JP3866150B2 - ボンディングヘッド及びこれを備えたボンディング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体チップのパッド上に形成された表面電極と基板上に形成された配線用リードとを接合するボンディングヘッド及びこれを備えたボンディング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体チップ(例えばフリップチップ)のパッド上に形成された表面電極と基板上に形成された配線用リードとを超音波振動により接合するボンディング装置としては、図12に示すボンディングヘッドを使用したものが知られている。図12に示すように、従来のボンディングヘッドは、振動子50に結合した超音波ホーン51と、超音波ホーン51の先端に取り付けられたボンディングツールとしてのコレット52と、超音波ホーン51を支持する支持具53等で構成されている。ボンディングヘッドはコレット52の先端で半導体チップを真空吸着し、基板上に形成された配線用リードに半導体チップを押圧して接合する。この時、コレット52により半導体チップに超音波振動が印加される。また、必要により熱等を加えて接合する場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図12に示すように、従来のボンディングヘッドは、超音波ホーン51の先端にボンディングツールとしてのコレット52が取り付けられている。半導体チップと基板のリードとの接合時に超音波振動が超音波ホーン51によりコレット52に印加され、このとき、コレット52は半導体チップに接触した状態で超音波振動を印加する。このため、超音波印加時にコレット52にたわみ振動によるねじれ等が発生すると、半導体チップへの超音波振動の伝達が不均一となり、接合の不完全な電極が発生して、接合状態がばらつくことがある。また、コレット52の半導体チップに接触している個所に上下振動が発生すると、接合中にコレット52の上下振動により半導体チップが破損することがある。
【0004】
また、超音波ホーン51の先端に位置するコレット52で、半導体チップを真空吸着するための機構を設けることは、振動系のバランスを崩して、コレット52の振動を不安定にすることがある。
【0005】
そこで、本発明は、従来のボンディングヘッドの改良を試みてなされたものであって、半導体チップの真空吸着を行っても、ボンディングツールの振動が安定化して、これにより、半導体チップのパッドと基板上のリードとの接合を確実に行うことが可能なボンディングヘッド及びこれを備えたボンディング装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によるボンディングヘッドは、超音波振動を印加して接合対象物と被接合部材とを接合するボンディングヘッドであって、超音波振動を発生する振動子と、前記超音波振動の1波長をλとして、超音波振動の進行方向におけるλ/2の位置を中心としてdの長さを有する第1の振動伝達部と、該第1の振動伝達部と前記振動子間に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の長さを有する第2の振動伝達部と、該第1の振動伝達部の他端に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の長さを有する第3の振動伝達部とを有する振動伝達部材と、第2の振動伝達部及び第3の振動伝達部の超音波振動の節の位置に設けられた支持部材と、前記第1の振動伝達部に設けた吸着部、ダクト部及び吸引部とを有し、前記第1の振動伝達部の前記吸引部は、第1の振動伝達部の長手方向部の側面の略中心位置に設け、前記第1の振動伝達部の長手方向部の一方の側面に前記吸引部と同等の質量を有する吸引バランス部を設けたものである。
また、本発明によるボンディングヘッドの前記第1の振動伝達部は、脱着可能なコレット又は前記コレットを保持するコレット保持部により、前記第2の振動伝達部及び前記第3の振動伝達部の方向にテーパ面を有するようにしたものである。また、本発明によるボンディングヘッドの前記第1の振動伝達部は、脱着可能なコレットを前記第1の振動伝達部に設けられた前記ダクト部を通ってネジ付き吸引パイプにより固定したものである。また、本発明によるボンディングヘッドの前記第1の振動伝達部は、上面にコレットと同等の質量を有する押圧バランス部を設けたものである。
【0007】
また、本発明によるボンディングヘッドの前記第1の振動伝達部の前記ダクト部は、前記第1の振動伝達部の長手方向の中心線上に設けたものである。
【0008】
また、本発明によるボンディング装置は、超音波振動を印加して接合対象物と被接合部材とを接合するボンディングヘッドを有するボンディング装置であって、超音波振動を発生する振動子と、前記超音波振動の1波長をλとして、超音波振動の進行方向におけるλ/2の位置を中心としてdの長さを有する第1の振動伝達部と、該第1の振動伝達部と前記振動子間に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の長さを有する第2の振動伝達部と、該第1の振動伝達部の他端に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の長さを有する第3の振動伝達部とを有する振動伝達部材と、第2の振動伝達部及び第3の振動伝達部の超音波振動の節の位置に設けられた支持部材と、前記第1の振動伝達部に設けた吸着部、ダクト部及び吸引部とを有しているボンディングヘッドを備え、前記ボンディングヘッドを駆動する圧接機構と、前記ボンディングヘッド及び前記圧接機構の制御を行う制御手段とを有し、前記ボンディングヘッドの前記第1の振動伝達部の吸引部は、第1の振動伝達部の長手方向部の側面の略中心位置に設け、前記第1の振動伝達部の長手方向部の一方の側面に前記吸引部と同等の質量を有する吸引バランス部を設けたものである。また、本発明によるボンディング装置の前記ボンディングヘッドの前記第1の振動伝達部は、脱着可能なコレット又は前記コレットを保持するコレット保持部により、前記第2の振動伝達部及び前記第3の振動伝達部の方向にテーパ面を有するようにしたものである。また、本発明によるボンディング装置の前記ボンディングヘッドの前記第1の振動伝達部は、脱着可能なコレットを前記第1の振動伝達部に設けられた前記ダクト部を通ってネジ付き吸引パイプにより固定したものである。また、本発明によるボンディング装置の前記ボンディングヘッドの前記第1の振動伝達部は、上面にコレットと同等の質量を有する押圧バランス部を設けたものである。
【0009】
また、本発明によるボンディング装置の前記ボンディングヘッドの前記第1の振動伝達部の前記ダクト部は、前記第1の振動伝達部の長手方向の中心線上に設けたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明によるボンディングヘッド及びこれを備えたボンディング装置の実施の形態について、図1乃至図11を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明によるボンディングヘッド10の実施の形態を示す斜視図、図2(a)は、図1に示すボンディングヘッド10の平面図、図2(b)は、図1に示すボンディングヘッド10のを示す正面図、図2(c)は、図1に示すボンディングヘッド10の振動モードを示す図、図3(a)は、図1に示すボンディングヘッド10の寸法を示した平面図、(b)は、図1に示すボンディングヘッド10の寸法を示した正面図、図4及び図5は、第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1cを直方体で形成した振動伝達部材1を示した図、図6及び図7は、本発明によるボンディングヘッド10の振動伝達部材1の固定について示した図、図8は、本発明によるボンディングヘッド10の振動子2を駆動する発振器18の構成を示すブロック図、図9は、本発明によるボンディングヘッド10の振動伝達部材1の振動時の変位状態を視覚的に表した図、図10は、図9に示す振動伝達部材1の押圧部4付近を拡大して 振動時の変位状態を視覚的に表した図、図11は、本発明によるボンディングヘッド10を備えたボンディング装置の構成を示す図である。
【0012】
図1、図2(a)及び図2(b)に示すように、ボンディングヘッド10は、所定の周波数の超音波振動を発生する1つの振動子2と、振動子2と結合して振動子2からの超音波振動を接合対象物22(図11に図示)に伝播する振動伝達部材1と、振動伝達部材1を支持固定する支持部材3(第1の支持部材3a、第2の支持部材3b、第3の支持部材3c及び第4の支持部材3d)とを有する。なお、図1で2点鎖線で示す固定部材19は、圧接機構15(図11に示す)に固定支持するためのものである。
【0013】
図1乃至図8に示すように、振動子2は、例えばPZT(piezoelectric:圧電)素子等で構成され、ケーブル14を介して発振器18から所定の周波数の電圧が印加されて超音波振動を発生する。振動子2の超音波振動の進行方向uにおける全長は、超音波振動の1波長λに対してλ/2で設定されている。発振器18から印加される電圧の周波数は、15kHz〜200kHzのものが使用可能である。しかして、本実施の形態は、15kHz〜200kHzのうち、60kHzの高周波を使用している。
【0014】
第1の振動伝達部1aのチップと接触する表面部材は耐磨耗性にすぐれた材料、例えば超硬、セラミック、工具鋼、ダイヤモンドまたはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)をロウ付け、溶接もしくは蒸着可能である。振動伝達部材1は、ジュラルミン、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム、チタン合金、超硬等の金属から形成されている。振動伝達部材1の全長は、振動子2が発生する超音波振動の進行方向uの共振長、すなわち超音波振動の半波長(λ/2)の整数倍に設定されており、本実施の形態では、振動子2が発生する超音波振動の進行方向uにおける全長がλ/2の2倍であるλである。
【0015】
図2(b)及び図2(c)に示すように、振動伝達部材1は、超音波振動の進行方向uにおけるλ/2(超音波振動の腹)の位置を中心としてdの長さを有する第1の振動伝達部1aと、第1の振動伝達部1aと振動子2との間に結合されて超音波振動の進行方向uにおける長さが(λ−d)/2である第2の振動伝達部1bと、第1の振動伝達部1aの他端、すなわち振動子2と対向する側の端部に結合されて超音波振動の進行方向uにおける長さが(λ−d)/2である第3の振動伝達部1cとからなる。
【0016】
図3(a)及び図3(b)は振動伝達部材1を形成する第1の振動伝達部1a、第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1cの各部の寸法を示し、第1の振動伝達部1aは、超音波振動の進行方向uの長さがd、幅はm、高さがhの寸法からなる。
【0017】
また、図3(a)及び図3(b)に示すように、第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1cの超音波振動の進行方向uにおける長さは(λ−d)/2であり、第1の振動伝達部1aに結合された第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1cの各面の幅は、第1の振動伝達部1aの幅と同一のmであり、高さはkである。また、第2の振動伝達部1bの振動子2に結合している面及び第3の振動伝達部1cの端面(λの位置の面)の幅はn、高さは幅と同一寸法のnである。ただし、n≧m及びk≧nとなるように幅及び高さを規定している。また、第1の振動伝達部1aの幅mをm=dとなるようにしてもよい。なお、第2の振動伝達部1bの振動子2に結合している面及び第3の振動伝達部1cの端面(λの位置の面)の幅と高さとの寸法は異なるようにしてもよい。
【0018】
第2の振動伝達部1bの表面の形状は、第1の振動伝達部1aに結合された面が長方形あり、振動子2に結合している面が正方形、その他の面(図3(a)、図3(b)に示す1bs1,1bs2、1bt、1bb)は台形もしくは長方形(n=m時)である。なお、第2の振動伝達部1bの振動子2に結合している面の形状は、正方形のみならず、長方形でもよい。
【0019】
また、第3の振動伝達部1cの表面の形状は、第1の振動伝達部1aに結合された面が長方形あり、端面が正方形、その他の面(図3(a)、図3(b)に示す1cs1,1cs2、1ct、1cb)は台形である。なお、第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1cでの対を成す面(図3(a)、図3(b)に示す1bs1と1bs2、1btと1bb、1cs1と1cs2、1ctと1cb)の台形もしくは長方形は同一形状となっている。なお、第3の振動伝達部1cの端面の形状は、正方形のみならず、長方形でもよい。
次に、図4及び図5を用いて第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1cを直方体で形成した振動伝達部材1について説明する。図4(a)は、コレット保持部11がテーパ面を形成し、第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1cを直方体で形成した振動伝達部材1を示した平面図、図4(b)は、コレット保持部11がテーパ面を形成し、第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1cを直方体で形成した振動伝達部材1を示した正面図、図4(c)は、図4(b)に示すA−Aの断面図である。図5(a)は、コレット21がテーパ面を形成し、第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1cを直方体で形成した振動伝達部材1を示した平面図、図5(b)は、コレット21がテーパ面を形成し、第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1cを直方体で形成した振動伝達部材1を示した正面図である。図4(b)及び図5(b)に示すように、第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1cを直方体で形成した振動伝達部材1は、第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1cを直方体を形成し、第1の振動伝達部1aは、脱着可能なコレット21と前記コレット21を保持するコレット保持部11とからなる。また、図4(a)、(c)及び図5(a)に示すように脱着可能なコレット21は、第1の振動伝達部1aに設けられたダクト部8を通ってネジ付き吸引パイプ12により固定されている。また、第1の振動伝達部1aの上面にはコレット21と同等の質量を有する押圧バランス部13が設けられている。
【0020】
また、図2(b)及び図3(b)に示すように、第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1cの側面(図3(a)、図3(b)に示す1bs1と1bs2、1cs1と1cs2)は、第1の振動伝達部1aに向って次第に幅広となるテーパ面を有している。
図4及び図5に示す第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1cを直方体で形成した振動伝達部材1は、第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1cにテーパ面を有していないが、第1の振動伝達部1aにテーパ面を有するようになっている。テーパ面は、押圧部が安定して振動するために設けたものであり、第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1c、又は第1の振動伝達部1a、若しくは第1の振動伝達部1a、第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1cに設けるようにしてもよい。
【0021】
図3(b)に示すように、第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1cの上面(1bt,1ct)及び下面(1bb,1cb)は、振動子2及び振動伝達部材1の長手方向に於ける中心軸に対してテーパ角(θ)を有している。なお、テーパ角(θ)は、45度以内となるように規定している。
また、図4(b)及び図5(b)に示す第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1cを直方体で形成した振動伝達部材1では、前記コレット21を保持するコレット保持部11又は脱着可能なコレット21により、第2の振動伝達部1b及び第3の振動伝達部1cの方向にテーパ面を有している。なお、テーパ角(θ)は、45±15度以内となるように規定している。
【0022】
また、図3(a)及び図3(b)に示すように、第2の振動伝達部1bの振動子2と結合した面の面積はn×nであり、第1の振動伝達部1aに結合した面の面積はm×kとなっている。第2の振動伝達部1bの振動子2と結合した面と第1の振動伝達部1aに結合した面とは、同一の面積を有するようになっている。すなわち、n×n=m×kの関係となっている。これにより振動伝達部1の振動の変成比(超音波の振幅増幅比)は1である。なお、図3(a)に示す幅mを変えることにより、超音波振動の変成比を可変することができる。
【0023】
図2(b)に示すように、第1の振動伝達部1aの下面には、接合対象物22としての半導体チップ(図11に図示)を押圧して振動子2からの超音波振動を印加して接合対象物22と被接合部材23としての基板(図11に図示)との接合を行うボンディングツールとしての押圧部4を有する。押圧部4は、略直方体状に形成され、接合対象物22と対向する位置に設けられている。押圧部4は、図2(b)に示すように、第1の振動伝達部1aにおける超音波振動の振幅が最大になる位置に取付られている。
【0024】
また、図2(b)に示すように、第1の振動伝達部1aの上面には、押圧部4の質量と同等の質量を持つバランス部5を有している。バランス部5は、押圧部4の質量と同等の質量を有することにより、第1の振動伝達部1aの振動の安定化を図るものである。
【0025】
図2(b)に示すように、第1の振動伝達部1aの下面には、接合対象物22としての半導体チップ(図11に図示)を吸着する吸着部7を有している。吸着部7は、接合対象物22を下面で吸引して図11に示す被接合部材23の接合面に位置決め載置を行うものである。また、吸着部7は、吸引部9からの吸引力を付与するダクト部8につながっている。ダクト部8は、第1の振動伝達部1aの長手方向の中心線上に設けられており、吸引部までか、略中心部若しくは第1の振動伝達部1aの上面近傍まで形成可能である。また、吸引部9は、第1の振動伝達部1aの長手方向部の側面の略中心位置若しくは該中心位置の対称線上に設けられており、ダクト部8と接続されている。なお、本実施の形態では図示せぬチューブが着脱可能であるが、チューブをダクト部8に直接接着してもよく、その場合、吸引部9の構成部材を少なくすることができる。また、第1の振動伝達部1aの長手方向部の一方の側面に吸引部と同等の質量を有する吸引バランス部6が設けられており、第1の振動伝達部1aの振動の安定化を計っている。なお、吸引力を付与する吸引機構については図示していないが、公知の吸引機構を用いている。また、前記吸引バランス部6は本実施の形態では用いられているが必須のものではなく設けなくてもよい。
【0026】
次に、本発明によるボンディングヘッド10は、図1乃至図3に示すように、振動伝達部材1を支持固定する支持部材3としての第1の支持部材3a、第2の支持部材3b、第3の支持部材3c、第4の支持部材3dが、振動伝達部材1の全長(λ)の範囲内に配置されている。図2(a)及び図2(c)に示すように、第1の支持部材3a及び第2の支持部材3bは、第2の振動伝達部1bの両側面に振動子2と結合している面より超音波振動の進捗方向のλ/4の位置(超音波振動の節)に、また、第3の支持部材3c及び第4の支持部材3dは、第3の振動伝達部1cの両側面に端面よりλ/4の位置(超音波振動の節)にそれぞれ設けられている。第1の支持部材3a、第2の支持部材3b、第3の支持部材3c、第4の支持部材3dは、円柱の形状をなしており、第2の振動伝達部1bの両側面及び第3の振動伝達部1cの両側面に設けられた取り付け用の穴に嵌合して結合されている。
【0027】
押圧部4は、互いにλ/2の距離を隔てて設けられた第1の支持部材3aと第3の支持部材3c及び第2の支持部材3bと第4の支持部材3dとの間に位置しているため、接合対象物22に付与する押圧力が均一化され、振動伝達部材1に高荷重が付加された場合であっても振動伝達部材1のたわみや変形が抑止されて超音波振動を高効率で印加することができる。
【0028】
本発明によるボンディングヘッド10は、押圧部4に圧接機構15(図11に示す)からの荷重を印加するための固定部材19が設けられている。図6に示すように、固定部材19は第1固定部材19a及び第2固定部材19bよりなり、振動子2及び振動伝達部材1の長手方向に於ける中心軸に向かって支持部材3を拘束して、振動伝達部材1を前記固定部材19に固定するようになっている。第1固定部材19aは、支持部材3と結合するするための、円形の穴及び長穴が設けられている。各穴の深さは、固定部材19を結合したときに振動伝達部材1に接触しない寸法となっている。円形の穴は、支持部材3と嵌合するためのものであり、長穴は支持部材3とZ方向に密着し、X方向に対してはフリーの状態である。また、第2固定部材19bにも支持部材3と結合するための円形の穴又は長穴が設けられている。なお、支持部材3を固定部材19に嵌合する個所は少なくとも1個所以上設けるようにしている。振動伝達部材1が固定部材19と結合した状態では、超音波振動の進行方向には、拘束されないため、振動伝達部材1の電気的なインピーダンスの変化がなく、安定した振動が可能となる。また、図7は第2固定部材19bを分割してネジを使用して固定した例を示す図である。図7に示すように、図6に示す第1の支持部材3a、第3の支持部材3cの代わりに、ネジで第3固定部材19c及び第4固定部材19dを固定し、ネジの先端で振動伝達部材1と嵌合して結合したものである。
【0029】
また、図8に示すように、振動子2を駆動する発振器18は、所定の周波数を発振する発振回路18aと、発振回路18aから発振される周波数により駆動する駆動回路18bと、駆動回路18bの駆動周波数を電力増幅する増幅回路18cと、振動子2への駆動力を付与すると共に振動子2とのインピーダンスの整合を行うタンク回路18dと、タンク回路18dの出力を受けて発振回路18aに振幅帰還を行う振幅帰還回路18eとからなる。
【0030】
以上の構成からなるボンディングヘッド10の振動伝達部材1の振動時の変位状態を視覚的に表したものを図9に示す。また、図10は、振動伝達部材1の押圧部4付近を拡大して振動時の変位状態を視覚的に表したものである。図9及び図10における2点鎖線は、振動していないときの位置を表す。また、メッシュ(要素)で示した振動伝達部材1は、振動時の振動伝達部材1の各部の変位の状態を示している。図9及び図10に示すように、振動時の振動伝達部材1の押圧部4は、X方向に変位しており、Z方向の変位は見られない。また、図9に示すように、振動伝達部材1の第1の振動伝達部1aのZ方向に於けるたわみが発生していない。これは、超音波振動子2による振動伝達部材1内の縦振動と、第1の振動伝達部1aで発生するたわみ振動とが合成された結果、X方向のみの振動が生成されるためである。
なお、図4及び図5に示すように、第1の振動伝達部1aにテーパ面を設けるようにしても、コレット21にZ方向に於けるたわみの発生がなく、X方向のみの振動が生成されるため、同様の効果を得ることができる。
【0031】
本発明による第1の実施の形態としてのボンディングヘッド10は、以下のような効果を奏する。
【0032】
振動伝達部材1の超音波振動の進行方向uにおける全長がλに設定されており、全体が小型化されている。振動伝達部材1を支持固定する支持部材3及び押圧部4は、振動伝達部材1の全長(λ)の範囲内に配置され、押圧部4は、互いにλ/2の距離を隔てて設けられた第1の支持部材3aと第2の支持部材3bとの間に位置しているため、接合対象物22に付与する押圧力が均一化される。また、振動伝達部材1に高荷重が付加された場合であっても、振動伝達部材1のたわみや変形が抑止可能で超音波振動を高効率で印加することができる。第1の支持部材3a及び第2の支持部材3bは、超音波振動の伝播に影響を及ぼさないノーダル・ポイントに設けられ、それぞれ振動伝達部材1の両端から均等な距離(λ/4)を隔てた位置に設けられ、振動伝達部材1が片持支持とならないのでバランスよく保持され、接合対象物22への押圧力を均一にすることができる。
【0033】
また、ボンディングヘッド10は、接合対象物22を吸着する吸着部7を備えているが、ダクト部8は、第1の振動伝達部1aの長手方向の中心線上に設けられており、また、吸引部9は、第1の振動伝達部1aの長手方向部の側面の略中心位置に設け、第1の振動伝達部1aの長手方向部の一方の側面に吸引部と同等の質量を有する吸引バランス部6を設けているため、振動のバランスを崩すことなく、押圧部4は安定した振動を行うことができる。また、押圧部4は、図9及び図10に示したようにX方向にのみ振動が発生する。すなわち、接合対象物22に対して平行に振動するため、接合が均一に行われる。
【0034】
次に、本発明によるボンディングヘッド10を備えたボンディング装置について、図11を参照して説明する。
【0035】
図11に示すように、ボンディング装置20は、接合対象物22及び接対象物22が接合される被接合部材23が載置される載置台16と、接合対象物22に超音波振動を印加して接合対象物22としての半導体チップと被接合部材23としての基板のリードとを接合するボンディングヘッド10と、ボンディングヘッド10を保持し、このボンディングヘッド10に押圧力を付与する荷重機構15と、発振器18、制御部(CPU)17とを有する。
【0036】
制御手段としての制御部(CPU)17は、マイクロコンピュータ等で構成されて装置全体の制御を行うものであり、外部の図示せぬ操作手段からの操作指令に基づいて作動する。
【0037】
載置台16は、図示せぬ搬送手段により搬送される被接合部材23を所定の位置に位置決め可能である。しかして、載置台16を制御部17からの制御信号に基づいて矢印x方向及びy方向(図8の紙面に垂直な方向)の二次元方向に移動可能としてもよい。
【0038】
圧接機構15は、モータ等を有しボンディングヘッド10を矢印z方向に昇降動作させて位置決めする駆動部15aと、モータ、エアシリンダ及び油圧シリンダ等で構成され、ロッド15cの突出量を可変して先端部に取り付けられた固定部材19を介してボンディングヘッド10による接合対象物22への押圧力を付与する荷重機構部15bとで構成されている。また、駆動部15aの移動量及び荷重機構部15bによるロッド15cの突出量は、制御部(CPU)17により制御される。
【0039】
次に、上記の構成からなるボンディング装置20の動作について説明する。図8に示すように、載置台16上に接合対象物22及び被接合部材23が載置位置決めされると、駆動部15aが作動してボンディングヘッド10が矢印z方向に下降して所定の高さに位置決めされる。続いて、荷重機構部15bが作動してボンディングヘッド10の押圧部4が接合対象物22に当接して一定の圧力で押圧して振動子2からの超音波振動が印加されて接合対象物22と被接合部材23との接合が行われる。次に、駆動部15a及び荷重機構部15bを作動させてボンディングヘッド10を所定の高さまで上昇させて次のボンディング接続に備える。そして、前記動作を繰り返して接合対象物22と被接合部材23とのボンディング接続を繰り返す。
【0040】
以上述べたように、本発明によるボンディングヘッド10及びこれを備えたボンディング装置は、押圧部4が接合対象物22としてのICチップに対して平行な振動を行い、たわみ振動等の発生が無いため、安定したボンディングが可能である。本発明によるボンディングヘッド10は、接合対象物22としてICチップ等の電子部品、被接合部材23として基板上に形成されたリードとのボンディング接続について述べたが、接合対象物22及び被接合部材23として金属や合成樹脂製の板状部材等のボンディング接続も可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のボンディングヘッドによれば、押圧部は、互いにλ/2の距離を隔てて設けられた第1の支持部材と第2の支持部材との間に位置しているため、接合対象物に付与する押圧力が均一化される。また、振動伝達部材に高荷重が付加された場合であっても、振動伝達部材のたわみや変形が抑止可能で超音波振動を高効率で印加することができる。
【0042】
また、ボンディングヘッドは、接合対象物を吸着する吸着部を備えているが、ダクト部は、第1の振動伝達部の長手方向の中心線上に設けられており、また、吸引部は、第1の振動伝達部の長手方向部の側面の略中心位置に設け、第1の振動伝達部の長手方向部の一方の側面に吸引部と同等の質量を有する吸引バランス部を設けたいるため、振動のバランスを崩すことなく、押圧部は安定した振動を行うことができる。また、本発明のボンディングヘッドの押圧部は、接合対象物に対して平行に振動するため、接合対象物と被接合部材との接合を確実に行われるため、ボンディング品質が向上する。また、本発明のボンディングヘッドによりボンディング装置の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるボンディングヘッドの実施の形態を示す斜視図である。
【図2】(a)は、図1に示すボンディングヘッドの平面図、(b)は、図1に示すボンディングヘッドの正面図、(c)は、図1に示すボンディングヘッドの振動モードを示す図である。
【図3】(a)は、図1に示すボンディングヘッドの寸法を示した平面図、(b)は、図1に示すボンディングヘッドの寸法を示した正面図である。
【図4】(a)は、コレット保持部がテーパ面を形成し、第2の振動伝達部及び第3の振動伝達部を直方体で形成した振動伝達部材を示した平面図、(b)は、コレットの保持部がテーパ面を形成し、第2の振動伝達部及び第3の振動伝達部を直方体で形成した振動伝達部材を示した正面図、(c)は、(b)に示すA−Aの断面図である。
【図5】(a)は、コレットがテーパ面を形成し、第2の振動伝達部及び第3の振動伝達部を直方体で形成した振動伝達部材を示した平面図、(b)は、コレットがテーパ面を形成し、第2の振動伝達部及び第3の振動伝達部を直方体で形成した振動伝達部材を示した正面図である。
【図6】本発明によるボンディングヘッドの振動伝達部材の固定について示した図である。
【図7】本発明によるボンディングヘッドの振動伝達部材の固定について示した図である。
【図8】本発明によるボンディングヘッドの振動子を駆動する発振器の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明によるボンディングヘッドの振動伝達部材の振動時の変位状態を視覚的に表した図である。
【図10】図9に示す振動伝達部材の押圧部付近を拡大して振動時の変位状態を視覚的に表した図である。
【図11】本発明によるボンディングヘッドを備えたボンディング装置の構成を示す図である。
【図12】従来のボンディングヘッドの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 振動伝達部材
1a 第1の振動伝達部
1b 第2の振動伝達部
1bs1,1bs2 第2の振動伝達部の側面
1bt 第2の振動伝達部の上面
1bb 第2の振動伝達部の下面
1c 第3の振動伝達部
1cs1,1cs2 第3の振動伝達部の側面
1ct 第3の振動伝達部の上面
1cb 第3の振動伝達部の下面
2、50 振動子
3 支持部材
3a 第1の支持部材
3b 第2の支持部材
3c 第3の支持部材
3d 第4の支持部材
4 押圧部
5 バランス部
6 吸引バランス部
7 吸着部
8 ダクト部
9 吸引部
10 ボンディングヘッド
11 コレット保持部
12 ネジ付き吸引パイプ
13 押圧バランス部
14 ケーブル
15 圧接機構
15a 駆動部
15b 荷重機構部
15c ロッド
16 載置台
17 制御部(CPU)
18 発振器
19 固定部材
19a 第1固定部材
19b 第2固定部材
19c 第3固定部材
19d 第4固定部材
20 ボンディング装置
21,52 コレット
22 接合対象物(半導体チップ)
23 被接合部材
51 超音波ホーン
53 支持具

Claims (10)

  1. 超音波振動を印加して接合対象物と被接合部材とを接合するボンディングヘッドであって、
    超音波振動を発生する振動子と、
    前記超音波振動の1波長をλとして、超音波振動の進行方向におけるλ/2の位置を中心としてdの長さを有する第1の振動伝達部と、
    該第1の振動伝達部と前記振動子間に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の長さを有する第2の振動伝達部と、
    該第1の振動伝達部の他端に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の長さを有する第3の振動伝達部とを有する振動伝達部材と、
    第2の振動伝達部及び第3の振動伝達部の超音波振動の節の位置に設けられた支持部材と、前記第1の振動伝達部に設けた吸着部、ダクト部及び吸引部とを有し、
    前記第1の振動伝達部の前記吸引部は、第1の振動伝達部の長手方向部の側面の略中心位置に設け、前記第1の振動伝達部の長手方向部の一方の側面に前記吸引部と同等の質量を有する吸引バランス部を設けたことを特徴とするボンディングヘッド。
  2. 超音波振動を印加して接合対象物と被接合部材とを接合するボンディングヘッドであって、
    超音波振動を発生する振動子と、
    前記超音波振動の1波長をλとして、超音波振動の進行方向におけるλ/2の位置を中心としてdの長さを有する第1の振動伝達部と、
    該第1の振動伝達部と前記振動子間に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の長さを有する第2の振動伝達部と、
    該第1の振動伝達部の他端に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の長さを有する第3の振動伝達部とを有する振動伝達部材と、
    第2の振動伝達部及び第3の振動伝達部の超音波振動の節の位置に設けられた支持部材と、前記第1の振動伝達部に設けた吸着部、ダクト部及び吸引部とを有し、
    前記第1の振動伝達部は、脱着可能なコレット又は前記コレットを保持するコレット保持部により、前記第2の振動伝達部及び前記第3の振動伝達部の方向にテーパ面を有するようにしたことを特徴とするボンディングヘッド。
  3. 超音波振動を印加して接合対象物と被接合部材とを接合するボンディングヘッドであって、
    超音波振動を発生する振動子と、
    前記超音波振動の1波長をλとして、超音波振動の進行方向におけるλ/2の位置を中心としてdの長さを有する第1の振動伝達部と、
    該第1の振動伝達部と前記振動子間に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の長さを有する第2の振動伝達部と、
    該第1の振動伝達部の他端に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の長さを有する第3の振動伝達部とを有する振動伝達部材と、
    第2の振動伝達部及び第3の振動伝達部の超音波振動の節の位置に設けられた支持部材と、前記第1の振動伝達部に設けた吸着部、ダクト部及び吸引部とを有し、
    前記第1の振動伝達部は、脱着可能なコレットを前記第1の振動伝達部に設けられた前記ダクト部を通ってネジ付き吸引パイプにより固定したことを特徴とするボンディングヘッド。
  4. 超音波振動を印加して接合対象物と被接合部材とを接合するボンディングヘッドであって、
    超音波振動を発生する振動子と、
    前記超音波振動の1波長をλとして、超音波振動の進行方向におけるλ/2の位置を中心としてdの長さを有する第1の振動伝達部と、
    該第1の振動伝達部と前記振動子間に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の長さを有する第2の振動伝達部と、
    該第1の振動伝達部の他端に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の長さを有する第3の振動伝達部とを有する振動伝達部材と、
    第2の振動伝達部及び第3の振動伝達部の超音波振動の節の位置に設けられた支持部材と、前記第1の振動伝達部に設けた吸着部、ダクト部及び吸引部とを有し、
    前記第1の振動伝達部は、上面にコレットと同等の質量を有する押圧バランス部を設けたことを特徴とするボンディングヘッド。
  5. 前記第1の振動伝達部の前記ダクト部は、前記第1の振動伝達部の長手方向の中心線上に設けていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1に記載のボンディングヘッド。
  6. 超音波振動を印加して接合対象物と被接合部材とを接合するボンディングヘッドを有するボンディング装置であって、
    超音波振動を発生する振動子と、
    前記超音波振動の1波長をλとして、超音波振動の進行方向におけるλ/2の位置を中心としてdの長さを有する第1の振動伝達部と、
    該第1の振動伝達部と前記振動子間に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の長さを有する第2の振動伝達部と、
    該第1の振動伝達部の他端に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の長さを有する第3の振動伝達部とを有する振動伝達部材と、
    第2の振動伝達部及び第3の振動伝達部の超音波振動の節の位置に設けられた支持部材と、前記第1の振動伝達部に設けた吸着部、ダクト部及び吸引部とを有しているボンディングヘッドを備え、
    前記ボンディングヘッドを駆動する圧接機構と、前記ボンディングヘッド及び前記圧接機構の制御を行う制御手段とを有し、
    前記ボンディングヘッドの前記第1の振動伝達部の吸引部は、第1の振動伝達部の長手方向部の側面の略中心位置に設け、前記第1の振動伝達部の長手方向部の一方の側面に前記吸引部と同等の質量を有する吸引バランス部を設けたことを特徴とするボンディング装置。
  7. 超音波振動を印加して接合対象物と被接合部材とを接合するボンディングヘッドを有するボンディング装置であって、
    超音波振動を発生する振動子と、
    前記超音波振動の1波長をλとして、超音波振動の進行方向におけるλ/2の位置を中心としてdの長さを有する第1の振動伝達部と、
    該第1の振動伝達部と前記振動子間に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の長さを有する第2の振動伝達部と、
    該第1の振動伝達部の他端に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の長さを有する第3の振動伝達部とを有する振動伝達部材と、
    第2の振動伝達部及び第3の振動伝達部の超音波振動の節の位置に設けられた支持部材と、前記第1の振動伝達部に設けた吸着部、ダクト部及び吸引部とを有しているボンディングヘッドを備え、
    前記ボンディングヘッドを駆動する圧接機構と、前記ボンディングヘッド及び前記圧接機構の制御を行う制御手段とを有し、
    前記ボンディングヘッドの前記第1の振動伝達部は、脱着可能なコレット又は前記コレットを保持するコレット保持部により、前記第2の振動伝達部及び前記第3の振動伝達部の方向にテーパ面を有するようにしたことを特徴とするボンディング装置。
  8. 超音波振動を印加して接合対象物と被接合部材とを接合するボンディングヘッドを有するボンディング装置であって、
    超音波振動を発生する振動子と、
    前記超音波振動の1波長をλとして、超音波振動の進行方向におけるλ/2の位置を中心としてdの長さを有する第1の振動伝達部と、
    該第1の振動伝達部と前記振動子間に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の 長さを有する第2の振動伝達部と、
    該第1の振動伝達部の他端に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の長さを有する第3の振動伝達部とを有する振動伝達部材と、
    第2の振動伝達部及び第3の振動伝達部の超音波振動の節の位置に設けられた支持部材と、前記第1の振動伝達部に設けた吸着部、ダクト部及び吸引部とを有しているボンディングヘッドを備え、
    前記ボンディングヘッドを駆動する圧接機構と、前記ボンディングヘッド及び前記圧接機構の制御を行う制御手段とを有し、
    前記ボンディングヘッドの前記第1の振動伝達部は、脱着可能なコレットを前記第1の振動伝達部に設けられた前記ダクト部を通ってネジ付き吸引パイプにより固定したことを特徴とするボンディング装置。
  9. 超音波振動を印加して接合対象物と被接合部材とを接合するボンディングヘッドを有するボンディング装置であって、
    超音波振動を発生する振動子と、
    前記超音波振動の1波長をλとして、超音波振動の進行方向におけるλ/2の位置を中心としてdの長さを有する第1の振動伝達部と、
    該第1の振動伝達部と前記振動子間に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の長さを有する第2の振動伝達部と、
    該第1の振動伝達部の他端に結合されて前記進行方向における(λ−d)/2の長さを有する第3の振動伝達部とを有する振動伝達部材と、
    第2の振動伝達部及び第3の振動伝達部の超音波振動の節の位置に設けられた支持部材と、前記第1の振動伝達部に設けた吸着部、ダクト部及び吸引部とを有しているボンディングヘッドを備え、
    前記ボンディングヘッドを駆動する圧接機構と、前記ボンディングヘッド及び前記圧接機構の制御を行う制御手段とを有し、
    前記ボンディングヘッドの前記第1の振動伝達部は、上面にコレットと同等の質量を有する押圧バランス部を設けたことを特徴とするボンディング装置。
  10. 前記ボンディングヘッドの前記第1の振動伝達部の前記ダクト部は、前記第1の振動伝達部の長手方向の中心線上に設けていることを特徴とする請求項6乃至請求項9のうち、いずれか1に記載のボンディング装置。
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