JP4177521B2 - 金属とアンモニアを含む排水の処理方法 - Google Patents

金属とアンモニアを含む排水の処理方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属とアンモニアを含む排水の処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、排水中のアンモニアを、酸素含有ガスの共存下に貴金属触媒と接触させて、無害な窒素ガスと水に酸化分解するに先立って、排水中の金属を分離除去して、触媒の性能低下を防止し、経済的な排水処理を可能とする金属とアンモニアを含む排水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
発電用ボイラの復水脱塩装置の再生排水や、肥料工場排水などには、かなりの量のアンモニアが含まれる場合があり、このような排水中のアンモニアの除去方法として、生物学的硝化脱窒素法、アンモニアストリッピング法、塩素酸化法、接触分解法などが知られている。
これらのアンモニアの除去方法の中で、生物学的硝化脱窒素法は、硝化細菌によりアンモニアを亜硝酸又は硝酸性窒素に酸化したのち、脱窒素細菌により窒素ガスに還元する方法である。この方法は、微生物反応であるために、種々の変動要因に対して分解活性が不安定である上に、広い設備面積が必要であり、かつ汚泥の後処理が必要であるなどの欠点を有している。また、アンモニアストリッピング法は、排水をアルカリ性として大量の空気と接触させ、アンモニアを大気中に放散させる方法である。この方法は、アルカリコストが高く、かつ放散させたアンモニアを再度吸着濃縮する必要があり、経済的でない。一方、塩素酸化法は、塩素添加により、アンモニウムイオンをクロラミンを経由して窒素ガスに酸化する方法である。この方法は、塩素添加量がアンモニアの10倍程度必要であり、アンモニア濃度の高い排水処理には不向きである上に、残留塩素の後処理が必要である。
これらの方法に対して、接触分解法は、装置の設置面積が小さい、運転管理が容易である、汚泥や残留塩素といった後処理を必要とする物質が生成しない、などの優れた特徴を有する処理方法である。しかし、排水中にアンモニアとともに鉄、銅、亜鉛、鉛などの金属が含まれていると、反応塔内での排水のpHの変化に伴って、金属類は水酸化物となって触媒上に付着し、あるいは触媒毒として作用し、触媒活性が低下する。このために、金属とアンモニアを含む排水の接触分解による処理方法の改良が検討されている。例えば、特開平7−265876号公報には、触媒の性能低下を防止し、経済的に排水処理を行うことを可能とする方法として、原水のpHを8〜12に調整し、生成する金属水酸化物を分離したのち、亜硝酸塩を添加し、加熱条件下で金属担持触媒充填塔に通水してアンモニアを分解する方法が提案されている。しかし、排水中に銅などのアンモニアと錯イオンを形成する金属が含まれると、これらの金属はアルカリ条件下では錯イオンとなって再溶解するために、完全に除去することは困難である。
また、特開平8−1172号公報には、貴金属担持触媒の性能低下を生ずることなく、アンモニア性窒素を窒素ガスとするアンモニア性窒素含有水の処理方法として、あらかじめ水中の重金属イオンを除去したのち、亜硝酸又は亜硝酸塩を添加して接触酸化分解する方法が提案され、キレート樹脂を用いた重金属イオンの除去が例示されている。しかし、排水中に複数の種類の金属が含まれる場合、各種金属に対する樹脂の選択性に差があるために、各種の金属を完全に除去することは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、排水中のアンモニアを、酸素含有ガスの共存下に貴金属触媒と接触させて、無害な窒素ガスと水に酸化分解するに先立って、排水中の金属を分離除去して、触媒の性能低下を防止し、経済的な排水処理を可能とする金属とアンモニアを含む排水の処理方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、排水をキレート樹脂又はイオン交換樹脂と接触させ、次いでpHを8〜12に調整して析出する金属水酸化物を固液分離することによって、排水から金属を除去したのち、酸素含有ガスの共存下に貴金属触媒と接触させることにより、アンモニアを効率的に酸化分解して無害な窒素ガスに変換し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)アンモニアと錯体を形成する銅イオン又は亜鉛イオンの少なくともいずれかを含み、かつ、銅、亜鉛、アルミニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、スズ、鉛からなる群から選ばれた金属イオンの2種以上の金属イオン並びにアンモニアを含む排水を処理する方法において、排水をキレート樹脂又はイオン交換樹脂と接触させてアンモニアと錯体を形成する金属イオンを除去し、次いでpHを8〜12に調整して析出する金属水酸化物を固液分離したのち、酸素含有ガスの共存下に操作圧力10kg/cm 2 G以下で貴金属担持触媒と接触させてアンモニアを酸化分解することを特徴とする金属イオンとアンモニアを含む排水の処理方法、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(2)貴金属担持触媒と接触させる、金属を除去した排水のpHが、10以上である第(1)項記載の金属イオンとアンモニアを含む水の処理方法、
を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の金属とアンモニアを含む排水の処理方法は、排水をキレート樹脂又はイオン交換樹脂と接触させ、次いでpHを8〜12に調整して析出する金属水酸化物を固液分離することにより、排水から金属を除去したのち、酸素含有ガスの共存下に貴金属担持触媒と接触させて、アンモニアを酸化分解し、無害な窒素ガスと水に変換するものである。本発明において、排水に含まれるアンモニアとは、水中で解離したアンモニウムイオン及び未解離のアンモニアをさす。
本発明方法を適用することができる排水に特に制限はなく、例えば、肥料工場排水、染料工場排水、半導体工場排水、発電所排水などの、金属とアンモニアを含む排水に適用することができる。アンモニアを含む排水に同時に含まれる金属としては、例えば、アルミニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、スズ、鉛などを挙げることができ、排水中には樹脂の選択性に差がある2種以上の金属が含まれる。排水をキレート樹脂又はイオン交換樹脂と接触させ、次いでpHを8〜12に調整して析出する金属水酸化物を固液分離することによって、金属とアンモニアを含む排水から金属を除去したのち、酸素含有ガスの共存下に貴金属担持触媒と接触させることにより、金属が触媒毒として作用して貴金属担持触媒の活性を低下させるおそれがなく、金属に起因するスケールによって触媒充填塔などの反応器に閉塞を生ずるおそれもなく、長期間にわたって安定して排水処理を継続することができる。
本発明方法においては、排水をキレート樹脂又はイオン交換樹脂と接触させたのち、pHを8〜12に調整して析出する金属水酸化物を固液分離する。排水のpHを8〜12に調整して析出する金属水酸化物を固液分離したのち、キレート樹脂又はイオン交換樹脂と接触させることも可能であるが、この順序にした場合、pH調整の回数が多くなり好ましくない。キレート樹脂又はイオン交換樹脂と接触する排水のpHは、1〜9であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。
【0006】
排水中にアンモニアと錯体を形成する金属イオン、例えば、銅イオン、亜鉛イオンなどが含まれている場合、これらの金属イオンは排水をアルカリ性にしても水酸化物として完全には析出せず、アンモニア錯体として水中に残存する。このために、排水にアンモニアと錯体を形成する金属イオンが含まれる場合には、あらかじめ排水をキレート樹脂又はイオン交換樹脂と接触させることにより、これらの金属イオンを除去する。金属イオンを除去するためのキレート樹脂としては、例えば、イミノジ酢酸型キレート樹脂、アミノリン酸型キレート樹脂、ポリ(t−ブチル−N−ビニルカルバメート)を熱分解して得られるキレート樹脂などを挙げることができる。金属イオンを除去するためのイオン交換樹脂としては、強酸性カチオン交換樹脂を好適に使用することができる。
本発明方法においては、排水をキレート樹脂又はイオン交換樹脂と接触させたのち、アルカリ剤を添加してpHを8〜12に調整し、金属を水酸化物として析出させ、固液分離する。pH調整により、樹脂により捕捉されなかった排水中の金属を、水酸化物として析出させて除去することができる。
樹脂塔から流出する排水のpHは、排水に含まれる金属の種類と樹脂塔への通水条件を考慮して、樹脂に捕捉されなかった金属が水酸化物として析出する値に調整する。例えば、排水中に銅とマンガンが含まれる場合、排水のpHを3に調整してキレート樹脂に接触させると銅は除去される一方、マンガンは除去されないため、樹脂吸着処理後の排水のpHを9〜11に調整し、樹脂に捕捉されなかったマンガンを水酸化物として析出させ除去する。pHの調整に使用するアルカリ剤に特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることができる。析出した金属水酸化物を固液分離する方法に特に制限はなく、例えば、孔径0.1〜20μm、好ましくは孔径1〜15μmのフィルターを用いてろ別することができる。また、固液分離に先立って、ポリマーなどを添加して凝集を行ってもよい。
【0007】
本発明方法においては、金属とアンモニアを含む排水から金属を除去したのち、酸素含有ガスの共存下に貴金属担持触媒と接触させる。このとき、貴金属担持触媒と接触させる水のpHが10以上であることが好ましく、11以上であることがより好ましい。水のpHを10以上とすることにより、水中のほぼすべてのアンモニア性窒素は未解離のアンモニアの状態となるので、迅速に気相へ移行して速やかに酸素ガスと反応する。アンモニアと酸素ガスの反応は、次式にしたがって進行し、アンモニアは無害な窒素ガスと水に酸化分解される。
4NH3 + 3O2 → 2N2 + 6H2
本発明方法において、排水をキレート樹脂又はイオン交換樹脂と接触させたのちpHを8〜12に調整し、析出した金属水酸化物を固液分離して得られる水はアルカリ性であるので、そのまま酸素含有ガスを吹き込んで貴金属担持触媒と接触させることができる。酸化剤として亜硝酸又は亜硝酸塩を用いて酸化分解する場合は、触媒と接触させる被処理水のpHは6〜7であることが好ましいので、金属を水酸化物として析出させて固液分離すると、水にふたたび酸を添加してpHを調整する必要があった。本発明方法においては、触媒と接触させる水のpHはアルカリ性であることが好ましいために、亜硝酸又は亜硝酸塩を酸化剤とする場合に比べて、pH調整の回数を少なくすることができる。
【0008】
本発明方法において使用する酸素含有ガスに特に制限はなく、例えば、空気を用いることができ、あるいは、液体空気の分留などにより得られる高純度の酸素ガスを用いることもできる。これらの中で、高純度の酸素ガスは、貴金属担持触媒との接触において、反応装置の容積効率を高めることができるので、好適に使用することができる。
本発明方法に用いる貴金属担持触媒の貴金属に特に制限はなく、例えば、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などを挙げることができる。これらの中で、白金を特に好適に用いることができる。本発明方法において、貴金属担持触媒の担体に特に制限はなく、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、ゼオライト、シリコンカーバイド、活性炭などを挙げることができる。これらの中で、チタニア、ジルコニア及びシリコンカーバイドを好適に用いることができる。担体の形状にも特に制限はないが、球状であることが好ましく、粒径は1〜6mmであることが好ましく、1.5〜3mmであることがより好ましい。
本発明方法においては、金属を除去した排水を、酸素含有ガスの共存下に貴金属担持触媒と接触させる際の操作圧力を、10kg/cm2G以下、すなわち、温度180℃以下とすることが好ましい。本発明方法によれば、アンモニアが酸素含有ガスと効率的に反応して酸化分解されるので、10kg/cm2Gを超える圧力、すなわち、180℃を超える温度の必要はなく、その結果、アンモニアを含む排水の処理に消費される熱エネルギーを節減し、設備費を低減することができる。
【0009】
図1は、本発明方法を実施するための装置の一態様の工程系統図である。金属とアンモニアを含む排水は、原水槽1に貯留され、必要に応じてpH1〜9に調整される。原水槽の排水は、ポンプ2によりキレート樹脂又はイオン交換樹脂を充填した樹脂充填塔3に通水処理され、所定の金属イオンを除去したのち貯槽4に貯留される。貯槽4においては、必要に応じてアルカリが添加されて、pH8〜12に調整され、金属が水酸化物となって析出する。金属水酸化物が析出した水は、ポンプ5によってろ過器6に送られ、固液分離される。金属水酸化物が除去されたろ過器流出水は、いったん貯槽7に貯留されたのち、ポンプ8により昇圧されて配管へ送られ、配管内でコンプレッサー9により昇圧された酸素含有ガスと混合され、熱交換器10及び加熱器11を経て所定の温度に昇温され、触媒反応塔12に通水処理される。触媒反応塔より流出する処理水は、熱交換器10及び冷却器13を経て冷却され、気液分離器14において排ガスと処理水に分離される。
従来の金属とアンモニアを含む排水の湿式酸化処理においては、排水中の金属が、触媒湿式酸化する際に、スケール成分として加熱器などに蓄積して加熱効率を低下させたり、また、金属が触媒の表面に付着して触媒毒となり、触媒活性の低下の原因となっていた。その際には、硫酸、硝酸などの酸や、ヒドラジン、アンモニウム塩などの還元剤を用いて、触媒表面上に付着している触媒毒となる成分を除去していたが、そのためには洗浄設備が必要となり、設備費が嵩んでいた。本発明方法によれば、排水をキレート樹脂又はイオン交換樹脂と接触させることにより、アンモニアと錯体を形成する銅イオンなどを除去し、さらに、排水をアルカリ性にして、残余の金属を水酸化物として固液分離することにより除去し、排水中の金属を完全に除去したのち、酸素含有ガスの共存下に貴金属担持触媒と接触させるので、加熱器に金属に起因するスケールが付着したり、触媒湿式酸化装置内で触媒表面に付着し、触媒活性を低下させたり、触媒湿式酸化装置の閉塞を生じたりすることがなく、長期間にわたって運転を継続し、金属とアンモニアを含む排水を安定して湿式酸化分解することができる。
【0010】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
アンモニア性窒素2,000mg/リットル、硫酸イオン3,000mg/リットル、銅4mg/リットル、鉄7mg/リットル、マンガン3mg/リットル及び亜鉛4.8mg/リットルを含む発電所排水の処理を行った。
この排水のpHを4.5に調整し、キレート樹脂[バイエル社、レバチットTP−207、H+型]175mlを充填した直径30mm、長さ250mmのキレート樹脂塔に、SV=10(1,750ml/h)で通水処理した。キレート樹脂塔から流出する水の水質は、アンモニア性窒素2,000mg/リットル、亜硝酸性窒素と硝酸性窒素は検出されず、銅0.1mg/リットル以下、鉄5mg/リットル、マンガン3mg/リットル、亜鉛0.1mg/リットル以下、pH4.5であった。
キレート樹脂塔の流出水のpHを11に調整し、10μmフィルターを備えたろ過器に通水した。ろ過器から流出する水の水質は、アンモニア性窒素2,000mg/リットル、亜硝酸性窒素と硝酸性窒素は検出されず、銅、鉄、マンガン及び亜鉛はすべて0.1mg/リットル以下、pH11.2であった。
直径30mm、長さ70mmの反応器に、白金1重量%を担持したチタニア触媒50mlを充填し、ろ過器の流出水に純度99容量%の酸素ガス12ml/分を吹き込みながら、SV=3(150ml/h)で通水し、反応温度170℃、操作圧力9.5kg/cm2Gで処理した。反応器より流出する処理水の水質は、アンモニア性窒素400mg/リットル、亜硝酸性窒素と硝酸性窒素の合計1mg/リットル以下、銅、鉄、マンガン及び亜鉛はすべて0.1mg/リットル以下、pH10.2であった。
ろ過器の流出水500リットル、すなわち10,000BVを連続して反応器に通水したが、反応器の閉塞を生ずることがなく、反応器から流出する処理水の水質に変化を生ずることもなく、安定して処理することができた。
比較例1
実施例1で用いた発電所排水のpHを11に調整し、10μmフィルターを備えたろ過器に通水した。ろ過器から流出する水の水質は、アンモニア性窒素2,000mg/リットル、亜硝酸性窒素と硝酸性窒素は検出されず、銅4mg/リットル、鉄0.1mg/リットル以下、マンガン0.1mg/リットル以下、亜鉛3.2mg/リットル、pH11.2であった。
実施例1と同じ触媒を充填した反応器に、ろ過器の流出水に純度99容量%の酸素ガス12ml/分を吹き込みながら、SV=3(150ml/h)で通水し、反応温度170℃、操作圧力9.5kg/cm2Gで処理した。反応器より流出する処理水の水質は、アンモニア性窒素400mg/リットル、亜硝酸性窒素と硝酸性窒素の合計1mg/リットル以下、銅、鉄、マンガン及び亜鉛はすべて0.1mg/リットル以下、pH10であった。
連続してろ過器の流出水を通水したところ、通水量400リットル、すなわち8,000BVを反応器に通水したとき、反応器の閉塞が起こり、通水処理が不可能となった。反応器を開くと、内部に青白色のスケールが付着していた。このスケール成分を、蛍光X線分析により分析したところ、銅と亜鉛を主成分とするスケールであることがわかった。
実施例1及び比較例1の結果を、第1表に示す。
【0011】
【表1】
Figure 0004177521
【0012】
実施例1及び比較例1より、排水をアルカリ性としてろ過するのみでは除去できない金属分を、キレート樹脂を用いて除去することにより、長期にわたって安定してアンモニアを含む排水を酸化分解処理することが可能となることが分かった。
【0013】
【発明の効果】
本発明方法にしたがって、排水をキレート樹脂又はイオン交換樹脂と接触させ、次いでpHを8〜12に調整して析出する金属水酸化物を固液分離することによって、金属とアンモニアを含む排水から金属を除去したのち、酸素含有ガスの共存下に貴金属担持触媒と接触させることにより、金属による触媒を充填した反応器へのスケールの付着がなくなり、また、金属による触媒活性の低下がなくなり、効率よくアンモニアを含む排水を処理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明方法を実施するための装置の一態様の工程系統図である。
【符号の説明】
1 原水槽
2 ポンプ
3 樹脂充填塔
4 貯槽
5 ポンプ
6 ろ過器
7 貯槽
8 ポンプ
9 コンプレッサー
10 熱交換器
11 加熱器
12 触媒反応塔
13 冷却器
14 気液分離器

Claims (1)

  1. アンモニアと錯体を形成する銅イオン又は亜鉛イオンの少なくともいずれかを含み、かつ、銅、亜鉛、アルミニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、スズ、鉛からなる群から選ばれた金属イオンの2種以上の金属イオン並びにアンモニアを含む排水を処理する方法において、排水をキレート樹脂又はイオン交換樹脂と接触させてアンモニアと錯体を形成する金属イオンを除去し、次いでpHを8〜12に調整して析出する金属水酸化物を固液分離したのち、酸素含有ガスの共存下に操作圧力10kg/cm 2 G以下で貴金属担持触媒と接触させてアンモニアを酸化分解することを特徴とする金属イオンとアンモニアを含む排水の処理方法。
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