JP3865804B2 - シート体搬送装置の連結構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート体搬送装置と該シート体搬送装置からシート状フイルムが供給される自動現像装置とを一体とした構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、収納容器内に積層された複数枚のフイルム(シート体)の中からフイルムを1枚ずつ取り出し、処理装置、例えば、自動現像装置にこのフイルムを搬送する搬送装置が広く使用されている。
【0003】
この場合、効率的なフイルム搬送作業を遂行するために、搬送装置内における搬送速度を比較的高速にする一方、自動現像装置内における搬送速度を現像処理速度との関係で搬送装置内における搬送速度に比べて相当低速にすることが多い。従って、搬送装置内の搬送手段(以下、第1搬送手段という)から自動現像装置内の搬送手段(以下、第2搬送手段という)へフイルムを確実に受け渡す工夫が必要となっている。
【0004】
このため、通常、第1搬送手段と第2搬送手段の間のフイルムの搬送路の近傍にマイクロスイッチが設けられ、この第1搬送手段によって搬送されるフイルムが前記第1および第2搬送手段間で所定量だけ撓んで前記マイクロスイッチを押すと、前記第1搬送手段が停止する一方、前記第2搬送手段が駆動して、これにより該フイルムの搬送作業を行う方法が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、フイルムを撓ませるためのバッファを搬送装置内に設けなければならず、この搬送装置が大型化するという問題が指摘されている。しかも、フイルムにカールが生じて、搬送不良が発生するとともに、このフイルムに傷やクニックマーク等が形成されるおそれがある。
【0006】
そこで、処理装置内の第2搬送手段の搬送速度に合わせて搬送装置の第1搬送手段のフイルム搬送速度を変更する方法が知られている。ところが、第1搬送手段と第2搬送手段の搬送速度が一致しないと、フイルムが搬送ローラによって擦られてフイルムに傷等が発生してしまい、この第1搬送手段の微調整が必要になって制御が煩雑化するという問題が指摘されている。
【0007】
本発明は、この種の問題を解決するものであり、簡単な制御で効率的かつ円滑なシート体搬送作業を行うことができるとともに、装置全体の小型化が容易なシート体搬送装置の連結構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、シート体搬送装置と該シート体搬送装置からシート状フイルムが供給される自動現像装置とを一体とした構造であって、
前記シート体搬送装置の内部には、前記シート状フイルムを搬送するとともに、前記シート状フイルムの搬送速度を、少なくとも第1搬送速度と該第1搬送速度よりも低速な第2搬送速度とに変更する第1搬送手段が設けられる一方、
前記自動現像装置の内部には、前記シート状フイルムを前記第1搬送速度以下でかつ前記第2搬送速度以上の搬送速度で搬送可能な第2搬送手段と、
前記第1搬送手段と前記第2搬送手段との間でかつ前記第2搬送手段の上流近傍に配置され、前記シート状フイルムの有無を検出する検出手段と、
前記シート体搬送装置に設けられた駆動源を駆動制御するとともに、前記検出手段による検出信号に基づいて、該第1搬送手段による前記シート状フイルムの搬送速度を、前記第1搬送速度から前記第2搬送速度に変更する制御手段と、
が設けられることを特徴とする。
【0009】
本発明では、第1搬送手段によってシート状フイルムが比較的高速な第1搬送速度で第2搬送手段の直前まで搬送された後、この第2搬送手段の搬送速度以下の比較的低速な第2搬送速度で搬送される。このため、シート状フイルムは、第2搬送手段の直前まで効率的に搬送されるとともに、第1搬送手段から第2搬送手段に前記シート状フイルムを円滑かつ確実に受け渡すことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1において、参照数字10は、参考例としてのシート体搬送装置であるオートフィーダを示す。このオートフィーダ10は、マガジンMに積層して装填されたフイルム(シート体)Fを吸着盤によって吸着して一枚ずつ取り出した後、オートフィーダ10に接続された処理装置、例えば、自動現像機12に自動的に送り出す。
【0011】
オートフィーダ10は、筐体14を備え、この筐体14の一部に設けられた傾斜面16に開口部18が形成され、複数のフイルムFを積層したマガジンMが、この開口部18から遮光状態で前記筐体14の内部に装填自在に構成されている。筐体14の下部隅角部には、ポンプ24が配置され、このポンプ24は、後述する吸着盤に開口された吸着用孔部を介して空気を吸引することにより、前記吸着盤を負圧状態にする。
【0012】
筐体14の後部壁面には、シャッター26が開口部28を開閉自在に配設されている。開口部28は、自動現像機12にフイルムFを送り込むために、その搬送時にのみ開放されるように構成されている。具体的には、シャッター26の変位動作は、図示しないソレノイドあるいはモータ等を介して行うものである。
【0013】
筐体14の内部に、フイルム取出部30が設けられ、このフイルム取出部30は、装填されたフイルムFを吸着する第1および第2吸着盤32、34と、この第1および第2吸着盤32、34を前記フイルムFに対して進退動作させる移動機構36とを備える。移動機構36は、第1パルスモータ42を備え、この第1パルスモータ42の回転軸44にギヤトレイン46を介してチェーン・スプロケット手段48が係合する。このチェーン・スプロケット手段48を構成するチェーン50に案内軸52が固着され、この案内軸52は、アーム部材54に支持されて案内溝58に係合するとともに、支点60を介して揺動自在なフォーク62の案内溝64内を変位自在である。
【0014】
アーム部材54には、案内軸52の上方に位置してベアリング66が支持されており、このベアリング66は、フォーク62の案内溝64内を転動する。フォーク62は、コイルスプリング68により引張される一方、ストッパ70によりその揺動範囲が規制される。アーム部材54に、第1および第2吸着盤32、34がフイルムFの搬送方向と交わる方向に間隔をおいて装着される。
【0015】
筐体14内には、マガジンMの下端近傍に図示しないニップローラが摺接する第1ローラ72が配設され、この第1ローラ72に近接して第2ローラ74が設けられる。第2ローラ74には変位自在な第3ローラ76が摺接し、この第3ローラ76には、該第3ローラ76がフイルムFの搬送面に対して垂直方向に変位した時にその変位量を検出する検出ユニット78が設けられている。第1および第2ローラ72、74には、図示しないが、それぞれワンウエイクラッチ付ベルト車が設けられ、該ベルト車とその下方に配置された第2パルスモータ80の回転駆動軸に軸着されたベルト車82に丸ベルト84が張架される。
【0016】
第2パルスモータ80のベルト車82には、他の丸ベルト86が張架され、この丸ベルト86は筐体14に設けられた開口部28に近接して配設されているローラ88の図示しないワンウエイクラッチ付ベルト車に懸架されている。ローラ88の上方には、上下方向に変位自在なニップローラ90が配設される。筐体14内には、第2パルスモータ80、ベルト車82、丸ベルト86、ローラ88およびニップローラ90により、第1搬送手段92が構成されることになる。この第1搬送手段92は、制御部(制御手段)93によって、後述するように、第1搬送速度と第2搬送速度に駆動制御される。
【0017】
筐体14と自動現像機12の間には、この筐体14の内部から開口部28を介して前記自動現像機12側へと延在するガイド板94が設けられている。自動現像機12内には、第2搬送手段96を構成するローラ98とこのローラ98の上方に上下方向に変位自在に配設されたニップローラ100とが設けられる。
【0018】
次に、このように構成されるオートフィーダ10の動作について説明する。
【0019】
先ず、複数のフイルムFを積層して収納しているマガジンMが、傾斜面16に形成された開口部18に装填された後、移動機構36を構成する第1パルスモータ42が矢印A1方向に回転される(図1参照)。このため、ギヤトレイン46を介してチェーン・スプロケット手段48が駆動され、チェーン50に固着されている案内軸52が、アーム部材54とともに案内溝58に沿って左下方(矢印Y方向)に移動する。そして、ポンプ24は、第1パルスモータ42が矢印A1方向に回転すると同時に駆動する。
【0020】
アーム部材54が矢印Y方向に移動することにより、第1および第2吸着盤32、34が下降してマガジンMの最上位のフイルムFに当接し、第1および第2吸着盤32、34によりフイルムFが吸着されると、第1パルスモータ42が矢印A2 方向に回転される。これにより、第1および第2吸着盤32、34によって下端部が保持された最上位のフイルムFは、案内溝58に沿って矢印X方向に移動する。
【0021】
アーム部材54が矢印X方向に移動する途中で、案内軸52がフォーク62の案内溝64に係合して、このフォーク62を、図1の実線で示す位置に揺動させ、第1および第2吸着盤32、34に吸着されたフイルムFが第1ローラ72に到達し、ニップローラと第1ローラ72で挟持される。その際、ポンプ24の駆動が停止されるとともに図示しない電磁弁の駆動により吸着配管系をリークして、フイルムFの吸着を解除する。
【0022】
そこで、第2パルスモータ80の駆動によって、丸ベルト84が矢印B方向に回転し、これによって、第1および第2ローラ72、74が回転すると、第1および第2吸着盤32、34から離脱したフイルムFは、前記第1ローラ72から前記第2ローラ74上に移動する。ここで、フイルムFは、その厚みが検出ユニット78により検出されることによって複数枚重なっているか否かが判別される。検出ユニット78によって第2ローラ74と第3ローラ76とで挟持搬送されるフイルムFが正常である1枚と判別されると、第1移動距離(位置P1から位置P2)と第1搬送速度が設定され、フイルムFは自動現像機12に向けて搬送される。その際、フイルムFの第1搬送速度が、予め、例えば、200mm/sに設定されている(図2中、ステップS1)。
【0023】
このため、図4に示すように、フイルムFの先端は、ローラ88とニップローラ90に挟持された位置P1 から自動現像機12を構成する第2搬送手段96の手前7mm(この距離は任意に設定可能である)の位置P2に至るまで搬送され、フイルムFは、第1搬送速度で矢印D方向に搬送される(ステップS2)。フイルムFが、前記手前7mmの位置P2に至ると(ステップS2のYES)、ステップS3に進んで第2パルスモータ80が停止される。
【0024】
次に、フイルムFの先端を、位置P2から位置P4に搬送するためのフイルムFの第2搬送速度および第2移動距離(位置P2から位置P4)が設定される(ステップS4)。すなわち、自動現像機12の処理速度である第2搬送手段96による搬送速度が、この自動現像機12からの信号や外部スイッチ等で入力されて読み取られると(図3中、ステップS10)、該搬送速度に対応した第2搬送速度が設定される(ステップS11)。
【0025】
ここで、第2搬送手段96による搬送速度が、9.6mm/s〜35.2mm/sである時、第2搬送速度は、該搬送速度以下の速度、例えば、9mm/sに設定される。そして、この設定された第2搬送速度が、第2パルスモータ80の共振域内にあるか否かが操作している者の五感等によって判断され(ステップS12)、共振域内にあると判断されると(ステップS12のYES)、ステップS13に進んで第2パルスモータ80の共振域を外れた搬送速度が設定され、この搬送速度が前記第2搬送速度として確定する(ステップS14)。一方、設定された搬送速度が、ステップS12で共振域外であると判断されると(ステップS12のNO)、ステップS14に進んでこの設定された搬送速度が第2搬送速度として確定する。これにより、第2搬送速度の設定処理が終了する。
【0026】
上記のように確定された第2搬送速度および第2移動距離が設定され(図2中ステップS4)、第2パルスモータ80が駆動制御され、それに従って第1搬送手段92が回転する。このため、フイルムFの先端が、図4中、位置P2から第2搬送手段96の挟持位置P3に至るまで、フイルムFは第1搬送手段92によって第2搬送速度(9mm/s)で矢印D方向に搬送される。
【0027】
次に、フイルムFの先端が、第2搬送手段96を構成するローラ98とニップローラ100に挟持された後は、フイルムFは、挟持位置P3でローラ98とニップローラ100によって所定の搬送速度(9.6mm/s〜35.2mm/s)で矢印D方向に搬送される。フイルムFの先端が第2搬送速度で到達すると予想される位置P4に至ると(図2中、ステップS5のYES)、ステップS6に進んで第2パルスモータ80の駆動が停止される。なお、第1搬送手段92を構成するローラ88には、図示しないワンウエイクラッチ付ベルト車が設けられており、第2パルスモータ80の回転および停止が第2搬送手段96によるフイルムFの搬送作業に干渉することがない。
【0028】
この場合、フイルムFが、第1搬送手段92を介して比較的高速な第1搬送速度(200mm/s)で第2搬送手段96の直前(手前7mm)まで搬送された後、この第2搬送手段96による搬送速度(9.6mm/s〜35.2mm/s)以下の比較的低速な第2搬送速度(9mm/s)で搬送される。このため、フイルムFは、第2搬送手段96の直前まで効率的に搬送されるとともに、このフイルムFを第1搬送手段92から前記第2搬送手段96に円滑かつ確実に受け渡すことができる。しかも、第1搬送手段92の搬送速度を第2搬送手段96の搬送速度に一致させる必要がなく、この第1搬送手段92の駆動制御が簡素化する。
【0029】
従って、フイルムFを撓ませるためのバッファが不要になってオートフィーダ10全体のコンパクト化が容易に遂行されるとともに、このフイルムFを第1搬送手段92から第2搬送手段96に受け渡す時に該フイルムFに傷やクニックマーク等が発生することを阻止し、しかも簡単な制御で効率的なフイルム搬送作業が遂行可能になるという効果が得られる。
【0030】
さらに、設定された第2搬送速度が、第2パルスモータ80の共振域内にあるか否かが実際の共振状態を観察することによって判断され、共振域内にあると判断された時に第2パルスモータ80の共振域を低速度側に外れた速度を第2搬送速度として設定している。このため、第2パルスモータ80がその共振域で駆動されることがなく、この第2パルスモータ80を組み込む第1搬送手段92に振動や騒音が発生することを確実に防止することが可能になる。
【0031】
さらにまた、第2搬送速度を、種々の処理装置の異なる搬送速度に対応して数段階に分けることができる。例えば、3種類の自動現像機12の搬送速度が、それぞれ9.6mm/s〜35.2mm/s、46.3mm/s〜72.5mm/sおよび250mm/s〜300mm/sである時、それぞれに対応する第2搬送速度を、9mm/s、40mm/sおよび200mm/sに設定して制御部93のメモリ(選択手段)102に記憶させておく。そして、各第2搬送速度の中からオートフィーダ10に接続された自動現像機12の機種に応じた速度を選択し、これを第2搬送速度に設定すれば、前記自動現像機12へのフイルムFの搬送作業のサイクルタイムが一層短くなるという効果が得られる。
【0032】
なお、図4に示すように、フイルムFの先端が、位置P1から位置P2に至るまで高速な第1搬送速度で矢印D方向に搬送された後、低速な第2搬送速度でこの位置P2から位置P3に搬送されている。ところが、高速な第1搬送速度から一気に低速な第2搬送速度に減速させることが困難になる場合がある。このため、位置P1と位置P2の間に減速位置P5を設け、フイルムFの先端がこの減速位置P5に至ると、中速な搬送速度に減速され、さらに位置P2に至る際に低速な第2搬送速度に減速されるように制御することが可能である。
【0033】
また、第1搬送手段92の駆動源として第2パルスモータ80を使用することにより、フイルムFの搬送速度を自由に変更することができるとともに、第2パルスモータ80の駆動パルス量を把握することによって、このフイルムFの先端位置を容易かつ確実に知ることが可能になる。
【0034】
次に、本発明の第1の実施形態に係る連結構造を採用するシート体搬送装置であるオートフィーダ120について、図5を参照して説明する。なお、基本的には、オートフィーダ10と同様の構成要素を用いており、その構成および動作については概略的に説明する。
【0035】
このオートフィーダ120は、フイルムセット部122に積層された複数のフイルムFから一枚ずつ取り出すフイルム取出部124を有する。フイルム取出部124は、フイルムセット部122に装填されたフイルムFを吸着するために、フイルムFの搬送方向と交わる方向に間隔をおいて並んだ二つの吸着盤126と、この吸着盤126を所定の軌跡に沿って進退動作させる移動機構128とを備える。
【0036】
吸着盤126のフイルム送り出し位置近傍に第1ローラ対130が配設され、この第1ローラ対130に近接して第2ローラ対132が設けられる。但し、第1ローラ対130の上側ローラは、二つの吸着盤126の動作の邪魔にならないように軸方向の長さが短く構成され、二つの吸着盤126が第1ローラ対130の位置に移動した時は、これら二つの吸着盤126の間に入り込む。第2ローラ対132には、取り出されたフイルムFが複数枚重なっているか否かを判別するために、前述した検出ユニット78と同様の手段(図示せず)が設けられている。第2ローラ対132の下方に第3ローラ対134が配設されるとともに、この第2ローラ対132と第3ローラ対134の間に湾曲したガイド板136が配置される。第3ローラ対134の搬送方向前方には、第1搬送手段138を構成する第4ローラ対140が配設される。
【0037】
第1〜第4ローラ対130、132、134および140を構成するそれぞれの駆動ローラ130a、132a、134aおよび140aは、図示しないワンウエイクラッチ付ベルト車を有しており、各ワンウエイクラッチ付ベルト車が、図示しない丸ベルトを介して単一(または個別)の交流モータ142に連結される。この交流モータ142は、後述するように、制御部(制御手段)144により駆動制御される。
【0038】
オートフィーダ120に並設された自動現像機146内には、第2搬送手段148を構成するローラ対150が設けられるとともに、前記ローラ対150に至る直前のフイルムFの有無を検出するために光電センサ等の検出センサ(検出手段)152がこのローラ対150に近接して設けられる。
【0039】
次いで、このように構成される第1の実施形態に係るオートフィーダ120の動作について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0040】
先ず、フイルムセット部122に積層された最上位のフイルムFが、フイルム取出部124を構成する吸着盤126によって吸着され、このフイルムセット部122から取り出される。この吸着盤126に吸着されたフイルムFは、第1ローラ対130に移送され、交流モータ142の駆動作用下に前記第1ローラ対130から第2ローラ対132に移動する。ここで、第1の実施形態と同様な方法によってフイルムFが一枚であると判別されると、自動現像機146の制御部144によって交流モータ142が駆動される(図6中、ステップS21参照)。
【0041】
なお、第1〜第4ローラ対130、132、134および140が一体的に駆動され、フイルムFは、この第1〜第4ローラ対130、132、134および140に挟持されて比較的高速な第1搬送速度で自動現像機146に向けて搬送される。この第1搬送速度は、具体的には、50Hzの場合に、52.1mm/sであり、60Hzの場合に、62.5mm/sである。また、自動現像機146の処理速度であるローラ対150による搬送速度は、10mm/sである。
【0042】
次に、フイルムFの先端がローラ対150に近接して配置された検出センサ152により検出されると(ステップS22中、YES)、制御部144を介して交流モータ142がONとOFFに所定時間間隔で切り換えられ、前記フイルムFを自動現像機146の処理速度以下の第2搬送速度で搬送する。
【0043】
すなわち、フイルムFの先端が検出センサ152により検出された後、ステップS23に進んで使用周波数が50Hzであるのか、60Hzであるのかが判断される。使用周波数が50Hzであると判断されると(ステップS23中、YES)、ステップS24に進み、交流モータ142が、0.07秒間のON動作と0.6秒間のOFF動作とを交互に行うように制御される。フイルムFの先端が検出センサ152によって検出されてからローラ対150にくわえ込まれるまでの搬送距離に相当する分、交流モータ142のこのON、OFF動作が所定回数繰り返されるように予め設定されている。このため、フイルムFは、6.9mm/sの速度で自動現像機146内に搬入され、ローラ対150により十分に挟持された時、交流モータ142の駆動が停止される(ステップS25)。
【0044】
その際、駆動ローラ130a、132a、134aおよび140aには、図示しないワンウエイクラッチ付ベルト車が設けられており、交流モータ142の回転および停止が第2搬送手段148によるフイルムFの搬送作業に干渉することがない。
【0045】
一方、使用周波数が60Hzであると判断されると(ステップS23中、NO)、ステップS26に進み、交流モータ142が、0.06秒間のON動作と0.6秒間のOFF動作とを50Hzの時と同様に所定回数交互に行うように制御される。このため、フイルムFは、8.2mm/sの速度で自動現像機146内に搬入され、ローラ対150により十分挟持された時、交流モータ142の駆動が停止される。
【0046】
このように、第1の実施形態では、第1搬送手段138の駆動源として相当に安価な交流モータ142が使用される。そして、交流モータ142がONされることによりフイルムFが比較的高速な第1搬送速度で搬送された後、前記交流モータ142がONとOFFに所定時間間隔で切り換えられることにより前記フイルムFが自動現像機146の処理速度以下の第2搬送速度で搬送される。
【0047】
従って、第1の実施形態では、参考例と同様の効果が得られる他、第1搬送手段146を作動させるために参考例の第2パルスモータ80に代えて交流モータ142を使用しているので、参考例に比べてオートフィーダ120全体のコストの削減が可能になるとともに、フイルムFの搬送速度を変えるのに極めて簡単な制御でよく、しかもオートフィーダ120の動作のサイクルタイムを容易に短縮することができる。
【0048】
また、自動現像機146に向けて搬送されているフイルムFの後端が検出センサ152を通過すると、このフイルムFと次に自動現像機146に向けて搬送されるフイルムFとの間隔が現像処理、乾燥等の条件から割り出された適切な値になるように、自動現像機146の制御部144からの信号によってフイルム取出部124、第1〜第4ローラ対130、132、134および140等が駆動される。これによって、効率的な現像処理作業が可能になり、前記自動現像機146の処理能力を有効に発揮させることができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明に係るシート体搬送装置によれば、以下の効果乃至利点が得られる。
【0050】
第1の実施形態に係る発明によれば、第1搬送手段を介してシート状フイルムが比較的高速な第1搬送速度で第2搬送手段の直前まで搬送された後、この第2搬送手段による搬送速度以下の比較的低速な第2搬送速度で搬送される。このため、シート状フイルムは、第2搬送手段の直前まで効率的に搬送されるとともに、前記シート状フイルムを第1搬送手段から第2搬送手段に円滑かつ確実に受け渡すことができる。さらに、装置全体の小型化が可能になり、しかも簡単な制御で効率的なシート体搬送作業が遂行可能になる。
【0051】
また、第1搬送手段を作動させるのに交流モータを使用しているので、安価であり、しかも、さらに簡単な制御で効率的なシート体搬送作業が遂行可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例に係るオートフィーダの要部概略説明図である。
【図2】 前記オートフィーダの動作を説明するフローチャートである。
【図3】 図2のフローチャートの中、第2搬送速度の設定方法を説明するフローチャートである。
【図4】 前記オートフィーダを構成する第1および第2搬送手段の説明図である。
【図5】 本発明の第1の実施形態に係るオートフィーダの要部概略説明図である。
【図6】 前記第1の実施形態に係るオートフィーダの動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10、120…オートフィーダ 12、146…自動現像機
30、124…フイルム取出部 32、34、126…吸着盤
42、80…パルスモータ 86…丸ベルト
88…ローラ 90…ニップローラ
92、96、138、148…搬送手段
93、144…制御部 98…ローラ
130、132、134、140、150…ローラ対
142…交流モータ
Claims (1)
- シート体搬送装置と該シート体搬送装置からシート状フイルムが供給される自動現像装置とを一体とした構造であって、
前記シート体搬送装置の内部には、前記シート状フイルムを搬送するとともに、前記シート状フイルムの搬送速度を、少なくとも第1搬送速度と該第1搬送速度よりも低速な第2搬送速度とに変更する第1搬送手段が設けられる一方、
前記自動現像装置の内部には、前記シート状フイルムを前記第1搬送速度以下でかつ前記第2搬送速度以上の搬送速度で搬送可能な第2搬送手段と、
前記第1搬送手段と前記第2搬送手段との間でかつ前記第2搬送手段の上流近傍に配置され、前記シート状フイルムの有無を検出する検出手段と、
前記シート体搬送装置に設けられた駆動源を駆動制御するとともに、前記検出手段による検出信号に基づいて、該第1搬送手段による前記シート状フイルムの搬送速度を、前記第1搬送速度から前記第2搬送速度に変更する制御手段と、
が設けられることを特徴とするシート体搬送装置の連結構造。
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