JP5322574B2 - 脱窒装置の付着物除去方法 - Google Patents

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本発明は、アンモニア性窒素を含む排水を処理して排水中のアンモニア性窒素を除去するための脱窒装置において行われる付着物除去方法に関する。
一般に、火力発電設備においては、復水脱塩装置、及び電気式集塵機等、種々の装置から、アンモニア性窒素を含有する排水が排出されている。このような窒素分を含む排水は、そのまま海洋に放出すれば、海洋の富栄養化をもたらす原因となるため、何らかの手段によって、窒素分を除去してから排出することが求められている。
窒素成分を含有する排水から、窒素成分を除去する方法としては、生物学的処理方法、及び物理化学的処理方法等の方法が知られているが、大量の排水を効率良く処理するためには、物理化学的処理方法を用いることが好ましい。
アンモニア性窒素を含有する排水を物理化学的処理方法により処理する脱窒装置としては、例えば、アンモニアストリッピング法を用いた脱窒装置が知られている。具体的には、排水に強塩基を添加することにより、排水に含有されるアンモニウム塩をアンモニアに変換し、放散塔(アンモニアストリッパー)において、排水からアンモニアを分離する。アンモニアストリッパーはいわゆる、アンモニアの気化装置であり、アンモニアを含有する排水を水蒸気によって加熱することにより、排水中に含まれるアンモニアを気化・分離する。
ところで、上記アンモニアストリッピング法を用いた脱窒装置を用いて、アンモニア性窒素を含有する排水を処理する際には、脱窒装置の配管内部にスケールと呼ばれる付着物が付着し、配管を閉塞することがある。スケールとは、主に排水中に含まれる硬度成分や金属イオンの水酸化物であって、具体的には、Ca(OH)、Mg(OH)、Fe(OH)、及びNi(OH)等により構成されていることが知られている。
このような、脱窒装置におけるスケールの発生は、主に、排水中の硬度成分の存在に起因すると考えられる。即ち、一般に工業用水にはカルシウムやマグネシウムが含まれている場合があり、ボイラ排ガスから二酸化硫黄を除去するために用いられる排煙脱硫装置の排水からもカルシウムが検出される。また、硬度成分のほかにも、発電所内の配管の腐食等に伴い、鉄イオン等が排水に混入することもある。
このような排水中に混入した硬度成分や金属イオンは、脱窒装置において強塩基を添加された際、水酸化物として析出し、これが配管内部に付着して配管を閉塞するものと考えられる。
以上のように、アンモニアストリッピング法を用いた脱窒装置においては、従来よりスケールの発生が問題とされていたが、このような問題を解決するための手段として、特許文献1には、アンモニアを含む原水を、実質的に内部が空洞の蒸発管内に投入し、蒸気による撹拌により、アンモニア蒸気を蒸留した後、前記蒸気導入を停止し、前記該蒸発缶内を大気開放により処理水を次段の蒸発缶若しくは系外に排出するバッチ処理動作の繰り返しによりアンモニア蒸留を行うことを特徴とするアンモニア処理方法が開示されている。
特許文献1に記載の発明によれば、内部空洞型の蒸発缶を用い且つバッチ処理のために、アンモニア性窒素とSS分、硬度成分(Ca、Mg)或いはpHをあげた際における水酸化物を精製する金属イオンを含む排水や汚泥等の処理においても、スケーリングや閉塞を起こすことがないとされる。又、前記蒸発缶群をシリーズに連結したために、少ない蒸気吹き込み量で、高い除去能を得ることができるとされる。
特開2003−181444号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明においては、スケールの付着による配管の閉塞を抑制することはできるものの、スケールの付着自体を防止するものではなく、スケールの除去においては、別途、除去手段を要するものである。即ち、多量のスケールが付着した場合には、特許文献1に記載の発明においても、配管の閉塞が生じることがあり、この場合にはスケールの除去を行わなければならない。
また、特許文献1に記載の発明は、既存の脱窒装置においてスケールの付着を防止するものではなく、新たな設備投資を行う必要があるものである。
本発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであり、既存の脱窒装置において行われるスケールの除去方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、脱窒装置において、放散塔とそれに付随する配管の内部に工業用水を充填させて弱酸を添加し、放散塔とそれに付随する配管の内部にこれを循環させ、排出することにより、スケールを効果的に除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) アンモニウム塩と強塩基とを反応させてアンモニアを生成するための脱窒中継槽と、前記脱窒中継槽で生成されたアンモニアを排水中から除去するための放散塔と、アンモニアを除去した排水を排出するための浄水排出経路と、前記脱窒中継槽と前記放散塔とを連結する脱窒中継槽−放散塔連結経路と、前記浄水排出経路と前記脱窒中継槽−放散塔連結経路とを短絡する脱窒循環バイパス経路と、前記浄水排出経路上、前記浄水排出経路と前記脱窒循環バイパス経路とが分岐する脱窒バイパス分岐点と、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路上、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路と前記脱窒循環バイパス経路とが合流する脱窒バイパス合流点と、前記浄水排出経路上、前記脱窒バイパス分岐点以降に備えられる浄水排出経路弁と、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路上、前記脱窒バイパス合流点と前記脱窒中継槽との間に備えられる脱窒中継槽−放散塔連結経路弁と、前記脱窒循環バイパス経路上に備えられる、脱窒循環バイパス経路弁と、を備え、アンモニウム塩を含有する排水からアンモニウム塩を除去するための脱窒装置において、前記脱窒装置に付着した塩基性の付着物を除去するための脱窒装置の付着物除去方法であって、前記浄水排出経路、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路、及び前記放散塔に残留する排水を排出して工業用水を充填する第一の工程と、前記浄水排出経路、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路、及び前記放散塔に充填した工業用水に、弱酸を添加する第二の工程と、前記脱窒循環バイパス経路弁を開弁し、前記浄水排出経路弁と前記脱窒中継槽−放散塔連結経路弁と、を閉弁し、前記弱酸が添加された工業用水を循環させる第三の工程と、前記脱窒循環バイパス経路弁を閉弁し、前記浄水排出経路弁と前記脱窒中継槽−放散塔連結経路弁と、を開弁し、前記弱酸が添加された工業用水を排出する第四の工程と、を含む脱窒装置の付着物除去方法。
(2) 前記塩基性の付着物は、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄、及び水酸化ニッケルからなる群から選ばれる少なくとも一種であり、前記弱酸は、これらの水酸化物と反応した際、不溶性の塩を形成しない酸である、(1)に記載の脱窒装置の付着物除去方法。
(1)に記載の発明は、脱窒装置の配管に備えられる弁の開閉を行って、付着物除去方法の実施のための循環経路を形成し、当該循環経路に弱酸を含む工業用水を循環させてスケール等の付着物を除去するものである。(1)に記載の発明は、脱窒装置に備えられる既存の配管を利用し、付着物除去方法の実施のための新たな設備を要しないので、コストをかけずに脱窒装置の付着物除去方法を実施することができる。
また、(1)に記載の発明においては、工業用水に弱酸を添加し、循環経路にこれを循環させている。脱窒装置に付着する塩基性の付着物が、(2)に記載の発明に示されるように、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄、及び水酸化ニッケルからなる群から選ばれる少なくとも一種であり、弱酸が、これらの水酸化物と不溶性の塩を形成しない酸である場合には、当該付着物と弱酸を反応させることにより、可溶性の塩が形成されるので、塩基性の付着物を工業用水に溶解させて、容易に除去することができる。更に、工業用水に添加する酸が弱酸であるので、付着物除去方法を実施する際に、脱窒装置の配管等を損傷することがない。
(3) 前記弱酸は有機酸であることを特徴とする(1)又は(2)記載の脱窒装置の付着物除去方法。
有機酸は、カルシウム等の硬度成分と不溶性の塩を形成しないことが多い。(3)に記載の発明によれば、弱酸として有機酸を用いているので、付着物除去方法を効果的に実施することができる。また、有機酸は、カルシウム等の硬度成分をキレートする効果を有する場合がある。このため、可溶性の塩を形成することによる効果に加えて、硬度成分をキレートすることにより、効果的に付着物を除去することができる。
(4) 前記第三の工程において、前記弱酸が添加された工業用水を1時間以上10時間以下循環させる、(1)から(3)のいずれかに記載の脱窒装置の付着物除去方法。
(4)に記載の発明によれば、弱酸が添加された工業用水を循環させる時間が1時間以上であるので、脱窒装置の配管の内部等に付着した付着物を、十分に除去することができる。また、弱酸が添加された工業用水を循環させる時間が10時間以下であるので、脱窒装置の停止による影響を最低限に抑えることができる。上記時間は、2時間以上5時間以下であることが更に好ましい。
(5) 前記第三の工程において、前記弱酸が添加された工業用水を循環させた後、循環を停止して1時間以上20時間以下放置する、(1)から(4)のいずれかに記載の脱窒装置の付着物除去方法。
(5)に記載の発明によれば、弱酸が添加された工業用水を循環させた後、循環を停止して1時間以上放置するので、弱酸が添加された工業用水を循環させた際に除去することができなかった付着物も完全に除去することができる。また、放置する時間が20時間以下であるので、脱窒装置の停止による影響を最低限に抑えることができる。上記時間は、5時間以上15時間以下であることが更に好ましい。
(6) 前記第四の工程の後に、前記浄水排出経路、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路、及び前記放散塔に工業用水を充填する第五の工程と、前記脱窒循環バイパス経路弁を開弁し、前記浄水排出経路弁と前記脱窒中継槽−放散塔連結経路弁と、を閉弁し、工業用水を循環する第六の工程と、前記脱窒循環バイパス経路弁を閉弁し、前記浄水排出経路弁と前記脱窒中間層−放散塔連結経路弁と、を開弁し、工業用水を排出する第七の工程と、を行う(1)から(5)のいずれかに記載の脱窒装置の付着物除去方法。
(6)に記載の発明は、塩基性の付着物が溶解した工業用水を排出した後、脱窒装置内部に工業用水を充填して循環させ、これを排出するものである。(6)に記載の発明によれば、脱窒装置内に残留する弱酸や硬度成分が完全に洗い流されるため、排水の処理を開始した後に、脱窒装置に悪影響を与えることがない。
本発明によれば、脱窒装置に備えられる既存の配管を利用し、付着物除去方法の実施のための新たな設備を要しないので、コストをかけずに脱窒装置の付着物除去方法を実施することができる。また、弱酸を添加した工業用水を脱窒装置内部に循環させているので、塩基性の付着物を効果的に除去することができる。
次に本発明に係る脱窒装置の付着物除去方法について、図面を参照しながら説明する。
<脱窒装置>
まず、本実施形態に係る脱窒装置について説明する。
[脱窒装置の構成]
図1に本実施形態に係る脱窒装置を示す。本実施形態に係る脱窒装置は、排水中のアンモニウム塩と強塩基とを反応させてアンモニアを生成するための脱窒中継槽16と、前記脱窒中継槽16で生成されたアンモニアを排水中から除去するための放散塔11と、を有する。
また、本実施形態に係る脱窒装置において、各機器を連結する配管として、脱窒中継槽16と放散塔11とを連結する脱窒中継槽−放散塔連結経路20と、アンモニアを除去した排水を排出するための浄水排出経路23と、浄水排出経路23と脱窒中継槽−放散塔連結経路20とを短絡する脱窒循環バイパス経路29と、を有する。ここで、便宜上、浄水排出経路23上、浄水排出経路23と脱窒循環バイパス経路29とが分岐する分岐点を脱窒バイパス分岐点25と称し、脱窒中継槽−放散塔連結経路20上、脱窒中継槽−放散塔連結経路20と脱窒循環バイパス経路29とが合流する合流点を脱窒バイパス合流点24と称する。
更に、本実施形態に係る脱窒装置には、各配管上に弁が備えられている。即ち、本実施形態に係る脱窒装置は、浄水排出経路23上、脱窒バイパス分岐点25以降に備えられる浄水排出経路弁26と、脱窒中継槽−放散塔連結経路20上、脱窒バイパス合流点24と脱窒中継槽16との間に備えられる脱窒中継槽−放散塔連結経路弁17と、脱窒循環バイパス経路29上に備えられる、脱窒循環バイパス経路弁(図示せず)と、を有する。
他にも、本実施形態に係る脱窒装置は、排水を貯留するための第一の排水貯留槽12と、排水に電解質を添加して、排水中に拡散している不溶性成分を塩析させるための脱窒反応槽14と、当該不溶性成分を沈殿させるための脱窒沈殿槽15と、脱窒バイパス合流点24に備えられる脱窒循環ポンプ18と、放散塔11に流入する排水と放散塔11から流出する浄水との間で熱交換を行う予熱器19と、放散塔11からの排水を貯留するための第二の排水貯留槽30と、浄水排出経路23から分岐し、放散塔11から排出される排水を第二の排水貯留槽30に導く排水排出経路31と、を有する。ここで、浄水排出経路23と、排水排出経路31との間での流路の選択は、それぞれの経路上に備えられる弁によって行うことができる。
[脱窒装置の動作]
本実施形態に係る脱窒装置は以下のように動作する。即ち、火力発電設備の各機器から流出する排水は、第一の排水貯留槽12に集められ、次いで脱窒反応槽14に送られる。脱窒反応層においては、排水に水酸化ナトリム等の電解質が添加され、排水中に分散している不溶性成分を塩析する。電解質が添加された排水は、脱窒沈殿槽15に送られ、塩析された不溶性成分が沈殿する。不溶性成分を沈殿させた後の排水は、脱窒中継槽16に送られ、水酸化ナトリム等の強塩基が添加されることにより、アンモニウム塩をアンモニアに変換する。
アンモニアを含有する排水は、放散塔11に送られ、アンモニアストリッピング法によりアンモニアを気化する。これに先立って、アンモニアを含有する排水は、予熱器19を通過し、放散塔11から排出される高温の浄水と熱交換されることにより予熱される。これにより、アンモニアストリッピング法を実施する際、排水の加熱に要する熱エネルギーを削減することができる。放散塔11において気化されたアンモニアは、凝縮器21でアンモニア水に凝縮され、回収タンク22に回収される。
放散塔11でアンモニアが除かれた浄水は、再び予熱器19を通過してアンモニアを含む排水と熱交換し、浄水排出経路23を通過して排出される。
<脱窒装置の付着物除去方法>
本実施形態に係る脱窒装置の付着物除去方法は、浄水排出経路23、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び放散塔11に残留する排水を排出して工業用水を充填する第一の工程と、浄水排出経路23、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び放散塔11に充填した工業用水に、弱酸を添加する第二の工程と、脱窒循環バイパス経路弁を開弁し、浄水排出経路弁26と脱窒中継槽−放散塔連結経路弁17と、を閉弁し、弱酸が添加された工業用水を循環させる第三の工程と、脱窒循環バイパス経路弁を閉弁し、浄水排出経路弁26と脱窒中継槽−放散塔連結経路弁17と、を開弁し、弱酸が添加された工業用水を排出する第四の工程と、を含む。
更に、本実施形態に係る脱窒装置の付着物除去方法は、必要に応じて、第四の工程の後に行われ、浄水排出経路23、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び放散塔11に工業用水を充填する第五の工程と、脱窒循環バイパス経路弁を開弁し、浄水排出経路弁26と脱窒中継槽−放散塔連結経路弁17と、を閉弁し、工業用水を循環する第六の工程と、脱窒循環バイパス経路弁を閉弁し、浄水排出経路弁26と脱窒中間層−放散塔連結経路弁と、を開弁し、工業用水を排出する第七の工程と、を含む。
[第一の工程]
本実施形態に係る脱窒装置の付着物除去方法においては、まず、浄水排出経路23、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び放散塔11に残留する排水を排出して、工業用水を充填する。また、この際、脱窒中継槽16に残留する排水も、同時に排出すると良い。排水の排出に際しては、浄水排出経路23、及び排水排出経路31に備えられる弁(図1の弁27、及び弁28)の開閉を行うことにより、放散塔11からの排水が浄水排出経路23を経由して排水排出経路31に流入するように、流路を設定すると良い。これにより、浄水排出経路23、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び放散塔11に残留する排水が第二の排水貯留槽30に流入する。第二の排水貯留槽30は、図1に示されるように、第一の排水貯留槽12と連結している。このため、第二の排水貯留槽30に排出された排水は、脱窒装置が運転を再開した際に、再度、脱窒装置によって処理される。
工業用水を浄水排出経路23、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び放散塔11に充填する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、脱窒中継槽16に工業用水を充填して、この工業用水を浄水排出経路23、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び放散塔11に引き込むことにより、充填させることができる。
[第二の工程]
第二の工程においては、第一の工程において、浄水排出経路23、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び放散塔11に充填した工業用水に弱酸を添加する。弱酸を添加する際の添加口としては、特に限定されるものではないが、例えば、放散塔11に直接添加しても良いし、第一の工程において、工業用水を脱窒中継槽16に充填する際に、充填させる工業用水に添加しても良い。
(弱酸)
本実施形態に係る脱窒装置の付着物除去方法においては、工業用水に弱酸を添加することにより、付着物の主成分である、硬度成分や金属イオン等の水酸化物を溶解するものである。付着物の成分としては、具体的には水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄、及び水酸化ニッケル等を挙げることができる。
工業用水に添加する弱酸としては、弱酸である有機酸、無機酸を好適に用いることができる。具体的には、有機酸として、酢酸、クエン酸、及びシュウ酸が、無機酸として、硫酸、塩酸、及び硝酸が挙げられる。このような有機酸、無機酸のうち、上記付着物の成分である水酸化物と不溶性の塩を形成するものは好ましくなく、例えば、炭酸、脂肪酸等は本発明において、工業用水に添加する酸として利用することができない。これらのうち、有機酸を好ましく用いることができる。
有機酸の中には、エチレンジアミン四酢酸に代表される多価カルボン酸等、キレート剤として作用しうるものが存在する。本実施形態において、脱窒装置の付着物除去方法に用いることができる弱酸としては、このような、キレート力を有する有機酸を用いることもできる。
[第三の工程]
工業用水に弱酸を添加した後は、脱窒循環バイパス経路弁を開弁し、浄水排出経路弁26と脱窒中継槽−放散塔連結経路弁17と、を閉弁し、弱酸が添加された工業用水を浄水排出経路23、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び放散塔11に循環させることにより、付着物を工業用水中に溶解させる。弱酸を添加した工業用水の循環には、脱窒循環ポンプ18の駆動力を利用することが好ましいが、特にこれに限定されない。
弱酸を添加した工業用水は、1時間以上10時間以下循環させることが好ましく、2時間以上5時間以下循環させることが更に好ましい。弱酸を添加した工業用水を循環させる時間が1時間以上であることにより、脱窒装置内部の付着物を容易に除去することができる。また、弱酸を添加した工業用水を循環させる時間が10時間以下であるので、脱窒装置の停止による影響を最低限に抑えることができる。
弱酸を添加した工業用水を所定時間循環させた後は、脱窒循環ポンプ18を停止して、1時間以上20時間以下放置することが好ましい。これにより、弱酸を添加した工業用水を循環させる際に除去することができなかった付着物も完全に除去することができる。循環を停止して放置する上記時間は、5時間以上15時間以下であることが更に好ましい。
[第四の工程]
弱酸を添加した工業用水を循環させた後は、弱酸を添加した工業用水を脱窒装置から排出する。即ち、脱窒循環バイパス経路弁を閉弁し、浄水排出経路弁26と脱窒中継槽−放散塔連結経路弁17と、を開弁して弱酸を添加した工業用水を第二の排水貯留槽30に導くための流路を形成し、第二の排水貯留槽30に弱酸を添加した工業用水を排出する。この際、図1に示される弁27、及び弁28を開閉して、排水排出経路31に弱酸を添加した工業用水が流れるようにする。
第二の排水貯留槽30に導かれた、弱酸を添加した工業用水は、脱窒装置が起動した後、第一の排水貯留槽12に導かれ、脱窒装置によって処理されて、浄水となって排出される。
[第五の工程、第六の工程、及び第七の工程]
第五の工程は、第四の工程の後に行われる工程であって、浄水排出経路23、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び放散塔11に工業用水を充填する第五の工程と、脱窒循環バイパス経路弁を開弁し、浄水排出経路弁26と脱窒中継槽−放散塔連結経路弁17と、を閉弁し、工業用水を循環する第六の工程を、任意に含みうるものである。
第五の工程から第七の工程が行われることにより、脱窒装置内に残留する弱酸や硬度成分が完全に洗い流されるため、排水の処理を開始した後に、脱窒装置に悪影響を与えることがない。脱窒装置に工業用水を循環する時間は、特に限定されないが、脱窒装置内の排水のpHが6以上7以下となる程度まで循環することが好ましい。具体的には、1時間以上5時間以下循環することが好ましく、2時間以上3時間以下循環することが更に好ましい。
脱窒装置に工業用水を循環させた後は、第七の工程において、脱窒循環バイパス経路弁を閉弁し、浄水排出経路弁26と脱窒中間層−放散塔連結経路弁と、を開弁して、工業用水を排出する。
本実施形態に係る脱窒装置の付着物除去方法が実施される脱窒装置の概略を示す図面である。
符号の説明
11 放散塔
12 第一の排水貯留槽
14 脱窒反応槽
15 脱窒沈殿槽
16 脱窒中継槽
17 脱窒中継槽−放散塔連結経路弁
18 脱窒循環ポンプ
19 予熱器
20 脱窒中継槽−放散塔連結経路
21 凝縮器
22 回収タンク
23 浄水排出経路
24 脱窒バイパス合流点
25 脱窒バイパス分岐点
26 浄水排出経路弁
27 弁
28 弁
29 脱窒循環バイパス経路
30 第二の排水貯留槽
31 排水排出経路

Claims (7)

  1. アンモニウム塩と強塩基とを反応させてアンモニアを生成するための脱窒中継槽と、
    前記脱窒中継槽で生成されたアンモニアを排水中から除去するための放散塔と、
    アンモニアを除去した排水を排出するための浄水排出経路と、
    前記脱窒中継槽と前記放散塔とを連結する脱窒中継槽−放散塔連結経路と、
    前記浄水排出経路と前記脱窒中継槽−放散塔連結経路とを短絡する脱窒循環バイパス経路と、
    前記浄水排出経路上、前記浄水排出経路と前記脱窒循環バイパス経路とが分岐する脱窒バイパス分岐点と、
    前記脱窒中継槽−放散塔連結経路上、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路と前記脱窒循環バイパス経路とが合流する脱窒バイパス合流点と、
    前記脱窒中継槽−放散塔連結経路と前記浄水排出経路上、前記脱窒バイパス合流点および前記脱窒バイパス分岐点よりも放散塔側に備えられる、前記放散塔に前記脱窒中継槽−放散塔連結経路を介して流入する排水と前記放散塔から前記浄水排出経路を介して流出する浄水との間で熱交換を行う予熱器と、
    前記浄水排出経路上、前記脱窒バイパス分岐点以降に備えられる浄水排出経路弁と、
    前記脱窒中継槽−放散塔連結経路上、前記脱窒バイパス合流点と前記脱窒中継槽との間に備えられる脱窒中継槽−放散塔連結経路弁と、
    前記脱窒循環バイパス経路上に備えられる、脱窒循環バイパス経路弁と、を備え、アンモニウム塩を含有する排水からアンモニウム塩を除去するための脱窒装置において、
    前記脱窒装置に付着した塩基性の付着物を除去するための脱窒装置の付着物除去方法であって、
    前記浄水排出経路、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路、及び前記放散塔に残留する排水を排出して工業用水を充填する第一の工程と、
    前記浄水排出経路、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路、及び前記放散塔に充填した工業用水に、弱酸を添加する第二の工程と、
    前記脱窒循環バイパス経路弁を開弁し、前記浄水排出経路弁と前記脱窒中継槽−放散塔連結経路弁と、を閉弁し、前記弱酸が添加された工業用水を循環させる第三の工程と、
    前記脱窒循環バイパス経路弁を閉弁し、前記浄水排出経路弁と前記脱窒中継槽−放散塔連結経路弁と、を開弁し、前記弱酸が添加された工業用水を排出する第四の工程と、を含む脱窒装置の付着物除去方法。
  2. 前記脱窒バイパス合流点に脱窒循環ポンプを備え、
    前記第三の工程において、前記脱窒循環ポンプを駆動し、前記弱酸が添加された工業用水を循環させることを特徴とする請求項1記載の脱窒装置の付着物除去方法。
  3. 前記塩基性の付着物は、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄、及び水酸化ニッケルからなる群から選ばれる少なくとも一種であり、前記弱酸は、これらの水酸化物と反応した際、不溶性の塩を形成しない酸である、請求項1又は2記載の脱窒装置の付着物除去方法。
  4. 前記弱酸は有機酸であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の脱窒装置の付着物除去方法。
  5. 前記第三の工程において、前記弱酸が添加された工業用水を1時間以上10時間以下循環させる、請求項1から4のいずれかに記載の脱窒装置の付着物除去方法。
  6. 前記第三の工程において、前記弱酸が添加された工業用水を循環させた後、循環を停止して1時間以上20時間以下放置する、請求項1から5のいずれかに記載の脱窒装置の付着物除去方法。
  7. 前記第四の工程の後に、前記浄水排出経路、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路、及び前記放散塔に工業用水を充填する第五の工程と、
    前記脱窒循環バイパス経路弁を開弁し、前記浄水排出経路弁と前記脱窒中継槽−放散塔連結経路弁と、を閉弁し、工業用水を循環する第六の工程と、
    前記脱窒循環バイパス経路弁を閉弁し、前記浄水排出経路弁と前記脱窒中間層−放散塔連結経路弁と、を開弁し、工業用水を排出する第七の工程と、を行う請求項1から6のいずれかに記載の脱窒装置の付着物除去方法。
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