JP3863810B2 - 蛍光体シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄積性蛍光体シート製造の技術分野に属し、特に、真空蒸着によって形成された蓄積性蛍光体層を有する蛍光体シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
放射線(X線、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等)の照射を受けると、この放射線エネルギーの一部を蓄積し、その後、可視光等の励起光の照射を受けると、蓄積された放射線エネルギーに応じた輝尽発光を示す蛍光体が知られている。この蛍光体は、蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)と呼ばれ、医療用途などの各種の用途に利用されている。
【0003】
一例として、この蓄積性蛍光体を含有する層(以下、蛍光体層とする。)を有するシートを利用する放射線画像情報記録再生システムが知られている。この蛍光体層を有するシートは、放射線像変換パネルとも呼ばれているが、以下、蛍光体シートとする。なお、このようなシステムとして、既に実用化されているものにFCR(Fuji Computed Radiography)がある。
【0004】
このシステムにおいては、まず蛍光体シート(の蛍光体層)に人体等の被写体の放射線画像情報を記録する。記録後に蛍光体シートをレーザ光等の励起光で2次元的に走査して、輝尽発光光を放出させる。そして、この輝尽発光光を光電的に読み取って画像信号を得、この画像信号に基づいて再生した画像を写真感光材料等の記録材料あるいはCRT等の表示装置に被写体の放射線画像を可視像として出力する。読取りを終えた蛍光体シートは、残存する画像を消去して、繰り返し使用される。
【0005】
このような蛍光体シートは、通常、蓄積性蛍光体の粉末をバインダ等を含む溶媒に分散してなる塗料を調製して、ガラスや樹脂製のシート状の支持体に塗布し、乾燥して、蛍光体層を形成することによって作製される。
これに対して、真空蒸着やスパッタリング等の物理蒸着法(気相成膜法)によって、支持体に蛍光体層を形成してなる蛍光体シートも知られている。蒸着によって作製される蛍光体層は、真空中で形成されるので不純物が少なく、バインダ等の蓄積性蛍光体以外の成分が殆ど含まれないので、性能のバラツキが少なく、発光効率が良好である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、このような蛍光体シートにおいては、画像の粒状性及び鮮鋭性がよく、解像度が高いことが必要とされている。例えば、真空蒸着法により、蛍光体シートを作製する場合、蒸発した輝尽性蛍光体の構成材料が基板表面に堆積し、結晶成長して輝尽性蛍光体層が形成される。このとき、蒸着工程の条件によっては、結晶の成長方向が基板面に対して略垂直に伸び、柱状結晶(コラム)となる。この柱状結晶が光学的に独立した微細柱状ブロック構造を有していると、柱状ブロックから輝尽発光光が外に散逸せず、画像の鮮鋭性をある程度向上させることができると考えられている。
【0007】
しかし、ただ真空蒸着しただけでは、柱状結晶があまりシャープに成長せず、柱状結晶の太さや長さが一様ではなく、このような柱状結晶によって構成される蛍光体層によっては十分な画像解像度は得られない。これに対し、シャープな柱状結晶を成長させるためには、予め基板表面に微細パターンを形成することがよいと考えられている。
しかしながら、従来は、例えばフォトリソグラフィーのように、半導体装置の回路基板のような小さなものに微細パターンを形成する技術はあっても、上記蛍光体シートの基板のような大面積(例えば450mm×450mm)のものに、安価に微細なパターンを形成する技術は存在しなかった。
【0008】
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであり、蛍光体シートの基板のような大サイズの基板に安価に微細パターンを形成し、これを用いてシャープな柱状結晶を成長させ、微細柱状ブロック構造を形成した蛍光体シート及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第一の態様は、シート状の基板に蓄積性蛍光体層が成膜された蛍光体シートであって、前記基板上にフィルム状に形成された熱軟化性樹脂を加熱しながら、複数の凸部からなる微細パターンを前記熱軟化性樹脂に転写するために予め形成された型を、前記熱軟化性樹脂に押し当てて、前記熱軟化性樹脂に前記微細パターンを転写することにより、前記熱軟化性樹脂で形成された前記微細パターンを、その全面に有する基板と、前記微細パターン上に、真空蒸着法により前記微細パターンの各凸部上に形成され、層厚方向に伸びた柱状構造を有する蓄積性蛍光体層と、を有することを特徴とする蛍光体シートを提供する。
ここで、本発明の第一の態様において、前記凸部の最大径、前記凸部の高さおよび前記凸部同士の間隔が、いずれも0.1〜20μmであることが好ましい。
【0010】
また、本発明の第二の態様は、シート状の基板に蓄積性蛍光体層が成膜された蛍光体シートであって、樹脂で形成された複数の凸部からなり、前記凸部の最大径、前記凸部の高さおよび前記凸部同士の間隔がいずれも0.1〜20μmである微細パターンを、その全面に有する基板と、前記微細パターン上に、真空蒸着法により形成され、前記微細パターンの各凸部上に形成され、層厚方向に伸びた柱状構造を有する蓄積性蛍光体層と、を有することを特徴とする蛍光体シートを提供する。
また、本発明の第一の態様および第二の態様において、前記凸部の最大径、前記凸部の高さおよび前記凸部同士の間隔が、いずれも0.2〜20μmであることが好ましい。
【0011】
また、本発明の第三の態様は、シート状の基板に蓄積性蛍光体層が成膜された蛍光体シートの製造方法であって、熱軟化性樹脂を前記基板上にフィルム状に形成し、このフィルム状に形成された前記熱軟化性樹脂を加熱しながら、複数の凸部からなる微細パターンを前記熱軟化性樹脂に転写するために予め形成された型を、前記熱軟化性樹脂に押し当てて、前記微細パターンを前記熱軟化性樹脂に転写することにより、前記基板の全面に、前記微細パターンを前記熱軟化性樹脂で形成し、前記熱軟化性樹脂で形成された前記微細パターンの各凸部上に、層厚方向に延びた柱状構造を有する蓄積性蛍光体層を真空蒸着により形成することを特徴とする蛍光体シートの製造方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の蛍光体シート及びその製造方法について、添付の図面に示される好適実施形態を基に詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る蛍光体シートの一実施形態を示す模式断面図である。
図1に示す蛍光体シート10は、ガラス等の基板(支持体)12、樹脂層14、反射層16、蓄積性蛍光体層18、保護層20の順に積層された層構成を有している。
【0014】
樹脂層14の全面には、多数の凸部14a及び凹部14bからなる微細パターンが形成されている。凸部14a及び凹部14bを含めた樹脂層14全面に、反射層16が積層されている。反射層16が形成された各凸部14aを起点に、真空蒸着法により、層厚方向に伸びた蓄積性蛍光体の柱状構造18aが形成され、これにより蓄積性蛍光体層18が構成されている。さらに、蓄積性蛍光体層18の上には保護層20が積層されている。
【0015】
各凸部14aから真空蒸着法により形成された多数の蓄積性蛍光体の柱状構造18aは、それぞれが独立して蓄積性蛍光体層18の層厚方向に伸びている。すなわち、柱状構造18a同士は互いに結晶が独立して形成される。これにより柱状構造18aからなる蓄積性蛍光体層18が蓄積性蛍光体の結晶単位で形成される。その結果、輝尽性励起光、輝尽発光光の指向性を高め、光の横の広がりを抑えることができるとともに、鮮鋭性を向上させることができる。
【0016】
凸部14aから真空蒸着法によって蓄積性蛍光体の柱状構造18aを成長させる際には、凹部14bの部分にも蓄積性蛍光体の単結晶が成長すると考えられるが、凹部14bからの成長よりも凸部14aの上面に生じた単結晶の横方向の成長により凹部14bの上方が閉じる方が早く、凹部14bから成長する蓄積性蛍光体の結晶は蓄積性蛍光体層18の表面には到達することがない。このため、蓄積性蛍光体層18の表面は、凸部14aから成長した蓄積性蛍光体の柱状構造18aのみで構成されるため、画質への悪影響はない。また、基板12上の樹脂層14に形成された凸部14aの1つに柱状構造18aの1つが対応するため、柱状構造18aの柱径を任意に制御することができる。さらに、柱状構造18aのそれぞれが基板12の凸パターンの1つずつに対応してしっかりと密着するため、蓄積性蛍光体層18と基板12(樹脂層14)との密着性を向上させることができる。
【0017】
本発明に係る蛍光体シート10に用いられる基板12としては、特に限定はなく、ガラスの他、各種高分子材料や金属等を用いることができる。具体的には、ガラス、セラミックス、カーボン、アルミニウム、PET、PEN、ポリイミド等、蛍光体シートにおいて利用されている各種のシート状の基板が全て利用可能である。
基板12の膜厚は、選択する基板材料の材質によって異なるが、例えばガラスあるいは金属基板の場合には、100μm〜20mmの範囲であることが好ましく、0.5〜10mmの範囲であることがより好ましい。
【0018】
樹脂層14に用いられる樹脂としては、熱を加えることにより柔らかくなる熱軟化性樹脂や、光を当てると改質される感光性樹脂等を用いることができ、例えばポリイミド系樹脂等が例示される。特に、熱可塑性樹脂や、加熱すると軟化する光硬化性樹脂等の、いわゆるガラス転移温度Tgを有するものが好ましい。詳しくは後述するが、このようなガラス転移温度Tgを有する樹脂の場合、ガラス転移温度Tg付近まで加熱することにより、樹脂を軟化させ、これに型を押し当てることにより、転写によって容易に微細パターンを形成することができるからである。
【0019】
樹脂層14に設けられる微細パターンを形成する多数の凸部14aの形状は任意であり、その一例を図2に平面図で示す。例えば、図2(a)に示すように、各凸部は、円形で格子状に並んでいてもよいし、図2(b)のように、円形で千鳥状に並んでいてもよい。あるいは、図2(c)に示すように、矩形であってもよい。なお、このような凸部14aを形成する方法は、後述するが、転写によって形成することが好ましい。
【0020】
凸部14aの最大径、高さ及び凸部同士の間隔は、凸部14aのそれぞれを起点として真空蒸着法によって形成された層厚方向に伸びた蓄積性蛍光体の柱状構造18aが1つずつ形成されるように調整されることが好ましい。このような凸部14aの最大径の臨界サイズは、選択される蓄積性蛍光体の種類、蓄積性蛍光体を設けるための真空蒸着法の種類、その条件によって異なるが、凸部14aの最大径、高さ及び凸部同士の間隔がいずれも0.1〜20μmの範囲であることが好ましく、0.2〜20μmの範囲であることがより好ましい。
【0021】
前述したように、凸部14a及び凹部14bを含めた樹脂層14全面に、反射層16が積層されている。この反射層16は、蓄積性蛍光体層18の輝尽励起光入射側表面とは反対側に設けられ、入射光を蓄積性蛍光体側に反射し、輝尽発光を助ける働きを有する。従って、図1では、凸部14a及び凹部14bにのみ設けられているように表示されているが、凸部14aの側面にも設けることが好ましい。反射層16としては、界面において光学的密度が異なり、かつ滑面であれば適用でき、例えば金属滑面、セラミック面を有する層とすることが好ましい。
【0022】
蓄積性蛍光体層18を形成する蓄積性蛍光体としては、CsBr:Euの他、各種のものが利用可能である。
好ましくは、波長が400nm〜900nmの範囲の励起光の照射により、300nm〜500nmの波長範囲に輝尽発光を示す輝尽性蛍光体が利用される。このような輝尽性蛍光体は、特公平7−84588号、特開平2−193100号、同4−310900号の各公報に詳述されている。
【0023】
中でも、下記の基本組成式
I X・aMIIX’2 ・bMIII X''3 :zA
で代表されるアルカリ金属ハロゲン化物質系輝尽性蛍光体は、特に、好ましい。なお、上記式において、MI は、Li,Na,K,RbおよびCsからなる群より選択される少なくとも一種のアルカリ金属を表し、MIIは、Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Ni,Cu,ZnおよびCdからなる群より選択される少なくとも一種のアルカリ土類金属もしくは二価の金属を表し、MIII は、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Al,GaおよびInからなる群より選択される少なくとも一種の希土類元素もしくは三価の金属を表し、Aは、Y,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Na,Mg,Cu,Ag,TlおよびBiからなる群より選択される少なくとも一種の希土類元素もしくは金属を示し、さらに、X、X’およびX''は、F,Cl,BrおよびIからなる群より選択される少なくとも一種のハロゲンを示す。また、aは、0≦a<0.5の範囲内の数値を、bは、0≦b<0.5の範囲内の数値を、さらに、zは、0≦z<1.0の範囲内の数値を、それぞれ示す。
【0024】
上記基本組成式において、MI は、少なくともCsを含んでいるのが好ましく、また、Xは、少なくともBrを含んでいるのが好ましく、さらに、Aは、EuまたはBiであるのが好ましい。
また、上記基本組成式で示される金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体には、必要に応じて、酸化アルミニウム、二酸化珪素、および酸化ジルコニウム等の金属酸化物を、MI 1molに対して0.5mol以下の量で、添加物として加えてもよい。
さらに、成膜材料にも、特に限定はなく、蓄積性蛍光体に応じて、蛍光体を含有する材料、および、付活剤(賦活剤(activator))を含有する材料を、適宜、選択すればよい。
【0025】
本実施形態においては、基板12上に樹脂により凸部14aを形成したため、真空蒸着により、各凸部14aの上に蓄積性蛍光体が堆積し、各凸部14aの上面を起点として、層厚方向に伸びた蓄積性蛍光体の柱状構造18aが1つずつ形成される。
【0026】
蓄積性蛍光体層18の上面(蓄積性蛍光体層18の反射面16が設けられる面とは反対側の面)に、必要に応じて、蓄積性蛍光体層18を物理的にあるいは化学的に保護するための保護層20が設けられる。
保護層20は、保護層用塗布液を蓄積性蛍光体層18上に直接塗布して形成してもよいし、あるいは予め別途形成した保護層を蓄積性蛍光体層18上に接着してもよい。保護層20の表面には、さらに、保護層20の耐汚染性を高めるためのフッ素樹脂塗布層を設けてもよい。
【0027】
以下、本実施形態における蛍光体シート10の製造方法について説明する。
まず、ガラスの基板12上に、溶媒に溶かした熱軟化性樹脂(熱可塑性樹脂あるいは加熱すると軟化する光硬化性樹脂)を、スピンコートあるいはラインコート方式によりコーティングし、硬化させてフィルム状に、図3(a)に示すように、樹脂層14を形成する。
【0028】
次に、樹脂層14を、ガラス転移温度Tg付近まで加熱し、樹脂層14を柔らかくする。そして図3(b)に示すように、加熱しながら、予め図2に示すような微細パターンの形成された型22を樹脂層14に押し当てて、微細パターンを樹脂層14に転写する。このようにして、多数の凸部14a及び凹部14bからなる微細パターンを樹脂層14に形成する。
熱軟化性樹脂を用いることで、転写の方法が適用可能となる。このとき、蛍光体シートの基板12と略同じ大きさの型22に予め微細パターンを形成しておけば、一回型22を樹脂層14に押しつけるだけで、例えば450×450mmという大面積の蛍光体シートの基板12上に、簡単に微細パターンを形成することができる。しかも、一度型を作製しておけば、何度でもこれを使用することができ、安価に微細パターンを形成することができる。
【0029】
基板12上に微細パターンを形成する方法としては、上述したように熱軟化性樹脂を用いた転写による方法が最も好ましいものであるが、この他にも、感光性樹脂を用いて、ホトリソグラフィーにより微細パターンを形成する方法も考えられる。
これは、図4に示すように、ガラス等の基板12上に感光性樹脂により樹脂層24を形成し、これにマスクを介して光(紫外線)を当てて、感光性樹脂を改質し、その後現像、エッチングにより凹部24bを除去して凸部24aを残すことにより微細パターンを形成するものである。
【0030】
このとき、感光性樹脂には、感光すると硬化し、現像液に溶解しなくなるものと、溶解しやすくなるものとがあり、それぞれによってマスク(ポジ型及びネガ型)を使い分けるようにすればよい。また、必要に応じて感光性樹脂に対し、プリベイクあるいはポストベイクを施す。
フォトリソグラフィーにより微細パターンを形成(露光)する装置として従来より縮小投影露光装置(ステッパ)があるが、これは一度に露光できる範囲が狭いため、一カ所露光すると一定距離移動して、また露光するという、いわゆるステップアンドリピートにより基板全面を露光する必要がある。これに対し、光ビーム露光により、露光する方法も考えられる。
【0031】
基板12上の樹脂層14に微細パターンを形成した後、この上に反射層16が形成される。反射層16は、前述したように、金属滑面あるいはセラミック面を有する層とすることが好ましい。例えば金属滑面の場合、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等により基板12上の樹脂層14表面に形成してもよいし、金属箔をラミネートしてもよい。
【0032】
次に、樹脂による微細パターンが形成された基板12上に、真空蒸着により柱状構造18aを有する蓄積性蛍光体層18を形成する。
図5に真空蒸着装置を示す。図5に示す真空蒸着装置100は、シート状の基板12の表面(樹脂による微細パターンが形成された側)に、蓄積性蛍光体を含有する層((蓄積性)蛍光体層)を二元の真空蒸着によって形成して、(蓄積性)蛍光体シートを作製するものである。
真空蒸着装置100は、基本的に、真空チャンバ112、基板回転機構114及び加熱蒸発部116を有して構成される。
また、真空チャンバ112には、系内を排気して所定の真空度にするための、図示しない真空ポンプ(真空排気手段)が接続される。
【0033】
真空チャンバ112は、鉄、ステンレス、アルミニウム等で形成される、真空蒸着装置で利用される公知の真空チャンバ(ベルジャー、真空槽)である。
前述のように、真空チャンバ112には、図示しない真空ポンプが接続される。真空ポンプにも、特に限定はなく、必要な到達真空度を達成できるものであれば、一般に真空蒸着装置で利用されている各種のものが利用可能である。一例として、油拡散ポンプ、クライオポンプ、ターボモレキュラポンプ等を利用すればよく、また、補助として、クライオコイル等を併用してもよい。なお、前述の蛍光体層を成膜する真空蒸着装置100においては、真空チャンバ112内の到達真空度は、6.7×10-3Pa以下、特に4.0×10-4Pa以下であるのが好ましい。
【0034】
基板回転機構114は、基板12を保持して回転するもので、回転駆動源120と、ターンテーブル122とから構成される。
ターンテーブル122は、上側の本体124と下側(加熱蒸発部116側)のシースヒータ126とからなる円板で、その中心に、回転駆動源120と係合する回転軸128が固定される。ターンテーブル122は、後述する加熱蒸発部116(成膜材料の蒸発位置)に対応する所定位置において、下面(シースヒータ126の下面)に基板12を微細パターンの形成された樹脂層14側(成膜面側)を下に向けて保持し、回転駆動源120によって所定速度で回転される。また、シースヒータ126は、成膜される基板12を裏面(成膜面と逆面)から加熱する。
なお、基板12は、マスクを兼ねるホルダや治具等を用いた公知の方法で、成膜面を下方に向けてターンテーブル122に保持すればよい。また、ターンテーブル122の回転速度には、特に限定はないが、0rpm(すなわち静止)〜100rpm程度が好ましい。
【0035】
真空チャンバ112内の下方には、加熱蒸発部116が配置される。
前述のように、真空蒸着装置100は、蛍光体の成膜材料として臭化セシウムを、付活剤の成膜材料として臭化ユーロピウムを、それぞれ用い、これらを個々に加熱蒸発する二元の真空蒸着を行うものであり、加熱蒸発部116は、ユーロピウム蒸発部130(以下、Eu蒸発部130とする)と、セシウム蒸発部132(以下、Cs蒸発部132とする)とを有する。
【0036】
Eu蒸発部130は、抵抗加熱装置134によって、蒸発位置Pe(ルツボ)に収容した臭化ユーロピウム(付活剤材料)を、抵抗加熱して蒸発させる部位である。本発明において、付活剤材料を抵抗加熱して蒸発させるための抵抗加熱装置134には、特に限定はなく、用いる付活剤材料に応じて、これを好適に蒸発できるものであれば、真空蒸着装置に利用されている各種のものが利用可能である。
【0037】
具体的には、加熱装置(蒸発源)としては、ボートタイプ、フィラメントタイプ、クルーシブルタイプ、チムニータイプ、Kセル(クヌーセンセル)等の、抵抗加熱装置で用いられる各種の装置が利用可能である。また、電源(加熱制御手段)も、サイリスタ方式、DC方式、熱電対フィードバック方式等、抵抗加熱装置で用いられる各種の方式が利用可能である。
また、抵抗加熱を行う際の出力にも特に限定はなく、付活剤材料等に応じて適宜設定すればよいが、図示例においては、ヒータの抵抗値によっても異なるが、50A〜1000A程度とすればよい。
【0038】
なお、前述のように、蛍光体シートの蛍光体層においては、層中の付活剤と蛍光体の濃度は、モル濃度比で0.0005/1〜0.01/1程度であり、蛍光体層の大部分は蛍光体である。
従って、図示例の真空蒸着装置100においては、Eu蒸発部130(付活剤材料の蒸発部)は材料供給手段を有していないが、本発明はこれに限定はされず、必要に応じて、Cs蒸発部132(蛍光体材料の蒸発部)と同様に、材料供給手段を有していてもよい。
【0039】
また、付活剤材料の加熱蒸発手段も、図示例のような抵抗加熱手段に限定はされず、電子線(エレクトロンビーム=EB)加熱や誘導加熱等、真空蒸着で用いられている加熱蒸発手段が、各種利用可能である。
【0040】
一方、Cs蒸発部132は、(蛍光体材料の蒸発手段)は、EB加熱によって蛍光体材料である臭化セシウムを蒸発するものであり、電子銃136と、材料供給手段138とを有して構成される。
【0041】
電子銃36は、後述する材料供給手段138の所定位置(ルツボ140)にEBを照射することにより、臭化セシウムを加熱蒸発するものである。
本発明において、電子銃136には、特に限定はなく、電子線を180°偏向して蒸発位置に入射する180°偏向銃、同270°偏向銃、90°偏向直進銃等、真空蒸着において利用されている各種の電子銃が利用可能である。図示例においては、電子銃136は、一例として、270°偏向銃を利用している。
また、電子銃136のエミッション電流やEBの加速電圧にも限定はなく、成膜材料や成膜する膜厚に応じた十分なものであればよい。図示例においては、一例として、EBの加速電圧は−1kV〜−30kV、エミッション電流は50mA〜2Aとするのが好ましい。
【0042】
なお、本発明において、臭化セシウム(蛍光体材料)の蒸発手段には、特に限定はなく、蛍光体が大部分を占めると共に、200μmを超える蛍光体層の成膜に対して、十分な成膜速度を得られるものであれば、電子線加熱以外にも、誘導加熱等、真空蒸着で利用されている各種の加熱蒸発手段が利用可能である。
【0043】
一方、材料供給手段138は、ルツボ140と、ケーシング142と、昇降手段144と、ピストン146とを有して構成される。
前述のように、蛍光体シートに成膜される蛍光体層は非常に厚く、薄くても200μm、通常500μm程度、厚い場合には1000μmを超える場合も有り、また、大部分が蛍光体である。これに対応して、図示例の真空蒸着装置100は、真空チャンバ112を開放することなく成膜を終了できる好ましい態様として、臭化セシウムの供給手段を有する。
【0044】
図示例において、ルツボ140は、Cs蒸発部132において所定の蒸発位置に蛍光体材料を収容するルツボ(ハース)であり、円筒状を有し、ケーシング142によって真空チャンバ112に気密状態で固定される。
ルツボ140の形成材料には、特に限定は無く、十分な耐熱性を有し、かつ、加熱された成膜材料と反応しないものであれば、各種の材料が利用可能であり、図示例においては、一例として、モリブデン、タングステン、タンタル、プラチナ、アルミナ等が例示される。また、形状も円筒に限定はされない。
【0045】
ピストン146は、ルツボ140の軸線方向に延在するロッド146aと、ロッド146aの先端(基板12側端)に固定される円盤状のヘッド146bとから構成され、ロッド146bは、ルツボ140(真空チャンバ112)内部の気密を保った状態で、軸線方向に移動可能にケーシング142に軸支される。
また、昇降手段144は、公知の方法で、ロッド146aすなわちヘッド146bを昇降(ルツボ140の軸線方向に移動)させるものである。
【0046】
図示例において、臭化セシウムは、ルツボ140の内径よりも若干小さい直径を有する円柱状に成形されたものが用いられる。なお、成形は、成膜材料に応じた公知の方法で行えばよい。
臭化セシウムは、ヘッド146bに載置されるようにして、ルツボ140に収容される。真空蒸着によって臭化セシウムが消費されると、昇降手段144が駆動してピストン146を上昇(基板S側に移動)し、臭化セシウムの上面を所定の蒸発位置に供給する。
【0047】
なお、本発明においては、材料供給手段は図示例に限定はされず、真空蒸着装置等で用いられている材料供給手段が、各種、利用可能である。
また、利用される成膜材料は、図示例のように成形されたものに限定はされず、粉末状でも顆粒状でもよく、用いる加熱蒸発手段や材料供給手段に応じて、各種の形態が利用可能である。
【0048】
前述のように、蛍光体シートでは、付活剤は蛍光体に対して極めて微量であり、蛍光体層の成分コントロールは重要である。ここで、本発明者らの検討によれば、付活剤を蛍光体中に均一に分散して添加(ドープ)した、厚さが200μmを超える高品質な蛍光体層を形成するためには、蛍光体の成膜材料と付活剤の成膜材料とで別々に蒸気を発生させて、両者を十分に混合した混合蒸気を生成し、この混合蒸気で基板に成膜を行うのが好ましい。
【0049】
このためには、蛍光体材料と付活剤材料の蒸発位置を近接して配置するのが好ましく、両者の蒸発位置が近いほど、付活剤を均一に分散した、良質な蛍光体層を形成できる。しかも、両蒸発位置が近いほど、2つの蒸気の混合領域を多くできるので、材料の利用効率も向上できる。このような点を考慮すると、両成膜材料の蒸発位置の距離は、400mm以下、特に、250mm以下とするのが好ましい。
【0050】
また、成膜領域および成膜材料の利用効率は、蒸発位置から基板12面までの距離にも影響される。
本発明においては、この距離にも特に限定は無く、基板12のサイズ等に応じて、成膜材料蒸気を無駄なく基板12に付着せしめ、かつ、十分な成膜領域を確保できる距離を、適宜、決定すればよい。ここで、本発明者の検討によれば、蒸着効率、成膜材料の利用効率、図示例のような二元の真空蒸着であれば両成膜材料蒸気の混合、等の点で、この距離は、200mm〜800mm、特に、300mm〜600mmとするのが好ましい。
【0051】
また、蛍光体層としては、主に、前述のアルカリ金属ハロゲン化物質のようなアルカリハライドが用いられるが、蒸着によるアルカリハライドの結晶は、通常、基板12の表面にコラム状(柱状)に析出する。
本実施形態では、前述したように基板12上の成膜面に樹脂による多数の凸部14aからなる微細パターンを形成している。そのため、図1に模式的に示すように、基板12に対して垂直に、蛍光体層の結晶を、微細パターンの各凸部14aを起点として、柱状に成長させ、柱状構造18aをシャープに形成することができる。なお、このとき各凸部14a上に形成される柱状構造18aは、図1に示すように、柱状構造18aが凸部14aの角を取り囲むように側面から成長する。
【0052】
前述のように、真空蒸着装置100は、回転型の真空蒸着装置を利用するもので、蛍光体シートを製造する際には、まず、ガラス基板12をターンテーブル122下面の所定位置に成膜面を下方に向けて装着した後、真空チャンバ112を閉塞して減圧すると共に、シースヒータ126を駆動して、ガラス基板12を裏面から加熱する。
【0053】
真空チャンバ112の内部が所定の真空度になったら、回転駆動源120によってターンテーブル122を所定速度で回転する。ガラス基板12を所定速度で回転しつつ、加熱蒸発部116において、Eu蒸発部130の抵抗加熱装置134を駆動して蒸発位置Pe(ルツボ)に収容された臭化ユーロピウムを蒸発させ、かつ、Cs蒸発部132の電子銃146を駆動して蒸発位置Pcの臭化セシウムを蒸発させて、ガラス基板12へのCsBr:Euの蒸着すなわち蛍光体層の成膜を開始する。
【0054】
なお、前述のように、両蒸発位置は近接して配置され、かつ、臭化ユーロピウムの蒸発は抵抗加熱で行われるので、加熱蒸発部116では、極微量な臭化ユーロピウムの蒸気が均一に分散された、両成膜材料の混合蒸気が構成され、この混合蒸気によって、付活剤が均一に分散されたCsBr:Euが蒸着される。
本発明では、基板12の成膜面に樹脂による微細パターンを形成したため、微細パターンを構成する各凸部14aを起点として結晶が柱状にまっすぐシャープに成長させることができる。
【0055】
所定厚さの成膜を終了したら、ターンテーブル122の回転を停止し、真空チャンバ112を開放して、蛍光体層の成膜を終了したガラス基板12を取り出す。連続的に成膜を行う際には、以下、上と同様にして、新たなガラス基板12を装填して成膜を行えばよい。なお、蛍光体層の成膜を終了した基板12に対しては、必要に応じて、蛍光体層18の上に保護層20を形成する。
【0056】
以上の例は、二元の蒸着装置を用いたものであったが、本発明は、これに限定はされるものではなく、各種の構成が利用可能である。
例えば、本発明において、多元の蒸着を行う場合には、ルツボの形状や蒸発位置、材料供給手段等の点で、本発明の条件を満たす成膜材料の加熱蒸発手段(加熱蒸発部)は、1つ有ればよく、従って、他の蒸発部は、通常の公知の加熱蒸発手段であってもよい。
【0057】
一例として、図示例の真空蒸着装置100において、蒸発量の多いCs蒸発部132のみを誘導加熱を用いる構成とし、蒸発量の少ないEu蒸発部130(付活剤の成膜材料の蒸発手段)は、抵抗加熱手段を用いてもよい。
この場合には、前述したような公知の抵抗加熱手段を用いればよい。
【0058】
なお、この際において、加熱装置(ルツボ)としてチムニタイプやKセル等の筒状のものを用いる場合には、蒸発面は、本発明に対応して上端よりも低くするのが好ましいが、これに限定はされない。また、付活材の加熱蒸発手段には、特に、材料供給装置を設けなくてもよいのは、前述の通りである。
また、以上の真空蒸着装置100は、臭化セシウムと臭化ユーロピウムとを別々に蒸発させる、二元の真空蒸着による装置構成となっているが、本発明は、これに限定はされず、各種の構成が利用可能である。
例えば、本発明の蛍光体シートを製造する真空蒸着装置は、蛍光体の材料と付活剤の材料とを蛍光体層の組成に応じて混合した成膜材料を用い、一元の真空蒸着によって蛍光体層を成膜して、蛍光体シートを製造する構成であってもよい。あるいは、蛍光体の成膜材料の蒸発部と、付活剤の成膜材料の蒸発部との組み合わせを2組以上有する構成や、付活剤の成膜材料の蒸発部は1つとし、蛍光体の成膜材料の蒸発部のみを2以上有する構成等の、各種の構成の多元の真空蒸着を行う装置であってもよい。
【0059】
また、真空蒸着装置は、図示例のような回転型の真空蒸着装置に限定はされず、例えば、真空チャンバに連結するロード室とアンロード室とを有し、基板をロード室に装填し、ロード室→真空チャンバ→アンロード室と基板を搬送しつつ成膜を行い、アンロード室から取り出す、いわゆるロードロックタイプの真空蒸着装置でもよく、あるいは、基板を所定位置に固定して蒸着を行うタイプの真空蒸着装置であってもよい。
【0060】
以上説明したように、本実施形態においては、基板上に微細パターンの形成された樹脂層を形成して、この上に蓄積性蛍光体を成膜するようにしたため、シャープな柱状構造を形成することができ、結果として高品質な蛍光体シートを得ることができる。
また、樹脂を用いることにより、転写という簡単な方法で微細パターンを大面積に亙って簡単にしかも安価に形成することが可能となった。
【0061】
以上、本発明の蛍光体シート及びその製造方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0062】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、基板上に樹脂を使用した微細パターンを形成するようにしたため、特に転写方式を適用した場合には、簡単かつ安価に大面積の微細パターンを形成することが可能となる。また、微細パターンを形成したため、その上に蓄積性蛍光体のシャープな柱状構造を形成することができ、高品質な蛍光体シートを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る蛍光体シートの一実施形態を示す模式断面図である。
【図2】 (a)、(b)、(c)は、それぞれ微細パターンの形状を示す平面図である。
【図3】 基板上に樹脂で微細パターンを形成する様子を示す説明図であり、(a)は、基板上に樹脂層を形成した状態、(b)は、型により微細パターンを転写した状態を示す。
【図4】 基板上に樹脂で微細パターンをホトリソグラフィーで形成する様子を示す説明図である。
【図5】 本発明に係る蛍光体シートを作製するための真空蒸着装置の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
10 蛍光体シート
12 基板(支持体)
14、24 樹脂層
14a 凸部
14b 凹部
16 反射層
18 蓄積性蛍光体層
18a 柱状構造
20 保護層
100 真空蒸着装置
112 真空チャンバ
114 基板回転機構
116 加熱蒸発部
120 回転駆動源
122 ターンテーブル
124 本体
126 シースヒータ
130 Eu蒸発部
132 Cs蒸発部
134 抵抗加熱装置
136 電子銃
138 材料供給手段
140 ルツボ
142 ケーシング
144 昇降手段
146 ピストン
146a ロッド
146b ヘッド

Claims (5)

  1. シート状の基板に蓄積性蛍光体層が成膜された蛍光体シートであって、
    前記基板上にフィルム状に形成された熱軟化性樹脂を加熱しながら、複数の凸部からなる微細パターンを前記熱軟化性樹脂に転写するために予め形成された型を、前記熱軟化性樹脂に押し当てて、前記熱軟化性樹脂に前記微細パターンを転写することにより、前記熱軟化性樹脂で形成された前記微細パターンを、その全面に有する基板と、
    前記微細パターン上に、真空蒸着法により前記微細パターンの各凸部上に形成され、層厚方向に伸びた柱状構造を有する蓄積性蛍光体層と、を有することを特徴とする蛍光体シート。
  2. 前記凸部の最大径、前記凸部の高さおよび前記凸部同士の間隔が、いずれも0.1〜20μmである請求項1に記載の蛍光体シート。
  3. シート状の基板に蓄積性蛍光体層が成膜された蛍光体シートであって、
    樹脂で形成された複数の凸部からなり、前記凸部の最大径、前記凸部の高さおよび前記凸部同士の間隔がいずれも0.1〜20μmである微細パターンを、その全面に有する基板と、
    前記微細パターン上に、真空蒸着法により形成され、前記微細パターンの各凸部上に形成され、層厚方向に伸びた柱状構造を有する蓄積性蛍光体層と、を有することを特徴とする蛍光体シート。
  4. 前記凸部の最大径、前記凸部の高さおよび前記凸部同士の間隔が、いずれも0.2〜20μmである請求項1または3に記載の蛍光体シート。
  5. シート状の基板に蓄積性蛍光体層が成膜された蛍光体シートの製造方法であって、
    熱軟化性樹脂を前記基板上にフィルム状に形成し、このフィルム状に形成された前記熱軟化性樹脂を加熱しながら、複数の凸部からなる微細パターンを前記熱軟化性樹脂に転写するために予め形成された型を、前記熱軟化性樹脂に押し当てて、前記微細パターンを前記熱軟化性樹脂に転写することにより、前記基板の全面に、前記微細パターンを前記熱軟化性樹脂で形成し、
    前記熱軟化性樹脂で形成された前記微細パターンの各凸部上に、層厚方向に延びた柱状構造を有する蓄積性蛍光体層を真空蒸着により形成することを特徴とする蛍光体シートの製造方法。
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