JP3866784B2 - 電子海図の重畳表示可能なレーダ装置 - Google Patents

電子海図の重畳表示可能なレーダ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、レーダ映像と電子海図とを重畳して表示することの可能なレーダ装置に関し、特に、自船の位置がレーダスコープ(表示器)の画面上で固定される、いわゆる相対運動モード時に適用して好適な電子海図の重畳表示可能なレーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーダ装置は、電波の送受信により周囲の状況を画像として表示器の画面上に表示する装置である。このため、海岸線などのように反射の弱い物標や反射波の届かない物標は画面上に表示されない。
【0003】
近年、海岸線などを明瞭に表示することを目的として、レーダ映像といわゆる電子海図とを重畳表示することが行われている。これにより、レーダ映像と海図とが対応付けられ、陸地と自船位置の位置関係が明確に把握されて座礁の防止等を図ることができる。
【0004】
ところで、レーダ装置においては、周知のように、空中線を水平方向に回転させながら、所定のタイミングで電波を送出し、他船等の物標による反射波を空中線により受信する方式を採用している。このため、反射波から得られる情報は、極座標形式の情報となる。
【0005】
一方、レーダ映像を表示する表示器は、直交座標形式のラスタスキャン方式の表示器が一般的である。したがって、表示器上にレーダ映像を映出する際には、レーダ装置から得られる極座標形式の情報を直交座標形式の情報に変換する座標変換が必須の処理となっており、直交座標系への座標変換後の受信信号がレーダ映像データとして画像メモリ部に書き込まれる。
【0006】
レーダ映像に重畳される電子海図情報は、メモリカード、CD−ROM、磁気媒体等のメモリ媒体により緯度・経度に対応した直交座標系の情報であり、海図映像データとして提供される。この場合、航法装置から供給される緯度・経度による自船位置情報とレーダ装置の使用距離縮尺(設定距離縮尺)に応じて、レーダ映像に対応する面積分の所定範囲の電子海図データが海図メモリ部に書き込まれる。
【0007】
そして、画像メモリ部に係るレーダ映像と海図メモリ部に係る電子海図映像(以下、単に、海図映像ともいう。)とが、同時に読み出されて混合器により混合された後、表示器に供給されることで、レーダ映像と海図映像とが重畳表示されることになる。
【0008】
次に、背景技術を説明する前に、レーダ装置において慣用されている、運動モード、方位表示モード、および表示器上の表示を理解する上での基本的事項について説明する。
【0009】
運動モードには、相対運動モードと真運動モードとの2つの選択乃至設定可能なモードがある。相対運動モードは、表示器上で自船の位置が、所望の位置、例えば、中心位置に固定され、物標が相対速度で移動する表示モードである。これに対して、真運動モードは、表示器上で自船の位置が自船の運動にしたがって移動する表示である。
【0010】
方位表示モードには、ヘッドアップ表示モード(相対表示モード、または単に、ヘッドアップモードともいう。)とノースアップ表示モード(単に、ノースアップモードともいう。)とコースアップ表示モード(単に、コースアップモードともいう。)とがある。ヘッドアップ表示モードは、表示器上で船首線(船首輝線ともいう。)が画面の真上(固定方位メモリの0°)になるように表示されるモードであり、目で観測した状況と表示器上の映像の方位関係が一致する。ノースアップ表示モード(真方位表示モードともいう。)は、表示器上で画面の真上が真北に表示されるモードであり、海図との対比が容易である。コースアップ表示モードは、設定時点における針路が表示器の画面上で真上になるように表示されるモードである。したがって、コースアップ表示モードに設定した瞬間の表示は、ヘッドアップ表示モードと同一であり、船首線が真上に表示される。ただし、設定の後に自船が針路を変更した場合、いわゆる変針した場合には、その変針量に応じて船首線も回転するので、設定針路からの偏位を視認することができる。
【0011】
次に、各方位表示モードにおいて、表示器上に表示される船首線と掃引線について説明する。
【0012】
図8は、空から平面的に観測した仮想的状況を表し、自船201が真北から時計方向45°の方向へ進行している様子を示している。このとき、ジャイロコンパスから得られる針路(ジャイロコンパスの針路、ジャイロコンパスの針路指示値または単に、ジャイロ針路ともいう。)θG はθG =45°になる。すなわち、ジャイロコンパスの針路θG は、真北を0°として時計方向に計測された船の進路を表す角度になる。図1中、符号202は、自船201の進行方向、すなわち船首方向を表す。
【0013】
図9に示すように、自船201には、水平時計方向に回転する空中線(レーダアンテナ)203が搭載され、自船201の船首方向202を基準として、電波が輻射される輻射面204の輻射方向205との間で時計方向に採った角度を空中線203の角度θA という。したがって、空中線の角度θA は、空中線203の輻射方向205が、船首方向202から何度回転しているのかを示す角度になる。
【0014】
図8および図9の状態において、自船201に搭載されたレーダ装置の表示器上の画面を図10A、図10Bに示す。
【0015】
図10Aは、ヘッドアップ表示モードにおける画面D上の表示を示し、船首線SHMは、真上を向き、掃引線SWPは、船首線SHMの位置から時計方向に空中線の角度θA だけ回転した位置に表示される。この場合、掃引線SWPは連続的に時計方向に回転する。
【0016】
図10Bは、ノースアップ表示モードにおける画面D上の表示を示し、船首線SHMは、真上(真北)からジャイロ針路θG だけ回転した方向を向き、掃引線SWPは、その船首線SHMから空中線の角度θA だけ回転した位置に表示される。この場合においても、掃引線SWPは、連続的に時計方向に回転する。なお、図10B中、点線は仮想的に描いた線であり、真北方向を示す線である。
【0017】
次に、図11に示すように、図8に示す状態の時点t1において、コースアップ表示モードに設定し、その後、時点t2において自船201の針路を60°に変針した場合の動作について、時点t2以降の状態における船首線SHMと掃引線SWPとの各方位表示モードにおける画面D上の表示位置について説明する。なお、図11において、符号θC は、コースアップの針路を表し、時点t1でコースアップ表示モードに設定した時の針路(ジャイロコンパスの針路指示値)θG であって、真北を基準(0°)として時計方向に計測した角度である。
【0018】
図12Aは、ヘッドアップ表示モードにおける画面D上の表示を示し、船首線SHMは真上を向き、掃引線SWPは、船首線SHMの位置から時計方向に空中線の角度θA だけ回転した位置に表示される。
【0019】
図12Bは、ノースアップ表示モードにおける画面D上の表示を示し、船首線SHMは、真上の真北位置からジャイロ針路θG だけ回転した方向を向き、掃引線SWPは、その船首線SHMから空中線の角度θA だけ回転した位置に表示される。
【0020】
図12Cは、コースアップ表示モードにおける画面D上の表示を示し、船首線SHMは、真上方向を示す2点鎖線の位置から変針角度分(θG −θC )だけ回転した位置に表示され、掃引線SWPは、その回転位置から空中線の角度θA だけ回転した位置に表示される。
【0021】
以上の説明が、この発明の理解の前提となる、レーダ装置において慣用されている、運動表示モード、方位表示モード、およびレーダスコープ(表示器)上の表示の基本的事項についての説明である。
【0022】
次に、この出願人による背景技術について説明する。
【0023】
(背景技術)
図13は、この出願人によるレーダ装置の構成例を示している。
【0024】
空中線203(図9参照)により受信されたアナログの受信信号であるビデオ信号VDは、端子21を通じてA/D変換部1に供給され、このA/D変換部1でアナログビデオ信号からデジタルビデオ信号に変換され、図示しないサンプリングクロック毎にリアルタイム(実時間)でレーダ映像データRvdaとしてバッファメモリ部2へ順次記憶される。
【0025】
この場合、レーダ映像データRvdaのバッファメモリ部2への記録は、図14に模式的に示すように、空中線203の角度θA が、点線の矢印に示すように、θA =0°の列から順に列毎に、極座標形式(r,θA )(図15に示すXY軸上での極座標表示参照)に応じて与えられるメモリアドレスにサンプリングクロック毎に、自船201の位置を距離r=0値として、その距離r=0値から、任意の距離R(r=R)を経て設定されたレーダ装置の使用距離縮尺Rmax(r=Rmax)まで、360°方向の全てのレーダ映像データRvdaが記憶される。すなわち、メモリアドレス(r,θA )として(0,0)→(0,1)→…→(0,R)→…(0,Rmax)→(1,0)→…→(A,R)→…→(Amax,Rmax)の順でバッファメモリ部2に記憶される。なお、図14中、数値1[ m] と1[ °] は、仮想的な値であって、実際の値ではない。
【0026】
このようにしてバッファメモリ部2に記憶された極座標形式のレーダ映像データRvdaを、フレームバッファである画像メモリ部6に書き込む際には、極座標形式(r,θA )から直交座標形式(x,y)に変換して格納し直す必要がある。ここで、フレームバッファとは、周知のように、ラスタスキャン方式のディスプレイ(表示器)の画面イメージをピクセル単位で保持するXYメモリであり、例えば、1280×1024箇のピクセル数(メモリアドレス数)を有し、各ピクセル(メモリアドレス)当たり、例えば、8ビットのデータを記憶することができるようになっている。
【0027】
極座標形式(r,θA )から直交座標形式(x,y)に変換する場合には、基本的には、次の(1)式に基づいて行えばよい(図15参照)。
【0028】
Figure 0003866784
ただし、この変換式は、空中線の角度θA の0°が表示器上の真上に表示される、上述のヘッドアップ表示モードの場合にのみ適用される。
【0029】
他の方位表示モードにも適用し得る座標変換のための基準角度を、θZ で表す。この座標変換用の基準角度θZ は、方位演算部3で計算される。
【0030】
この場合、空中線203の向いている方位角(上述の空中線の角度)θA を示す方位信号(この方位信号の符号もθA とする。)は端子22を通じて方位演算部3に供給される。また、方位演算部3には、ジャイロコンパスから出力される針路信号である上述のジャイロコンパスの針路θG が供給されるとともに、図示しない操作パネル上で設定された方位表示モードAZDMが端子26を通じて供給される。
【0031】
方位演算部3は、方位表示モードAZDMの内容に応じて、空中線の角度θA 、ジャイロコンパスの針路θG 、コースアップの針路θC を以下の(2)式に示すように所定演算して、座標変換用の基準角度θZ を得、座標変換部4に送出する。
【0032】
Figure 0003866784
この座標変換用の基準角度θZ は、上述したように、極座標から直交座標に変換する際に使用する角度であり、図12A〜図12Cから分かるように、画面Dの真上から掃引線SWPまでの時計方向の回転角度を表している。したがって、以下の説明において、座標変換用の基準角度θZ を掃引角度θZ ともいう。
【0033】
制御部5は、端子27を通じて操作パネルにより設定される運動モードMMに応じて座標変換部4へ画像メモリ部6上の以下に説明する座標変換開始アドレス(XS ,YS )を設定する。なお、座標変換開始アドレス(XS ,YS )は、自船201の現位置の座標に対応する。
【0034】
したがって、運動モードMMが相対運動モードに選択されているときには、自船201の画面D上の位置は移動しないので、座標変換開始アドレス(XS ,YS )は、例えば、図16に示すように、画像メモリ部6の中心Cに設定され、自船201が移動しても一定である。
【0035】
運動モードMMが真運動モードに選択されているときには、図示しないリセットスイッチ等が操作されて、画像メモリ部6の中心Cに戻されるまでは、自船201の移動位置に応じてこの座標変換開始アドレス(XS ,YS )を移動させる必要がある。
【0036】
この場合、自船201の針路、すなわちジャイロコンパスの針路θG と図示しない速力計から端子24を通じて取り込まれる速度信号Svにより計算される自船201の速度Vと、時間t前の自船位置、言い換えれば、読み出し開始アドレス(XS-1 ,YS-1 )とから、現時点における座標変換開始アドレス(XS ,YS )が次の(3)式に示すように表される。
【0037】
Figure 0003866784
なお、座標変換開始アドレス(XS ,YS )は、通常、1スキャン(空中線203の1回転)に対応する時間経過毎に1回更新される。ただし、相対運動モードにおいては、上述したように、中心Cが座標変換開始アドレス(XS ,YS )であり変化しない。
【0038】
座標変換部4は、方位演算部3から供給される座標変換用の基準角度θZ と、制御部5から供給される座標変換開始アドレス(XS ,YS )と図示しないタイミングジェネレータから端子29を通じて供給されるクロック(座標変換クロックともいう。)とにより画像メモリ部6へのレーダ映像データRvdbの書き込みアドレス(X,Y)を発生し、バッファメモリ部2よりクロックに同期してレーダ映像データRvdbを読み出して画像メモリ部6に書き込む。
【0039】
この場合、画像メモリ部6への書き込みアドレス(X,Y)は、自船201の位置からの(掃引)距離をrとするとき、次の(4)式で与えられる。
【0040】
Figure 0003866784
制御部5は、海図入力部7からメモリカード、CD−ROM、磁気媒体等で提供される緯度・経度によりアドレスの定まる電子海図情報Mvdaを取り込み、図示しない航法装置から端子25を通じて供給される自船位置信号Spにより分かる緯度・経度の自船位置情報と、レーダ装置の使用距離縮尺Rmaxに応じて、電子海図情報Mvdaの切り取り範囲を計算し、海図メモリ部8に対する書き込みアドレスを発生させて、海図映像データMvdbを書き込む。海図メモリ部8の構成は、通常、画像メモリ部6と同一の構成である。なお、レーダ装置の使用距離縮尺(レンジスケール)Rmaxとは、レーダの観測範囲を示すもので、表示器内に表示している範囲が何マイル分表示しているのかを示す値である。
【0041】
海図映像の表示器上への描画のために取り扱われるデータ量が膨大であることから、従来、自船201の移動に従って海図映像を連続的に変更する必要のないノースアップ・真運動モードまたはコースアップ・真運動モードのときのみ描画を行うようにしていた。そして、描画または描画の更新は、レーダ装置の使用距離縮尺Rmaxの変更時、離心(オフセンタ)モード変更時、表示モード変更時、真運動のリセット時等に1回のみ実施される。なお、真運動のリセットとは、自船201が移動して自船201の位置が表示領域外にはみ出すことを回避するために、表示器上の予め決められた位置に自船201が到達したとき、自船201の位置を表示器の中心または予め定められた離心に自動的にまたは手動により引き戻す処理をいう。
【0042】
制御部5は、画像メモリ部6と海図メモリ部8へ表示器10上の表示ドットに対応して発生されるドットクロック毎に表示アドレス(表示のためのリードアドレス)を設定する。この場合、表示アドレスは、表示器10に供給される図示しない水平同期信号に同期して列アドレスおよび行アドレスが1列毎に画像メモリ部6と海図メモリ部8に与えられる。
【0043】
これにより、画像メモリ部6と海図メモリ部8とからそれぞれレーダ映像データRvdcと海図映像データMvdcとが読み出され、混合器9で混合され、表示器10上にレーダ映像(レーダエコー)と海図映像とが重畳して表示されることになる。
【0044】
この場合、画像メモリ部6と海図メモリ部8には、表示時にも、制御部5がランダムアクセス(ランダムにリード/ライト)できるように、並列データのランダムアクセス可能なリードライトメモリと直列データを転送するためのシリアルアクセスメモリを搭載したマルチポートRAMが使用されている。
【0045】
図17に、画像メモリ部6と海図メモリ部8と混合器9(表示器10)のそれぞれの概念的構成図を示す。
【0046】
図17から分かるように、画像メモリ部6と海図メモリ部8とは、それぞれ、1辺が長さL(Lは、L箇のメモリアドレスと考えることができる。)の正方形で構成されているものと考えている。したがって、メモリアドレス数(メモリエリアともいう。)は、L×L箇である。画像メモリ部6には、映像表示枠11内に自船201の位置と船首線SHMとレーダ映像Rvとが書き込まれ、海図メモリ部8には、海図映像Mcが書き込まれ、これらの映像が同時に読み出されて混合器9内で混合され表示器10上に表示される。なお、図17の表示例は、ノースアップ・真運動モードによる表示の場合を示している。また、自船201の位置は画面の中心である。
【0047】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、レーダ映像Rvに重畳して表示される海図映像Mcの元の電子海図情報Mvdaは、上述したように、緯度・経度の絶対位置情報で与えられ、また、海岸線の地形、航路情報、等深線、沈没船、灯台、ブイ等の各種情報が含まれる膨大な情報量である。このため、制御部5における電子海図情報Mvdaの切り取り範囲の計算を行い海図メモリ部8への書き込みアドレスを発生させ、海図メモリ部8から読み出して表示器10上に表示するまでに相当の時間を必要とする。
【0048】
一般的に、表示器10上に海図映像を表示するには、単位をポイント(2ポイントで1線分)として計算すると、数千ポイントから数万ポイントが必要とされ、実際上、数秒の表示時間が必要となる。したがって、海図映像(海図情報)を頻繁に更新することは不可能に近い。
【0049】
このような理由から、従来は、海図の連続的な更新の不要な、言い換えれば、陸地、海岸線等の固定物標が表示器上で基本的には固定される真運動モード、具体的には、ノースアップ・真運動モードとコースアップ・真運動モードのときにのみ、レーダ映像と海図映像との重畳表示が可能となっていた。換言すれば、連続的に海図を更新することの必要な相対運動モードにおいて、レーダ映像と海図映像とを重畳表示することが相当に困難であった。上述したように、相対運動モードとは、表示器上で自船の位置が、例えば、中心位置に固定され、物標が相対速度で移動し、海図を自船の速力に比例して自船の針路方向(進行方向)と反対方向に移動させることの必要な表示モードである。
【0050】
この場合、ヘッドアップ・真運動モードは、真運動モードが、そもそも海図が表示器上で固定される表示方法と定義しており、波等の影響で自船の船首方向が絶えずふらつく場合等を想定すると、ヘッドアップ表示モードはこのような場合にも、常に、船首線を表示器の真上に表示しようとする表示モードと定義していることから、その場合には、海図を回転させなければならず、結局、両方の定義を同時に満足させるには矛盾が起こり、したがって、レーダ装置では、ヘッドアップ・真運動モードは設定されていない。
【0051】
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、自船の実際の移動に伴い、表示器上で自船は固定し、相対的かつ連続的に海図を移動する(更新する)ことの必要な相対運動モード時においても、簡単な構成で、レーダ映像に対して電子海図の重畳表示可能なレーダ装置を提供することを目的とする。
【0052】
【課題を解決するための手段】
この発明は、海図メモリ部の読み出しアドレスを生成する海図メモリ部読み出し制御部と、ラスタスキャンの1水平走査分の海図映像データを記憶する水平走査メモリ部とを備え、海図メモリ部のメモリエリアは、前記画像メモリ部のメモリエリアより大きく選定され、海図メモリ部には、自船位置情報と前記レーダ装置の使用距離縮尺に応じて切り取り範囲が決められる電子海図情報が書き込まれ、海図メモリ部読み出し制御部は、設定された方位表示モードに応じて、海図メモリ部からの読み出し角度を回転させた読み出しアドレスを生成し、この生成した読み出しアドレスにより、海図メモリ部からラスタスキャンの1水平走査分の海図映像データを読み出して水平走査メモリ部に記憶させ、混合器により、水平走査メモリ部に記憶された海図映像データとレーダ映像データとを混合して、自船の位置が表示器上で固定される相対運動モード時においても、海図映像とレーダ映像との重畳表示を行うようにしている。
【0053】
この場合、頻繁な海図映像の更新を防止するため、画像メモリ部のメモリエリアをL×L箇とするとき、海図メモリ部のメモリエリアは、その4倍のメモリアドレスを有する2L×2L箇とする。
【0054】
さらに、具体的な例により説明すると、座標変換開始アドレス(XS ,YS )の更新は、自船の針路・速度に応じて1スキャンに1回実施し、海図映像は、レーダ装置の使用距離縮尺Rmaxの2倍程度の範囲をノースアップで表示器上に描画する。画像メモリ部からのレーダ映像データの読み出しは、表示器の水平同期信号に同期させて1列毎に読み出す。一方、海図メモリ部からの読み出しは、列単位ではなく、運動モードに対応して読み出し位置より、方位表示モードに応じてメモリアドレスを回転させ、1アドレス毎に1水平走査分のデータを読み出して1水平走査メモリ部に格納し、表示器の水平同期信号に同期させて水平走査メモリ部より読み出し、画像メモリ部から読み出したレーダ映像データと混合して、表示器に送出するようにする。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に参照する図面において、上記図8〜図17に示したものと対応するものには同一の符号を付けて簡明に説明する。また、必要に応じて図8〜図17をも参照して説明する。
【0056】
図1は、この発明の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0057】
図1において、端子21を通じて供給されたビデオ信号VDは、A/D変換部1でレーダ映像データRvdaに変換され、図示しないサンプリングクロックによりバッファメモリ部2へ記憶される。バッファメモリ部2には、空中線203(図9参照)の1スイープ(掃引)分のレーダ映像データRvdbが記憶される。
【0058】
船首方向202(図9参照)を基準として、空中線203の電波輻射面の向いている方位を表す、空中線の角度θA が、端子22を通じて方位演算部3と制御部5aとに供給される。
【0059】
方位演算部3には、空中線の角度θA とともに、端子23を通じてジャイロコンパスの針路θG が供給され、かつ端子26を通じて方位表示モードAZDMが供給される。
【0060】
方位演算部3は、上述したように、方位表示モードAZDMの内容(ヘッドアップモード、ノースアップモードまたはコースアップモード)に対応して、空中線の角度θA 、ジャイロコンパスの針路θG 、コースアップの針路θC を以下の(2)式{上述の(2)式を再掲示した式}に示すように所定演算して、座標変換用の基準角度θZ として座標変換部4に送出する。
【0061】
Figure 0003866784
制御部5aは、端子27を通じて供給される運動モードMMの内容(真運動モードまたは相対運動モード)に応じて座標変換部4へ画像メモリ部6上の座標変換開始アドレス(XS ,YS )を設定する。この場合、相対運動モードに選択されているとき、座標変換開始アドレス(XS ,YS )は、例えば、画像メモリ部6の中心C(図16参照)に設定される一定値であり、真運動モードに選択されているときには、自船201の針路、すなわちジャイロコンパスの針路θG と速力計から端子24を通じて取り込まれる速度信号Svにより計算される自船201の速度Vと、時間t前の自船位置、言い換えれば、読み出し開始アドレス(XS-1 ,YS-1 )とから、現時点における座標変換開始アドレス(XS ,YS )が次の(3)式{上述の(3)式を再掲示した式}に示すように表される。
【0062】
Figure 0003866784
座標変換部4は、方位演算部3から供給される座標変換用の基準角度θZ と、制御部5aから供給される座標変換開始アドレス(XS ,YS )と図示しないタイミングジェネレータから供給される座標変換クロックとにより画像メモリ部6へのレーダ映像データRvdbの書き込みアドレス(X,Y)を発生し、バッファメモリ部2よりその座標変換クロックに同期してレーダ映像データRvdbを読み出して画像メモリ部6に書き込む。
【0063】
この場合、画像メモリ部6への書き込みアドレス(X,Y)は、自船201の位置からの(掃引)距離をrとするとき、次の(4)式{上述の(4)式を再掲示した式}で与えられる。
【0064】
Figure 0003866784
制御部5aは、海図入力部7から緯度・経度によりアドレスの定まる電子海図情報Mvdaを取り込み、端子25を通じて供給される自船位置信号Spにより分かる緯度・経度の自船位置情報と、レーダ装置の使用距離縮尺Rmaxに応じて、電子海図情報Mvdaの切り取り範囲を計算し、海図メモリ部8aに対する書き込みアドレスを発生させて、海図映像データMvdbを書き込む。なお、この海図メモリ部8aへの海図映像データMvdbの書き込み処理を、表示器10上での表示と対応して考える利便性を考慮して、便宜上、海図メモリ部8aに海図映像を描画するともいう。
【0065】
図2Aに画像メモリ部6の構成例を示し、図2Bに海図メモリ部8aの構成例を示している。画像メモリ部6は、1辺の長さがL(したがって、メモリアドレス数としては、L×L箇)の正方形で構成され、自船201の位置と船首線SHMと映像表示枠11とレーダ映像Rvが書き込まれる。海図メモリ部8aは、この実施の形態では、1辺の長さが2L(したがって、メモリアドレス数としては、2L×2L箇)の正方形で構成されている。このように海図メモリ部8aを画像メモリ部6より大きく選んだ理由は、海図メモリ部8aの任意の点から任意の方向に海図映像Mcを読み出したときに、海図映像Mcの欠けを防止するためと自船201の移動に伴い頻繁に海図入力部7から海図メモリ部8aへの再描画処理を行う必要性を回避するためである。
【0066】
海図メモリ部8aへの海図入力部7からの電子海図情報Mvdaの再書き込みは、レーダ装置の使用距離縮尺Rmaxを変更したときその縮尺に応じた大きさの海図映像Mcを取り込むとき、自船201の位置を変更する離心(オフセンタ)モードへ変更したときにその離心量に応じてオフセットさせた海図映像Mcを取り込むとき、運動モードを変更したとき、真運動モードでリセットしたとき、および以下に説明するような海図メモリ部8aに欠けが生じたとき等に1度だけ座標変換開始アドレス(XS ,YS )を中心として、運動モード、方位表示モードに拘わらず、ノースアップで描画が行われる。
【0067】
海図メモリ部8aの欠けとは、この実施の形態では、海図メモリ部8aの読み出し中心アドレス(XO ,YO )を自船201の移動に連動して変更するようにしているため、自船201の位置が移動したときに、直径Lの円内に海図情報が記憶されていない部分が含まれる場合をいい、その部分について海図メモリ部8aから海図情報が読み出せない場合をいう。
【0068】
具体的には、図3に示すように、自船201の位置が、速度V、ジャイロコンパスの針路θG で点Aから点Bに移動した場合には、海図メモリ部8aの読み出しアドレスが点Aの中心アドレスから点Bに対応するアドレスに移動して、その点Bを映像表示枠11に一致する円の中心とする直径Lの範囲内で海図情報に欠けが発生する場合をいう。
【0069】
この発明の特徴的な構成の1つである読み出し制御部5bは、使用している(選択している)運動モード・方位表示モードに応じて海図メモリ部8aへ読み出しアドレス(XH ,YH )を送出し、海図メモリ部8aから読み出した海図映像データMvdcを、ラスタスキャンの1水平走査分の海図映像データMvdcを記憶可能な水平走査メモリ部12へ転送する。
【0070】
次に、読み出し制御部5bによる海図メモリ部8aからの海図映像データMvdcの読み出し方法について、運動モードが相対運動モードであり、方位表示モードがヘッドアップ表示モードである場合について説明する。
【0071】
読み出し方向は、ノンインターレース・ラスタスキャン方式の表示器10に与える垂直同期信号Vsyncと水平同期信号Hsyncに同期して水平同期信号Hsync毎に、図4に示すように、読み出し開始アドレスR1 {R1 =R1 (XR ,YR )}からアドレスR2 へ、次にアドレスR3 からアドレスR4 の順に海図メモリ部8aからの読み出し角度を真北方向0°から読み出し角度θだけ回転させた読み出しアドレスを生成して読み出す。XR 、YR は、それぞれ、読み出し開始Xアドレス 読み出し開始Yアドレスという。
【0072】
この実施の形態においては、相対運動・ヘッドアップ表示モードであるので、読み出し角度θは、ジャイロコンパスの針路θG に等しい角度θ=θG になる。
【0073】
この場合、読み出し開始アドレスR1 =R1 (XR ,YR )は、海図メモリ部8aの読み出し中心アドレスを(XO ,YO )として、以下の(5)式に示すように与えられる。
【0074】
Figure 0003866784
読み出し開始アドレスR1 =R1 (XR ,YR )からアドレスR2 までの水平走査方向の読み出しアドレス(XH ,YH )は、転送クロックをCK、そのカウント値をn・CKとすると、次の(6)式に示すように得られる。
【0075】
Figure 0003866784
また、読み出し開始アドレスR1 =R1 (XR ,YR )からアドレスR3 までの垂直走査方向の読み出しアドレス(XV ,YV )は、図示しないタイミングジェネレータから送出される水平同期信号Hsync毎に更新され、水平同期信号Hsyncのカウント値をm・HCKとして、次の(7)式に示すように与えられる。
Figure 0003866784
図5は、海図メモリ部8aの水平走査方向の読み出しアドレス(XH ,YH )と垂直走査方向の読み出しアドレス(XV ,YV )を生成する読み出し制御部5bの詳細な構成例を示している。制御部5aから端子31、32を通じて送出される読み出し開始アドレスR1 =R1 (XR ,YR )と、端子33、34を通じて送出される水平走査方向の読み出しアドレス(XH ,YH )の変化率cosθ、sinθと、端子35、36を通じて送出される垂直走査方向の読み出しアドレス(XV ,YV )の変化率cos{θ+(π/2)}、sin{θ+(π/2)}とを読み出し制御部5bに与えるだけで、図4に示したアドレスを回転させた読み出し動作が可能なように構成されている。
【0076】
なお、図5において、XV アドレスドライバ66、YV アドレスドライバ67、XH アドレスドライバ68およびYH アドレスドライバ69は、データの表示画面上の表示位置を指定するカウンタである、いわゆるアドレスポインタとして動作する。
【0077】
すなわち、制御部5aは、海図メモリ部8aの読み出し開始アドレスR1 (XR ,YR )をラッチ60、61に記憶させる。また、水平走査方向の読み出しアドレス(XH ,YH )の変化率cosθ、sinθを、それぞれ、XH 乗算器62とYH 乗算器63に設定する。さらに、垂直走査方向の読み出しアドレス(XV ,YV )の変化率cos{θ+(π/2)}、sin{θ+(π/2)}を、それぞれ、XV 乗算器64とYV 乗算器65に設定する。
【0078】
さらにまた、図示しないタイミングジェネレータから端子37〜39を通じて、それぞれ、所定のタイミングで海図メモリ部8aから海図映像データMvdcを読み出して水平走査メモリ部12に格納するための転送クロックCKと垂直同期信号Vsyncと水平同期信号Hsyncとが送出され、それらは、それぞれ、XH 乗算器62、YH 乗算器63と、XV アドレスドライバ66、YV アドレスドライバ67と、XV 乗算器64、YV 乗算器65、XH アドレスドライバ68、YH アドレスドライバ69とに供給される。
垂直同期信号Vsyncにより、ラッチ60、61の出力である読み出し開始アドレスR1 (XR ,YR )が、垂直走査方向の読み出しアドレス(XV ,YV )を発生させるXV アドレスドライバ66とYV アドレスドライバ67にそれぞれロードされる。この後、XV アドレスドライバ66とYV アドレスドライバ67にそれぞれロードされた読み出し開始アドレスR1 (XR ,YR )が、水平同期信号Hsyncにより水平走査方向の読み出しアドレス(XH ,YH )を発生させるXH アドレスドライバ68とYH アドレスドライバ69にロードされる。
【0079】
転送クロックCKによりXH 乗算器62、YH 乗算器63は設定された変化率cosθ、sinθに応じてUPクロックもしくはDOWNクロックを発生し、これらのクロックによりXH アドレスドライバ68、YH アドレスドライバ69はUPカウントもしくはDOWNカウントして海図メモリ部8aへ読み出しアドレス(XH ,YH )を送出する。L箇の転送クロックCKにより図4に示した読み出し開始アドレスR1 からアドレスR2 までの水平走査方向の読み出しが完了する。
【0080】
そして、次の水平同期信号HsyncによりXv乗算器64、YV 乗算器65は設定された変化率cos{θ+(π/2)}、sin{θ+(π/2)}に応じてUPクロックもしくはDOWNクロックを発生し、これらのクロックによりXV アドレスドライバ66、YV アドレスドライバ67はUPカウントもしくはDOWNカウントして水平走査方向のXH アドレスドライバ68、YH アドレスドライバ69へ次の水平走査の読み出しの始点となる図4に示すアドレスR3 を次の読み出し開始アドレスR1 (XR ,YR )として送出する。
【0081】
このようにして水平同期信号Hsync毎に図4に示す読み出し開始アドレスR1 からアドレスR3 方向への海図メモリ部8aからの海図映像データMvdcの読み出しが順次行われ、いわゆる1フレーム(1画面)分の表示画面の読み出しが完了する。
【0082】
そして、次の垂直同期信号VsyncによりXV アドレスドライバ66、YV アドレスドライバ67に、再度読み出し開始アドレスR1 (XR ,YR )がロードされ、次のフレーム用の読み出しが読み出し開始アドレスR1 から実施される。
【0083】
この実施の形態においては、空中線203の1回転(1スキャン)に1回読み出し中心アドレス(XO ,YO )の更新が実施される。この場合、読み出し中心アドレス(XO ,YO )の更新は、自船201のジャイロコンパスの針路θG と速度Vと時間t前の読み出し中心アドレスR1 (XO-1 ,YO-1 )から次の(8)式に示すように与えられる。
【0084】
Figure 0003866784
このようにして、自船201の針路θG と速度Vに応じて海図メモリ部8aからの読み出し中心アドレス(XO ,YO )を更新し、さらに読み出し中心アドレス(XO ,YO )に連動して読み出し開始アドレスR1 (XR ,YR )を更新することにより、ヘッドアップ・相対運動表示モードでレーダ映像Rvと海図映像Mcとを表示器10上に重畳して表示することができる。
【0085】
次に、他の方位表示・運動モードにおける重畳表示のための読み出しについて説明する。この場合、コースアップの針路θC も考慮する。
【0086】
▲1▼ ノースアップ・相対運動表示モードでは、読み出し開始アドレスR1 (XR ,YR )を回転させて読み出す必要がないので、上記(5)式において、読み出し角度θをθ=0°とすればよく、(9)式に示すように与えられる。相対運動表示モードであるので、この読み出し開始アドレスR1 (XR ,YR )は1スキャン毎に更新される。
【0087】
Figure 0003866784
▲2▼ コースアップ・相対運動表示モードでは、上記(5)式において、読み出し角度θをθ=θG −θC とすればよく、(10)式に示すように与えられる。この場合にも、相対運動表示モードであるので、読み出し開始アドレスR1 (XR ,YR )は1スキャン毎に更新される。
【0088】
Figure 0003866784
▲3▼ ノースアップ・真運動表示モードでは、読み出し開始アドレスR1 (XR ,YR )を回転する必要もなく、また固定であり、上記(9)式に示す読み出し開始アドレスが使用される。
【0089】
▲4▼ コースアップ・真運動表示モードでは、読み出し開始アドレスR1 (XR ,YR )は、上記(10)式に示す値に固定される。
【0090】
なお、上述したように、ヘッドアップ・真運動表示モードは存在しない。
【0091】
さらに、この発明の特徴的な構成である水平走査メモリ部12は、1水平走査分の海図映像データMvdcを格納するためのメモリであり、例えば、FIFO方式のメモリで構成される。水平走査は、図6bに示すブランク信号BKにより、水平同期信号Hsync(図6a参照)を含む非表示期間NDSPと、水平同期信号Hsync間の表示期間DSPとに分けられる。
【0092】
非表示期間NDSPに転送クロックCK(図6c参照)により、海図メモリ部8aから読み出された1水平走査分の海図映像データMvdcが、水平走査メモリ部12に転送され、表示期間DSPに水平走査の読み出しクロックであるドットクロックDK(図6d参照)により、転送された順に読み出されて混合器9に供給される。
【0093】
水平走査メモリ部12は、画像メモリ部6と同時にドットクロックDKで読み出され、混合器9を通じて表示器10へ送出され、レーダ映像Rvと海図映像Mcとが重畳表示される。
【0094】
図7に、この実施の形態における重畳表示の例を示す。
【0095】
図7において、自船201は、針路θG の方向へ速度Vで移動しているものとする。また、レーダ装置は、ヘッドアップ・相対運動表示モードに設定されているものとする。
【0096】
画像メモリ部6には、映像表示枠11内に船首線SHMとレーダ映像Rvとが書き込まれている。海図メモリ部8aには、海図映像Mcが書き込まれ、領域L×L箇で示す読み出し範囲41が示されている。この読み出し範囲41の海図映像Mcとレーダ映像Rvとが混合器9で混合されることで、表示器10上にレーダ映像Rvと海図映像Mcとの重畳表示が描出される。なお、表示器10上の映像は、不要な部分を表示させないため、映像表示枠11に対応する円形等のマスク処理が施されている。
【0097】
また、この発明は上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、海図メモリ部からの海図映像データの読み出しの高速化を簡単な構成で図り、これにより、自船の位置が表示器上で固定され、海図映像の連続的な更新の必要な相対運動モード時においても、海図映像とレーダ映像との重畳表示を行うことができるという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】図2Aは、画像メモリ部の構成例を示す図、
図2Bは、海図メモリ部の構成例を示す図である。
【図3】海図映像に欠けが生じる寸前の状態の説明に供される図である。
【図4】回転して読み出しアドレスを生成する動作の説明に供される図である。
【図5】読み出し制御部の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図6】水平走査メモリ部等の読み出し書き込み動作の説明に供されるタイミング図である。
【図7】この発明の実施の形態による重畳表示の説明に供される図である。
【図8】一般的に、空から自船を見た状態を示す模式図である。
【図9】空中線の角度の説明に供される図である。
【図10】図10Aは、ヘッドアップモード時の掃引線等の表示説明に供される図、
図10Bは、ノースアップモード時の掃引線等の表示説明に供される図である。
【図11】コースアップモードに設定した後、自船の針路を変針した場合の説明に供される図である。
【図12】変針後の掃引線等の表示の説明に供される図であって、
図12Aは、ヘッドアップモード時、
図12Bは、ノースアップモード時、
図12Cは、コースアップモード時を表す図である。
【図13】この発明の背景技術の構成を示すブロック図である。
【図14】バッファメモリ部への映像データの格納方法の説明に供される図である。
【図15】極座標の説明に供される図である。
【図16】画像メモリ部の中心に設定される座標変換アドレスの説明に供される図である。
【図17】図13例に基づく、レーダ画面の映像表示例を示す図である。
【符号の説明】
5a…制御部 5b…読み出し制御部
6…画像メモリ部 7…海図入力部
8a…海図メモリ部 9…混合器
10…表示器 11…映像表示枠
12…水平走査メモリ部 201…自船
202…船首方向 203…空中線
204…輻射面 205…輻射方向
VD…ビデオ信号 θA …空中線の角度
θZ …座標変換用の基準角度 θG …ジャイロ針路
Sv…速度信号 Sp…位置信号
AZDM…方位表示モード MM…運動モード
Rvda、Rvdb、Rvdc…レーダ映像データ
Mvda…電子海図情報 Mvdb、Mvdc…海図映像データ
SHM…船首線 Rv…レーダ映像
Mc…海図映像 R1 …読み出し開始アドレス
R …読み出し開始Xアドレス YR …読み出し開始Yアドレス
Vsync…垂直同期信号 Hsync…水平同期信号
CK…転送クロック BK…ブランク信号
NDSP…非表示期間 DSP…表示期間
DK…ドットクロック SWP…掃引線
Rmax…レーダ装置の使用距離縮尺

Claims (2)

  1. 画像メモリ部から出力されるレーダ映像データと、海図メモリ部から出力される海図映像データとを混合器により混合して表示器の画面上にレーダ映像と海図映像とを重畳してラスタスキャン方式により表示するレーダ装置において
    記海図メモリ部の読み出しアドレスを生成する海図メモリ部読み出し制御部と、
    前記海図メモリ部と前記混合器との間に接続され、ラスタスキャンの1水平走査分の海図映像データを記憶する水平走査メモリ部とを備え、
    前記海図メモリ部のメモリエリアは、前記画像メモリ部のメモリエリアより大きく選定され、
    前記海図メモリ部には、自船位置情報と前記レーダ装置の使用距離縮尺に応じて切り取り範囲が決められる電子海図情報が書き込まれ、
    前記海図メモリ部読み出し制御部は、設定された方位表示モードに応じて、前記海図メモリ部からの読み出し角度を回転させた読み出しアドレスを生成し、この生成した読み出しアドレスにより、前記海図メモリ部からラスタスキャンの1水平走査分の前記海図映像データを順次読み出して前記水平走査メモリ部に記憶させ、
    前記混合器により、前記水平走査メモリ部に記憶された海図映像データと前記レーダ映像データとを混合して、自船の位置が表示器上で固定して表示される相対運動モード時においても、海図映像とレーダ映像との重畳表示を行うようにしたことを特徴とする電子海図の重畳表示可能なレーダ装置。
  2. 前記海図メモリ部のメモリエリアは、前記画像メモリ部のメモリエリアをL×L箇とするとき、2L×2L箇に選定されていることを特徴とする請求項記載の電子海図の重畳表示可能なレーダ装置。
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