JP3860965B2 - 反射装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路側縁に設置され、再帰反射性を有する反射体の前面に開閉構造を有するカバーを配置した反射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、光ビーム等の信号を用いて車両を検知する方法において、発信部と受信部を近接させて配置し、該装置の車線を挟んで対向する箇所に再帰反射性を有する反射板を設け、連続的又は断続的に発信、受信を繰り返して信号の再帰の有無により車両の通過及び車種を確認する方法が開発されている。車線の両側に発光部と受光部を設けることなく、前記の如き反射板を活用した装置を用いることは、装置の簡略化及び低価格化に大きく寄与するものである。
【0003】
しかしながら、これらの反射体は道路側縁に設置されるものであり、周辺には塵埃、煤塵等の多量の汚染物質が存在する。この様な環境下に反射体を単体で設けることは、汚染物質等が付着した際に再帰反射性が低下する恐れがあり、頻繁に清掃を行う必要が生じる。更には反射体の表面がプリズム状に成形されている場合は、清掃しても凹部に汚染物質が残り再帰反射性が回復できない恐れもある。
【0004】
そこで反射体の前面にカバーを設けて直接反射体への汚染物質等の付着を防止し、清掃を容易にする方法が用いられる。カバーは隙間より侵入しカバーの内面に付着した若干の塵埃の清掃のため開閉可能とする必要がある。更にガラスが着氷雪の防止を目的として電熱ガラスとされている場合には、電熱機器のメンテナンスのためにも開閉させる必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来開閉構造として用いられているのは、蝶番、ダンパー等を用い、観音開き、上方向開き等とされたものであるが、カバーがガラスである場合にはカバー自体の重量は大きなものとなり、上方向開きであればメンテナンス等の際に開けた状態としておくのに大きな労力を要することと、留め具等を用いて開けた状態としておいた場合、振動等により留め具が外れて作業者が挟まれる等の恐れがあり非常に危険である。更には上方向開き及び観音開きとする方法では上部の蝶番への荷重的な負担が大きくなり長期の使用において緩み、がたつきや開閉不良が起こる恐れがあり、最悪の場合にはカバーが脱落する恐れがある。反射体が設置される道路側縁においては、車両の通過、風圧等による振動にさらされることから、前記の如き悪影響は特に憂慮されるものである。
【0006】
またダンパーを用いる方法では、油圧等を用いることから重量の大きいカバーを開閉可能とする上では構造的に大型となる傾向があり、また装置及びメンテナンスのコストも高く、得られる効果に見合うものとはなり難い。
【0007】
また反射装置は、全車種の判別に適用可能である必要があり、反射装置自体の高さは場合によっては3メートル以上になる場合もあり、かような反射装置については設置後、開閉時や車両の通行等による振動等により蝶番、ダンパー等に緩みや破損が生じた場合に、上方向開き及び観音開きでは上方の蝶番、ダンパー等を補修するのに高所における作業が必要であり、手間であると同時に危険を伴う。
【0008】
そこで本発明は簡潔且つ容易な方法にて、必要とされる範囲について開閉可能であり比較的大きな重量を有するカバーに適用しても長期に亘り耐久性を保持できる反射体カバーの開閉構造を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は反射体の前面に透明板からなるカバーが設けられると共に、前記カバーが下部を中心として開閉可能となされ、且つ反射体とカバーとの間にカバーの開放角度を規制するストッパーが介在されていることを特徴とするものである。
【0010】
カバーが下部を中心に開閉可能となされ、カバーと反射体の間にストッパーが介在することで、特に支持することなくカバーを安全に開放状態にすることができると共に、開閉範囲を必要十分なものとできる。また下部を中心に回転可能とすることで蝶番等の開閉手段を下端に設けることができ、観音開き、上方向開き等と比較して開閉時や振動等にさらされた場合においても蝶番等の開閉手段への重量的な負担が小さく、長期の使用における高い耐久性を具備させることができる。また蝶番を固定するねじ等の固定手段に緩み、破損等が生じた場合においても蝶番の位置が低いことから容易に補修が可能である。
【0011】
本発明に係わるカバーに用いる透明板としては、光ビームの透過を妨げないものであれば特に材質を限定するものではなく、ガラスや、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリウレタン、ポリメタクリレート、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ABS等の透明の透光性を有する合成樹脂を用いてよく、それらを単独で用いるか、又は複数を用いて混合物、積層物を形成して適用してもよい。また、外面には光ビームの透過を妨げない範囲で適宜シリコンハードコート層等の保護被膜を被覆してもよい。
【0012】
反射体とカバーとの間に介在させるストッパーとしては、開放状態を維持できるものであれば特に種類を限定するものではなくチェーン、ワイヤーロープ、フック、2穴付きプレート等を用いてよい。またストッパーはカバーと反射体のいずれか片側のみに設けてもよいが、開放状態を安定させるために両側に設けるのが好ましい。また設ける場所も1ヶ所でもよく、複数箇所に設けてもよく、カバーの重量や高さを考慮してストッパーの設ける個数、場所を適宜決定してよい。またカバーの高さやメンテナンス等に要する空間を考慮して開放角度を決定し、ストッパーの長さにてその開放角度を調節するのが好ましい。
【0013】
カバーの閉止状態を維持するために、カバーと反射体の間には少なくとも1つの留め金を設けるのが好ましい。留め金の種類はカバーの開放に支障を及ぼすものでなければ特に限定するものでなく、公知のフックやワイヤ等でもよいが、耐久性や開閉のし易さ、外観等を考慮すると、パッチン錠やクレセント錠を用いるのが好ましい。
【0014】
本発明による反射装置は、道路側縁に立設され、その再帰反射性を利用するものであれば用途を特に限定するものではないが、例えば前記の如き道路側縁に立設され車両等の検知に用いられるような、反射体が縦長で比較的大きく、大型車両の通行を検知するには場合によっては3メートル以上の高さとすることが必要となり、それに伴い重量も大きくなるカバーに用いることで本発明による効果を大きくできる。
【0015】
カバーの透明板は電熱ガラスとしてもよい。カバーが着雪、凍結や結露することで反射装置の再帰反射性は低下するが、カバーを電熱ガラスとすることでかような不具合を防止することができる。またカバーが電熱ガラスである場合、合わせガラスであることが多いことと電熱に係わる機器が併設されることから更にカバー自体の重量が大きくなり更に好適に用いることができる。
【0016】
またカバーの外面には光触媒含有層を設けてもよい。光触媒が紫外線により活性化されて、カバーの外面に付着した再帰反射性を低下させる汚染物質を分解し、更に光触媒は親水化され、汚染物質が水洗等により洗い流されやすくなる。
【0017】
反射体及びカバーは枠体により保持されることが好ましい。枠体に保持されることでカバー及び反射体の剛性は向上され、またストッパーや留め金を設けるのが容易となり、更に反射体とカバーを安定して密着させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面に基づき具体的に説明する。
図1は本発明による反射装置の一例の側面図を示すものである。枠体が周囲に形成された反射体部1とカバー部2が設けられ、反射体部1は下端及びリブプレート11によりベース部5に固定されている。枠体の材質は反射体及びカバーを保持できるものであれば特に限定するものではなく、鋼板、ステンレス板、亜鉛めっき鋼板等の曲げ加工品、アルミニウム押出型材等が好適である。カバー部は蝶番6を介してベース部5と接続されているが、蝶番6により上方開きに開閉可能となされている。反射体部1とカバー部2の間には2穴付きプレート、ボルト及び突起物により形成された1つのストッパー3及びパッチン錠である留め金4が2ヶ所に設けられている。またパッチン錠はクレセント錠に置き換えてもよい。この図1は反射装置の閉止状態を示している。
【0019】
図2は図1の反射装置の開放状態を示すものである。ストッパー3は丸孔及び長孔が形成された長辺を有するプレートであり、カバー部2の側面に丸孔がボルトにより回転可能に取り付けられ、反射体部の側面に突起物が形成されてプレートの長孔の中に配置され摺動可能とされており、突起物が長穴の中を摺動する範囲でカバー部が開放され且つ開放状態にて固定される。このような状態で清掃、メンテナンス等の作業を行うことができることから、振動や強風、突風等によりカバー部2が突然閉じて作業者が挟まれる危険性がなくなる。更にはカバー部2は下部を中心として開閉可能とする都合上、閉止時及び開放時にカバー部2の下端に隙間が開くことから、この隙間にクッション材を取り付けて隙間をなからしめ、振動等に対する耐久性を高めてもよい。クッション材は開閉に伴い変形するものが好ましく、ゴム、軟質合成樹脂やその発泡体等により形成されたものを用いてよい。またストッパー3のプレートの材質は特に限定するものではないが、カバーがある程度の重量を有する場合には繰り返し荷重に対する耐久性が高く強度の大きい鉄鋼、ステンレス等により形成されるのが好ましい。
【0020】
ストッパー3は取付位置を特に限定するものではないが、あまりに上端付近にし過ぎると十分な開閉を行うのにストッパーの長さが大きくなり、また反射体の高さが大きい場合にはストッパー3の取付位置も高くなりカバー部2が開閉しづらくなる。またあまりに下端付近にし過ぎると、ストッパー3に負荷がかかるようになり破損の恐れがあり、また開閉にも力を要するようになることから、ストッパーは図1及び図2に示しているような枠体の上下方向の中央部付近の適宜の位置に設けるのが好ましい。
【0021】
図3は図1の反射装置の閉止状態でのストッパー付近を示すものである。カバー部2の側面に取付金具31が設けられ、この取付金具31のボルト孔及び2穴付きプレート32の丸孔がボルト33により回転可能に締結され、また2穴付きプレート32の長孔321の内部には反射体部1の側面に設けられた突起物34が配置され、突起物34は長孔321の内部を摺動可能となされている。
【0022】
図4は図1の反射装置の開放状態でのストッパー付近を示すものである。カバー部2の上方が開放され反射体部1との間隔が開いたときに、2穴付きプレート32とカバー部2が形成する角度は、2穴付きプレート32がボルト33にて回転可能とされていることで広がることが可能であり、また突起物34が長孔321の内部を摺動し長孔321の端部に当たって止まることで安定して開放角度が規制され、長孔321の長さを変更することで任意の開放角度とすることができる。
【0023】
図5は図1の反射装置の正面図を示すものである。反射装置の両側面に1ヶ所ずつストッパー3が設けられ、また両側面2ヶ所ずつ及び上端部1ヶ所に留め金4が設けられている。カバーに用いられる透明板は電熱ガラスであり、商用電源への接続線21及び温度センサー22が設けられている。カバーの背後に配置されている反射体は再帰反射性を有するプリズム反射体11の集合体である。
【0024】
カバーの外面には光触媒含有層を形成してもよい。紫外線の照射により光触媒が活性化され、その酸化作用により再帰反射性を低下させる要因となる付着した汚染物質が分解され、また光触媒が親水化することで汚染物質が降雨等により洗い流され易くなり、着雪が融解する際にも容易に落下する。更に付着した水が水滴とならず透過する光ビーム等の信号の乱反射も起こりにくくなる。尚、反射体及び反射装置の設置後に、太陽光等による設置状態での十分な紫外線の照射が期待できない場合は、設置前の然るべき段階で予め適宜方法にて紫外線を照射し、表面を活性化及び親水化させておいてもよい。
【0025】
【発明の効果】
カバーが下部を中心に開閉可能となされ、カバーと反射体の間にストッパーが介在することで、特に支持することなくカバーを安全に開放状態にすることができると共に、開閉範囲を必要十分なものとできる。また下部を中心に回転可能とすることで蝶番等の開閉手段を下端に設けることができ、観音開き、上方向開き等と比較して開閉時や振動等にさらされた場合においても蝶番等の開閉手段への重量的な負担が小さく、長期の使用における高い耐久性を具備させることができる。また蝶番を固定するねじ等の固定手段に緩み、破損等が生じた場合においても蝶番の位置が低いことから容易に補修が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による反射装置の一例の側面図を示すものである。
【図2】図1の反射装置の開放状態を示すものである。
【図3】図1の反射装置の閉止状態でのストッパー付近を示すものである。
【図4】図1の反射装置の開放状態でのストッパー付近を示すものである。
【図5】図1の反射装置の正面図を示すものである。
【符号の説明】
1 反射体部
11 リブプレート
12 プリズム反射体
2 カバー部
21 接続線
22 温度センサー
3 ストッパー
31 取付金具
32 2穴付きプレート
321 長孔
33 ボルト
34 突起物
4 留め金
5 ベース部
6 蝶番
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路側縁に設置され、再帰反射性を有する反射体の前面に開閉構造を有するカバーを配置した反射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、光ビーム等の信号を用いて車両を検知する方法において、発信部と受信部を近接させて配置し、該装置の車線を挟んで対向する箇所に再帰反射性を有する反射板を設け、連続的又は断続的に発信、受信を繰り返して信号の再帰の有無により車両の通過及び車種を確認する方法が開発されている。車線の両側に発光部と受光部を設けることなく、前記の如き反射板を活用した装置を用いることは、装置の簡略化及び低価格化に大きく寄与するものである。
【0003】
しかしながら、これらの反射体は道路側縁に設置されるものであり、周辺には塵埃、煤塵等の多量の汚染物質が存在する。この様な環境下に反射体を単体で設けることは、汚染物質等が付着した際に再帰反射性が低下する恐れがあり、頻繁に清掃を行う必要が生じる。更には反射体の表面がプリズム状に成形されている場合は、清掃しても凹部に汚染物質が残り再帰反射性が回復できない恐れもある。
【0004】
そこで反射体の前面にカバーを設けて直接反射体への汚染物質等の付着を防止し、清掃を容易にする方法が用いられる。カバーは隙間より侵入しカバーの内面に付着した若干の塵埃の清掃のため開閉可能とする必要がある。更にガラスが着氷雪の防止を目的として電熱ガラスとされている場合には、電熱機器のメンテナンスのためにも開閉させる必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来開閉構造として用いられているのは、蝶番、ダンパー等を用い、観音開き、上方向開き等とされたものであるが、カバーがガラスである場合にはカバー自体の重量は大きなものとなり、上方向開きであればメンテナンス等の際に開けた状態としておくのに大きな労力を要することと、留め具等を用いて開けた状態としておいた場合、振動等により留め具が外れて作業者が挟まれる等の恐れがあり非常に危険である。更には上方向開き及び観音開きとする方法では上部の蝶番への荷重的な負担が大きくなり長期の使用において緩み、がたつきや開閉不良が起こる恐れがあり、最悪の場合にはカバーが脱落する恐れがある。反射体が設置される道路側縁においては、車両の通過、風圧等による振動にさらされることから、前記の如き悪影響は特に憂慮されるものである。
【0006】
またダンパーを用いる方法では、油圧等を用いることから重量の大きいカバーを開閉可能とする上では構造的に大型となる傾向があり、また装置及びメンテナンスのコストも高く、得られる効果に見合うものとはなり難い。
【0007】
また反射装置は、全車種の判別に適用可能である必要があり、反射装置自体の高さは場合によっては3メートル以上になる場合もあり、かような反射装置については設置後、開閉時や車両の通行等による振動等により蝶番、ダンパー等に緩みや破損が生じた場合に、上方向開き及び観音開きでは上方の蝶番、ダンパー等を補修するのに高所における作業が必要であり、手間であると同時に危険を伴う。
【0008】
そこで本発明は簡潔且つ容易な方法にて、必要とされる範囲について開閉可能であり比較的大きな重量を有するカバーに適用しても長期に亘り耐久性を保持できる反射体カバーの開閉構造を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は反射体の前面に透明板からなるカバーが設けられると共に、前記カバーが下部を中心として開閉可能となされ、且つ反射体とカバーとの間にカバーの開放角度を規制するストッパーが介在されていることを特徴とするものである。
【0010】
カバーが下部を中心に開閉可能となされ、カバーと反射体の間にストッパーが介在することで、特に支持することなくカバーを安全に開放状態にすることができると共に、開閉範囲を必要十分なものとできる。また下部を中心に回転可能とすることで蝶番等の開閉手段を下端に設けることができ、観音開き、上方向開き等と比較して開閉時や振動等にさらされた場合においても蝶番等の開閉手段への重量的な負担が小さく、長期の使用における高い耐久性を具備させることができる。また蝶番を固定するねじ等の固定手段に緩み、破損等が生じた場合においても蝶番の位置が低いことから容易に補修が可能である。
【0011】
本発明に係わるカバーに用いる透明板としては、光ビームの透過を妨げないものであれば特に材質を限定するものではなく、ガラスや、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリウレタン、ポリメタクリレート、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ABS等の透明の透光性を有する合成樹脂を用いてよく、それらを単独で用いるか、又は複数を用いて混合物、積層物を形成して適用してもよい。また、外面には光ビームの透過を妨げない範囲で適宜シリコンハードコート層等の保護被膜を被覆してもよい。
【0012】
反射体とカバーとの間に介在させるストッパーとしては、開放状態を維持できるものであれば特に種類を限定するものではなくチェーン、ワイヤーロープ、フック、2穴付きプレート等を用いてよい。またストッパーはカバーと反射体のいずれか片側のみに設けてもよいが、開放状態を安定させるために両側に設けるのが好ましい。また設ける場所も1ヶ所でもよく、複数箇所に設けてもよく、カバーの重量や高さを考慮してストッパーの設ける個数、場所を適宜決定してよい。またカバーの高さやメンテナンス等に要する空間を考慮して開放角度を決定し、ストッパーの長さにてその開放角度を調節するのが好ましい。
【0013】
カバーの閉止状態を維持するために、カバーと反射体の間には少なくとも1つの留め金を設けるのが好ましい。留め金の種類はカバーの開放に支障を及ぼすものでなければ特に限定するものでなく、公知のフックやワイヤ等でもよいが、耐久性や開閉のし易さ、外観等を考慮すると、パッチン錠やクレセント錠を用いるのが好ましい。
【0014】
本発明による反射装置は、道路側縁に立設され、その再帰反射性を利用するものであれば用途を特に限定するものではないが、例えば前記の如き道路側縁に立設され車両等の検知に用いられるような、反射体が縦長で比較的大きく、大型車両の通行を検知するには場合によっては3メートル以上の高さとすることが必要となり、それに伴い重量も大きくなるカバーに用いることで本発明による効果を大きくできる。
【0015】
カバーの透明板は電熱ガラスとしてもよい。カバーが着雪、凍結や結露することで反射装置の再帰反射性は低下するが、カバーを電熱ガラスとすることでかような不具合を防止することができる。またカバーが電熱ガラスである場合、合わせガラスであることが多いことと電熱に係わる機器が併設されることから更にカバー自体の重量が大きくなり更に好適に用いることができる。
【0016】
またカバーの外面には光触媒含有層を設けてもよい。光触媒が紫外線により活性化されて、カバーの外面に付着した再帰反射性を低下させる汚染物質を分解し、更に光触媒は親水化され、汚染物質が水洗等により洗い流されやすくなる。
【0017】
反射体及びカバーは枠体により保持されることが好ましい。枠体に保持されることでカバー及び反射体の剛性は向上され、またストッパーや留め金を設けるのが容易となり、更に反射体とカバーを安定して密着させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面に基づき具体的に説明する。
図1は本発明による反射装置の一例の側面図を示すものである。枠体が周囲に形成された反射体部1とカバー部2が設けられ、反射体部1は下端及びリブプレート11によりベース部5に固定されている。枠体の材質は反射体及びカバーを保持できるものであれば特に限定するものではなく、鋼板、ステンレス板、亜鉛めっき鋼板等の曲げ加工品、アルミニウム押出型材等が好適である。カバー部は蝶番6を介してベース部5と接続されているが、蝶番6により上方開きに開閉可能となされている。反射体部1とカバー部2の間には2穴付きプレート、ボルト及び突起物により形成された1つのストッパー3及びパッチン錠である留め金4が2ヶ所に設けられている。またパッチン錠はクレセント錠に置き換えてもよい。この図1は反射装置の閉止状態を示している。
【0019】
図2は図1の反射装置の開放状態を示すものである。ストッパー3は丸孔及び長孔が形成された長辺を有するプレートであり、カバー部2の側面に丸孔がボルトにより回転可能に取り付けられ、反射体部の側面に突起物が形成されてプレートの長孔の中に配置され摺動可能とされており、突起物が長穴の中を摺動する範囲でカバー部が開放され且つ開放状態にて固定される。このような状態で清掃、メンテナンス等の作業を行うことができることから、振動や強風、突風等によりカバー部2が突然閉じて作業者が挟まれる危険性がなくなる。更にはカバー部2は下部を中心として開閉可能とする都合上、閉止時及び開放時にカバー部2の下端に隙間が開くことから、この隙間にクッション材を取り付けて隙間をなからしめ、振動等に対する耐久性を高めてもよい。クッション材は開閉に伴い変形するものが好ましく、ゴム、軟質合成樹脂やその発泡体等により形成されたものを用いてよい。またストッパー3のプレートの材質は特に限定するものではないが、カバーがある程度の重量を有する場合には繰り返し荷重に対する耐久性が高く強度の大きい鉄鋼、ステンレス等により形成されるのが好ましい。
【0020】
ストッパー3は取付位置を特に限定するものではないが、あまりに上端付近にし過ぎると十分な開閉を行うのにストッパーの長さが大きくなり、また反射体の高さが大きい場合にはストッパー3の取付位置も高くなりカバー部2が開閉しづらくなる。またあまりに下端付近にし過ぎると、ストッパー3に負荷がかかるようになり破損の恐れがあり、また開閉にも力を要するようになることから、ストッパーは図1及び図2に示しているような枠体の上下方向の中央部付近の適宜の位置に設けるのが好ましい。
【0021】
図3は図1の反射装置の閉止状態でのストッパー付近を示すものである。カバー部2の側面に取付金具31が設けられ、この取付金具31のボルト孔及び2穴付きプレート32の丸孔がボルト33により回転可能に締結され、また2穴付きプレート32の長孔321の内部には反射体部1の側面に設けられた突起物34が配置され、突起物34は長孔321の内部を摺動可能となされている。
【0022】
図4は図1の反射装置の開放状態でのストッパー付近を示すものである。カバー部2の上方が開放され反射体部1との間隔が開いたときに、2穴付きプレート32とカバー部2が形成する角度は、2穴付きプレート32がボルト33にて回転可能とされていることで広がることが可能であり、また突起物34が長孔321の内部を摺動し長孔321の端部に当たって止まることで安定して開放角度が規制され、長孔321の長さを変更することで任意の開放角度とすることができる。
【0023】
図5は図1の反射装置の正面図を示すものである。反射装置の両側面に1ヶ所ずつストッパー3が設けられ、また両側面2ヶ所ずつ及び上端部1ヶ所に留め金4が設けられている。カバーに用いられる透明板は電熱ガラスであり、商用電源への接続線21及び温度センサー22が設けられている。カバーの背後に配置されている反射体は再帰反射性を有するプリズム反射体11の集合体である。
【0024】
カバーの外面には光触媒含有層を形成してもよい。紫外線の照射により光触媒が活性化され、その酸化作用により再帰反射性を低下させる要因となる付着した汚染物質が分解され、また光触媒が親水化することで汚染物質が降雨等により洗い流され易くなり、着雪が融解する際にも容易に落下する。更に付着した水が水滴とならず透過する光ビーム等の信号の乱反射も起こりにくくなる。尚、反射体及び反射装置の設置後に、太陽光等による設置状態での十分な紫外線の照射が期待できない場合は、設置前の然るべき段階で予め適宜方法にて紫外線を照射し、表面を活性化及び親水化させておいてもよい。
【0025】
【発明の効果】
カバーが下部を中心に開閉可能となされ、カバーと反射体の間にストッパーが介在することで、特に支持することなくカバーを安全に開放状態にすることができると共に、開閉範囲を必要十分なものとできる。また下部を中心に回転可能とすることで蝶番等の開閉手段を下端に設けることができ、観音開き、上方向開き等と比較して開閉時や振動等にさらされた場合においても蝶番等の開閉手段への重量的な負担が小さく、長期の使用における高い耐久性を具備させることができる。また蝶番を固定するねじ等の固定手段に緩み、破損等が生じた場合においても蝶番の位置が低いことから容易に補修が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による反射装置の一例の側面図を示すものである。
【図2】図1の反射装置の開放状態を示すものである。
【図3】図1の反射装置の閉止状態でのストッパー付近を示すものである。
【図4】図1の反射装置の開放状態でのストッパー付近を示すものである。
【図5】図1の反射装置の正面図を示すものである。
【符号の説明】
1 反射体部
11 リブプレート
12 プリズム反射体
2 カバー部
21 接続線
22 温度センサー
3 ストッパー
31 取付金具
32 2穴付きプレート
321 長孔
33 ボルト
34 突起物
4 留め金
5 ベース部
6 蝶番
Claims (6)
- 再帰反射性を有する反射体の前面に透明板からなるカバーが設けられると共に、前記カバーは下部を中心として開閉可能となされ且つ反射体とカバーとの間にカバーの開放角度を規制するストッパーが介在されていることを特徴とする反射装置。
- 反射体とカバーの間には、カバーの閉止状態を維持する少なくとも1つの留め金が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の反射装置。
- 反射装置は道路側縁に立設され、道路を挟んで相対する位置に発光装置及び検知装置が設けられて車両等の通行の検知に用いられるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射装置。
- カバーの透明板は電熱ガラスであることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の反射装置。
- カバーの透明板の外面には光触媒含有層が形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の反射装置。
- 反射体及び/又はカバーの周囲は、枠体により保持されていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の反射装置。
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