JPWO2014109265A1 - 透明電極、及び、電子デバイス - Google Patents

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Abstract

アルミニウム含有層と、アルミニウム含有層に隣接して設けられた銀を主成分とする導電層と、導電層とアルミニウム含有層とを挟持する第1高屈折率層、及び、第2高屈折率層とを備える透明電極を構成する。

Description

本発明は、透明電極、及び、この透明電極を備える電子デバイスに関する。
有機材料のエレクトロルミネッセンス(electroluminescence:以下ELと記す)を利用した有機電界発光素子(いわゆる有機EL素子)は、数V〜数十V程度の低電圧で発光が可能な薄膜型の完全固体素子であり、高輝度、高発光効率、薄型、軽量といった多くの優れた特徴を有する。このため、各種ディスプレイのバックライト、看板や非常灯等の表示板、照明光源等の面発光体として近年注目されている。
このような有機電界発光素子は、2枚の電極間に有機材料を用いて構成された発光層を挟持した構成であり、発光層で生じた発光光は電極を透過して外部に取り出される。このため、2枚の電極のうちの少なくとも一方は透明電極として構成される。
透明電極としては、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide:ITO)等の酸化物半導体系の材料が一般的に用いられているが、ITOと銀とを積層して低抵抗化を狙った検討もなされている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。しかしながら、ITOはレアメタルのインジウムを使用しているため、材料コストが高く、また抵抗を下げるために成膜後に300℃程度でアニール処理する必要がある。そこで、電気伝導率の高い銀等の金属材料を薄膜化した構成や、銀にアルミニウムを混ぜることにより銀単独よりも薄い膜厚で導電性を確保する構成が提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
特開2002−15623号公報 特開2006−164961号公報 特開2009−151963号公報 特開2008−171637号公報
しかしながら、電気伝導率の高い銀やアルミニウムを用いて構成された透明電極であっても、十分な導電性と光透過性との両立を図ることは困難であった。
本発明においては、十分な導電性と光透過性とを兼ね備えた透明電極を提供すること、およびこの透明電極を用いることによって性能の向上が図られた電子デバイスを提供する。
本発明の透明電極は、アルミニウム含有層と、アルミニウム含有層に隣接して設けられた銀を主成分とする導電層と、導電層とアルミニウム含有層とを挟持する第1高屈折率層、及び、第2高屈折率層とを備える。
また、本発明の電子デバイスは、上記透明電極を備える。
本発明の透明電極によれば、アルミニウム含有層に隣接させて、銀を主成分とした導電層が設けられる。このアルミニウム含有層上に銀を主成分とする導電層を形成することにより、銀原子とアルミニウムとの相互作用が得られ、銀の凝集が抑えられ、薄いながらも均一な厚さの導電層が得られる。
さらに、この導電層とアルミニウム含有層とを挟んで第1高屈折率層と第2高屈折率層を有することにより、透明電極の光透過性をさらに向上させることができる。
従って、銀を用いた透明電極において、導電性の向上と光透過性の向上との両立が可能となる。また、この透明電極を用いて、導電性と光透過性とに優れる電子デバイスを構成することができる。
本発明によれば、導電性と光透過性とに優れた透明電極、及び、電子デバイスを提供することができる。
第1実施形態の透明電極の概略構成を示す図である。 第2実施形態の有機電界発光素子の概略構成を示す図である。 実施例2で作製したボトムエミッション型の有機電界発光素子の概略構成を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.透明電極(第1実施形態)
2.有機電界発光素子(第2実施形態:ボトムエミッション型)
3.照明装置(第3実施形態)
〈1.透明電極(第1実施形態)〉
本発明の第1実施形態について説明する。図1に、第1実施形態の透明電極の概略構成図(断面図)を示す。図1に示すように、透明電極10は、アルミニウム含有層13と、導電層14とを備え、このアルミニウム含有層13と、導電層14とが、第1高屈折率層12と第2高屈折率層15との間に挟まれた構成を有している。そして、第1高屈折率層12、アルミニウム含有層13、導電層14、及び、第2高屈折率層15からなる透明電極10が、基材11上に形成されている。透明電極10は、アルミニウム含有層13と導電層14との一方面同士が隣接して形成されている。また、アルミニウム含有層13の他方面側に第1高屈折率層12を備え、導電層14の他方面側に第2高屈折率層15を備える。つまり、第1高屈折率層12と第2高屈折率層15との2層の高屈折率層に、導電層14とアルミニウム含有層が挟持された構成である。
以下に、本例の透明電極10について、基材11、第1高屈折率層12、アルミニウム含有層13、導電層14、及び、第2高屈折率層15の順に、詳細な構成を説明する。なお、本例の透明電極10において、透明とは波長550nmでの光透過率が50%以上であることをいう。
[基材11]
透明電極10が形成される基材11は、例えばガラス、プラスチック等を挙げることができるが、これらに限定されない。また、基材11は透明であっても不透明であってもよい。透明電極10が、基材11側から光を取り出す電子デバイスに用いられる場合には、基材11は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な基材11としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。また、透明電極10が、基材11とは反対側から光を取り出す電子デバイスに用いられる場合には、基材11は透明であっても、不透明であってもよい。
ガラスとしては、例えば、シリカガラス、ソーダ石灰シリカガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。これらのガラス材料の表面には、透明電極10の積層構造との密着性、耐久性、平滑性の観点から、必要に応じて研磨等の物理的処理や、無機物又は有機物からなる被膜、これらの被膜を組み合わせたハイブリッド被膜が形成される。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)又はアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。
樹脂フィルムの表面には、無機物又は有機物からなる被膜や、これらの被膜を組み合わせたハイブリッド被膜が形成されていてもよい。このような被膜及びハイブリッド被膜は、JIS−K−7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度90±2%RH)が0.01g/(m・24時間)以下のバリア性フィルム(バリア膜等ともいう)であることが好ましい。またさらには、JIS−K−7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が10−3ml/(m・24時間・atm)以下、水蒸気透過度が10−5g/(m・24時間)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
以上のようなバリア性フィルムを形成する材料としては、樹脂フィルムの劣化をもたらす水分や酸素等素子の浸入を抑制する機能を有する材料を用いる。例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。さらに当該バリア性フィルムの脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層(有機層)の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
バリア性フィルムの形成方法については特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。特に、特開2004−68143号公報に記載の大気圧プラズマ重合法を好ましく用いることができる。
一方、基材11が不透明なものである場合、例えば、アルミニウム、ステンレス等の金属基板、不透明樹脂基板、セラミック製の基板等を用いることができる。これらの基板は、フレキシブルに屈曲するフィルム状であってもよい。
[第1高屈折率層]
第1高屈折率層12は、波長550nmにおける屈折率(n)が1.9以上の層である。特に好ましくは、波長550nmにおける屈折率(n)が2.0以上の層である。第1高屈折率層12は、導電層14との間にアルミニウム含有層13を挟持して設けられる層である。このような第1高屈折率層12には金属酸化物が用いられ、例えば、二酸化チタン(TiO:n=2.3〜2.4)、酸化ジルコニウム(ZrO:n=2.4)、酸化カドミウム(CdO:n=2.49)、酸化インジウムスズ(ITO:n=2.1〜2.2)、酸化ハフニウム(HfO:n=2.1)、五酸化タンタル(Ta:n=2.16)、酸化ニオブ(Nb:n=2.2〜2.4)、酸化セリウム(CeO:n=2.2)、インジウム亜鉛酸化物(IZO:n=2.0〜2.4)等の光学フィルムに一般的に用いられる高屈折率材料が用いられる。
また、第1高屈折率層12は、10〜100nmの厚さで形成されていることが好ましい。特に、20nm程度の厚さとすることにより、反射抑制に効果的である。
[アルミニウム含有層]
アルミニウム含有層13は、例えば、アルミニウム、アルミニウム含有化合物を用いて構成された層である。また、アルミニウム含有層13は、導電層14に隣接して形成された層である。導電層14と接してアルミニウム含有層13が形成されることにより、導電層14の主成分である銀と、アルミニウム含有層13を構成するアルミニウム原子との相互作用により、アルミニウム含有層13表面における銀原子の拡散距離が減少し、銀の凝集が抑えられる。このため、一般的に、核成長型(Volumer-Weber:VW型)での成長により島状に孤立し易い薄銀層が、単層成長型(Frank-van der Merwe:FM型)の成長によって形成される。従って、アルミニウム含有層13に接して、銀を主成分とする導電層14を形成することにより、薄いながらも、均一な厚さの導電層14が得られる。
このアルミニウム含有層13としてアルミニウム含有化合物を用いる場合には、アルミニウム原子と銀原子とを相互作用させるため、アルミニウム含有層13の全体において、特に導電層14との界面側において、アルミニウム含有量が多いことが好ましい。アルミニウム含有化合物としては、例えば、アルミニウム合金、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物が挙げられる。
アルミニウム合金としては、アルミニウムを主成分とした合金であり、アルミニウムの含有率が50atm%以上であることが好ましい。アルミニウム合金としては、例えば、アルミニウムチタン(TiAl)が挙げられる。
また、アルミニウム酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム(Al)が挙げられる。
アルミニウム窒化物としては、例えば窒化アルミニウム(AlN)が挙げられる。
また、アルミニウム含有層13は、アルミニウムや上述したアルミニウム含有化合物を用いて構成されていればよく、これらを2種以上用いて構成されていてもよい。さらに、アルミニウム含有層13は、アルミニウム以外の金属が添加されていてもよい。これらの金属としては、例えば、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)、インジウム(In)、イリジウム(Ir)、リチウム(Li)等が添加されていてもよい。
以上のようなアルミニウム含有層13は、透明電極10の光透過性を阻害しない程度の厚さとし、例えば5nm以下とすることが好ましい。一方、アルミニウム含有層13は、アルミニウム含有層13上に形成される導電層14の膜均一性を確保することができる程度の厚さを必要とする。この厚さとしてアルミニウム含有層13は、アルミニウム原子が1原子層以上形成されていればよい。また、アルミニウム含有層13は、連続膜であることが好ましい。なお、アルミニウム含有層13においてアルミニウムの連続相に欠陥があっても、この欠陥が導電層14を構成するAg原子よりも小さければ、導電層14の膜均一性を確保することができる。
なお、このようなアルミニウム含有層13の形成方法が特に限定されることはないが、蒸着法(EB、抵抗加熱)、及びスパッタ法が好ましく適用される。
[導電層]
導電層14は、銀を主成分として構成された層であって、銀又は銀を主成分とした合金を用いて構成され、アルミニウム含有層13に隣接して形成された層である。このような導電層14の形成方法としては、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法等のウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法等)、スパッタ法、CVD法等のドライプロセスを用いる方法等が挙げられる。なかでも蒸着法が好ましく適用される。また、導電層14は、アルミニウム含有層13上に形成されることにより、形成後の高温アニール処理等がなくても十分に導電性を有することを特徴とするが、必要に応じて、形成後に高温アニール処理等を行ったものであってもよい。
導電層14を構成する銀(Ag)を主成分とする合金は、一例として銀マグネシウム(AgMg)、銀銅(AgCu)、銀パラジウム(AgPd)、銀パラジウム銅(AgPdCu)、銀インジウム(AgIn)等が挙げられる。
以上のような導電層14は、銀又は銀を主成分とした合金の層が、必要に応じて複数の層に分けて積層された構成であってもよい。
導電層14は、膜厚が4〜15nmの範囲にあることが好ましい。厚さが15nm以下、特に12nm以下であることにより、層の吸収成分または反射成分が低く抑えられ、透明電極の光透過率が維持されるため好ましい。また、導電層14は、少なくとも厚さが3nm以上あれば、透明電極10の導電性が確保される。
さらに、透明電極10の光透過性を阻害しないために、導電層14とアルミニウム含有層13との合計の厚さが、15nm以下となるように導電層14の厚さを設定することが好ましく、特に合計の厚さを12nm以下とすることが好ましい。導電層14とアルミニウム含有層13との合計の厚さが15nm以下では、層の吸収成分及び反射成分が低く抑えられ、透明電極10の光透過率が維持されるため好ましい。さらに、導電層14とアルミニウム含有層13との合計の厚さを12nm以下とすることにより、透明電極10の光透過性がさらに向上する。
なお、以上のような、アルミニウム含有層13、及びアルミニウム含有層13に隣接して設けられた導電層14とからなる積層構造の透明電極10は、導電層14の上部が保護膜で覆われていてもよく、別の導電性層が積層されていてもよい。この場合、透明電極10の光透過性を損なうことのないように、保護膜及び導電性層が光透過性を有することが好ましい。
[第2高屈折率層]
第2高屈折率層15は、波長550nmにおける屈折率(n)が2.0以上の層である。第2高屈折率層15は、アルミニウム含有層13との間に導電層14を挟持して設けられた層である。このような第2高屈折率層15には、上述の第1高屈折率層12と同様の材料を用いることができる。
また、第2高屈折率層15は、導電層14上に形成された層である。このため、この透明電極10を電子機器に用いる際には、電極の主体となる導電層14と、透明電極10上に配置される素子や電子部品等との間に第2高屈折率層15が介在する構成となる。このように、第2高屈折率層15が介在する場合であっても、第2高屈折率層15は透明電極10を用いた電子機器の導電性に影響を与えない。これは、導電層14を構成する銀又は銀合金は導電性が非常に高いため、第2高屈折率層15の導電性が透明電極10の導電性にほとんど影響を与えないためである。
例えば、第2高屈折率層15の厚さが小さく、第2高屈折率層15の面方向の抵抗値が高い場合にも、導電層14の導電性が非常に高いため、透明電極10の面方向の導電性は第2高屈折率層15に影響を受けない。
また、第2高屈折率層15が形成される厚さ程度では、第2高屈折率層15の厚さ方向の抵抗が非常に小さく、また、導電層14の導電性が非常に高いため、透明電極10の厚さ方向の導電性も影響を受けない。
さらに、第2高屈折率層15を構成する材料の一例として記載した、上記各金属酸化物は正孔輸送性の高い材料である。このため、第2高屈折率層15が上述の金属酸化物で構成された場合には、電子機器の陽極に透明電極10を使用することで、第2高屈折率層15が正孔注入効率を向上させる層として機能する。つまり、導電層14上に第2高屈折率層15を有することにより、電子機器における正孔注入効率が向上する。
また、第2高屈折率層15は、例えば、スパッタリング法、イオンアシストEB蒸着法等の製法を用いることにより、緻密な層を形成することができる。このように、導電層14上に接して緻密な第2高屈折率層15を形成することにより、導電層14を構成する銀又は銀合金を安定化(不導体化)することができる。このため、導電層14の信頼性が向上し、透明電極10の信頼性や、この透明電極を備える電子機器の信頼性が向上する。
また、第2高屈折率層15は、10〜100nmの厚さで形成されていることが好ましい。この範囲の厚さとすることにより、上述の正孔輸送性を阻害せず、反射抑制に効果的となる。特に、20nm以上の厚さとすることにより、反射抑制に効果的である。
[透明電極の効果]
以上のように構成された透明電極10は、アルミニウム含有層13に隣接させて、銀を主成分とした導電層14を設けた構成である。これにより、アルミニウム含有層13に隣接させて導電層14を形成する際には、導電層14を構成する銀原子がアルミニウム含有層13を構成するAlと相互作用し、銀原子のアルミニウム含有層13表面での拡散距離が減少し、銀の凝集が抑えられる。このため、一般的には核成長型(Volumer-Weber:VW型)での成長により島状に孤立し易い薄銀層が、単層成長型(Frank-van der Merwe:FM型)の成長によって形成されるようになる。従って、薄いながらも、均一な厚さの導電層14が得られるようになる。
さらに、導電層14とアルミニウム含有層13とが、第1高屈折率層12及び第2高屈折率層15とに挟持されている。このため、導電層14と第1高屈折率層との界面での反射と、アルミニウム含有層13と第2高屈折率層15との界面での反射とを抑制することができる。
以上の結果、アルミニウム含有層13の上部に、薄く均一な厚さの導電層14を有することにより、光透過性を確保しつつ、導電性が確保された導電層14を得ることができる。さらに、高屈折率層で挟持されることにより、光透過性を向上させることができる。このため、銀を用いた透明電極10において、導電性の向上と、光透過性の向上との両立を図ることが可能になる。
〈2.有機電界発光素子(第2実施形態:ボトムエミッション型)〉
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、電子デバイスの一例として、上述の第1実施形態の透明電極を用いたボトムエミッション型の有機電界発光素子について説明する。図2に、本実施形態の有機電界発光素子の断面構成図を示す。以下にこの図に基づいて有機電界発光素子の構成を説明する。
[有機電界発光素子の構成]
図2に示す有機電界発光素子20は、透明基板21上に設けられており、透明基板21側から順に、アノードとなる透明電極10、発光機能層22、及びカソードとなる対向電極23が積層されている。このうち、透明電極10として、上述の第1実施形態の透明電極10が用いられている。このため有機電界発光素子20は、発生させた光(以下、発光光hと記す)を、少なくとも透明基板21側から取り出すボトムエミッション型として構成されている。
また、有機電界発光素子20の全体的な層構造は、上記に限定されることはなく、一般的な層構造であってもよい。ここでは、透明電極10がアノード(すなわち陽極)側に配置され、主に導電層14がアノードとして機能する一方、対向電極23がカソード(すなわち陰極)として機能する。
有機電界発光素子20における代表的な素子構成としては、例えば、以下の構成を上げることができる。
(1)陽極/発光層/陰極
(2)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(3)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(4)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(5)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(7)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/(電子阻止層/)発光層/(正孔阻止層/)電子輸送層/電子注入層/陰極
上記の中で(7)の構成が好ましく用いられる。
本例では、発光機能層22として、アノードである透明電極10の上部に[正孔注入層22a/正孔輸送層22b/発光層22c/電子輸送層22d/電子注入層22e]がこの順に積層された構成を例示しているが、このうち少なくとも有機材料を用いて構成された発光層22cを要する。正孔注入層22a及び正孔輸送層22bは、正孔輸送性と正孔注入性とを有する正孔輸送/注入層として設けられてもよい。電子輸送層22d及び電子注入層22eは、電子輸送性と電子注入性とを有する単一層として設けられてもよい。また、これらの発光機能層22のうち、例えば電子注入層22eは無機材料で構成されていてもよい。
また、発光機能層22は、これらの層の他にも正孔阻止層や電子阻止層等が必要に応じて必要箇所に積層されていてもよい。さらに、発光層22cは、各波長領域の発光光を発生させる各色発光層を有し、これらの各色発光層を、非発光性の中間層を介して積層させて発光層ユニットとして形成されていてもよい。中間層は、正孔阻止層、電子阻止層として機能してもよい。さらにカソードである対向電極23も、必要に応じた積層構造であってもよい。このような構成において、透明電極10と対向電極23とで発光機能層22が挟持されている部分のみが、有機電界発光素子20における発光領域となる。
また、以上のような層構成においては、透明電極10の低抵抗化を図ることを目的とし、透明電極10の導電層14に接して補助電極が設けられていてもよい。
(タンデム構造)
また、有機電界発光素子20としては、少なくとも1層の発光層を含む発光ユニットを複数積層した、いわゆるタンデム構造の素子であってもよい。
タンデム構造の代表的な素子構成としては、例えば以下の構成を挙げることができる。
陽極/第1発光ユニット/中間層/第2発光ユニット/中間層/第3発光ユニット/陰極
ここで、上記第1発光ユニット、第2発光ユニット及び第3発光ユニットは全て同じであってもよく、異なっていてもよい。また、2つの発光ユニットが同じであり、残る1つが異なっていてもよい。
複数の発光ユニットは直接積層されていても、中間層を介して積層されていてもよく、中間層は、一般的に中間電極、中間導電層、電荷発生層、電子引抜層、接続層、中間絶縁層とも呼ばれ、陽極側の隣接層に電子を、陰極側の隣接層に正孔を供給する機能を持った層であれば、公知の材料構成を用いることができる。
中間層に用いられる材料としては、例えば、ITO(インジウム・錫酸化物)、IZO(インジウム・亜鉛酸化物)、ZnO、TiN、ZrN、HfN、TiO、VO、CuI、InN、GaN、CuAlO、CuGaO、SrCu、LaB、RuO、Al、Li等の導電性無機化合物層や、Au/Bi等の2層膜や、SnO/Ag/SnO、ZnO/Ag/ZnO、Bi/Au/Bi、TiO/TiN/TiO、TiO/ZrN/TiO等の多層膜、またC60等のフラーレン類、オリゴチオフェン等の導電性有機物層、金属フタロシアニン類、無金属フタロシアニン類、金属ポルフィリン類、無金属ポルフィリン類等の導電性有機化合物層等が挙げられる。
発光ユニット内の好ましい構成としては、例えば上記の代表的な素子構成で挙げた(1)〜(7)の構成から、陽極と陰極を除いたもの等が挙げられる。
タンデム型の有機電界発光素子の具体例としては、例えば、米国特許第6,337,492号、米国特許第7,420,203号、米国特許第7,473,923号、米国特許第6,872,472号、米国特許第6,107,734号、米国特許第6,337,492号、国際公開第2005/009087号、特開2006−228712号、特開2006−24791号、特開2006−49393号、特開2006−49394号、特開2006−49396号、特開2011−96679号、特開2005−340187号、特許第4711424号、特許第3496681号、特許第3884564号、特許第4213169号、特開2010−192719号、特開2009−076929号、特開2008−078414号、特開2007−059848号、特開2003−272860号、特開2003−045676号、国際公開第2005/094130号等に記載の素子構成や構成材料等が挙げられる。
以上のような構成の有機電界発光素子20は、有機材料等を用いて構成された発光機能層22の劣化を防止することを目的として、透明基板21上において後述する透明封止材で封止されている。この透明封止材は、接着剤を介して透明基板21側に固定されている。ただし、透明電極10及び対向電極23の端子部分は、透明基板21上において発光機能層22によって互いに絶縁性を保ちつつ、透明封止材から露出させた状態に配置される。
以下、上述した有機電界発光素子20を構成するための主要各層の詳細を、透明基板21、透明電極10、対向電極23、発光機能層22の発光層22c、発光機能層22の他の層、補助電極、及び封止材の順に説明する。その後、有機電界発光素子20の作製方法を説明する。
[透明基板]
透明基板21は、上述の図1に示す第1実施形態の透明電極10が設けられる基材のうち、光透過性を有する透明な材料が用いられる。
[透明電極(アノード側)]
透明電極10は、上述の第1実施形態の透明電極10であり、透明基板21側から順に、第1高屈折率層12、アルミニウム含有層13、導電層14、及び、第2高屈折率層15が順に形成された構成である。ここでは特に、透明電極10を構成する導電層14が実質的なアノードとなる。
[対向電極(カソード)]
対向電極23は、発光機能層22に電子を供給するためのカソードとして機能する導電層であり、金属、合金、有機又は無機の導電性化合物、及びこれらの混合物が用いられる。具体的には、金、アルミニウム、銀、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属、ITO、ZnO、TiO、SnO等の酸化物半導体等が挙げられる。
対向電極23は、これらの導電性材料を蒸着やスパッタリング等の方法により薄層を形成させることにより作製することができる。また、対向電極23としてのシート抵抗は、数百Ω/sq.以下が好ましく、厚さは通常5nm〜5μm、好ましくは5nm〜200nmの範囲で選ばれる。
[発光層]
本実施形態の有機電界発光素子20に用いられる発光層22cは、発光材料として例えば燐光発光化合物が含有されている。
この発光層22cは、電極又は電子輸送層22dから注入された電子と、正孔輸送層22bから注入された正孔とが再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層22cの層内であっても発光層22cにおける隣接する層との界面であってもよい。
このような発光層22cとしては、含まれる発光材料が発光要件を満たしていれば、その構成には特に制限はない。また、同一の発光スペクトルや発光極大波長を有する層が複数層あってもよい。この場合、各発光層22c間には非発光性の中間層(図示せず)を有していることが好ましい。
発光層22cの厚さの総和は1〜100nmの範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは、より低い電圧で駆動することができることから1〜30nmである。なお、発光層22cの厚さの総和とは、発光層22c間に非発光性の中間層が存在する場合には、当該中間層も含む厚さである。
複数層を積層した構成の発光層22cの場合、個々の発光層の厚さとしては、1〜50nmの範囲に調整することが好ましく、1〜20nmの範囲に調整することがより好ましい。積層された複数の発光層が、青、緑、赤のそれぞれの発光色に対応する場合、青、緑、赤の各発光層の厚さの関係については、特に制限はない。
以上のような発光層22cは、後述する発光材料やホスト化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の薄膜形成方法により形成することができる。
また発光層22cは、複数の発光材料を混合してもよく、また燐光発光材料と蛍光発光材料(蛍光ドーパント、蛍光性化合物ともいう)を同一発光層22c中に混合して用いてもよい。
発光層22cの構成として、発光ドーパント(発光性ドーパント化合物、ドーパント化合物、単にドーパントともいう)と、ホスト化合物(マトリックス材料、発光ホスト化合物、単にホストともいう)とを含有することが好ましい。
(1.発光ドーパント)
発光層22cに用いられる発光ドーパントとしては、蛍光発光性ドーパント(蛍光ドーパント、蛍光性化合物ともいう)、及び、リン光発光性ドーパント(リン光ドーパント、リン光性化合物ともいう)が好ましく用いられる。これらのうち、少なくとも1層の発光層22cがリン光発光ドーパントを含有することが好ましい。
発光層22c中の発光ドーパントの濃度については、使用される特定のドーパントおよびデバイスの必要条件に基づいて、任意に決定することができる。光ドーパントの濃度は、発光層22cの膜厚方向に対し、均一な濃度で含有されていてもよく、また任意の濃度分布を有していてもよい。
また、発光層22cは、複数種の発光ドーパントが含まれていてもよい。例えば、構造の異なるドーパント同士の組み合わせや、蛍光発光性ドーパントとリン光発光性ドーパントとを組み合わせて用いてもよい。これにより、任意の発光色を得ることができる。
有機電界発光素子20が発光する色は、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16において、分光放射輝度計CS−2000(コニカミノルタセンシング(株)製)で測定した結果をCIE色度座標に当てはめたときの色で決定される。
有機電界発光素子20は、1層又は複数層の発光層22cが、発光色の異なる複数の発光ドーパントを含有し、白色発光を示すことも好ましい。白色を示す発光ドーパントの組み合わせについては特に限定はないが、例えば青と橙や、青と緑と赤との組み合わせ等が挙げられる。
有機電界発光素子20における白色としては、2度視野角正面輝度を前述の方法により測定した際に、1000cd/mでのCIE1931表色系における色度がx=0.39±0.09、y=0.38±0.08の領域内にあることが好ましい。
(1−1.リン光発光性ドーパント)
リン光発光性ドーパントは、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には、室温(25℃)にてリン光発光する化合物であり、25℃においてリン光量子収率が0.01以上の化合物である。発光層22cに用いるリン光発光性ドーパントにおいて、好ましいリン光量子収率は0.1以上である。
上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できる。発光層22cに用いるリン光発光性ドーパントは、任意の溶媒のいずれかにおいて上記リン光量子収率(0.01以上)が達成されればよい。
リン光発光性ドーパントの発光は、原理として二種挙げられる。
一つは、キャリアが輸送されるホスト化合物上で、キャリアの再結合によるホスト化合物の励起状態が生成される。このエネルギーをリン光発光性ドーパントに移動させることでリン光発光性ドーパントからの発光を得るというエネルギー移動型である。もう一つは、リン光発光性ドーパントがキャリアトラップとなり、リン光発光性ドーパント上でキャリアの再結合が起こり、リン光発光性ドーパントからの発光が得られるというキャリアトラップ型である。いずれの場合においても、リン光発光性ドーパントの励起状態のエネルギーは、ホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件となる。
リン光発光性ドーパントは、有機電界発光素子20の発光層22cに使用される公知の材料から適宜選択して用いることができる。
公知のリン光発光性ドーパントの具体例としては、以下の文献に記載されている化合物等が挙げられる。
Nature 395,151 (1998)、Appl. Phys. Lett. 78, 1622 (2001)、Adv. Mater. 19, 739 (2007)、Chern. Mater. 17, 3532 (2005)、Adv. Mater. 17, 1059 (2005)、国際公開第2009100991号、国際公開第2008101842号、国際公開第2003040257号、米国特許公開第2006835469号、米国特許公開第20060202194号、米国特許公開第20070087321号、米国特許公開第20050244673号
Inorg. Chern. 40, 1704 (2001)、Chern. Mater. 16, 2480 (2004)、Adv. Mater. 16, 2003 (2004)、Angew. Chern. lnt. Ed. 2006, 45, 7800、Appl. Phys. Lett. 86, 153505 (2005)、Chern. Lett. 34, 592 (2005)、Chern. Commun. 2906 (2005)、Inorg. Chern. 42, 1248 (2003)、国際公開第2009050290号、国際公開第2002015645号、国際公開第2009000673号、米国特許公開第20020034656号、米国特許第7332232号、米国特許公開第20090108737号、米国特許公開第20090039776号、米国特許第6921915号、米国特許第6687266号、米国特許公開第20070190359号、米国特許公開第20060008670号、米国特許公開第20090165846号、米国特許公開第20080015355号、米国特許第7250226号、米国特許第7396598号、米国特許公開第20060263635号、米国特許公開第20030138657号、米国特許公開第20030152802号、米国特許第7090928号
Angew. Chern. lnt. Ed. 47, 1 (2008)、Chern. Mater. 18, 5119 (2006)、Inorg. Chern. 46, 4308 (2007)、Organometallics 23, 3745 (2004)、Appl. Phys. Lett. 74, 1361 (1999)、国際公開第2002002714号、国際公開第2006009024号、国際公開第2006056418号、国際公開第2005019373号、国際公開第2005123873号、国際公開第2005123873号、国際公開第2007004380号、国際公開第2006082742号、米国特許公開第20060251923号、米国特許公開第20050260441号、米国特許第7393599号、米国特許第7534505号、米国特許第7445855号、米国特許公開第20070190359号、米国特許公開第20080297033号、米国特許第7338722号、米国特許公開第20020134984号、米国特許第7279704号、米国特許公開第2006098120号、米国特許公開第2006103874号
国際公開第2005076380号、国際公開第2010032663号、国際公開第第2008140115号、国際公開第2007052431号、国際公開第2011134013号、国際公開第2011157339号、国際公開第2010086089号、国際公開第2009113646号、国際公開第2012020327号、国際公開第2011051404号、国際公開第2011004639号、国際公開第2011073149号、米国特許公開第2012228583号、米国特許公開第2012212126号、特開2012−069737号、特開2012−195554号、特開2009−114086号、特開2003−81988号、特開2002−302671号、特開2002−363552号
中でも、好ましいリン光発光性ドーパントとしては、Irを中心金属に有する有機金属錯体が挙げられる。さらに好ましくは、金属−炭素結合、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合の少なくとも1つの配位様式を含む錯体が好ましい。
以下、発光層22cに適用可能な公知のリン光発光性ドーパントの具体例(D1〜D81)を挙げるが、リン光発光性ドーパントはこれらに限定されず、その他の化合物を適用することもできる。
Figure 2014109265
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(1−2.蛍光発光性ドーパント)
蛍光発光性ドーパントは、励起一重項からの発光が可能な化合物であり、励起一重項からの発光が観測される限り特に限定されない。
蛍光発光性ドーパントしては、例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、フルオランテン誘導体、ペリレン誘導体、フルオレン誘導体、アリールアセチレン誘導体、スチリルアリーレン誘導体、スチリルアミン誘導体、アリールアミン誘導体、ホウ素錯体、クマリン誘導体、ピラン誘導体、シアニン誘導体、クロコニウム誘導体、スクアリウム誘導体、オキソベンツアントラセン誘導体、フルオレセイン誘導体、ローダミン誘導体、ピリリウム誘導体、ペリレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、又は希土類錯体系化合物等が挙げられる。
また、蛍光発光性ドーパントして、遅延蛍光を利用した発光ドーパント等を用いてもよい。
遅延蛍光を利用した発光ドーパントの具体例としては、例えば、国際公開第2011/156793号、特開2011−213643号、特開2010−93181号等に記載の化合物が挙げられる。
(2.ホスト化合物)
ホスト化合物は、発光層22cにおいて主に電荷の注入および輸送を担う化合物であり、有機電界発光素子20においてそれ自体の発光は実質的に観測されない。
好ましくは室温(25℃)においてリン光発光のリン光量子収率が、0.1未満の化合物であり、さらに好ましくは、リン光量子収率が0.01未満の化合物である。また、発光層22cに含有される化合物の内で、その層中での質量比が20%以上であることが好ましい。
また、ホスト化合物の励起状態エネルギーは、同一層内に含有される発光ドーパントの励起状態エネルギーよりも高いことが好ましい。
ホスト化合物は、単独で用いてもよく、または複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機電界発光素子20の高効率化が可能となる。
発光層22cに用いるホスト化合物としては、特に制限はなく、従来から有機電界発光素子に用いられる化合物を用いることができる。例えば、低分子化合物や、繰り返し単位を有する高分子化合物でもよく、或いは、ビニル基やエポキシ基のような反応性基を有する化合物でもよい。
公知のホスト化合物としては、正孔輸送能または電子輸送能を有しつつ、発光の長波長化を防ぎ、さらに、有機電界発光素子20を高温駆動時や素子駆動中の発熱に対する安定性の観点から、高いガラス転移温度(Tg)を有することが好ましい。ホスト化合物としては、Tgが90℃以上であることが好ましく、より好ましくは120℃以上である。
ここで、ガラス転移点(Tg)とは、DSC(Differential Scanning Colorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS−K−7121に準拠した方法により求められる値である。
有機電界発光素子20に用いられる、公知のホスト化合物の具体例としては、以下の文献に記載の化合物等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報、米国特許公開第20030175553号、米国特許公開第20060280965号、米国特許公開第20050112407号、米国特許公開第20090017330号、米国特許公開第20090030202号、米国特許公開第20050238919号、国際公開第2001039234号、国際公開第2009021126号、国際公開第2008056746号、国際公開第2004093207号、国際公開第2005089025号、国際公開第2007063796号、国際公開第2007063754号、国際公開第2004107822号、国際公開第2005030900号、国際公開第2006114966号、国際公開第2009086028号、国際公開第2009003898号、国際公開第2012023947号、特開2008−074939号、特開2007−254297号、EP2034538等である。
[電子注入層]
電子注入層22e(「陰極バッファー層」ともいう)は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために陰極と発光層との間に設けられる層である。電子注入層22eの一例は、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に記載されている。
有機EL素子において、電子注入層22eは必要に応じて設けられ、上述のように陰極と発光層との間、又は、陰極と電子輸送層との間に設けられる。
電子注入層22eはごく薄い膜であることが好ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1nm〜5nmの範囲が好ましい。また構成材料が断続的に存在する不均一な膜であってもよい。
電子注入層22eは、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されている。電子注入層22eに好ましく用いられる材料の具体例としては、ストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等に代表されるアルカリ金属化合物、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム等に代表されるアルカリ土類金属化合物、酸化アルミニウムに代表される金属酸化物、リチウム8−ヒドロキシキノレート(Liq)等に代表される金属錯体等が挙げられる。また、上述の電子輸送材料を用いることも可能である。
また、上記の電子注入層22eに用いられる材料は単独で用いてもよく、複数種を併用して用いてもよい。
[電子輸送層]
有機電界発光素子20に用いる電子輸送層22dとは、電子を輸送する機能を有する材料からなり、陰極より注入された電子を発光層22cに伝達する機能を有する。
電子輸送材料は単独で用いてもよく、また複数種を併用して用いてもよい。
電子輸送層22dの総厚については特に制限はないが、通常は2nm〜5μmの範囲であり、より好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
また、有機電界発光素子20においては、発光層22cで生じた光を電極から取り出す際、発光層22cから直接取り出される光と、光を取り出す電極と対極に位置する電極で反射されてから取り出される光とが、干渉を起こすことが知られている。光が陰極で反射される場合は、電子輸送層22dの総膜厚を数nm〜数μmの間で適宜調整することにより、この干渉効果を効率的に利用することが可能である。
一方で、電子輸送層22dの膜厚を厚くすると電圧が上昇しやすくなるため、特に膜厚が厚い場合においては、電子輸送層22dの電子移動度は10−5cm/Vs以上であることが好ましい。
電子輸送層22dに用いられる材料(以下、電子輸送材料という)としては、電子の注入性若しくは輸送性、又は、正孔の障壁性のいずれかを有していればよく、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。
例えば、含窒素芳香族複素環誘導体、芳香族炭化水素環誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、シロール誘導体等が挙げられる。
上記含窒素芳香族複素環誘導体としては、カルバゾール誘導体、アザカルバゾール誘導体(カルバゾール環を構成する炭素原子の1つ以上が窒素原子に置換)、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリダジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、アザトリフェニレン誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体等が挙げられる。
芳香族炭化水素環誘導体としては、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、トリフェニレン等が挙げられる。
また、配位子にキノリノール骨格やジベンゾキノリノール骨格を有する金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq3)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及び、これらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。
その他、メタルフリー若しくはメタルフタロシアニン、又は、それらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層22cの材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層22a、正孔輸送層22bと同様にn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
また、これらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
有機電界発光素子20では、ゲスト材料として電子輸送層22dにドープ材をドープして、n性の高い(電子リッチ)電子輸送層22dを形成してもよい。ドープ材としては、金属錯体及びハロゲン化金属等の金属化合物や、その他のn型ドーパントが挙げられる。このような構成の電子輸送層22dの具体例としては、例えば、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等の文献に記載されたものが挙げられる。
有機電界発光素子20に用いられる、公知の好ましい電子輸送材料の具体例としては、以下の文献に記載の化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
米国特許第6528187号 、米国特許第7230107号、米国特許公開第20050025993号 、米国特許公開第20040036077号 、米国特許公開第20090115316号 、米国特許公開第20090101870号 、米国特許公開第20090179554号 、国際公開第2003060956号、国際公開第2008132085号、Appl. Phys. Lett. 75, 4 (1999)、Appl. Phys. Lett. 79, 449 (2001)、Appl. Phys. Lett. 81, 162 (2002)、Appl. Phys. Lett. 81, 162 (2002)、Appl. Phys. Lett. 79, 156 (2001)、米国特許第7964293号、米国特許公開第2009030202号、国際公開第2004080975号、国際公開第2004063159号、国際公開第2005085387号、国際公開第2006067931号、国際公開第2007086552号、国際公開第2008114690号、国際公開第2009069442号、国際公開第2009066779号、国際公開第2009054253号、国際公開第2011086935号、国際公開第2010150593号、国際公開第2010047707号、EP2311826号、特開2010−251675号、特開2009−209133号、特開2009−124114号、特開2008−277810号、特開2006−156445号、特開2005−340122号、特開2003−45662号、特開2003−31367号、特開2003−282270号、国際公開第2012115034号等
より好ましい電子輸送材料としては、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、トリアジン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、カルバゾール誘導体、アザカルバゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体が挙げられる。
[正孔輸送層]
正孔輸送層22bは、正孔を輸送する機能を有する材料からなる。正孔輸送層22bは、陽極より注入された正孔を発光層22cに伝達する機能を有する層である。
有機電界発光素子20において、正孔輸送層22bの総膜厚に特に制限はないが、通常は5nm〜5μmの範囲であり、より好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
正孔輸送層22bに用いられる材料(以下、正孔輸送材料という)は、正孔の注入性または輸送性、電子の障壁性のいずれかを有していればよい。正孔輸送材料は、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。正孔輸送材料は単独で用いてもよく、また複数種を併用して用いてもよい。
正孔輸送材料は、例えば、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、トリアリールアミン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、イソインドール誘導体、アントラセンやナフタレン等のアセン系誘導体、フルオレン誘導体、フルオレノン誘導体、ポリビニルカルバゾール、芳香族アミンを主鎖若しくは側鎖に導入した高分子材料又はオリゴマー、ポリシラン、導電性ポリマー又はオリゴマー(例えばPEDOT:PSS、アニリン系共重合体、ポリアニリン、ポリチオフェン等)等が挙げられる。
トリアリールアミン誘導体としては、α−NPDに代表されるベンジジン型や、MTDATAに代表されるスターバースト型、トリアリールアミン連結コア部にフルオレンやアントラセンを有する化合物等が挙げられる。
また、特表2003−519432号公報や特開2006−135145号公報等に記載されているヘキサアザトリフェニレン誘導体も正孔輸送材料として用いることができる。
さらに、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層22bを用いることもできる。例えば、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報の各公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載された構成を正孔輸送層22bに適用することもできる。
また、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような、所謂p型正孔輸送材料やp型−Si、p型−SiC等の無機化合物を用いることもできる。さらにIr(ppy)に代表されるような中心金属にIrやPtを有するオルトメタル化有機金属錯体も好ましく用いられる。
正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、トリアリールアミン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、アザトリフェニレン誘導体、有機金属錯体、芳香族アミンを主鎖若しくは側鎖に導入した高分子材料又はオリゴマー等が好ましく用いられる。
有機電界発光素子20に用いられる正孔輸送材料の具体例としては、上記で挙げた文献の他、以下の文献に記載の化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
Appl. Phys. Lett. 69, 2160 (1996)、J. Lumin. 72-74, 985 (1997)、Appl. Phys. Lett. 78, 673 (2001)、Appl. Phys. Lett. 90, 183503 (2007)、Appl. Phys. Lett. 90, 183503 (2007)、Appl. Phys. Lett. 51, 913 (1987)、Synth. Met. 87, 171 (1997)、Synth. Met. 91, 209 (1997)、Synth. Met. 111,421 (2000)、SID Symposium Digest, 37, 923 (2006)、J. Mater. Chern. 3, 319 (1993)、Adv. Mater. 6, 677 (1994)、Chern. Mater. 15,3148 (2003)、米国特許公開第20030162053号、米国特許公開第20020158242号、米国特許公開第20060240279号、米国特許公開第20080220265号、米国特許第5061569号、国際公開第2007002683号、国際公開第2009018009号、EP650955、米国特許公開第20080124572号、米国特許公開第20070278938号、米国特許公開第20080106190号、米国特許公開第20080018221号、国際公開第2012115034号、特表2003−519432号公報、特開2006−135145号、米国特許出願番号13/585981号
[電子阻止層]
電子阻止層は、広い意味では正孔輸送層22bの機能を有する層である。好ましくは、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が小さい材料からなる。電子阻止層は、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで、電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
また、上述の正孔輸送層22bの構成を必要に応じて、有機電界発光素子20の電子阻止層として用いることができる。有機電界発光素子20に設ける電子阻止層は、発光層22cの陽極側に隣接して設けられることが好ましい。
電子阻止層の厚さとしては、好ましくは3〜100nmの範囲であり、更に好ましくは5〜30nmの範囲である。
電子阻止層に用いられる材料としては、上述の正孔輸送層22bに用いられる材料が好ましく用いることができる。また、上述のホスト化合物として用いられる材料も、電子阻止層として好ましく用いることができる。
[正孔注入層]
正孔注入層22a(「陽極バッファー層」ともいう)は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために陽極と発光層22cとの間に設けられる層である。正孔注入層22aの一例は、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に記載されている。
正孔注入層22aは必要に応じて設けられ、上述のように陽極と発光層22cとの間、又は、陽極と正孔輸送層22bとの間に設けられる。
正孔注入層22aは、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されている。
正孔注入層22aに用いられる材料は、例えば上述の正孔輸送層22bに用いられる材料等が挙げられる。中でも、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニン誘導体、特表2003−519432や特開2006−135145等に記載されているようなヘキサアザトリフェニレン誘導体、酸化バナジウムに代表される金属酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体等に代表されるオルトメタル化錯体、トリアリールアミン誘導体等が好ましい。
上述の正孔注入層22aに用いられる材料は単独で用いてもよく、また複数種を併用して用いてもよい。
[補助電極]
補助電極は、透明電極10の抵抗を下げる目的で設けられ、透明電極10の導電層14に接して設けられる。補助電極を形成する材料は、金、白金、銀、銅、アルミニウム等の抵抗が低い金属が好ましい。これらの金属は光透過性が低いため、光取り出し面からの発光光hの取り出しの影響のない範囲でパターン形成される。このような補助電極の形成方法としては、蒸着法、スパッタリング法、印刷法、インクジェット法、エアロゾルジェット法などが挙げられる。補助電極の線幅は、光を取り出す開口率の観点から50μm以下であることが好ましく、補助電極の厚さは、導電性の観点から1μm以上であることが好ましい。
[封止材]
封止材は、有機電界発光素子20を覆うものであって、板状(フィルム状)の封止部材であって接着剤によって透明基板21側に固定されていてもよく、封止層であってもよい。この封止材は、有機電界発光素子20における透明電極10及び対向電極23の端子部分を露出させる状態で、少なくとも発光機能層22を覆う状態で設けられている。また封止材に電極を設け、有機電界発光素子20の透明電極10及び対向電極23の端子部分と、この電極とを導通させるように構成されていてもよい。
板状(フィルム状)の封止材としては、具体的には、ガラス基板、ポリマー基板が挙げられ、これらの基板材料をさらに薄型のフィルム状にして用いてもよい。ガラス基板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。また、ポリマー基板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。
なかでも、素子を薄型化できるということから、封止材として薄型のフィルム状にしたポリマー基板を好ましく使用することができる。
さらには、フィルム状としたポリマー基板は、JIS−K−7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3ml/(m・24h・atm)以下、JIS−K−7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下であることが好ましい。
また、以上のような基板材料は、凹板状に加工して封止材として用いてもよい。この場合、上述した基板部材に対してサンドブラスト加工、化学エッチング加工等の加工が施され、凹状が形成される。
また、これに限らず、金属材料を用いてもよい。金属材料としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブデン、シリコン、ゲルマニウム及びタンタルからなる群から選ばれる一種以上の金属又は合金が挙げられる。このような金属材料は、薄型のフィルム状にして封止材として用いることにより、有機電界発光素子が設けられた発光パネル全体を薄型化できる。
また、このような板状の封止材を透明基板21側に固定するための接着剤は、封止材と透明基板21との間に挟持された有機電界発光素子20を封止するためのシール剤として用いられる。このような接着剤は、具体的には、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型等の接着剤を挙げることができる。
また、このような接着剤としては、エポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混合)を挙げることができる。また、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを挙げることができる。また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。
なお、有機電界発光素子20を構成する有機材料は、熱処理により劣化する場合がある。このため、室温から80℃までに接着硬化できる接着剤を使用することが好ましい。また、接着剤中に乾燥剤を分散させておいてもよい。
封止材と透明基板21との接着部分への接着剤の塗布は、市販のディスペンサーを使ってもよいし、スクリーン印刷のように印刷してもよい。
また、板状の封止材と透明基板21と接着剤との間に隙間が形成される場合、この間隙には、気相及び液相では、窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また真空とすることも可能である。また、内部に吸湿性化合物を封入することもできる。
吸湿性化合物としては、例えば、金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト等)、金属ハロゲン化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、フッ化セシウム、フッ化タンタル、臭化セリウム、臭化マグネシウム、沃化バリウム、沃化マグネシウム等)、過塩素酸類(例えば、過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウム等)等が挙げられ、硫酸塩、金属ハロゲン化物及び過塩素酸類においては無水塩が好適に用いられる。
一方、封止材として封止層を用いる場合、有機電界発光素子20における発光機能層22を完全に覆い、かつ有機電界発光素子20における透明電極10及び対向電極23の端子部分を露出させる状態で、透明基板21上に封止層が設けられる。
このような封止層は、無機材料や有機材料を用いて構成される。特に、水分や酸素等、有機電界発光素子20における発光機能層22の劣化をもたらす物質の浸入を抑制する機能を有する材料で構成されることとする。このような材料として、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等の無機材料が用いられる。さらに封止層の脆弱性を改良するために、これら無機材料からなる層と共に、有機材料からなる層を用いて積層構造としてもよい。
これらの層の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。
[保護層、保護板]
尚、ここでの図示は省略したが、透明基板21との間に有機電界発光素子EL及び封止材を挟んで保護層若しくは保護板を設けてもよい。この保護層若しくは保護板は、有機電界発光素子ELを機械的に保護するためのものであり、特に封止材が封止層である場合には、有機電界発光素子ELに対する機械的な保護が十分ではないため、このような保護層若しくは保護板を設けることが好ましい。
以上のような保護層若しくは保護板は、ガラス板、ポリマー板、これよりも薄型のポリマーフィルム、金属板、これよりも薄型の金属フィルム、又はポリマー材料膜や金属材料膜が適用される。このうち特に、軽量かつ薄型化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
また、有機電界発光素子20は、発光光hの室温における外部取り出し効率は、1%以上であることが好ましく、5%以上であるとより好ましい。ここで、外部取り出し量子効率(%)=有機電界発光素子の外部に取り出された光子数/有機電界発光素子に流した電子数×100である。また、光取りだし側に配置する状態で、カラーフィルター等の色相改良フィルター等を併用しても、有機電界発光素子20からの発光色を、蛍光体を用いて多色へ変換する色変換フィルターを併用してもよい。
[有機電界発光素子の作製方法]
ここでは一例として、図2に示す有機電界発光素子20の製造方法を説明する。
まず、透明基板21上に、第1高屈折率層12を30nm程度の厚さに形成する。次に、アルミニウム含有層13を、0.5nm〜5nmの厚さに形成する。その後、銀(又は銀を主成分とした合金)からなる導電層14を3nm〜15nmとなるように形成する。次に、導電層14上に第2高屈折率層15を20nm程度の厚さに形成し、アノード側の透明電極10を透明基板21上に作製する。
導電層14の形成は、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法、蒸着法(抵抗加熱、EB法等)、スパッタリング法、CVD法等があるが、均質な層が得られやすく、且つピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法が特に好ましい。
また、アルミニウム含有層13の形成は、蒸着法(抵抗加熱、EB法等)、スパッタリング法等があるが、均質な層が得られやすく、且つピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法が特に好ましい。導電層14の形成前後には、必要に応じて補助電極のパターン形成を行ってもよい。
また、第1高屈折率層12、第2高屈折率層15の形成は、蒸着法(EB法等)、スパッタリング法等があるが、緻密な層が得られやすい点から、イオンアシストEB蒸着法又はスパッタリング法が特に好ましい。
次にこの上に、正孔注入層22a、正孔輸送層22b、発光層22c、電子輸送層22d、電子注入層22eの順に形成し、発光機能層22を形成する。これらの各層の形成は、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、蒸着法、スパッタ法、印刷法等があるが、均質な層が得られやすく、且つピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法又はスピンコート法が特に好ましい。さらに層ごとに異なる形成方法を適用してもよい。これらの各層の形成に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は使用する化合物の種類等により異なるが、一般に化合物を収蔵したボート加熱温度50℃〜450℃、真空度10−6Pa〜10−2Pa、蒸着速度0.01nm/秒〜50nm/秒、基板温度−50℃〜300℃、厚さ0.1μm〜5μmの範囲で、各条件を適宜選択することが望ましい。
次に、カソードとなる対向電極23を、蒸着法やスパッタ法などの適宜の形成方法によって形成する。この際、発光機能層22によって透明電極10に対して絶縁状態を保ちつつ、発光機能層22の上方から透明基板21の周縁に端子部分を引き出した形状にパターン形成する。
これにより、有機電界発光素子20が得られる。また、その後には、有機電界発光素子20における透明電極10及び対向電極23の端子部分を露出させた状態で、少なくとも発光機能層22を覆う封止材を設ける。この際、接着剤を用いて、封止材を透明基板21側に接着し、これらの封止材−透明基板21間に有機電界発光素子20を封止する。
以上により、透明基板21上に所望の有機電界発光素子20が得られる。このような有機電界発光素子20の作製においては、一回の真空引きで一貫して発光機能層22から対向電極23まで作製するのが好ましいが、途中で真空雰囲気から透明基板21を取り出して異なる形成法を施しても構わない。その際、作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行う等の配慮が必要となる。
このようにして得られた有機電界発光素子20に直流電圧を印加する場合には、アノードである導電層14を+の極性とし、カソードである対向電極23を−の極性として、電圧2V以上40V以下程度を印加すると発光が観測できる。また交流電圧を印加してもよい。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
[有機電界発光素子の効果]
以上説明した有機電界発光素子20は、上述の第1実施形態の導電性と光透過性とを兼ね備えた透明電極10をアノードとして用い、この上部に発光機能層22とカソードとなる対向電極23とをこの順に設けた構成である。このため、透明電極10と対向電極23との間に十分な電圧を印加して有機電界発光素子20での高輝度発光を実現しつつ、透明電極10側からの発光光hの取り出し効率が向上することによる高輝度化を図ることが可能である。さらに、所定輝度を得るための駆動電圧の低減による発光寿命の向上を図ることも可能になる。また、導電層14上に緻密な第2高屈折率層15を備える信頼性の高い透明電極を有することにより、有機電界発光素子20の信頼性の向上を図ることが可能である。
なお、上述の実施形態では、第1高屈折率層、アルミニウム含有層、導電層、及び、第2高屈折率層からなる透明電極をボトミエミッション型の有機電界発光素子に適用した構成について説明しているが、この透明電極が適用される有機電界発光素子は、ボトムエミッション型に限られず、例えば、対向電極側から光を取り出すトップエミッション型の構成や、両面から光を取り出す両面発光型の構成としてもよい。有機電界発光素子がトップエミッション型であれば、対向電極に透明な材料を用いると共に、透明電極の基材に換えて反射性を有する不透明な基材を用い、発光光hを基板で反射させて対向電極側から取り出す構成としてもよい。また、有機電界発光素子が両面発光型であれば、対向電極に透明電極と同様に透明な材料を用い、発光光hを両面から取り出す構成としてもよい。
また、ボトミエミッション型、トップエミッション型及び両面発光型の有機電界発光素子においても、上述の第2実施形態の有機電界発光素子のように、透明電極をアノードとする構成以外にも、透明電極をカソードとする構成にも適用可能である。
[有機電界発光素子の用途]
上述した各実施形態の有機電界発光素子は、上述したように面発光体であるため各種の発光光源として用いることができる。例えば、家庭用照明や車内照明などの照明装置、時計や液晶用のバックライト、看板広告用照明、信号機の光源、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるが、これに限定するものではなく、特にカラーフィルターと組み合わせた液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
また、各実施形態の有機電界発光素子は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用してもよいし、画像を投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。この場合、近年の照明装置およびディスプレイの大型化にともない、有機電界発光素子を設けた発光パネル同士を平面的に接合する、いわゆるタイリングによって発光面を大面積化してもよい。
動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は、単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式でもアクティブマトリクス方式でもどちらでもよい。また異なる発光色を有する本発明の有機電界発光素子を2種以上使用することにより、カラーまたはフルカラー表示装置を作製することが可能である。
〈3.照明装置(第3実施形態)〉
[照明装置−1]
本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、電子デバイスの一例として上述の第2実施形態の有機電界発光素子を用いた照明装置について説明する。
本実施形態の照明装置に用いる有機電界発光素子は、上述した第2実施形態の構成の有機電界発光素子に共振器構造を持たせた設計としてもよい。共振器構造として構成された有機電界発光素子の使用目的としては、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるが、これらに限定されない。また、レーザー発振をさせることにより上記用途に使用してもよい。
なお、有機電界発光素子に用いられる材料は、実質的に白色の発光を生じる有機電界発光素子(白色有機電界発光素子ともいう)に適用できる。例えば、複数の発光材料により複数の発光色を同時に発光させて混色により白色発光を得ることもできる。複数の発光色の組み合わせとしては、赤色、緑色、青色の3原色の3つの発光極大波長を含有させてもよいし、青色と黄色、青緑と橙色等の補色の関係を利用した2つの発光極大波長を含有させてもよい。
また、複数の発光色を得るための発光材料の組み合わせは、複数のリン光又は蛍光で発光する材料の組み合わせや、蛍光又はリン光で発光する発光材料と、発光材料からの光を励起光として発光する色素材料との組み合わせでもよい。白色有機電界発光素子においては、発光ドーパントを複数組み合わせて混合してもよい。
このような白色有機電界発光素子は、各色発光の有機電界発光素子をアレー状に個別に並列配置して白色発光を得る構成と異なり、有機電界発光素子自体が白色を発光する。このため、素子を構成するほとんどの層の形成にマスクを必要とせず、一面に蒸着法、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法等で例えば導電層を形成でき、生産性も向上する。
また、このような白色有機電界発光素子の発光層に用いる発光材料としては、特に制限はなく、例えば液晶表示素子におけるバックライトであれば、CF(カラーフィルター)特性に対応した波長範囲に適合するように、上述の有機電界発光素子の実施形態に記載の金属錯体、また公知の発光材料の中から任意の材料を選択して組み合わせて白色化すればよい。
以上に説明した白色有機電界発光素子を用いれば、実質的に白色の発光を生じる照明装置を作製することが可能である。
[照明装置−2]
また、照明装置は、例えば有機電界発光素子を複数用いることにより、発光面を大面積化することもできる。この場合、透明基板上に有機電界発光素子を設けた複数の発光パネルを、支持基板上に複数配列する(すなわちタイリングする)ことによって発光面を大面積化する。支持基板は、封止材を兼ねるものであってもよく、この支持基板と、発光パネルの透明基板との間に有機電界発光素子を挟持する状態で各発光パネルをタイリングする。支持基板と透明基板との間には接着剤を充填し、これによって有機電界発光素子を封止してもよい。尚、発光パネルの周囲には、透明電極及び対向電極の端子を露出させておく。
このような構成の照明装置では、各発光パネルの中央が発光領域となり、発光パネル間には非発光領域が発生する。このため、非発光領域からの光取り出し量を増加させるための光取り出し部材を、光取り出し面の非発光領域に設けてもよい。光取り出し部材としては、集光シートや光拡散シートを用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[透明電極の作製]
試料101〜126の各透明電極を、導電性領域の面積が5cm×5cmとなるように作製した。下記表1には、試料101〜126の各透明電極における各層の構成を示した。
[試料101〜103の透明電極の作製]
以下のようにして、ガラス製の基材上に、下記表1に示すそれぞれの厚さで銀からなる導電層を形成し、試料101〜103の各透明電極を得た。
まず、透明な無アルカリガラス製の基材を、市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、当該真空槽内に取り付けた。次に、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、抵抗加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で、銀からなる導電層をそれぞれの厚さで形成した。試料101では厚さ6nmで形成し、試料102では厚さ8nmで形成し、試料103では厚さ15nmで形成した。
[試料104の透明電極の作製]
以下のようにして、ガラス製の基材上に、アルミニウム(Al)からなるアルミニウム含有層を1nmの厚さで形成し、この上部に銀からなる導電層を8nmの厚さで形成し、試料104の透明電極を得た。
まず、透明な無アルカリガラス製の基材を、市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、真空蒸着装置の第1真空槽に取り付けた。次に、タングステン製の抵抗加熱ボートにアルミニウムを入れ、真空蒸着装置の第1真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、真空蒸着装置の第2真空槽に取り付けた。
次に、真空蒸着装置の第1真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、Alの入った抵抗加熱ボートを通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で高屈折率層上にアルミニウム含有層を1nmの厚さで設けた。
次に、アルミニウム含有層まで形成した基材を第2真空槽に移し、第2真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銀の入った抵抗加熱ボートを通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で厚さ8nmの銀からなる導電層を形成した。
[試料105〜107の透明電極の作製]
以下のようにして、ガラス製の基材上に、二酸化チタン(TiO)からなる高屈折率層を30nmの厚さで形成し、この上部に銀からなる導電層を下記表1に示すそれぞれの厚さで形成し、試料105〜107の各透明電極を得た。
まず、透明な無アルカリガラス製の基材を電子ビーム蒸着装置の基材ホルダーに固定し、酸化チタン(TiO)を加熱ボートに入れ、これらの基板ホルダーと加熱ボートとを電子ビーム蒸着装置の真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。
次に、電子ビーム蒸着装置の真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、二酸化チタン(TiO)の入った加熱ボートに電子ビームを照射して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で基材上に厚さ30nmの二酸化チタンからなる高屈折率層を設けた。
次に、高屈折率層まで形成した基材を真空蒸着装置の真空槽に移し、当該真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銀の入った抵抗加熱ボートを通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で、銀からなる導電層をそれぞれの厚さで形成した。試料105では厚さ6nmで形成し、試料106では厚さ8nmで形成し、試料107では厚さ15nmで形成した。
[試料108,109の透明電極の作製]
以下のようにして、ガラス製の基材上に、二酸化チタン(TiO)からなる第1高屈折率層を30nmの厚さで形成し、この上部に銀からなる導電層を下記表1に示すそれぞれの厚さで形成した。さらに、導電層上に、二酸化チタン(TiO)からなる第2高屈折率層を20nmの厚さで形成し、試料108,109の各透明電極を得た。
まず、透明な無アルカリガラス製の基材を電子ビーム蒸着装置の基材ホルダーに固定し、酸化チタン(TiO)を加熱ボートに入れ、これらの基板ホルダーと加熱ボートとを電子ビーム蒸着装置の真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。
次に、電子ビーム蒸着装置の真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、二酸化チタン(TiO)の入った加熱ボートに電子ビームを照射して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で基材上に厚さ30nmの二酸化チタンからなる第1高屈折率層を設けた。
次に、第1高屈折率層まで形成した基材を真空蒸着装置の真空槽に移し、当該真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銀の入った抵抗加熱ボートを通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で、銀からなる導電層をそれぞれの厚さで形成した。試料108では厚さ8nmで形成し、試料109では厚さ15nmで形成した。
次に、導電層まで形成した基材を、再び電子ビーム蒸着装置の真空槽に移し、電子ビーム蒸着装置の真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、二酸化チタン(TiO)の入った加熱ボートに電子ビームを照射して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で基材上に厚さ20nmの二酸化チタンからなる第2高屈折率層を設けた。
[試料110の透明電極の作製]
以下のようにして、ガラス製の基材上に、二酸化チタン(TiO)からなる第1高屈折率層を30nmの厚さで形成し、この上部にアルミニウム(Al)からなるアルミニウム含有層を0.1nmの厚さで形成し、この上部に銀からなる導電層を8nmの厚さで形成した。さらに、導電層上に、酸化ニオブ(Nb)からなる第2高屈折率層を20nmの厚さで形成し、試料110の透明電極を得た。
まず、透明な無アルカリガラス製の基材を電子ビーム蒸着装置の基材ホルダーに固定し、酸化チタン(TiO)を加熱ボートに入れ、これらの基板ホルダーと加熱ボートとを電子ビーム蒸着装置の第1真空槽に取り付けた。また、酸化ニオブ(Nb)を加熱ボートに入れ、当該加熱ボートを電子ビーム蒸着装置の第2真空槽に取り付けた。
次に、タングステン製の抵抗加熱ボートにアルミニウムを入れ、真空蒸着装置の第1真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、真空蒸着装置の第2真空槽に取り付けた。
次に、電子ビーム蒸着装置の第1真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、二酸化チタン(TiO)の入った加熱ボートに電子ビームを照射して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で基材上に厚さ30nmの二酸化チタンからなる第1高屈折率層を設けた。
次に、第1高屈折率層まで形成した基材を真空蒸着装置の第1真空槽に移し、当該真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、Alの入った抵抗加熱ボートを通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で高屈折率層上にアルミニウム含有層を0.1nmの厚さで設けた。
次に、アルミニウム含有層まで形成した基材を第2真空槽に移し、第2真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銀の入った抵抗加熱ボートを通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で厚さ8nmの銀からなる導電層を形成した。
次に、導電層まで形成した基材を、再び電子ビーム蒸着装置の第2真空槽に移し、電子ビーム蒸着装置の真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、酸化ニオブ(Nb)の入った加熱ボートに電子ビームを照射して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で基材上に厚さ20nmの酸化ニオブ(Nb)からなる第2高屈折率層を設けた。
[試料111の透明電極の作製]
第2高屈折率層に用いる材料を二酸化チタン(TiO)とした以外は、上記試料110と同様の手順で試料111の透明電極を得た。
[試料112〜114の透明電極の作製]
アルミニウム含有層の厚さを、下記表1に示すそれぞれの厚さで形成した以外は、上記試料111と同様の手順で試料112〜114の各透明電極を得た。試料112ではアルミニウム含有層の厚さを1nmで形成し、試料113ではアルミニウム含有層の厚さを5nmで形成し、試料114ではアルミニウム含有層の厚さを10nmで形成した。
[試料115の透明電極の作製]
アルミニウム含有層に用いる材料を、TiAl合金(組成比Ti:Al=1:1)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料115の透明電極を得た。
[試料116の透明電極の作製]
アルミニウム含有層に用いる材料を、酸化アルミニウム(Al)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料116の透明電極を得た。
[試料117の透明電極の作製]
アルミニウム含有層に用いる材料を、窒化アルミニウム(AlN)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料117の透明電極を得た。
[試料118の透明電極の作製]
基材を、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の透明基板とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料118の透明電極を得た。
[試料119の透明電極の作製]
第1高屈折率層に用いる材料を酸化ニオブ(Nb)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料119の透明電極を得た。
[試料120の透明電極の作製]
第1高屈折率層に用いる材料を酸化タンタル(Ta)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料120の透明電極を得た。
[試料121の透明電極の作製]
第1高屈折率層に用いる材料を酸化セリウム(CeO)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料121の透明電極を得た。
[試料122の透明電極の作製]
第1高屈折率層に用いる材料を酸化インジウムスズ(ITO)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料122の透明電極を得た。
[試料123の透明電極の作製]
第1高屈折率層に用いる材料をインジウム亜鉛酸化物(IZO)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料123の透明電極を得た。
[試料124,125,126の透明電極の作製]
導電層の厚さを、下記表1に示すそれぞれの厚さで形成した以外は、上記試料112と同様の手順で試料124,125,126の各透明電極を得た。試料124では導電層の厚さを6nmで形成し、試料125では導電層の厚さを15nmで形成し、試料126では導電層の厚さを12nmで形成した。
[実施例1の各試料の評価]
上記で作製した試料101〜126の各透明電極について、光透過率、シート抵抗値、及び、高温・高湿保存性を測定した。
光透過率の測定は、分光光度計(日立製作所製U−3300)を用い、試料と同じ基材をベースラインとして行った。
シート抵抗値の測定は、抵抗率計(三菱化学社製MCP−T610)を用い、4端子4探針法定電流印加方式で行った。
高温・高湿保存性の測定は、温度60℃、相対湿度90%RHの環境下に試料101〜126の各透明電極を7日間保存した後、抵抗率計(三菱化学社製MCP−T610)を用い、4端子4探針法定電流印加方式で、高温・高湿保存後抵抗を測定した。この高温・高湿保存後の試料について、高温・高湿保存性の抵抗値の上昇を、高温・高湿保存前の試料の抵抗値を100とする相対値として表1に示す。
結果を下記表1に示す。
Figure 2014109265
[実施例の評価結果]
表1に示す結果から、アルミニウム含有層と、第1及び第2高屈折率層を備える試料110〜126は、アルミニウム含有層又は高屈折率層を有していない試料101〜109に比べて、透過率、抵抗値、及び、高温・高湿保存性がすべて向上している。
アルミニウム含有層を有していない試料101〜103、試料105〜109は、透過率が低いことがわかる。これらは、アルミニウム含有層を備えていないことにより、導電層を構成するAgの凝集が起き、導電層の均一性が低下したためである。また、この試料101〜103、試料105〜109では、Agの凝集により抵抗値が大きく、導電層を15nmと厚く形成した試料103、試料107、及び、試料109以外は、抵抗値が測定できなかった。また、試料103、試料107、及び、試料109では、導電層が15nmと厚いため、透過率が他の試料よりも低下している。
試料104は、アルミニウム含有層を備えることにより、アルミニウム含有層を有していない試料101〜103、試料105〜109に比べて透過率が高い。しかし、高屈折率層を有していないため、アルミニウム含有層と第1及び第2高屈折率層とを備える試料110〜126に比べると、透過率が低い。
第1高屈折率層にTiOを用い、第2高屈折率層にNbを用いた試料110と、第1及び第2高屈折率層ともにTiOを用いた試料111とでは、透過率、抵抗値、及び、高温・高湿保存性がほぼ同じ値となっている。この結果から、試料の透過率、抵抗値、及び、高温・高湿保存性は、第1及び第2高屈折率層に用いる材料の屈折率に依存し、屈折率が同程度であれば異なる材料を用いても同様の結果が得られることがわかる。
導電層の厚さを一定とし、アルミニウム含有層の厚さを変化させた試料112〜114では、アルミニウム含有層の厚さが大きいほど抵抗値が小さく、アルミニウム含有層の厚さが小さいほど保存性が向上している。これは、アルミニウム含有層の厚さが大きくなるほど、アルミニウム含有層の表面の均一性が向上し、導電層を構成する薄銀層の均一性が向上するためである。また、アルミニウム含有層が厚くなることにより、酸化されやすいアルミニウムの特性の影響を受け、試料の保存性が低下したと考えられる。
また、導電層が同じ厚さの試料112と、試料105〜109とを比較すると、アルミニウム含有層を備える試料112に比べ、アルミニウム含有層を備えない試料105〜109では、透過率、及び、高温・高湿保存性が低下している。さらに、第1高屈折率層と第2高屈折率層とを有する試料108,109では、第1高屈折率層のみを有する試料105〜107に比べて透過率が向上している。
この結果から、アルミニウム含有層を有し、さらに、第1高屈折率層と第2高屈折率層とで、アルミニウム含有層及び導電層を挟持する構成とすることにより、アルミニウム含有層や2層の高屈折率層を有しない場合に比べて、透明電極の透過率が向上することがわかる。
試料115〜117は、アルミニウム含有層に用いる材料のみが異なっている。これらと試料112とを比較すると、アルミニウム含有層が、アルミニウム以外の、アルミニウム合金、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物で構成された場合にも、透過率が十分に高く、抵抗値が低い透明電極を構成することができる。
なお、アルミニウム酸化物を用いた試料116の透明電極は、抵抗値が他の試料よりも高い。これは、銀原子と安定的に結合するアルミニウム原子を含むと共に、銀原子と結合しにくい酸素原子を含むため、一部に銀の凝集が生じて導電層を構成する薄銀層の均一性が低下したためと考えられる。
基材としてPETフィルムを用いた試料118においても、試料112と同程度の結果が得られていることから、透明電極の基材としては、ガラスと同様に樹脂フィルムを用いることができる。
第2高屈折率層をTiOとし、第1高屈折率層の材料をNb、Ta、CeO、ITO、又は、IZOに変化させた試料119〜123は、試料112と同程度の結果が得られた。この結果から、試料110,111と同様に、試料の透過率、抵抗値、及び、保存性は、第1及び第2高屈折率層に用いる材料の屈折率に依存し、屈折率が同じであれば異なる材料を用いても同様の結果が得られることがわかる。
試料112から、導電層の厚さを6nm、15nm、12nmに変化させた試料124、試料125及び試料126を比較すると、導電層の厚さに依存して面抵抗が変化している。導電層の厚さが15nmで最も厚い試料125の面抵抗が最も小さく、導電層の厚さが最も薄い試料124の面抵抗が最も大きくなった。この結果から、導電層の厚さを大きくするほど、透明電極の導電性が向上することがわかる。
また、導電層を厚く形成した試料125と試料126は、試料112及び試料124に対して、透過率が低下している。この結果から、導電層が薄くなるほど、透明電極の透過率が向上することがわかる。
[ボトムエミッション型の有機電界発光素子の作製]
実施例1で作製した透明電極の試料101〜126を、アノードとして発光機能層の下部に設けたボトムエミッション型の有機電界発光素子(有機EL素子)の試料201〜228を作製した。図3を参照し、作製手順を説明する。尚、下記表2には、試料201〜228の有機電界発光素子に用いた透明電極の構成を示している。なお、各有機電界発光素子の試料201〜226には、試料番号の下2ケタが一致する実施例1の各試料101〜126の透明電極を用いた。また、試料227及び試料228には、実施例1の各試料112の透明電極を用いた。
[試料201〜226の有機電界発光素子の作製手順]
(透明電極の形成)
まず、試料201〜226の作製において、透明な無アルカリガラス製又はポリエチレンテレフタレート(PET)製の透明基板31の上部に、各透明電極32を形成した。各透明電極32の形成は、実施例1の試料101〜126と同様の手順で行った。
(正孔輸送・注入層の形成)
まず、正孔輸送注入材料として下記のα−NPDが入った加熱ボートに通電して加熱し、α−NPDよりなる正孔注入層と正孔輸送層とを兼ねた正孔輸送・注入層33を、透明電極32上に形成した。この際、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒、厚さ20nmとした。
Figure 2014109265
(発光層の形成)
次に、下記のホスト材料H4の入った加熱ボートと、下記の燐光発光性化合物Ir−4の入った加熱ボートとを、それぞれ独立に通電し、ホスト材料H4と燐光発光性化合物Ir−4とよりなる発光層34を、正孔輸送・注入層33上に形成した。この際、蒸着速度がホスト材料H4:燐光発光性化合物Ir−4=100:6となるように、加熱ボートの通電を調節した。また厚さ30nmとした。
Figure 2014109265
(正孔阻止層の形成)
次に、正孔阻止材料として下記のBAlqが入った加熱ボートに通電して加熱し、BAlqよりなる正孔阻止層35を、発光層34上に形成した。この際、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒、厚さ10nmとした。
Figure 2014109265
(電子輸送・注入層の形成)
その後、電子輸送材料として下記の化合物10の入った加熱ボートと、フッ化カリウムの入った加熱ボートとを、それぞれ独立に通電し、化合物10とフッ化カリウムとよりなる電子注入層と電子輸送層とを兼ねた電子輸送・注入層36を、正孔阻止層35上に形成した。この際、蒸着速度が化合物10:フッ化カリウム=75:25になるように、加熱ボートの通電を調節した。また厚さ30nmとした。
Figure 2014109265
(対向電極:カソードの形成)
以上の後には、発光機能層が形成された透明基板31を、真空蒸着装置の真空槽内に移送し、真空槽内を4×10−4Paまで減圧した後、真空槽内に取り付けられたアルミニウムの入った抵抗加熱ボートを通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.3nm/秒で厚さ100nmのアルミニウムからなる対向電極37を形成した。この対向電極37は、カソードとして用いられる。以上により透明基板31上に、ボトムエミッション型の有機電界発光素子30を形成した。
(素子の封止)
その後、有機電界発光素子30を、厚さ300μmのガラス基板からなる封止材で覆い、有機電界発光素子30を囲む状態で、透明封止材と透明基板31との間に接着剤(シール材)を充填した。接着剤としては、エポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を用いた。透明封止材と透明基板31との間に充填した接着剤に対して、ガラス基板(透明封止材)側からUV光を照射し、接着剤を硬化させて有機電界発光素子30を封止した 。
[試料227の有機電界発光素子の作製手順]
(透明電極の形成)
まず、試料227の作製において、透明な無アルカリガラス製の透明基板31の上部に、透明電極32を形成した。透明電極32の形成は、実施例1の試料112と同様の手順で行った。
(正孔輸送・注入層の形成)
まず、正孔輸送注入材料として下記の化合物M−2が入った加熱ボートに通電して加熱し、化合物M−2よりなる正孔注入層と正孔輸送層とを兼ねた正孔輸送・注入層33を、透明電極32上に形成した。この際、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒、厚さ40nmとした。
(発光層の形成)
次に、下記のホスト材料化合物H−1の入った加熱ボートと、蛍光発光性化合物BD−1の入った加熱ボートとにそれぞれ独立に通電し、化合物BD−1が5%の濃度になるように、蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、膜厚15nmの青色発光を呈する蛍光発光層を形成した。
次に、下記のホスト材料化合物H−2の入った加熱ボート、下記のリン光発光性化合物GD−1の入った加熱ボート、及び、下記のリン光発光性化合物RD−1の入った加熱ボートに、それぞれ独立に通電し、化合物GD−1が17%、RD−1が0.8%の濃度になるように蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、膜厚15nmの黄色を呈するリン光発光層を形成した。
以上の工程により、シングル構造の白色を呈する発光層34を形成した。
(電子輸送・注入層の形成)
その後、下記の化合物E−1の入った加熱ボートに通電し、蒸着速度0.1nm/秒で膜厚30nm形成した。さらに、フッ化リチウムの入った加熱ボートに通電し、蒸着速度0.1nm/秒で膜厚1.5nm形成した。これにより、化合物E−1とフッ化リチウムとからなる電子注入層と電子輸送層とを兼ねた電子輸送・注入層36を、発光層34上に形成した。
Figure 2014109265
Figure 2014109265
(対向電極:カソードの形成)
以上の後には、発光機能層が形成された透明基板31を、真空蒸着装置の真空槽内に移送し、真空槽内を4×10−4Paまで減圧した後、真空槽内に取り付けられたアルミニウムの入った抵抗加熱ボートを通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.3nm/秒で厚さ110nmのアルミニウムからなる対向電極37を形成した。この対向電極37は、カソードとして用いられる。以上により透明基板31上に、ボトムエミッション型の有機電界発光素子30を形成した。なお、試料227では、正孔阻止層35を形成していない。
(素子の封止)
その後、有機電界発光素子30を、厚さ300μmのガラス基板からなる封止材で覆い、有機電界発光素子30を囲む状態で、透明封止材と透明基板31との間に接着剤(シール材)を充填した。接着剤としては、エポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を用いた。透明封止材と透明基板31との間に充填した接着剤に対して、ガラス基板(透明封止材)側からUV光を照射し、接着剤を硬化させて有機電界発光素子30を封止した。
[試料228の有機電界発光素子の作製手順]
(透明電極の形成)
まず、試料228の作製において、透明な無アルカリガラス製の透明基板31の上部に、透明電極32を形成した。透明電極32の形成は、実施例1の試料112と同様の手順で行った。
(正孔輸送・注入層の形成)
まず、正孔輸送注入材料として上記の化合物M−2が入った加熱ボートに通電して加熱し、化合物M−2よりなる正孔注入層と正孔輸送層とを兼ねた正孔輸送・注入層33を、透明電極32上に形成した。この際、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒、厚さ40nmとした。
(発光層の形成)
次に、上記のホスト材料化合物H−1の入った加熱ボートと、蛍光発光性化合物BD−1の入った加熱ボートとにそれぞれ独立に通電し、化合物BD−1が5%の濃度になるように、蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、膜厚15nmの青色発光を呈する蛍光発光層を形成した。
次に、上記の化合物E−1が入った加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、膜厚30nmの電子輸送層を、蛍光発光層上に形成した。
さらに、電子輸送層上に、リチウムを1nmの膜厚に蒸着し、中間金属層を形成した。
次に、上記のホスト材料化合物H−2の入った加熱ボート、上記のリン光発光性化合物GD−1の入った加熱ボート、及び、上記のリン光発光性化合物RD−1の入った加熱ボートに、それぞれ独立に通電し、化合物GD−1が17%、RD−1が0.8%の濃度になるように蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、膜厚15nmの黄色を呈するリン光発光層を、中間金属層上に形成した。
以上の工程により、タンデム構造の白色を呈する発光層34を形成した。
(電子輸送・注入層の形成)
その後、上記の化合物E−1の入った加熱ボートに通電し、蒸着速度0.1nm/秒で膜厚30nm形成した。さらに、フッ化リチウムの入った加熱ボートに通電し、蒸着速度0.1nm/秒で膜厚1.5nm形成した。これにより、化合物E−1とフッ化リチウムとからなる電子注入層と電子輸送層とを兼ねた電子輸送・注入層36を、発光層34上に形成した。
(対向電極:カソードの形成)
以上の後には、発光機能層が形成された透明基板31を、真空蒸着装置の真空槽内に移送し、真空槽内を4×10−4Paまで減圧した後、真空槽内に取り付けられたアルミニウムの入った抵抗加熱ボートを通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.3nm/秒で厚さ110nmのアルミニウムからなる対向電極37を形成した。この対向電極37は、カソードとして用いられる。以上により透明基板31上に、ボトムエミッション型の有機電界発光素子30を形成した。なお、試料228では、正孔阻止層35を形成していない。
(素子の封止)
その後、有機電界発光素子30を、厚さ300μmのガラス基板からなる封止材で覆い、有機電界発光素子30を囲む状態で、透明封止材と透明基板31との間に接着剤(シール材)を充填した。接着剤としては、エポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を用いた。透明封止材と透明基板31との間に充填した接着剤に対して、ガラス基板(透明封止材)側からUV光を照射し、接着剤を硬化させて有機電界発光素子30を封止した。
尚、有機電界発光素子30の形成においては、各層の形成に蒸着マスクを使用し、5cm×5cmの透明基板31における中央の4.5cm×4.5cmを発光領域とし、発光領域の全周に幅0.25cmの非発光領域を設けた。また、アノードである透明電極32の導電層と、カソードである対向電極37とは、正孔輸送・注入層33から電子輸送・注入層36によって絶縁された状態で、透明基板31の周縁に端子部分を引き出された形状で形成した。
以上のようにして、透明基板31上に有機電界発光素子30を設け、これを透明封止材と接着剤とで封止した試料201〜228の有機電界発光素子の各発光パネルを得た。これらの各発光パネルにおいては、発光層34で発生した各色の発光光hが、透明基板31側から取り出される。
[実施例2の各試料の評価]
試料201〜228で作製した有機電界発光素子30について、駆動電圧、色度差、高温・高湿保存性、マイグレーション特性、及び、整流比を測定した。この結果を下記表2に合わせて示す。
駆動電圧の測定においては、各有機電界発光素子30の透明電極32側(すなわち透明基板31側)での正面輝度が1000cd/mとなるときの電圧を駆動電圧として測定した。なお、輝度の測定には分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング製)を用いた。得られた駆動電圧の数値が小さいほど、好ましい結果であることを表わす。
また色変化の測定においては、各有機電界発光素子30に2.5mA/cmの電流を加え、角度の異なる位置からCIE1931表色系における色度を測定した。この際、透明電極32側の発光面に対する法線方向となる0°の位置と、垂直水平(上下左右)方向にそれぞれ45°の各位置とで色度を測定した。角度の異なる位置において測定した色度の差を、色変化(Δxy)として下記表2に示した。色変化は、色度の視野角特性を表し、数値が小さいほど好ましい結果となる。
高温・高湿保存性は、試料201〜228の各有機EL素子を各10個用意し、これらを高温高湿環境下で保存した後の駆動電圧の変化量(ΔV)を評価した。高温高湿環境は、温度60℃、相対湿度90%RHとし、保存時間は300時間とした。保存中においては、各試料201〜228を、輝度が1000cdになる駆動電圧で駆動させた。駆動電圧の変化量ΔVは、各試料201〜228において保存後に発光が確認された各試料201〜228の駆動電圧の平均値を算出した。駆動電圧の変化量ΔVは、数値が小さいほど好ましい。
マイグレーション特性は、試料201〜228の各有機EL素子を各10個用意し、これらを高温高湿環境下で保存した後の発光個数(n/10個)を評価した。高温高湿環境の保存条件は、上記高温・高湿保存性試験と同様の条件で行った。発光個数(n/10個)は、各10個の試料201〜228のうち、300時間の保存後にも発光が確認された個数であり、10に近いほど好ましい。
整流比は、上述の高温・高湿保存後の各有機EL素子に対して、順方向に+2.5Vの駆動電圧を印加した場合の電流値と、逆方向に−2.5V駆動電圧を印加した場合の電流値を測定し、これらの電流値の比[電流値(+2.5V)/電流値(−2.5V)]の対数値を算出して整流比[log]とした。整流比[log]が高いほどリーク特性に優れていることを表す。
Figure 2014109265
[実施例2の評価結果]
表1に示す結果から、アルミニウム含有層と、第1及び第2高屈折率層を備える試料210〜228は、アルミニウム含有層又は高屈折率層を有していない試料201〜209に比べて、駆動電圧、色変化、高温・高湿保存性、及び、発光個数がすべて向上している。さらに、保存後の整流比も十分であり、高温・高湿保存後のリーク特性が優れている。これらの試料210〜228は、試料216、試料225を除き、駆動電圧が5V未満、色変化が0.025未満、高温・高圧保存性が1.0〜1.3、発光個数が10個であり、ほぼ同様の結果が得られた。
アルミニウム含有層として、アルミニウム酸化物を用いた試料216では、用いた当面電極(試料116)の抵抗値が高いため、駆動電圧が7Vとなり、試料210〜215,217〜228に比べて高い値となった。また、アルミニウム酸化物に含まれる酸素により、銀の凝集が一部生じて薄銀層の均一性が低下したため、色変化が0.06と高い値を示している。
また、導電層の厚さのみが異なる試料212、試料224〜226では、導電層を厚く形成した試料225と試料226が、導電層の厚さ以外が同じ構成の試料212及び試料224に比べて、色変化の結果が低下している。これは、導電層を構成するAgが厚いため、光学的な干渉が発生したと考えられる。この結果から、導電層が薄い 方が、光学的な特性が優れると考えられる。
アルミニウム含有層を有していない試料201〜203、試料205〜209は、導電層を15nmと厚く形成した試料203、試料207、及び、試料209以外、発光しなかった。また、試料203、試料207、及び、試料209においても、色変化が大きく、高温・高圧保存性が低い。さらに、高温・高湿保存下において、Agからなる導電層のマイグレーションにより、有機EL素子が短絡したため、発光個数が2個、4個に減少している。
以上の結果から、本発明の構成の透明電極を用いた有機電界発光素子は、低い駆動電圧での高輝度発光と安定した面発光が可能であることが確認された。また、これにより、所定輝度を得るための駆動電圧の低減と、発光寿命の向上が見込まれることが確認された。
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
10,32・・・透明電極、11・・・基材、12・・・第1高屈折率層、13・・・アルミニウム含有層、14・・・導電層、15・・・第2高屈折率層、20,30・・・有機電界発光素子、21,31・・・透明基板、22・・・発光機能層、22a・・・正孔注入層、22b・・・正孔輸送層、22c・・・発光層、22d・・・電子輸送層、22e・・・電子注入層、23・・・対向電極、33・・・正孔輸送・注入層、34・・・発光層、35・・・正孔阻止層、36・・・電子輸送・注入層

Claims (10)

  1. アルミニウム含有層と、
    前記アルミニウム含有層に隣接して設けられた銀を主成分とする導電層と、
    前記導電層と前記アルミニウム含有層とを挟持する第1高屈折率層、及び、第2高屈折率層と、を備える
    透明電極。
  2. 前記第1高屈折率層が、二酸化チタン又は酸化ニオブから構成されている請求項1に記載の透明電極。
  3. 前記第2高屈折率層が、二酸化チタン又は酸化ニオブから構成されている請求項1又は2に記載の透明電極。
  4. 前記アルミニウム含有層の厚さが5nm以下である請求項1〜3の何れか記載の透明電極。
  5. 前記アルミニウム含有層が、アルミニウムから構成されている請求項1〜4のいずれかに記載の透明電極。
  6. 前記アルミニウム含有層が、アルミニウムを主成分とする合金から構成されている請求項1〜4のいずれかに記載の透明電極。
  7. 前記アルミニウム含有層が、アルミニウム酸化物から構成されている請求項1〜4のいずれかに記載の透明電極。
  8. 前記アルミニウム含有層が、アルミニウム窒化物から構成されている請求項1〜4のいずれかに記載の透明電極。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の透明電極を有する
    電子デバイス。
  10. 前記電子デバイスが有機電界発光素子である請求項9記載の電子デバイス。
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