JP3861025B2 - 折り畳みコンテナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、底部を囲むように配設された側壁が、底部に重なるように折り畳むことができる折り畳みコンテナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
先ず最初に、図5〜図9を用いて、一例としての従来の折り畳みコンテナーについて説明する。
【0003】
平面形状が略長方形の底部1は、その相対する長辺側に形成された高さの低い土手部1aと、相対する短辺側に形成された高さの高い土手部1bとを有するとともに、高さの低い土手部1aに、長側壁2がヒンジ連結され、また、高さの高い土手部1bに、短側壁3がヒンジ連結されている。また、底部1の高さの高い土手部1bの両端部からは、高さの低い土手部1a方向に延在する角部補強ブロック1cが形成されている。更に、底部1の高さの低い土手部1aの上面1a1の中央部には、必要に応じて、正面形状(高さの低い土手部1a側から見た形状)が略方形状の補強ブロック1dが突設されており、この補強ブロック1dの上面は、底部1の高さの高い土手部1bの上面と同じ高さに形成されている。
【0004】
上述したように、底部1の高さの高い土手部1bの両端部からは、高さの低い土手部1a方向に延在する角部補強ブロック1cが形成されているので、長側壁2の下部角部には、折り畳みコンテナーを箱型に組みたてた際に、角部補強ブロック1cが入り込む切り欠き凹部2aが形成されているとともに、底部1の高さの低い土手部1aの上面1a1には、補強ブロック1dが突設されているので、長側壁2の下部中央部には、折り畳みコンテナーを箱型に組みたてた際に、補強ブロック1dが入り込む切り欠き凹部2bが形成されている。
【0005】
図5に示されているように、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを折り畳むには、先ず最初に、底部1の高さの低い土手部1aにヒンジ連結された長側壁2を、底部1方向に倒して、図6に示されているように、底部1の上に重ね、次いで、底部1の高さの高い土手部1bにヒンジ連結された短側壁3を、底部1方向に倒して、底部1に重ねられた長側壁2の上に重ねることにより、図7に示されているように、高さの低いコンパクトな状態に折り畳むことができるように構成されている。また、折り畳まれた状態から、後から倒された短側壁3を、略垂直に立て、次いで、先に倒された長側壁2を略垂直に立てることにより、箱型に組み立てることができるように構成されている。
【0006】
4は、短側壁3の両端部から、短側壁3の内面3aに対して直角方向に延在する短側壁側係合枠であり、短側壁側係合枠4には、適当数の嵌合孔4aが穿設されている。なお、本実施例においては、3個の嵌合孔4aが穿設されている。5は、短側壁側係合枠4付近の短側壁3に形成された弾性係止舌片であり、弾性係止舌片5の先端部には、短側壁3の内面3aを越えて内側に突出した突出部5aが形成されている。短側壁3に形成された弾性係止舌片5は、短側壁3に形成された垂直スリット6aと垂直スリット6aの上下端から、短側壁3の中央方向に、且つ、水平に延在する水平スリット6bとにより構成されるコの字状のスリット部6により形成されている。なお、5bは、弾性係止舌片5の外面5c(折り畳みコンテナーを箱型に組みたてた際に、外側に位置する面)の中央部に形成された水平凸条部であり、水平凸条部5bは、弾性係止舌片5の根元部5’側の水平スリット6bの端部6b1を越えて、短側壁3の中央寄りに延在している。
【0007】
7は、長側壁2の両端部付近に形成された長側壁側係合枠であり、長側壁側係合枠7には、短側壁側係合枠4に穿設された嵌合孔4aに挿入可能な嵌合凸部7aが形成されている。本実施例においては、上記の短側壁側係合枠4に穿設された3個の嵌合孔4aに対応して、3個の嵌合凸部7aが形成されている。
【0008】
図7に示されているように、折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態から、図6に示されているように、後から倒された短側壁3を略垂直に立て、次いで、先に倒された長側壁2を略垂直に立てることにより、図5に示されているように、箱型に組み立てることができるように構成されている。折り畳みコンテナーを箱型に組み立てた際には、短側壁3の短側壁側係合枠4に穿設された嵌合孔4aに、長側壁2の長側壁側係合枠7に形成された嵌合凸部7aが挿入されるとともに、長側壁2の内面2cが、短側壁3の弾性係止舌片5の突出部5aに当接し、長側壁2が、簡単には、底部1方向に倒れないように構成されている。
【0009】
また、図5に示されているように、箱型に組み立てられている状態において、短側壁3に形成された弾性係止舌片5を外側に押し出して、弾性係止舌片5の突出部5aを、長側壁2の内面2cから外し、その後、長側壁2を、底部1方向に倒して底部1に重ね、次いで、短側壁3を、底部1方向に倒すことにより、図7に示されているように、高さの低いコンパクトな状態に折り畳むことができるように構成されている。
【0010】
なお、弾性係止舌片5は、一例として、短側壁3の外面3bに形成された適当な相対する水平リブ8a、8b及び相対する垂直リブ9a、9bにより囲まれた領域に形成されている例が示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述した短側壁3に形成された弾性係止舌片5は、折り畳みコンテナーの組み立て作業及び折り畳み作業の際には、弾性係止舌片5の根元部5’を中心に湾曲することになり、弾性係止舌片5の根元部5’が頻繁に屈曲するので、この根元部5’が白化し、弾性係止舌片5の根元部5’の強度が低下したり、弾性を失ったり、弾性係止舌片5が損傷するという問題があった。
【0012】
本発明の目的は、上述した従来の折り畳みコンテナーが有する課題を解決することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、底部と底部にヒンジ連結された側壁とからなる折り畳みコンテナーにおいて、第1には、折り畳まれた状態から箱型に組み立てる際に、先に立てられる側壁に配設された弾性係止舌片に、略中央領域に凹部を有する水平凸条部を形成したものであり、第2には、弾性係止舌片の周囲に形成されたスリット部の水平スリットの端部付近に、水平部と垂直部とからなる略L字状の補強凸条部を形成したものであり、第3には、底部と底部にヒンジ連結された側壁とからなる折り畳みコンテナーにおいて、折り畳まれた状態から箱型に組み立てる際に、先に立てられる側壁に配設された弾性係止舌片に、略中央領域に凹部を有する水平凸条部を形成するとともに、前記弾性係止舌片の周囲に形成されたスリット部の水平スリットの端部付近に、水平部と垂直部とからなる略L字状の補強凸条部を形成したものであり、第4には、水平凸条部或いは水平部と垂直部とからなる略L字状の補強凸条部の水平部に沿って、補助補強凸条部を形成したものである。
【0014】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものでない。なお、上述した従来の折り畳みコンテナーと同じ構成部材については、同じ符号が使用されており、また、その詳細な説明は省略する。
【0015】
50は、上述した短側壁3に形成された弾性係止舌片と同様の弾性係止舌片であり、弾性係止舌片50の先端部にも、短側壁3の内面3aを越えて内側に突出した突出部50aが形成されている。弾性係止舌片50も、上述した弾性係止舌片5と同様に、短側壁3に形成された垂直スリット6aと垂直スリット6aの上下端から、短側壁3の中央方向に、且つ、水平に延在する水平スリット6bとにより構成されるコの字状のスリット部6により形成されている。50bは、弾性係止舌片50の外面50c(折り畳みコンテナーを箱型に組みたてた際に、外側に位置する面)の中央部に形成された水平凸条部であり、水平凸条部50bは、弾性係止舌片50の根元部50’側の水平スリット6bの端部6b1を越えて、短側壁3の中央寄りに延在している。弾性係止舌片50の根元部50’と先端部50”の間に位置する水平凸条部50bの略中央領域には、凹部50b1が形成されており、弾性係止舌片50が、水平凸条部50bの略中央領域に形成された凹部50b1部分で湾曲し易いように構成されている。
【0016】
上述したように、水平凸条部50bに凹部50b1を形成し、弾性係止舌片50が、水平凸条部50bの凹部50b1部分で湾曲し易いように構成することにより、弾性係止舌片50の根元部50’での湾曲を抑制することができ、従って、弾性係止舌片50の根元部50’の白化を防止することができ、弾性係止舌片50の根元部50’の強度低下を抑制することができる。
【0017】
10は、スリット部6の水平スリット6bの端部6b1付近で、且つ、短側壁3の外面3bに形成された補強凸条部であり、弾性係止舌片50の根元部50’を補強する機能を有するものである。補強凸条部10は、上下方向に位置する一対の水平スリット6bの端部6b1付近に沿って延在する水平部10aと、水平スリット6bの端部6b1に沿って垂直に延在する垂直部10bとからなる、略L字状に形成されている。スリット部6の水平スリット6bの端部6b1付近に、このような補強凸条部10を形成することにより、弾性係止舌片50の根元部50’での湾曲を抑制することができ、弾性係止舌片50を、水平凸条部50bの略中央領域に形成された凹部50b1部分でより湾曲し易くすることができ、従って、弾性係止舌片50の根元部50’の白化を防止することができ、弾性係止舌片50の根元部50’の強度低下を抑制することができ、弾性係止舌片50の損傷を防止することができる。
【0018】
図3及び図4に示されている実施例は、スリット部6の水平スリット6bの端部6b1付近で、且つ、短側壁3の外面3bに形成された補強凸条部10の水平部10aと弾性係止舌片50の外面50cの中央部に形成された水平凸条部50bとの間に、水平凸条部50bに沿って、水平な補助補強凸条部11を配設したものである。補助補強凸条部11の一方の端部は、スリット部6の水平スリット6bの端部6b1を越えて、短側壁3の中央方向に延在しているとともに、補助補強凸条部11のもう一方の端部は、補強凸条部10の水平部10aの端部付近まで延在している。
【0019】
上述したような補助補強凸条部11を配設したことにより、弾性係止舌片50の根元部50’をより補強することができるので、弾性係止舌片50の根元部50’での湾曲をより抑制することができ、弾性係止舌片50を、水平凸条部50bの略中央領域に形成された凹部50b1部分で更に湾曲し易くすることができ、従って、弾性係止舌片50の根元部50’の白化を、より効果的に防止することができ、弾性係止舌片50の根元部50’の強度低下をより抑制することができ、弾性係止舌片50の損傷を確実に防止することができる。
【0020】
なお、上述した実施例には、箱型に組み立てられた状態から、先に長側壁を倒し、次いで、短側壁を倒して折り畳むとともに、折り畳まれた状態から、先に短側壁を立て、次いで、長側壁を立てて、箱型に組み立てるようにした折り畳みコンテナーが示されているが、箱型に組み立てられた状態から、先に短側壁を倒し、次いで、長側壁を倒して折り畳むとともに、折り畳まれた状態から、先に長側壁を立て、次いで、短側壁を立てて、箱型に組み立てるようにした折り畳みコンテナーに、上述した弾性係止舌片50等の構成を適用することができる。いずれにせよ、上述した弾性係止舌片50等の構成は、箱型に組み立てられた状態から折り畳む際に、後から倒される側壁、換言すれば、折り畳まれた状態から箱型に組み立てる際に、先に立てられる側壁に配設されることになる。
【0021】
上述した弾性係止舌片50に、凹部50b1を有する水平凸条部50bのみを配設することも、或いは、水平部と垂直部とからなる略L字状の補強凸条部10のみを配設することも、更には、凹部50b1を有する水平凸条部50bと補強凸条部10の両方を配設することもできる。なお更に、水平凸条部50b或いは水平部と垂直部とからなる略L字状の補強凸条部10の水平部10aに沿って、補助補強凸条部11を形成することもできる。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0023】
折り畳まれた状態から箱型に組み立てる際に、先に立てられる側壁に配設された弾性係止舌片に水平凸条部を形成するとともに、水平凸条部の略中央領域に凹部を形成したので、弾性係止舌片の根元部の白化を防止することができ、弾性係止舌片の強度低下を抑制することができる。
【0024】
弾性係止舌片の周囲に形成されたスリット部の水平スリットの端部付近に、水平部と垂直部とからなる略L字状の補強凸条部を形成したので、弾性係止舌片の根元部の白化を防止することができ、弾性係止舌片の強度低下を抑制することができる。
【0025】
折り畳まれた状態から箱型に組み立てる際に、先に立てられる側壁に配設された弾性係止舌片に、略中央領域に凹部を有する水平凸条部を形成するとともに、前記弾性係止舌片の周囲に形成されたスリット部の水平スリットの端部付近に、水平部と垂直部とからなる略L字状の補強凸条部を形成したので、更に、弾性係止舌片の根元部の白化を防止することができ、弾性係止舌片の強度低下を抑制することができる。
【0026】
水平凸条部或いは水平部と垂直部とからなる略L字状の補強凸条部の水平部に沿って、補助補強凸条部を形成したので、確実に、弾性係止舌片の根元部の白化を防止することができ、弾性係止舌片の強度低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の折り畳みコンテナーの部分正面図である。
【図2】図2は本発明の折り畳みコンテナーの部分斜視図である。
【図3】図3は本発明の別の実施例の折り畳みコンテナーの部分正面図である。
【図4】図4は本発明の別の実施例の折り畳みコンテナーの部分斜視図である。
【図5】図5は従来の折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた状態の斜視図である。
【図6】図6は従来の折り畳みコンテナーの折り畳み途中或いは組み立て途中の斜視図である。
【図7】図7は従来の折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態の斜視図である。
【図8】図8は従来の折り畳みコンテナーの部分正面図である。
【図9】図9は従来の折り畳みコンテナーの部分斜視図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・・底部
2・・・・・・・・・・・・長側壁
3・・・・・・・・・・・・短側壁
10・・・・・・・・・・・補強凸条部
11・・・・・・・・・・・補助補強凸条部
50・・・・・・・・・・・弾性係止舌片
50b・・・・・・・・・・水平凸条部
Claims (4)
- 底部と底部にヒンジ連結された側壁とからなる折り畳みコンテナーにおいて、折り畳まれた状態から箱型に組み立てる際に、先に立てられる側壁に配設された弾性係止舌片に、略中央領域に凹部を有する水平凸条部を形成したことを特徴とする折り畳みコンテナー。
- 底部と底部にヒンジ連結された側壁とからなる折り畳みコンテナーにおいて、弾性係止舌片の周囲に形成されたスリット部の水平スリットの端部付近に、水平部と垂直部とからなる略L字状の補強凸条部を形成したことを特徴とする折り畳みコンテナー。
- 底部と底部にヒンジ連結された側壁とからなる折り畳みコンテナーにおいて、折り畳まれた状態から箱型に組み立てる際に、先に立てられる側壁に配設された弾性係止舌片に、略中央領域に凹部を有する水平凸条部を形成するとともに、前記弾性係止舌片の周囲に形成されたスリット部の水平スリットの端部付近に、水平部と垂直部とからなる略L字状の補強凸条部を形成したことを特徴とする折り畳みコンテナー。
- 水平凸条部或いは水平部と垂直部とからなる略L字状の補強凸条部の水平部に沿って、補助補強凸条部を形成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の折り畳みコンテナー。
Priority Applications (1)
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JP2002139466A JP3861025B2 (ja) | 2002-05-15 | 2002-05-15 | 折り畳みコンテナー |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002139466A JP3861025B2 (ja) | 2002-05-15 | 2002-05-15 | 折り畳みコンテナー |
Publications (2)
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Family Applications (1)
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JP2002139466A Expired - Lifetime JP3861025B2 (ja) | 2002-05-15 | 2002-05-15 | 折り畳みコンテナー |
Country Status (1)
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7055362B2 (ja) * | 2018-04-19 | 2022-04-18 | 三甲株式会社 | 折畳み容器 |
-
2002
- 2002-05-15 JP JP2002139466A patent/JP3861025B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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