JP3696502B2 - レーダ映像表示方法およびレーダ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンテナ回転により得られた受信信号をメモリに書き込むとともに、メモリの内容をラスタスキャン方式で読み出してCRTなどの表示器に表示させる船舶用レーダに関し、島などの固定物標のスキャン間処理を適正に行うことが出来るレーダ映像表示方法およびレーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アンテナ回転により得られた受信信号をメモリに書き込むとともに、メモリの内容をラスタスキャン方式で読み出してCRTなどの表示器に表示させる、従来の船舶用レーダの全体構成図を、図4に示す。
【0003】
図4において、アンテナ部1内の受信機から出力される受信信号はA/D変換回路2にて量子化されディジタル信号に変換される。このディジタル化された受信信号はスイープメモリ3に時系列に一旦記憶される。このスイープメモリ3に記憶された受信信号は、現在エコーデータとして、スキャン間処理回路4に入力される。
【0004】
一方、アンテナ回転信号発生回路14からアンテナ角度に同期したパルス信号、ジャイロなどの自船の回頭による針路を出力するジャイロインターフェース回路17の信号、および時間データとから距離角度信号制御回路15にて角度信号、距離信号を発生させる。この角度信号および距離信号と、速度情報入力回路18から得られる船速情報とを合わせて座標変換回路16に入力し、座標変換回路16から書き込みアドレスを発生する。
【0005】
なお、CPU回路20は、各種装置の制御を行うものであり、距離角度信号制御回路15,ジャイロインターフェース回路17,速度情報入力回路18,送受信機制御回路19、グラフィック制御回路21等にそれぞれ制御信号を供給する。送受信機制御回路19はレーダの送受信機の制御を行うものであり、グラフィック制御回路21は画面上に表示される各種表示データなどのグラフィック文字などをグラフィックフレームメモリ22に描画する。
【0006】
処理表示メモリ5は、座標変換回路16からの書き込みアドレスを受けて、記憶されている1スキャン前のエコーデータを読み出し、スキャン間処理回路4に入力する。スキャン間処理回路4では、入力された1スキャン前のエコーデータと、スイープメモリ3からの現在のエコーデータとに基づいてスキャン相関処理を行い、物標検出確率を向上するなどの処理を行い、その処理済みのデータを書き込みアドレスにしたがって、処理表示メモリ5に再書き込みする。
【0007】
処理表示メモリ5に書き込まれたエコーデータおよびグラフィックフレームメモリ22のグラフィック表示データは、D/A変換回路23でアナログ信号に変換されて、CRT表示器24に表示される。
【0008】
座標変換回路16は、極座標−直交座標変換、すなわちその時点のスイープメモリ3からの時系列データの極座標を、アンテナの方位、自船の進路、自船の位置、指定される表示モードに基づいて、直交座標(X,Y)からなる処理表示メモリ5の書き込みアドレスに変換するものである。これによりスイープメモリ3からの時系列データと1スキャン前のエコーデータとのスキャン相関処理、および処理表示メモリ5へのデータの書き込みが可能になる。
【0009】
この座標変換回路16の座標変換は、次式に基づいて行われる。
X=XC+Rsinθ
Y=YC+Rcosθ
但し、XC:変換開始X座標、YC:変換開始Y座標、θ:変換時角度、
R:距離、X:変換X座標、Y:変換Y座標
【0010】
ここでこの変換時角度θが、指定された方向表示モード、すなわちヘッドアップ表示モード(以下、HUP)であるか、ノースアップ表示モード(以下、NUP)であるか、コースアップ表示モード(以下、CUP)であるか、さらには自船の回頭にしたがって随時変化させる必要がある。
【0011】
通常、この変換時角度θは、各方向表示モードによって次のようになる。
HUP=ANT
NUP=ANT+GYRO
CUP=ANT+GYRO−COURSE
但し、ANT:アンテナの向いている方位、GYRO:ジャイロなどの絶対方位、COURSE:リセット時の自船の針路
【0012】
方向表示モードには、以上の3種類がある。HUPでは、表示画面の真上が自船の舳先と一致する。したがって、自船のブリッジから観測者が眺めているのと同じ表示をしている。つまり、固定物標などは、自船が回頭するとその回頭した方向と反対の方向へ回転したように表示される。
【0013】
NUPでは、表示画面の真上が常に北を指す。つまり、島などの固定物標は、自船の回頭に関係なく、その表示される画面上の位置が固定される。
【0014】
CUPでは、表示画面の真上が、CUPのリセットスイッチなどで方位固定した瞬間の針路となる。したがって、この方位固定した瞬間はHUPの表示と同じであるが、船が回頭するとその影響はNUPと同様な表示となる。
【0015】
この3つの方向表示モードで、CUPとNUPは固定物標が表示画面に固定され、HUPでは自船の回頭にしたがって固定物標は別の位置に表示される表示であるといえる。
【0016】
これら方向表示モードとは別に、自船が移動した場合に、自船の位置を固定して表示するか、或いは自船位置の表示を動かして表示するかによって、運動表示モードが、相対運動表示モード(以下、RM)と真運動表示モード(以下、TM)の2種類に分けられる。
【0017】
RMは、自船表示位置(座標変換の中心)を固定して表示する方式で、自船の移動に伴って、固定物標が自船の移動と逆方向に相対的に移動して表示される方式である。このRMでは、通常ブリッジで観測者が自分の周りの景色を見回すのと同様の映像が表示される。
【0018】
TMは、自船表示位置を自船の移動(距離、方向)にしたがって移動させて表示する方式で、固定物標は表示位置で固定して表示される。TMでは、海図上に自船が移動した方向と距離に応じて移動して表示される。
【0019】
したがって、船舶用レーダの表示方式としては、方向表示モードのHUP,NUP,CUPと、運動表示モードのRM、TMとの組み合わせで、例えば、RM−HUP(相対運動のヘッドアップ表示モード)や、TM−NUP(真運動のノースアップ表示モード)などのように、表示モードが決まることになる。
【0020】
さて、レーダで、物標のエコーを観測する場合、雪雨や海面からの反射波やノイズなどの不要波に埋もれた映像信号を処理するとき、図4のスキャン間処理回路4のようなスキャン間のエコーデータの処理を行って、過去に存在したエコーデータが現在もある場合とそうでない場合とで表示映像を表示処理する、つまり相関処理を行うことにより、物標の検出確率を上げることが行われる。また、物標からの反射信号強度の変動が大きい場合に、スキャン間処理に保持(ピークホールド)処理を用いて、物標を検出した状態をメモリ上に保持することで、画面上の物標検出確率を向上させることが行われる。
【0021】
一方、処理表示メモリ5の記憶データの読み出しは、ラスタスキャン方式により行われ、図5に示されるようにX方向がNドット、Y方向がMドットのメモリにおいて、一般的には処理表示メモリ5の左上端から開始され、X方向へ直線的にNドット分移動し、その右端に達すると順次Y方向に1段下へ移動するとともにX方向を左端へ引き戻した後、X方向の直線移動を行う。処理表示メモリ5のN×M分を全て読み出し、右下段に達した後、始点である左上端に戻り、この読み出し動作を繰り返す。
【0022】
この処理表示メモリ5は、図6(a)に示されるように、ラスタスキャン読み出しの順に一致したアドレスに配置され、メモリをアドレス順に単調に読み出すことで、容易に表示データを得ることが出来るように構成されている。通常はこの図6の例のように、メモリアクセス1サイクルで同時に直線領域にある複数ドット分のデータを読み出し可能にしている。例えば、図6(b)に示されるように、メモリアクセス1サイクルで読み出されるメモリ領域Anに連続する8ドット分のデータD0〜D7を配置している。なお、各ドット分のデータは、それぞれ4ビットや8ビットからなるデータである。
【0023】
この場合、図5,図6に示されるように、処理表示メモリ5のメモリ配置によるラスタスキャン読み出しは、定められた水平方向の読み出しに限定されている。一方、物標の検出確率を上げるために、スキャン間のエコーデータの相関処理を行う場合には、自船の回転および移動を補正する必要があることからTM面での映像データの処理が必要であり、通常TM−NUPで処理される。なお、理論的にはRMやHUPであったとしても、その表示処理が不可能ではないが、その処理負担は膨大なものとなるから、現実的にはその処理表示は無理である。このようにして、レーダ映像の表示は、TM−NUPで表示されるように構成されている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
このように配置された処理表示メモリ5からのメモリデータの読み出しは、定められた方向(水平X方向)の読み出しに限定されており、TM−NUPで処理されたレーダ映像を常に北方向を上方に固定して表示する。しかし、レーダ使用者の中には、船首方向を画面上方に固定した表示に慣れ、この表示によるほうが他船観測の効率がよい場合がある。
【0025】
そこで、TM−NUPで描かれた映像を読み出す場合に、例えば船首方向が画面上方に固定されるよう、表示画面を回転させて表示させるために、水平X方向以外の任意の方向への読み出し動作を行うことになる。この任意の方向への読み出し動作を行う場合には、従来のように配置された処理表示メモリ5では、表示1ドット毎にメモリアクセス1サイクルが必要となこともある。例えば、図6(a)の破線の方向にラスタスキャンする場合、あるメモリアクセスサイクルでアドレスAnがアクセスされたときには、同図(b)のように、そのメモリサイクルで読み出されたデータD0〜D7の8ドットのうちD4,D5の2ドットだけが出力データとして利用でき、他の6ドットは利用されることなく捨てられる。破線の方向がさらにY軸方向に近いときには、8ドット中1ドットのみのデータが、出力データとして利用されるに過ぎなくなる。
【0026】
このように、メモリアクセス1サイクルで利用できるドット数が少なくなるために、表示解像度が高い場合には、CRT表示器24の表示1周期(すなわち画面走査1回)内に1画面分の映像データを読み出すことが出来なくなる。
【0027】
このようにTM−NUPで描かれた映像を、船首方向が画面上方に固定されるように画面表示走査で細工をすることが出来ないという不具合を改善するために、処理表示メモリ5への書き込み動作における基準角度を自船コース角度に設定し,アンテナ1回転にて全領域のメモリ内容を書き換えることで、TM−CUPを得ていた。これは、船首方向を画面上方に設定したいという使用者のニーズに応えるために、擬似的な手段として採用されている。
【0028】
しかし、コースは、瞬時的な船首方向ではなく、自船が進むべき方向を意味するため、自船が転進し、進むべき方向を変更した場合には、そのコースを変更しなければならない。TM−CUPでは、コースが画面上方になるように映像を描いているため、このコースが変更された場合には新しいコースが画面上方に来るように、処理表示メモリ5の映像データの再描画が必要となる。映像の再描画は、アンテナの回転(通常、2ないし3秒/回転)によって行われるため、画面全体の映像が新しいコースで描画(更新)されるためには、アンテナ1回転の時間が必要となるし、その間の表示は映像がなめらかに回転しないことになる。
【0029】
さらに、スキャン間相関処理は、新しいコースに応じて更新された画像と、それ以降のエコーデータとの比較処理により行われるから、スキャン相関処理をコースの更新の都度やり直す必要がある。このスキャン相関やり直しの間は、鮮明な画像が得られない。
【0030】
特に小型漁船などで、自船が頻繁に旋回し、船首方向を常に一定方向に固定し、表示映像を出来る限り高速に回転させる必要がある場合には、この問題が顕著になる。
【0031】
そこで、本発明は、アンテナから発射された電波が物標に反射して得られるエコー信号を受信し、表示器に表示するレーダにおいて、所定の表示モードにしたがって映像データが記憶された処理表示メモリからその映像データを読み出し、任意の角度に映像を回転して表示することが出来る、レーダ映像表示方法およびレーダ装置を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】
請求項1のレーダ映像表示方法は、メモリアクセス1サイクルの動作で、所定2次元方形領域毎に、データを同時に書き込み、読み出し可能な処理表示メモリに、所定の表示モードでレーダエコーデータを記憶させ、かつ、前記処理表示メモリから、指定された角度でラスタスキャンして前記方形領域毎にデータを読み出し、キャッシュで処理することにより、指定の表示角度で回転させた映像を表示することを特徴とする。
【0033】
請求項2のレーダ装置は、メモリアクセス1サイクルの動作で、所定2次元領域毎にデータを同時に書き込み、読み出し可能であり、所定の表示モードでレーダエコーデータを記憶する処理表示メモリ手段と、少なくとも最新の1スイープのエコーデータを記憶するスイープメモリ手段と、前記処理表示メモリ手段から、前記スイープメモリ手段に記憶されているエコーデータと対応する前記予定2次元方形領域毎のレーダエコーデータを読み出す第1キャッシュ手段と、前記スイープメモリ手段のエコーデータと、前記所定2次元方形領域の該当するデータとをスキャン間処理を施した上で、前記所定2次元方形領域に書き込む新しいデータを形成する、スキャン間処理手段と、前記処理表示メモリ手段から、指定された角度でラスタスキャンして、前記方形領域毎にデータを読み出し、前記ラスタスキャンのラインに沿ってデータを処理する第2キャッシュ手段と、この第2キャッシュ手段からのデータを受け、表示する表示器手段とを備え、前記処理表示メモリ手段に記憶されたレーダエコーデータを前記指定された角度だけ回転させた映像を表示することを特徴とする。
【0034】
本発明では、メモリアクセス1サイクルの動作で、所定2次元領域毎にデータを同時に書き込み、読み出し可能なレーダエコーデータを記憶する処理表示メモリおよびこのメモリへの所定の表示モードでのレーダエコーデータの書き込み、およびこのメモリから所定の角度でのレーダエコーデータの読み出しに際し、所定単位の2次元方形領域毎に読み出し或いは読み出し再書き込みし処理するキャッシュを設けることにより、任意の角度でのラスタスキャン表示走査で処理表示メモリから読み出し、任意の角度だけ表示映像を回転させて表示器に直接表示することが出来る。もちろん、船首方向を常に一定方向に固定することも出来、さらに自船の旋回に応じて滑らかに表示映像を回転させることが出来る。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明の実施の形態にかかる船舶用レーダ装置の全体構成を示す図であり、図2は、処理表示メモリの構成図であり、図3は、処理表示メモリからの読み出し動作を説明する図である。
【0037】
図1において、処理データキャッシュ6,表示アドレス発生回路7,メモリアドレス変換回路8,メモリアドレス変換回路9,メモリ制御回路10,表示データキャッシュ11,表示データバッファ12,が設けられており、また処理表示メモリ13はそのメモリ構造が従来の処理表示メモリ5とは大きく異なっている。なお、図4に示した符号と同じ符号のものは同一の構成要素を示している。
【0038】
処理表示メモリ13は、図2(a)に示されるように、横方向にNドット、縦方向にMドットで、全体としてN×Mドットの記憶容量を有しており、各メモリアクセス1サイクルでアクセスされる1アドレスには、k=8として、2次元方形領域8ドット×8ドットの64ドットが配置されている。この2次元方形領域は例として示す同図(b)に示されるように、ドットD0からドットD63のデータを持っている。したがって、処理表示メモリ13からは各2次元方形領域A0〜AN/K−1〜An・・・が指定されると、その方形領域に含まれる64ドットのデータが一度に読み出され、或いは一度に書き込まれる。この2次元方形領域としては、8×8ドットの外、4×4ドット、2×2ドット等の正方領域でよく、また正方領域に限らず、長方領域とすることも出来る。
【0039】
処理データキャッシュ6は、処理表示メモリ13に比較してその動作速度が著しく速いメモリ素子、例えばレジスタ、バッファやSRAM(スタティックRAM)などが用いられる。この処理データキャッシュ6に、メモリ制御回路10を介して処理表示メモリ13の所定の2次元方形領域のデータが読み出される。また、この2次元方形領域のデータはスキャン間処理が施された上で、再びメモリ制御回路10を介して処理表示メモリ13の所定の、つまり読み出されたアドレスに再書き込みされる。メモリアドレス変換回路8は、座標変換回路16での書き込みアドレスを、処理表示メモリ13の各2次元方形領域A0〜AN/K−1〜An・・・のアドレスに変換するものであり、この変換アドレスがメモリ制御回路10を介して処理表示メモリ13に与えられる。
【0040】
表示アドレス発生回路7は、CPU回路20からの表示中心位置データと表示角度データを受けて、その時点のアドレスを発生して、メモリアドレス変換回路9に供給する。メモリアドレス変換回路9は、表示アドレス発生回路7での表示アドレスを、処理表示メモリ13の各2次元方形領域A0〜AN/K−1〜An・・・のアドレスに変換するものであり、この変換アドレスがメモリ制御回路10を介して処理表示メモリ13に与えられる。この表示中心データは、図3(a)の中央の黒点で示されており、表示角度データは同図(a)の実線矢印で示されているラスタスキャンの方向である。
【0041】
また、図3(a)においてN×Mドットの処理表示メモリ13のメモリ領域の中の小さい四角形がラスタスキャンする表示領域である。この表示領域は、表示中心位置(黒点)を中心として、表示角度データにしたがって回転され、指定された方向を上部にこの表示領域内のデータが表示される。したがって、処理表示メモリ13のメモリ領域は、少なくともその表示領域が任意の角度に回転できるだけの寸法を有している。例えば、一般的なXGA画面の場合には、例えば1024×768ドットであるから、この場合、処理表示メモリ13のメモリ領域は2048×2048としている。
【0042】
表示データキャッシュ11は、処理データキャッシュ6と同様に、処理表示メモリ13に比較してその動作速度が著しく速いメモリ素子、例えばレジスタ、バッファやSRAM(スタティックRAM)などが用いられる。この表示データキャッシュ11に、メモリ制御回路10を介して処理表示メモリ13の所定の2次元方形領域のデータが読み出される。読み出された2次元方形領域のデータのうち、その時点での表示角度に沿ったデータが読み出され、表示データバッファ12を介して、CRT表示器24に表示される。
【0043】
さて、本実施の形態では、TM−NUPの表示モードで処理表示メモリ13にエコーデータが書き込まれ、また指定された表示角度でラスタスキャン表示周期毎にレーダ映像を回転表示させる動作について説明する。
【0044】
処理表示メモリ13へのレーダ映像の書き込み動作は、地球上の絶対座標に固定されたメモリ上へ、アンテナ回転信号発生回路14からの自船の位置(すなわちアンテナ位置)、ジャイロインターフェース回路17からの真方位情報や時間情報、さらに速度情報入力回路18からの速度情報を元に、アンテナ位置を中心にして座標変換回路16にて極座標を直交座標に変換し、座標変換回路16から書き込みアドレスを出力する。
【0045】
座標変換回路16から出力される書き込みアドレスは、メモリアドレス変換回路8および処理データキャッシュ6に供給される。メモリアドレス変換回路8では、供給された書き込みアドレスを処理表示メモリ13の実メモリアドレスA0〜AN/K−1〜An・・・に変換し、メモリ制御回路10を介して処理表示メモリ13に供給する。この実メモリアドレスA0〜AN/K−1〜An・・・は、アンテナ部1が電波を放射しつつ回転して得るPPI映像に対応しており、基点を中心として周囲方向に延びつつ一定方向に回転することになる。
【0046】
書き込みアドレスは、レーダ映像を描画する平面において、各ドットの対応する行と列の識別値であり、この値は行方向および列方向に線形に変化する。実メモリアドレスは、書き込みアドレス(レーダ映像中の任意の点の位置)が対応するメモリのアドレスである。本発明では、メモリアクセス1サイクルで方形領域(64ドット)のデータを一度に読み出すから、書き込みアドレスと実アドレスとは1対1の関係になく、書き込みアドレスの時間変化に伴って初めて対応する実アドレスに当たった段階で当該実アドレスを得ることになる。
【0047】
処理表示メモリ13からは、指定された特定の実メモリアドレス(例えばAn)に該当する方形領域データ(8×8ドット)が処理データキャッシュ6に同時に転送される。
【0048】
処理データキャッシュ6には座標変換回路16からの書き込み用アドレスが供給されており、転送され記憶している方形領域データ(8×8ドット)から、スイープメモリ3からの1スイープ分の現在データと対応する過去データが順次読み出され、スキャン間処理回路4にて相関処理などスキャン間処理が行われ、その処理結果が処理データキャッシュ6に再び記憶される。レーダ映像の書き込みは直線的に行われるため、一度の方形領域データ(8×8ドット)の読み出しで複数回の処理データキャッシュ6への書き込み動作が行われ、処理表示メモリ13へのアクセス頻度を低減できる。
【0049】
書き込みアドレスが移動し、処理データキャッシュ6内のデータに、書き込みアドレスに該当するデータがなくなった場合には、処理データキャッシュ6内のデータを処理表示メモリ13へ書き戻した後、次の該当する書き込みアドレスに対応した処理表示メモリ13内の方形領域データが処理データキャッシュ6に読み込まれ、レーダ映像の書き込み動作が行われる。
【0050】
なお、メモリ制御回路10は、処理動作による処理表示メモリ13のアクセスと表示動作による処理表示メモリ13のアクセスが同時に行われないように調停し、1個の処理表示メモリ13に対し両方のアクセスが行えるようにする。
【0051】
次に、処理表示メモリ13に書き込まれた映像データを、任意に指定された角度だけ回転させて表示する動作について説明する。以下の説明では、HUP表示することを前提としているが、もちろん他の表示モードで表示することも可能である。
【0052】
まず、CPU回路20から、表示中心位置データと表示角度データが表示アドレス発生回路7へ設定される。この表示中心位置データは自船位置(=アンテナ位置)を示す。処理表示メモリ13はTM−NUPで描画されるため、自船位置は自船の移動とともに変化する。一般的な使用方法では、レーダ画面の中心位置に自船位置がくるように画面表示を行うから、TM−NUPの処理表示メモリ13に対して画面の中心がその時点の自船位置にくるように表示走査毎に表示中心位置データを更新する。また、船首方向が画面上方に固定されるためには、船首が向く真方位データから表示走査をどの角度に設定すればよいかが算出でき、この表示の傾きが表示角度データとして表示走査毎に出力される。
【0053】
スキャン動作は、図3(a)に示されるように、黒点を中心とした小さい4角内の映像データを一辺が上方となるように、その一辺に平行に、ラスタスキャンされる。
【0054】
表示アドレス発生回路7は、設定された表示中心位置データと表示角度データに基づいて、ラスタスキャン走査に応じて読み出すべき表示アドレスを順次発生させる。この表示アドレスは、書き込みアドレスと同様に、レーダ映像を描画する平面において、各ドットの対応する行と列の識別値であり、この値は行方向および列方向に線形に変化する。この表示アドレスは、ラスタスキャンのスキャン密度にしたがって一定間隔での平行線にしたがって算出される。
【0055】
この表示アドレスを、処理表示メモリ13の実メモリアドレスA0〜AN/K−1〜An・・・に変換する。つまり、ラスタスキャンされるスキャンラインに沿って、表示アドレスに対する実メモリアドレスを算出し、新しい実メモリアドレスに当たった時点で、当該実メモリアドレスが変換値として得られる。
【0056】
ラスタスキャンの表示読み出しは線形走査であるから、任意の表示点の次以降の表示位置は簡単に予測がつく。実際には、読み出し走査は、決められた周期と増加値で順次表示位置を操作することなので、どの時点でどのデータを読むかは走査制御で前もって決定されることになる。
【0057】
処理表示メモリ13から、変換値として得られた実メモリアドレス(例えばAn)に該当する方形領域データが表示データキャッシュ11に転送される。
【0058】
ラスタスキャンは直線的に行われるから、その方形領域データを表示データキャッシュ11上に置くことで、1度のメモリ読み出しで、複数回の読み出し動作が行われ、処理表示メモリ13へのアクセス頻度を低減できる。これを図3(b)についてみると、一度の処理表示メモリ13へのアクセスで、実メモリアドレスAnの方形領域に含まれている64ドットD0〜D63のデータが表示データキャッシュ11に転送される。表示データキャッシュ11に転送された64ドットのデータを、読み出し方向線(すなわちラスタスキャン方向)に沿って、表示アドレスにしたがって所定間隔毎に順次読み出して、当該方形領域から複数回の表示データが出力される。この例では6ドットのデータが表示データとして出力されている。
【0059】
ここで、高速の走査が可能となる理由を具体的に説明する。表示データを処理表示メモリ13から直接読み出す場合、アドレスの設定、メモリがデータ出力できるまでの待ち、出力データの保持、の3ステップの手順が必要であり、この読み出し動作を個々のドット毎に通常必要とされる表示走査周波数で行うことは時間的に不可能である。例えば、通常のパソコン画面などに用いられるXGA画面の場合では、1ドットあたり許容される表示周期は約13nSであり、一方高速な表示メモリ(例えばSDRAM)でもメモリアクセス1サイクルに20〜30nS程度が必要であるから、必要とされる画像データを正常にメモリから直接読み出すことが出来ない。なお、SRAMは、メモリ速度は速いものの、1セルあたりの回路構成が複雑であることからその容量が小さく、表示メモリとしては使用できない。
【0060】
これに対して、本発明では、方形領域(8×8ドット)のデータを一括して表示データキャッシュ11に転送することで、表示走査における各ドットデータの読み出しは、メモリアクセスではなく、キャッシュのレジスタアクセスになり、通常のCMOSプロセスのICでも数nSの時間で出力できる。これにより、本発明では、低速のメモリアクセス速度で高速のラスタスキャン走査に対応可能となるのである。
【0061】
つぎに、表示アドレスが更新され、表示データキャッシュ11内のデータに該当する表示アドレスのデータがなくなった場合は、次の該当する表示アドレスに対応したメモリ制御回路10内の方形領域データが表示データキャッシュ11内に読み込まれ、ラスタスキャン表示動作が行われる。
【0062】
表示データキャッシュ11内に転送された方形領域からの読み出し回数は、表示場所によって異なり、最小1度の読み出しで表示データキャッシュ11の内容が更新されなければならない場合もある。表示データキャッシュ11から直接D/A変換回路23,CRT表示器24へ表示データを出力すると表示データが途切れる可能性があるため、表示データバッファ12を設け、表示データキャッシュ11からの読み出しを表示よりも数ドット先行して行い、常に表示データバッファ12内に表示データが残るようバッファサイズを決定する。これにより、表示データは途切れることなくD/A変換回路23へ出力される。
【0063】
この実施の形態では、ラスタスキャン走査の1画面表示毎(約17mS)に、画面中心位置と表示角度を設定するから、ラスタスキャン走査の1画面表示毎にレーダ映像が回転、移動する。したがって、船首方位を画面上方に固定した状態で、自船の移動にリアルタイムに追従し、ちらつきがなく、滑らかに回転、移動するレーダ映像を表示することが出来る。
【0064】
このように自船の移動にリアルタイムに追従したレーダ映像が表示されるから、1スキャン毎にしか映像が得られなかった従来のHUP表示モードに比べて、操船、例えば船首方向にブイを投入する時の操船など、が容易になる。
【0065】
なお、以上の実施の形態では、処理表示メモリ13へはTM−NUPモードで映像データが書き込まれることとしているが、このモードに限ることなく、例えばTM−CUPモードで処理表示メモリ13へ映像データが書き込まれてもよい。
【0066】
【発明の効果】
本発明では、任意の角度に表示映像を回転させ、ラスタスキャン表示走査で処理表示メモリから必要なデータを直接表示可能であるから、自船の旋回に応じて滑らかに表示映像を回転させることが可能となる。
【0067】
また、船首方向を常に一定方向に固定し、自船の旋回に応じて表示映像を滑らかに回転させることが出来るから、船舶などの航行時に他船および障害物の発見が確実になり、安全航行援助に大きく寄与することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の船舶用レーダの全体構成図。
【図2】本発明の処理表示メモリ構成図。
【図3】本発明の処理表示メモリ読み出し方向説明図。
【図4】従来の船舶用レーダの全体構成図。
【図5】従来の処理表示メモリ読み出し方向説明図。
【図6】従来の処理表示メモリ構成図。
【符号の説明】
1 アンテナ部
2 A/D変換回路
3 スイープメモリ
4 スキャン間処理回路
5 処理表示メモリ
6 処理データキャッシュ
7 表示アドレス発生回路
8 メモリアドレス変換回路
9 メモリアドレス変換回路
10 メモリ制御回路
11 表示データキャッシュ
12 表示データバッファ
13 処理表示メモリ
14 アンテナ回転信号発生回路
15 距離角度信号制御回路
16 座標変換回路
17 ジャイロインターフェース回路
18 速度情報入力回路
19 送受信機制御回路
20 CPU回路
21 グラフィック制御回路
22 グラフィックフレームメモリ
23 D/A変換回路
24 CRT表示器
Claims (2)
- メモリアクセス1サイクルの動作で、所定2次元方形領域毎に、データを同時に書き込み、読み出し可能な処理表示メモリに、所定の表示モードでレーダエコーデータを記憶させ、かつ、
前記処理表示メモリから、指定された角度でラスタスキャンして前記方形領域毎にデータを読み出し、キャッシュで処理することにより、
指定の表示角度で回転させた映像を表示することを特徴とするレーダ映像表示方法。 - メモリアクセス1サイクルの動作で、所定2次元領域毎にデータを同時に書き込み、読み出し可能であり、所定の表示モードでレーダエコーデータを記憶する処理表示メモリ手段と、
少なくとも最新の1スイープのエコーデータを記憶するスイープメモリ手段と、
前記処理表示メモリ手段から、前記スイープメモリ手段に記憶されているエコーデータと対応する前記所定2次元方形領域毎のレーダエコーデータを読み出す第1キャッシュ手段と、
前記スイープメモリ手段のエコーデータと、前記所定2次元方形領域の該当するデータとをスキャン間処理を施した上で、前記所定2次元方形領域に書き込む新しいデータを形成する、スキャン間処理手段と、
前記処理表示メモリ手段から、指定された角度でラスタスキャンして、前記方形領域毎にデータを読み出し、前記ラスタスキャンのラインに沿ってデータを処理する第2キャッシュ手段と、
この第2キャッシュ手段からのデータを受け、表示する表示器手段とを備え、
前記処理表示メモリ手段に記憶されたレーダエコーデータを前記指定された角度だけ回転させた映像を表示することを特徴とするレーダ装置。
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