JP4316288B2 - ハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高純度のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法に関する。本発明は特に、蒸着法によって基板上にハロゲン化ユーロピウム堆積層を形成する場合において蒸発源として有用なハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化ユーロピウムは、ユーロピウムで付活した蛍光体の原料として知られている。例えば、WO第01/0356 A1号公報には、ユーロピウム付活ハロゲン化セシウム輝尽性蛍光体からなる蛍光体スクリーンを製造する方法として、ハロゲン化セシウムとハロゲン化ユーロピウム等のユーロピウム化合物とからなる二つの蒸発源を用いて基板上に二元蒸着させる方法が開示されている。この方法によれば、蛍光体の母体成分であるハロゲン化セシウムと付活剤成分であるユーロピウム化合物は同時に加熱されて蒸発、飛散し、そして反応を生じて蛍光体を形成するとともに基板表面に堆積して蛍光体の蒸着膜が形成される。
【0003】
一般に、ハロゲン化ユーロピウムは市販品を含めて粉末状であり、このままで蒸着に使用すると、吸湿性が強いために、含有されている水分や加熱により遊離したハロゲンなどによって突沸が生じやすく、蛍光体の組成が均一で形状の良好な蒸着膜が形成されにくい。また、ハロゲン化ユーロピウムには臭酸化物などの酸化ハロゲン化物も混入している。
【0004】
ハロゲン化ユーロピウムは水や酸素の存在下で加熱すると、酸化ハロゲン化ユーロピウムが容易に生成するために、純粋なハロゲン化ユーロピウムを得難いことが知られている。すなわち、ハロゲン化ユーロピウムを単に加熱溶融して冷却しただけでは、純粋なハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体を得ることが困難である。
【0005】
一方、上記輝尽性蛍光体などの蓄積性蛍光体は、X線などの放射線が照射されると放射線エネルギーの一部を吸収蓄積し、そののち可視光線や赤外線などの電磁波(励起光)の照射を受けると蓄積した放射線エネルギーに応じて発光を示す性質を有する。放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートともいう)は蓄積性蛍光体を含有するシートであり、基本構造として支持体とその上に設けられた蛍光体層とからなるものである。ただし、蛍光体層が自己支持性である場合には必ずしも支持体を必要としない。また、蛍光体層の上面(支持体に面していない側の面)には通常、保護層が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
【0006】
特に、放射線像変換パネルの蛍光体層を前記蒸着法により形成した場合には、蛍光体層は結合剤を含有せず、蛍光体のみからなり、蛍光体の柱状結晶と柱状結晶の間には空隙(クラック)が存在する。このため、励起光の進入効率や発光光の取出し効率を上げることができるので高感度であり、また励起光の平面方向への散乱を防ぐことができるので高鮮鋭度の画像を与えることができる。
【0007】
放射線像変換パネルは、放射線画像記録再生方法に有利に用いられる。放射線画像記録再生方法は、放射線像変換パネルに被検体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線を照射して、被検体の放射線画像情報を一旦蓄積記録した後、パネルにレーザ光などの励起光を走査して順次発光光として放出させ、そしてこの発光光を光電的に読み取って画像信号を得ることからなる方法であり、近年広く実用に共されている。読み取りを終えたパネルは、残存する放射線エネルギーの消去が行われた後、次の撮影のために備えられて繰り返し使用される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
放射線像変換パネルの蛍光体層を蒸着法により形成する際に、蒸発源として、酸化物を多く含むハロゲン化ユーロピウムを用いると、蒸着レート(蒸発流の速度)が安定せず、結果として所望のユーロピウム濃度を有し、蛍光体組成の均一な蒸着膜を形成できないことがこの度分かった。また、不純物の混入により均質な蒸着膜を形成することができない。さらには、このような蛍光体層を有する放射線像変換パネルは、画質の低下した放射線画像を与えがちである。
【0009】
また、蒸発源であるハロゲン化ユーロピウムの水分含量が一定値以上であると、蒸着時に蒸発源の突沸などのトラブルが発生しやすくなり、そして蒸着雰囲気中の水分圧が高くなって不安定になる。その結果、得られた蒸着膜の柱状結晶の形状が損なわれたり、蛍光体層全面を励起したときに発光量が局所的に不均一になるいわゆる「発光ムラ」が生じることになる。
【0010】
従って、本発明は、高純度のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体を製造する方法を提供することにある。
また、本発明は、蒸発源として有用な高純度のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体を提供することにもある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ハロゲン化ユーロピウムを、ハロゲン化アンモニウムの存在下で、不活性ガス雰囲気下もしくは還元性ガス雰囲気下に、500乃至2000℃に30分間乃至12時間かけて加熱溶融させたのち、真空下、不活性ガス雰囲気下もしくは還元性ガス雰囲気下にて冷却することからなるハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法にある。
【0013】
本発明において、ハロゲン化ユーロピウムは、下記一般式(I)で表される化合物を意味する。
EuXm ‥‥(I)
[ただし、XはF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し、mは2.0≦m≦3.0の範囲の数値を表す]
【0014】
本発明の製造方法により、抵抗加熱法による蒸着操作の蒸発源として使用される酸化ハロゲン化ユーロピウムの含有量が10重量%以下であるハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体を製造することができる。
【0015】
上記ハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体は、少なくとも蛍光体の母体成分と付活剤成分を別々に含む複数の蒸発源それぞれに抵抗加熱を施すことによって発生する物質を基板上に多元蒸着させることにより、蛍光体層を形成する工程を含む放射線像変換パネルの製造方法において、該蛍光体の付活剤成分を含む蒸発源として使用することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法において、ハロゲン源としてハロゲン化アンモニウムを、ハロゲン化ユーロピウムに添加混合することが好ましい。ハロゲン化アンモニウムは、ハロゲン化ユーロピウムに対して10:0.1乃至10:10(後者:前者)の範囲の重量比で添加することが好ましく、両化合物のハロゲンは同一であることが好ましい。特に、ハロゲンは臭素であることが好ましい。
【0017】
ハロゲン化ユーロピウムとハロゲン化アンモニウムの混合物を、水分量が5.0×10-5モル/L以下、酸素濃度が1.0×10-5モル/L以下の雰囲気中で加熱溶融することが好ましく、そして不活性ガス雰囲気中もしくは還元性ガス雰囲気中で加熱溶融することが好ましい。なお、溶融したハロゲン化ユーロピウムは真空下、不活性ガス雰囲気下もしくは還元性ガス雰囲気下で冷却することが好ましい。
【0018】
この混合物を含む反応系は加熱溶融前に乾燥することが好ましく、特に100Paもしくはそれより高真空度側の真空度で50乃至400℃の温度で加熱することにより乾燥することが好ましい。
【0019】
両者はそれぞれ混合前に乾燥することが好ましく、特に、真空下で50乃至400℃の温度で加熱することにより乾燥することが好ましい。
【0021】
ハロゲン化ユーロピウムを、水分量が5.0×10-5モル/L以下、酸素濃度が1.0×10-5以下の雰囲気中で加熱溶融することが好ましく、そしてハロゲンガスもしくはハロゲン化水素ガスを含む不活性ガス雰囲気中もしくは還元性ガス雰囲気中で加熱溶融することが好ましい。溶融したハロゲン化ユーロピウムは真空下、不活性ガス雰囲気下もしくは還元性ガス雰囲気下で冷却することが好ましい。
【0022】
ハロゲン化ユーロピウムを含む反応系は加熱溶融前に乾燥することが好ましく、特に100Paもしくはそれより高真空度側の真空度で50乃至400℃の温度で加熱することにより乾燥することが好ましい。
【0023】
ハロゲン化ユーロピウムを加熱溶融前に乾燥することが好ましく、特に真空下で50乃至400℃の温度で加熱することにより乾燥することが好ましい。
【0024】
上記方法によって製造されたハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体は、酸化ハロゲン化ユーロピウムの含有量が10重量%以下であることが好ましく、また含水量が0.5重量%以下であることが好ましい。
【0025】
ハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体において、酸化ハロゲン化ユーロピウムの含有量は、3重量%以下であることが好ましく、特に好ましくは1重量%以下である。また、含水量が0.5重量%以下であることが好ましい。
【0026】
放射線像変換パネルの製造方法において、蛍光体は、付活剤としてユーロピウムを含む蛍光体であることが好ましく、特に、下記基本組成式(II)を有するユーロピウム付活アルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体であることが好ましい。
【0027】
MIX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zEu ‥‥(II)
[ただし、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し;MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し;MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表し;X、X’及びX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し;そしてa、b及びzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す]
【0028】
以下に、本発明のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法について詳細に述べる。
【0029】
本発明に用いられるハロゲン化ユーロピウム原料は、下記一般式(I)で表される化合物であり、ユーロピウムは二価であっても三価であってもよく、あるいはそれらの混合物であってもよい。このハロゲン化ユーロピウム原料は一般には粉末である。
EuXm ‥‥(I)
[ただし、XはF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し、mは2.0≦m≦3.0の範囲の数値を表す]
【0030】
本発明においてハロゲン化アンモニウム(NH4X’、ただしX’はF、Cl、Brおよび/またはIである)をハロゲン源として用いる。ハロゲン化アンモニウムは、固体のまま使用してもよいし、あるいは気化させてガスとして使用してもよい。ハロゲン化アンモニウムのハロゲンとハロゲン化ユーロピウムのハロゲンとは同一であることが好ましい。特に好ましいハロゲンは、臭素(X、X’=Br)である。
【0031】
ハロゲン源として、固体のハロゲン化アンモニウムを使用する場合には、EuXm原料およびNH4X’はいずれも、予め乾燥処理することによって水分をできる限り除去しておくことが好ましい。乾燥処理は、例えば各化合物を真空乾燥機などを用いて、真空下、50乃至400℃の温度で約1乃至10時間加熱することにより行うことができる。
【0032】
次いで、乾燥処理した粉末状のEuXm原料およびNH4X’を混合する。混合はドライエア下で行うことが望ましい。NH4X’は、EuXm原料に対して10:0.1乃至10:10(後者:前者)の範囲の重量比で添加することが好ましく、特に好ましいのは10:1乃至10:5(後者:前者)の範囲の重量比である。
【0033】
次に、EuXm原料とNH4X’の混合物を白金るつぼ、アルミナるつぼ、石英ボートなどの耐熱性容器に充填し、電気炉の炉芯に入れてEuXmの融点以上の温度に加熱して溶融する。加熱に先立って、混合物を装填した炉芯内を乾燥することが好ましい。乾燥は、例えば100Paもしくはそれより高真空度側の真空度、好ましくは10Paもしくはそれより高真空度側の真空度、そして50乃至400℃の温度で、約10分間乃至12時間加熱することにより行うことができる。
【0034】
溶融温度は一般には500乃至2000℃の範囲にある。溶融雰囲気としては一般に、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気、もしくは水素ガスなどの還元性ガス雰囲気が用いられる。また、溶融雰囲気中の水分量は、一般には5.0×10-5モル/L以下であって、好ましくは5.0×10-6モル/L以下である。溶融雰囲気中の酸素濃度は、一般には1.0×10-5モル/L以下であり、好ましくは1.0×10-6モル/L以下である。溶融時間は一般に、30分間乃至12時間である。
【0035】
加熱溶融時にEuXmは、反応系内に存在する水や酸素によって酸化ハロゲン化ユーロピウム(EuOX)と平衡状態を形成する。反応系にハロゲン源のNH4X’を存在させることにより、この平衡状態をEuXm側に移行させることができる(NH4X’が存在しなければ、更にEuOXが生成することになる)。すなわち、EuXmとH2O、O2との反応によるEuOXの副生量を制御して低減することができる。ただし、NH4X’が過剰量存在するとEuXmはEuX3に近づく。さらに、ハロゲン源NH4X’は、EuXm原料に含まれていたEuOXをEuX2に変換することができる。
【0036】
次に、溶融したEuXmを冷却して凝固させる。冷却は真空下、不活性ガス雰囲気下もしくは還元性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。添加したNH4X’は加熱過程で昇華して気体となり、そして冷却過程で取り除かれる。
【0037】
このようにして、EuXmの溶融凝固体が得られる。但し、得られたEuXm溶融凝固体のEu価数、すなわちmは、NH4X’の量や溶融条件などによって原料のEuXmとは若干異なる可能性がある。使用するるつぼなど耐熱性容器の形状に選ぶことにより、EuXm溶融凝固体をタブレット状など所望の形状とすることができる。また、このEuXm溶融凝固体を乾燥気体雰囲気中でアルミニウムフィルムで真空包装することにより、数週間乃至数ヶ月間保存、貯蔵することができる。
【0040】
EuXm原料を上記と同様の条件および操作により加熱して溶融した後、冷却することによって、EuXm溶融凝固体を得ることができる。また、加熱に先立って、粉末状のEuXm原料を乾燥処理してもよいし、EuXm原料を装填した炉芯内を乾燥してもよい。
【0041】
このようにして、高純度のハロゲン化ユーロピウム(EuXm)溶融凝固体を得ることができる。すなわち、酸化ハロゲン化ユーロピウム(EuOX)の含有量が10重量%以下であり、また含水量が0.5重量%以下であるEuXm溶融凝固体を、好ましく得ることができる。より好ましくは、EuOX含有量が3重量%以下であるEuXm溶融凝固体を得ることができ、特に好ましくは、EuOX含有量が1重量%以下であるEuXm溶融凝固体を得ることができる。ここで、EuOX含有量は、実施例にて後述するように、X線回折法にて、EuOXピーク面積(100面)/EuX2ピーク面積(211面)の比率を算出し、検量線より求めた値である。また、含水量は、実施例にて後述するように、熱重量分析法によって温度50〜150℃での重量減少から算出した値である。
【0042】
以下に、上記のEuXm溶融凝固体を用いた本発明の放射線像変換パネルの製造方法について、蛍光体が蓄積性蛍光体である場合を例にとって述べる。
【0043】
蒸着膜形成のための基板は、通常は放射線像変換パネルの支持体を兼ねるものであり、従来の放射線像変換パネルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができるが、特に好ましい基板は、石英ガラスシート、サファイアガラスシート;アルミニウム、鉄、スズ、クロムなどからなる金属シート;アラミドなどからなる樹脂シートである。公知の放射線像変換パネルにおいて、パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上させるために、二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性物質からなる光吸収層などを設けることが知られている。本発明で用いられる基板についても、これらの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望の放射線像変換パネルの目的、用途などに応じて任意に選択することができる。さらに、柱状結晶性を高める目的で、基板の蛍光体層側の表面(基板の蛍光体層側の表面に下塗層(接着性付与層)、光反射層あるいは光吸収層などの補助層が設けられている場合には、それらの補助層の表面であってもよい)には微小な凹凸が形成されていてもよい。
【0044】
本発明において蓄積性蛍光体は、少なくともユーロピウムで付活した蛍光体である。一般的には、波長が400〜900nmの範囲の励起光の照射により、300〜500nmの波長範囲に輝尽発光を示す輝尽性蛍光体が好ましい。
【0045】
これらのうちでも、基本組成式(II):
MIX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zEu ‥‥(II)
で代表されるユーロピウム付活アルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は特に好ましい。ただし、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し、MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し、MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素または三価金属を表わす。X、X’及びX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。a、b及びzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す。
【0046】
上記基本組成式(II)中のMIとしては少なくともCsを含んでいることが好ましい。Xとしては少なくともBrを含んでいることが好ましい。また、基本組成式(II)には、必要に応じて、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物を添加物として、MI1モルに対して、0.5モル以下の量で加えてもよい。
【0047】
まず、蒸発源として、蓄積性蛍光体の付活剤成分である前述したハロゲン化ユーロピウム(EuXm)溶融凝固体の他に、少なくとも蛍光体の母体成分を含む蒸発源を用意する。この蒸発源は、所望とする蛍光体の組成に応じて、蛍光体の母体成分のみから構成されていてもよいし、添加物成分などとの混合物であってもよい。また、蛍光体の母体成分は、母体を構成する化合物それ自体であってもよいし、あるいは反応して母体化合物となりうる二以上の原料の混合物であってもよい。さらに、蒸発源は三個以上であってもよい。多元蒸着は、蛍光体の各組成成分の蒸気圧が大きく異なる場合に、その蒸着速度を各々制御することができるので好ましい。
【0048】
本発明において蒸発源として用いるEuXm溶融凝固体は、一般にEuOX含有量が10重量%以下である。好ましくは、EuOX含有量が3重量%以下であり、特に好ましくはEuOX含有量が1重量%以下である。EuOX含有量をこのような低い値に抑えることにより、蒸着レートを安定させることができる。
【0049】
また、EuXm溶融凝固体は、その含水量が0.5重量%以下であることが好ましい。さらに、蒸発源となる蛍光体母体成分などのその他の蛍光体成分もその含水量が0.5重量%以下であることが好ましい。蛍光体の母体成分や付活剤成分が、例えばCsBr、EuBrのように吸湿性である場合には水分を含みやすい。蒸発源の含水量をこのような低い値に抑えることは突沸防止などの点から重要である。蒸発源の脱水は、蛍光体成分を減圧下で100〜300℃の温度範囲で加熱処理したり、あるいは窒素雰囲気などの水分を含まない雰囲気中で、該成分の融点以上の温度で数十分乃至数時間加熱溶融することにより行うことができる。
【0050】
さらに、EuXm溶融凝固体は、Eu2+のモル比が70%以上であることが好ましい。一般に、Eu化合物にはEu2+とEu3+が混合して含まれているが、所望とする輝尽発光(あるいは瞬時発光であっても)はEu2+を付活剤とする蛍光体から発せられるからである。すなわち、mは2.0≦m≦2.3の範囲内の数値であることが好ましい。mは2.0であることが望ましいが、2.0に近づけようとすると酸素が混入しやすくなる。よって、実際にはmは2.2付近でハロゲンXの比率が比較的高い状態が安定している。また、Xは臭素であることが好ましい。
【0051】
蒸発源の相対密度は、80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上、100%以下である。ここで、相対密度とは、蛍光体またはその原料固有の密度に対する蒸発源の実際の密度の割合を意味する。蒸発源が相対密度の低い粉体状態であると、蒸着の際に粉体が飛散するなどの不都合が生じたり、蒸発源の表面から均一に蒸発しないで蒸着膜の膜厚が不均一となったりする。従って、安定した蒸着を実現するためには蒸発源の密度がある程度高いことが望ましい。上記の相対密度とするには一般に、粉体を20MPa以上の圧力で加圧成形したり、あるいは融点以上の温度にて加熱溶融して、タブレット(錠剤)の形状にする。ただし、蒸発源は必ずしもタブレットの形状である必要はない。
【0052】
蒸発源、特に蛍光体母体成分を含む蒸発源は、アルカリ金属不純物(即ち、蛍光体の構成元素以外のアルカリ金属)の含有量が10ppm以下であり、そしてアルカリ土類金属不純物(即ち、蛍光体の構成元素以外のアルカリ土類金属)の含有量が1ppm以下であることが望ましい。このような蒸発源は、アルカリ金属やアルカリ土類金属など不純物の含有量の少ない原料を使用することにより調製することができる。これによって、不純物の混入が少ない蒸着膜を形成することができるとともに、そのような蒸着膜は発光量が増加する。
【0053】
上記蒸発源、及び基板を蒸着装置内に設置し、装置内を排気して、装置内の全圧が1×10-6Pa以上、1×10-2Pa以下となるような真空度とする。このとき、真空度をこのままに維持して蒸着を開始しても良いし、あるいは、Arガス、Neガス、N2ガスなどの不活性ガスを導入することにより、装置内の全圧が1×10-6Paより高く、1×10Pa以下である真空度にして蒸着を開始しても良い。また、装置内の雰囲気中の水分圧を、クライオポンプやディフュージョンポンプとコールドトラップとの組合せなどを用いることにより、7.0×10-3Pa以下にすることが好ましい。
【0054】
蒸着蛍光体層の形成に際しては、例えば、少なくとも蛍光体の母体成分と付活剤成分を別々に含む複数の蒸発源それぞれに、電子線の照射もしくは抵抗加熱を施すか、あるいは一方に電子線の照射を行ない、他の一方に抵抗加熱を施すことによって発生する物質を基板上に多元蒸着させる。なお、一つの蒸発源の加熱に際して電子線の照射と抵抗加熱とを組み合わせて用いてもよい。
【0055】
なお、複数の蒸着源は、母体成分、一種もしくは二種以上の付活剤成分、そして所望により、一種もしくは二種以上の添加剤成分を含む三以上の蒸発源であってもよい。この場合、各蒸発源の加熱方法は全て同一であってもよく、あるいは二もしくは三以上が同一の加熱方法を利用し、他が別の加熱方法を利用してもよい。あるいは、全ての蒸発源を互いに異なる加熱方法で加熱してもよい。なお、加熱に際しては、電子線の照射と抵抗加熱とを組み合わせて用いてもよいことは勿論である。
【0056】
以下の説明では、母体成分の蒸発源と付活剤成分の蒸発源との二つの蒸発源を電子銃を用いる電子線照射により加熱して蒸発させる例をとって説明する。
【0057】
二つの電子銃から電子線をそれぞれ発生させて各蒸発源に照射する。このとき、電子線の加速電圧を1.5kV以上で、5.0kV以下に設定することが望ましい。電子線の照射により、蒸発源である蓄積性蛍光体の母体成分や付活剤成分等は加熱されて蒸発、飛散し、そして反応を生じて蛍光体を形成するとともに基板表面に堆積する。この際に、各電子線の加速電圧などを調整することにより、各蒸発源の蒸発速度を制御してもよい。蛍光体の堆積する速度、すなわち蒸着速度は、一般には0.1〜1000μm/分の範囲にあり、好ましくは1〜100μm/分の範囲にある。あるいは、それぞれの蒸着源を抵抗加熱によって加熱することもできる。また、いずれか一方に電子線照射し、他の一方を抵抗加熱処理することもできる。
【0058】
本発明において、付活剤成分の蒸発源であるEuXm溶融凝固体は、EuOXや水分を殆ど含まない純度の高いものであるので、突沸などのトラブルを生じることがなく、また安定した蒸着速度で堆積させることができる。よって、均質な蒸着膜を形成することができる。
【0059】
電子線の照射を複数回に分けて行い、二層以上の蛍光体層を形成することもできる。また、蒸着の際に必要に応じて被蒸着物(基板)を冷却または加熱してもよく、あるいは蒸着終了後に蛍光体層を熱処理(アニール処理)してもよい。
【0060】
二つの電子銃を使用する代わりに、二個の蒸発源を近接して配置し、そして一つの電子銃からの電子線を二ポイントコントローラを用いて制御することによって、各蒸発源に交互に電子線を照射する方法を採用することも可能である。
【0061】
あるいは、上記蓄積性蛍光体からなる蒸着膜を形成するに先立って、蛍光体の母体のみからなる蒸着膜を形成してもよい。これによって、より一層柱状結晶性の良好な蒸着膜を得ることができる。なお、蛍光体からなる蒸着膜中の付活剤など添加物は、特に蒸着時の加熱および/または蒸着後の加熱処理によって、蛍光体母体からなる蒸着膜中に拡散するために、両者の境界は必ずしも明確ではない場合がある。
【0062】
また、抵抗加熱法を利用する場合には、抵抗加熱器を備えた蒸着装置を用いて、抵抗加熱器に電流を流して蒸発源を加熱することにより蒸発源である蓄積性蛍光体の母体成分や付活剤成分等を蒸発、飛散させる。
【0063】
このようにして、蓄積性蛍光体からなる柱状結晶がほぼ厚み方向に成長した層が得られる。蛍光体層の層厚は、通常は50〜1000μmの範囲にあり、好ましくは200μm〜700μmの範囲にある。
【0064】
なお、基板は必ずしも放射線像変換パネルの支持体を兼ねる必要はなく、蛍光体層形成後、蛍光体層を基板から引き剥がし、別に用意した支持体上に接着剤を用いるなどして接合して、支持体上に蛍光体層を設ける方法を利用してもよい。あるいは、蛍光体層に支持体(基板)が付設されていなくてもよい。
【0065】
この蛍光体層の表面には、放射線像変換パネルの搬送および取扱い上の便宜や特性変化の回避のために、保護層を設けることが望ましい。保護層は、励起光の入射や発光光の出射に殆ど影響を与えないように、透明であることが望ましく、また外部から与えられる物理的衝撃や化学的影響から放射線像変換パネルを充分に保護することができるように、化学的に安定で防湿性が高く、かつ高い物理的強度を持つことが望ましい。
【0066】
保護層としては、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート、有機溶媒可溶性フッ素系樹脂などのような透明な有機高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の上に塗布することで形成されたもの、あるいはポリエチレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムや透明なガラス板などの保護層形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、あるいは無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜したものなどが用いられる。また、保護層中には酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、アルミナ等の光散乱性微粒子、パーフルオロオレフィン樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末等の滑り剤、およびポリイソシアネート等の架橋剤など各種の添加剤が分散含有されていてもよい。保護層の層厚は一般に、高分子物質からなる場合には約0.1〜20μmの範囲にあり、ガラス等の無機化合物からなる場合には100〜1000μmの範囲にある。
【0067】
保護層の表面にはさらに、保護層の耐汚染性を高めるためにフッ素樹脂塗布層を設けてもよい。フッ素樹脂塗布層は、フッ素樹脂を有機溶媒に溶解(または分散)させて調製したフッ素樹脂溶液を保護層の表面に塗布し、乾燥することにより形成することができる。フッ素樹脂は単独で使用してもよいが、通常はフッ素樹脂と膜形成性の高い樹脂との混合物として使用する。また、ポリシロキサン骨格を持つオリゴマーあるいはパーフルオロアルキル基を持つオリゴマーを併用することもできる。フッ素樹脂塗布層には、干渉むらを低減させて更に放射線画像の画質を向上させるために、微粒子フィラーを充填することもできる。フッ素樹脂塗布層の層厚は通常は0.5μm乃至20μmの範囲にある。フッ素樹脂塗布層の形成に際しては、架橋剤、硬膜剤、黄変防止剤などのような添加成分を用いることができる。特に架橋剤の添加は、フッ素樹脂塗布層の耐久性の向上に有利である。
【0068】
上述のようにして本発明に係る放射線像変換パネルが得られるが、本発明のパネルの構成は、公知の各種の変形を含むものであってもよい。たとえば、得られる画像の鮮鋭度を向上させることを目的として、少なくともいずれかの層を、励起光を吸収し発光光は吸収しないような着色剤によって着色してもよい。
【0069】
また、本発明において蛍光体は蓄積性蛍光体に限定されるものではなく、そして放射線像変換パネルも特開2001−255610号公報に記載されているような、蓄積性蛍光体(エネルギー蓄積用蛍光体)を含有する放射線像変換パネルと、放射線を吸収して紫外乃至可視領域に発光を示す蛍光体(放射線吸収用蛍光体)を含有する蛍光スクリーンとの組合せであってもよい。
【0070】
【実施例】
以下の実施例において、試料のEuOBr含有量は、X線回折法(XRD)にて、試料のEuOBrピーク面積(100面)/EuBr2ピーク面積(211面)の比率を算出した後、別途調製した既知のEuOBr・EuBr2混合物を用いて作成した下記検量線に基づいて求めた。
【0071】
検量線: EuOBr含有量(重量%) =52.0 × EuOBrピーク面積(100面)/EuBr2ピーク面積(211面)
【0072】
試料の含水量は、熱重量分析法に従って、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA320型、セイコー電子工業(株)製)を用いて、窒素フロー(200cc/分)雰囲気中、昇温速度10℃/分で室温から300℃まで温度を上げて試料の重量減少を測定することにより求めた。
【0073】
[実施例1]
(1)臭化ユーロピウム溶融凝固体の製造
粉末状の臭化アンモニウム(NH4Br、関東化学(株)製品)を真空乾燥機にて温度150℃で1時間真空乾燥処理した。臭化ユーロピウム(EuBrm、m=2.2、フルウチ化学(株)製品)に、この臭化アンモニウムを10:1の重量比(EuBrm:NH4Br)で添加した後、ドライエア下で混合した。得られた粉末状の混合物の水分量は0.6重量%以上であった。この混合物を二重にした白金るつぼに充填し、これを石英ボート上に載せ、この石英ボートごとチューブ炉の炉芯に置いた。炉芯内を温度200℃、真空度54〜6.6Paで1時間加熱して乾燥して、水分量が0.33重量%以下の乾燥粉末を得た。
【0074】
次いで、炉芯内に窒素ガスを常圧まで導入し、混合物を800℃の温度で1時間溶融した。次に、炉芯内を真空引きしながら、得られた溶融物を30分間自然冷却した。このようにしてタブレット状(直径:30mm、厚み:5mm)の臭化ユーロピウム溶融凝固体を得た。
【0075】
真空乾燥前および後(溶融開始前)における炉芯内雰囲気は、表1に示すとおりであった。ただし、水分量は、炉芯内の残圧が全て水分に基づくと仮定して算出した値であり、酸素量および窒素量は、炉芯内の残圧が全て空気(N2:O2=80:20)であると仮定して算出した値である。
【0076】
【表1】
【0077】
(2)放射線像変換パネルの製造
臭化セシウム(CsBr)粉末75gをジルコニア製粉末成形用ダイス(内径:35mm)に入れ、粉末金型プレス成形機(テーブルプレスTB−5型、エヌピーエーシステム(株)製)にて50MPaの圧力で加圧し、タブレット(直径:35mm、厚み:20mm)に成形した。このとき、CsBr粉末に掛かった圧力は約40MPaであった。次に、このタブレットに真空乾燥機にて温度200℃で2時間の真空乾燥処理を施した。
【0078】
支持体として、順にアルカリ洗浄、純水洗浄、およびIPA洗浄を施した合成石英基板を用意し、蒸着装置内の基板ホルダーに設置した。蒸発源として、上記EuBrmタブレットとCsBrタブレットを装置内の所定位置に配置した。その後、装置内を排気して1×10-3Paの真空度とした。このとき、真空排気装置として、クライオパネルおよびディフュージョンポンプの組合せを用いた。次いで、基板の蒸着面とは反対側に位置したシーズヒータで、石英基板を200℃に加熱した。蒸発源それぞれに、電子銃から加速電圧4.0kVの電子線を照射して、4μm/分の速度で共蒸着させ、CsBr:Eu輝尽性蛍光体を堆積させた。このとき、各々の電子銃のエミッション電流(CsBr:100mA、EuBrm:50mA)を調整して、輝尽性蛍光体におけるEu/Csモル濃度比が0.003/1となるようにした。
【0079】
蒸着終了後に、装置内を大気圧に戻し、装置から基板を取り出した。基板上には、蛍光体の柱状結晶がほぼ垂直方向に密に林立した構造の蛍光体層(層厚:約400μm、面積10cm×10cm)が形成されていた。
このようにして、共蒸着により支持体と蛍光体層とからなる本発明に係る放射線像変換パネルを製造した。
【0080】
[実施例2]
実施例1において、臭化アンモニウムを10:2(EuBrm:NH4Br)の重量比で添加したこと以外は実施例1と同様にして、タブレット状の臭化ユーロピウム溶融凝固体を得た。次いで、このEuBrmタブレットを用いたこと以外は実施例1と同様にして、支持体と蛍光体層とからなる本発明に係る放射線像変換パネルを製造した。
【0081】
[実施例3]
実施例1において、臭化アンモニウムを10:3(EuBrm:NH4Br)の重量比で添加したこと以外は実施例1と同様にして、タブレット状の臭化ユーロピウム溶融凝固体を得た。次いで、このEuBrmタブレットを用いたこと以外は実施例1と同様にして、支持体と蛍光体層とからなる本発明に係る放射線像変換パネルを製造した。
【0082】
[実施例4]
実施例1において、臭化アンモニウムを10:6(EuBrm:NH4Br)の重量比で添加したこと以外は実施例1と同様にして、タブレット状の臭化ユーロピウム溶融凝固体を得た。次いで、このEuBrmタブレットを用いたこと以外は実施例1と同様にして、支持体と蛍光体層とからなる本発明に係る放射線像変換パネルを製造した。
【0083】
[比較例1]
実施例1において、臭化アンモニウムを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、タブレット状の臭化ユーロピウム溶融凝固体を得た。次いで、このEuBrmタブレットを用いたこと以外は実施例1と同様にして、支持体と蛍光体層とからなる比較のための放射線像変換パネルを製造した。
【0084】
[比較例2]
実施例1において、EuBrm蒸発源として粉末状の臭化ユーロピウム原料を粉末金型プレス成形機でタブレット状に成形したものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、支持体と蛍光体層とからなる比較のための放射線像変換パネルを製造した。
【0085】
[臭化ユーロピウム溶融凝固体の性能評価1]
電子線照射方式による蒸着の際のEuBrmの蒸着レート(蒸着流の相対速度)を、水晶振動子にて測定した。得られた結果をまとめて表2に示す。
【0086】
【表2】
【0087】
表2の結果から明らかなように、本発明の方法に従ってNH4Brの存在下で製造したEuBrm溶融凝固体(実施例1〜4)はいずれも、NH4Brの不在下で製造した比較のためのEuBrm溶融凝固体(比較例1)に比べて、EuOBrの含有量が極めて少なく、その結果、蒸着時における蒸着レートが顕著に安定した。
【0088】
一方、比較のためのEuBrm溶融凝固体(比較例1)は、中央部と周縁部とで組成が大きく異なり、中央部は主としてEuOBrから構成されていて蒸着レートが安定し難かった。また、溶融しなかった比較のためのEuBrmタブレット(比較例2)も、EuOBrの含有量が多くて蒸着レートの制御が不可能であり、そして含水量が多かったために蒸着中に突沸を生じた。
さらに、比較例1と2の比較により、加熱溶融の際にNH4Brを添加しないと、EuBrmと反応系中に微量存在するH2O、O2との反応でEuOBrが生成するために、かえってEuOBrの含有量が増加することが分かる。
【0089】
[実施例5〜8]
実施例1〜4それぞれにおいて、各蒸発源に電子線を照射する代りに、抵抗加熱器に120Aの電流を流して蒸発源を加熱したこと以外はそれぞれの実施例と同様にして、支持体と蛍光体層とからなる本発明に係る放射線像変換パネルを製造した。
【0090】
[比較例3、4]
比較例1、2それぞれにおいて、各蒸発源に電子線を照射する代りに、抵抗加熱器に120Aの電流を流して蒸発源を加熱したこと以外はそれぞれの比較例と同様にして、支持体と蛍光体層とからなる比較のための放射線像変換パネルを製造した。
【0091】
[臭化ユーロピウム溶融凝固体の性能評価2]
抵抗加熱方式による蒸着の際のEuBrmの蒸着レート(蒸着流の相対速度)を、水晶振動子にて測定した。得られた結果をまとめて表3に示す。
【0092】
【表3】
【0093】
表3から明らかなように、蒸着法を抵抗加熱法に変えても同様の結果が得られた。すなわち、本発明の方法に従ってNH4Brの存在下で製造したEuBrm溶融凝固体(実施例5〜8)はいずれも、NH4Brの不在下で製造した比較のためのEuBrm溶融凝固体(比較例3)および溶融しなかった比較のためのEuBrmタブレット(比較例4)に比べて、EuOBrの含有量が極めて少なく、その結果、蒸着時における蒸着レートが顕著に安定した。
【0094】
[参考例1]
実施例3において、臭化アンモニウムに真空乾燥処理を施さなかったこと、そして溶融前に炉芯内を真空乾燥しなかったこと以外は、実施例3と同様にしてタブレット状の臭化ユーロピウム溶融凝固体を得た。次いで、このEuBrmタブレットを用いたこと以外は、実施例3と同様にして支持体と蛍光体層とからなる比較のための放射線像変換パネルを製造した。
【0095】
[参考例2]
実施例7において、臭化アンモニウムに真空乾燥処理を施さなかったこと、そして溶融前に炉芯内を真空乾燥しなかったこと以外は、実施例7と同様にしてタブレット状の臭化ユーロピウム溶融凝固体を得た。次いで、このEuBrmタブレットを用いたこと以外は、実施例7と同様にして支持体と蛍光体層とからなる比較のための放射線像変換パネルを製造した。
【0096】
[臭化ユーロピウム溶融凝固体の性能評価3]
異なる含水量の凝固体を用いた電子銃照射方式および抵抗加熱方式による蒸着の際のEuBrmの蒸着レート(蒸着流の相対速度)を、水晶振動子にて測定した。得られた結果をまとめて表4に示す。
【0097】
【表4】
【0098】
表4の結果から明らかなように、溶融前混合粉末の含水量が0.33重量%以下であった本発明に係るEuBrm溶融凝固体(実施例3、7)は、EuOBr含有量が少ないことから、安定した蒸着レートを示したが、一方、溶融前混合粉末の含水量が0.5重量%を超えた比較のためのEuBrm溶融凝固体(参考例1、2)は、EuOBr含有量が多いことから蒸着レートが安定しなかった。
【0099】
[実施例9]
実施例8において、装置内を真空排気した後にArガスを導入して真空度を2Paとしたこと以外は実施例8と同様にして、支持体と蛍光体層とからなる本発明に係る放射線像変換パネルを製造した。
【0100】
[臭化ユーロピウム溶融凝固体の性能評価4]
抵抗加熱方式による蒸着において、不活性ガスの導入により真空度を低くして蒸着を行なった際のEuBrmの蒸着レート(蒸着流の相対速度)を、水晶振動子にて測定した。得られた結果をまとめて表5に示す。
【0101】
【表5】
【0102】
表5の結果から明らかなように、抵抗加熱方式の蒸着において、不活性ガスの導入により装置内の真空度を低くしても同様な結果が得られた。すなわち、本発明の方式に従ってNH4Brの存在下で製造したEuBrm溶融凝固体は、EuOBrの含有量が極めて少なく、その結果、装置内の真空度の高低に拘らず、蒸着時の蒸着レートが顕著に安定することが確認された。
【0103】
【発明の効果】
本発明により、ハロゲンの存在下で、特にハロゲン化アンモニウムを用いて、粉末状のハロゲン化ユーロピウムを溶融したのち冷却することにより、酸化ハロゲン化ユーロピウムの混入が顕著に低減した純度の高いハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体を得ることができる。そして、この高純度のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体を蒸発源として用いて蒸着法により蛍光体層を形成することにより、蛍光体組成が均一で、不純物の混入していない均質な蛍光体層を有する放射線像変換パネルを製造することができる。
Claims (14)
- ハロゲン化ユーロピウムを、ハロゲン化アンモニウムの存在下で、不活性ガス雰囲気下もしくは還元性ガス雰囲気下に、500乃至2000℃に30分間乃至12時間かけて加熱溶融させたのち、真空下、不活性ガス雰囲気下もしくは還元性ガス雰囲気下にて冷却することからなるハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法。
- ハロゲン化ユーロピウムを水及び酸素の不在下で加熱溶融させる請求項1に記載のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法。
- ハロゲン化アンモニウムをハロゲン化ユーロピウムに予め添加混合する請求項1または2に記載のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法。
- ハロゲン化アンモニウムをハロゲン化ユーロピウムに対して10:0.1乃至10:10(後者:前者)の範囲の重量比で添加する請求項3に記載のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法。
- ハロゲン化ユーロピウムのハロゲンとハロゲン化アンモニウムのハロゲンとが同一である請求項3または4に記載のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法。
- ハロゲン化ユーロピウムとハロゲン化アンモニウムとの混合物を、水分量を5.0×10-5モル/L以下とした雰囲気中で加熱溶融する請求項3乃至5のいずれかの項に記載のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法。
- ハロゲン化ユーロピウムとハロゲン化アンモニウムとの混合物を、酸素濃度を1.0×10-5モル/L以下とした雰囲気中で加熱溶融する請求項3乃至6のいずれかの項に記載のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法。
- ハロゲン化ユーロピウムとハロゲン化アンモニウムの混合物を含む反応系を加熱溶融前に乾燥する請求項3乃至7のいずれかの項に記載のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法。
- ハロゲン化ユーロピウムとハロゲン化アンモニウムの混合物を含む反応系を、100Paもしくはそれより高真空側の真空度で50乃至400℃の温度で加熱することにより乾燥する請求項8に記載のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法。
- ハロゲン化ユーロピウムおよび/またはハロゲン化アンモニウムをそれぞれ混合前に乾燥する請求項3乃至9のいずれかの項に記載のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法。
- ハロゲン化ユーロピウムおよび/またはハロゲン化アンモニウムをそれぞれ、真空下で50乃至400℃の温度で加熱することにより乾燥する請求項10に記載のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法。
- ハロゲン化ユーロピウムが臭化ユーロピウムである請求項3乃至11のいずれかの項に記載のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法。
- 酸化ハロゲン化ユーロピウムの含有量が10重量%以下のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体を得る請求項1乃至12のいずれかの項に記載のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法。
- 含水量が0.5重量%以下のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体を得る請求項1乃至13のいずれかの項に記載のハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法。
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