JP5124519B2 - 揮発性有機化合物含有排水の処理方法 - Google Patents

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本発明は、アルコール、パラフィン系炭化水素、アセチレン系炭化水素、芳香族系炭化水素、ケトン類、エステル類などの揮発性有機化合物(以下、VOCと称する。)成分を含有するVOC含有排水を蒸気に放散して触媒と空気中の酸素により酸化分解して無害化処理するVOC含有排水の処理方法に関するものである。
排水中に含まれるVOC成分の処理方法としては、放散処理や燃焼装置による直燃法、オゾン酸化法、吸着法等が知られており、例えば放散処理については特許文献1に充填層を備えた充填塔(放散塔)にVOC含有排水を供給し、水蒸気をパージガスとしてVOC成分を放散させ、その放散ガスを凝集させて回収液タンクに回収したりすることが記載されている。また、特許文献2、3には、空気等によって放散したVOC成分を吸着塔によって吸着した後に脱着して、触媒処理することが記載されている。
ところが、特許文献1に記載のようにVOC成分を放散した放散ガスを凝集して回収したのでは、回収液が残るためその処理が必要となる。また、特許文献2、3に記載のように、放散後に触媒処理のため吸着塔を用いることは設備の大型化を招くことになり、経済的ではない。さらに、直燃法では放散ガス中のVOC成分濃度が低いと補助燃料を燃焼させなければならず燃料コストが増大することになり、オゾン酸化法では低温での処理が可能であるものの、やはり二次処理が必要となる。
そこで、このようにVOC含有排水を放散塔に供給して空気によりVOC成分を放散するとともに希釈し、こうして希釈した希釈ガスを直接触媒反応器に供給して、触媒により空気中の酸素を用いて酸化分解処理することが検討されている。
特許第3995864号公報 特開平5−329330号公報 特開平6−134241号公報
ところで、このようにVOC成分を空気によって放散、希釈した希釈ガスを触媒により酸化分解処理する場合、希釈ガスは通常この酸化分解によって発生した熱によって触媒反応に適した温度に加熱されて触媒反応器に供給されるのであるが、この希釈ガスにおいて放散塔に供給されたVOC含有排水の供給量L(kg)に対する該放散塔に投入された空気の量Vair(Nm)の比である空液比Vair/L(Nm/kg)が高すぎると、触媒反応による酸化分解処理によって希釈ガスを十分に加熱し得るだけの熱が発生せず、補助燃料を燃焼させて希釈ガスを加熱しなければ自立した触媒反応を維持することが困難となるおそれがある。その一方で、逆にこの空液比が低くて希釈ガスにおけるVOC成分濃度が高すぎると、触媒反応器の温度が高くなりすぎて触媒に損傷が生じたり、安定した反応が阻害されたりするおそれがある。
このため、VOC含有排水中のVOC成分を空気によって放散するとともに希釈して触媒により確実かつ安定的に酸化分解処理するには、上記希釈ガスにおける希釈空気量とVOC含有排水量との空液比を、触媒反応が安定して必要十分な温度で行われる範囲に適正に設定しなければならないが、この適正な空液比は、放散塔に供給されるVOC含有排水のVOC成分およびその供給量によって変化するため、常に安定したVOC含有排水の処理を図るのは困難とされていた。
本発明は、このような背景の下になされたもので、VOC含有排水中のVOC成分を空気により放散するとともに希釈するのに際して、放散塔に供給されるVOC含有排水のVOC成分や供給量に応じて空液比を適正に設定でき、これにより触媒によるVOC成分の酸化分解処理を確実かつ安定して行うことが可能なVOC含有排水の処理方法を提供することを目的としている。
ここで、本発明の発明者は、種々のVOC含有排水に対してその高位発熱量HHV(kJ/kg)に着目して、この高位発熱量HHV(kJ/kg)と、放散塔に供給されるVOC含有排水の供給量L(kg)に対する該放散塔に投入した放散、希釈のための空気の量Vair(Nm)の比であるその空液比Vair/V(Nm/kg)との関係について鋭意研究を重ねた結果、自立した触媒反応が可能で、かつ触媒に損傷を生じることのない適正な空液比は、上記高位発熱量HHV(kJ/kg)を変数とする簡単な1次方程式(不等式)で表される範囲となるという知見を得るに至った。
そこで、本発明は、このような知見に基づいて上記課題を解決して、上述した目的を達成するために、VOC成分を含有するVOC含有排水を放散塔に供給して、該放散塔に投入される空気により上記VOC成分を放散するとともに希釈し、このVOC成分を放散して希釈した希釈ガスを加熱して触媒と反応させることにより上記VOC成分を酸化分解処理するとともに、この酸化分解処理によって発生した処理ガスによって上記希釈ガスを加熱するVOC含有排水の処理方法であって、上記放散塔に供給される上記VOC含有排水の供給量L(kg)に対する該放散塔に投入された上記空気の量Vair(Nm)の比である空液比Vair/L(Nm/kg)を、Vair/L≧0.05(Nm/kg)とするとともに、上記VOC含有排水の高位発熱量HHV(kJ/kg)に対して、0.0417HHV≦Vair/L≦0.1274HHVの範囲に設定することを特徴とする。
すなわち、上記知見に基づけば、空液比Vair/L(Nm/kg)がVOC含有排水の高位発熱量HHV(kJ/kg)に対して0.1274HHVよりも高ければ、希釈ガスが空気によって希釈されすぎて、触媒による酸化分解処理で混合ガスを必要な温度に加熱するまでの熱量が得られず、自立した触媒反応を促すことができずに補助燃料の燃焼を要することになる。また、逆に空液比Vair/L(Nm/kg)がVOC含有排水の高位発熱量HHV(kJ/kg)に対して0.0417HHVを下回るほど低く、つまりVOC成分が空気によって十分に希釈されないまま触媒反応器に供給されると、反応器の温度が上がりすぎてしまい触媒に損傷を招く結果となる。なお、空液比Vair/Lの下限値を0.05(Nm/kg)に設定しているのは、触媒反応によるVOC成分の酸化分解処理に最低限必要な希釈ガス中の酸素濃度を確保するためである。
また、VOC含有排水の高位発熱量HHV(kJ/kg)は、HHV≦718(kJ/kg)とされるのが望ましく、これよりも高位発熱量HHVの高いVOC含有排水であると、排水を空気に接触させた際に自然発火するおそれがあるとともに、そのような高い発熱量を有するVOC含有排水であれば、触媒反応によらずに例えば直燃法によって処理するのが効率的であるからである。
以上説明したように、本発明によれば、VOC含有排水を空気によって放散するとともに希釈した希釈ガスを触媒反応により酸化分解処理するのに、放散塔に供給されるVOC含有排水の供給量に対する空気の投入量の比である空液比を、このVOC含有排水の高位発熱量に基づいて比較的簡略な計算式により適正な範囲に設定することができ、これにより、補助燃料の使用量を抑制するとともに、温度上昇による触媒の損傷等を防ぐことが可能な、確実かつ安定的な触媒によるVOC成分の酸化分解処理を促すことが可能となる。
本発明のVOC含有排水の処理方法の一実施形態に係わる処理装置を示す概略図である。 本発明の一実施形態において、放散塔2に供給されるVOC含有排水Aの高位発熱量HHV(kJ/kg)と、放散塔2に供給されるVOC含有排水Aの供給量L(kg)に対する該放散塔2に投入された上記空気の量Vair(Nm)の比である空液比Vair/L(Nm/kg)の関係を示す図である。
図1は、本発明のVOC含有排水の処理方法の一実施形態に係わるVOC含有排水の処理装置を示すものであり、以下この処理装置について説明しながら、実施形態のVOC含有排水の処理方法についても説明する。本実施形態において処理されるVOC含有排水Aは、例えば電子機器製造工程や自動車部品製造工程、樹脂製造工程、化成品製造工程等の各種工程における特に洗浄過程で発生するものであって、こうして発生したVOC含有排水Aは排水予熱器1を介して予熱されて、放散塔2内にその上部から供給されて噴霧される。
この放散塔2は、上記特許文献1に記載された充填塔と同様に内部に適宜の段数の充填層を備えたものであって、その下部には、ダクト3からブロア4によって吸引されて空気加熱器5により例えば120〜150℃程度の温度に加熱された空気Bが空気調整弁6を介して供給可能とされており、放散塔2の上部から供給されて上記充填層を滴下するVOC含有排水A中のVOC成分がこの空気Bによって放散させられるとともに希釈させられて、希釈ガスCとして放散塔2の頂部から排出される。また、こうしてVOC成分が放散させられて除去されるとともに加熱された空気Bと接して高温となった排水A’は放散塔2の底部に保持され、放散塔ポンプ7によって適宜抜き出されて上記排水予熱器1においてVOC含有排水Aを予熱した後、処理済み排水Dとして排出される。
本例では熱回収し、加熱した空気を放散塔に供給しているが、揮発性の高い有機物の場合は回収せずに空気を直接放散塔に供給してもよく、この場合排水予熱器1は不要となる。また、空気に水蒸気を添加し、加熱して放散塔に供給しても良い。この場合の空気加熱器5による熱回収の有無は場合による。
そして、この放散塔2におけるVOC含有排水Aの空気Bによる放散および希釈は、該放散塔2に供給されるVOC含有排水Aの供給量L(kg)に対する放散塔2に投入された空気Bの量Vair(Nm)の比である空液比Vair/L(Nm/kg)が、Vair/L≧0.05(Nm/kg)となるとともに、このVOC含有排水Aの高位発熱量HHV(kJ/kg)に基づいて、0.0417HHV≦Vair/L≦0.1274HHVの範囲となるように設定される。また、この供給されるVOC含有排水Aの高位発熱量HHV(kJ/kg)自体は、本実施形態ではHHV≦718(kJ/kg)となるように予め調整される。
こうして所定の空液比Vair/L(Nm/kg)に希釈された希釈ガスCは、次いでガス加熱器8によって加熱されて、補助加熱器9を経て触媒反応器10に供給され、触媒11によって酸化分解処理されるが、この希釈ガスCのうちの一部は、バイパス弁12を備えたバイパス経路13に分岐してガス加熱器8をバイパスした後、ガス加熱器8によって加熱された残りの希釈ガスCと再び混合可能とされて、触媒反応器10に供給される希釈ガスCの温度が例えば300℃程度になるように調整される。
なお、このバイパス経路13に備えられたバイパス弁12は、触媒反応器10の希釈ガスC入口側に接続された温度センサ14の測定結果に基づいてその開度が制御されて、触媒反応器10に供給される希釈ガスCが上述のような温度で一定となるように、ガス加熱器8により加熱される希釈ガスCとバイパス経路13を経て加熱されずに混合される一部の希釈ガスCとの混合比率を調整する。また、補助加熱器9は例えば電熱式のものであって、当該処理装置の運転当初等に希釈ガスCを加熱するのに用いられ、この補助加熱器9も上記温度センサ14の測定結果に基づいて制御される。
さらに、上記触媒反応器10には、例えば特公平8−24819号公報に記載されたような金、銀、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムおよび白金から選ばれる少なくとも1種および/または鉄、マンガン、クロム、銅、ニッケルおよびコバルトの酸化物から選ばれる少なくとも1種の触媒成分をアルミナに担持してなる触媒11、あるいは特開平8−97039号公報に記載されたようなアンモニア分解触媒、すなわち触媒A成分としてTiを含む酸化物と、触媒B成分としてバナジウム、タングステン及びモリブデンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属あるいは酸化物と、触媒C成分として白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、クロム、マンガン、鉄、銅よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属あるいは酸化物とを含有する触媒11が配設されていて、このような触媒11により、希釈ガスCのVOC成分が空気B中の酸素とともに150℃〜600℃、望ましくは300℃〜550℃程度の反応温度でCOとHOに酸化分解されて無害化処理される。
こうして希釈ガスCのVOC成分を酸化分解処理した触媒反応器10からは、その反応温度に応じて例えば550℃程度の高温の処理ガスEが発生し、この処理ガスEは上記ガス加熱器8および空気加熱器5を順次経て希釈ガスCおよび空気Bを加熱した後、無害化された処理済み排ガスFとして排出される。なお、これらガス加熱器8および空気加熱器5は、この処理ガスEと希釈ガスCおよび空気Bとの間でそれぞれ熱交換を行う熱交換器とされ、プレート式やシェル・アンド・チューブ式などの各種のものが使用可能であるが、洗浄が容易であることから特にプレート式のものが望ましい。
また、触媒反応器10からの上記処理ガスEの出口側には、この処理ガスEの温度を測定する温度計15が設けられており、ダクトBからブロア4によって押し込まれて空気加熱器5により加熱されて放散塔2に投入される空気Bの投入量Vair(Nm)は、この温度計15による測定結果に基づいて上記空気調整弁6が制御されることにより、空液比Vair/L(Nm/kg)が上記範囲となるように、また触媒反応器10から排出される処理ガスEの温度が上述のような温度で安定するように調整される。なお、この空気調整弁6は、放散塔2に供給されるVOC含有排水Aの供給量を測定する流量計16の測定結果によっても制御される。また、ブロア4自体も、ガス加熱器5からの処理ガスEの排出経路に設けられた流量計17によりインバータ制御される。
例えば、触媒反応器10の入口側における希釈ガスCの設定温度を300℃に制御する場合において、この希釈ガスCの温度が設定温度よりも高いときには、これを温度センサ14が検知してバイパス弁12を開き、ガス加熱器8を通らずにバイパス経路13を流れる未加熱の希釈ガスCの流量を増やして触媒反応器10入口側の希釈ガスCの温度を低減する。逆に、この触媒反応器10入口側の希釈ガスCの温度が上記設定温度よりも低いときには、バイパス弁12を閉じてガス加熱器8を流れる希釈ガスCの流量を増大させることにより温度を上昇させる。また、バイパス弁12を全閉にして希釈ガスCの全量をガス加熱器8に通しても触媒反応器10入口側の希釈ガスCが設定温度に達しない場合には、補助加熱器9を作動させて希釈ガスCを加熱すればよい。
一方、触媒反応器10の出口側での処理ガスEを例えば500℃の設定温度に制御する場合において、この処理ガスEの温度が設定温度よりも高いときには、これを温度計15によって検知して空気調整弁6を開くことにより放散塔2に投入される空気Bの量を増大させ、上述したVOC含有排水Aの高位発熱量HHV(kJ/kg)に対する範囲内で空液比Vair/L(Nm/kg)を高めて、すなわち希釈ガスC中のVOC成分濃度を低減し、触媒反応器10における反応温度を下げて処理ガスEの温度を低下させる。また、触媒反応器10出口側の処理ガスEの温度が上記設定温度よりも低い場合には、逆に空気調整弁6を閉じ気味にして放散塔2への空気Bの投入量を減少させることにより、やはり上記範囲内で空液比Vair/L(Nm/kg)を低めて希釈ガスC中のVOC成分濃度を増大させ、触媒反応器10での反応温度を上げて処理ガスEの温度を上昇させればよい。
従って、このような処理装置を用いた本実施形態のVOC含有排水の処理方法においては、放散塔2に供給するVOC含有排水Aの供給量L(kg)に対する該放散塔に投入された上記空気の量Vair(Nm)の比である空液比Vair/L(Nm/kg)を、Vair/L≧0.05(Nm/kg)とするとともに、上記VOC含有排水の高位発熱量HHV(kJ/kg)に対して、0.0417HHV≦Vair/L≦0.1274HHVの範囲に設定しているので、確実な自立運転を促すことができるとともに、触媒反応器10における反応温度が高くなりすぎて触媒11に損傷が生じたりするのを防ぐことができる。
ここで、図2は横軸(x軸)をVOC含有排水Aの高位発熱量HHV(kJ/kg)、縦軸(y軸)を空液比Vair/L(Nm/kg)としたx−y座標上に上記範囲を示したものであり、この図2に示した4つの点は、次表1に示すように高位発熱量HHV(kJ/kg)と空液比Vair/L(Nm/kg)とがこの範囲内にある条件でVOC含有排水Aの処理を行った場合(点1、2)と、範囲外にある条件でVOC含有排水Aの処理を行った場合(点3、4)との、同x−y座標上における位置を示すものである。
Figure 0005124519
このうち上記範囲外の条件で処理を行ったときには、高位発熱量HHV(kJ/kg)に対して空液比Vair/L(Nm/kg)が高い場合(点3)は、触媒反応器10における反応温度が上がらずに排出される処理ガスEの温度も低く、このため空気加熱器5およびガス加熱器8において空気Bや希釈ガスCを十分に加熱することができず、補助加熱器9を常に使用しなければならなくなって、表1の備考に記載したように自立した運転は不可能であった。また、これとは逆に、高位発熱量HHV(kJ/kg)に対して空液比Vair/L(Nm/kg)が上記範囲よりも低い場合(点4)は、希釈ガスC中のVOC成分濃度が高すぎるために触媒反応器10における反応温度が高くなり過ぎ、高温により触媒11に損傷が生じるおそれが発生したため、処理を中断せざるを得なかった。
これらに対して、上記範囲内の条件で処理を行う本実施形態のVOC含有排水Aの処理方法では、触媒反応器10における反応温度が高くなりすぎることなく、上述のような温度で安定していたため、触媒11に損傷等が生じるのを防ぎつつ、処理ガスEによって空気Bや希釈ガスCを触媒反応に適した温度に加熱することができ、処理装置の運転当初以外は補助加熱器9を使用することなく、安定的な自立した運転が可能であった。従って、当該処理方法によれば、処理すべきVOC含有排水AのVOC成分が有する熱量を有効に利用して、経済的かつ確実に該VOC含有排水Aの安定した処理を図ることができる。
しかも、このような処理方法では、予め知ることのできるVOC含有排水Aの高位発熱量HHV(kJ/kg)から、このVOC含有排水Aが触媒11による酸化分解処理に適したものであるか、また触媒11によって処理する場合にどの程度の量Vair(Nm)の空気Bが必要であるかを、上述のような簡単な一次方程式に基づいて速やかに判断、決定することができるので、効率的なVOC含有排水Aの処理を促すこともできる。さらに、こうして高位発熱量HHV(kJ/kg)に基づいてVOC含有排水Aの供給量L(kg)に対する空気Bの量Vair(Nm)が決定されることから、これに基づいて触媒反応器10に備えるのに必要十分な触媒11の量も決定することができるので、一層経済的である。
なお、放散塔2に供給されるVOC含有排水Aの高位発熱量HHV(kJ/kg)の上限値については、この高位発熱量HHV(kJ/kg)が高すぎるとVOC含有排水Aが希釈、放散用の空気Bに接触した際に自然発火するおそれがあり、また、そもそもこのように高い発熱量を有するVOC含有排水Aは、触媒反応によって酸化分解処理せずとも、例えば直燃法によって直接的に燃焼させて処理するのが効率的であるので、上述のように718(kJ/kg)以下とされるのが望ましく、言い換えれば上記構成の処理方法は、そのような高位発熱量HHV(kJ/kg)のVOC含有排水Aの処理に適用して効果的である。
ところで、上述のように触媒反応器10出口側の処理ガスEの温度に基づいて放散塔2に投入する空気Bの量を制御する場合において、処理ガスEの温度が低くて空気Bの投入量を減少させる場合でも、この空気Bは希釈のほかに放散塔2に供給されたVOC含有排水AのVOC成分の放散にも用いられるため、空気Bの投入量はVOC含有排水Aの供給量に対して一定量未満に減少させることはできない。
ここで、放散塔2に投入される空気Bの空塔モル速度G(kmol/m2・h)に対して供給されるVOC含有排水Aの空塔モル速度L(kmol/m2・h)の比L/Gは、実際に放散塔2を設計する際に用いられる、液相中のmol分率を横軸(x軸)とし、気相中のmol分率を縦軸(y軸)としたx−y線図における回収部操作線の傾きで表すことができ、また同x−y線図における上記回収部操作線と気液平衡線の勾配の比λは、λ=m・G/L(ただし、mはヘンリー定数(molfr/molfr)である。)で表される。従って、λは小さいほど空気Bの投入量が少なく、λ=1が理想系であるので、上述のように空気Bの投入量を減少させる場合でも、VOC含有排水Aの供給量を確認しながらこのλが1以上となるように、放散塔2への空気Bの投入量である空塔モル速度G(kmol/m2・h)が決定されるのがより望ましい。
1 排水予熱器
2 放散塔
4 空気ブロワー
5 空気加熱器
6 空気調整弁
7 処理水抜出しポンプ
8 ガス加熱器
9 補助加熱器
10 触媒反応器
11 触媒
12 バイパス弁
13 バイパス経路
A VOC含有排水
B 空気
C 希釈ガス
E 処理ガス

Claims (2)

  1. 揮発性有機化合物成分を含有する揮発性有機化合物含有排水を放散塔に供給して、該放散塔に投入される空気により上記揮発性有機化合物成分を放散するとともに希釈し、この揮発性有機化合物成分を放散して希釈した希釈ガスを加熱して触媒と反応させることにより上記揮発性有機化合物成分を酸化分解処理するとともに、この酸化分解処理によって発生した処理ガスによって上記希釈ガスを加熱する揮発性有機化合物含有排水の処理方法であって、
    上記放散塔に供給される上記揮発性有機化合物含有排水の供給量L(kg)に対する該放散塔に投入された上記空気の量Vair(Nm)の比である空液比Vair/L(Nm/kg)を、Vair/L≧0.05(Nm/kg)とするとともに、上記揮発性有機化合物含有排水の高位発熱量HHV(kJ/kg)に対して、0.0417HHV≦Vair/L≦0.1274HHVの範囲に設定することを特徴とする揮発性有機化合物含有排水の処理方法。
  2. 上記揮発性有機化合物含有排水の高位発熱量HHV(kJ/kg)を、HHV≦718(kJ/kg)とすることを特徴とする請求項1に記載の揮発性有機化合物含有排水の処理方法。
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