JP3862466B2 - 透明電極 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光色純度、非点灯欠陥発生率、発光輝度低下時間及び視認性に優れた発光素子を提供することができる透明電極に関する。
【0002】
【従来の技術】
透明電極は、透明で、かつ導電性を有するものであり、その代表例としては、ガラス基板上にインジウムとスズとの酸化物(ITO)からなる薄膜が形成されているものが挙げられる。主な用途は、表示パネルの視認部の透明電極であり、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル(PDP)等に現在、広く用いられている。最近では、有機エレクトロルミネッセンス(OEL)ディスプレイやフィールドエミッションディスプレイ(FED)が、次世代ディスプレイの一つとして注目されている。
【0003】
従来から、発光色が鮮やかな表示パネルに対するニーズは高い。発光色を鮮やかなものにするためには、赤、緑、青それぞれの発光原色の色純度を上昇させることが,一つとして必要である。色純度を上昇させるためには、赤、緑、青それぞれの波長領域の光に関して、望む波長を極大として、できるだけ波長が、シャープな形で発光させることが望ましい。しかし、通常は、素子からの発光スペクトルは、赤、緑、青それぞれブロードになっている場合が多く、実際はそれぞれ理想の発光色に比較すると色が異なっている。この事は、赤色発光に関して、顕著な場合が多く、純度が高い赤色発光を得るためには、600nm付近の領域をできるだけシャープなスペクトル形状になるように発光させることが望ましいが、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子に関しては、通常、585nm付近まで発光が生じてしまい、なだらかな発光スペクトルの形で発光が生じているため、実際には、オレンジ色がかった発光になっている。
【0004】
最近、表示パネルの大型化及び小型携帯化ニーズが非常に高まっている。これを実現するためには、表示素子の低消費電力化が必要である。この目的のためには、可視光線に対し高透過率を維持しつつ、抵抗値が低い透明導電性薄膜の開発が有効である。特に最近開発されつつある、有機エレクトロルミネッセンス素子に関しては、自発光タイプであり、小型携帯端末向けに主に開発されているため、透明導電性薄膜の低抵抗化への期待は大きい。また、現在、市場に広まりつつあるプラズマディスプレイパネル(PDP)や次世代のディスプレイとして開発されつつあるフィールドエミッションディスプレイ(FED)に関しても、それらが高消費電力な構造であるため、低抵抗透明導電性薄膜開発に対する期待は大きい。
【0005】
低抵抗透明導電性薄膜の開発にあたっては、金属薄膜層、特に純物質中で最も比抵抗が小さい銀を用いた金属薄膜層の利用が有効である。さらに透過率向上及び金属薄膜層の安定性向上の目的で、金属薄膜層を透明高屈折率薄膜層で挟み込み透明導電性薄膜積層体を形成することが非常に効果的である。この透明導電性薄膜積層体は、各薄膜層の材料や膜厚を選ぶことによって、用途に応じて最適な光学特性及び電気特性を持つように設計することができる。
【0006】
金属薄膜層材料としてその比抵抗の低さ故に好適に用いられる銀は、反面原子の凝集を生じやすいという面を持つ。銀薄膜中の銀原子が凝集するとその部分がディスプレイの非表示部分となり、欠陥となる。
【0007】
透明電極、特に携帯端末用に用いられる透明電極は、軽さが、求められる。そのため、従来は、基板としてガラスが、用いられてきたが、より軽い高分子成形体に置き換えられつつある。通常、発光素子は、酸素、水蒸気等のガスの混入により、不具合を生じる場合が多い。従来、高分子成形体は、酸素、水蒸気等のガスに対する、ガスバリヤー性が、十分でなく、発光素子の透明電極用基板として用いた場合に、発光不良を生じさせた。
【0008】
表示素子を視認する場合、透明電極基板を通して、発光部を視認することになるが、透明電極基板の視認面に何の処理も施していないと、基板自体からの外光反射光の影響により、非常に視認しにくいものとなる。通常ガラス基板等の場合は、これを防止するために、反射防止(AR)フィルムや防眩(AG)フィルムを基板の視認面に貼り合わせて、外光反射の影響を低減することが行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、スペクトル形状がブロード状態で素子から発せられる光をシャープな光に補正し、素子発光時のAg凝集による点灯不良を改良し、発光素子の輝度低下を促進する大気中のガス透過を抑制し、視認側からの外光反射を防止した透明電極を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下のa.〜d.の解決手段に至った。
a.発光素子の発光色純度を向上させるため、不要な波長の光を吸収する色素を透明電極に含有させる。
b. 素子発光時のAg凝集不良による点灯不良を防止するため、透明高屈折率薄膜層として酸化アルミニウムを含有する酸化亜鉛、Ag又はパラジウム及び銅を含有するAg合金からなる金属薄膜層を用いる。
c. 発光素子の発光輝度低下を促進する大気中のガスの流入を防止するために、透明基板上にガスバリヤー層を形成する。特に酸化珪素を主成分とする薄膜層を形成する。
d. 視認部からの外光反射を防止するために、基体に用いる高分子成形体の視認面に反射防止(AR)又は防眩(AG)層を形成する。
【0011】
すなわち本発明は、(1)透明高分子成形基体(A)上に、透明導電性薄膜層(B)が、A/Bの構成で形成されてなる透明電極において、透明電極を構成するいずれかの部材が、波長570〜600nmの領域に光吸収極大を持つ色素を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子用透明電極、(2)透明導電性薄膜層(B)が、透明高屈折率薄膜層(a)とAg又はAg合金からなる金属薄膜層(b)とが、a/b/aの構成で積層されている(1)に記載の透明電極、(3)透明高屈折率薄膜層(a)が、酸化アルミニウムを1から5重量パーセントの割合で含有する酸化亜鉛(AZO)薄膜層である、(1)又は(2)に記載の透明電極、(4)Ag合金からなる金属薄膜層(b)が、パラジウム及び銅をそれぞれ0.3〜1.5重量パーセントの割合で含有する(1)〜(3)に記載の透明電極、()ガスバリヤー層(C)が、C/A/B、A/C/B、A/B/C、C/A/B/C、C/A/C/Bのいずれかの構成で形成されている(1)〜(4)に記載の透明電極、()ガスバリヤー層(C)が、酸化珪素を主成分とする薄膜層である()に記載の透明電極、()反射防止(AR)層又は防眩(AG)層(D)が、D/A/B、D/C/A/B、D/A/C/B、D/A/B/C、D/C/A/B/C、D/C/A/C/Bのいずれかの構成で形成されている(1)〜(6)に記載の透明電極、()(1)〜()に記載の透明電極を用いた有機エレクトロルミネセンス素子に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明における透明電極は、透明高分子成形基体(A)上に、透明導電性薄膜層(B)が、形成されてなる透明電極において色素を含有することを特徴とするものであり、発光素子に用いた時の発光色の色純度が高い。さらにガスバリヤー層(C)が、形成されていることを特徴とする場合は、発光素子に用いた時の発光輝度低下時間が長くなり、またさらに反射防止(AR)層または防眩(AG)層が、形成されていることを特徴とする場合は、視認性が良好になる。
【0013】
透明導電性薄膜積層体を用いた透明電極の場合は、高屈折率薄膜層(a)として酸化アルミニウムを含有する酸化亜鉛薄膜層、銀またはパラジウム及び銅を含有する銀合金からなる金属薄膜層(b)を用いることを特徴とする場合に、発光素子に用いたときに非点灯不良発生の割合が低下する。
【0014】
本発明を添付図面でもって説明する。図1〜3は、本発明における透明電極の一例を示す断面図である。図1においては、色素を含有した透明高分子成形基体(A)10上に透明高屈折率薄膜層(a)20、Ag又はAg合金からなる金属薄膜層(b)30を積層構造A/a/b/aとした透明電極が挙げられている。
【0015】
図2においては、色素を含有した透明高分子成形基体(A)10上に透明高屈折率薄膜層(a)20、Ag又はAg合金からなる金属薄膜層(b)30、ガスバリヤー層(C)40を積層構造A/C/a/b/aとした透明電極が挙げられている。
【0016】
図3においては、色素を含有した透明高分子成形基体(A)10上に透明高屈折率薄膜層(a)20、Ag又はAg合金薄膜層(b)30、ガスバリヤー層(C)40、反射防止層(D)50を積層構造D/A/C/a/b/aとした透明電極が挙げられている。
【0017】
本発明に用いられる透明高分子成形基体としては、主にフィルム状及び板状のものが使用され、透明性に優れ、用途に応じた十分な機械的強度を持つものであることが好ましい。ここで、透明性に優れるとは、使用される状態での厚さにおいて、視感透過率が、40%以上であることを指す。
【0018】
具体的に材料を例示すると、ポリイミド、ポリスルフォン(PSF)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチレンメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン(PP)、トリアセチルセルロース(TAC)等が挙げられる。中でもポリエチレンテレフタレート(PET)及びトリアセチルセルロース(TAC)は、特に好適に用いられる。
フィルムの厚さに特に制限はない。通常は、20〜500μm程度である。
【0019】
透明高分子成形板は、ガラスに比較して、軽い、割れにくい等の理由で好適に用いられる。好ましい材料を例示すれば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を始めとするアクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂等が挙げられるが、これらの樹脂に特定されるわけではない。中でもPMMAは、その広い波長領域での高透明性と機械的強度の高さから好適に使用することができる。
【0020】
板の厚さに特に制限はなく、通常は、0.5〜10mm程度である。
また、透明高分子成形基体には、表面の硬度または密着性を増す等の理由でハードコート層が設けられることが多い。
【0021】
本発明に用いられる色素は、可視波長領域に所望の吸収波長 570nm〜605nmを有する一般の染料または顔料でよく、その種類は、特に限定される分けではないが、例えばアントラキノン系、フタロシアニン系、メチン系、アゾメチン系、オキサジン系、アゾ系、スチリル系、クマリン系、ポルフィリン系、ジベンゾフラノン系、ジケトピロロピロール系、ローダミン系、キサンテン系、ピロメテン系等の一般に市販されている色素が挙げられる。その種類、濃度は、色素の吸収波長、吸収係数、透明導電性薄膜層の色調及び発光素子の発光スペクトルに要求される特性によって決まるものであり、特に限定されるものではない。発光素子の発光色純度を上昇させるためには、これらの中から、赤、緑、青それぞれの発光原色に関して、不要発光を効率よく吸収する色素を選択して用いればよい。例えば、赤色発光の純度を向上させる場合、585nmの発光強度を最大発光強度の20%以下になるように色素を含有させればよい。
また、可視領域において異なる吸収波長を有する色素2種類以上を使用してもよい。
【0022】
色素含有の手法としては、色素を透明高分子成形基体に混練させる、樹脂または樹脂モノマー/有機系溶媒の樹脂濃厚液に分散・溶解させ、キャスティング法により高分子成形体を作成する、色素を樹脂バインダーと有機系溶媒に加え、塗料として、透明高分子成形体基板上にコーティングする等が挙げられる。
【0023】
本発明でいう含有とは、基体自身または粘着材等の部材の中に含有されることは勿論、部材の表面に塗布した状態も意味する。
本発明における透明導電性薄膜層(B)は、十分な透過率と表面抵抗値が得られるように設計すれば良い。透明導電性薄膜層の好ましい透過率は、40%以上、99%以下、より好ましくは、50%以上、99%以下、さらに好ましくは、60%以上、99%以下である。また、好ましい表面抵抗値は、0.2(Ω /□)以上、100(Ω /□)以下、好ましくは、0.2(Ω /□)以上、10(Ω /□)以下、さらに好ましくは、0.2(Ω /□)以上、3(Ω /□)以下、さらにより好ましくは、0.2(Ω /□)以上、0.5(Ω /□)以下である。
【0024】
透明導電性薄膜層の構成としては、一層の透明導電性薄膜層のみから形成されている場合、透明高屈折率薄膜層と金属薄膜層を積層して形成している場合に分けられる。
一層の透明導電性薄膜層のみから形成されている場合に用いられる材料は、薄膜を形成した時にできるだけ透明性に優れ、導電性が高いものであることが好ましい。ここで透明性に優れ、導電性が高いとは、視感透過率が、60%以上、面抵抗値が20Ω/□以下であることを指す。
【0025】
具体的に用いられる材料を例示すると、インジウムとスズとの酸化物(ITO)、亜鉛とアルミニウムとの酸化物(AZO)等が挙げられる
透明導電性薄膜層の厚みは、目的の性能を引き出せるように設定すればよく、通常は、100〜200nm程度である。
【0026】
透明導電性薄膜層が、透明高屈折率薄膜層と金属薄膜層の積層体である場合に、用いられる材料を例示する。透明高屈折率薄膜層(a)に用いられる材料としては、できるだけ透明性に優れたものであることが好ましい。ここで透明性に優れるとは、膜厚100nm程度の薄膜を形成したときに、その薄膜の視感透過率が60%以上であることを指す。また、高屈折率とは、550nmの光に対する屈折率が、1.4以上を意味する。これらには、用途に応じて不純物を混入させても良い。
【0027】
透明高屈折率薄膜層用に好適に用いることができる材料を例示すると、インジウムとスズとの酸化物(ITO)、カドミウムとスズとの酸化物(CTO)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化亜鉛(ZnO)、亜鉛とアルミニウムとの酸化物(AZO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化トリウム(ThO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化ランタン(La 2 3 )、酸化シリコン(SiO2)、酸化インジウム(In23)、酸化ニオブ(Nb 2 )、酸化アンチモン(Sb23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化セシウム(Cs 2 )、酸化チタン(TiO2)、酸化ビスマス(Bi 2 3 )等である。
【0028】
また、硫化物を用いても良い。具体的に例示すると、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化アンチモン(Sb23)等があげられる。
中でも、ITO、TiO2、ZnOが特に好ましい。ITO及びZnOは、導電性を持つ上に、可視領域における屈折率が、2.0程度と高く、さらに可視領域にほとんど吸収を持たない。TiO2は、絶縁物であり、可視領域にわずかな吸収を持つが、可視光に対する屈折率が2.3程度と大きい。
透明高屈折率薄膜層の厚さに関しては、透明導電性薄膜層全体の透過性及び電気伝導性を考慮して決定される。通常は、0.5〜100nm程度である。
【0029】
本発明において用いられる、金属薄膜層(b)の材料としては、できるだけ電気伝導性の良い材料が好ましく、銀または銀の合金が好適に用いられる。銀は、比抵抗が、1.59×10-6(Ω・cm)であり、あらゆる材料の中で最も電気伝導性に優れる上に、薄膜の可視光線透過率が優れるため、最も好適に用いられる。但し、銀は、薄膜とした時に安定性を欠き、硫化や塩素化を受け易いという問題を持っている。この為、安定性を増すために、銀の替わりに銀と金の合金または、銀と銅の合金または銀とパラジウムの合金または銀と白金の合金または銀とパラジウムと銅の合金等を用いてもよい。
金属薄膜層の厚さに関しては、透明導電性薄膜層全体の透過性及び電気伝導性を考慮して決定される。通常は、0.5〜100nm程度である。
【0030】
本発明におけるガスバリヤー層(C)は、十分な透過率とガスバリヤー性が得られるように設計すれば良い。本発明において必要なガスバリヤー性能は、酸素及び水蒸気に対するガスバリヤー性能である。ガスバリヤー層の好ましい可視光線の平均透過率は、60%以上、99%以下である。また、好ましい酸素ガス透過度は、0.001(cc/m2/day/atm)以上、1(cc/m2/day/atm)以下、より好ましくは0.001(cc/m2/day/atm)以上、0.5(cc/m2/day/atm)以下であり、好ましい水蒸気ガス透過度は、0.001(g/m2/day/atm)以上、1(g/m2/day/atm)以下、より好ましくは0.001(g/m2/day/atm)以上、0.5(g/m2/day/atm)以下である。
【0031】
ガスバリヤー層形成に用いられる材料は、珪素化合物が好適に用いられる。具体的には酸化珪素、窒化珪素等である。
ガスバリヤー層の組成は、ガスバリヤー性能が得られ、透明性が保たれる範囲内であれば特に制限されない。例えば、酸化珪素は、一般にSiOxと記述できるが、xの範囲は、通常1.0〜2.5程度である。ガスバリヤー層の形成位置に関しては、ガスバリヤー性能が得られ、透明性が保たれる安定な薄膜を形成することができる位置であれば特に制限はない。通常は、透明高分子成形基体上のどちらか、または透明導電性薄膜層上のうち少なくとも一個所に形成される。
【0032】
ガスバリヤー層の厚みに関しては、特に限定するものではないが、透明性を損ねない範囲で、かつガスバリヤー性を保ち、透明高分子成形基体との密着性を確保できる厚さであればよい。具体的には、20〜500nmがよく、更には20〜100nmがより好ましい。該薄膜層が薄すぎると均一で連続した膜を得ることが難しく、厚すぎると基体との密着力が低下したり、該薄膜層が割れ易くなる。
【0033】
透明高屈折率薄膜層の形成には、真空蒸着法、イオンプレーディング法またはスパッタリング法または反応性スパッタリング法が好適に用いられる。スパッタリング法や反応性スパッタリング法を用いる場合は、成膜速度を上昇させるために、直流マグネトロンスパッタリング法や高周波マグネトロンスパッタリング法が用いられることも多い。
【0034】
例えばイオンプレーティング法では、反応ガスプラズマ中で所望の金属または焼結体を抵抗加熱又は電子ビームにより加熱することにより真空蒸着を行う。
また、反応性スパッタリング法では、ターゲットに所望の金属または焼結体を使用し、スパッタリングガスにアルゴン、ネオン等の不活性ガスを用い、反応に必要なガスを加えて、直流スパッタリングや高周波スパッタリングを行う。例えば、ITO薄膜を形成する場合には、スパッタリングターゲットにインジウムとスズとの酸化物を用いて、酸素ガス中で直流スパッタリングを行う。
【0035】
金属薄膜層の形成には、真空蒸着法またはスパッタリング法が、好適に用いられる。真空蒸着法では、所望の金属を蒸着源として使用し、抵抗加熱、電子ビーム加熱等により、加熱蒸着させることで、簡便に金属薄膜を形成することができる。また、スパッタリング法を用いる場合は、ターゲットに所望の金属材料を用いて、スパッタリングガスにアルゴン、ネオン等の不活性ガスを使用し、直流スパッタリング法や高周波スパッタリング法を用いて金属薄膜を形成することができる。
ガスバリヤー層の形成には上記、イオンプレーティング法、反応性スパッタリング法等の物理蒸着法以外に湿式法、化学気相成長法等の従来公知の手段を用いても構わない。
【0036】
湿式法は、例えばゾルーゲル法やポリシラザンを溶融した溶液を塗布し、それを大気中の水蒸気雰囲気中で加熱して酸化珪素膜を形成する方法が挙げられる。ここでいうポリシラザンとは、(SiNxHb)(x=1〜3、y=0〜1)の構造を持つ、ペルヒドロポリシラザンであり、主鎖の(―Si−N−)に側鎖として水素のみが結合している。該ポリシラザンは、ベンゼン、トルエン、キシレン、エーテル、THF、塩化メチレン、四塩化炭素等の溶媒には20重量%以上溶解することができるので、これらの溶媒にポリシラザンを溶解した後にフィルム成形体に塗布し、加熱処理を施すことにより酸化珪素を得ることができる。一般に、無機物の酸化珪素を得るには450℃以上の加熱処理が必要なのであるが、アミンや遷移金属の触媒を用いることにより低温で、例えば80〜150℃の加熱処理によって無機物の酸化珪素が得られる。この際の加熱処理時間は、概ね1〜3時間程度である。また塗布に用いるポリシラザンの分子量は600〜900のものが好ましく用いられる。
【0037】
化学気相成長法は、原料に有機珪素化合物を用い、それにエネルギーを投入することによって分解し、無機物である酸化珪素を析出させる手法である。エネルギーを投入する手法は、熱、光、高周波プラズマ等があり、適宜選択すればよい。化学気相成長法では、有機珪素化合物の蒸気を原料としているため、フィルム成形体の表面の凹凸に関係なく酸化珪素が形成されるため、フィルム成形体の表面の平滑性があまり高くない場合においても表面被覆性が高く、ガスバリヤー膜の成膜手法としてはもっとも好ましく利用できる。中でも減圧プラズマ化学気相成長法は、フィルム成形体にダメージを与えることなくガスバリヤー性に優れた酸化珪素を成形することができるため更に好ましく使用することができる。
【0038】
上記の方法により作製した、透明導電性薄膜層またはガスバリヤー層の表面の原子組成は、オージェ電子分光法(AES)、蛍光X線法(XRF)、X線マイクロアナライシス法(XMA)、ラザフォード後方散乱分析法(RBS)、X線光電子分光法(XPS)、紫外光電子分光法(UPS)、赤外吸収分光法(IR)、ラマン分光法、2次イオン質量分析法(SIMS)、低エネルギーイオン散乱分光法(ISS)等により測定できる。また、膜中の原子組成及び膜厚は、オージェ電子分光法(AES)や2次イオン質量分析(SIMS)を深さ方向に実施することによって調べることができる。
【0039】
透明導電性薄膜層及びガスバリヤー層の構成及び各層の状態は、断面の光学顕微鏡測定、走査型電子顕微鏡(SEM)測定、透過型電子顕微鏡測定(TEM)を用いて調べることができる。
【0040】
本発明における反射防止層または防眩層(D)は、透明電極を用いて、素子を形成した場合に、視認面からの入射外光の視認面における反射光により、視認し難くなることを防止するためのものであり、透過性を著しく落とすことなく、視認し易さを向上させることができるものであれば、特に制限はない。
【0041】
反射防止層は、反射率を低減することにより視認性に対する反射光の悪影響を取り除くものである。透明電極形成時における反射防止層形成の順番に特に指定はない。透明高分子成形基体として、フィルムを用いる場合は、あらかじめ反射防止層が高分子フィルム上に形成されたフィルム(反射防止フィルム)が用いられる場合が多い。
【0042】
反射防止フィルムの特性に関しては、反射防止層が形成されている面の可視光線反射率が0.1%以上、2%以下、好ましくは、0.1%以上、1.5%以下、より好ましくは、0.1%以上、0.5%以下の性能を有することが望ましい。反射防止膜が形成されている面の可視光線反射率は、反対面(反射防止膜が形成されていない面)をサンドペーパーで荒らし、黒色塗装等により、反対面の反射をなくして、反射防止膜が形成されている面のみで起こる反射光を測定することにより知ることができる。
【0043】
反射防止層としては、具体的には、可視光域において屈折率が1.5以下、好適には、1.4以下と低い、フッ素系透明高分子樹脂やフッ化マグネシウム、シリコン系樹脂や酸化珪素の薄膜等を、例えば1/4波長の光学膜厚で単層形成したもの、屈折率の異なる、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化物窒化物、硫化物等の無機化合物又はシリコン系樹脂やアクリル樹脂、フッ素系樹脂等の有機化合物の薄膜を2層以上多層積層したものがある。単層形成したものは、製造が容易であるが、反射防止能が多層積層に比べ劣る。多層積層したものは、広い波長領域にわたって反射防止能を有し、基体フィルムの光学特性による光学設計の制限が少ない。これら無機化合物薄膜の形成には、スパッタリング、イオンプレーティング、イオンピームアシスト、真空蒸着、湿式塗工法等、従来公知の方法を用いればよい。
【0044】
防眩層は、反射光を拡散することにより視認性に対する反射光の悪影響を取り除くものである。透明電極形成時における防眩層形成の順番に特に指定はない。透明高分子成形基体として、フィルムを用いる場合は、あらかじめ防眩層が高分子フィルム上に形成されたフィルム(防眩性フィルム)を用いることができる。
【0045】
防眩性フィルムは、0.1〜10μm程度の微少な凹凸を表面に有する可視光線に対して透明なフィルムである。具体的には、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型または光硬化型樹脂に、シリカ、メラミン、アクリル等の無機化合物または有機化合物の粒子を分散させインキ化したものを、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート法等によって透明高分子フィルム上に塗布硬化させる。粒子の平均粒径は、1〜40μmである。または、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂を基体に塗布し、所望のヘイズ又は表面状態を有する型を押しつけ硬化する事によっても防眩性フィルムを得ることができる。さらには、ガラス板をフッ酸等でエッチングするように、基体フィルムを薬剤処理することによっても防眩性フィルムを得ることができる。この場合は、処理時間、薬剤のエッチング性により、ヘイズを制御することができる。上記、防眩性フィルムにおいては、適当な凹凸が表面に形成されていれば良く、作成方法は、上記に挙げた方法に限定されるものではない。防眩性フィルムのヘイズは、0.5%以上20%以下であり、好ましくは、1%以上10%以下である。ヘイズが小さすぎると防眩能が不十分であり、ヘイズが大きすぎると平行光線透過率が低くなり、ディスプレイ視認性が悪くなる。この防眩性フィルムは、多くの場合、ニュートンリング防止フィルムとして用いることができる。
【0046】
作製した透明電極の光透過特性評価を行うためには、分光光度計を用いて、その透過スペクトルを調べればよい。
また透明電極の発光時の性能評価を行うためには、実際にその透明電極を用いて発光素子を作成し、その時の耐久性、視認性等を調べればよい。
【0047】
有機エレクトロルミネッセンス用に用いる透明電極の性能評価を行うためには、評価したい透明電極を用いて有機エレクトロルミネッセンス素子を作成し、素子評価を行えばよい。有機エレクトロルミネッセンス素子の作成手法は、透明電極の透明導電性薄膜上に正孔輸送層、発光層、陰極をこの順に積層して得られる。
【0048】
正孔輸送層に用いられる材料は、例えば、ジアミン系の有機化合物が正孔輸送能に優れるため好適に用いられる。中でも特にN,N‘−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1‘−ビフェニル−4,4’−ジアミン(略称TPD)は正孔輸送能に優れ、広く正孔輸送材として使われている。
【0049】
発光層に用いられる材料は、例えば、アルミニウムキノリノール錯体(8ハイドロキシキノリン アルミニウム)(略称Alq3)、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1,3−シクロペンタジエン(略称:PPCP)、2−(4−ビフェニル−)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称PBD)、N−N‘−ビス(2,5−t−ブチルフェニル)−3,4,9,10−ペリレンジカルボキシイミド(略称BPPC)等である。
【0050】
これら正孔輸送層、発光層の形成には、従来公知の真空蒸着法やイオン化蒸着法等の物理気相成長法や、適当な溶媒に所望の材料を分散させ、スピンコート等の手法で塗布した後、乾燥させる湿式法等によればよい。
正孔輸送層及び発光層の厚さは、それぞれ通常30〜200nmである。
陰極に用いられる材料は、マグネシウムと銀の合金、マグネシウムとアルミニウムの合金等である。
【0051】
これら陰極の形成には、従来公知の真空蒸着法やスパッタリング法等の物理成膜法を用いればよい。
陰極の厚さは、通常5〜500nm程度である。
また、発光効率をさらに向上させるために発光層と陰極との間に適当な電子輸送層を挿入してもよい。
発光耐久性の評価は、輝度計を用いて、素子の発光輝度を測定し、例えば発光輝度が、初期の半分になるまでの時間を調べることによって行うことができる。
【0052】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレートペレット1203(ユニチカ(株)製)に585nmに最大吸収を有する色素PD−311(化合物名 テトラ−t−ブチル−アザポルフィリン銅錯体)(三井化学製)を0.014重量%混合し、260〜280℃で溶融させ、押し出し機により厚さ188μmのフィルムを作製し、透明基体(A)とした。
このフィルムの一方の主面に電子ビーム蒸着によりフッ化マグネシウム薄膜95nmを形成し、反射防止層(D)を形成し、反射防止フィルムを作製した。
【0053】
次に反射防止層形成面と反対側の主面に、高周波プラズマスパッタリング法を用いて酸化珪素薄膜層(C)[厚さ100nm]を形成した。酸化珪素薄膜層の形成には、ターゲットとして酸化珪素を用い、スパッタガスにアルゴン・酸素混合ガス(全圧266mPa、酸素分圧16mPa)を用いた。
【0054】
さらに直流マグネトロンスパッタリング法を用いて、酸化亜鉛と酸化アルミニウムとからなる薄膜層(a)、銀とパラジウムと銅の合金からなる金属薄膜層(b)をD/A/C/a[厚さ40nm]/b[厚さ9nm]/a[厚さ40nm]なる順に積層し、透明導電性薄膜積層体フィルムを形成した。酸化亜鉛と酸化アルミニウムとからなる薄膜層は、透明高屈折率薄膜層を、銀とパラジウムと銅の合金薄膜層は、金属薄膜層を構成する。酸化亜鉛と酸化アルミニウムとからなる薄膜層の形成には、ターゲットとして、酸化亜鉛−酸化アルミニウム焼結体[ZnO:Al23=98:2(重量比)]、スパッタリングガスとしてアルゴン・酸素混合ガス(全圧266mPa、酸素分圧26mPa)を用いた。また、銀とパラジウムと銅の合金薄膜層の形成には、ターゲットとして銀とパラジウムと銅の合金[Ag:Pd:Cu=99:0.5:0.5(重量比)]を用い、スパッタガスにはアルゴンガス(全圧266mPa)を用いた。
【0055】
上記により得られた透明電極の波長585(nm)における全光線透過率を分光光度計(日立製作所製 U3400)を用いて測定した。
続いて、得られた透明電極を用いて、有機エレクトロルミネッセンス素子を作製し、発光試験を実施した。
まず、透明電極の透明導電性薄膜上に4―(ジシアノメチレン)―2―メチルー6―(4―ジメチルアミノスチリル)―4H−ピラン(略称:DCM1)を2mol%含有したN−ビニルカルバゾール(略称:PVK)膜をジクロロエタン溶液からディップコーティングにより[40nm]形成した。続いてその上に真空加熱蒸着法を用いて8―ハイドロキシキノリンアルミニウム(略称:Alq3)層[40nm]を形成した。さらにその上に真空加熱蒸着法を用いて、陰極としてマグネシウム層[2nm]を形成した。
【0056】
上記により作製した有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極と陰極との間に10Vの直流電圧を印加し、点灯させた。
まず、ミノルタ(株)製CRTカラーアナライザー(CA100)を用いて、色度(x,y)を測定した。
発光色が、NTSC方式で定めたRGB色の色再現範囲に近くなるほど好ましい。
視認面側からの視認性の良否を目視により調べた。
続いて、点灯開始から、10時間後における、非点灯部分の個数を調べた。ここで非点灯部分とは、直径0.1mmΦ以上の発光を生じていない部分を指す。
さらに、この発光素子の発光輝度半減時間を調べた。ここで発光輝度半減時間とは、発光輝度が初期発光輝度の1/2となるまでの時間を指す。発光輝度は、輝度計(ミノルタ製 LS−110)を用いて測定した。
【0057】
(比較例)
透明基体(A)として厚さ188μmのフィルムを作製する段階において、波長585nmに吸収を有する色素を混合しなかった点以外、実施例1と同様に実施した。
【0058】
(実施例2)
酸化亜鉛と酸化アルミニウムからなる薄膜層(a)の代わりに酸化インジウムと酸化スズとから薄膜層を形成した点以外は、実施例1と同様に実施した。この時、ターゲットとして酸化インジウム−酸化スズ焼結体[In23:SnO2=90:10(重量比)]を用いた。またスパッタリングガスとしてアルゴン・酸素混合ガス(全圧266mPa、酸素分圧8mPa)を用いた。
【0059】
(実施例3)
銀とパラジウムと銅の合金薄膜層(b)の代わりに銀薄膜層を形成した点、以外は、実施例1と同様に実施した。この時、ターゲットとして銀を用いた。
【0060】
(実施例4)
酸化珪素薄膜層(C)を形成しなかった点以外は、実施例1と同様に実施した。
【0061】
(実施例5)
反射防止層(D)を形成しなかった点以外は、実施例1と同様に実施した。
以上の結果を表1及び図4に示した。
【0062】
【表1】
Figure 0003862466
【0063】
表1及び図4より、本発明の透明電極は、波長585nmの光を大幅にカットする能力を有し、素子として使用した場合赤色発光色度の純度が向上させ、NTSCに近づけることができることがわかる。さらに、この透明電極を用いた、有機エレクトロルミネッセンス素子は、従来発生した、非点灯部分の発生が少なく、発光輝度の低下時間も大幅に長くなっている。また、視認性が、大幅に向上している。
【0064】
【発明の効果】
本発明は、透明電極に波長570〜600nmの領域に光吸収極大を持つ色素を含有させることによって、その領域の光線透過率が低い透明電極を提供することができる。また本発明は、透明導電性薄膜層の高屈折率薄膜層として、酸化アルミニウムを含有する酸化亜鉛を用いることあるいはAgまたはパラジウム及び銅を含む銀の合金を金属薄膜層として用いることによって非点灯部分の発生が非常に生じにくい有機エレクトロルミネッセンス素子を作製できる透明電極を提供することができる。また本発明は、ガスバリヤー層、特に酸化珪素を主成分とするガスバリヤー層を形成することによって、発光寿命の長い有機エレクトロルミネッセンス素子を作製することができる透明電極を提供することができる。さらに本発明は、透明基体の視認面側に反射防止層または防眩層を形成することによって、視認性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子を作製できる透明電極を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】透明導電性薄膜積層体の一例を示す断面図
【図2】透明導電性薄膜積層体の一例を示す断面図
【図3】透明導電性薄膜積層体の一例を示す断面図
【図4】x−y色度図
【符号の説明】
10 色素を含有した透明基体(A)
20 透明高屈折率薄膜層(a)
30 銀または銀の合金薄膜層(b)
40 ガスバリヤー層(C)
50 反射防止層(D)

Claims (8)

  1. 透明高分子成形基体(A)上に、透明導電性薄膜層(B)が、A/Bの構成で形成されてなる透明電極において、透明電極を構成するいずれかの部材が、波長570〜600nmの領域に光吸収極大を持つ色素を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子用透明電極。
  2. 透明導電性薄膜層(B)が、透明高屈折率薄膜層(a)とAg又はAg合金からなる金属薄膜層(b)とからなり、a/b/aの構成で積層されている請求項1に記載の透明電極。
  3. 透明高屈折率薄膜層(a)が、酸化アルミニウムを1から5重量パーセントの割合で含有する酸化亜鉛(AZO)薄膜層である、請求項1又は2に記載の透明電極。
  4. Ag合金からなる金属薄膜層(b)が、パラジウム及び銅をそれぞれ0.3〜1.5重量パーセントの割合で含有する請求項1乃至3に記載の透明電極。
  5. ガスバリヤー層(C)が、C/A/B、A/C/B、A/B/C、C/A/B/C、C/A/C/Bのいずれかの構成で形成されている請求項1乃至に記載の透明電極。
  6. ガスバリヤー層(C)が、酸化珪素を主成分とする薄膜層である請求項に記載の透明電極。
  7. 反射防止(AR)層又は防眩(AG)層(D)が、D/A/B、D/C/A/B、D/A/C/B、D/A/B/C、D/C/A/B/C、D/C/A/C/Bのいずれかの構成で形成されている請求項1乃至に記載の透明電極。
  8. 請求項1乃至に記載の透明電極を用いた有機エレクトロルミネセンス素子。
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