になるように蒸気加熱による105℃の恒温加熱器の中で排水入りの密閉容器を3時間静置加熱した。
【0128】
加熱前の容器内排水を観察したがスケールは見られなかった。加熱後の容器内の排水を観察したところ、スケールは見られなかった。容器内の排水を0.2ミクロンのメンブレンフィルターで濾過したのち、濾液をICPで分析した。結果はカルシウムが3mg/リットル、マグネシウムが1mg/リットルで、もとの排水中の含有量とほとんど変化なく、分析結果からも固形分の析出によるスケールの生成は認められなかった。
【0129】
【発明の効果】
本発明に係る方法は、排水中のアンモニア成分や軽沸有機窒素化合物成分を放散処理することでアンモニア成分や軽沸有機窒素化合物成分を排ガス中に放散させることができる。これにより、処理液中に残るアンモニア成分や有機窒素化合物成分の量が低減でき、排水の浄化性を向上することができる。また排出される排ガスは、排ガス処理装置を用いて浄化処理することができ、結果として環境保護上たいへん好ましいものである。
【0130】
また本発明は、排水がスケール成分を含有しても長期にわたり安定な運転を継続することができる。すなわちスケール成分の付着の問題が解決され、カルシウムやマグネシウムなどの難溶性塩を形成し得る金属成分を含有する排水においても効率的に処理をすることができるものである。
【0131】
また、放散塔でのスケール付着がなく安定運転できるので、安定的に処理が可能となる。また、放散塔からの飛沫が増大することがないので触媒の被毒などの問題が解決される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理装置の実施態様の一つである。
【図2】本発明に係る処理装置の実施態様の一つである。
【符号の説明】
1.排水タンク
2.排水供給ポンプ
3.アルカリタンク
4.アルカリ供給ポンプ
5.スケール防止剤タンク
6.スケール防止剤供給ポンプ
7.加熱器
8.放散塔
9.空気供給ライン
10.加熱器
11.蒸気供給ライン
12.冷却器
13.処理液排出ポンプ
14.処理液排出ライン
15.ガス排出ライン
16.空気供給ライン
17.加熱器
18.排ガス処理装置
Claims (6)
- 分解してアミン類および/またはアンモニアを生成し得る有機窒素化合物成分50〜200,000mg/リットル、アンモニア成分500〜200,000mg/リットル、および軽沸有機窒素化合物成分50〜200,000mg/リットルのうちの少なくとも一つと、難溶性物質を形成し得る金属成分0.02〜300mg/リットルとを含有する排水を浄化処理するにあたり、アンモニア成分および/または軽沸有機窒素化合物成分を放散させる放散工程(第1工程)と、放散工程からのアンモニア成分および/または軽沸有機窒素化合物成分を含むガスを固体触媒を用いて分解浄化する分解工程(第2工程)とを経て処理する排水の処理方法であって、前記放散工程(第1工程)が、酸基の濃度が1〜20meq/g、分子量が5,000〜100,000、分子量分布がMW/MN=1.2〜7であるポリマー型のスケール防止剤を排水に0.5〜500mg/リットル添加し、苛性アルカリにより排水のpHを10〜14に調整して、総括伝熱係数10〜3,000kcal/m 2 h℃の熱交換器もしくは加熱器を用いて30〜100℃に加熱後、空気および/または水蒸気を用いて排水中のアンモニア成分および/または軽沸有機窒素化合物を放散させるものであることを特徴とする排水の処理方法。
- ポリマー型のスケール防止剤が、(メタ)アクリル酸重合体およびその塩、(メタ)アクリル酸とマレイン酸の共重合体およびその塩、(メタ)アクリル酸とフマール酸の共重合体およびその塩、(メタ)アクリル酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの共重合体およびその塩、ならびに、(メタ)アクリル酸と3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンアクリルスルホン酸ナトリウムの共重合体およびその塩から選ばれる少なくとも1種の(メタ)アクリル酸系重合体からなる請求項1記載の排水の処理方法。
- 排水に含まれる難溶性塩を形成し得る金属成分が、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、マンガン、鉄、クロム、亜鉛、チタン、バナジウムおよびニッケルからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属であり、カルシウムが0.1〜200mg/リットル、マグネシウム、アルミニウム、銅、マンガン、鉄、クロム、亜鉛、チタン、バナジウムおよびニッケルのそれぞれが0.02〜50mg/リットルである請求項1または2に記載の排水の処理方法。
- 排水が、さらに炭酸イオン成分2〜100,000mg/リットル、リン酸イオン成分2〜100,000mg/リットル、ケイ酸イオン成分2〜100,000mg/リットルから選ばれる少なくとも1種を含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の排水の処理方法。
- 放散工程(第1工程)が、アンモニア成分および/または軽沸有機窒素化合物成分を放散する前に排水のpHを調整する工程を含み、スケール防止剤を排水のpH調整時および/またはpH調整前に添加する請求項1〜4のいずれかに記載の排水の処理方法。
- 固体触媒を用いて分解浄化する分解工程(第2工程)の1つの反応器からなる場合の触媒が、または複数の反応器からなる場合のもっとも出口側の反応器の触媒が、アルミニウム、チタニウム、シリコンおよびジルコニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物とバナジウム、タングステン、セリウムおよび鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物、および/または白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、マンガンおよび銅よりなる郡から選ばれる少なくとも1種の元素の金属および/または酸化物とを含有するものであり、200〜500℃の条件下で該反応器入口の酸素量が入口アンモニアに対して理論酸素量以上で該ガスを処理することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の排水の処理方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18489399A JP3879318B2 (ja) | 1998-11-13 | 1999-06-30 | 排水の処理方法 |
KR10-1999-0046294A KR100389811B1 (ko) | 1998-11-13 | 1999-10-25 | 배수 처리방법 |
TW088118448A TW503223B (en) | 1998-11-13 | 1999-10-26 | Treatment of waste water |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32401798 | 1998-11-13 | ||
JP10-324017 | 1999-03-02 | ||
JP5469699 | 1999-03-02 | ||
JP11-54696 | 1999-03-02 | ||
JP18489399A JP3879318B2 (ja) | 1998-11-13 | 1999-06-30 | 排水の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000312888A JP2000312888A (ja) | 2000-11-14 |
JP3879318B2 true JP3879318B2 (ja) | 2007-02-14 |
Family
ID=27295378
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18489399A Expired - Lifetime JP3879318B2 (ja) | 1998-11-13 | 1999-06-30 | 排水の処理方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3879318B2 (ja) |
KR (1) | KR100389811B1 (ja) |
TW (1) | TW503223B (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI301474B (en) * | 2003-01-03 | 2008-10-01 | Huei Tarng Liou | Method for reducing cod (chemical oxygen demand) in waste water by using o3 with divalention |
JP5069591B2 (ja) * | 2008-03-13 | 2012-11-07 | 月島環境エンジニアリング株式会社 | Voc含有ガスの処理装置および処理方法 |
JP5322574B2 (ja) * | 2008-10-20 | 2013-10-23 | 中国電力株式会社 | 脱窒装置の付着物除去方法 |
JP5124519B2 (ja) * | 2009-04-06 | 2013-01-23 | 月島環境エンジニアリング株式会社 | 揮発性有機化合物含有排水の処理方法 |
JP5124518B2 (ja) * | 2009-04-06 | 2013-01-23 | 月島環境エンジニアリング株式会社 | 揮発性有機化合物含有排水の処理方法 |
CN112892609B (zh) * | 2020-12-15 | 2022-07-05 | 南京大学 | 一种高效还原Cr(VI)的光控缓释双网络水凝胶催化剂 |
-
1999
- 1999-06-30 JP JP18489399A patent/JP3879318B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 1999-10-25 KR KR10-1999-0046294A patent/KR100389811B1/ko not_active IP Right Cessation
- 1999-10-26 TW TW088118448A patent/TW503223B/zh not_active IP Right Cessation
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
TW503223B (en) | 2002-09-21 |
KR100389811B1 (ko) | 2003-07-02 |
KR20000035064A (ko) | 2000-06-26 |
JP2000312888A (ja) | 2000-11-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5347664B2 (ja) | フッ素含有排水の処理方法及び処理装置 | |
CN1623924A (zh) | 一种处理高浓度含氨废水的除氨方法 | |
CN103288236A (zh) | 含盐废水的处理方法 | |
US6652759B2 (en) | Method of treating waste water and apparatus for treating waste water using the method | |
CN102503016A (zh) | 一种氨氮废水处理并回收氨制备硫酸铵的装置及方法 | |
CN108658300B (zh) | 一种氨氮废水的处理工艺 | |
JP3879318B2 (ja) | 排水の処理方法 | |
CN111006226A (zh) | 一种含氯废气废液的焚烧处理系统和焚烧处理方法 | |
WO2008062913A1 (en) | Waste water treating apparatus using plasma and photocatalyst | |
JP4703227B2 (ja) | 廃水の処理方法 | |
RU2480423C1 (ru) | Комбинированный способ очистки сточных вод, содержащих органические загрязнения | |
CN209974509U (zh) | 一种薄膜太阳能电池生产废水处理系统 | |
JPH11347535A (ja) | アンモニア含有排水の処理法 | |
JP3867228B2 (ja) | 有機窒素化合物含有排水の処理方法 | |
CN218653853U (zh) | 一种三甲胺有机废气治理设施 | |
KR100491351B1 (ko) | Pfc 및/또는 hfc를 포함하는 배기 가스의 처리방법및 장치 | |
CN211963703U (zh) | 一种针对dmf废水处理中产生尾气的治理系统 | |
JP4177521B2 (ja) | 金属とアンモニアを含む排水の処理方法 | |
JP6777430B2 (ja) | 水処理装置 | |
KR20180043825A (ko) | 유해 물질 함유액의 정화 처리 방법 및 이것을 실시하기 위한 유해 물질 함유액의 정화 처리 장치 | |
JP4524525B2 (ja) | アンモニアと過酸化水素を含む排水の処理方法 | |
JP3912157B2 (ja) | フッ化アンモニウム含有排水の処理方法 | |
CN212450796U (zh) | 臭氧催化塔 | |
CN212982566U (zh) | 一种臭氧氧化装置 | |
JPH1066985A (ja) | 窒素化合物含有排水の処理方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050530 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050607 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050804 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051011 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20051005 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060110 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060306 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060620 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060719 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20060927 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061024 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061030 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3879318 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101117 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111117 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121117 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121117 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131117 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131117 Year of fee payment: 7 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |