JP3980842B2 - アンモニア含有排水の浄化装置および浄化方法 - Google Patents

アンモニア含有排水の浄化装置および浄化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアンモニア含有排水の浄化装置および浄化方法に係り、特に火力発電所などから排出される排水中に含まれるアンモニア(NH3 )を効率よく、かつ安定して除去することができるアンモニア含有排水の浄化装置および浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保全に対する関心の高まりや、平成5年に海域の富栄養化対策としての規制が施行されたこともあり、排水中の窒素除去に対する新しい処理技術の開発が求められている。従来から排水中の窒素を除去する方法としてはアンモニア含有排水を空気または蒸気を用いて気相中に放散除去するアンモニアストリッピング法が知られている。このアンモニアストリッピング法は、比較的処理が簡単で設備費、運転費が安い利点を有するため、分離した高濃度のNH3 ガスを触媒で酸化分解する方法と組合わせ、総合的な無害化方式として、現有のし尿処理施設においても採用されている。
【0003】
図3は従来技術によるアンモニア浄化装置の説明図である。
この装置は、アンモニア含有排水1を貯留する排水槽2と、アンモニア含有排水1のpHを調整する反応槽40と、該反応槽40で生じた固形物を除去する沈殿槽42と、固形物が除去された排水1を中継槽45および熱交換器5を経て放散塔10の上部に供給する放散塔供給ポンプ46と、該放散塔10の下部にキャリアガスとしての蒸気および空気を供給する蒸気供給装置13および空気ブロア7と、該放散塔10の下部に設けられた処理水を貯留する液溜部12と、該処理水を貯留する処理水槽8と、前記放散塔10の上部から排出されるアンモニア含有ガスを処理する加熱器14および触媒塔15とから主として構成される。
【0004】
このような構成において、アンモニア含有排水1は排水槽2に一旦貯留された後、排水供給ポンプ4により反応槽40に供給される。反応槽40では苛性ソーダ供給装置3から供給される苛性ソーダにより排水1のpHが8〜10程度に調整され、これにより反応槽40内では水酸化マグネシウム等が固形物として析出する。析出した水酸化マグネシウム等の固形物は、粒子径が小さくそのままでは沈降しにくいため、凝集剤供給装置41から凝集剤を添加して粒子径を大きくして固形物の沈降を容易にする。
次に排水1は沈澱槽42に供給され、ここで析出した固形物はスラリとして沈澱槽42の下部から脱水機供給ポンプ43によって抜出され、脱水機44に供給され、固形物と液に分離される。一方、沈澱槽42によって固形物が除去された排水1は一旦中継槽45に供給され、苛性ソーダ供給装置3より供給される苛性ソーダによって再度pHが10〜11程度に調整され、放散塔供給ポンプ46によって熱交換器5に送られる。熱交換器5で約100℃まで予熱された排水1は、放散塔10の上部に供給される。
【0005】
放散塔10内部には10〜20mm程度のリング状の充填物が無作為に充填された充填層11が設けられている。また放散塔10下部には空気ブロワ7によって供給される空気および蒸気供給装置13によって供給される蒸気がキャリアガスとして供給され、充填層11の上部から流下する排水と充填層11の下部から上昇するキャリアガスが充填物の表面で効率よく気液接触し、排水中のアンモニアを脱気する。アンモニアが脱気された処理水は、液溜部12に溜められた後、放散塔抜出ポンプ6によって抜出され、熱交換器5に送られて排水と熱交換した後、処理水槽8に送られる。一方、脱気したアンモニアを高濃度で含むキャリアガスは放散塔10の上部から排出され、加熱器14で所定の温度まで加熱された後、触媒塔15に導入され、触媒上で酸化分解し、N2 とH2 Oに分解され、大気に放出される。
【0006】
石炭焚きや重油焚きの火力発電所から排出される排ガス中の燃焼灰やSO2 ガスを除去する乾式電気集塵機や湿式脱硫装置から排出される排水には、アンモニア態窒素とともにマグネシウムなどが多く含まれている。このマグネシウムは、通常硫酸マグネシウムや水酸化マグネシウムの形態で存在するが、水酸化マグネシウムはアルカリ性下で析出する性質を有する。一方、アンモニアストリッピング法では、放散塔でのアンモニアのストリッピングを容易にするためにあらかじめ排水に苛性ソーダ等を添加してそのpHを高く調整する必要がある。従って、放散塔内で水酸化マグネシウムが析出し、放散塔内の充填物表面にスケーリングが生じる。放散塔内の充填層には10〜20mmのリング状の充填物が無作為に詰められており、その隙間が狭く、スケーリングが発生すると隙間が塞がれて液やキャリアガスの流路が確保できなくなり、充填層の圧力損失が増加し、排水が充填層内に滞留して流下しなくなるフラッディング現象が発生し、安定運転が困難となる場合がある。
【0007】
図3に示すように、従来技術では、放散塔10に排水1を供給する前に、シックナ等の沈殿槽42や遠心分離器等の脱水機44を設置し、析出する水酸化マグネシウム等をあらかじめ除去する方法が採られている。また析出する水酸化マグネシウム等の固形物粒子は細かい粒子であり、そのままでは沈降分離しにくいため、凝集剤供給装置41を設置して反応槽40に凝集剤を添加して固形物粒子を大きくして沈降し易くした上で、上記沈殿槽42に供給する必要があった。従って、システムが複雑になり、また充填層内でスケーリングが発生しない程度まで水酸化マグネシウムを除去するためには排水のpHを10以上に高めて水酸化マグネシウムの析出量を増加させる必要があるが、排水のpHを高くしすぎると、この時点で排水中のアンモニアの一部が放出されるため、放出したアンモニアを処理するための新たな設備が必要になり、また苛性ソーダの添加量が増加することにより運転費が高くなるという問題があった。
【0008】
このように、従来の充填物層を備えた放散塔では、充填物の表面でアンモニアを含有する排水とキャリアガスが気液接触するため、接触効率は高くなるが、火力発電所等から排出される排水中にマグネシウムが含まれている場合、水酸化マグネシウム等の固形物が析出し、スケーリングすると、充填層内が閉塞し、液が流下しなくなり、圧力損失の増加の原因となり、安定運転が困難となる。また固形物をあらかじめ除去するには、前処理装置として固形物を分離するためのシックナや脱水機を設置する必要があり、また前処理装置において析出させた固形物を分離し易くするために凝集剤を添加する必要があり、設備費や運転費が増加することにもなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように従来技術では、マグネシウムやカルシウムを多量に含有する排水のアンモニアストリッピングにおける放散塔内のスケーリングに対して充分な考慮がなされておらず、機器の信頼性が低下し、また設備費、運転費等が高価になるという問題があった。
本発明の課題は、上記した従来技術の問題点を解決し、簡易な機器構成で、アンモニアストリッピング装置のトラブルの原因となるスケーリングを発生させることなく、機器の信頼性を確保し、安定運転を維持することができるアンモニア含有排水の浄化装置および浄化方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、放散塔内にアンモニア含有排水を噴霧してキャリアガスと気液接触させるスプレノズルと、噴霧した液を回収する手段とを複数段設け、回収した液をさらに下流(キャリアガス上流)のスプレノズルから噴霧させて逐次気液接触させることにより、上記課題を達成することができることを見いだし、本発明に到達したものである。
上記課題を達成するために本願で特許請求される発明は以下の通りである。
【0011】
(1)アンモニア含有排水にアルカリを添加して被処理液のpHを調整する反応槽と、該反応槽で調整された被処理液をキャリアガスと気液接触させて該被処理液に含まれるアンモニアを除去する放散塔と、該放散塔上部から排出されるアンモニアを回収して処理する手段と、前記放散塔下部に貯留する、アンモニアが除去された処理液を回収する手段と、前記放散塔下部に前記キャリアガスを供給する手段とを備えたアンモニア含有排水の浄化装置であって、前記放散塔内の上部から順に前記被処理液を噴霧するスプレー手段と、前記放散塔の内周壁に下向きドーナツ状に配設された集液板、並びに該集液板の下方であって該放散塔の中央部に該集液板と所定の間隙を隔てて配設された、該集液板で捕集された噴霧液および下降する噴霧液を捕集するトレーを有する噴霧液の回収手段とを一組以上配置し、前記被処理液を該放散塔上部から順に各スプレー手段を介して前記キャリアガスと接触させるようにしたことを特徴とするアンモニア含有排水の浄化装置。
【0012】
)前記集液板と前記トレーとの間隙が、該間隙を通過するキャリアガスの流速が1〜3m/sの範囲になるように設定されることを特徴とする(1)に記載のアンモニア含有排水の浄化装置。
【0014】
【作用】
本発明のアンモニア含有排水の浄化装置および浄化方法によれば、放散塔内に充填層を設けることなく、放散塔内の上部に被処理液を噴霧するスプレー手段および該スプレー手段から噴霧された噴霧液を回収する手段を一組以上配置し、被処理液を該放散塔上部から順に各スプレー手段を介して噴霧させ、キャリアガスと順に気液接触させるため、放散塔内の気液接触部の空間を広くとることができ、これにより、放散塔内でのスケーリングの発生を防止することができる。また従来のようにあらかじめアンモニア含有排水に前処理を施して水酸化マグネシウム等の固形物を除去する設備を設ける必要がなく、装置の簡素化と安定した運転が可能となり、さらに放散塔内での気液接触が効率よく行われるため、高いアンモニア脱気性能を得ることができる。
【0015】
また放散塔内での気液接触部の空間を広くすると、気液接触効率の低下が生じるが、本発明では、放散塔の上部に設けたスプレー手段から被処理液を噴霧して微細な液滴としてキャリアガスと接触させることにより、接触する被処理液の比表面積を増大させることができ、さらにこのような気液接触を順に複数回行わせるため、放散塔内での気液接触部の空間が広くても、高い気液接触効率を確保することができる。
上記スプレー手段としては、微細な液滴を傘状に噴霧することができるホロコーン型のスプレーノズルが好ましく用いられるが、これと同等の機能を有する他のスプレーノズルであってもよい。このホロコーン型のスプレー手段は、内部部品がなく、0.1〜0.2MPa程度の圧力で液を供給すると内部で旋回が発生し、平均液滴径1000〜1500μmの範囲で液を噴霧させることができ、また固形物を10〜20%で含む液(スラリ)の場合でもスケーリングが発生することなくスプレーすることができる。
【0016】
またスプレーノズルから噴霧された微細な液滴は、噴射口より傘状に広がって噴霧されるため、短時間で液滴が塔内壁に衝突して塔内壁面を伝わって落下する濡れ壁を形成し易い。濡れ壁が形成されると、キャリアガスと接触する液の比表面積が液滴の場合に比べて約1/2程度少なくなり、気液接触効率も約1/2程度に低下する。しかし、本発明では、スプレーノズルで噴霧された噴霧液は、その下方に設けた噴霧液を回収する手段により回収され、回収された液はさらにその下方に設けたスプレーノズルから噴霧させるため、各スプレーノズルから噴霧された液滴は、塔内壁に衝突して塗れ壁となる前に噴霧液を回収する手段で回収されることになり、常に微細な液滴の状態でキャリアガスと接触でき、気液接触面積を大きい状態に維持することができ、上記のような気液接触効率の低下を回避することができる。
【0017】
上記噴霧液を回収する手段としては、放散塔の内周壁に下向きドーナツ状に配された集液板と、該集液板の下方であって該放散塔の中央部に配されたトレーとを備え、該集液板とトレーが、キャリアガスが塔内壁側から中央部に流通できるガス流路を形成するように配置されたものが好ましく用いられる。このような回収手段を用いることにより、気液接触する液およびキャリアガスのショートパスを防ぐことができ、また液が滞留しにくいために液中の固形物が堆積することによるスケーリングの発生を効率よく防止することができる。
【0018】
さらに液とガスとの平衡関係より、上部のスプレー部に較べて下部のスプレー部では液中のアンモニア濃度は小さくなるが、キャリアガス中のアンモニア分圧は上部のスプレー部に較べて下部のスプレー部では逆に低くなる。従って、上部のスプレー部において、ある程度アンモニアを脱気して液中のアンモニア濃度が低くなった液は、下部のスプレー部ではアンモニア分圧の低いキャリアガスと接触することから、さらにアンモニアの脱気が行われ、高いアンモニア脱気性能を得ることができる。
なお、従来技術においても、放散塔内に設置する充填層の空隙率を増加させることによりスケーリングの発生を抑制することはできるが、気液接触効率の低下を防止するために、充填層の高さを高くする必要があり、設備費が増加するなどの問題が生じる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面により説明する。
図1は、本発明の一実施例を示すアンモニア含有排水の浄化装置の説明図である。図1において、図4と異なる点は、凝集剤供給装置41、沈殿層42、脱水機供給ポンプ43、脱水機44、中継槽45を設置せず、かつ放散塔10に充填槽11を設ける代わりに、放散塔10の上部から順に上段スプレーノズル20、中段スプレーノズル21および下段スプレーノズル23を設置し、上段スプレーノズル20および中段スプレーノズル21の下部にそれぞれ噴霧液回収手段としての集液板31および上段トレー23、中段トレー24をそれぞれ設置し、さらにこれらのトレー23、24で回収された液をそれぞれスプレーノズル21、22に供給するために、上段集水管25および中段集水管26と、上段集水タンク27および中段集水タンク28と、上段循環ポンプ29および中段循環ポンプ30とを設けた点である。
【0020】
このような構成において、アンモニア含有排水1は、排水槽2に一旦排水槽2に溜められた後、排水供給ポンプ4によって反応槽40に供給される。反応槽40では苛性ソーダ供給装置3から供給される苛性ソーダによって液のpHが8〜11程度に調整され、その後、放散塔供給ポンプによって放散塔10に供給されて上段スプレーノズル20から噴霧される。上段スプレーノズル20からは0.1〜0.2MPa程度の圧力で排水が噴霧され、空気ブロワ7および蒸気供給装置13によって供給されたキャリアガスと気液接触し、排水中のアンモニアの一部が脱気する。一部のアンモニアを脱気して塔壁に拡散した液滴は、集液手段として放散塔10の内周に沿って設けられた集液板31によって上段トレー23に集められ、上段集水管25を通って上段集水タンク27に供給される。上段集水タンク27内の液は、上段循環ポンプ29によって昇圧され、中段スプレーノズル21に供給され、同様に0.1〜0.2MPaの圧力で噴霧され、キャリアガスと気液接触し、液中のアンモニアの一部をさらに脱気する。
【0021】
その後、液は集液板31によって中段トレー24に集められ、中段集水管26を通って中段集水タンク28に供給される。中段集水タンク28内の液は、中段循環ポンプ30によって昇圧され、下段スプレーノズル22に供給され、同様に0.1〜0.2MPaの圧力で噴霧され、キャリアガスと気液接触し、液中のアンモニアの一部をさらに脱気する。その後、液は液溜部12に溜められ、放散塔抜出しポンプ6によって熱交換器5を経て処理水槽8に供給される。一方、脱気したアンモニアを高濃度で含むキャリアガスは放散塔10の上部から排出され、加熱器14で所定の温度まで加熱された後、触媒塔15に導入され、触媒上で酸化分解し、N2 とH2 Oに分解され、大気に放出される。
【0022】
図2は、本発明における気液接触部の一例を示す模式図である。
図2において、アンモニア含有排水1は、上段スプレーノズル20から噴霧されるが、液滴は傘状に拡がり、放散塔10内壁に向かって落下する。該液滴は集液板31によって上段トレー23の方向に流下し、集められた液は上段集水管25を通って図示しない上段集水タンク27に供給される。
一方、放散塔10下部より供給されたキャリアガスは放散塔10内部を上昇し、上段トレー23と放散塔10内壁との間および上段トレー23と集液板31との間をすり抜け(図中の太線矢印)、上段スプレーノズル20から噴霧された液滴と気液接触する。このように集液板31下方から放散塔の中心側に向けてキャリアガスが流れることにより、液滴が下段にショートパスしにくくなる。
【0023】
本発明において、液とキャリアガスとの接触効率を向上させて液中のアンモニアを脱気し易くするには、液滴をできるだけ微細な状態にして液滴の比表面積を大きくすること、および液滴内部の流動化を促進することが重要となる。そのためには落下する液滴と対向して上昇するキャリアガスの流速を速くし、液滴とキャリアガスとの相対速度を大きくするのが有効である。そこで、図2に示すように集液板31は塔内壁から塔中心に向かって下向きに傾斜するように設置するとともに、集液板31と上段トレー23との間を通過するキャリアガスの流速が1〜3m/s程度になるように集液板31および上段トレー23を配置することが好ましい。これにより、キャリアガスは1〜3m/s程度の流速を維持したまま液滴と接触することができる。また、液滴とキャリアガスとの相対速度を高くする効果により液滴が微細になり易く、かつ液滴内部の流動化を促進できるので、気液接触効率が向上し、液中のアンモニアが脱気し易くなる。また集液板31上に液が滞留しにくいので、液中の固形物が堆積することによるスケーリングを防止することができる。
【0024】
本発明に用いられる放散塔の基礎試験機において、1段スプレーで浄化した場合と、3段スプレーで浄化した場合の液中のアンモニア濃度を測定し、その結果を表1に示したが、スプレーノズルの設置を多段にすることによりアンモニアの脱気性能が大幅に向上することが確認された。
【0025】
【表1】
Figure 0003980842
【0026】
上記の実施の形態では、1つの放散塔内にスプレー手段と噴霧液回収手段を多段に組合わせた例を示したが、複数の放散塔を設置した浄化装置であってもよい。この場合には、複数の放散塔がそれぞれスプレー手段と、スプレー手段の上方にキャリアガスの出口、スプレー手段の下方にキャリアガスの入口および噴霧した液滴の回収手段としてのタンクを備え、複数の放散塔のうち一つの放散塔のキャリアガス出口と別の放散塔のキャリガス入口とを逐次接続して一連のガス流路を形成し、ガス流路の出口、すなわちガス最下流に位置する放散塔のスプレー手段から、反応槽から供給されたアンモニア含有排水を噴霧し、この放散塔の回収手段にて回収された液滴をガス流路の上流側に位置する放散塔のスプレー手段から噴霧するようにして逐次気液接触が行われるように複数の放散塔を配置する。
【0027】
【発明の効果】
本発明のアンモニア含有排水の浄化装置および浄化方法によれば、アンモニアを含む排水から水酸化マグネシウム等の固形物が放散塔内で析出しても、スケーリングが発生することなく、簡単な設備構成で、かつ高い気液接触効率で安定した運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すアンモニア含有排水の浄化装置の説明図。
【図2】本発明の気液接触部の一例を拡大して示した模式図。
【図3】従来技術による浄化装置の説明図。
【符号の説明】
1…アンモニア含有排水、2…排水槽、3…苛性ソーダ供給装置、4…排水供給ポンプ、5…熱交換器、6…放散塔抜出しポンプ、7…空気ブロワ、8…処理水槽、10…放散塔、11…充填層、12…液溜部、13…蒸気供給装置、14…加熱器、15…触媒塔、20…上段スプレーノズル、21…中段スプレーノズル、22…下段スプレーノズル、23…上段トレー、24…中段トレー、25…上段集水管、26…中段集水管、27…上段集水タンク、28…中段集水タンク、29…上段循環ポンプ、30…中段循環ポンプ、31…集液板、40…反応槽、41…凝集剤供給装置、42…沈澱槽、43…脱水機供給ポンプ、44…脱水機、45…中継槽、46…放散塔供給ポンプ。

Claims (2)

  1. アンモニア含有排水にアルカリを添加して被処理液のpHを調整する反応槽と、該反応槽で調整された被処理液をキャリアガスと気液接触させて該被処理液に含まれるアンモニアを除去する放散塔と、該放散塔上部から排出されるアンモニアを回収して処理する手段と、前記放散塔下部に貯留する、アンモニアが除去された処理液を回収する手段と、前記放散塔下部に前記キャリアガスを供給する手段とを備えたアンモニア含有排水の浄化装置であって、前記放散塔内の上部から順に前記被処理液を噴霧するスプレー手段と、前記放散塔の内周壁に下向きドーナツ状に配設された集液板、並びに該集液板の下方であって該放散塔の中央部に該集液板と所定の間隙を隔てて配設された、該集液板で捕集された噴霧液および下降する噴霧液を捕集するトレーを有する噴霧液の回収手段とを一組以上配置し、前記被処理液を該放散塔上部から順に各スプレー手段を介して前記キャリアガスと接触させるようにしたことを特徴とするアンモニア含有排水の浄化装置。
  2. 前記集液板と前記トレーとの間隙が、該間隙を通過するキャリアガスの流速が1〜3m/sの範囲になるように設定されることを特徴とする請求項に記載のアンモニア含有排水の浄化装置。
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