JP4133736B2 - 有機el素子 - Google Patents

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Description

本発明は有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子に関する。
有機EL素子は、低電圧で駆動でき、かつ高輝度の発光を実現できることから注目されており、有機EL素子についての研究および開発が盛んに行われている。有機EL素子は、一般に、有機材料を用いて形成された発光層を、少なくとも一方が透光性を有する一対の電極で挟んだ構造を有している。一対の電極の間には、必要に応じて、ホ−ル注入輸送層、電子注入輸送層等が設けられる。
有機EL素子は、例えば表示装置に用いることができる。表示装置の駆動方法には、単純マトリクス方式とアクティブマトリクス方式とがあるが、単純マトリクス方式の表示装置では、デューティー比の増大に応じて、各画素の瞬間輝度を高くする必要があるので、表示パネルが大型になると消費電力が増大するという問題がある。そこで、特に大型の表示パネルが必要な場合には、アクティブマトリクス方式が主に採用される。
有機EL素子を用いたアクティブマトリクス方式の表示装置は、複数の薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と略すことがある)が形成された基板と、基板の上に形成された有機EL素子とを有している。TFTは、マトリクス状に配置された複数の画素ごとに形成されている。制御信号によって各画素のTFTをON/OFFさせることにより、有機EL素子の発光状態を画素ごとに制御することができ、その結果、画像を表示できる。このような構成の表示装置では、従来、有機EL素子からの光を、TFT基板の、TFTが形成された側と反対側から取り出す方式(ボトムエミッション方式)が一般的に採用されてきた。
有機EL素子は、発光層を形成する発光材料の種類によって、低分子型と高分子型とに分類される。低分子型有機EL素子は、低分子発光材料の発光層を有し、高分子型有機EL素子は高分子発光材料の発光層を有する。
ボトムエミッション方式の低分子型および高分子型有機EL素子では、いずれも、透明陽極として、比較的大きい仕事関数を有するITO(インジウム錫酸化物)やIZO(インジウム亜鉛酸化物)が用いられる。これに対し、好ましい陰極としては、低分子型有機EL素子では、例えばMg(マグネシウム)と銀(Ag)との合金単層膜、LiF等のアルカリ金属のハロゲン化物とAlとの積層膜などが用いられ、高分子型有機EL素子では、例えばCa、Ba等の低仕事関数金属とAl、Ag等の比較的安定な保護金属層との積層膜が用いられる。このように、低分子型有機EL素子と高分子型有機EL素子とでは好ましい陰極材料が異なっている。これは、高分子発光材料のLUMOレベルが低分子発光材料のLUMOレベルよりも小さいため、高分子型有機EL素子では、効率良く電子を注入するために、より仕事関数の低い陰極材料を用いることが好ましいからである。
有機EL素子を用いてアクティブマトリクス型フルカラーディスプレイを作製する場合、低分子型有機EL素子では、マスク蒸着を用いて、RGB(赤、緑、青)発光層のパターンを形成する必要がある。そのため、有機EL素子の高精細化(例えば200PPIなど)が困難であり、また、大面積(例えば1m角以上)のガラス基板上に形成しにくいので、そのようなガラス基板を用いた効率的な生産工程を採用できないという課題がある。これに対し、高分子型有機EL素子は、ウェットプロセスで作製できるので、マスク蒸着などを行う必要がない。さらに、インクジェットなどの手法によれば、大面積のガラス基板上に高精細な有機EL素子の形成が可能である。従って、生産性や製造コストの点では、低分子有機EL素子よりも高分子型有機EL素子の方が有利といえる。
ところで、有機EL素子を用いてアクティブマトリクス型表示装置を構成する場合、ボトムエミッション方式を採用すると、以下のような問題がある。
TFTは、通常、ポリシリコン、アモルファスシリコン等からなる半導体層、金属からなる電極などを有しているが、このような半導体層や電極は十分な光透過性をもたない。そのため、TFT基板を介して光を取り出すボトムエミッション方式では、画素面積に対する発光面積の割合(開口率)が小さくなるという問題がある。有機EL表示装置では、画素毎の表示性能のばらつきを抑え、有機EL材料の劣化によるパネル表示輝度の変化をより低減できるという理由から、電流駆動方式が好適に採用されるが、電流駆動方式を採用すると、画素毎に4個のトランジスタが必要となる。よって、よりシンプルであるが画素毎の表示のばらつき等で劣る電圧駆動方式を採用した場合(各画素に2個のトランジスタ)と比べて、さらに開口率が小さくなる(非特許文献1)。
そこで、有機EL素子からの光を、基板に形成されたTFTおよび有機EL素子の上方から取り出す方式(トップエミッション方式)を採用した表示装置の構成が提案されている。トップエミッション方式では、上記開口率の問題を防ぐことが可能ではある。しかし、この方式では、有機EL素子の上部電極(陰極)は、第1に光透過性を有する必要がある。第2に、発光層に効率よく電子を注入するためには、上部電極は仕事関数の小さい材料から形成される必要がある。第3に、以下に詳述するように、上部電極の作製プロセスによる下層へのダメージをできるだけ抑制する必要がある。上部電極は、通常、光を透過できるように十分薄い金属膜からなる電子注入用電極と、電子注入用電極の上に形成された透明導電膜との積層構造を有している。透明導電膜は、薄い金属膜である電子注入用電極を保護し、かつ配線抵抗を低減するために設けられている。この透明導電膜の形成には、通常、スパッタ、イオンプレーティング等の比較的高エネルギーの粒子を発生させる方法が使用されるので、下層にある電子注入用電極や発光層等にダメージを与え、その結果、素子特性が劣化するおそれがある。
そのような上部電極の構成は従来から種々提案されている。それらの従来の構成は、基本的には、ボトムエミッション方式で良好な特性を実現できる陰極材料や電子注入材料をできるだけそのままトップエミッション方式に転用し、かつそれらの材料から形成される電極層の厚さを小さくすることにより、透光性を実現しようというコンセプトに基づいて考え出されたものである。
例えば、特許文献2には、ボトムエミッション方式の有機EL素子における陰極材料の1つであるMgとAgとの合金(特許文献1など)を、トップエミッション方式の上部電極に用いることが開示されている。特許文献2の低分子型有機EL素子は、低分子発光層の上に、厚さの十分小さい(10nm)金属層(Mg−Ag層)および透明導電層(IZO層)をこの順に備えている。また、特許文献3には、電子注入層および非晶質透明導電膜の積層構造を有する上部電極を備えた、トップエミッション方式の低分子型有機EL素子が開示されている。
しかしながら、上記特許文献2および3はいずれも、低分子型有機EL素子を用いる場合の上部電極の構成に関するものである。上述したように、高分子型有機EL素子と低分子型有機EL素子とでは、良好な特性を与える電極構成や電極材料が異なるため、高分子型有機EL素子に有用な上部電極の構成を別個に検討する必要がある。
また、上記特許文献の電極構成には以下のような問題もある。
透明導電膜として、透光性、抵抗率の観点からインジウム錫酸化物(ITO)またはインジウム亜鉛酸化物(IZO)を主成分として含む酸化物導電層を用いているが、ITOやIZOからなる良好な酸化物導電層は、成膜装置内に酸素ガスを導入しながら形成されることが一般的である。一方、上部電極は有機EL層に電子を注入するための金属層を有しており、そのような金属層の材料としては、電子の注入効率を向上させるために仕事関数の小さい金属(以下、「低仕事関数金属」という)、例えばマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)等のアルカリ土類金属、アルカリ金属、インジウム(In)、あるいはこれらの金属を含む合金を用いることが多い。そのため、低仕事関数金属からなる金属層を形成し、これを下地として酸化物導電層を形成する場合、成膜装置内に導入される酸素ガスによって、低仕事関数金属が酸化されやすく、その結果、素子特性を劣化させるという問題点がある。また、酸素ガスを導入せずに、Arガスのみを成膜装置内に導入しながら酸化物導電層を形成する場合でも、酸化物導電層に含まれる酸素によって低仕事関数金属が酸化されるため、素子特性が低下する可能性がある。
従って、特に低仕事関数金属からなる金属層の上にITOなどの酸化物導電層を形成する場合において、金属層の酸化が問題になるが、形成の順序に拘らず、金属層が酸化物導電層と接していると、金属層が酸化されることに伴う特性または信頼性の低下の問題がある。このような金属層の酸化に関する問題は、金属層の材料として、より小さい仕事関数を有する金属を用いる高分子型有機EL素子の場合に、特に深刻である。
特許第2814435号公報 特開2001−85163号公報 特開平10−162959号公報 Shang-Li Chen et al. IDW '01, p.399
本発明の目的は、金属層および酸化物導電層を有する陰極を用いた有機EL素子において、有機EL素子の発光効率および信頼性を向上させることにある。
本発明の有機EL素子は、陽極と、透光性を有する陰極と、前記陽極と前記陰極との間に形成され、少なくとも発光層を含む有機EL層とを備え、前記陰極は、第1の金属および低仕事関数金属を含む第1金属層と、前記第1の金属と同じまたは異なる第2の金属を含む第2金属層であって、前記低仕事関数金属を実質的に含まないか、または前記第1金属層における前記低仕事関数金属の濃度よりも低い濃度で前記低仕事関数金属を含む、第2金属層と、酸化物導電層とを前記有機EL層側からこの順に有し、前記低仕事関数金属の仕事関数は、前記第1の金属および前記第2の金属の仕事関数よりも小さい。
ある好ましい実施形態において、前記第2金属層の前記酸化物導電層側の表面における前記低仕事関数金属の濃度は、実質的にゼロである。
ある好ましい実施形態において、前記第1金属層は、前記有機EL層側の第1表面および前記第2金属層側の第2表面を有し、前記第1金属層における前記低仕事関数金属の濃度は、前記第1表面で高く、前記第2表面に向かうにつれて低くなる。
前記第1金属層の前記第1表面における前記低仕事関数金属の濃度は、5質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
前記第1金属層および前記第2金属層の厚さの合計は35nm以下であることが好ましい。
前記第1金属層の厚さは0.5nm以上10nm以下であることが好ましい。
前記第1の金属は、Ni、Os、Pt、Pd、Al、AuおよびRhからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含んでもよい。また、前記第2の金属は、Ni、Os、Pt、Pd、Al、AuおよびRhからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含んでもよい。
前記低仕事関数金属は、Ca、Ba、LiおよびCsからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含んでもよい。
前記有機EL素子はトップエミッション型であることが好ましい。
前記発光層は、高分子発光材料を含んでいてもよい。
ある好ましい実施形態において、前記酸化物導電層は、酸素ガスを含むスパッタガスを用いてスパッタリングによって形成されたものである。
本発明の表示装置は、上記いずれかの有機EL素子と、前記有機EL素子と電気的に接続された薄膜トランジスタとを備える。
本発明によれば、陰極を構成する金属層の有機EL層側表面における仕事関数を小さく保ちつつ、金属層に含まれる低仕事関数金属の酸化を抑制できるので、良好な電子注入効率を有する陰極を形成できる。その結果、有機EL素子の発光効率を向上できる。また、有機EL素子の特性の劣化を抑制できるので、有機EL素子の信頼性を向上できる。
ボトムエミッション方式の高分子型有機EL素子における上部電極(すなわち陰極)には、CaまたはBaと、AgまたはAlとの積層構造がしばしば用いられる。あるいは、LiFとCaとを積層し、その上にさらにAgまたはAlを積層した構造が用いられる。上述したような「ボトムエミッション方式における好適な上部電極の構成をトップエミッション方式に転用する」という従来のコンセプトに従えば、トップエミッション型の高分子型有機EL素子の好適な上部電極の構造として、次のような構造が考えられる。構造例の1つは、CaまたはBaの上に、AgまたはAlの代わりにITOまたはIZOを積層した構造である。また、他の構造例は、CaまたはBaと、AgまたはAlとの積層構造の上に、ITOやIZOを形成した構造である。本発明者らは、これらの構造例の電極を、各層の作製条件などを変えながら種々形成したが、発光効率に優れた高分子型有機EL素子は得られなかった。
そこで、本発明者らは、「ボトムエミッション方式における好適な上部電極の構成をトップエミッション方式に転用する」という従来の技術常識にとらわれず、種々の電極材料および構成について様々な角度から検討を行った。その結果、高分子型有機EL素子に適用可能な、極めて有用な陰極の構成を見出した。
(実施形態1)
以下、図面を参照しながら、本発明による有機EL素子の第1の実施形態を説明する。
図1に示す有機EL素子100は、基板1の上に順次形成された陽極2と、有機EL層9と、陰極5とを有している。有機EL層9は、少なくとも発光層4を有していればよく、単層であっても積層構造を有していてもよい。なお、本実施形態では、有機EL層9は、正孔注入層3および発光層4を基板1の側から順に有している。本実施形態の有機EL素子100では、発光層4からの光は陰極5の上方から取り出される(トップエミッション型)ため、陰極5は透光性を有している。陰極5は、有機EL層9の上に、金属層6と、酸化物を含む酸化物導電層7をこの順で積層した構造を有している。金属層6は、第1の金属および低仕事関数金属を含む第1金属層6aと、第2の金属を含む第2金属層6bとの積層構造を有している。第1および第2の金属は、低仕事関数金属の仕事関数よりも大きい仕事関数を有していればよい。第1および第2の金属は同じ金属であってもよいし、異なる金属であってもよい。第1の金属と第2の金属とが同じであれば、第1および第2金属層6a、6bを同時に形成できるので有利である。第2金属層6bは、低仕事関数金属を実質的に含まないことが好ましいが、第1金属層6aにおける低仕事関数金属の濃度よりも低い濃度で低仕事関数金属を含んでいてもよい。
有機EL素子100では、有機EL層9の側に設けられた第1金属層6aは、低仕事関数金属を含んでいるので、有機EL層9に効率よく電子を注入できる。また、第1金属層6aは、低仕事関数金属のみからなる金属層ではなく、低仕事関数金属以外に第1の金属を含有していること、かつ、第1金属層6aと酸化物導電層7との間に第2金属層6bが存在することにより、酸化物導電層7の形成時において、第1金属層6aに含まれる低仕事関数金属の酸化を効果的に抑制できる。また、第2金属層6bには低仕事関数金属が実質的に含まれていないか、あるいは比較的少量しか含まれていないため、低仕事関数金属の酸化の問題は生じにくい。従って、低仕事関数金属の酸化に起因する有機EL素子の発光効率の低下を抑えることができる。本明細書では、「発光効率」は、有機EL素子に入力した電力に対する取り出し光の輝度(光束)とする。
発光効率の低下を抑制できれば、要求される輝度を実現するために有機EL素子に入力される電力を小さくできる。そのため、有機EL素子に印加する電流または電圧を低減できるので、有機EL素子の劣化を抑制でき、その結果、有機EL素子の信頼性を向上できる。また、有機EL素子を形成した後においても、第1金属層6aに含まれる低仕事関数金属は、酸化物導電層7の側に少ないことから、酸化物導電層7に含まれる酸素によって酸化され難い。そのため、第1金属層6aの抵抗が増大することや電子の注入効率の低下による有機EL素子の劣化を抑えることができ、有機EL素子の信頼性を向上できる。
第1金属層6aの有機EL層9の側の表面(以下、「第1表面」と呼ぶことにする)における低仕事関数金属の濃度は、第1金属層6aの酸化物導電層7の側の表面(以下、「第2表面」と呼ぶことにする)における低仕事関数金属の濃度よりも大きいことが好ましい。これにより、低仕事関数金属を酸化物導電層7からより離れた位置に存在させることができるので、低仕事関数金属の酸化をより効果的に抑制できる。また、第1表面の仕事関数をより小さくできることから、より高い電子注入効率が得られる。なお、第1金属層6aにおける低仕事関数金属の濃度は、第1表面で高く、第2表面に向かうにつれて低くなることが好ましい。
第1金属層6aの第1表面における低仕事関数金属の濃度は、十分な電子注入効率を確保するためには、5質量%以上であることが好ましい。一方、第1表面における低仕事関数金属の濃度が70質量%以下であれば、低仕事関数金属の酸化をより確実に抑制できるので好ましい。
低仕事関数金属の酸化をより確実に防止するためには、第1金属層6aの第2表面における低仕事関数金属の濃度は低い方がよく、例えば50質量%以下である。第1金属層6aの第2表面における低仕事関数金属の濃度が実質的にゼロであれば、さらに有利である。
第2金属層6bにおける低仕事関数金属の濃度は実質的にゼロであることが好ましい。これにより、金属層6のうち有機EL層9に近い部分にのみ低仕事関数金属を存在させることができ、特に高分子発光材料を有する発光層4に対して好適に用いられるCaやBaなどの非常に活性であり酸化され易い電極金属の酸化を効果的に抑えることができる。そのため、良好な特性を示す有機EL素子、特に高分子型有機EL素子を提供できる。
金属層6の厚さ(第1および第2金属層6a、6bの合計厚さ)は35nm以下であることが好ましい。金属層6の厚さが35nm以上であれば、金属層6による有機EL層からの光の吸収率を十分に小さくできるので、透明な有機ELパネルやトップエミッション構造の有機ELパネルが実現可能となる。
第1金属層6aの厚さは、0.5nm以上10nm以下であることが好ましい。厚さが0.5nm以上であれば、十分な電子注入効率を確保できる。一方、厚さが10nm以下であれば、第2金属層6bによって、第1金属層6aの酸化を効果的に抑制できる。
本実施形態における第1および第2の金属はそれぞれ、第1金属層6aおよび第2金属層6bのホスト金属として用いることができる。第1および第2の金属はそれぞれ、Ni、Os、Pt、Pd、Al、AuおよびRhからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。これらの金属は安定であり、また、これらの金属から形成された膜は、厚さが小さくても島状構造をとりにくく、被覆性に優れ、かつ低仕事関数金属の酸化を防止する効果に優れているため、高効率の有機EL素子を実現できる。なお、本明細書では、「島状構造をとらない」膜は、一般的に連続した膜を広く含むものとし、例えば、ピンホールなどを有する膜やポーラスな膜であってもよい。
金属層6に含まれる低仕事関数金属は、Ca、Ba、LiおよびCsからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。これらの金属の仕事関数は、4.0eV以下と小さいので、これらの金属を含む金属層6を構成すると、特に高分子型発光材料を用いた有機EL層に効率よく電子を注入できる。
陰極5は、第1金属層6a、第2金属層6bおよび酸化物導電層7を少なくとも1層ずつ含んでいればよく、各層は積層構造を有していてもよい。また、これらの層と機能の異なる他の層をさらに含んでいてもよい。ただし、電子を有機EL層9に効率よく注入するためには、第1金属層6aは有機EL層9と接していることが望ましい。
本実施形態の有機EL素子を、アクティブマトリクス基板の上に形成することにより、表示特性に優れたアクティブマトリクス方式の表示装置を構成できる。
有機EL層9は、高分子材料を用いた溶液から形成された有機層を含んでいてもよい。これにより、印刷法やインクジェット法等の真空を用いない薄膜形成法を使用できるので、より低いコストで有機EL素子を作製できる。
有機EL層9における発光層4は、単層構造を有していても多層構造を有していても良い。また、発光層4は、母体材料にドーパントをドープした層であってもよい。
本実施形態における有機EL層9は、図1に示すように、正孔注入層3および発光層4を陽極2の側からこの順に有しているが、有機EL層9の構成は、図1に示す構成に限定されない。例えば、有機EL層9は、以下のような構成を有することができる。
(1)有機発光層
(2)正孔輸送層/有機発光層
(3)有機発光層/電子輸送層
(4)正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層
(5)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層
有機EL層9に含まれる発光層4は、一層でもよいし、多層構造を有していてもよい。
発光層4に含まれる発光材料は、高分子材料でもよいし、低分子材料でもよく、有機LED素子用の公知の発光材料を用いることができる。公知の発光材料は、低分子発光材料、高分子発光材料、高分子発光材料の前駆体等に分類することができる。それぞれの発光材料の具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されない。
低分子発光材料として、4、4’―ビス(2、2’―ジフェニルビニル)―フェニル((DPVBi)等の芳香族ジメチルジエン化合物、5―メチル−2―[2―[4―(5―メチル−2―ベンゾオキサジリル)フェニル]ビニル]ベンゾオキサゾール等のオキサジアゾール化合物、3―(4―ビフェニリル)―4―フェニル−5―t―ブチルフェニルー1、2、4―トリアゾール(TZA)等のトリアゾール化合物、1、4―ビス(2―メチスチリル)ベンゼン等のスチリルベゼン化合物、チオビラジンジオキシド誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体等の蛍光性有機材料、アゾメチン亜鉛錯体、(8―ヒドロキシノリナート)アルミニウム錯体等の蛍光性有機金属化合物等を用いることができる。
高分子発光材料としては、ポリ(2―デシルオキシー1、4―フェニレン)(DO−PPP)、ポリ[2、5―ビス−[2―(N,N,N−トリエチルアンモニウム)エトキシ]―1、4―フェニルーアルト−1、4―フェニルレン]ジブロマイド(PPP−NEt3+)、ポリ[2―(2'―エチルヘキシルオキシ)―5―メトキシー1、4―フェニレンビニレン](MEH−PPV)等を用いることができる。
また、高分子発光材料の前駆体として、ポリ(P−フェニレンビニレン)前駆体(Pre−PPV)、ポリ(P−ナフタレンビニレン)前駆体(Pre−PNV)等を用いることができる。
発光層4は、公知の方法で形成できる。例えば、直接真空蒸着法、EB法、MBE法等のドライプロセスを用いて、有機発光材料を堆積させることにより、発光層を形成できる。代わりに、有機発光材料を含む有機発光層形成用溶液を、スピンコート法、ドクターブレード法、吐出コート法、スプレーコート法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、マイクログラビアコート法等のウェットプロセスを用いて付与することにより、発光層を形成してもよい。
ウェットプロセスを用いる場合、有機発光層形成用溶液は、少なくとも1種類の発光材料を含有する溶液であればよく、2種類以上の発光材料を含有していてもよい。また、発光材料の他にレベリング剤、発光アシスト剤、添加剤(ドナー、アクセプター等)電荷輸送剤、発光性のドーパント等を含んでいてもよい。また、有機発光層形成用溶液の溶剤は、発光材料を溶解または分散できる溶剤であれば良く、例えば、純水、メタノール、エタノール、THF(テトラヒドロフラン)、クロロホルム、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等であってもよい。
正孔輸送層および電子輸送層(合わせて「電荷輸送層」と呼ぶ)は、それぞれ単層構造を有していても良いし、多層構造を有していても良い。電荷輸送層は、例えば発光層の形成方法として上述したような公知の方法(ドライプロセス、ウェットプロセス)で形成できる。ウェットプロセスで電荷輸送層を形成する場合、電荷輸送層形成用溶液の溶剤は、電荷輸送材料を溶解または分散できる溶剤であれば良く、発光層形成用溶液の溶剤として上記に例示したような溶剤であってもよい。
電荷輸送層に含まれる電荷輸送材料として、公知の材料を用いることができる。以下にこれらの具体的な化合物を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料として、例えば、ポルフィリン化合物、N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス−(フェニル)−ベンジジン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPD)等の芳香族第3級アミン化合物、ヒドラゾン化合物、キナクリドン化合物、スチルアミン化合物等の低分子材料、ポリアニリン、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンサルフォネート(PEDT/PSS)、ポリ(トリフェニルアミン誘導体)、ポリビニルカルバゾール(PVCz)等の高分子材料、ポリ(P−フェニレンビニレン)前駆体、ポリ(P−ナフタレンビニレン)前駆体等の高分子材料前駆体を用いることができる。
電子輸送層に含まれる電子輸送材料として、例えば、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、フルオレノン誘導体等の低分子材料、ポリ[オキサジアゾール]等の高分子材料を用いることができる。
陽極および陰極2、5は、以下に例示するような電極材料から形成できる。
陽極(陽極)2は、例えば、Au,Ni,Ptのような仕事関数の大きな金属材料やITO,IZO,SnO2のような導電性金属酸化物などの電極材料からなる層であっても良い。また、上記電極材料からなる層を含む多層構造を有していても良い。例えば、陽極2は、上記電極材料からなる層の有機EL層9の側に、この層の導電性を大きく妨げない程度の厚さ(例えば1nm程度)のSiO2層を設けた構造であってもよい。SiO2層の表面は、有機発光層形成用溶液や電荷輸送層形成用溶液との親和性(濡れ性)に優れているため、SiO2層の付加によって、陽極2と有機EL層9との密着性を向上できる。
陰極5の金属層6に含まれる低仕事関数金属として、Ca、Ce、Yb、Cs、Rb、Sr、Ba、Al、MgとAgとの合金、AlとLiとの合金等を用いることができる。このうち、仕事関数が4.0eV以下であるCa、Ce、Cs、Rb、Sr、Ba、Mg、Liを用いると、高い電子注入効率が得られる。高分子発光材料の発光層4を形成する場合には、低仕事関数金属として、Ca、Baが好適に用いられる。この低仕事関数金属をホスト金属(第1の金属)にドープすることにより、第1金属層6aを形成することができる。第1の金属としては、化学的に比較的安定な金属、例えばNi、Os、Pt、Pd、Al、Au、Rhを用いて形成されることが好ましい。これにより、第1金属層6aに含まれる低仕事関数金属の酸化を抑制するだけでなく、第1金属層6a自体が酸化されたり、第2金属層6bと第1金属層6aとが反応したりしないので、陰極5の劣化を抑制できる。また、第2金属層6bも、上記に例示した第1金属層6aのホスト金属と同様の金属を含むことが好ましい。さらに、第1および第2金属層6a、6bは、可視光全域に亘って約10%以上の透過率を有することが好ましい。例えば、電子ビーム蒸着法によって合成石英基板上に形成したNi膜(厚さ:35nm)は、可視光全域に渡って約10%の透過率を示し、かつ、走査電顕による表面モフォロジ観測では島状形状を示さないことから、被覆性にも優れていることが確認された。上記の他の材料からなる膜も、程度の差は有るものの、良好な透過率および被覆性を有することが確認された。なお、島状構造をとらない膜を形成するためには、形成方法や膜厚にもよるが、島状構造となりにくい金属材料をホスト金属として選択することが好ましい。例えばNi、Al等をホスト金属として用いると、厚さが小さくても島状構造をとらない膜を形成できることを上述の実験で確認している。また、一般に薄膜コーティングに用いられる材料(Os、Pd等)も島状構造となりにくい材料であるため、上記金属層6a、6bのホスト金属として用いることができる。
図1の有機EL素子100はトップエミッション型であるが、基板1としてガラス基板などの透明基板を用いることにより、発光層4からの光を基板1の下側から取り出すこともできる(ボトムエミッション)。この場合でも、第2の金属層7により第1の金属層6の酸化を防止することにより、上記と同様の効果が得られる。
本発明の有機EL素子の構成は、高分子型有機EL素子に適用すると特に有利である。前述したように、高分子発光材料を含む発光層4に電子を注入するためには、より低い仕事関数を有する金属が必要となり、そのような金属の酸化を防止できるからである。
ホール注入層としてPEDOT/PSS層を有する高分子型有機EL素子に本発明を適用すると、さらに有利である。その理由を以下に詳しく説明する。
高分子型有機EL素子では、ホール注入層の材料としてPEDOT/PSSが好適に用いられる。しかし、よく知られているように、従来の有機EL素子では、PEDOT/PSSに含まれる硫黄(S)が拡散することによって、寿命特性が低下するという問題がある。PEDOT/PSS層には、微量の水分(H2O)が残存している。このH2OとPSSとの脱亜硫酸反応により硫黄化合物が生成され、この硫黄化合物が発光層中に拡散する。拡散した硫黄化合物は、有機EL層と陰極との界面において、陰極(低仕事関数金属)と酸化還元反応を起こす。この酸化還元反応は、有機EL素子に電圧を印加することにより、さらに促進される。酸化還元反応の結果、有機EL層と陰極との界面に新たな金属硫黄化合物が形成され、この新たな金属硫黄化合物が、有機EL素子の寿命特性を低下させる要因となる。特に、高分子型有機EL素子の陰極材料として好適に用いられるCaやBaは、Sとの反応性が高く、それぞれ硫化物(CaS、BaS)を形成し、寿命特性を低下させる。これに対し、本発明によれば、陰極に含まれる低仕事関数金属(例えばCa)は他の金属と合金層(第1金属層6a)を構成している。このように、合金中に含まれる低仕事関数金属はSと反応しにくい(硫化しにくい)と考えられるので、陰極と有機EL層との界面における金属硫黄化合物の生成を抑制でき、その結果、寿命特性を向上できる。
<実施例1>
実施例1の有機EL素子(図1)を以下の方法で作製する。
5cm角の絶縁性の基板1の上に、陽極2として、電子ビーム蒸着装置でストライプ状のPt電極(幅:2mm、長さ:5cm、厚さ:約150nm)2を形成する。次に、陽極2の上に、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルフォン酸(PSS)の混合水溶液をスピンコート法により付与し、150℃で20分間乾燥することにより、ホール注入層3を形成する。このとき、溶液の濃度、スピンコート時の回転数などを制御することにより、ホール注入層3の厚さを約60nmとする。次に、ホール注入層3と同様に、ポリフルオレン誘導体の溶液をスピンコート法で付与および乾燥することにより発光層4を形成する。
続いて、発光層4の上に陰極5を形成する。まず、Caを5質量%含むAlを蒸着源(出発材料)として用い、抵抗加熱蒸着法により金属層6(厚さ:15nm)を形成する。金属層6の形状は、陽極2と直交する方向に沿ったストライプ状(幅:2mm、長さ:5cm)とする。形成された金属層6のうちCaが存在する領域は、金属層6の発光層4の側の表面から所定の厚さまでの領域(第1金属層6a)に限られ、金属層6の他の領域(第2金属層6b)は、実質的にCaを含まない。この後、酸化物導電層7として、IZO層をDCスパッタ法により形成する。IZO層の形成は、ターゲットとしてIZO焼結ターゲットを用い、スパッタガスとしてArおよびO2の混合ガスを用いて行う。また、IZO層は金属層6と同じストライプパターンを有するように形成される。これにより、実施例1の有機EL表示装置が得られる。なお、金属層6および酸化物導電(IZO)層7の形成時にはいずれも基板を加熱する処理は行なわないものとする。
次に、実施例1の有機EL素子と比較するために、図7(a)に示すように、比較例1の有機EL素子を作製する。比較例1の有機EL素子は、陰極5の金属層として、CaのみからなるCa層(厚さ:15nm)8を有する点以外は、実施例1の有機EL素子と同様の構成を有し、同様の方法で作製される。Ca層8は、抵抗加熱蒸着により形成される。
上記で得られた実施例1および比較例1の有機EL素子のそれぞれに、Pt電極2が正、ITO層7が負になるように直流電圧を印加し、ITO層7の上部からの発光を観察する。その結果、実施例1の有機EL素子では、発光層4からの緑色発光が蛍光灯下で観察されるが、比較例1の有機EL素子では、暗所でやっと確認できる程度の(輝度の小さい)発光しか得られない。従って、比較例1の有機EL素子からの光の輝度は、実施例1の有機EL素子からの光の輝度と比べて大幅に低下している。言い換えると、比較例1の有機EL素子の発光効率は、実施例1の発光効率よりも大幅に低い。
この原因は以下のように考えられる。比較例1の有機EL素子では、IZO層7の形成時に使用したスパッタガス中の酸素により、Ca層8が少なくとも部分的に酸化されて酸化物(絶縁体)になり、その結果、陰極5の電子の注入効率が低下してしまう。そのため、発光層4において、十分な発光が得られない。一方、実施例1の有機EL素子では、Caは有機EL層9との界面近傍にしか存在しないため、IZO層7の形成時に使用したスパッタガス中の酸素によって酸化されにくい。より詳しく説明すると、スパッタガス中の酸素は、比較的安定な第2金属層(Al層)6bと反応せず、また、Al層に阻まれてAlとCaとの合金層である第1金属層6aに達しにくい。その上、第1金属層6aは、酸化されやすいCaのみからなるCa層ではなく、AlとCaとの合金層であるため、第1金属層6aに含まれるCaはさらに酸化されにくくなる。従って、スパッタガス中の酸素は陰極5(特に、第1金属層6a)にダメージを与えないので、陰極5は有機EL層9に高い効率で電子を注入できる。
<金属層の組成分析>
以下、実施例1の有機EL素子における金属層6の構成を詳しく調べるために、ガラス基板上に金属層(厚さ:15nm)のみを形成し(「金属層サンプル」とする)、この金属層の深さ方向の組成分析を行ったので、その結果を説明する。金属層は、上述の実施例1の有機EL素子における金属層6の形成方法と同様の方法で形成している。また、金属層の組成分析はオージェ電子分光装置を用いて行う。
金属層の組成分析の結果、図2に示すように、金属層のガラス基板1の側の表面におけるCaの濃度は約20%である。また、金属層のうちCaが存在する領域は、金属層のガラス基板1の側の表面から、金属層の全体の厚さの1/3程度の厚さ以下の領域であることが確認できる。さらに、蒸着の初期段階ではCaおよびAlがガラス基板1の上に蒸着され、蒸着が進むにつれて蒸着されるCaの濃度が減少し、一定時間経過後は実質的にAlのみが蒸着されていることがわかる。これは、CaとAlとの合金を蒸着源として蒸着を行うと、CaとAlとの蒸気圧の違いにより、Caの方が先に蒸着するためと考えられる。
従って、実施例1の有機EL素子においては、金属層6の発光層4に接する表面近傍にのみ低仕事関数金属であるCaが存在していることが確認できる。実施例1の有機EL素子では、Caを含む「第1金属層6a」と、Caを含まない(実質的にAlのみからなる)「第2金属層6b」とが金属層6を構成する。
このように合金を出発材料とすると、単一の蒸着源で、一方の表面付近にのみ低仕事関数金属がドープされ、かつ、低仕事関数金属のドープ濃度がその表面から離れるに従って減少する金属層を簡便に形成することができる。また、シャッターを開けるタイミング(すなわち、蒸着を開始するタイミング)を制御することにより、低仕事関数金属がドープされる領域(第1金属層6a)の厚さを制御できる。さらに、蒸着源中のCa濃度を変えることにより、第1金属層6aにおける低仕事関数金属のドープ濃度を制御できる。
<寿命特性の検討>
続いて、本実施形態の有機EL素子の寿命特性を調べたので、その結果を説明する。
ここでは、実施例2の有機EL素子を用いる。実施例2の有機EL素子は、酸化物導電層7として、IZO層の代わりにITO層を用いること以外は、実施例1の有機EL素子と同様の構成を有し、同様の方法で作製される。
また、比較のために、比較例2の有機EL素子も作製する。比較例2の有機EL素子は、図7(b)に示すように、金属層として、CaのみからなるCa層(厚さ:5nm)20とAlのみからなるAl層(厚さ:10nm)21との積層構造を有する。Ca層20およびAl層21は、それぞれ抵抗加熱蒸着によって形成される。また、酸化物導電層7として、ITO層を有している。これらの点以外は、比較例2の有機EL素子は、実施例1の有機EL素子と同様の構成を有し、同様の方法で作製される。
実施例2の有機EL素子および比較例2の有機EL素子の寿命特性をそれぞれ調べた結果を図6に示す。
図6からわかるように、実施例2の有機EL素子の輝度半減寿命は約90時間であるのに対し、比較例2の有機EL素子の輝度半減寿命は約25時間である。このことから、PEDOD/PSS層3を有する高分子型有機EL素子において、金属層6としてCaを含む合金層を設けると、有機EL素子の寿命が約3倍以上に延びることが確認できる。なお、図示しないが、PEDOT/PSS層を有していない低分子型有機EL素子の場合には、金属層6としてCaドープAl層(合金層)を有する素子の寿命特性と、金属層6としてCa層およびAl層の積層構造を有する素子の寿命特性との間に、図6に示すような顕著な違いは確認されない。
これらの結果から、以下のことがわかる。比較例2の有機EL素子では、上述したように、ホール注入層であるPEDOT/PSS層3に含まれる硫黄(S)とCa層20のCaとが反応して金属硫黄化合物(CaSなど)が生成され、その結果、寿命特性が低下している。これに対し、実施例2の有機EL素子では、陰極における有機EL層9の近傍にCaを含む合金層を有している。合金層に含まれるCaはSと反応しにくいので、陰極5と有機EL層9との界面における金属硫黄化合物の生成が抑えられるため、寿命特性の低下を抑制できる。
(実施形態2)
以下、本発明による有機EL素子の第2の実施形態を説明する。
本実施形態の有機EL素子は、図1を参照して説明した有機EL素子100の構成と同様の構成を有する。ただし、本実施形態の有機EL素子と有機EL素子100とは、金属層6の形成方法の点で異なる。有機EL素子100では、単一の蒸着源を用いて金属層6を形成しているが、本実施形態では、母材となる金属と低仕事関数金属とのマルチソース(複数の蒸着源)を用いた共蒸着により、金属層6を形成する。まず、母材となる金属(例えばAl)を入れた蒸着用ボートと、低仕事関数金属(例えばCa)を入れた蒸着用ボートとをそれぞれ用意する。次いで、母材となる金属と低仕事関数金属との蒸着レートが所望の比率となるように、それぞれの蒸着用ボートに付与する電流を制御しながら、共蒸着を行う。これにより、第1金属層6(厚さ:例えば10nm)を形成する。次いで、低仕事関数金属を入れた蒸着用ボートのシャッターのみを閉じて、母材となる金属のみの蒸着を行い、第2金属層6bを形成する。
本実施形態の有機EL素子では、金属層6が共蒸着により形成されるため、金属層6における低仕事関数金属の濃度をより広い範囲で、かつより厳密に制御できる。従って、金属層6の仕事関数を小さく抑えつつ、金属層6の酸化を抑制することにより、優れた電子注入効率を有する金属層6をより確実に形成できる。
<Ca濃度の検討>
次に、第1金属層6aの好適なCa濃度を検討したので、以下に説明する。ここでは、第1金属層6aにおける有機EL層9の側の表面(第1表面)のCa濃度を変化させて、複数のサンプル素子を作製し、第1表面におけるCa濃度とサンプル素子の電流効率との関係を調べることにより、好適なCa濃度の範囲を求める。
まず、サンプル素子を、上述の実施例1の有機EL素子の作製方法と同様の方法で作製する。ただし、複数のサンプル素子における第1金属層(CaドープAl)6aのCa濃度および厚さを互いにほぼ等しくするために、共蒸着により第1金属層6aをそれぞれ形成する。すなわち、AlとCaとを別々の蒸着用ボートに入れ、AlとCaとの蒸着レートが所望の比率となるように、それぞれの蒸着用ボートに流す電流を制御する。蒸着レートが所望の比率で安定すると、シャッターを開けて蒸着を開始する。蒸着により形成されるCaドープAl層が所望の厚さに達したら、Caが入っている蒸着用ボートのシャッターのみを閉じる。この後、Alが入っている蒸着用ボートのシャッターは開いているため、CaドープAl層(第1金属層6a)の上にはAlのみからなる層(第2金属層)6bが形成される。このように、共蒸着を利用すれば、各金属層の厚さや濃度を正確に制御できる。
続いて、これらの素子サンプルを用いて、第1金属層6aの第1表面におけるCa濃度と、素子サンプルの電流効率(外部電流効率)との関係を調べる。結果を図3に示す。
素子サンプルの電流効率(cd/A)は、輝度計で測定した素子サンプルの輝度(単位:cd/m2)、その時の素子サンプルに流れている電流値(単位:A)、および素子の発光面積(単位:m2)から求めることができる。
また、図3に示すCa濃度は、各サンプル素子について、実施例1で説明した金属層サンプルを用いる方法と同様の方法で求めることができる。すなわち、ガラス基板の上に各サンプル素子で形成したものと同様の第1金属層6a’を形成することにより、複数の金属層サンプルを作製する。この金属層サンプルのそれぞれについて、オージェ電子分光装置を用いて、第1金属層6a’におけるガラス基板と接している表面のCa濃度を求め、各サンプル素子の第1表面のCa濃度としている。
図3から明らかなように、第1表面のCa濃度が5質量%以上70質量%以下のとき、十分な電流効率(すなわち、十分な発光効率)を有する有機EL素子が得られる。Ca濃度が5%より低いと、第1表面における仕事関数は十分に小さくならないため、有機EL層9に対する電子の注入効率が低下し、その結果、有機EL素子の電流効率が低下すると考えられる。一方、第1表面のCa濃度が70%より高いと、酸化物導電層(IZO層)7を形成するときに、第1金属層6aに含まれるCaがより酸化されやすくなるので、第1金属層6aが劣化し、その結果、電流効率が低下するためと考えられる。また、図3に示すように、第1表面のCa濃度が10%以上40%以下のとき、電流効率がさらに高くなっており、高効率な有機EL素子が得られることがわかる。
<第1金属層6aの厚さの検討>
さらに、第1金属層6aの好適な厚さを検討したので、以下に説明する。ここでは、第1金属層(CaドープAl層)6aの厚さの異なる複数のサンプル素子を作製し、第1金属層6aの厚さとサンプル素子の電流効率(外部電流効率)との関係を調べることにより、第1金属層6aの好適な厚さの範囲を求める。
これらのサンプル素子の金属層6は、上述した共蒸着法で形成する。このとき、Caが入れられた蒸着用ボートのシャッターを閉めるタイミングにより、各サンプル素子における第1金属層6aの厚さを制御する。また、第1金属層6aのCa濃度を20%、第2金属層(Al層)6bの厚さを20nmとする。これらのサンプル素子は、上記の点以外では、実施例1の有機EL素子の同様の構成を有し、同様の方法で作製される。
次いで、これらのサンプル素子を用いて、第1金属層6aの厚さとサンプル素子の電流効率との関係を調べる。結果を図4に示す。
図4から明らかなように、有機EL素子の電流効率は、第1金属層6aの厚さがゼロからわずかでも増えると急激に上昇し、厚さが5nmを超えると緩やかに減少している。このように、第1金属層6aの厚さが大きくなるにつれて電流効率が緩やかに減少する理由は、第1金属層6aの厚さが大きくなると、第1金属層6aによる発光層4からの光の吸収が増大するからである。また、図4から、第1金属層6aの厚さが0.5nm以上10nm以下のとき、十分な電流効率を有する有機EL素子が得られることがわかる。
(実施形態3)
以下、図5を参照して、上記有機EL素子を用いた表示装置の構成を説明する。
図5の表示装置200では、アクティブマトリクス基板101の上に有機EL素子100が形成されている。アクティブマトリクス基板101は、基板1と、基板1の上に画素ごとに形成された複数のTFTと、これらのTFTを覆う平坦化膜14とを有している。各TFTは、ゲート電極12と、ゲート電極12の上にゲート絶縁膜13を介して形成された島状半導体層(図示せず)と、島状半導体層の両端部をそれぞれ覆うように設けられたTFT電極(ソース、ドレイン電極)10とを有している(ボトムゲート構造)。各TFTは、ソース配線11’およびゲート配線11と接続されている。平坦化膜14には、各TFTのドレイン電極10に達するスルーホール15が設けられている。平坦化膜14の上には、有機EL素子100が形成されている。有機EL素子100の陽極2は、平坦化膜14の上およびスルーホール15の内部に堆積された導電層をパターニングすることにより、画素ごとに形成されている。各陽極2は、対応するTFTのドレイン電極10とスルーホール15を介して接続されている。これらの陽極2は、各陽極2のそれぞれのエッジ部およびスルーホール15を覆うように形成された絶縁膜16によって互いに絶縁されている。この陽極2および絶縁膜16の上に、ホール注入層3a、発光層4、第1金属層6a、第2金属層6bおよび酸化物導電層(IZO層)7がこの順で形成されている。
図5の表示装置200は、上記構成を有しているので、低仕事関数金属の酸化に起因する電子注入効率の低下を抑えることにより、高い発光効率を有する。そのため、高精細で明るい表示を実現できる。また、画素ごと(すなわち有機EL素子100ごと)の輝度のばらつきも小さく、高品位な表示が得られる。さらに、表示装置200は、有機EL素子100における陰極5の劣化を抑えることができるので、信頼性が高い。
本発明による表示装置の構成は、上記に限定されない。例えば、TFTはトップゲート構造を有していても良い。有機EL素子100の構成も上記に限定されず、図1を参照して説明したような様々な構成を適用できる。また、有機EL素子100を用いて単純マトリクス方式の表示装置を構成することもできる。さらに、表示装置200には、画素ごとに2個のTFTを必要とする電圧駆動方式を採用してもよいし、画素ごとに4個のTFTを必要とする電流駆動方式を採用してもよい。
<実施例3>
実施例3の有機EL表示装置(図5)を以下の方法で作製する。
絶縁性基板1の上に、半導体層としてポリシリコンを用いたTFTを形成した後、基板1の表面の凹凸をなくすために平坦化膜14で覆う。次に、平坦化膜14の上および平坦化膜14に設けたスルーホール15の内部に、Ni層2を形成する。Ni層は、スルーホール15によって、TFTのドレイン電極10と接続されている。Ni層のうち平坦化膜14の上に形成された部分の厚さは150nmとする。Ni層を形成した後、Ni層の表面にプラズマ酸化法によりNiO膜(厚さ:1nm)を形成する(図示せず)。これにより、陽極2が形成される。次いで、スルーホール15およびNi電極2のエッジ部を覆うようにSiO2膜を形成する。続いて、この基板に、図1を参照しながら説明した方法と同様の方法で、ホール注入層(厚さ:約60nm)3および発光層4をこの順で形成する。発光層4の上には、AlとCaとの共蒸着により、透光性を有する金属層(厚さ:例えば15nm)6を形成する。Alは電子ビーム蒸着法、Caは抵抗加熱蒸着法によりそれぞれ蒸着を行う。まず、AlおよびCaの蒸着レートの比が90:10となるように制御し、AlおよびCaの蒸着を同時に開始する。この後、Caの入っている蒸着用ボートのシャッターを閉じることにより、Caの蒸着のみを終了し、Alのみをさらに蒸着する。これにより、CaがドープされたCaドープAl層(第1表面のCa濃度:10%)6aと、AlのみからなるAl層6bとを形成できる。最後に、IZO層(厚さ:100nm)7を、図1を参照しながら説明した方法と同様の方法で形成する。
得られた実施例3の表示装置のTFTに制御信号を印加すると、発光層4からの緑色発光がIZO層7の上部から観察される。従って、有機EL素子100の金属層6における酸化が十分に抑制されていることが確認できる。
本発明によれば、陰極に含まれる低仕事関数金属の酸化を抑制できるので、信頼性が高く、高効率な有機EL素子を提供できる。
本発明は、高分子型有機EL素子に好適に適用できる。高分子型有機EL素子では、より小さい仕事関数を有する金属を用いて陰極を構成するため、そのような金属の酸化を効果的に抑制できる。
本発明は、特にトップエミッション型の有機EL素子に好適に適用できる。また、このような有機EL素子をアクティブマトリクス方式の表示装置に用いると、時に顕著な効果が得られる。
本発明による実施形態1の有機EL素子の構成を模式的に示す断面図である。 実施例1の有機EL素子における金属層の組成を示すグラフである。 第1金属層の有機EL層側の表面におけるCa濃度と有機EL素子の外部電流効率との関係を示すグラフである。 第1金属層の厚さと有機EL素子の外部電流効率との関係を示すグラフである。 本発明による実施形態3の有機EL表示装置の構成を模式的に示す断面図である。 実施例2および比較例2の有機EL素子の寿命特性をそれぞれ示すグラフである。 (a)および(b)はそれぞれ、比較例1、2の有機EL素子の構成を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 ホール注入層
4 発光層
5 陰極
6 金属層
6a 第1金属層
6b 第2金属層
7 酸化物導電層
8 Ca層
9 有機EL層
10 ソース、ドレイン電極
11、11’ 配線
12 ゲートメタル
13 ゲート絶縁膜
14 平坦化膜
15 スルーホール
16 絶縁膜
20 Ca層
21 Al層
100 有機EL素子
101 アクティブマトリクス基板
200 有機EL表示装置

Claims (13)

  1. 陽極と、
    透光性を有する陰極と、
    前記陽極と前記陰極との間に形成され、少なくとも発光層を含む有機EL層と
    を備え、
    前記発光層は高分子発光材料を含み、
    前記陰極は、
    第1の金属および低仕事関数金属を含む第1金属層と、
    第2の金属を含む第2金属層であって、前記低仕事関数金属を実質的に含まないか、または前記第1金属層における前記低仕事関数金属の濃度よりも低い濃度で前記低仕事関数金属を含む、第2金属層と、
    酸化物導電層と
    を前記有機EL層側からこの順に有し、前記低仕事関数金属の仕事関数は、前記第1の金属および前記第2の金属の仕事関数よりも小さく、
    前記第1の金属は、Ni、Os、Pt、Pd、Al、AuおよびRhからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含み、
    前記第2金属層に含まれる前記第2の金属は、前記第1の金属と同じである有機EL素子。
  2. 前記第2金属層の前記酸化物導電層側の表面における前記低仕事関数金属の濃度は、実質的にゼロである、請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記第1金属層は、前記有機EL層側の第1表面および前記第2金属層側の第2表面を有し、前記第1金属層における前記低仕事関数金属の濃度は、前記第1表面で高く、前記第2表面に向かうにつれて低くなる、請求項1または2に記載の有機EL素子。
  4. 前記第1金属層の前記第1表面における前記低仕事関数金属の濃度は、5質量%以上70質量%以下である、請求項1から3のいずれかに記載の有機EL素子。
  5. 前記第1金属層および前記第2金属層の厚さの合計は35nm以下である、請求項1から4のいずれかに記載の有機EL素子。
  6. 前記第1金属層の厚さは0.5nm以上10nm以下である、請求項1から5のいずれかに記載の有機EL素子。
  7. 前記低仕事関数金属は、Ca、Ba、LiおよびCsからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含む、請求項1から6のいずれかに記載の有機EL素子。
  8. 前記有機EL素子はトップエミッション型である、請求項1から7のいずれかに記載の有機EL素子。
  9. 前記第1金属層は前記第1の金属および前記低仕事関数金属を含む合金層である請求項1から8のいずれかに記載の有機EL素子。
  10. 前記有機EL層はポリエチレンジオキシチオフェンおよびポリスチレンサルフォネートからなるホール注入層を有している請求項1から9のいずれかに記載の有機EL素子。
  11. 前記低仕事関数金属はCaおよびBaのうち少なくとも一方を含む請求項1から10のいずれかに記載の有機EL素子。
  12. 前記酸化物導電層は、酸素ガスを含むスパッタガスを用いてスパッタリングによって形成されたものである、請求項1から11のいずれかに記載の有機EL素子。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の有機EL素子と、
    前記有機EL素子と電気的に接続された薄膜トランジスタと
    を備えた表示装置。
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