JP3860924B2 - 運搬用容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空の運搬用容器(以下、運搬用容器を、単に、「容器」ともいう。)を積み重ねる際には、上に位置する容器のほぼ半分が、下に位置する容器に嵌め込まれ、所謂、ネスティングされ、また、内容物が収納された容器を積み重ねる際には、上に位置する容器が、下に位置する容器のフランジに載置されて、嵌め込まれないように積み重ねる、所謂、スタッキングされることが可能な容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4及び図5を用いて、従来の運搬用容器について説明する。
【0003】
容器は、底部1、外側にやや傾斜した相対する長辺側の側壁2a、2b(以下、単に、「長側壁」という。)及び同じく外側にやや傾斜した相対する短辺側の側壁2c、2d(以下、単に、「短側壁」という。)とから構成されている。3は、容器の開口部を取り囲むように、長側壁2a、2b及び短側壁2c、2dの上端から外側水平方向に延設されたフランジ3である。4aは、長側壁2a、2b及び短側壁2c、2dの中程に形成された中間水平リブであり、4bは、フランジ3と中間水平リブ4aの間に形成された上部水平リブであり、4cは、フランジ3、中間水平リブ4a及び上部水平リブ4bを、適宜、連結する垂直リブである。
【0004】
p1は、フランジ3から底部1に向かって、長側壁2a、2bの一方の隅部寄りの内壁に形成された縦長の凹部からなるポケットであり、容器の略半分の深さを有している。c1は、ポケットp1と適当な間隙を置いて或いはポケットp1に隣接して、ポケットp1より、容器の中央部寄りの長側壁2a、2bの外壁に形成された支脚であり、支脚c1は、中間水平リブ4aから底部1付近まで延びるように形成されている。上記のポケットp1の内幅は、上記の支脚c1の外幅より広く形成されている。以下、このような、幅広のポケットp1と幅狭の支脚c1との組み合わせを幅広ポケット・支脚部S1と称されている。
【0005】
c2は、長側壁2a、2bのもう一方の隅部寄りの外壁に形成された、上述した支脚c1より、幅広の支脚であり、支脚c2は、中間水平リブ4aから底部1付近まで延びるように形成されている。p2は、支脚c2と適当な間隙を置いて或いは支脚c2に隣接して、支脚c2より、容器の中央部寄りの長側壁2a、2bの内壁に形成された縦長の凹部からなるポケットであり、容器の略半分の深さを有しており、該ポケットp2は、幅広ポケット・支脚部S1のポケットp1の内幅より狭い内幅を有している。以下、このような、幅広の支脚c2と幅狭のポケットp2との組み合わせを幅広支脚・ポケット部S2と称する。なお、支脚c1、c2の下面には、支脚c1、c2の幅間隔でもって、下方に突起c1’、c2’が延設されており、この突起c1’、c2’は、スタッキングの際に、下に位置する容器内に挿入され、上に位置する容器の横移動を少なくするような機能を有するものであり、寄せリブと称する。
【0006】
幅広ポケット・支脚部S1の幅狭の支脚c1の外幅は、幅広支脚・ポケット部S2の幅狭のポケットp2の内幅より狭く形成されており、従って、ネスティングの際には、幅広ポケット・支脚部S1の幅狭の支脚c1が、幅広支脚・ポケット部S2の幅狭のポケットp2に挿入できるように構成されている。また、幅広支脚・ポケット部S2の幅広の支脚c2の外幅は、幅広ポケット・支脚部S1の幅広ポケットp1の内幅より狭く形成されており、従って、ネスティングの際には、幅広支脚・ポケット部S2の幅広の支脚c2が、幅広ポケット・支脚部S1の幅広のポケットp1に挿入できるように構成されている。
【0007】
上述した幅広ポケット・支脚部S1は、相対する長側壁2a、2bの一方の隅部付近に、互いに対向して配置されており、また、相対する長側壁2a、2bのもう一方の隅部付近には、互いに対向するように、幅広支脚・ポケット部S2が配置されている。また、相対する短側壁2c、2dのうち、長側壁2a、2bに配置された幅広ポケット・支脚部S1に近い方の短側壁2cの隅部付近には、幅広支脚・ポケット部S2が配置されており、また、長側壁2a、2bに配置された幅広支脚・ポケット部S2に近い方の短側壁2dの隅部付近には、幅広ポケット・支脚部S1が配置されている。なお、図4及び図5に示されているように、長側壁2a、2b及び短側壁2c、2dの両方に、幅広ポケット・支脚部S1及び幅広支脚・ポケット部S2を配設することなく、長側壁2a、2bのみ、或いは、短側壁2c、2dにのみ、幅広ポケット・支脚部S1及び幅広支脚・ポケット部S2を配設することもできる。
【0008】
下に位置する容器と上に位置する容器とが、同じ向きになるように、即ち、下に位置する容器の幅広ポケット・支脚部S1の上方に、上に位置する容器の幅広ポケット・支脚部S1が位置し、また、下に位置する容器の幅広支脚・ポケット部S2の上方に、上に位置する容器の幅広支脚・ポケット部S2が位置するように、容器を積み重ねると、上に位置する容器の合計8本の支脚c1、c2が、フランジ3に載置されるので、下に位置する容器の上に、上に位置する容器がスタッキングされることになる。なお、スタッキングの際には、上に位置する容器の支脚c1、c2の寄せリブc1’、c2’が、下に位置する容器内に挿入され、上に位置する容器の横移動を少なくするように構成されている。
【0009】
また、スタッキング状態から、上に位置する容器を、平面的に、180度回転させて、下に位置する容器と上に位置する容器とが、異なる向きになるように、即ち、下に位置する容器の幅広ポケット・支脚部S1の上方に、上に位置する容器の幅広支脚・ポケット部S2が位置し、また、下に位置する容器の幅広支脚・ポケット部S2の上方に、上に位置する容器の幅広ポケット・支脚部S1が位置するように配置すると、下に位置する容器の幅広ポケット・支脚部S1の幅広のポケットp1に、上に位置する容器の幅広支脚・ポケット部S2の幅広の支脚c2が、また、下に位置する幅広支脚・ポケット部S2の幅狭のポケットp2に、上に位置する幅広ポケット・支脚部S1の幅狭の支脚c1が、それぞれ挿入されることになり、従って、上に位置する容器の略半分が、下に位置する容器の内部に嵌め込まれてネスティングされることになる。
【0010】
なお、上述した、長側壁2a、2b及び短側壁2c、2dに配設された幅広ポケット・支脚部S1及び幅広支脚・ポケット部S2の配置は、上述した配置に限定されるものではなく、下に位置する容器と上に位置する容器とが、同じ向きに積み重ねられた際には、下に位置する容器の開口部に形成されたフランジ上に、上に位置する容器の支脚が載置されて、上に位置する容器が、下に位置する容器に嵌め込まれないように積み重ねられる、所謂、スタッキングされ、また、スタッキング状態から、上に位置する容器を、平面的に、180度回転させることにより、上に位置する容器の支脚が、下に位置する容器のポケットに挿入されて、上に位置する容器が、下に位置する容器に嵌め込まれる、所謂、ネスティングされるような配置であればどのような配置でもよい。
【0011】
上述したネスティング際には、上に位置する容器のより多くの部分が、下に位置する容器内に収納されることが、多数の容器をネスティング状態で積み重ねた時に、ネスティング状態で積み重ねられた容器の全体の高さを、低く抑えることができ、容器の収納効率、即ち、ネスティング効率が上がることになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の運搬用容器においては、ネスティング効率が十分といえず、容器の保管スペースの減少化が実現できなかったという問題があった。
【0013】
本発明の目的は、上述した従来の運搬用容器が有する課題を解決するとともに、容器の洗浄時における水切れ等が改善された運搬用容器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、上に位置する容器の支脚が、下に位置する容器のポケットに挿入されて、上に位置する容器が、下に位置する容器に嵌め込まれる、所謂、ネスティングされるように構成された運搬用容器において、第1には、ポケットには、ポケットの底部を全面に亘たって削除することにより、ポケットが底無しとなるように、底部開口が形成されており、3つの容器をネスティングした際には、真ん中の容器のポケットに挿入された一番上の容器の支脚の下面が、一番下に位置する容器のフランジ上に、直に、載置されるように構成したものであり、第2には、ポケットに隣接した側壁に、支脚の寄せリブが挿入可能な側部開口を、底部開口に連続して形成したものである。
【0015】
【実施例】
以下に、図1〜図3を用いて、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。なお、従来の運搬用容器と共通の構成については、同一の符号を使用した。
【0016】
本発明においては、上述した従来の容器のポケットp1、p2の底部p1’、p2’を、全面に亘たって削除して、底無しとなるように、底部開口10を形成するとともに、ポケットp1、p2の底部p1’、p2’に隣接した長側壁2a、2b及び短側壁2c、2dの側壁を、上記底部開口10の幅10aと同じ幅に、少なくとも、寄せリブc1’、c2’の高さ分だけ削除して、側部開口11を形成したものである。
【0017】
以下に、上述したように、ポケットp1、p2に、底部開口10及び該底部開口10に接続した側部開口11が形成された容器を、ネスティングした場合について説明する。なお、以下の説明においては、ポケットp1、p2を、単に、ポケットpとし、支脚c1、c2を、単に、支脚cとした。
【0018】
1番下に位置する容器B1のポケットpに、2番目の容器B2の支脚cを挿入すると、1番下に位置する容器B1のフランジ3上に、2番目の容器B2の中間水平リブ4aが載置されてネスティングされることになるが、ポケットpには、底部開口10及び側部開口11が形成されているので、2番目の容器B2のポケットp内には、1番下に位置する容器B1のフランジ3が位置している。
【0019】
次いで、2番目に位置する容器B2のポケットpに、3番目の容器B3の支脚cを挿入すると、3番目の容器B3の支脚cの下面c”は、従来のように、ポケットp1、p2の底部p1’、p2’に載置されることなく、番目の容器Bのフランジ3に、直に、載置されることになるので、3番目の容器B3は、従来のポケットp1、p2の底部p1’、p2’の厚み分だけ、より多く、2番目の容器B2に収納されることになり、ネスティング効率が上がることになる。また、3番目の容器B3の支脚cの寄せリブc’は、2番目の容器B2の側部開口11内に位置するように構成されているので、3番目の容器B3の支脚cの寄せリブc’が、2番目の容器B2の長側壁2a、2bや短側壁2c、2dの側壁に当接して、3番目の容器B3が持ち上がるようなことがなく、完全なネスティングが阻害されるようなことがない。
【0020】
側部開口11は、上述したように、支脚cの寄せリブc’が、長側壁2a、2bや短側壁2c、2dの側壁に当接しないように形成されるものであるので、寄せリブc’が、細いリブで形成されている場合には、側部開口11の幅11aを、必ずしも、底部開口10の幅10aと同じに形成することなく、寄せリブc’が挿入可能な幅であればよい。また、支脚cに、寄せリブc’が形成されていない場合には、側部開口11を形成する必要はなく、底部開口10のみ形成すればよい。
【0021】
また、本実施例においては、ポケットpには、底無しとなるように、底部開口10及び側部開口11が形成されているので、容器を洗浄した際に、洗浄水は、底部開口10及び側部開口11から排出され、ポケットpに洗浄水が溜まるようなことがなく、従って、洗浄水の水切れがよくなる。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような構成を有するので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0023】
ポケットには、ポケットが底無しとなるように、底部開口が形成されているので、ネスティング効率が向上する。
【0024】
ポケットには、ポケットが底無しとなるように、底部開口が形成されているので、ポケットに洗浄水が溜まるようなことがなく、従って、洗浄水の水切れがよくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の運搬用容器の斜視図である。
【図2】図2は本発明の運搬用容器の要部拡大斜視図である。
【図3】図3は本発明の3つの運搬用容器がネスティングされた状態のポケット及び支脚を含む垂直断面図である。
【図4】図4は従来の運搬用容器の斜視図である。
【図5】図5は従来の運搬用容器の平面図である。
【符号の説明】
S1・・・・・・・幅広ポケット・支脚部
S2・・・・・・・幅広支脚・ポケット部
c1、c2・・・・支脚
p1、p2・・・・ポケット
1・・・・・・・・底部
2a、2b・・・・長側壁
2c、2d・・・・短側壁
3・・・・・・・・フランジ
10・・・・・・・底部開口
11・・・・・・・側部開口

Claims (2)

  1. 上に位置する容器の支脚が、下に位置する容器のポケットに挿入されて、上に位置する容器が、下に位置する容器に嵌め込まれる、所謂、ネスティングされるように構成された運搬用容器において、ポケットには、ポケットの底部を全面に亘たって削除することにより、ポケットが底無しとなるように、底部開口が形成されており、3つの容器をネスティングした際には、真ん中の容器のポケットに挿入された一番上の容器の支脚の下面が、一番下に位置する容器のフランジ上に、直に、載置されるように構成されている特徴とする運搬用容器。
  2. ポケットに隣接した側壁に、支脚の寄せリブが挿入可能な側部開口が、底部開口に連続して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
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