JP2003302498A - 放射線像変換パネルの製造方法 - Google Patents

放射線像変換パネルの製造方法

Info

Publication number
JP2003302498A
JP2003302498A JP2002107044A JP2002107044A JP2003302498A JP 2003302498 A JP2003302498 A JP 2003302498A JP 2002107044 A JP2002107044 A JP 2002107044A JP 2002107044 A JP2002107044 A JP 2002107044A JP 2003302498 A JP2003302498 A JP 2003302498A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
layer
radiation image
vapor deposition
activator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002107044A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Iwabuchi
康夫 岩渕
Makoto Kashiwatani
誠 柏谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2002107044A priority Critical patent/JP2003302498A/ja
Publication of JP2003302498A publication Critical patent/JP2003302498A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高画質の放射線画像を与える放射線像変換パ
ネルの製造方法を提供する。 【解決手段】 付活剤で付活したアルカリ金属ハロゲン
化物系輝尽性蛍光体層を蒸着法により基板上に形成する
工程を含む放射線像変換パネルの製造方法で、蛍光体の
母体を基板上に下記の条件を満足する基板温度T(1)に
て蒸着させて蛍光体母体層を形成した後、蛍光体母体層
の上に、付活剤を含む蛍光体原料、あるいは蛍光体の母
体と付活剤とを同時に、下記の条件を満足する基板温度
T(2)にて蒸着させることにより蛍光体層を積層するこ
とを特徴とする放射線像変換パネルの製造方法:50℃
≦ T(1) ≦ 300℃、 100℃ ≦ T(2)
≦400℃、T(1) ≦ T(2)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄積性蛍光体を利
用する放射線画像記録再生方法に用いられる放射線像変
換パネルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】X線などの放射線が照射されると、放射
線エネルギーの一部を吸収蓄積し、そののち可視光線や
赤外線などの電磁波(励起光)の照射を受けると、蓄積
した放射線エネルギーに応じて発光を示す性質を有する
蓄積性蛍光体(輝尽発光を示す輝尽性蛍光体等)を利用
して、この蓄積性蛍光体を含有するシート状の放射線像
変換パネルに、被検体を透過したあるいは被検体から発
せられた放射線を照射して被検体の放射線画像情報を一
旦蓄積記録した後、パネルにレーザ光などの励起光を走
査して順次発光光として放出させ、そしてこの発光光を
光電的に読み取って画像信号を得ることからなる、放射
線画像記録再生方法が広く実用に共されている。読み取
りを終えたパネルは、残存する放射線エネルギーの消去
が行われた後、次の撮影のために備えられて繰り返し使
用される。
【0003】放射線画像記録再生方法に用いられる放射
線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートともいう)は、基
本構造として、支持体とその上に設けられた蛍光体層と
からなるものである。ただし、蛍光体層が自己支持性で
ある場合には必ずしも支持体を必要としない。また、蛍
光体層の上面(支持体に面していない側の面)には通
常、保護層が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質
あるいは物理的な衝撃から保護している。
【0004】蛍光体層としては、蓄積性蛍光体とこれを
分散状態で含有支持する結合剤とからなるもの、気相堆
積法や焼結法によって形成される結合剤を含まないで蓄
積性蛍光体の凝集体のみから構成されるもの、および蓄
積性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されてい
るものなどが知られている。
【0005】放射線画像記録再生方法(および放射線画
像形成方法)は上述したように数々の優れた利点を有す
る方法であるが、この方法に用いられる放射線像変換パ
ネルにあっても、できる限り高感度であってかつ画質
(鮮鋭度、粒状性など)の良好な画像を与えるものであ
ることが望まれている。
【0006】感度および画質を高めることを目的とし
て、蛍光体層を気相堆積法により形成することからなる
放射線像変換パネルの製造方法が提案されている。気相
堆積法には蒸着法やスパッタ法などがあり、例えば蒸着
法は、蛍光体またはその原料からなる蒸発源を抵抗加熱
器や電子線の照射により加熱して蒸発源を蒸発、飛散さ
せ、金属シートなどの基板表面にその蒸発物を堆積させ
ることにより、蛍光体の柱状結晶からなる蛍光体層を形
成するものである。
【0007】気相堆積法により形成された蛍光体層は、
結合剤を含有せず、蛍光体のみからなり、蛍光体の柱状
結晶と柱状結晶の間には空隙(クラック)が存在する。
このため、励起光の進入効率や発光光の取出し効率を上
げることができるので高感度であり、また励起光の平面
方向への散乱を防ぐことができるので高鮮鋭度の画像を
与えることができる。
【0008】従来より、蒸着法など気相堆積法により蛍
光体層を形成する場合に、基板を加熱してもよいことは
知られている。また、特許第3070940号公報に
は、輝尽性蛍光体層を気相堆積法により形成する際に基
板の温度を経時的に低くすることが開示されている。
【0009】なお、本出願人は、気相堆積法により、蛍
光体の母体からなる柱状結晶構造を形成した後、この柱
状結晶構造の上に蛍光体からなる柱状結晶構造を積層す
ることにより蛍光体層を形成する工程を含む放射線像変
換パネルの製造方法を、既に特許出願している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、蒸着法に
よりアルカリハライド系輝尽性蛍光体からなる蛍光体層
を形成することについて検討した結果、蛍光体の母体と
付活剤など添加物との組合せに依っては(例えば、Cs
Br:Eu)、付活剤で付活した蛍光体またはその原料
混合物などをそのまま蒸着させると、付活剤など添加物
の存在によって柱状結晶の形状が悪くなることが分かっ
た。これは、一価金属化合物からなる蛍光体母体中に価
数の異なる添加物、この場合には二価乃至三価のEuを
含有させることになるために、その価数の違いから柱状
結晶が乱れるという物理的な要因によるものと考えられ
る。そこで、蒸着法により蛍光体層を形成するに先立っ
て、蛍光体母体のみからなる柱状結晶構造の層を形成す
ることにより、母体柱状結晶上に蛍光体の柱状結晶を一
対一で対応させて成長させることができ、形状の良好な
柱状結晶が得られると同時に、その結晶面を制御できる
ことを見い出した。
【0011】さらに、蒸着の際に柱状結晶の柱径が基板
の温度に依存すること、並びに基板温度が蛍光体母体層
形成時よりも蛍光体層形成時の方が低いと、蛍光体の柱
径の方が細くなってしまって柱状結晶性が低下すること
が分かった。よって、両層形成時に基板をそれぞれ一定
の温度範囲内で加熱することにより所望の柱径の柱状結
晶を得ることができ、また蛍光体層形成時の基板温度を
蛍光体母体層形成時の基板温度と同じかそれよりも高く
することにより、各柱ごとに柱径のほぼ一定な柱状結晶
が得られることを見い出し、本発明に至ったものであ
る。
【0012】従って、本発明は、高画質の放射線画像を
与える放射線像変換パネルの製造方法を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、付活剤で付活
したアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体からなる
層を蒸着法により基板上に形成する工程を含む放射線像
変換パネルの製造方法において、該蛍光体の母体である
アルカリ金属ハロゲン化物を基板上に下記の条件を満足
する基板温度T(1)にて蒸着させて蛍光体母体層を形成
した後、該蛍光体母体層の上に、付活剤を含む蛍光体原
料、あるいは蛍光体の母体と付活剤とを同時に、下記の
条件を満足する基板温度T(2)にて蒸着させることによ
り蛍光体層を積層することを特徴とする放射線像変換パ
ネルの製造方法にある。 50℃ ≦ T(1) ≦ 300℃ 100℃ ≦ T(2) ≦ 400℃ T(1) ≦ T(2)
【0014】なお、本発明の方法に従って製造した放射
線像変換パネルでは、蛍光体層中の付活剤などの添加物
は、特に蒸着時の基板の加熱および/または蒸着後の熱
処理によって蛍光体母体層中に拡散するために、蛍光体
母体層と蛍光体層との境界は必ずしも明確ではない。よ
って本発明においては、包括的にはこれら両層を併せて
蛍光体層とみなすものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の方法において、基板温度
T(1)およびT(2)は特に、 T(1) < T(2) なる条件を満足することが好ましい。
【0016】蛍光体母体層の層厚と蛍光体層の層厚との
比率(前者:後者)は、、1:100乃至1:1の範囲
にあることが好ましい。また、蒸着後に、蛍光体母体層
および蛍光体層を共に熱処理することが好ましい。
【0017】付活剤で付活したアルカリ金属ハロゲン化
物系輝尽性蛍光体は、下記基本組成式(I)を有するこ
とが好ましく、特にユーロピウム付活臭化セシウム系蛍
光体であることが好ましい。
【0018】 基本組成式(I): MIX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I) [ただし、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからな
る群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表
し;MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、C
u、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一
種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し;MIIIはS
c、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、
Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、A
l、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一
種の希土類元素又は三価金属を表し;X、X’及びX”
はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンを表し;AはY、Ce、
Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag、Tl
及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土
類元素又は金属を表し;そしてa、b及びzはそれぞ
れ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0
の範囲内の数値を表す]
【0019】以下に、本発明の放射線像変換パネルの製
造方法について、蛍光体層を蒸着法の一種である電子線
蒸着法により形成する場合を例にとって詳細に述べる。
電子線蒸着法は、抵抗加熱法などと比較して、蒸発源を
局所的に加熱して瞬時に蒸発させるので、蒸発速度を制
御しやすく、また蒸発源として仕込んだ蛍光体もしくは
その原料の組成と形成された蛍光体層中の蛍光体の組成
との不一致を小さくできる利点がある。
【0020】蒸着膜形成のための基板は、通常は放射線
像変換パネルの支持体を兼ねるものであり、従来の放射
線像変換パネルの支持体として公知の材料から任意に選
ぶことができるが、特に好ましい基板は、石英ガラスシ
ート、サファイアガラスシート;アルミニウム、鉄、ス
ズ、クロムなどからなる金属シート;アラミドなどから
なる樹脂シートである。公知の放射線像変換パネルにお
いて、パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状
性)を向上させるために、二酸化チタンなどの光反射性
物質からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなど
の光吸収性物質からなる光吸収層などを設けることが知
られている。本発明で用いられる基板についても、これ
らの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望
のパネルの目的、用途などに応じて任意に選択すること
ができる。さらに、放射線画像の鮮鋭度を向上させる目
的で、基板の蛍光体層側の表面(基板の蛍光体層側の表
面に下塗層(接着性付与層)、光反射層あるいは光吸収
層などの補助層が設けられている場合には、それらの補
助層の表面であってもよい)には微小な凹凸が形成され
ていてもよい。
【0021】蛍光体としては、付活剤で付活したアルカ
リ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体が用いられ、下記基
本組成式(I): MIX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I) で代表されるものが好ましい。ただし、MIはLi、N
a、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくと
も一種のアルカリ金属を表し、MIIはBe、Mg、C
a、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二
価金属を表し、MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、
Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群
より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属
を表し、そしてAはY、Ce、Pr、Nd、Sm、E
u、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、L
u、Na、Mg、Cu、Ag、Tl及びBiからなる群
より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は金属を表
す。X、X’およびX”はそれぞれ、F、Cl、Br及
びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン
を表す。a、bおよびzはそれぞれ、0≦a<0.5、
0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表
す。
【0022】上記基本組成式(I)中のMIとしては少
なくともCsを含んでいることが好ましい。Xとしては
少なくともBrを含んでいることが好ましい。Aとして
は特にEu又はBiであることが好ましい。また、基本
組成式(I)には、必要に応じて、酸化アルミニウム、
二酸化珪素、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物を添加
物として、MI1モルに対して、0.5モル以下の量で
加えてもよい。
【0023】まず、上記輝尽性蛍光体の母体からなる層
を電子線蒸着法により以下のようにして基板上に形成す
る。蒸発源としては、上記蛍光体の母体成分を含むもの
を用意する。蛍光体の母体成分は、母体を構成する化合
物(アルカリ金属ハロゲン化物、MIX)それ自体であ
ってもよいし、あるいは反応して母体化合物となりうる
二以上の原料の混合物であってもよい。
【0024】蒸発源は、その含水量が0.5重量%以下
であることが好ましい。蒸発源となる蛍光体母体成分が
例えばCsBrのように吸湿性である場合には特に、含
水量をこのような低い値に抑えることは突沸防止などの
点から重要である。蒸発源の脱水は、母体成分を減圧下
で100〜300℃の温度範囲で加熱処理したり、ある
いは窒素雰囲気などの水分を含まない雰囲気中で、該成
分の融点以上の温度で数十分乃至数時間加熱溶融するこ
とにより行うことができる。
【0025】蒸発源の相対密度は、80%以上98%以
下であることが好ましく、より好ましくは90%以上9
6%以下である。ここで、相対密度とは、蛍光体または
その原料固有の密度に対する蒸発源の実際の密度の割合
を意味する。蒸発源が相対密度の低い粉体状態である
と、蒸着の際に粉体が飛散するなどの不都合が生じた
り、蒸発源の表面から均一に蒸発しないで蒸着膜の膜厚
が不均一となったりする。よって、安定した蒸着を実現
するためには蒸発源の密度がある程度高いことが望まし
い。上記相対密度とするには一般に、粉体を20MPa
以上の圧力で加圧成形したり、あるいは融点以上の温度
で加熱溶融して、タブレット(錠剤)の形状にする。た
だし、蒸発源は必ずしもタブレットの形状である必要は
ない。
【0026】さらに蒸発源は、アルカリ金属不純物(す
なわち、蛍光体の構成元素以外のアルカリ金属)の含有
量が10ppm以下であり、そしてアルカリ土類金属不
純物(すなわち、蛍光体の構成元素以外のアルカリ土類
金属)の含有量が1ppm以下であることが望ましい。
このような蒸発源は、アルカリ金属やアルカリ土類金属
など不純物の含有量の少ない原料を使用することにより
調製することができる。これによって、不純物の混入が
少ない蒸着膜を形成することができるとともに、そのよ
うな蒸着膜は発光量が増加する。
【0027】上記蒸発源および基板を蒸着装置内に装填
し、装置内を排気して1×10-5〜1×10-2Pa程度
の真空度とする。このとき、真空度をこの程度に保持し
ながら、アルゴンガス、ネオンガス、窒素ガスなどの不
活性ガスを導入してもよい。また、装置内の雰囲気中の
水分圧を、ディフュージョンポンプとコールドトラップ
の組合せなどを用いることにより、7.0×10-3Pa
以下にすることが好ましい。
【0028】本発明においては、基板を加熱する。基板
の加熱温度T(1)は、好適な柱径の柱状結晶を得るため
に、下記範囲にある。基板温度をこの範囲とすることに
より、一般に蛍光体母体からなる柱状結晶の柱径を約1
乃至20μmの範囲に制御することが可能となる。 50℃ ≦ T(1) ≦ 300℃ 同時に、基板温度T(1)は、後述する蛍光体蒸着時の基
板の加熱温度T(2)と同じかそれ以下でなければならな
い。
【0029】次に、電子銃から電子線を発生させて蒸発
源に照射する。このとき、電子線の加速電圧を1.5k
V以上で、5.0kV以下に設定することが望ましい。
電子線の照射により、蒸発源である蛍光体母体成分は加
熱されて蒸発、飛散して基板表面に堆積する。蛍光体母
体の堆積する速度、即ち蒸着速度は、一般には0.1〜
1000μm/分の範囲、好ましくは1〜100μm/
分の範囲にある。
【0030】このようにして、蛍光体母体からなる柱状
結晶がほぼ厚み方向に成長した層が得られる。この蛍光
体母体層は、結合剤を含有せず、蛍光体母体のみからな
り、蛍光体母体の柱状結晶と柱状結晶の間には空隙(ク
ラック)が存在する。
【0031】次に、この蛍光体母体層の上に蛍光体層を
積層する。多元蒸着(共蒸着)により蛍光体層を形成す
る場合には、まず蒸発源として、前記輝尽性蛍光体の母
体成分を含むものと付活剤成分を含むものとからなる少
なくとも二個の蒸発源を用意する。多元蒸着は、蛍光体
の母体成分と付活剤成分の蒸気圧が大きく異なる場合
に、その蒸着速度を各々制御することができるので好ま
しい。各蒸発源は、所望とする蛍光体の組成に応じて、
蛍光体の母体成分および付活剤成分それぞれのみから構
成されていてもよいし、添加物成分などとの混合物であ
ってもよい。また、蒸発源は二個に限定されるものでは
なく、例えば別に添加物成分などからなる蒸発源を加え
て三個以上としてもよい。
【0032】蛍光体母体成分としては、前述と同様のも
のが用いられる。また、付活剤成分は、一般には付活剤
元素を含む化合物であり、例えば付活剤元素のハロゲン
化物や酸化物が用いられる。
【0033】付活剤がEuである場合に、付活剤成分の
Eu化合物におけるEu2+化合物のモル比が70%以上
であることが好ましい。一般に、Eu化合物にはEu2+
とEu3+が混合して含まれているが、所望とする輝尽発
光(あるいは瞬時発光であっても)はEu2+を付活剤と
する蛍光体から発せられるからである。Eu化合物はE
uBrxであることが好ましく、その場合に、xは2.
0≦x≦2.3の範囲内の数値であることが好ましい。
xは、2.0であることが望ましいが、2.0に近づけ
ようとすると酸素が混入しやすくなる。よって、実際に
はxは2.2付近でBrの比率が比較的高い状態が安定
している。これらの化合物を用いて前述したようにして
各蒸発源を調製する。
【0034】各蒸発源を蒸着装置内に装填し、前述と同
様にして蒸着を行なう。ただし、基板の加熱温度T(2)
は、好適な柱径の柱状結晶を得るために、下記範囲にあ
る。基板温度をこの範囲とすることにより、一般に蛍光
体の柱状結晶の柱径を約1乃至20μmの範囲に制御す
ることが可能となる。 100℃ ≦ T(2) ≦ 400℃
【0035】同時に、基板温度T(2)は、前記の蛍光体
母体蒸着時の基板温度T(1)に対して、下記条件を満足
しなければならない。 T(1) ≦ T(2) 基板温度T(2)をこのように設定することにより、蛍光
体からなる柱状結晶の柱径を、その下の蛍光体母体から
なる柱状結晶の柱径とほぼ同じにすることができる。
【0036】また、二つの電子銃から電子線をそれぞれ
発生させて各蒸発源に照射する。電子線の照射により、
蒸発源である蛍光体母体成分や付活剤成分等は加熱され
て蒸発、飛散し、そして反応を生じて蛍光体を形成する
とともに基板表面に堆積する。この際に、各電子線の加
速電圧などを調整することにより、各蒸発源の蒸発速度
を制御することができる。なお、電子線の照射を複数回
に分けて行って二層以上の蛍光体層を形成してもよい。
【0037】蒸着終了後、得られた蒸着膜を熱処理(ア
ニール処理)することが好ましい。熱処理は一般に、5
0℃乃至600℃の範囲の温度で、不活性ガス雰囲気下
(少量の酸素ガスまたは水素ガスを含んでいてもよい)
で1乃至8時間かけて行う。好ましくは、50℃乃至3
00℃の範囲の温度で1乃至4時間行う。
【0038】あるいは、一元蒸着(疑似一元蒸着)の場
合には、蒸発流に垂直な方向(基板に平行な方向)に上
記蛍光体母体成分と付活剤成分とを分離して含む一個の
蒸発源を用意することが好ましい。そして、蒸着に際し
ては、一つの電子線を用いて、蒸発源の母体成分領域お
よび付活剤成分領域各々に電子線を照射する時間(滞在
時間)を制御することにより、均一な組成の輝尽性蛍光
体からなる蒸着膜を形成することができる。またあるい
は、蒸発源として輝尽性蛍光体自体を用いる一元蒸着で
あってもよい。
【0039】このようにして、柱状結晶構造の蛍光体母
体層の上に、更に柱状結晶構造の蛍光体層が積層された
構成が得られる。蛍光体層中の付活剤など添加物は、特
に蒸着時の加熱および/または蒸着後の熱処理によって
蛍光体母体層中に拡散するために、両者の境界は必ずし
も明確ではない。この二層構成の蛍光体層全体の層厚
は、通常は50〜1000μmの範囲にあり、好ましく
は200μm〜700mmの範囲にある。
【0040】蛍光体母体層の層厚と蛍光体層の層厚との
比率(前者:後者)は、一般には1:10乃至1:1の
範囲にある。また、柱状結晶間の空隙は、一般に0乃至
数μmの範囲にある。
【0041】本発明においては、蛍光体母体層および蛍
光体層が共に柱状結晶構造を有し、かつ蛍光体母体の多
数の柱状結晶の上に、一対一で対応して蛍光体の柱状結
晶が成長した構造となっている。このために、上記輝尽
性蛍光体が価数の異なる付活剤など添加物を含有してい
ても、蛍光体母体による柱状結晶の良好な形状を維持し
ながら、その上に更に蛍光体の柱状結晶を成長させるこ
とができる。さらに、両層形成時の基板温度をそれぞれ
好適に調整することにより、両層間で柱径の変動がない
柱状結晶を得ることができる。よって、構造的乱れが顕
著に低減した、構造モトルの優れた蛍光体層を得ること
ができる。また、両層は蛍光体母体が共通であるので柱
状結晶の結晶面を揃えることが可能となり、より一層構
造モトルの優れた蛍光体層を得ることができる。さら
に、母体組成が同じであるので屈折率も同一であり、こ
のことは、両層間で屈折率の変化による励起光や発光光
の拡散、すなわち励起効率や発光効率の減少が無いこと
を意味するから、放射線像変換パネルの裏面側(支持体
側)からの読み取りを有利に行うことができる。
【0042】なお、本発明において、蒸着法は上記の電
子線蒸着法に限られるものではなく、抵抗加熱法など公
知の他の方法を利用することもできる。これら他の蒸着
法の詳細は公報を含む公知の各種の文献に記載されてお
り、それらを参照することができる。
【0043】基板は必ずしも放射線像変換パネルの支持
体を兼ねる必要はなく、蛍光体層形成後、蛍光体層を基
板から引き剥がし、別に用意した支持体上に接着剤を用
いるなどして接合して、支持体上に蛍光体層を設ける方
法を利用してもよい。あるいは、蛍光体層に支持体(基
板)が付設されていなくてもよい。
【0044】蛍光体層の表面には、放射線像変換パネル
の搬送および取扱い上の便宜や特性変化の回避のため
に、保護層を設けることが望ましい。保護層は、励起光
の入射や発光光の出射に殆ど影響を与えないように、透
明であることが望ましく、また外部から与えられる物理
的衝撃や化学的影響から放射線像変換パネルを充分に保
護することができるように、化学的に安定で防湿性が高
く、かつ高い物理的強度を持つことが望ましい。
【0045】保護層としては、セルロース誘導体、ポリ
メチルメタクリレート、有機溶媒可溶性フッ素系樹脂な
どのような透明な有機高分子物質を適当な溶媒に溶解し
て調製した溶液を蛍光体層の上に塗布することで形成さ
れたもの、あるいはポリエチレンテレフタレートなどの
有機高分子フィルムや透明なガラス板などの保護層形成
用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤
を用いて設けたもの、あるいは無機化合物を蒸着などに
よって蛍光体層上に成膜したものなどが用いられる。ま
た、保護層中には酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化
チタン、アルミナ等の光散乱性微粒子、パーフルオロオ
レフィン樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末等の滑り剤、お
よびポリイソシアネート等の架橋剤など各種の添加剤が
分散含有されていてもよい。保護層の層厚は一般に、高
分子物質からなる場合には約0.1〜20μmの範囲に
あり、ガラス等の無機化合物からなる場合には100〜
1000μmの範囲にある。
【0046】保護層の表面にはさらに、保護層の耐汚染
性を高めるためにフッ素樹脂塗布層を設けてもよい。フ
ッ素樹脂塗布層は、フッ素樹脂を有機溶媒に溶解(また
は分散)させて調製したフッ素樹脂溶液を保護層の表面
に塗布し、乾燥することにより形成することができる。
フッ素樹脂は単独で使用してもよいが、通常はフッ素樹
脂と膜形成性の高い樹脂との混合物として使用する。ま
た、ポリシロキサン骨格を持つオリゴマーあるいはパー
フルオロアルキル基を持つオリゴマーを併用することも
できる。フッ素樹脂塗布層には、干渉むらを低減させて
更に放射線画像の画質を向上させるために、微粒子フィ
ラーを充填することもできる。フッ素樹脂塗布層の層厚
は通常は0.5μm乃至20μmの範囲にある。フッ素
樹脂塗布層の形成に際しては、架橋剤、硬膜剤、黄変防
止剤などのような添加成分を用いることができる。特に
架橋剤の添加は、フッ素樹脂塗布層の耐久性の向上に有
利である。
【0047】上述のようにして本発明の放射線像変換パ
ネルが得られるが、本発明のパネルの構成は、公知の各
種のバリエーションを含むものであってもよい。例え
ば、得られる画像の鮮鋭度を向上させることを目的とし
て、上記の少なくともいずれかの層を、励起光を吸収し
輝尽発光光は吸収しないような着色剤によって着色して
もよい。
【0048】
【実施例】[実施例1] (1)原料 原料として、純度4N以上の臭化セシウム(CsB
r)、および純度3N以上の臭化ユーロピウム(EuB
x、x=2.2)を使用した。各原料中の微量元素を
ICP−MS法(誘導結合高周波プラズマ分光分析−質
量分析法)により分析した結果、CsBr中のCs以外
のアルカリ金属(Li、Na、K、Rb)は各々10p
pm以下であり、アルカリ土類金属(Mg、Ca、S
r、Ba)など他の元素は2ppm以下であった。ま
た、EuBrx中のEu以外の希土類元素は各々20p
pm以下であり、他の元素は10ppm以下であった。
これらの原料は、吸湿性が高いので露点−20℃以下の
乾燥雰囲気を保ったデシケータ内で保管し、使用直前に
取り出すようにした。
【0049】(2)CsBr蒸発源の作製 CsBr粉末31gをジルコニア製の粉末成形用ダイス
(内径:25mm)に入れ、粉末金型プレス成形機(テ
ーブルプレスTB−5型、エヌピーエーシステム(株)
製)にて40kNの圧力で加圧し、タブレット(直径:
25mm、厚さ:15mm)に成形した。このとき、C
sBr粉末に掛かった圧力は約80MPaであった。得
られたタブレットの密度は4.2g/cm3で、含水量
は0.6重量%であった。さらに、このタブレットを真
空乾燥機にて温度200℃で2時間真空乾燥処理した。
真空乾燥処理後のタブレットの含水量は0.3重量%で
あった。
【0050】(3)CsBr:Eu蒸発源の作製 CsBr15g(0.07モル)およびEuBrx0.
2761g(7×10- 4モル)を秤量し、ミキサーで混
合した。得られた混合物を石英容器に入れ、これを電気
炉の炉芯に入れて、初期真空引き後、窒素ガスを大気圧
まで導入し、温度525℃にて1時間焼成した。次い
で、5分間中間真空引きした後、酸素を133Paまで
導入し、更に窒素ガスを導入して大気圧にした状態で1
時間焼成を行った。焼成後、真空状態で室温まで冷却し
た。得られたCsBr:0.01Eu蛍光体を用いて、実施
例1と同様にしてタブレットを作製した。タブレットの
密度は3.9g/cm3、含水量は0.3重量%であっ
た。
【0051】(4)蛍光体層の形成 支持体として、順にアルカリ洗浄、純水洗浄、およびイ
ソプロピルアルコールによる洗浄を施した合成石英製基
板を用意し、蒸着装置内の基板ホルダに配置した。上記
CsBr蒸発源およびCsBr:Eu蒸発源を装置内の
所定位置に配置した後、装置内を排気して1×10-3
aの真空度とした。このとき、真空排気装置としてロー
タリーポンプ、メカニカルブースタ、ターボ分子ポンプ
の組合せを用いた。次いで、基板の蒸着面とは反対側に
設置したシーズヒータで石英基板を200℃に加熱し、
CsBr蒸発源に電子銃で加速電圧4.0kVの電子線
を照射して、10μm/分の速度で2分間CsBr蛍光
体母体を堆積させた。次に、石英基板を200℃に維持
したまま、CsBr:Eu蒸発源に同様にして電子線を
照射して、CsBr母体の蒸着膜上にCsBr:Eu蛍
光体を30分間堆積させた。蒸着雰囲気中の水分圧は
4.0×10-3Paであった。
【0052】蒸着終了後、装置内を大気圧に戻し、装置
から石英基板を取り出した。この蒸着膜を有する石英基
板を石英ボートの中に置き、これをチューブ炉の炉芯に
入れ、窒素雰囲気下、200℃の温度で2時間熱処理し
た。熱処理前および熱処理中、炉芯内をロータリーポン
プで約10Paまで真空に引いて、蒸着膜に吸着してい
る水分などを除去した。真空下で蒸着膜および石英基板
を冷却し、十分に温度が下がった時点で炉芯から取り出
した。石英基板上には、蛍光体の柱状結晶がほぼ垂直方
向に密に林立した構造の蛍光体層(層厚:約400μ
m、面積10cm×10cm)が形成されていた。この
ようにして、本発明に従って支持体と蛍光体層とからな
る放射線像変換パネルを製造した。
【0053】[実施例2]実施例1において、CsBr
蛍光体母体蒸着時の石英基板の温度を100℃に変更し
たこと以外は実施例1と同様にして、本発明に従う放射
線像変換パネルを製造した。
【0054】[実施例3]実施例1において、CsB
r:Eu蛍光体蒸着時の石英基板の温度を300℃に変
更したこと以外は実施例1と同様にして、本発明に従う
放射線像変換パネルを製造した。
【0055】[比較例1]実施例1において、CsBr
蛍光体母体蒸着時およびCsBr:Eu蛍光体蒸着時の
石英基板の温度をいずれも30℃に変更したこと以外は
実施例1と同様にして、比較のための放射線像変換パネ
ルを製造した。
【0056】[比較例2]実施例1において、CsB
r:Eu蛍光体蒸着時の石英基板の温度を100℃に変
更したこと以外は実施例1と同様にして、比較のための
放射線像変換パネルを製造した。
【0057】[放射線像変換パネルの性能評価]得られ
た各放射線像変換パネルの蛍光体層の柱状結晶構造につ
いて評価を行った。放射線像変換パネルの蛍光体層を支
持体ごと厚み方向に切断し、チャージアップ防止のため
にイオンスパッタにより金(厚み:300オングストロ
ーム)で被覆した後、走査型電子顕微鏡(JSM−54
00型、日本電子(株)製)を用いて、蛍光体層の表面お
よび切断面を観察した。得られた結果を図1〜5および
表1にそれぞれ示す。
【0058】図1〜5はそれぞれ順に、実施例1〜3お
よび比較例1、2の放射線像変換パネルの切断面の電子
顕微鏡写真(倍率:実施例1〜3:1000倍、比較例
1::2000倍、比較例2:750倍)である。図1
〜5において、上側部分が蛍光体母体の蒸着膜であり、
下側部分が蛍光体の蒸着膜である。
【0059】
【表1】 表 1 ────────────────────────────────── 実施例 T(1) T(2) 柱状性 ────────────────────────────────── 実施例1 200℃ 200℃ 良好 実施例2 100℃ 200℃ 良好 実施例3 200℃ 300℃ 良好 ────────────────────────────────── 比較例1 30℃ 30℃ 不良 比較例2 200℃ 100℃ 不良 ──────────────────────────────────
【0060】図1〜5に示した写真から明らかなよう
に、本発明の方法に従って蛍光体母体蒸着膜および蛍光
体蒸着膜をそれぞれ、一定範囲の基板温度で形成して製
造した放射線像変換パネル(実施例1〜3)は、形状の
良好な柱状結晶構造を有していた。特に、T(2)がT
(1)よりも高い場合には(実施例2、3)、柱径の変動
が殆どなく柱状性が優れていた。一方、基板温度が低過
ぎる場合には(比較例1)、柱状結晶とならなかった。
また、T(2)がT(1)よりも低い場合には(比較例
2)、蛍光体部分の柱径が細くなってしまい、良好な柱
状結晶が得られなかった。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、一定の温度範囲に加熱
した基板上に蒸着法により蛍光体母体層および蛍光体層
を順に形成することにより、柱径が好適であってかつほ
ぼ一定な柱状結晶性の優れた蛍光体層を得ることができ
る。また、柱状結晶の結晶面を制御することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の放射線像変換パネルの切断面の電子
顕微鏡写真である。
【図2】実施例2の放射線像変換パネルの切断面の電子
顕微鏡写真である。
【図3】実施例3の放射線像変換パネルの切断面の電子
顕微鏡写真である。
【図4】比較例1の放射線像変換パネルの切断面の電子
顕微鏡写真である。
【図5】比較例2の放射線像変換パネルの切断面の電子
顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 11/64 C09K 11/64 11/85 11/85 G01T 1/00 G01T 1/00 B Fターム(参考) 2G083 AA03 BB01 CC03 CC08 DD02 DD11 DD14 DD17 EE02 EE03 4H001 CA08 XA03 XA04 XA09 XA11 XA12 XA13 XA17 XA19 XA20 XA21 XA28 XA29 XA30 XA31 XA35 XA37 XA38 XA39 XA48 XA49 XA53 XA55 XA56 XA57 XA58 XA59 XA60 XA61 XA62 XA63 XA64 XA65 XA66 XA67 XA68 XA69 XA70 XA71 YA11 YA12 YA29 YA39 YA47 YA58 YA59 YA60 YA62 YA63 YA64 YA65 YA66 YA67 YA68 YA69 YA70 YA71 YA81 YA83

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 付活剤で付活したアルカリ金属ハロゲン
    化物系輝尽性蛍光体からなる層を蒸着法により基板上に
    形成する工程を含む放射線像変換パネルの製造方法にお
    いて、該蛍光体の母体であるアルカリ金属ハロゲン化物
    を基板上に下記の条件を満足する基板温度T(1)にて蒸
    着させて蛍光体母体層を形成した後、該蛍光体母体層の
    上に、付活剤を含む蛍光体原料、あるいは蛍光体の母体
    と付活剤とを同時に、下記の条件を満足する基板温度T
    (2)にて蒸着させることにより蛍光体層を積層すること
    を特徴とする放射線像変換パネルの製造方法。 50℃ ≦ T(1) ≦ 300℃ 100℃ ≦ T(2) ≦ 400℃ T(1) ≦ T(2)
  2. 【請求項2】 基板温度T(1)およびT(2)が、 T(1) < T(2) なる条件を満足する請求項1に記載の放射線像変換パネ
    ルの製造方法。
  3. 【請求項3】 蛍光体母体層の層厚と蛍光体層の層厚と
    の比率(前者:後者)が、1:100乃至1:1の範囲
    にある請求項1または2に記載の放射線像変換パネルの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 蒸着後に、蛍光体母体層および蛍光体層
    を共に熱処理する請求項1乃至3のうちのいずれかの項
    に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  5. 【請求項5】 付活剤で付活したアルカリ金属ハロゲン
    化物系輝尽性蛍光体が、基本組成式(I): MIX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I) [ただし、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからな
    る群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表
    し;MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、C
    u、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一
    種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し;MIIIはS
    c、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、
    Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、A
    l、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一
    種の希土類元素又は三価金属を表し;X、X’及びX”
    はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ば
    れる少なくとも一種のハロゲンを表し;AはY、Ce、
    Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
    r、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag、Tl
    及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土
    類元素又は金属を表し;そしてa、b及びzはそれぞ
    れ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0
    の範囲内の数値を表す]を有する請求項1乃至4のうち
    のいずれかの項に記載の放射線像変換パネルの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 付活剤で付活したアルカリ金属ハロゲン
    化物系輝尽性蛍光体がユーロピウム付活臭化セシウム系
    蛍光体である請求項5に記載の放射線像変換パネルの製
    造方法。
JP2002107044A 2002-04-09 2002-04-09 放射線像変換パネルの製造方法 Withdrawn JP2003302498A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002107044A JP2003302498A (ja) 2002-04-09 2002-04-09 放射線像変換パネルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002107044A JP2003302498A (ja) 2002-04-09 2002-04-09 放射線像変換パネルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003302498A true JP2003302498A (ja) 2003-10-24

Family

ID=29391187

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002107044A Withdrawn JP2003302498A (ja) 2002-04-09 2002-04-09 放射線像変換パネルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003302498A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7491949B2 (en) 2006-07-10 2009-02-17 Fujifilm Corporation Radiation image conversion panel and process for producing the same
US20120104266A1 (en) * 2010-11-02 2012-05-03 Sony Corporation Radiation detecting element, method of producing same, radiation detecting module, and radiation image diagnostic apparatus
JP5429174B2 (ja) * 2008-09-18 2014-02-26 コニカミノルタ株式会社 放射線変換パネル

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7491949B2 (en) 2006-07-10 2009-02-17 Fujifilm Corporation Radiation image conversion panel and process for producing the same
JP5429174B2 (ja) * 2008-09-18 2014-02-26 コニカミノルタ株式会社 放射線変換パネル
US20120104266A1 (en) * 2010-11-02 2012-05-03 Sony Corporation Radiation detecting element, method of producing same, radiation detecting module, and radiation image diagnostic apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3827298B2 (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2003028994A (ja) 放射線像変換パネルおよびその製造方法
US20020139937A1 (en) Radiation image storage panel
JP2003107160A (ja) 放射線像変換パネル
JP2003302498A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP4024731B2 (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP3920100B2 (ja) 放射線像変換パネル
JP4316288B2 (ja) ハロゲン化ユーロピウム溶融凝固体の製造方法
JP2004053421A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2004037363A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
US7135690B2 (en) Radiation image storage panel
US7037446B2 (en) Radiation image storage panel
JP2003028996A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2003302497A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2004233343A (ja) 放射線像変換パネル
JP2003172799A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2004170406A (ja) 放射線像変換パネルおよびその製造方法
JP2003156597A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2003194999A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法及び製造装置
JP2003202400A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2002296398A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2004347440A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2004170405A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2003307595A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2004233134A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050705