シート状媒体に無理なく連続して処理を施すことを可能にするという目的を、前工程から搬送面にシート状媒体を引き継いで次工程に搬送するシート状媒体引継ぎ搬送装置であって、 前記搬送面の上位側に配置されたリバースガイド部を備え、前記次工程は、前記引き継いだシート状媒体の搬送方向での基準位置を検出してから搬送を戻して位置決め、前記次工程での前記シート状媒体の搬送の戻りを前記リバースガイド部が前記搬送面の上位側へ切替ガイドすることで許容し、前記前工程から次に引き継がれたシート状媒体を前記リバースガイド部の下側で前記搬送面上に待機させることで実現した。
前記リバースガイド部は、断面三角形状で内部に空間部を有し外部に搬送方向に下降傾斜したリバース走行面を有したリバースボックスを備え、前記空間部に、前記シート状媒体を判別するためのセンサーを収容支持してもよい。
前記リバース走行面の傾斜下端部に回転自在に支持され前記搬送面の搬送方向の前端と前記リバース走行面との間で開閉駆動を可能に支持されたフラグを備え、前記開閉駆動の閉駆動により前記搬送面の搬送方向の前端を閉じて前記リバース走行面の下降傾斜に沿うよう前記フラグを傾斜配置させ、前記開閉駆動の開駆動により前記搬送面の搬送方向の前端を開くように前記フラグを配置させ前記切替ガイドを行なわせてもよい。
前記搬送面は、前記媒体搬出部から送り出されたシート状媒体を引き継いで搬送方向の斜め前方へ漸次移動させ前記シート状彫刻媒体の側辺部を摺接させて搬送姿勢を整え前記次工程へ搬送するアライメントガイドを備えてもよい。
[自動連続画像彫刻装置]
図1は、自動連続画像彫刻装置の全体概略斜視図である。なお、以下の説明において、X軸方向とは、装置を正面から見た奥行き方向であり用紙の搬送方向に直交する方向、Y軸方向とは、装置を正面から見た横方向であり用紙の搬送方向、Z軸方向とは、水平状態に設置した装置の上下方向であり彫刻針23aの振動方向を意味する。前後とは、Y軸方向で搬送方向の前後、左右とは、X軸方向で装置を搬送方向手前から見た左右を意味する。
図1のように、自動連続画像彫刻装置1は、シート状媒体であるシート状彫刻媒体に無理なく連続して処理を施すことを可能にするものであり、媒体搬出部3と、引継ぎ搬送部5と、画像彫刻部7と、媒体排出部9とを備えている。
シート状彫刻媒体は、プラスチック、合成紙、特殊合成紙などによりA4サイズ、レターサイズなどに形成されたシートであり、表面に彫刻層を備え、彫刻により例えば透かし彫り表示などの画像を形成することができる。シート状彫刻媒体の例としては、卒業証書等がある。シート状彫刻媒体は、その他、画像彫刻の必要性と可能性とがあれば、種々のシート状媒体に適用することもできる。
引継ぎ搬送部5に対し前工程をなす媒体搬出部3は、シート状彫刻媒体をベルトガイド11の下面に吸着しつつ面方向に向けて送り出すものである。この媒体搬出部3には、トレー13が付属し、トレー13内にシート状彫刻媒体が多数枚重ねて収容される。
媒体搬出部3は、トレー13内に下降してシート状彫刻媒体の吸着を行なう。吸着は、吸着ベース15上に取り付けられた吸着ブロアファン17の吸引により行なわせる。吸着したシート状彫刻媒体は、媒体搬出部3の規定の上昇位置でベルト駆動によりベルトガイド11の下面で面方向に送り出される。シート状彫刻媒体の送り出しは、A4サイズ等の長尺方向となる。ただし、設定によってはA4サイズ等の短尺方向にすることもできる。
引継ぎ搬送部5は、シート状媒体引継ぎ搬送装置を構成し、媒体搬出部3及び画像彫刻部7間に配置されている。引継ぎ搬送部5の上位側、つまり走行プレート19の搬送面19aの上位側には、リバースガイド部21を備えている。
この引継ぎ搬送部5は、媒体搬出部3から送り出されたシート状彫刻媒体を長尺方向の送り出しのまま搬送面19a上に引き継ぎ、搬送方向の斜め前方へ漸次移動させ、シート状彫刻媒体の縁部をアライメントガイドに摺接させて搬送姿勢を整え、このシート状彫刻媒体を画像彫刻部7へ搬送するものである。
引継ぎ搬送部5に対し次工程をなす画像彫刻部7は、図示しない彫刻ヘッドに振動発生部23が支持され、この振動発生部23に彫刻針23aが取り付けられている。この彫刻針23aに対して下方に吸着部25が備えられ、この吸着部25の搬送方向の前後に吸着部ガイド27、29を備えている。吸着部ガイド27の前側には入口駆動部31が設けられ、吸着部ガイド29には、排出駆動部33が設けられている。
この画像彫刻部7は、シート状彫刻媒体を入口駆動部31により吸着部ガイド27上に引き継いで吸着部25により吸着しながら画像彫刻を行うものである。画像彫刻に際しては、振動発生部23を支持した彫刻ヘッドがXYZ方向へ移動調節されると共に振動発生部23の彫刻針23aの振動によりシート状彫刻媒体への彫刻が行なわれる。
シート状彫刻媒体が吸着部25に位置決められるときは、リバースガイド部21の後述するフラグの切り替えによりシート状彫刻媒体の後部がリバースガイド部21を昇るようにガイドされて後方への戻りが許容される。このため、シート状彫刻媒体の後部が搬送面19a上に戻ることはなく、搬送面19a上には、次のシート状彫刻媒体が待機することになる。この待機により次のシート状彫刻媒体を画像彫刻部7へ速やかに搬送することができるとともに、待機するシート状彫刻媒体の上位側に画像彫刻部7上のシート状彫刻媒体の後部側を移動させることができ、装置の全長を短くすることができる。
媒体排出部9は、吸着部ガイド29に続く排出ガイド35を備え、この排出ガイド35の下部にOKトレー37とスタッカースライド39とを備えている。
この媒体排出部9は、入口駆動部31及び排出駆動部33の連携駆動により画像彫刻部7から画像彫刻後のOK品又は未彫刻のNG品のシート状彫刻媒体の排出を受け、排出ガイド35による駆動ガイドで彫刻済みのシート状彫刻媒体をOKトレー31に排出し、NG品は、スタッカースライド33に排出される。
従って、トレー13内に重ねて収容された多数枚のシート状彫刻媒体に対し媒体搬出部3を下降させ、最上位のシート状彫刻媒体をエアの吸引によりベルトガイド11の下面に吸着させ、引継ぎ搬送部5を介してシート状彫刻媒体の搬送姿勢を整えながら画像彫刻部7に引き継がせ、画像彫刻部7により画像彫刻をしてOKトレー37に排出させることができる。
[媒体搬出部]
図2〜図7は、媒体搬出部を主に示し、図2は、媒体搬出部を引継ぎ搬送部等と共に示し正面方向から見て一部を透視した斜視図、図3は、媒体搬出部を引継ぎ搬送部等と共に示し平面方向から見て一部を透視した斜視図、図4は、媒体搬出部を引継ぎ搬送部等と共に示し正面方向から見て上部を切り取った斜視図、図5は、媒体搬出部を引継ぎ搬送部等と共に示し背面方向から見た斜視断面図、図6は、媒体搬出部とブロアファンとの関係を示す斜視図、図7は、媒体搬出部のXZ方向での断面図である。
図2、図3のように、媒体搬出部3は、ボックス状の正面ベース41内に配置された昇降駆動部43によりトレー13に対し昇降駆動される構成あり、トレー13と共にシート状媒体搬出装置STを構成している。
媒体搬出部3は、吸着ベース15を備えている。吸着ベース15は、平面視でほぼ矩形に形成され、正面ベース41側に結合片部15aが突設され、昇降駆動部43に結合支持されている。
図2〜図5のように、吸着ベース15のY軸方向で両側に断面L字状のベルトカバー45、47が対向するように取り付けられ、ベルトカバー45、47間にベルトガイド49が配置されている。ベルトガイド49の縁部は、ベルトカバー45、47の各縁部上に支持されている。ベルトガイド49の両縁部は、ベルトカバー45、47に乗り上げるように湾曲形成又は傾斜形成されて各ベルトカバー45、47の縁部上に乗り上げ配置されている。
ベルトカバー45、47には、ベルトを通すためのスリット45a、47aが搬送方向で内向きの各縁部において前縁に渡るようにして形成されている。これらスリット45a、47aは、ベルトカバー45、47の前縁部に複数並列して設けられている。実施例では4本のベルトに応じて4本のスリット45a、47aが設けられている。
ベルトガイド49には、ベルト走行方向に沿って複数の貫通孔49aが各スリット45a、47a間を渡るように配列形成されている。貫通孔49aは、各ベルトに対応して配置され、ベルトの幅方向両側においてベルトガイド49に配列され板厚方向に貫通している。
従って、ベルトガイド49を上下に貫通する複数の孔(貫通孔49a)をベルト走行方向に沿って備えた構成となっている。貫通孔49aは、長尺で連続したスリットに代えることもできる。
一方のベルトガイド49には、図示しないベルトガイド側板が左右両側に取り付けられている。ベルトガイド側板は、吸着ベース15及びベルトガイド49間の左右両側をベルトカバー45に至って閉じている。一方のベルトカバー45側には、駆動シャフト51が複数の軸受により回転自在に支持され、他方のベルトカバー47側には、従動シャフト53が複数の軸受により回転自在に支持されている。駆動シャフト51、従動シャフト53には、それぞれタイミングギヤ55、57が取り付けられている。
駆動シャフト51及び従動シャフト53のタイミングギヤ55、57間には、搬出ベルトとしてタイミングベルト59、61が掛け回されている。タイミングベルト61は、駆動用であり、図5のようにテンションプーリー63を介してステッピングモーター65の駆動用のタイミングギヤ67に掛け回されている。ステッピングモーター65は、吸着ベース15上に固定されている。
タイミングベルト59、61は、各スリット45a、47aからベルトガイド49の下面に通されており、貫通孔49a間においてベルトガイド49の下面に沿って走行可能となっている。
つまり、ステッピングモーター65が駆動されるとタイミングベルト61を介して駆動シャフト51が回転駆動され、各タイミングベルト59が走行駆動される。
従って、媒体搬出部3は、ベルトガイド49の下面に沿って走行しシート状彫刻媒体の送り出しを行わせる搬出ベルト(タイミングベルト59、61)を備えた構成となっている。
吸着ベース15上の吸着ブロアファン17は、吸着ベース15の孔から吸着ベース15及びベルトガイド49間に連通し、吸着ベース15及びベルトガイド49間を吸引し、各貫通孔49aからベルトガイド49下面側のエアを吸い込ませる構成となっている。
従って、吸着ブロアファン17を駆動させ、各貫通孔49aを通したエアの吸引によりシート状彫刻媒体をベルトガイド49の下面側へ吸着させ、トレー13の規定の上昇位置で搬出ベルト(タイミングベルト59、61)の走行により引継ぎ搬送部5への送り出しを行なわせることができる構成となっている。この場合、ベルトガイド49の下面側とは、タイミングベルト59、61の面が構成し、各貫通孔49aを通したエアの吸引によりシート状彫刻媒体が主としてタイミングベルト59、61に吸着するような状態となる。
昇降駆動部43は、シート状彫刻媒体の最上位を接合させるように媒体搬出部3を相対駆動するものである。本実施例の相対駆動は、前記のように媒体搬出部3のトレー13に対する昇降駆動となっている。但し、媒体搬出部3の上下位置を固定し、トレー13側を媒体搬出部3に対し昇降駆動させることも相対駆動の一例である。
本実施例の昇降駆動部43は、正面ベース41内に昇降自在に支持された昇降ベース67を備えている。昇降ベース67は、昇降シャフト69、71に沿って昇降ガイドされるものであり、昇降ベース67に支持されたスライドブッシュ73が昇降シャフト69、71に嵌合している。昇降ベース67には、さらに転動用ナット75が取り付けられ、このナット75に、ボールネジ77が螺合している。
ボールネジ77は、正面ベース41に回転自在に支持されている。ボールネジ77にはタイミングギヤ79が取り付けられ、このタイミングギヤ79とステッピングモーター81のタイミングギヤ83との間にタイミングベルト85が掛け回されている。ステッピングモーター81は、正面ベース41の外壁に固定されている。
昇降ベース67に対し前記吸着ベース15の結合片部15aがサポートブロック87により結合固定されている。サポートブロック87は、正面ベース41の長孔により昇降ベース67から吸着ベース15側に突出している。
従って、ステッピングモーター81が駆動されるとタイミングギヤ83、タイミングベルト85、タイミングギヤ79を介してボールネジ77が回転駆動され、転動用ナット75がボールネジ77に沿って昇降することで昇降ベース67が正面ベース41内で昇降移動する。
昇降ベース67が昇降するとサポートブロック87に結合されている吸着ベース15が昇降し、媒体搬出部3がトレー13に対して昇降する。
トレー13には、切り欠き13aが形成され、媒体搬出部3が昇降するときに結合片部15aが干渉しないようになっている。
図2〜図4、図6、図7のように、正面ベース41の外面には、分離ブロアファン89が取り付けられている。分離ブロアファン89の吐出口にはダクト91が取り付けられ、ダクト91の吹出し口には、吸着ベース15と共に昇降するダクト93が規定の上昇位置でダクト91に対向し連通するようになっている。吸着ベース15側のダクト93の吐出口は、ベルトガイド49の縁部に対向している。
従って、媒体搬出部3が彫刻媒体を引継ぎ搬送部5の走行プレート19に引き継がせるために媒体搬出部3が規定の上昇位置まで上昇すると、分離ブロアファン89のダクト91に吸着ベース15側のダクト93が対向して連通し、分離ブロアファン89からベルトガイド49の縁部に向けてエアを吐出させることができる。
この媒体搬出部3に対し引継ぎ搬送部5の走行プレート19には、Y軸方向の後縁に突部として爪部95が突設され、媒体搬出部3及びトレー13側へ臨んでいる。爪部95は、走行プレート19の後縁の左右方向で中央部に配置され、突出量は僅かである。この爪部95の下部には、捌きガイド96が形成されている。
走行プレート19の後縁部は、トレー13の前縁部上に臨まされ、爪部95及び捌きガイド96がトレー13の前縁部上でトレー13内に僅かに臨む構成となっている。
これら分離ブロアファン89からベルトガイド49に向けたエアの吐出と爪部95とにより媒体搬出部3はシート状彫刻媒体を一枚ずつ搬出させることができる。
つまり、媒体搬出部3をトレー13内へ下降移動させ、吸着ブロアファン17を駆動して各貫通孔49aを通したエアの吸引によりシート状彫刻媒体をベルトガイド49の下面へ吸着させ、媒体搬出部3を上昇させる。
媒体搬出部3が規定の上昇位置に上昇する直前でベルトガイド49の下面に吸着されたシート状彫刻媒体の縁部が爪部95により捌かれ、且つ規定の上昇位置で分離ブロアファン89からベルトガイド49に向けたエアの吐出を受ける。
従って、ベルトガイド49の下面へシート状彫刻媒体の吸着が複数枚あっても、爪部95による捌き及びベルトガイド49に向けたエアの吹き付けにより最上位のシート状彫刻媒体のみが残り、下位のシート状彫刻媒体はトレー13内へ落とされる。
[引継ぎ搬送部]
図8〜図10は、引継ぎ搬送部を主に示し、図8は、引継ぎ搬送部を媒体搬出部及び画像彫刻部等と共に示し一部を透視した斜視図、図9は、引継ぎ搬送部を媒体搬出部及び画像彫刻部等と共に示し正面方向から見た斜視断面図、図10は、引継ぎ搬送部を媒体搬出部及び画像彫刻部等と共に示し正面方向から見た図9とは異なる斜視断面図である。
図8〜図10のように、シート状媒体引継ぎ搬送装置を構成するである引継ぎ搬送部5の走行プレート19は、前記のようにY軸方向の後縁に爪部95を備え、走行プレート19のY軸方向の前縁は、画像彫刻部7に向かって下降傾斜する傾斜面19bとなっている。
走行プレート19には、ベルト走行方向に沿って複数本、本実施例では3本のスリット97が平行に形成されている。スリット97は、走行プレート19の板厚方向に貫通し、引継ぎ搬送方向であるY軸方向に対し斜めに配置形成され、傾斜面19bに至っている。
走行プレート19の一側縁部には、アライメントガイド99がY軸方向に沿って形成されている。このアライメントガイド99は、シート状彫刻媒体の側辺部を滑らかに摺接させてガイドできればよく、材質はプラスチック、金属など種々選択ができる。アライメントガイド99の表面に摩擦力を軽減させるコーティングを施すこともできる。
スリット97は、前記斜めの配置により画像彫刻部7に向かってアライメントガイド99に漸次近づく形態となっている。
従って、引継ぎ搬送部5は、搬送面19aを上下に貫通するスリット97を搬送方向に斜めに沿って備えている。
走行プレート19の下面には、走行ベース101が取り付けられ、走行プレート19との間に吸引チャンバー103が閉じ構造で区画形成されている。走行ベース101の下部には、DCファン105が取り付けられ、吸引チャンバー103内を吸引することができる。
走行プレート19のY軸方向前後部には、アライナ駆動シャフト107及び従動シャフト109が軸受により回転自在に支持され、アライナ駆動シャフト107及び従動シャフト109にタイミングギヤ111、113を介してタイミングベルト115が掛け回されている。タイミングベルト115は、各スリット97に配置され、搬送面19aに臨んでいる。タイミングベルト115のY軸方向の前端は、傾斜面19bに並んで位置する。
従って、スリット97に配置され搬送面19aに沿って走行しシート状彫刻媒体の搬送を行わせる引継ベルト(タイミングベルト115)を備えた構成となっている。
アライナ駆動シャフト107の端部には、駆動力伝達用のタイミングギヤ117が取り付けられ、ステッピングモーター119のタイミングギヤ121との間にタイミングベルト123が掛け回されている。ステッピングモーター119は、走行ベース101の外側で正面ベース41内に固定されている。
従って、DCファン105の駆動により吸引チャンバー103内を吸引することでスリット97を通したエアの吸引が行なわれ、シート状彫刻媒体を引継ベルト(タイミングベルト115)へ接触させることができる。この接触を行なわせつつ引継ベルト(タイミングベルト115)の走行によりシート状彫刻媒体を画像彫刻部7へ搬送する。
このとき、タイミングベルト115がスリット97に沿ってアライメントガイド99に漸次近づくため、シート状彫刻媒体の一縁がアライメントガイド99に摺接ガイドされる。このため、媒体搬出部3からA4等の長尺方向に送り出されたシート状彫刻媒体が引継ぎ搬送部5の搬送方向に斜めになって引き継がれても、斜めのシート状彫刻媒体搬送姿勢が修正され、画像彫刻部7への搬送が行われる。
本実施例では、引継ぎ搬送部5から画像彫刻部7へシート状彫刻媒体を連続して直ちに搬送するのではなく、一時待機状態にする。つまり、前のシート状彫刻媒体が画像彫刻部7で画像彫刻されている間、後のシート状彫刻媒体が走行プレート19上に待機されることになる。
このため、走行プレート19の下面には、Y軸方向の前部側においてフォトセンサ125が配置され、走行プレート19の孔から走行プレート19上のシート状彫刻媒体を検出し、装置の制御部に送信する。フォトセンサ125がシート状彫刻媒体を検出すると制御部は、ステッピングモーター119の駆動を停止させ、シート状彫刻媒体をリバースガイド部21の下側で走行プレート19上に待機させる。
走行プレート19の下面には、Y軸方向の後部にもフォトセンサ127が配置され、走行プレート19の孔から走行プレート19上のシート状彫刻媒体の通過を検出して制御タイミング信号とする。
リバースガイド部21は、断面三角形状のリバースボックス129を備えている。リバースボックス129には、リバース走行面131が設けられ、リバース走行面131の下端部に複数、本実施例では4このフラグ133がフラグシャフト135により回転自在に支持されている。フラグシャフト135の外端部には、正面ベース41内でアーム137が取り付けられ、アーム137は、ソレノイド139に結合されている。
従って、ソレノイド139のON、OFF制御によりアーム137を介してフラグシャフト135を駆動し、フラグ133を走行プレート19の傾斜面19bに沿って走行プレート19の前端を閉じるように配置させ、或いは傾斜面19bから上昇させて走行プレート19の前端を開くように配置するように切り替え制御することができる。
フラグ133を走行プレート19の前端を閉じるように切り替え制御したときは、画像彫刻部7から位置決めのために後退するシート状彫刻媒体がフラグ133を介してリバース走行面131を昇るようにガイドされる。
つまり、画像彫刻部7がシート状彫刻媒体を位置決めて画像彫刻するときに引継ぎ搬送部5から搬送されたシート状彫刻媒体の基準位置を検出し、その位置からシート状彫刻媒体の搬送を規定量戻し、彫刻箇所を吸着部25に対して正しく位置させる。このときのシート状彫刻媒体の搬送方向の後方への戻りをリバースガイド部21が引継ぎ搬送部5の上位側へ切替ガイドすることで許容し、引継ぎ搬送部5は、次に引き継がれたシート状彫刻媒体をリバースガイド部21の下側で走行プレート19の搬送面19a上に待機させることができる。
このようなリバースガイド部21による切替ガイドで、装置の搬送方向への全長を短縮することができる。
リバースボックス129内には、カラーセンサー141、ソニックセンサー143aが支持されている。このカラーセンサー141、ソニックセンサー143aの支持は、リバースボックス129内の空間を有効利用するため、スペース的に無駄のない配置となる。
ソニックセンサー143aと対となる他のソニックセンサー143bは、走行プレート19の下側において走行ベース101上に支持されている。
カラーセンサー141は、走行プレート19上のシート状彫刻媒体の表裏を検出し、裏側の検出を制御部においてエラー信号とする。ソニックセンサー143a、143bは、走行プレート19上のシート状彫刻媒体の重なりを検出し、2枚重なって搬送されてきたときなどに制御部においてエラー信号とする。
リバースボックス129の後方には、スキャナー145がスライダ147を介してスキャナーシャフト149に支持され、スキャナーシャフト149は、正面ベース41に支持されている。
スキャナー145は、走行プレート19上のシート状彫刻媒体に付加されている二次元バーコード読み取り、二次元バーコードに記録されている個人情報を制御部にて認識する。
従って、制御部の制御により二次元バーコードに記録されている個人情報に正確に適合した画像をシート状彫刻媒体に彫刻させることを可能としている。個人情報の認識ができなかったときは、エラー信号を発する。
上記各種エラー信号が発せられたときは、エラー信号に該当するシート状彫刻媒体に画像彫刻はされず、後述のようにスタッカースライド39にNG品として排出される制御となる。
[画像彫刻部]
図11、図12は、画像彫刻部を主に示し、図11は、画像彫刻部を引継ぎ搬送部及び媒体排出部間において正面側から見て一部を透視して示す斜視図、図12は、画像彫刻部を背面側から見て一部を透視して示す斜視図、図13は、吸着固定構造の吸引回路概念図である。
図11、図12で示す画像彫刻部7の振動発生部23が支持される図示しない彫刻ヘッドは、X軸駆動機構、Y軸駆動機構、及びZ軸駆動機構に連動結合され、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向に往復駆動制御されるものである。
この彫刻ヘッドの振動発生部23は、永久磁石側に対して電磁石側がばねによりフローティング支持され、永久磁石側及び電磁石側間の作用とばねの作用とにより電磁石側が、微小に揺動振動回転する。
このような微小振動により、コイルへの通電の切り換えを彫刻信号に基づいて行わせることで、画像データを電気信号に変換した信号に基づいて彫刻針23aを振動させ、前記X軸方向、X軸方向、Z軸方向へ彫刻ヘッドを移動させ、振動発生部23で彫刻針23aを振動させてシート状彫刻媒体の表面に微細彫刻する。
前記微細彫刻に際しては、吸着部25に対するシート状彫刻媒体のセットを密着性高く行う必要がある。従って、シート状彫刻媒体のセットを後述する吸引回路により行なわせ、密着性の高いセットにより、微細彫刻の精度を向上させている。
画像彫刻部7の機台には、X軸前板151及びX軸奥板153が取り付けられ、X軸前板151及びX軸奥板153間に吸着部25及び吸着部ガイド27、29が支持されている。吸着部ガイド29には、スリット29aが設けられている。入口駆動部31は、Y軸方向で引継ぎ搬送部5側に配置され、排出駆動部33は、吸着部ガイド29に配置されている。
入口駆動部31は、入口駆動シャフト155及び入口アームシャフト157を備え、排出駆動部33は、排出駆動シャフト159及び排出アームシャフト161を備えている。入口駆動シャフト155及び入口アームシャフト157と排出駆動シャフト159及び排出アームシャフト161とは、X軸前板151及びX軸奥板153に回転自在に支持されている。
入口駆動シャフト155には、入口フィードローラー163が取り付けられ、排出駆動シャフト159には、排出フィードローラー165が取り付けられている。入口アームシャフト157と排出アームシャフト161とには、樹脂ベアリング167、169が取り付けられている。排出フィードローラー165及び樹脂ベアリング169は、吸着部ガイド29のスリット29aにおいて上下に対向配置されている。
入口駆動シャフト155と排出駆動シャフト159との端部には、タイミングギヤ171、173が取り付けられ、ステッピングモーター175のタイミングギヤ177との間にテンションプーリー179を介してタイミングベルト181が掛け回されている。ステッピングモーター175は、X軸奥板153に固定されている。
入口アームシャフト157には、X軸前板151側外にソレノイドアーム183が固定され、ソレノイドアーム183にソレノイド185が連動結合されている。ソレノイド185は、X軸前板151に固定されている。ソレノイドアーム183とX軸前板151との間には、引張スプリング187が介設されている。
入口アームシャフト157と排出アームシャフト161とには、X軸奥板153側外に連動アーム189、191が取り付けられ、連動アーム189、191に連動版193の各端部が相体回転自在に結合されている。
従って、ソレノイド185がOFFのとき、引張スプリング187によりソレノイドアーム183の一端部が引き下げられ、入口アームシャフト157は、樹脂ベアリング167が入口フィードローラー163の上方に離れる回転位置となる。この入口アームシャフト157の回転には、連動アーム189、連動版193、連動アーム191を介して排出アームシャフト161が連動しており、同様に樹脂ベアリング169が排出フィードローラー165の上方に離れる回転位置となる。
ソレノイド185がONになると、ソレノイドアーム183の他端部が引張スプリング187の付勢力に抗するように引き下げられ、樹脂ベアリング167が入口フィードローラー163に接触し、連動により樹脂ベアリング169が排出フィードローラー165に接触する。
従って、ステッピングモーター175が駆動されるとタイミングベルト181の走行により入口駆動シャフト155と排出駆動シャフト159とが回転する。この回転により、入口駆動部31は、入口フィードローラー163及び樹脂ベアリング167によりシート状彫刻媒体を吸着部25へ搬送し、排出駆動部33は、排出フィードローラー165及び樹脂ベアリング169により媒体排出部9側へ排出する。
入口駆動部31側に対して左右には、フォトセンサ195a、195b、197a、197b、199a、199bが配置されている。フォトセンサ195a、195b、197a、197bの組み合わせは例えばA4サイズを検出し、フォトセンサ195a、195b、199a、199bの組み合わせは例えばレターサイズを検出する。
排出駆動部33側に対して左右には、フォトセンサ201a、201b、203a、203bが配置されている。フォトセンサ201a、201b、203a、203bにより画像彫刻部7の吸着部25に搬送されるシート状彫刻媒体の基準位置出しが行なわれる。この基準出しによりステッピングモーター175が逆転駆動され、吸着部25に対しシート状彫刻媒体が正確に配置される。
つまり、画像彫刻部7は、引き継いだシート状彫刻媒体の搬送方向での基準位置を検出してから搬送を戻し吸着部25に吸着させて位置決める。
図13のように、吸着部25は、吸引回路205に接続されている。吸引回路205は、X軸前板151及びX軸奥板153間に配置されている。
吸着部25は、多孔平面部材207を備え、多孔平面部材207の下側に備えたチャンバーに吸引回路205が接続されている。
多孔平面部材207は、シート状彫刻媒体を吸着固定しながら微細彫刻を可能にするために微細孔が平坦な表面に密に開口したものである。
吸引回路205は、多孔平面部材207の微細孔からの吸引を行わせるための機構であり、真空ポンプ209が電磁弁211を介して多孔平面部材207側に接続されている。真空ポンプ209の吸込み口209aには、吸引回路205の吸気圧を検出する圧力検出部として圧力スイッチ213が直接接続され、且つ電磁弁211を介してエアフィルタ215が選択的に接続可能となっている。
したがって、電磁弁211を図13の状態の吸込み位置211aにすると吸込み口209aが多孔平面部材207側に連通し、吐出口209b側が大気に開放される。
したがって、真空ポンプ209の稼働により多孔平面部材207の微細孔からの吸引を行わせ、多孔平面部材207にシート状彫刻媒体を密着性良く吸着固定させる。
このとき、圧力スイッチ213の圧力検出により彫刻を可能とする圧力状態、例えば50KPa以上とすることで、シート状彫刻媒体の膨らみやずれ等の無い状態を検出し、彫刻可能な正確な位置での密着状態を知ることができる。この圧力検出により、彫刻ヘッド等を自動で動作させることもできる。圧力状態50KPa以上は、シート状彫刻媒体の膨らみやずれ等の無いことを検出できるものとして実験的に求めたものである。
電磁弁211が図13の状態から吐出位置211bに切り換えられると吐出口209bが多孔平面部材207側に連通し、エアフィルタ215が吸込み口209a側に接続される。
したがって、吸引回路205により多孔平面部材207の多孔平面部207aから吸引を行うと共に、電磁弁211の切り替えにより多孔平面部207aからエア吹き出しを可能とした。すなわち、電磁弁211を切り替えると、真空ポンプ209の稼働により多孔平面部材207の微細孔からのエア吐出を行わせ、吸着したシート状彫刻媒体の吸着解除が可能となる。また、エア吐出しにより、多孔平面部材207に残存する彫刻かす等の吹き飛ばしを行わせ、次の彫刻をクリーンな状態で行わせ、正確な彫刻が可能となる。この吹き飛ばしのエアは、吸込み口209aからエアフィルタ215を介して吸引される。エアフィルタ215を介することで電磁弁211を保護し、多孔平面部材207の背面に埃等が付着するのを防止でき、多孔平面部材207の微細孔による確実な吸着を長く維持させることができる。
なお、電磁弁211の切り換えは、フォトセンサ201a、201b、203a、203bの検出によりシート状彫刻媒体の基準位置出しが行なわれ、ステッピングモーター175が逆転駆動され、吸着部25に対しシート状彫刻媒体が正確に配置されたときの自動化の信号により行わせることができる。
シート状彫刻媒体への画像彫刻後は、媒体排出部9側へ排出される。
[媒体排出部]
図14〜図18は、媒体排出部を主に示し、図14は、媒体排出部を画像彫刻部側から見て画像彫刻部と共に示す斜視図、図15は、媒体排出部を反画像彫刻部側から見て画像彫刻部と共に示す斜視図、図16は、媒体排出部を正面側から見た一部省略拡大斜視図、図17は、媒体排出部を背面側から見た一部省略拡大背面図、図18は、媒体排出部を背面側から見た一部省略拡大斜視図である。
排出ガイド35は、図示しないスタッカーホルダーに支持されている。スタッカーホルダーは、排出ガイド35全体の側部及び背部を覆うように形成され、スタッカーホルダーが、装置フレーム側に取り付けられている。排出ガイド35全体の背部は、反画像彫刻部7側である。
排出ガイド35は、パネルで形成されたメインガイド217と入口ガイド219と中間ガイド221と第1OK排出ガイド223a及び第2OK排出ガイド223b、cとを備えている。
メインガイド217は、上下全体に延設されている。メインガイド217の側部には、図示はしないが機体フレームと別の側板が配置固定され、或いは側板を構成する機体フレーム側の部材にメインガイド217が固定されている。この側板或いは部材は、メインガイド217側として後述するフィードシャフトやその他の部材の支持、固定を行なわせる。
入口ガイド219は、メインガイド217とほぼ同幅に形成されてメインガイド217の上部に沿って対向配置されている。
中間ガイド221は、メインガイド217の幅方向両側に分けて設けられ、メインガイド217の中間部に沿って配置されている。第1OK排出ガイド223a、第2OK排出ガイド223b、223cは、中間ガイド221の下部側から画像彫刻部7の下方側に向けて分岐するように形成配置されている。
第1OK排出ガイド223aは、メインガイド217の幅方向両側に分けて設けられ、下部外側部がメインガイド217側に固定され、下部がメインガイド217に平行に対向し、上部がメインガイド217から離間するように上方へ傾斜するように設定されている。第2OK排出ガイド223bは、第1OK排出ガイド223aに連携するように第1OK排出ガイド223aの傾斜上方に配置され、第2OK排出ガイド223c(図1)は、第1OK排出ガイド223aの下側に配置され、OKトレー37の上部開口へ向かうように屈曲形成又は湾曲形成されている。第2OK排出ガイド223b、cの側部は、メインガイド217側に固定されている。
第1OK排出ガイド223a、第2OK排出ガイド223b、cと中間ガイド221との間には、フラグ225が配置されている。フラグ225は、フラグシャフト227に取り付けられ、フラグシャフト227に取り付けられたセパレーターアーム229とメインガイド217との間に引張スプリング231が介設されている。中間ガイド221の下端部は、側面から見るとフラグ225にオーバーラップしている。
フラグ225は、シート状彫刻媒体を一方向、実施例では下方向のみへ通し、中間ガイド221側への戻りを不能にする。フラグ225は、断面が楔状に形成され、断面の大きな基部がフラグシャフト227に取り付けられ、回転自在に支持されている。フラグ225の尖端は、シート状彫刻媒体の搬送方向で下方に向けられ、メインガイド217の開口217aに対向している。フラグ225の傾斜した下面は、第1OK排出ガイド223aの傾斜に対向している。
メインガイド217と入口ガイド219との間には、フィードローラー233及びトックベアリング235の組が配置され、メインガイド217と中間ガイド221との間には、フィードローラー237及びトックベアリング239の組が配置され、メインガイド217の下部には、フィードローラー241及びトックベアリング243の組が配置され、OK排出ガイド223には、フィードローラー245及びトックベアリング247の組が配置されている。
これらフィードローラー233及びトックベアリング235等は、メインガイド217等と共に排出ガイド35を構成、排出ガイド35は、排出駆動及びガイドの機能を備えている。
フィードローラー233及びトックベアリング235の組は、メインガイド217と入口ガイド219との開口を貫通するように対向接触し、フィードローラー237及びトックベアリング239の組は、中間ガイド221の幅方向内側でメインガイド217の開口と中間ガイド221の切り欠きとを貫通するように対向接触し、メインガイド217下部のフィードローラー241及びトックベアリング243の組は、第1OK排出ガイド223aの下側でメインガイド217の下部を貫通するように対向接触し、OK排出ガイド223のフィードローラー245及びトックベアリング247の組は、第1OK排出ガイド223aと第2OK排出ガイド223b、cとの間に配置され、相互に対向接触している。
フィードローラー245及びトックベアリング247の接触部は、フラグ225の傾斜した下面の延長上又は僅かに下方にずれて配置され、フラグ225の傾斜にガイドされたシート状彫刻媒体の先端をフィードローラー245及びトックベアリング247の接触部に引き継ぐようになっている。
フィードローラー233、237、241、245は、フィードシャフト249、251、253、255によりメインガイド217側に支持されている。フィードシャフト249、251、253、255の端部には、タインミングギヤ257、259、261,263が取り付けられ、このタインミングギヤ257、259、261,263間に、アイドルプーリー267を介してタイミングベルト269が掛け回されている。アイドルプーリー267の一つは、フラグシャフト227に取り付けられている。
最下段のフィードシャフト253には、駆動入力用のタインミングギヤ268が取り付けられ、このタインミングギヤ268とステッピングモーター265のタインミングギヤとの間に、タイミングベルト270が掛け回されている。
従って、ステッピングモーター265を駆動させるとタイミングベルト270、269の走行によりフィードローラー233、231、235、239を回転駆動させることができる。
トックベアリング235、239、243、247は、従動シャフト271、273、275、277に支持され、従動シャフト271、273、275、277は、ローラーアーム279,281、283、285に支持されている。ローラーアーム279,281、283、285は、中間部がメインガイド217側に回転可能に支持され、ローラーアーム279,281、283、285とメインガイド217側との間に、引張スプリング287、289、291、293が介設されている。
従って、トックベアリング235、239、243、247は、引張スプリング287、289、291、293の付勢力によりフィードローラー233、237、241、245に弾接する構成となっている。
メインガイド217には、フォトセンサ295、297、299が取り付けられ、第2OK排出ガイド223bの上方には、フォトセンサ301が配置され、フォトセンサ301は、メインガイド217側に支持されている。フォトセンサ295、297、299は、メインガイド217の開口からシート状彫刻媒体の通過を検出する。フォトセンサ301は、第2OK排出ガイド223bの開口から第2OK排出ガイド223bを通るシート状彫刻媒体の通過を検出する。
フォトセンサ295、297、299は、OK品及びNG品のシート状彫刻媒体の通過を検出する。フォトセンサ301は、彫刻されたOK品のシート状彫刻媒体の通過を検出する。
従って、画像彫刻部7から排出された彫刻済みのOK品のシート状彫刻媒体が、メインガイド217及び入口ガイド219間に受け入れられると、ステッピングモーター265の駆動によりフィードローラー233、237、241、245が正転してトックベアリング235、239、243との協働によりシート状彫刻媒体を下方へ排出移動させる。移動するシート状彫刻媒体がフォトセンサ295、297で検出されフラグ225及びメインガイド217間を通過し、フォトセンサ299で検出されるとステッピングモーター265によるフィードローラー233、237、241、245の駆動が停止し、フラグ225の直下でシート状彫刻媒体の排出移動が一旦停止される。
次いで、制御部の制御によりステッピングモーター265が逆転駆動され、フィードローラー241の逆転によるフィードローラー241及びトックベアリング243の協働により彫刻済みのシート状彫刻媒体が上方へ戻される。このシート状彫刻媒体の戻りによりシート状彫刻媒体の上端部がフラグ225の傾斜した下面にガイドされ、フラグ225及び第2OK排出ガイド223b間を通過してフィードローラー245及びトックベアリング247に引き継がれる。
フィードローラー245及びトックベアリング247は、フィードローラー241及びトックベアリング243と同様に逆転しており、シート状彫刻媒体をそのまま第2OK排出ガイド223b、c間へ排出移動させ、フィードローラー241及びトックベアリング243を離れたシート状彫刻媒体は、第2OK排出ガイド223cの傾斜によりガイドされて、OKトレー39に排出される。
画像彫刻部7から排出された彫刻されていないNG品のシート状彫刻媒体が、メインガイド217及び入口ガイド219間に受け入れられると、ステッピングモーター265の駆動によりフィードローラー233、237、241が正転し、フィードローラー233、237、241及びトックベアリング235、239、243の協働によりシート状彫刻媒体が下方へ排出移動し、そのままスタッカースライド39に排出される。
[実施例の効果]
本発明実施例は、媒体搬出部3から搬送面19aにシート状彫刻媒体を引き継いで画像彫刻部7に搬送するシート状媒体引継ぎ搬送装置5であって、搬送面19aの上位側に配置されたリバースガイド部21を備え、画像彫刻部7は、引き継いだシート状彫刻媒体の搬送方向での基準位置を検出してから搬送を戻して吸着部25に吸着して位置決め、画像彫刻部7でのシート状彫刻媒体の搬送の戻りをリバースガイド部21が搬送面19aの上位側へ切替ガイドすることで許容し、媒体搬出部3から次に引き継がれたシート状彫刻媒体をリバースガイド部21の下側で搬送面19a上に待機させることができる。
このため、シート状彫刻媒体のリバースガイド部21へのガイドと次に引き継がれたシート状彫刻媒体をリバースガイド部21の下側で搬送面19a上に待機させることとにより、シート状彫刻媒体に無理なく連続して自動的に彫刻を施すと共に装置全体の大型化を抑制することができる。
つまり、次に引き継がれたシート状彫刻媒体をリバースガイド部21の下側で搬送面19a上に待機させることで画像彫刻部7への次の搬送を迅速に連続して行なわせることができる。
待機させた次のシート状彫刻媒体の上位側に前のシート状彫刻媒体を上下にオーバーラップして配置させることができ、搬送路の長さをその分短くし、装置全体の長さを短くすることが可能となる。
前記リバースガイド部21は、断面三角形状で内部に空間部を有し外部に搬送方向に下降傾斜したリバース走行面131を有したリバースボックス129を備え、前記空間部に、シート状彫刻媒体を判別するためのカラーセンサー141、ソニックセンサー143aを収容支持している。
このため、リバース走行面131にシート状彫刻媒体の戻りをガイドし、その下側の空間を利用してセンサーを配置することができ、センサーを無理なく配置することができる。しかも、リバースボックス129の空間部は、搬送面19aに対向するため、搬送面19a上のシート状彫刻媒体の判別を的確に行なわせることができる。特に、本実施例では、次のシート状彫刻媒体が空間部の下側で反オス面19a上に待機するため、カラーセンサー141、ソニックセンサー143aによる検出を静止したシート状彫刻媒体に対して行わせることができ、正確な判別を可能とする。
前記リバース走行面131の傾斜下端部に回転自在に支持され搬送面19aの搬送方向の前端とリバース走行面131との間で開閉駆動を可能に支持されたフラグ133を備え、開閉駆動の閉駆動により搬送面19aの搬送方向の前端を閉じてリバース走行面131の下降傾斜に沿うようフラグ133を傾斜配置させ、開閉駆動の開駆動により搬送面19aの搬送方向の前端を開くようにフラグ133を配置させ切替ガイドを行なわせている。
このため、フラグ133の駆動だけで画像彫刻部7からのシート状彫刻媒体の戻りをガイドし、或いは搬送面19aから画像彫刻部7へ次のシート状彫刻媒体を搬出させることができる。
前記搬送面19aは、媒体搬出部3から送り出されたシート状彫刻媒体を引き継いで搬送方向の斜め前方へ漸次移動させシート状彫刻媒体の側辺部を摺接させて搬送姿勢を整え画像彫刻部7へ搬送するアライメントガイド99を備えている。
このため、シート状彫刻媒体をアライメントガイド99に自動的に寄せてガイドさせ、斜めの搬送姿勢を容易に修正させ、次工程の画像彫刻部7でシート状彫刻媒体の規定位置へ正確な画像彫刻を行なわせることができる。
[その他]
前工程は、引継ぎ搬送部5にシート状媒体を搬出できればよく、媒体搬出部3以外によっても構成することができる。
次工程は、引継ぎ搬送部5からシート状媒体を引き継いで処理を施すことができればよく、画像彫刻部7以外の処理を行なう装置で構成することもできる。
リバースガイド部21は、リバースボックス129に限らず、空間部を備えない構成にすることもでき、また、傾斜したパネルのみで構成することもできる。